JP2004292647A - 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004292647A
JP2004292647A JP2003087171A JP2003087171A JP2004292647A JP 2004292647 A JP2004292647 A JP 2004292647A JP 2003087171 A JP2003087171 A JP 2003087171A JP 2003087171 A JP2003087171 A JP 2003087171A JP 2004292647 A JP2004292647 A JP 2004292647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
copolymerized polyester
polyester resin
formula
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003087171A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoji Hiraoka
章二 平岡
Nobutada Mukai
展正 向
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2003087171A priority Critical patent/JP2004292647A/ja
Publication of JP2004292647A publication Critical patent/JP2004292647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

【目的】ガスバリア性、透明性および耐熱性に優れた共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物および該共重合ポリエステルの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂は、
(A)ジカルボン酸成分単位がイソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなり、
(B)ジオール成分単位が式(1)で表される化合物と式(2)(式中共にR1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位5〜90モル%、およびエチレングリコール95〜10モル%とからなる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、成形品ガスバリア性、透明性および耐熱性に優れた共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートなどの飽和ポリエステルは、ガスバリア性、透明性および機械的強度に優れるため、ボトルなどの容器として広く利用されている。特にポリエチレンテレフタレートを二軸延伸ブロー成形して得られるボトルは、透明性、機械的強度、耐熱性、およびガスバリア性に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器(PETボトル)として広く用いられている。
【0003】
このようなボトルは、一般的に、飽和ポリエステルを射出成形して口栓部と胴部とを有するプリフォームを成形し、次いでこのプリフォームを所定形状の金型に挿入し、延伸ブロー成形して胴部を延伸して、口栓部と延伸された胴部を有するボトルとして製造されている。
このようなポリエステル製ボトルのうち、特にジュースなどの飲料用途に用いられる共重合ポリエステル製ボトルでは、内容物の加熱殺菌処理に対応しうる耐熱性が要求されるため、通常ブロー成形後にさらにボトルを熱処理(ヒ−トセット)して耐熱性を向上させている。
【0004】
また上記のようにして製造されたポリエステル製ボトルは、口栓部は未延伸であり、延伸された胴部と比較すると機械的強度および耐熱性に劣っている。このため、通常、ブロー成形前にプリフォームの口栓部を加熱・結晶化するか、あるいはブロー成形により得られたボトルの口栓部を加熱・結晶化して、口栓部の機械的強度、耐熱性などを向上させている。
ところで近年、ポリエステル樹脂(特にポリエチレンテレフタレート)から製造されるボトルは小型化する傾向にあるが、このような小型ボトルの場合、単位容量当たりのボトル胴部と接する面積が大きくなることからガス損失あるいは外部からの酸素の透過による内容物への影響が顕著となり、内容物の保存期間が低下することとなる。このためポリエステル樹脂には、従来よりもガスバリア性に優れていることが要求されている。
【0005】
このようなポリエステル樹脂の耐熱性およびガスバリア性を向上させる試みとして、ポリエチレンテレフタレートに、ポリエチレンイソフタレートなどをブレンドすることが提案されている(たとえば特公平1−22302号公報参照)。しかしながら、このようなポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの組成物では、相溶性を高めるために行われる高温での溶融混練時にアセトアルデヒドが発生し、容器に充填された内容物の味が低下したり、また透明性が低下したり、さらにはポリエチレンイソフタレートがスクリューに付着し、長期滞留することによる焼けこげが発生するなどの問題点があった。
【0006】
このため、テレフタル酸を主成分とし、イソフタル酸を含むジカルボン酸成分と、エチレングリコールとからなる共重合ポリエステルが提案されているが、耐熱性およびガスバリア性が必ずしも充分ではなく、より耐熱性、ガスバリア性に優れ、アセトアルデヒドの発生が少ないポリエステルの出現が望まれている。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、ガスバリア性、透明性および耐熱性に優れた共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物および該共重合ポリエステルの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂は、イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、式(1)で表されるレゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
【0009】
【化5】
Figure 2004292647
【0010】
を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
【0011】
【化6】
Figure 2004292647
【0012】
で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1)5〜90モル%およびエチレングリコール(イ−2) 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位とからなることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂の製造方法は、イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1) 5〜90モル%およびエチレングリコール(イ−2) 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位と、前記ジカルボン酸成分単位100モル部に対し、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物成分単位(ウ)0.05〜1.0モル部とからなることを特徴としている。
【0014】
また、本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法は、イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる、2置換末端ヒドロキシアルコキシ)ベンゼンを主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1) 5〜90モル%およびエチレングリコール(イ−2) 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位とからなる共重合ポリエステル樹脂(A)80〜3重量%とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)20〜97重量%とからなることを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法は、イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1) 5〜90モル%およびエチレングリコール(イ−2)95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位と、前記ジカルボン酸成分単位100モル部に対し、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物成分単位(ウ)0.05〜1.0モル部とからなる共重合ポリエステル樹脂(A)80〜3重量%とポリエチレンテレフタレート樹脂(B)20〜97重量%とからなることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の態様】
以下、本発明に係る共重合ポリエステル樹脂、樹脂組成物およびその製造方法について具体的に説明する。
【0017】
本発明に係る共重合ポリエステル樹脂(A)は、イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、式(1)で表されるレゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物
【0018】
【化7】
Figure 2004292647
【0019】
を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
【0020】
【化8】
Figure 2004292647
【0021】
で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1)5〜90モル%およびエチレングリコール(イ−2) 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位とから構成される。
【0022】
ジカルボン酸成分単位(ア)は全ジカルボン酸成分単位に対して、イソフタル酸成分20〜100モル%、好ましくは50〜99.5モル%の範囲で、テレフタル酸成分80〜0モル%、好ましくは50〜0.5モル%の範囲で含有していることが好ましい。
【0023】
このような共重合ポリエステル(A)には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、イソフタル酸およびテレフタル酸以外のジカルボン酸成分単位を20モル%未満の量で含んでいてもよい。
【0024】
20モル%未満の量で含有されていてもよい他のジカルボン酸類としては、具体的に、フタル酸(オールソフタル酸)、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロへキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類などが挙げられる。これらのジカルボン酸は、そのエステル誘導体であってもよく、また2種以上の組合わせであってもよい。
【0025】
また、ジヒドロキシ化合物成分単位は、式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物
【0026】
【化9】
Figure 2004292647
【0027】
を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
【0028】
【化10】
Figure 2004292647
【0029】
で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位(イ−1)5〜90モル%およびエチレングリコール 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位(イ−2)とから構成される。
【0030】
レゾルシノールとアルキレンオキシドを塩基性触媒の存在下に反応させて一般式(1)の化合物を製造するに際しては、目的物の一般式(1)で表わされる化合物とともに、一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)および一般式(2)で表わされる化合物が副生する。これらの副生する化合物は、レゾルシノールのヒドロキシ基とエチレンオキシドとの反応が不十分であったり、レゾルシノールとエチレンオキシドの反応が不規則であったりしたものであるが、少なくともレゾルシノールの一方のヒドロキシ基が反応して生成した化合物、ヒドロキシ基の反応の他にヒドロキシルアルキル基がベンゼン核に置換した化合物であり、本発明においてこれらの化合物を一般式(1)であらわされる化合物の同族化合物と総称した。従来、これらの副生する化合物の含有量は、極力低減させて一般式(1)であらわされる化合物の製造が行われている。しかしながら、本発明はこれらの化合物、特に一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)であらわされる化合物に1〜10重量%含有されるとき、一般式(1)であらわされる化合物を用いた共重合ポリエステルのガスバリア性が改善される。
【0031】
【化11】
Figure 2004292647
【0032】
【化12】
Figure 2004292647
【0033】
【化13】
Figure 2004292647
【0034】
【化14】
Figure 2004292647
【0035】
上記の一般式においてnおよびmは何れも1〜5の整数である。
【0036】
本発明のヒドロキシアルキルエーテル成分(イ−1)は、式(1)および(2)で表される化合物を必須の化合物とし、式(3)、式(4)および式(5)で表される一種以上の化合物を含有することもある。また、好ましくは、式(1−1)、式(2−1)で表される化合物を必須の化合物とし、式(3−1)、式(4−1)、および式(5−1)で表される化合物の1種以上を含有してもよい組成物である。
【0037】
【化15】
Figure 2004292647
【0038】
【化16】
Figure 2004292647
【0039】
【化17】
Figure 2004292647
【0040】
【化18】
Figure 2004292647
【0041】
【化19】
Figure 2004292647
【0042】
本発明の一般式(1)であらわされる化合物を主成分として、該成分に対応する副生化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル組成物は、次の製造方法により製造することができる。すなわち、本発明に係る一般式(1)であらわされる化合物を製造するには、一方の原料として、レゾルシノールを用いる。レゾルシノールは、原料として入手できる化合物であれば特に制限はなく、必要により精製して用いても差し支えない。また、他の原料であるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはペンチレンオキシドなどであり、好ましくはエチレンオキシドである。これら原料の使用量は、アルキレンオキシドがレゾルシノールに対して2〜2.5モル比である。反応は、溶媒中で行われ、溶媒としては水が用いられる。使用する水の量は、レゾルシノールに対して1〜20モル比の範囲である。塩基性触媒としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などの無機塩基性化合物、アミン類、水酸化第4アンモニウム化合物、ホスフィン類などの有機塩基性化合物が挙げられる。これらの塩基性触媒の使用量は、レゾルシノールに対して0.01〜1モル比の範囲である。反応温度は、50〜150℃の範囲である。
【0043】
反応は、上記の各反応条件の範囲内で実施することができる。好ましくは各反応条件を上記の範囲から選択し、例えば、溶媒の水をレゾルシノールに対して1〜20モル、苛性ソーダをレゾルシノールに対して0.01〜1.0モル、アルキレンオキシドをレゾルシノールに対して2.0〜2.5モル、反応温度を50〜100℃として反応させることにより、本発明の組成からなる組成物を生成する。反応終了後、反応混合物に酸を添加し、塩基性触媒を中和する。塩基性触媒を中和する酸としては、リン酸、硫酸、塩酸等の無機酸、または酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。反応液のpHは5〜7の範囲である。中和後の反応混合物と生成した中和塩は常圧下もしくは減圧下に脱水操作を行い、反応系に添加した水および中和生成水を除去し、中和塩を析出させた後、通常用いられる濾過装置により、中和塩の分離を行う。
【0044】
以上の方法により本発明の組成物を製造することが可能である。本発明の一般式(1)であらわされる化合物を主成分とし、一般式(2)で表わされる化合物含有するヒドロキシアルキルエーテル、好ましくは1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンを主成分とし、式(2−1)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテルは、共重合ポリエステル樹脂原料として用いることにより、改善された工程で、かつガスバリア性が向上させた共重合ポリエステル樹脂を製造することができる。
【0045】
さらにまた、この共重合ポリエステル(A)には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、エチレングリコールおよび1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン以外のジヒドロキシ化合物構成単位を15モル%未満の量で含有していてもよい。
【0046】
15モル%未満の量で含有されていてもよい他のジヒドロキシ化合物類としては、具体的に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族基を含むグリコール類、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物類などが挙げられる。
これらのジヒドロキシ化合物は、そのエステル誘導体であってもよく、また2種以上の組合わせであってもよい。他のジヒドロキシ化合物類としては、これらのうちでも、ジエチレングリコールが好ましい。
【0047】
さらにこのような共重合ポリエステル樹脂(A)は、ジカルボン酸成分単位100モル部に対して、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物成分(ウ)を0.05〜1.0モル部、好ましくは、0.1〜0.5モル部添加することが好ましい。
【0048】
本発明に係わる共重合ポリエステル樹脂(A)は、従来公知の方法で製造することが可能である。たとえば、前記ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物とを、直接エステル化したのち、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したり、あるいはジカルボン酸のエステルとジヒドロキシ化合物とを、チタンイソプロポキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンアルコキシドや酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウムなどの酢酸金属塩などのエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行う。エステル交換触媒としては、チタンテトラブトキシドや酢酸亜鉛が望ましい。その後、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に重縮合し製造することができる。
【0049】
本発明においては、上記のような重縮合触媒とともに安定剤を用いてもよい。安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ−n−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート等の賛成リン酸エステルおよびリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸などのリン化合物が用いられる。
【0050】
重縮合反応は、1段階で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。複数段階で行う場合は、重縮合反応条件は、第1段目の重縮合反応温度が、通常、250〜290℃、好ましくは260〜280℃であり、圧力が、通常500〜20Torr、好ましくは200〜30Torrであり、また最終段階の重縮合反応の温度が通常260〜300℃、好ましくは270〜295℃であり、圧力が通常10〜0.1Torr、好ましくは5〜0.5Torrである。
【0051】
重縮合反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段目の1段前までの重縮合反応の反応条件は上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件で、各段階の温度はその前段階よりも高温であり、各段階の圧力はその前段階よりも減圧の条件である。
【0052】
本発明に係る共重合ポリエステル樹脂(A)は、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1((重量比)混合溶媒中、25℃中で測定される固有粘度は、0.50〜1.5dl/g、好ましくは0.60〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.7〜0.9dl/gの範囲にあることが望ましい。
【0053】
なお、このような本発明に係る共重合ポリエステル樹脂(A)ペレットの大きさおよび形状は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。形状としては、円柱状、楕円柱状、球状、楕円球状などが挙げられる。またペレットの大きさは、特に限定されるものではないが、平均粒径が1.5〜4.0mm程度のものが一般的である。
【0054】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)は、テレフタル酸またはそのエステル誘導体から導かれるジカルボン酸単位と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体から導かれるジヒドロキシ化合物単位とからなる。
【0055】
このポリエチレンテレフタレート(B)のジカルボン酸単位は、総単位を100モル%とするとき、テレフタル酸単位を88モル%以上、好ましくは93〜100モル%の量で含有している。
【0056】
12モル%以下の量で含有されていてもよい他のジカルボン酸類としては、具体的に、フタル酸(オルソフタル酸)、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸類、シクロへキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸類などが挙げられる。
【0057】
これらのジカルボン酸は、エステル誘導体であってもよく、また2種以上の組合わせであってもよい。他のジカルボン酸としては、これらのうちでもイソフタル酸が好ましい。
【0058】
またポリエチレンテレフタレート(B)のジヒドロキシ化合物単位は、総単位を100モル%とするとき、エチレングリコール単位を88モル%以上、好ましくは93〜100モル%の量で含有していることが望ましい。
【0059】
12モル%以下の量で含有されていてもよい他のジヒドロキシ化合物類としては、具体的に、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコールなどの脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール類、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物類などが挙げられる。
【0060】
これらのジヒドロキシ化合物は、エステル誘導体であってもよく、またこれらのジヒドロキシ化合物は、2種以上の組合わせであってもよい。他のジヒドロキシ化合物としては、これらのうちでも、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどが好ましい。
【0061】
さらに本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、3以上のカルボキシル基を有する多官能カルボン酸類、または3以上のヒドロキシ基を有する多価アルコールから導かれる単位を含有していてもよく、たとえばトリメシン酸、無水ピロメリット酸などの多官能カルボン酸類、グリセリン、1,1,1−トリメチロ−ルエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,1,1−トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール類から導かれる単位を含有していてもよい。このような多価アルコール類は、ジカルボン酸成分単位 100モル部に対して、0.05〜1.0モル部、好ましくは、0.1〜0.5モル部添加することが好ましい。
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)は、実質上線状であり、このことはポリエチレンテレフタレート(B)が、o−クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0062】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)は、25℃、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)混合溶媒中で測定される固有粘度[η]が、0.3〜0.8dl/g、好ましくは0.35〜0.75dl/gであることが望ましく、液相重合終了後であって固相重合前のものである。
【0063】
このようなポリエチレンテレフタレート(B)は、必要に応じて予備結晶化させてもよい。予備結晶化は、通常100〜220℃、好ましくは130〜200℃で、1〜360分程度加熱することによって行うことができる。
【0064】
このようなポリエチレンテレフタレート(B)は従来公知の方法で製造することが可能であり、たとえば、前記ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物とを、直接エステル化したのち、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したり、あるいはジカルボン酸エステルとジヒドロキシ化合物とを、チタンテトラブトキシド、チタンイソプロポキシドなどのチタンアルコキシドや酢酸コバルト、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウムなどの酢酸金属塩などのエステル交換触媒の存在下でエステル交換反応を行う。エステル交換触媒としては、チタンテトラブトキシドや酢酸亜鉛が望ましい。その後、二酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモン化合物、チタニウムテトラアルコキサイドなどのチタン化合物等の重縮合触媒の存在下に溶融重縮合したりすることによって製造することができる。
共重合ポリエステル樹脂組成物の製造
本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法は
イソフタル酸成分、テレフタル酸成分からなるジカルボン酸成分単位(ア)と、
一般式(1)であらわされる化合物を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位 (イ−1)および
エチレングリコール(イ−2)
からなるジヒドロキシ化合物成分単位とからなる共重合ポリエステル樹脂(A)と
ポリエチレンテレフタレート樹脂(B)とをブレンドしている。
【0065】
本発明に係る製造方法では、共重合ポリエステル樹脂(A)を80〜3重量%、好ましくは60〜4重量%、ポリエチレンテレフタレート(B)を20〜97%、好ましくは40〜96重量をブレンドする。
【0066】
ブレンドは、上記組成となるように共重合ポリエステル樹脂(A)のペレットとポリエチレンテレフタレート樹脂(B)のペレットとを配合した後、260〜310℃で、2〜300秒間溶融混練することによって行われる。混練後の組成物は、押出成形機などによって、チップ化(ペレタイズ化)される。ペレットの平均粒径は、1.5〜4.0mmであることが好ましい。
【0067】
上記のように共重合ポリエステル樹脂(A)とポリエチレンテレフタレート(B)とをブレンドする際、必要に応じて、エステル交換触媒、滑剤などを添加してもよい。
【0068】
エステル交換触媒としては、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酢酸アンチモン、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、チタンテトラブトキシドなどが挙げられる。このようなエステル交換触媒は、組成物100重量部に対し、0.0005〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部の量で含まれていることが望ましい。
【0069】
(外部)滑剤としては、具体的にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。このような滑剤は、組成物100重量部に対し、0.0005〜0.1重量部、好ましくは0.001〜0.05重量部の量で外部添加されていてもよい。
【0070】
得られた組成物の昇温結晶化温度(Tcc)は、190℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは120〜170℃であることが好ましい。なお、昇温結晶化温度(Tcc)は、以下のようにして測定される。
【0071】
パーキンエルマー社製DSC−7型示差走査型熱量計を用いて、約140℃で約5mmHgの圧力下約5時間以上乾燥した共重合ポリエステル樹脂組成物ペレットの中央部からの試料約10mgの薄片を液体用アルミニウムパン中に窒素雰囲気下にて封入して測定する。測定条件は、まず室温より320℃/分の昇温速度で急速昇温して290℃で10分間溶融保持した後、室温まで320℃/分の降温速度で急速冷却して10分間保持し、その後10℃/分の昇温速度で昇温する際に検出される発熱ピークの頂点温度を求める。
【0072】
また、得られた組成物の固有粘度は、0.3〜0.9dl/g、好ましくは0.35〜0.85dl/gであることが望ましい。
このようにして得られた組成物のペレットを結晶化してもよい。
【0073】
結晶化は、組成物を乾燥状態でガラス転移温度(Tg)〜融点未満の温度、好ましくはTgより20℃高くかつ融点より40℃以上低い温度下に、1〜300分間、好ましくは5〜200分間保つことによって行われる。具体的には、80〜210℃、好ましくは100〜180℃に加熱することによって行われる。
【0074】
結晶化は空気中あるいは不活性雰囲気中で行うことができる。結晶化された共重合ポリエステル樹脂組成物は、結晶化度が20〜50%であることが望ましい。なお、このような結晶化では、共重合ポリエステル樹脂組成物の固相重合反応は進行せず、結晶化後の共重合ポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、結晶化前の共重合ポリエステル組成物の固有粘度とほぼ同じであり、結晶化後の共重合ポリエステル組成物の固有粘度と、結晶化前の共重合ポリエステル組成物の固有粘度との差は、通常0.06dl/g以下である。
【0075】
このようにして共重合ポリエステル組成物を結晶化することにより共重合ポリエステル中に含まれるアセトアルデヒド含有率を低減させることができる。本発明では、結晶化した組成物を必要に応じて固相重合してもよい。(なお、固相重合前の結晶化を予備結晶化ということもある。)固相重合は、通常、180〜230℃、好ましくは190〜220℃で行われる。なお、固相重合時には、組成物のペレットは、乾燥していることが望ましく、このため、予め組成物のペレットを80〜180℃で乾燥してもよい。
【0076】
このようにして得られた共重合ポリエステル樹脂組成物は固有粘度が、0.5〜1.5dl/g、好ましくは0.6〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.6〜1.2dl/gであり、固相重合前の組成物の固有粘度に対して、1.1〜2.5倍、好ましくは1.2〜2.0倍になっていることが望ましい。
【0077】
なお、このようにして得られた共重合ポリエステル樹脂組成物に、熱水処理を施してもよい。熱水処理は、得られた共重合ポリエステル樹脂組成物を、70〜120℃の熱水に、1〜360分間浸漬することによって行われる。熱水処理によって、共重合ポリエステル重縮合反応時に使用された触媒を失活させることができる。
【0078】
本発明に係る製造方法で得られた共重合ポリエステル樹脂組成物は、必要に応じて、通常共重合ポリエステルに添加される添加剤、例えば着色剤、抗酸化剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤を含有していてもよい。
【0079】
また本発明に係る製造方法で得られた共重合ポリエステル樹脂組成物は、プリフォーム、ボトル、(延伸)フィルム、シ−トなどの種々の成形体の材料として用いることができる。
【0080】
このような共重合ポリエステル樹脂組成物から作製されたボトルは、ガスバリア性、透明性および耐熱性に優れている。またアセトアルデヒドの発生が少ないため、ジュースなどの内容物の味が低下することもない。
【0081】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
なお各実施例および比較例において、各特性は以下のように測定した。
【0083】
固有粘度:1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)を用いて、25℃にて測定した。
【0084】
炭酸ガス透過係数(ガスバリア性):ジーエルサイエンス株式会社製ガス透過率測定装置GPM−250を用いて、23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
【0085】
測定に使用したフィルムは、以下のようにして作製した。延伸フィルム:金型温度290℃のプレス成形機を用いて0.3mm厚のフィルムを作製し、このフィルムを冷却金型温度0℃の条件で急冷して非晶フィルムとした。次いで、この非晶フィルムをガラス転移温度(Tg)よりも15℃高い温度で3x3倍に同時二軸延伸を行い、延伸フィルムとした。
【0086】
アセトアルデヒド含有率:試料成形物から試験片を約2g採取し、SPEX社製冷凍粉砕機にて冷凍粉砕する。得られた試料粉末1gをバイヤル瓶に入れ、蒸留水2mlを加え、水と試料粉末とをよく混ぜる。キャップをした後バイヤル瓶を120℃で1時間加熱する。加熱後氷水中にて冷却し、上澄み液5μlをガスクロマトグラフ(GC−6A、島津製作所(株)製)で測定した。
【0087】
【実施例1】
(ヒドロキシアルキルエーテル組成物の合成)
温度計、攪拌装置を装備した内容量1リットルのSUS−316製反応器を窒素置換した後、反応器内に110g(1.0モル)のレゾルシノールおよび90gの水(5.0モル)に2.8g(0.07モル)の苛性ソーダを溶かした水溶液を仕込み、再度窒素置換を行い、反応容器内圧力を窒素圧0.1MPaとし、攪拌溶解しながら液温を60℃にし昇温した。次に液体のエチレンオキシドを毎分約1gの速度で供給し、エチレンオキシドの総重量92g(2.10モル)で供給を停止した。エチレンオキシド供給停止した。エチレンオキシド供給時の反応温度は60±2℃で制御し、エチレンオキシド供給停止後の温度は同様に60±2℃で制御しながら2時間の熟成を行った。反応液の一部を取り出して当量のリン酸で中和後、ガスクロマトグラフィーによる組成分析を実施した。結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
Figure 2004292647
【0089】
(共重合ポリエステル樹脂(A)の製造)
イソフタル酸299g、テレフタル酸33g、エチレングリコール122gおよびヒドロキシアルキルエーテル組成物(α) 21gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、樹脂の溶融粘度が2500ポイズとなるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から3時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、共重合ポリエステル樹脂を製造した。共重合ポリエステル樹脂の粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.815dl/gであった。金型温度290℃のプレス成形機を用いて作成した0.3mm厚フィルムの炭酸ガス透過係数は3.5ccmm/m2・day・atmであった。
【0090】
【比較例1】
ヒドロキシアルキルエーテル組成物として表1の従来品(ヒドロキシアルキルエーテル組成物(β))を使用した以外は実施例1と同様にして、共重合ポリエスエル樹脂を製造した。
【0091】
イソフタル酸299g、テレフタル酸33g、エチレングリコール122gおよびヒドロキシアルキルエーテル組成物(β)21gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、樹脂の溶融粘度が2500ポイズとなるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から5.5時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、共重合ポリエステル樹脂を製造した。共重合ポリエステル樹脂の粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.809dl/gであった。金型温度290℃のプレス成形機を用いて作成した0.3mm厚フィルムの炭酸ガス透過係数は4ccmm/m2・day・atmであった。
【0092】
溶融重合時間は、実施例1の1.8倍要し、炭酸ガス透過係数は1.14倍(ガスバリア性が悪い)であった。
【0093】
【実施例2】
(共重合ポリエステル樹脂(A)の製造)
イソフタル酸299g、テレフタル酸33g、エチレングリコール122gおよびヒドロキシアルキルエーテル組成物(α) 21g、1,1,1―トリス(ヒドロキシメチル)プロパン 0.8gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、樹脂の溶融粘度が2500ポイズとなるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から2時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、共重合ポリエステル樹脂を製造した。共重合ポリエステル樹脂の粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.825dl/gであった。金型温度290℃のプレス成形機を用いて作成した0.3mm厚フィルムの炭酸ガス透過係数は3.3ccmm/m2・day・atmであった。
【0094】
【比較例2】
ヒドロキシアルキルエーテル組成物として表1の従来品(ヒドロキシアルキルエーテル組成物(β))を使用した以外は実施例2と同様にして、共重合ポリエスエル樹脂を製造した。
【0095】
イソフタル酸299g、テレフタル酸33g、エチレングリコール122gおよびヒドロキシアルキルエーテル組成物(β)21g、1,1,1―トリス(ヒドロキシメチル)プロパン 0.8gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、攪拌動力が所定の値となるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から3.8時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、共重合ポリエステル樹脂を製造した。
【0096】
共重合ポリエステル樹脂の粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.809dl/gであった。金型温度290℃のプレス成形機を用いて作成した0.3mm厚フィルムの炭酸ガス透過係数は3.9ccmm/m2・day・atmであった。
【0097】
溶融重合時間は、実施例2の1.9倍要し、炭酸ガス透過係数は1.18倍(ガスバリア性が悪い)であった。
【0098】
【実施例3】
(ポリエチレンテレフタレート(B)の製造)
高純度テレフタル酸332gおよびエチレングリコール143gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。
【0099】
このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、樹脂の溶融粘度が2200ポイズとなるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から3.8時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、ポリエチレンテレフタレートを製造した。
【0100】
このポリエチレンテレフタレートの粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.615dl/gであった。
【0101】
次いで、上記で得られたペレットを170℃で2時間窒素気流下において予備結晶化した後、窒素雰囲気下に、210℃で固相重合を16時間行った。
【0102】
このようにして得られたポリエチレンテレフタレート(B)の固有粘度は0.83dl/gであった。
(共重合ポリエステル樹脂組成物の製造)
実施例2で製造した共重合ポリエステル樹脂(A)10重量部、上記ポリエチレンテレフタレート(B)90重量部をドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱の共重合ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0103】
上記で得られたペレットを170℃で2時間窒素気流下において結晶化した。このようにして得られた共重合ポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、0.800dl/gであった。この共重合ポリエステル樹脂組成物を金型温度290℃のプレス成形機を用いて0.3mm厚のフィルムを作製し、このフィルムを冷却金型温度0℃の条件で急冷して非晶フィルムとした。次いで、この非晶フィルムをガラス転移温度(Tg)よりも85℃で3x3倍に同時二軸延伸を行い、延伸フィルムとした。
【0104】
延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は10.2ccmm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は11ppmであった。
【0105】
【実施例4】
(ポリエチレンテレフタレート(B)の製造)
高純度テレフタル酸332gおよびエチレングリコール143gからなるスラリーを作製し、これに0.042gの二酸化ゲルマニウムおよび0.080gのリン酸を加えた。 このスラリーを加圧下(絶対圧1.7Kg/cm2)で255℃の温度に加熱して、エステル化反応にて生成する縮合水を系外に留去しながら、エステル化率が95%になるまで加熱し低次縮合体を製造した。続いて、圧力 1Torr、温度 280℃にて攪拌しながら、樹脂の溶融粘度が2200ポイズとなるまで前記の低次縮合体を溶融重合させた。重合開始から3.8時間で所定の動力となったため、常圧に戻し、反応を終了させた。反応器底部のノズルからストランド状に押し出して切断し、ポリエチレンテレフタレートを製造した。
【0106】
このポリエチレンテレフタレートの粒径は直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱状ペレットであり、固有粘度は0.615dl/gであった。
(共重合ポリエステル樹脂組成物の製造)
実施例2で製造した共重合ポリエステル樹脂組成物(A)10重量部、上記ポリエチレンテレフタレート(B)90重量部をドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱の共重合ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0107】
上記で得られたペレットを170℃で2時間窒素気流下において結晶化した後、窒素雰囲気下に、210℃で固相重合を14時間行った。
【0108】
このようにして得られた共重合ポリエステル樹脂組成物の固有粘度は、0.842dl/gであった。
【0109】
この共重合ポリエステル樹脂組成物を金型温度290℃のプレス成形機を用いて0.3mm厚のフィルムを作製し、このフィルムを冷却金型温度0℃の条件で急冷して非晶フィルムとした。次いで、この非晶フィルムをガラス転移温度(Tg)よりも85℃で3x3倍に同時二軸延伸を行い、延伸フィルムとした。
【0110】
延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は10.0ccmm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は13ppmであった。
【0111】
【比較例3】
(共重合ポリエステル樹脂組成物の製造)
比較例1で製造した共重合ポリエステル樹脂組成物(A)10重量部、実施例2で製造したポリエチレンテレフタレート(B)90重量部をドライブレンドしたものを、サーモ社製20mmφ単軸押出成形装置を用いて温度275℃で溶融混練し、ノズルからストランド状に押し出して切断し、直径2.5mm、高さ3.5mmの円柱の共重合ポリエステル樹脂組成物を得た。
【0112】
上記で得られたペレットを170℃で2時間窒素気流下において結晶化した。このようにして得られた共重合ポリエステル樹脂組成物のの固有粘度は、0.800dl/gであった。
【0113】
この共重合ポリエステル樹脂組成物を金型温度290℃のプレス成形機を用いて0.3mm厚のフィルムを作製し、このフィルムを冷却金型温度0℃の条件で急冷して非晶フィルムとした。次いで、この非晶フィルムをガラス転移温度(Tg)よりも85℃で3x3倍に同時二軸延伸を行い、延伸フィルムとした。
【0114】
延伸フィルムの炭酸ガス透過係数は11.0ccmm/m2・day・atmであり、アセトアルデヒド含有率は11ppmであった。
炭酸ガス透過係数は実施例3の1.1倍(ガスバリア性が悪い)であった。
【0115】
【発明の効果】
本発明の共重合ポリエステル樹脂の製造方法を用いれば、生産速度が高く、優れたガスバリア性を有する共重合ポリエステルを得ることができる。また、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を用いれば、ガスバリア性、透明性、耐熱性に優れ、且つアセトアルデヒド量が低く、ボトル強度に優れた成形品を得ることができる。

Claims (5)

  1. (A)(ア)イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位と、
    (イ−1)式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる、式(1)で表される化合物
    Figure 2004292647
    を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)
    Figure 2004292647
    で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位 5〜90モル%および(イ−2)エチレングリコール 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位とを共重合してなる共重合ポリエステル樹脂およびその製造方法。
  2. (A)(ア)イソフタル酸成分20〜100モル%およびテレフタル酸成分80〜0モル%からなるジカルボン酸成分単位と、
    (イ−1)式(1)で表される(式中、R1は水素または炭素数1〜3のアルキル基、nは1〜5の整数である。)レゾルシノールとアルキレンオキシドを反応させて得られる化合物を主成分とし、該主成分に対して1〜10重量%の式(2)で表わされる化合物を含有するヒドロキシアルキルエーテル成分単位 5〜90モル%および(イ−2)エチレングリコール 95〜10モル%からなるジヒドロキシ化合物成分単位と、
    (ウ)前記ジカルボン酸成分単位100モル部に対し、少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキシ化合物成分単位0.05〜1.0モル部とを共重合してなる共重合ポリエステル樹脂およびその製造方法。
  3. 請求項1に記載の(A)共重合ポリエステル樹脂 80〜3重量%と(B)ポリエチレンテレフタレート樹脂 20〜97重量%とを溶融混合してなる共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法。
  4. 請求項3に記載の共重合ポリエステル樹脂 80〜3重量%と(B)ポリエチレンテレフタレート樹脂 20〜97重量%とを溶融混合してなる共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法。
  5. 式(1)で表される化合物が式(1−1)で表される化合物および/または式(2)で表される化合物が、式(2−1)で表される化合物である請求項1から4に記載の共重合ポリエステル樹脂およびその製造方法。
    Figure 2004292647
    Figure 2004292647
JP2003087171A 2003-03-27 2003-03-27 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法 Pending JP2004292647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003087171A JP2004292647A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003087171A JP2004292647A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004292647A true JP2004292647A (ja) 2004-10-21

Family

ID=33401608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003087171A Pending JP2004292647A (ja) 2003-03-27 2003-03-27 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004292647A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010607A1 (fr) * 2006-07-21 2008-01-24 Teijin Limited Polyester aromatique et son procédé de fabrication

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008010607A1 (fr) * 2006-07-21 2008-01-24 Teijin Limited Polyester aromatique et son procédé de fabrication
US7884173B2 (en) 2006-07-21 2011-02-08 Teijin Limited Aromatic polyester and manufacturing process thereof
CN101466759B (zh) * 2006-07-21 2012-05-30 帝人株式会社 芳香族聚酯及其制造方法
JP5055279B2 (ja) * 2006-07-21 2012-10-24 帝人株式会社 芳香族ポリエステルおよびその製造法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6355738B2 (en) Polyester and process for preparing polyester
US5262513A (en) Copolyester, and hollow container and stretched film made thereof
JP2000143789A (ja) ポリエステルの製造方法
JP5598162B2 (ja) 共重合ポリエステル製成形体
JP3072939B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JP3146652B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JP2004107457A (ja) 脂肪族或いは脂環式ポリエステル及びその製造方法
JPH09221540A (ja) ポリエチレンテレフタレート、中空容器および延伸フィルム
JP2009203452A (ja) ポリエステル樹脂の製造方法、及びこのポリエステル樹脂から成る成形体
JP3331719B2 (ja) ダイレクトブローボトル用共重合ポリエステル
JPH11310629A (ja) 新規なポリエステルおよびポリエステルの製造方法
JP2004292647A (ja) 共重合ポリエステル樹脂および共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法
JP3459430B2 (ja) 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム
JP2010150488A (ja) 耐熱容器成形用エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びこの樹脂から成るプリフォーム
JP3737302B2 (ja) 新規なポリエステルペレットおよびポリエステルペレットの製造方法
JP3427202B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP2010150487A (ja) 容器成形用エチレンテレフタレート系ポリエステル樹脂及びその製造方法
JP3173753B2 (ja) 共重合ポリエステル、それからなる中空容器およびその製造法
JP3751166B2 (ja) ポリエステルペレットの製造方法
JP2011046859A (ja) 共重合ポリエステル
JP3136743B2 (ja) 共重合ポリエステルおよびその成形体
JP3605018B2 (ja) 樹脂組成物およびその製造方法
JP2010248291A (ja) ブレンド用ポリエステル樹脂
JP2006083401A (ja) ポリエステル及びその製造法
JPH06100679A (ja) ポリエステルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050715

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20070622

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070827

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080108