JP2004293301A - 車両エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Yosuke Tateishi
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Abstract

【課題】エンジン始動後には、シリンダブロックのブロック冷却水路内の冷却水の温度を、均一な温度に維持しながら短時間のうちに上昇させ得る冷却装置を合理的に構成する。
【解決手段】シリンダヘッド1に形成されたヘッド冷却水路1Aに対して、このヘッド冷却水路1Aに流れる冷却水の圧力を受けることにより回転するランナ31を備え、このランナ31と一体的に回転する回転軸32を備え、シリンダブロック2に形成されたブロック冷却水路2Aに対して、回転軸32と一体回転するインペラ33を備えて循環手段30を構成し、ウォータポンプ3からヘッド冷却水路1Aが送られる際には、この冷却水からの圧力でブロック冷却水路2A内のインペラ33を回転させ、このブロック冷却水路2A内の冷却水の循環、撹拌を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダヘッドに形成されたヘッド冷却水路、及び、シリンダブロックに形成されたブロック冷却水路に対してウォータポンプからの冷却水を供給する冷却水供給路と、前記ヘッド冷却水路、及び、ブロック水路から排出された冷却水を合流させて前記ウォータポンプの吸引側に戻す冷却水戻し路とを備えている車両エンジンの冷却装置に関し、詳しくは、シリンダヘッドとシリンダブロックとの温度を独立して管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようにシリンダヘッドの温度とシリンダブロックの温度とを独立して管理する技術として、エンジンで駆動されるウォータポンプ(14)からの冷却水をシリンダヘッド(2)のウォータジャケット(16)に供給した後にウォータポンプ(14)に戻す形態で循環させる冷却系と、電動モータ(11a)で駆動されるポンプ(11)からの冷却水をシリンダブロック(1)のウォータジャケット(8)に供給した後にポンプ(11)に戻す形態で循環させる冷却系とを備えたものが存在する。この従来の技術では、エンジンを作動させた場合にウォータポンプ(14)からの冷却水をシリンダヘッド(2)のウォータジャケット(16)に循環させ、この後、冷却水の温度が上昇するとサーモスタット式切換弁(18)が切換作動することで冷却水をラジエータ(13)に送って冷却を行い、又、エンジンの暖機中は、シリンダブロック(1)のウォータジャケット(8)の冷却水温度を冷却水センサ(22)で検出し、この検出温度が所定温度未満である場合にポンプ(11)が停止し、冷却水センサ(22)で検出される温度が所定温度以上に達した場合にポンプ(11)を作動させて冷却を開始するよう構成されている(例えば、特許文献1参照・番号は文献中のものを引用)。
【0003】
又、シリンダヘッドの温度とシリンダブロックの温度とを独立して管理する技術として、シリンダヘッドから一次ラジエータに対してポンプにより冷却剤(本発明の冷却水)を強制的に流すことにより冷却剤を一次ラジエータで冷却し、又、エンジンブロックの冷却剤を熱による自然対流を利用して二次ラジエータに流すことにより冷却剤を二次ラジエータで冷却するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62‐298617号公報
【特許文献2】
特表2000‐516324号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、エンジンにおける熱の管理について考えるに、シリンダヘッドは燃焼室の熱が直接伝わるので、エンジンの始動直後でも短時間のうちに温度上昇が行われるものである。これに対してシリンダブロックは燃焼室と一部が隣接するものの、シリンダヘッドと比較して大型であるのでエンジンの始動直後には温度上昇に比較的長い時間を要するものである。
【0006】
従って、エンジンの始動直後のように、シリンダブロックの温度が低い場合には、ピストンとシリンダとが密着状態にあることから、これらの間での摩擦が大きく(厳密にはピストンリングとシリンダライナーとの間の摩擦力が大きく)出力や燃費を低下させているのが現状である。このような理由もあり、エンジンの稼動時には、シリンダブロックの温度をシリンダヘッドの温度より高温に維持することがエンジンの効率を高めることも知られている。
【0007】
そこで、シリンダヘッドの温度とシリンダブロックの温度とを独立して管理するものとして、特許文献1の技術を考えるに、この技術ではエンジンの始動直後にはシリンダブロックのウォータジャケット(本発明のブロック冷却水路)に対する冷却水の循環を行わないので、ウォータジャケット内の冷却水の昇温を比較的短時間に行えるものとなる。しかしながら、この技術では、シリンダヘッドの側から伝えられる熱によってシリンダブロックの温度が上昇することによりウォータジャケット内の冷却水の温度が上昇する形態となるので、温度上昇に時間を要するばかりでなく、シリンダブロックの上部の温度だけが局部的に上昇する点において改善の余地がある。又、この特許文献1ではシリンダヘッドとシリンダブロックとの温度管理を独立して行えるものであるが、2つのポンプを必要とするので部品点数の増大を招き、コスト上昇に繋がる点においても改善の余地がある。
【0008】
前記特許文献2の技術を考えるに、この技術では、シリンダブロックのウォータジャケット(ブロック冷却水路)の冷却水を強制的に循環させないので、このウォータジャケット内の冷却水の温度上昇を比較的短時間に行えるものの、対流によって冷却水をラジエータに送る構成であるため、効率的な冷却を行い難い面も想像され、改善の余地がある。
【0009】
本発明の目的は、エンジン始動後には、シリンダブロックのブロック冷却水路内の冷却水の温度が不均一になる不都合を招くことなく短時間のうちに上昇させ、エンジンの稼動時には効率的な稼動を実現するようシリンダヘッドの温度とシリンダブロックの温度とを独立して管理し得る冷却装置を合理的に構成する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る車両エンジンの冷却装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
シリンダヘッドに形成されたヘッド冷却水路、及び、シリンダブロックに形成されたブロック冷却水路に対してウォータポンプからの冷却水を供給する冷却水供給路と、前記ヘッド冷却水路、及び、ブロック水路から排出された冷却水を合流させて前記ウォータポンプの吸引側に戻す冷却水戻し路とを備えている車両エンジンの冷却装置において、前記ヘッド冷却水路に流れる冷却水の圧力を受けることにより前記ブロック冷却水路の冷却水に対して、その冷却水をシリンダブロック内で循環させる圧力を作用させる循環手段を備えている点にある。
【0011】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、ウォータポンプからシリンダヘッドのヘッド冷却水路に対して冷却水が供給されることにより、ヘッド冷却水路に流れる冷却水の圧力を受けた循環手段が、シリンダブロックに形成されたブロック冷却水路の冷却水に圧力を作用させ、その冷却水をブロック冷却水路内で循環させるものとなる。つまり、エンジンの稼動時には、シリンダブロックに対してシリンダヘッドの側から熱が伝えられるのであるが、本発明によると、循環手段を備えることにより、この循環手段がモータ等の駆動源を備えていない構造であるに拘わらず、ウォータポンプでシリンダヘッドに供給される冷却水の圧力を駆動源にしてブロック冷却水路内の冷却水を循環させることが可能となり、シリンダブロック側だけが加熱される不都合(例えば、ヒートスポットの発生)を解消して、シリンダブロック全体の温度を平均化できる。その結果、モータ類を備えずともブロック冷却水路内の冷却水を強制的に循環させることによりシリンダブロック全体の昇温を図りピストンとシリンダブロックとの摩擦を低減してエンジンの効率を高め得る冷却装置が構成された。
【0012】
本発明の請求項2に係る車両エンジンの冷却装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1記載の車両エンジンの冷却装置において、前記冷却水供給路のうち、前記ブロック冷却水路に冷却水を供給する水路に対して開閉弁を備え、この開閉弁は、前記ブロック冷却水路の冷却水の温度が予め設定された第1温度未満にある場合に冷却水を遮断する状態と、前記ブロック冷却水路の冷却水の温度が上昇して前記第1温度以上に達した際に前記ブロック冷却水路に対して冷却水の供給を開始する状態とに設定自在に構成されている点にある。
【0013】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、エンジンの暖機運転時において、ブロック冷却水路の冷却水の温度が第1温度未満にある場合には、開閉弁がブロック冷却水路に対する冷却水の供給を遮断することにより、冷却水の給排を停止させた状態でブロック冷却水路の冷却水の温度上昇を行え、ブロック冷却水路の冷却水の温度が上昇して第1温度以上に達した際には、ブロック冷却水路に対して冷却水の供給を開始するので、ブロック冷却水路内の冷却水の過剰な温度上昇を抑制できる。その結果、ブロック冷却水路内の冷却水の温度上昇を短時間で行えるものとなった。
【0014】
本発明の請求項3に係る車両エンジンの冷却装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項2記載の車両エンジンの冷却装置において、前記冷却水戻し路が、冷却水の熱をラジエータで放熱させた後に前記ウォータポンプの吸引側に戻す放熱水路と、冷却水を前記ラジエータを通過させずに前記ウォータポンプに戻すバイパス水路と、この冷却水戻し路の冷却水の温度が予め設定された第2温度未満である場合には冷却水をバイパス水路に送り、前記冷却水戻し路の冷却水の温度が上昇して前記第2温度以上に達した際に前記放熱水路に対して冷却水の供給を開始する調節弁とを備えて構成され、この調節弁に設定された前記第2温度が、前記開閉弁に設定された第1温度より低い値に設定されている点にある。
【0015】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、冷却水戻し路の冷却水の温度が第2温度未満である場合には、調節弁がシリンダヘッドから冷却水をバイパス水路に送った後にウォータポンプの吸引側に戻すので、冷却水の過剰な放熱が回避され、しかも、冷却水戻し路の冷却水の温度が第2温度未満である場合には、開閉弁が遮断状態にあるのでシリンダブロックのブロック冷却水路内の冷却水の温度を低下させることがない。更に、冷却水戻し路の冷却水の温度が上昇して第2温度以上に達した場合には、調節弁がシリンダヘッドから冷却水を放熱水路に送り、ラジエータで放熱した後にウォータポンプの吸引側に戻すので、シリンダヘッドの温度上昇を抑制するものとなり、しかも、このように冷却水の放熱を行う場合でも、ブロック冷却水路の冷却水の温度が第1温度未満である場合には、開閉弁が遮断状態にあるのでシリンダブロックのブロック冷却水路内の冷却水の温度を低下させることがなく、ブロック冷却水路の冷却水の温度が第1温度以上に達した後にシリンダブロックのブロック冷却水路内に対して冷却水を供給してシリンダブロックの温度上昇を抑制するものとなる。つまり、本装置によると、エンジンの始動時のように冷却水の温度が上昇する際には、シリンダブロックの温度上昇を積極的に行うことによってシリンダヘッドよりシリンダブロックの温度を高くできるのである。その結果、暖機運転時にはシリンダヘッドの過剰な温度上昇を抑制しながらシリンダブロックを短時間のうちに最適な温度まで上昇させ、エンジンの効率を高め得るものとなった。
【0016】
本発明の請求項4に係る車両エンジンの冷却装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両エンジンの冷却装置において、前記循環手段が、前記ヘッド冷却水路に送られる冷却水からの圧力で回転するランナと、このランナと一体回転する回転軸からの回転力によって前記ブロック冷却水路の内部で回転するインペラとを備えて構成されている点にある。
【0017】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、シリンダヘッドのヘッド冷却水路に冷却水を供給することにより、この冷却水の圧力でランナが回転し、この回転力が回転軸を介してブロック冷却水路内に配置されたインペラに伝えられて回転するものとなり、このインペラの回転によりブロック冷却水路内の冷却水を循環させることができる。その結果、循環手段をシリンダヘッド側のランナとシリンダブロック側のインペラとを回転軸を介して連結すると云う単純な機構を用いて構成することにより、確実な作動によりブロック冷却水路の冷却水を循環させ得るものとなった。
【0018】
本発明の請求項5に係る車両エンジンの冷却装置の特徴、作用・効果は次の通りである。
〔特徴〕
請求項3記載の車両エンジンの冷却装置において、前記開閉弁及び調節弁の一方又は双方が、冷却水の温度上昇に伴って供給する冷却水の水量の増大を図るよう開度を調節自在に構成されている点にある。
【0019】
〔作用・効果〕
上記特徴によると、開閉弁の場合には開度を調節することにより、ブロック冷却水路に送る冷却水の量を調節でき、調節弁の場合には開度を調節することにより、バイパス水路を介してウォータポンプの吸引側に戻す冷却水の量と、放熱水路で放熱を行う冷却水の量との比率を任意に設定できる。その結果、例えば、開放状態と遮断状態との2状態に切り換える構造の弁を用いるもののように、温度の急激な変動を招くことなく、微妙な温度管理も行えるものとなった。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、車両のエンジンEを構成するシリンダヘッド1に形成されたヘッド冷却水路1A(ウォータジャケットで形成される水路)と、エンジンEを構成するシリンダブロック2に形成されたブロック冷却水路2A(ウォータジャケットで形成される水路)とに対してエンジンEで駆動されるウォータポンプ3から冷却水を供給する冷却水供給路10を備え、前記ヘッド冷却水路1A及びブロック冷却水路2Aから排出された冷却水を合流させて前記ウォータポンプ3の吸引側に戻す冷却水戻し路20を備え、更に、ヘッド冷却水路1Aに流れる冷却水の圧力を受けることにより前記ブロック冷却水路2Aの冷却水に対して、その冷却水をシリンダブロック内で循環させる圧力を作用させる循環手段30を備えてエンジンの冷却装置が構成されている。
【0021】
前記冷却水供給路10は、前記ヘッド冷却水路1Aに対して冷却水を供給する主水路11と、この主水路11から分岐してブロック冷却水路2Aに冷却水を供給する分岐水路12とを備えると共に、分岐水路12に対して冷却水を供給する状態と遮断する状態とに切換自在な開閉弁13を備え構成されている。この開閉弁13は、前記ブロック冷却水路2Aの冷却水の水温が予め設定された第1温度(T1)以上にある場合に開放して冷却水の供給を許し、前記ブロック冷却水路2Aの冷却水の温度が第1温度(T1)未満の場合に閉じ状態を維持して冷却水を遮断するサーモスタット型のものが使用されている。この開閉弁13は、冷却水の温度が上昇して第1温度(T1)以上に達した後には、温度上昇に伴って開度を大きくして冷却水の水量の増大を図る機能を有している。尚、この開閉弁13として、冷却水の温度が上昇して第1温度(T1)以上に達した場合に弁が完全に開放する状態に切り換わる構造のものを採用しても良い。
【0022】
前記冷却水戻し路20は、前記ヘッド冷却水路1A及びブロック冷却水路2Aから排出された冷却水を送る排出水路21と、この排出水路21からの冷却水を前記ウォータポンプ3の吸引側の吸引水路22に対して直接送るバイパス水路23と、前記排出水路21からの冷却水の熱をラジエータ24で放熱させた後に前記ウォータポンプ3の吸引側に戻す放熱水路25と、放熱水路25又はバイパス水路23の何れか一方に対して冷却水を送る調節弁26とを備えて構成されている。この調節弁26は、前記冷却水戻し路20のうち排出水路21から(ヘッド冷却水路1Aから)の冷却水の温度が予め設定された第2温度(T2)未満である場合には冷却水をバイパス水路23に送り、冷却水の温度が前記第2温度(T2)以上である場合に冷却水を前記ラジエータ24に送るようサーモスタット型のものが使用されている。この調節弁26は、冷却水の温度が上昇して第2温度(T2)以上に達した後には、温度上昇に伴って開度を変更して、ラジエータ24に供給する冷却水の水量の増大を図ると同時に、バイパス水路23に送る冷却水の量を低減する機能を有している。尚、この調節弁26として、冷却水の温度が上昇して第2温度(T2)以上に達した場合に、バイパス水路23を完全に遮断し、放熱水路25に対して全ての冷却水を供給する状態に切り換わる構造のものを採用しても良い。
【0023】
又、調節弁26に設定された前記第2温度(T2)が、前記開閉弁13に設定された第1温度(T1)より低い値に設定されている。尚、前記第1温度(T1)はエンジンが最も効率的に稼動する温度に設定してあり、前記第2温度(T2)は第1温度より充分に低い温度に設定されている。
【0024】
前記循環手段30は、前記ヘッド冷却水路1Aに送られる冷却水からの圧力で回転するようヘッド冷却水路1Aの内部に配置されたランナ31と、このランナ31と一体回転する回転軸32と、この回転軸32からの回転力によって前記ブロック冷却水路2Aの内部で回転するインペラ33とで構成されている。前記回転軸32はシリンダヘッド1とシリンダブロック2とを貫通する位置に配置され、前記ランナ31は回転軸32の軸芯と直交する方向に流動する冷却水からの圧力を受けて回転するよう複数のブレードを有している。又、前記インペラ33は回転力により冷却水を、回転軸32の軸芯と直交する方向に送出すよう複数のブレードを有している。特に、このインペラ33は冷却水を軸芯と直交する方向に送り出す必要もないので回転軸32に直結する構造で、回転軸32の軸芯に沿う方向に冷却水を送出すよう機能するスクリュー型のものの使用も考えられる。
【0025】
又、前記シリンダヘッド1とシリンダブロック2とは分離できるよう連結されているので、ヘッド冷却水路1Aに配置されるランナ32と、ブロック冷却水路2Aに配置されるインペラ33とを分離できるよう構成する必要があり、この分離を可能にするよう軸体32を2分割できる構造とすることや、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との一方に対して軸体32の一方の端部を支持し、この軸体32の他方の端部をランナ31又はインペラ33と係脱する構造が採用されている。
【0026】
このように冷却装置が構成されているので、エンジンEを始動させた直後のように(例えば、暖機運転時)、シリンダヘッド1の温度が低く、必然的にシリンダブロック2の冷却水の水温が前記第2温度(T2)未満である場合には、開閉弁13は閉じ状態に維持され、調節弁26はバイパス水路23の側に冷却水を送るので、図2に示すように、ウォータポンプ3の吐出側からの冷却水は主水路11からヘッド冷却水路1Aに供給された後に、排出水路21、バイパス水路23、吸引水路22夫々を順次送られた後に、ウォータポンプ3の吸引側に戻されるものとなり、これにより冷却水がシリンダヘッド1の冷却を行い乍ら循環する。又、冷却水がヘッド冷却水路1Aの内部で流動する場合には循環手段30のランナ32を回転させ、この回転力によってブロック冷却水路2Aに配置されたインペラ33を回転させることによって、このブロック冷却水路2A内で冷却水を循環、撹拌させ、その結果、シリンダブロック2の全体を均一の温度に維持しながら、このシリンダブロック2のブロック冷却水路2A内の冷却水の昇温を図る。尚、エンジンEに対する負荷が軽減された場合にも、同図に示す形態で冷却水が循環するものであり、このような状況ではシリンダブロック2の温度低下を抑制する。
【0027】
次に、エンジンEの始動の後に、シリンダヘッド1の温度が上昇し、この上昇に伴い前記冷却水戻し路20のうち排出水路21の冷却水の水温が第2温度(T2)以上(第1温度(T1)未満)に達した場合には、開閉弁13は閉じ状態に維持され、調節弁26は放熱水路25の側に冷却水を送るので、図3に示すように、ウォータポンプ3の吐出側からの冷却水は主水路11からヘッド冷却水路1Aに供給された後に、排出水路21、放熱水路25、吸引水路22夫々を順次送られた後に、ウォータポンプ3の吸引側に戻されるものとなり、これにより冷却水はラジエータ24で放熱される形態で循環するものとなる。又、冷却水がヘッド冷却水路1Aの内部で流動する場合には、前述と同様に循環手段30のランナ32を回転させ、この回転力によってブロック冷却水路2Aに配置されたインペラ33を回転させることによって、このブロック冷却水路2A内で冷却水を循環、撹拌させ、その結果、シリンダブロック2の全体を均一の温度に維持しながら、このシリンダブロック2のブロック冷却水路2A内の冷却水の昇温を図る。
【0028】
次に、エンジンEが高負荷で回転する場合には、エンジンEでの発熱量が大きく、ブロック冷却水路2Aの冷却水の水温が第1温度(T1)以上に達する。このようにブロック冷却水路2Aの冷却水の温度が第1温度(T1)以上に達した場合には、開閉弁13は開放し、調節弁26は放熱水路25の側に冷却水を送るので、図4に示すように、ウォータポンプ3の吐出側からの冷却水は、主水路11からシリンダヘッド1のヘッド冷却水路1Aに送られると同時に、分岐水路12からシリンダブロック2のブロック冷却水路2Aに送られ、更に、ヘッド冷却水路1Aとブロック冷却水路2Aとから送り出された冷却水は合流し、排出水路21、放熱水路25、吸引水路22夫々に順次送られた後に、ウォータポンプ3の吸引側に戻されるものとなり、これにより冷却水はラジエータ24で放熱される形態で循環するものとなる。又、冷却水がヘッド冷却水路1Aの内部で流動する場合には、前述と同様に循環手段30のランナ32を回転させ、この回転力によってブロック冷却水路2Aに配置されたインペラ33を回転させることによって、このブロック冷却水路2A内で冷却水を循環、撹拌させ、その結果、シリンダブロック2の全体を均一の温度に維持する。
【0029】
このように、本発明の冷却装置によると、エンジンEの稼動時には冷却水が常に流動するヘッド冷却水路1Aにおいて、冷却水からの圧力でランナ31を回転させ、この回転力をブロック冷却水路2Aに配置されたインペラ33を回転させることにより、駆動用のモータ類を備えずとも、エンジンEの稼動時には常にブロック冷却水路2Aの冷却水を強制的に流動させて、冷却水を循環、撹拌することを可能にし、例えば、シリンダヘッド1の側が偏って高温状態になる現象を排除し、シリンダブロック2全体を均一に昇温し、結果として、ピストンとシリンダブロックとの摩擦を低減してエンジンEの効率を高めるものにしている。又、低温時にはブロック冷却水路2Aに対する冷却水の供給を阻止する開閉弁13を備えることによりブロック冷却水路2A内の冷却水の温度上昇を短時間で行え、低温時にはラジエータ24に対する冷却水の供給を阻止する調節弁26を備えることにより、エンジン全体の冷却水の昇温時間を短縮し、エンジンEが軽負荷である場合には冷却水の過剰な放熱を抑制する。特に、開閉弁13と調節弁26とが機能する温度に合理的な温度差を設定することにより、シリンダブロック2の昇温を優先的に行い、エンジンEの効率を常に高く維持するものとなっている。
【0030】
〔別実施の形態〕
本発明は上記実施の形態以外に、例えば、以下のように実施することも可能である(この別実施の形態では前記実施の形態と同じ機能を有するものには、実施の形態と共通の番号、符号を付している)。
【0031】
(イ)循環手段30を、ランナ31の回転力をギヤや無端ベルトを介してインペラ33に伝える伝動系を備えて構成することが可能である。又、ランナ31としてスクリュー型のように冷却水が流動する方向と平行する軸芯で回転する構造のものを用いても良い。
【0032】
(ロ)開閉弁13との調節弁26の少なくとも一方を、その開度を任意に設定できる電磁型に構成し、シリンダヘッド1とシリンダブロック2との少なくとも一方の冷却水の温度を計測して電気信号として出力する温度センサを備え、この温度センサからの信号に基づいて開閉弁13と調節弁26との少なくとも一方を制御する制御装置を備えて冷却装置を構成する。このように構成した場合には、冷却水の温度に基づき開閉弁13と調節弁26との少なくとも一方を最適なタイミングで制御できるばかりか、例えば、冷却水の温度の変化率から所定時間後における冷却水の温度を推定して、予め冷却水の流動量を適切な値に設定することも実現する。
【0033】
(ハ)前記開閉弁13との調節弁26少なくとも一方を、熱を感知するサーモワックスを備え、このサーモワックスを加熱する電気ヒータを備えることにより任意のタイミングで、開閉弁13との調節弁26の少なくとも一方を強制的に作動させる構造のものを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両エンジンの冷却装置の構成を示す模式図
【図2】冷却水の水温がT2未満にある状況での冷却水の流れを示す図
【図3】冷却水の水温がT2以上T1未満にある状況での冷却水の流れを示す図
【図4】冷却水の水温がT1以上にある状況での冷却水の流れを示す図
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
1A ヘッド冷却水路
2 シリンダブロック
2A ブロック冷却水路
3 ウォータポンプ
10 冷却水供給路
13 開閉弁
20 冷却水戻し路
24 ラジエータ
25 バイパス水路
26 調節弁
30 循環手段
31 ランナ
32 回転軸
33 インペラ
T1 第1温度
T2 第2温度

Claims (5)

  1. シリンダヘッドに形成されたヘッド冷却水路、及び、シリンダブロックに形成されたブロック冷却水路に対してウォータポンプからの冷却水を供給する冷却水供給路と、前記ヘッド冷却水路、及び、ブロック水路から排出された冷却水を合流させて前記ウォータポンプの吸引側に戻す冷却水戻し路とを備えている車両エンジンの冷却装置であって、
    前記ヘッド冷却水路に流れる冷却水の圧力を受けることにより前記ブロック冷却水路の冷却水に対して、その冷却水をシリンダブロック内で循環させる圧力を作用させる循環手段を備えている車両エンジンの冷却装置。
  2. 前記冷却水供給路のうち、前記ブロック冷却水路に冷却水を供給する水路に対して開閉弁を備え、この開閉弁は、前記ブロック冷却水路の冷却水の温度が予め設定された第1温度未満にある場合に冷却水を遮断する状態と、前記ブロック冷却水路の冷却水の温度が上昇して前記第1温度以上に達した際に前記ブロック冷却水路に対して冷却水の供給を開始する状態とに設定自在に構成されている請求項1記載の車両エンジンの冷却装置。
  3. 前記冷却水戻し路が、冷却水の熱をラジエータで放熱させた後に前記ウォータポンプの吸引側に戻す放熱水路と、冷却水を前記ラジエータを通過させずに前記ウォータポンプに戻すバイパス水路と、この冷却水戻し路の冷却水の温度が予め設定された第2温度未満である場合には冷却水をバイパス水路に送り、前記冷却水戻し路の冷却水の温度が上昇して前記第2温度以上に達した際に前記放熱水路に対して冷却水の供給を開始する調節弁とを備えて構成され、この調節弁に設定された前記第2温度が、前記開閉弁に設定された第1温度より低い値に設定されている請求項2記載の車両のエンジン冷却装置。
  4. 前記循環手段が、前記ヘッド冷却水路に送られる冷却水からの圧力で回転するランナと、このランナと一体回転する回転軸からの回転力によって前記ブロック冷却水路の内部で回転するインペラとを備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両エンジンの冷却装置。
  5. 前記開閉弁及び調節弁の一方又は双方が、冷却水の温度上昇に伴って供給する冷却水の水量の増大を図るよう開度を調節自在に構成されている請求項3記載の車両エンジン冷却装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009293415A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の冷却回路
JP2013221480A (ja) * 2012-04-19 2013-10-28 Toyota Motor Corp エンジンの冷却装置

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