JP2004292879A - 亜鉛系めっき鋼板の後処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛または亜鉛合金めっきの施された亜鉛系めっき鋼帯11の表面に、バルブメタルの酸化物または水酸化物の少なくともいずれか一方およびフッ化物を含む非クロム処理皮膜を形成し、非クロム処理皮膜の形成された亜鉛系めっき鋼帯11の昇温到達温度が100〜140℃になるように、また昇温速度が2〜9℃/秒になるように加熱して乾燥焼付け処理する。このことによって、乾燥焼付け処理時における皮膜とめっき層との間に生じる熱応力が抑制され、皮膜とめっき層との反応時間が充分に確保されるので、亀裂およびパウダリングの生じない健全な非クロム処理皮膜を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜鉛系めっき鋼板の後処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼板の表面に亜鉛または亜鉛合金のめっきを施した亜鉛系めっき鋼板は、耐食性に優れるので、たとえば建材などに多用されている。この亜鉛系めっき鋼板は耐食性に優れるけれども、湿潤雰囲気、排ガス雰囲気、海塩粒子飛散雰囲気などの腐食性雰囲気中に長時間放置されると、鋼板表面に亜鉛の酸化物や水酸化物などの混合物である白錆が発生し外観が劣化する。
【0003】
従来、亜鉛系めっき鋼板における白錆の発生を防止し、腐食寿命を延長することを目的として、鋼板表面にめっきが施された後、クロメート処理と呼ばれる後処理が行なわれてきた。クロメート処理は、亜鉛系めっき鋼板の表面にクロム酸を主成分として含むクロメート処理液を塗布し、乾燥焼付けすることによって行なわれ、このようにして形成されるクロメート皮膜は、水溶性であることから皮膜の自己修復作用を有するので、優れた防食効果を発現する。しかしながら、クロメート処理皮膜は、6価クロム(Cr6+)を含むので、環境に対する配慮から、またクロメート処理液の廃液処理に多大な労力と費用とを要することから、クロムを含まない非クロム(いわゆるクロムフリー)のめっき後処理が検討されている。
【0004】
亜鉛系めっき鋼板にクロム(Cr)を含まない非クロム処理液によって皮膜を形成する従来技術には、Ti、V、Mn、Zr、Mo、W及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属の塩または酸素酸塩及び無機酸イオンを含有する水溶液(たとえば、特許文献1参照)や、リン酸とH2O2とを特定割合で含有する水溶液(たとえば、特許文献2参照)などを用いる無機系非クロム化成処理方法が提案されている。しかしながら、従来技術の無機系非クロム化成処理によって形成される皮膜は、クロメート処理によって形成される皮膜と同様にバリア作用のある酸化物や水酸化物を含む連続皮膜として形成されるけれども、水に対して難溶性であることから、自己修復作用が弱く、防食効果が不充分である。
【0005】
無機系非クロム化成処理方法において、充分な防食効果を発現させるために、前記Ti、Zr、Moなどの金属の酸化物または水酸化物にフッ化物を共存させた処理液を使用して化成処理皮膜を形成し、皮膜に自己修復作用を持たせることが提案されている。このようなフッ化物を含む処理液によって形成される皮膜は、クロメート処理によって形成される皮膜に比べて厚みが厚く、また含まれる金属であるTi、Zr、Moなどが、クロメート処理皮膜に含まれるCrに比べてめっき層との反応性に劣るので、皮膜強度が弱いという特徴がある。
【0006】
非クロム処理皮膜がクロメート処理皮膜に比べて強度の弱い理由は、おおよそ以下のように考えられている。図2は亜鉛めっき層表面とクロメート処理液との反応の概略を示す断面図であり、図3は亜鉛めっき層表面と非クロム処理液との反応の概略を示す断面図である。
【0007】
まず図2に示す亜鉛めっき層1とクロメート処理液2との界面における反応について説明する。図2(a)に示すように、めっき層1中の亜鉛(Zn)は、クロメート処理液2中にCrO4 2−やCr2O7 2−の状態で存在するCr6+およびH+と反応し、ZnCrO3、Cr(OH2)等の不溶性無機化合物が生成される。この反応の過程において、亜鉛めっき層1表面のZnがクロメート処理液2中へ多量に溶出するので、亜鉛めっき層1の表面が適度に荒れた状態になる。適度に荒れた状態の亜鉛めっき層1の表面に、図2(b)に示すように前記不溶性無機化合物が沈澱して、強固な不溶性無機化合物層3を形成する。さらに不溶性無機化合物層3を脱水縮合反応させることによって、酸素(O)とCrとの結合(−O−Cr−O−Cr−)した強固なクロメート皮膜が形成される。
【0008】
次に図3に示す亜鉛めっき層1と非クロム処理液4との界面における反応について説明する。図3(a)に示すように、めっき層1中のZnは、非クロム処理液4中に存在するH+とのみ反応し、その反応量も少ない。したがって、反応過程において亜鉛めっき層1表面のZnが非クロム処理液4中へ溶出する量も少ないので、亜鉛めっき層1の表面がほとんど荒れることがない。また脱水縮合反応によって形成されるOと非クロム処理液4に含まれるたとえばチタン(Ti)との結合(−Ti−O−Ti−)も、前述の結合(−O−Cr−O−Cr−)に比べると結合力が弱いので、非クロム処理皮膜は、クロメート処理皮膜に比べると皮膜強度が弱い。
【0009】
図4は、クローメート処理皮膜と、無機系非クロム処理皮膜との、乾燥焼付け処理状態を示す断面模式図である。図4では、亜鉛めっき層1の表面にそれぞれ形成された無機系非クロム処理皮膜5とクロメート処理皮膜6とを、クロメート処理皮膜6の乾燥焼付け条件、たとえば鋼板の昇温到達温度180℃、昇温速度11℃/秒で処理した状態を示す。
【0010】
クロメート処理皮膜6は、問題なく乾燥焼付け処理されるけれども、無機系非クロム処理皮膜5は、亜鉛めっき層1との反応性に劣るので、亜鉛めっき層1に対する付着力が弱く、また皮膜厚さが厚いので、亜鉛めっき層1との熱膨張率の差に起因して、両者の間に作用する熱応力が大きくなる。このことによって、クロメート処理皮膜6と同一の加熱条件で乾燥焼付け処理される無機系非クロム処理皮膜5には、亀裂7が発生し、その亀裂7が皮膜中を伝播することによって、亜鉛めっき層1が粉状に剥離するパウダリングと呼ばれる品質不良が発生する。
【0011】
パウダリングが発生すると、無機系非クロム処理皮膜5の亀裂部や脱落部における防食性能の劣化、めっき鋼板のプレス成形時におけるプレス金型へのパウダリングの付着による加工不良発生の問題があるので、皮膜亀裂やパウダリングの発生防止が希求されている。
【0012】
【特許文献1】
特開2002−53975号公報
【特許文献2】
特開2001−98383号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、亜鉛系めっき鋼板に非クロム処理液を用いて後処理を行なうに際し、非クロム処理液によって形成される皮膜の亀裂およびパウダリングの発生を防止することのできる亜鉛系めっき鋼板の後処理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋼板表面に亜鉛または亜鉛合金めっきを施した後、亜鉛または亜鉛合金めっきの施された亜鉛系めっき鋼板の表面に、バルブメタルの酸化物または水酸化物の少なくともいずれか一方およびフッ化物を含む化成処理皮膜を形成し、
前記化成処理皮膜の形成された亜鉛系めっき鋼板の昇温到達温度が、100℃以上140℃以下になるように、また昇温速度が、2℃/秒以上9℃/秒以下になるように加熱して乾燥焼付け処理することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の後処理方法である。
【0015】
本発明に従えば、亜鉛系めっき鋼板の表面に、バルブメタルの酸化物または水酸化物の少なくともいずれか一方およびフッ化物を含む皮膜を形成し、皮膜の形成された亜鉛系めっき鋼板を、昇温到達温度が、100℃以上140℃以下になるように、また昇温速度が、2℃/秒以上9℃/秒以下になるように加熱して乾燥焼付け処理する。
【0016】
昇温速度を比較的緩慢な速度である2〜9℃/秒とすることによって、皮膜と亜鉛系めっき層とが反応する時間を充分に長くすることができるので、亜鉛系めっき層に対する皮膜の付着力を必要かつ充分な強さにすることができる。また昇温到達温度を比較的低温の100〜140℃とすることによって、皮膜の厚さは厚いけれども、皮膜および亜鉛系めっき層の熱膨張の絶対量をともに小さくすることができるので、亜鉛系めっき層と皮膜との間に作用する熱応力を小さくすることができる。このことによって、皮膜の乾燥焼付け処理時において、皮膜に亀裂が発生することが防止され、また皮膜の亀裂伝播に起因するパウダリングの発生も防止されるので、充分な防食効果および良好な加工性が発現される。
【0017】
また本発明は、前記バルブメタルは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)からなる群より選択される1または2以上であることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、バルブメタルは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、MoおよびWからなる群より選択される1または2以上である。これらの金属元素を含む酸化物または水酸化物は、各種の腐食性雰囲気から亜鉛系めっき層を遮断するバリア作用に優れ、またこれらの金属元素を含むフッ化物は水溶性を有して自己修復作用に富む。したがって、これらの金属元素の酸化物または水酸化物およびフッ化物を含んで形成される皮膜は、優れた防食効果を発現することができる。
【0019】
また本発明は、前記化成処理皮膜に含まれる酸素(O)原子数に対するフッ素原子数(F)の比(F/O)が、100分の1(1/100)以上であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、化成処理皮膜に含まれるO原子数に対するF原子数の比(F/O)が、1/100以上に設定されるので、フッ化物の加水分解による自己修復作用が充分に発現され、化成処理皮膜の防食効果を向上することができる。
【0021】
また本発明は、前記化成処理皮膜は、水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩または水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、化成処理皮膜が水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むとき、水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩は、バルブメタルのフッ化物の自己修復作用を補完することができるので、化成処理皮膜の防食効果を向上することができる。化成処理皮膜が水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むとき、水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩は、化成処理皮膜中に分散して皮膜強度を向上することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施に好適に用いられるめっき設備10の後処理工程部分の構成を簡略化して示す系統図である。めっき設備10では、図示を省略する巻戻リールから巻戻された鋼帯が、清浄化や活性化等の前処理を施され、次いで溶融ポット内の溶融亜鉛浴または溶融亜鉛合金浴に浸漬されてめっきが施され亜鉛系めっき鋼帯11とされた後、所定温度まで冷却されて後処理工程に投入される。本明細書中では、鋼帯は、一方向に長い鋼板のことであり、鋼板と同様の意味に用いられる。
【0024】
めっき設備10の後処理工程には、亜鉛系めっき鋼帯11の表面に非クロム処理液を塗布して化成処理皮膜である非クロム処理皮膜を形成する非クロム処理液塗布手段12と、亜鉛系めっき鋼帯11の表面に形成された非クロム処理皮膜を乾燥焼付けする乾燥手段13とを含む。なお、乾燥焼付け処理後の亜鉛系めっき鋼帯11は、図示しない巻取リールによって巻取られる。
【0025】
非クロム処理液塗布手段12は、亜鉛系めっき鋼帯11の表面に非クロム処理液をロールコートするロールコーターである。
【0026】
亜鉛系めっき鋼帯11の一方の表面11aに非クロム処理液を塗布するロールコーター12は、以下のように構成される。回転自在に設けられ、パン14の内部空間に収容される非クロム処理液15をその外周面に付着させることによってロールコーター12内へ供給するフィードロール16aと、フィードロール16aの外周面に当接しフィードロール16aとは逆方向に回転して処理液の液膜厚さを調整するとともに処理液を搬送するドクターロール17aと、ドクターロール17aの外周面と亜鉛系めっき鋼帯11の一方の表面11aとに当接し、ドクターロール17aとは逆方向に回転して処理液を前記表面11aに塗布するコーティングロール18aとを含んで構成される。
【0027】
亜鉛系めっき鋼帯11の他方の表面11bに非クロム処理液を塗布するロールコーター12は、非クロム処理液が、パンから供給されることに代えて非クロム処理液の供給源に接続される供給管19からフィードロール16bに供給されること以外は、一方の表面11aにおけるロールコーター12と同一に構成される。他方の表面11bに非クロム処理液を塗布するロールコーター12を構成するフィードロール16b、ドクターロール17bおよびコーティングロール18bは、一方の表面11aにおける場合と亜鉛系めっき鋼帯11に関してほぼ対称に配置される。
【0028】
乾燥手段13は、亜鉛系めっき鋼帯11をその内部に挿通させて乾燥焼付けするドライヤ21と、ドライヤ21よりも矢符22で示す亜鉛系めっき鋼帯11の走行方向上流側すなわちドライヤ21入側の亜鉛系めっき鋼帯11の温度を検出する第1温度センサ23と、ドライヤ21よりも前記走行方向下流側すなわちドライヤ21出側の亜鉛系めっき鋼帯11の温度を検出する第2温度センサ24と、亜鉛系めっき鋼帯11の走行速度を検出する速度検出器25と、第1および第2温度センサ23,24ならびに速度検出器25からの検出出力に応答してドライヤ21の動作を制御する制御手段26とを含んで構成される。
【0029】
ドライヤ21は、本実施の形態では亜鉛系めっき鋼帯11の走行方向上流側から下流側に向けて3つ(第1〜第3ドライヤ21a,21b,21c)設けられる。第1〜第3ドライヤ21a,21b,21cは、同一に構成されるので、第1ドライヤ21aについて構成を説明し、残余の2つについては説明を省略する。
【0030】
ドライヤ21aは、可燃性気体を燃焼させるガスバーナ27と、ガスバーナ27によって生成される暖気を送風するファン28と、亜鉛系めっき鋼帯11を介して対向するように一対が設けられ、ファン28から送風される暖気を非クロム処理液の塗布された亜鉛系めっき鋼帯11に噴射するノズル29a,29bとを含む。
【0031】
第1および第2温度センサ23,24は温度計であり、接触型または非接触型のいずれをも用いることができるけれども、亜鉛系めっき鋼帯11表面の非クロム処理皮膜保護の観点からは、非接触型の温度計が好ましい。第1および第2温度センサ23,24によって検出される亜鉛系めっき鋼帯11のドライヤ21入側温度とドライヤ21出側温度とは、制御手段26に入力される。速度検出器25は、たとえば回転速度計などで実現され、速度検出器25で検出される亜鉛系めっき鋼帯11の走行速度は、制御手段26に入力される。
【0032】
制御手段26は、中央処理装置(CPU)を搭載し、またメモリも備える処理回路であり、たとえばマイクロコンピュータなどによって実現される。制御手段26は、ドライヤ21の動作制御によって、亜鉛系めっき鋼帯11の昇温到達温度と昇温速度とを所望の値になるように調整する。
【0033】
本実施の態様では、第2温度センサ24で検出される亜鉛系めっき鋼帯11の温度を、亜鉛系めっき鋼帯11の昇温到達温度とみなす。亜鉛系めっき鋼帯11の昇温速度は、次のようにして求められる。制御手段26は、制御手段26に備わるメモリに予めストアされるドライヤ21の亜鉛系めっき鋼帯11走行方向の長さと、速度検出器25からの走行速度とによって亜鉛系めっき鋼帯11のドライヤ21通過に要する時間を演算し、第2温度センサ24による亜鉛系めっき鋼帯11の検出温度T2と、第1温度センサ23による亜鉛系めっき鋼帯11の検出温度T1と差ΔT(=T2−T1)を、前記通過所要時間で除算して昇温速度を得る。
【0034】
制御手段26は、メモリに予めストアされている所望の昇温到達温度および昇温速度と、第2温度センサ24による検出温度および前述の演算によって得られる昇温速度との偏差が零(0)になるように、ドライヤ21に備わるガスバーナ27の燃焼動作と、ファン28の送風量とを制御することによって、亜鉛系めっき鋼帯11の昇温到達温度と昇温速度とを調整する。
【0035】
以下に化成処理皮膜である非クロム処理皮膜の構成ならびに昇温到達温度および昇温速度の限定理由について説明する。
【0036】
非クロム処理液塗布手段12であるロールコーターで塗布されることによって亜鉛系めっき鋼帯11の表面上に形成される非クロム処理皮膜は、バルブメタルの酸化物または水酸化物の少なくともいずれか一方およびフッ化物を含み、好ましくは水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩または水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含んで構成される。さらに好ましくは、非クロム処理皮膜に含まれるO原子数に対するF原子数の比(F/O)が、1/100以上になるように設定される。前記バルブメタルには、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、MoおよびWからなる群より選択される1または2以上が用いられる。
【0037】
非クロム処理皮膜に含まれるバルブメタルの酸化物または水酸化物は、各種の腐食性雰囲気から亜鉛系めっき層を遮断するバリア作用に優れ、またバルブメタルのフッ化物は水溶性を有して自己修復作用に富むので、非クロム処理皮膜に優れた防食効果を発現させることができる。
【0038】
非クロム処理皮膜に含まれる水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩は、バルブメタルのフッ化物の自己修復作用を補完することができるので、非クロム処理皮膜の防食効果を向上することができる。また非クロム処理皮膜に含まれる水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩は、化成処理皮膜中に分散して皮膜強度を向上することができる。水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を生成する金属には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mnなどが挙げられ、金属リン酸塩としてまたは金属塩とリン酸、ポリリン酸などとともに非クロム処理液に添加される。水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を生成する金属には、Al、Ti、Zr、Hf、Znなどが挙げられ、金属リン酸塩としてまたは金属塩とリン酸、ポリリン酸などとともに非クロム処理液に添加される。
【0039】
さらに非クロム処理皮膜に含まれるO原子数に対するF原子数の比(F/O)が、1/100以上に設定されることによって、フッ化物の加水分解による自己修復作用が充分に発現され、非クロム処理皮膜の防食効果が向上される。
【0040】
このような亜鉛系めっき鋼帯11に塗布されて非クロム処理皮膜を形成する非クロム処理液は、バルブメタル源、フッ素源、好ましくは金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩またはそのソースを含んで生成される。バルブメタルにたとえばTiを用いるとき、バルブメタル源かつフッ素源としては、たとえば(NH4)2TiF6などが挙げられる。金属リン酸塩としては、たとえばMn(H2PO4)2などが挙げられる。また非クロム処理液には、有機酸を含有させてもよい。非クロム処理液に含有させる有機酸としては、たとえばタンニン酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。
【0041】
非クロム処理皮膜の形成された亜鉛系めっき鋼帯11は、昇温到達温度が100〜140℃、昇温速度が2〜9℃/秒になるように加熱されて乾燥焼付け処理される。昇温到達温度が100℃未満では、温度が低いので非クロム処理皮膜の乾燥焼付けが不充分になる。昇温到達温度が140℃を超えると、非クロム処理皮膜の熱膨張量と亜鉛めっき層の熱膨張量との差が大きくなるので、非クロム処理皮膜に亀裂の生じる恐れがある。したがって、昇温到達温度を100〜140℃とした。
【0042】
昇温速度が2℃/秒未満では、亜鉛系めっき鋼帯11を所望の到達温度まで加熱する所要時間が長くなり生産性を阻害する。昇温速度が9℃/秒を超えると、所望の到達温度まで加熱する所要時間が短くなり、非クロム処理皮膜と亜鉛系めっき層とが反応する時間を充分にとることができなくなるので、皮膜強度が弱くなる。したがって、昇温速度を2〜9℃/秒とした。
【0043】
前述のように乾燥焼付け処理条件を設定することによって、非クロム処理皮膜の厚さは厚いけれども、皮膜および亜鉛系めっき層の熱膨張の絶対量をともに小さく抑制し、皮膜と亜鉛系めっき層とが反応する時間を充分に長く確保することができるので、皮膜の乾燥焼付け処理時において、皮膜に亀裂の発生することが防止される。また非クロム処理皮膜の亀裂の発生が防止されることによって、その伝播に起因するパウダリングの発生も防止されるので、充分な防食効果および良好な加工性が発現される。
【0044】
(実施例)
以下に本発明の実施例を説明する。亜鉛系めっき鋼帯に非クロム処理液を塗布したものを試験鋼帯として準備し、試験鋼帯の昇温到達温度および昇温速度を種々に変化させて後処理を行ない、非クロム処理皮膜の健全性を評価した。
【0045】
試験鋼帯には、厚さ0.5mmの低炭素鋼に、目付け量50g/m2で溶融亜鉛めっきを施した溶融亜鉛系めっき鋼帯を用いた。
【0046】
非クロム処理液には、バルブメタル源かつフッ素源として(NH4)2TiF6をTi濃度12g/L(リットル)およびF濃度28.5g/Lになるように、金属リン酸塩としてMn(H2PO4)2をP濃度が16.9g/Lになるように、また有機酸として酒石酸を15g/L配合したものを用いた。この非クロム処理液をロールコーターによって試験鋼帯に、少なくとも1mg/m2以上のTi付着量になるような厚みに塗布した。塗布によって試験鋼帯の表面上に形成された非クロム処理皮膜中のOに対するFの原子数比(F/O)を、蛍光X線分析装置によって分析したところ、1/20であった。
【0047】
非クロム処理皮膜の形成された試験鋼帯を、図1に示す構成の後処理工程において乾燥焼付け処理した。本発明の実施例1〜3では、試験鋼帯の昇温到達温度を100〜140℃、昇温速度を2〜9℃/秒の範囲に変化させて、乾燥焼付け処理した。比較例1および2では、本発明範囲から外れる条件である昇温到達温度160および180℃、昇温速度5〜13℃/秒の範囲に変化させて、乾燥焼付け処理した。実施例および比較例に用いた昇温到達温度および昇温速度の条件を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
乾燥焼付け処理後における試験鋼帯の非クロム処理皮膜の健全性を、パウダリング面積率によって評価した。パウダリング面積率は、乾燥焼付け処理後における試験鋼帯の表面においてパウダリングの発生している面積(パウダリング面積)を顕微鏡観察によって測定し、式(1)によって求めた。パウダリング面積率による非クロム処理皮膜の健全性の評価基準を表2に示す。
パウダリング面積率(%)=100×パウダリング面積/検鏡面積…(1)
【0050】
【表2】
【0051】
非クロム処理皮膜の健全性評価結果を表3に示す。昇温到達温度が100〜140℃および昇温速度が2〜9℃/秒の本発明範囲の実施例では、パウダリングが全く発生しないか、または軽微にしか発生しておらず、健全性に優れる非クロム処理皮膜の得られることが判る。一方、昇温到達温度が本発明範囲から外れ、また昇温速度の速い側が本発明範囲から外れる比較例では、パウダリング面積率が大きく、非クロム処理皮膜の健全性に劣ることが判る。
【0052】
【表3】
【0053】
以上に述べたように、本発明の実施の態様では、亜鉛系めっき鋼板は、溶融めっき鋼板であるけれども、これに限定されることなく、電気めっき鋼板や蒸着めっき鋼板であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、昇温速度を比較的緩慢な速度である2〜9℃/秒とすることによって、皮膜と亜鉛系めっき層とが反応する時間を充分に長くすることができるので、亜鉛系めっき層に対する皮膜の付着力を必要かつ充分な強さにすることができる。また到達温度を比較的低温の100〜140℃とすることによって、皮膜の厚さは厚いけれども、皮膜および亜鉛系めっき層の熱膨張の絶対量をともに小さくすることができるので、亜鉛系めっき層と皮膜との間に作用する熱応力を小さくすることができる。このことによって、皮膜の乾燥焼付け処理時において、皮膜に亀裂が発生することが防止され、また皮膜の亀裂伝播に起因するパウダリングの発生も防止されるので、充分な防食効果および良好な加工性が発現される。
【0055】
また本発明によれば、バルブメタルは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、MoおよびWからなる群より選択される1または2以上である。これらの金属元素を含む酸化物または水酸化物は、各種の腐食性雰囲気から亜鉛系めっき層を遮断するバリア作用に優れ、またこれらの金属元素を含むフッ化物は水溶性を有して自己修復作用に富む。したがって、これらの金属元素の酸化物または水酸化物およびフッ化物を含んで形成される皮膜は、優れた防食効果を発現することができる。
【0056】
また本発明によれば、化成処理皮膜に含まれるO原子数に対するF原子数の比(F/O)が、1/100以上に設定されるので、フッ化物の加水分解による自己修復作用が充分に発現され、化成処理皮膜の防食効果を向上することができる。
【0057】
また本発明によれば、化成処理皮膜が水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むとき、水溶性の金属リン酸塩または複合金属リン酸塩は、バルブメタルのフッ化物の自己修復作用を補完することができるので、化成処理皮膜の防食効果を向上することができる。化成処理皮膜が水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むとき、水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩は、化成処理皮膜中に分散して皮膜強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適に用いられるめっき設備10の後処理工程部分の構成を簡略化して示す系統図である。
【図2】亜鉛めっき表面層とクロメート処理液との反応の概略を示す断面図である。
【図3】亜鉛めっき表面層と非クロム処理液との反応の概略を示す断面図である。
【図4】クローメート処理皮膜と、無機非クロム処理皮膜との、乾燥・焼付け処理状態を示す断面模式図である。
【符号の説明】
10 めっき設備
11 亜鉛系めっき鋼帯
12 ロールコーター
13 乾燥手段
21 ドライヤ
23,24 温度センサ
25 速度検出器
26 制御手段
27 ガスバーナ
28 ファン
29 ノズル
Claims (4)
- 鋼板表面に亜鉛または亜鉛合金めっきを施した後、亜鉛または亜鉛合金めっきの施された亜鉛系めっき鋼板の表面に、バルブメタルの酸化物または水酸化物の少なくともいずれか一方およびフッ化物を含む化成処理皮膜を形成し、
前記化成処理皮膜の形成された亜鉛系めっき鋼板の昇温到達温度が、100℃以上140℃以下になるように、また昇温速度が、2℃/秒以上9℃/秒以下になるように加熱して乾燥焼付け処理することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板の後処理方法。 - 前記バルブメタルは、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)からなる群より選択される1または2以上であることを特徴とする請求項1記載の亜鉛系めっき鋼板の後処理方法。 - 前記化成処理皮膜に含まれる酸素(O)原子数に対するフッ素(F)原子数の比(F/O)が、100分の1以上であることを特徴とする請求項1または2記載の亜鉛系めっき鋼板の後処理方法。
- 前記化成処理皮膜は、
水溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩または水に難溶性の金属リン酸塩もしくは複合金属リン酸塩を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の亜鉛系めっき鋼板の後処理方法。
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