JP2004290844A - 板材塗装ロールおよび該ロールを用いた板材の塗装方法 - Google Patents

板材塗装ロールおよび該ロールを用いた板材の塗装方法 Download PDF

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Shinichi Kusaka
信一 日下
Kenichi Ebara
健一 江原
Naoya Hoshino
直也 星野
Akihiro Yano
明寛 谷野
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Abstract

【課題】板材表面の凹凸の有無にかかわらず、簡単に、所定の意匠にてグラデーション塗装することができる板材塗装ロール、ならびに当該ロールを用いた塗装方法を提供する。
【解決手段】板材塗装ロール14の表面に弾性材料からなる弾性層26と表面層28とが設けられるとともに、表面層28の外周面には、所定の方向に向けてその線幅が段階的に変化する格子状の刻設溝30が刻設されている。このため、この刻設溝30に塗料18aを供給し、板材塗装ロール14と板材12とを所定の圧力で圧接すると、弾性層26と表面層28とが板材12表面の凹凸に追従して弾性変形し、板材塗装ロール14の外周面すなわち表面層28の外周面と板材12表面全体とを隙間なく密着させることができ、刻設溝30の線幅に応じた量の塗料18aを板材12の表面全体に転写でき、グラデーションを表現することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイディングボードなどの板材に意匠性のある塗装を行なうための板材塗装ロールならびに該ロールを用いた塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築用の板材、特に壁材として、工業的に量産が可能な窯業系や金属系のサイディングボードが多用されているが、意匠性に優れた外装を求める顧客のニーズに応えて、サイディングボードの表面に天然素材をイメージさせるような凹凸を施したり、ロールコーターやスプレーガンなどの塗装手段を用いて各種彩色で塗装することによって、サイディングボードに意匠性を付与している。
【0003】
このサイディングボードに意匠性を付与する技術の1つにグラデーション塗装があり、例えば、弾性層表面を有し、該弾性層表面全体に微細な凹凸が均一に分布するように形成した塗装ロールを、凹凸状の表面を有する板材に、該板材の厚さ方向にて設定した基準面に対する押圧力が一定となるように圧接することにより、該板材の凸部には幅の広い線が密に形成され、凹部には幅の細い線が疎に形成されて自動的に該板材の凹凸を利用し、凸部より凹部に向けて濃色から淡色へと色調が変移するように(つまりグラデーションするように)塗装する技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0004】
この技術は、一本の塗装ロールで簡単にグラデーション塗装を行えるという点では優れた手法である。しかしながら、上述の技術では、グラデーションの意匠が板材の凹凸によって一義的に決まるため、自らが意図するようなグラデーション塗装を行うことができず、また、平坦もしくは凹凸部の高低差が小さいような板材にはグラデーション塗装ができないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−301039号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−301040号公報(第2−3頁、第1−5図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
それ故、この発明の主たる課題は、板材表面の凹凸の有無にかかわらず、簡単に、所定の意匠にてグラデーション塗装することができる板材塗装ロール、ならびに当該ロールを用いた塗装方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
「請求項1」に記載した板材塗装ロール(14)は、「回転自在に支持された軸芯(24)と、弾性材料からなり軸芯(24)の外周面に巻設された円筒状の弾性層(26)と、弾性層(26)よりも硬度の高い弾性材料からなり弾性層(26)の外周面に巻設された表面層(28)とで構成され、表面層(28)の外周面には、その線幅が段階的に変化する、板材(12)への塗料転写用の刻設溝(30)が刻設されている」ことを特徴とする。
【0008】
この発明では、板材塗装ロール(14)の弾性層(26)と表面層(28)とが弾性材料によって構成されているので、例えば、表面に石目調或いはレンガ積み模様などの凹凸が形成されて建築物の外装材として使用される板材(12)にグラデーション塗装する場合、板材塗装ロール(14)を板材(12)に所定の圧力で圧接すると、弾性層(26)と表面層(28)とが板材(12)表面の凹凸に追従して弾性変形し、板材塗装ロール(14)の外周面すなわち表面層(28)の外周面と板材(12)表面全体とが隙間なく密着することができる。従って、表面層(28)の外周面に設けられた刻設溝(30)に保持された塗料(18a)を板材(12)の凸部のみならず凹部を含めて表面全体に転写させることができる。なお、板材(12)表面に凹凸がなく平坦な場合にも、当然、刻設溝(30)に保持された塗料(18a)を板材(12)表面全体に転写させることができる。
【0009】
また、表面層(28)は弾性層(26)よりも硬度が高い材料で構成されているので、弾性層(26)と表面層(28)とが弾性変形しても、弾性層(26)に比べて圧縮抵抗が高い表面層(28)に刻設された刻設溝(30)が大きく変形することはなく、刻設溝(30)の意匠通りに塗料(18a)を板材(12)の表面に転写させることができる。
【0010】
そして、塗料(18a)を保持する刻設溝(30)は、その線幅が段階的に変化するように刻設されているので、刻設溝(30)に塗料(18a)が供給された板材塗装ロール(14)を板材(12)に所定の圧力で圧接すると、刻設溝(30)の線幅に応じた塗料(18a)が、板材(12)表面の凹凸の有無にかかわらず、その表面全体に転写されてグラデーションが表現される。
【0011】
「請求項2」は刻設溝(30)の形状に関し、「刻設溝(30)が所定間隔にて格子状に刻設されている」ことを特徴とするものである。凹凸を有する板材(12)にグラデーション塗装を施した場合、凹凸部分の斜面に塗設された塗料(18a)は流動性を有するので乾燥するまでの間、重力によって下方へ移動しようとする。ここで、板材(12)に転写する塗料(18a)を網点で構成した場合、凹凸の斜面では網点で転写された塗料(18a)が重力によって下方へ垂れ下がって「にじみ」を生じ、板材(12)表面における塗料(18a)の塗設面積が変わり、グラデーションが不鮮明なものとなる。しかしながら、本発明では、板材(12)表面に転写された塗料(18a)は格子状に連なった線で塗設されているので、塗料(18a)に重力がかかったとしても、表面張力によって格子状に塗設された部分のみを伝って多少移動するだけで「にじみ」の発生を低減させることができる。このため、板材(12)表面における塗料(18a)の塗設面積が変わることはなく、鮮明なグラデーションを表現することができる。
【0012】
「請求項3」に記載した発明は、「請求項1又は2」に記載した発明において、「刻設溝(30)の線刻線数は、70Lpi以上でかつ90Lpi以下である」ことを特徴とするものであり、また、「請求項4」に記載した発明は、「請求項1〜3」に記載した発明において、「格子状に刻設溝(30)が形成された板材塗装ロール(14)において、格子の1マス目を基部面積(A2)とし、基部面積(A2)に対するマス目ごとに形成される凸部(30a)の頂部の面積(A1)の割合が20%〜95%の範囲で段階的に変化するように形成されている」ことを特徴とするもので、これらの発明により、細かな色彩の濃淡差すなわちグラデーションを高い解像度で表現することができる。
【0013】
「請求項5」に記載の発明は、「請求項1〜4のいずれかに記載された板材塗装ロール(14)の刻設溝(30)に塗料(18a)を供給し、板材塗装ロール(14)の回転方向に走行する板材(12)に回転している板材塗装ロール(14)の表面層(28)を押圧し、刻設溝(30)に保持された塗料(18a)を板材(12)に転写してグラデーション模様を板材(12)の表面に形成する」ことを特徴とする板材(12)の塗装方法である。
【0014】
本発明の板材塗装ロール(14)を使用するこの発明では、刻設溝(30)に塗料(18a)を供給するとともに、板材塗装ロール(14)の外周面と板材(12)の表面全体とが密着する所定の圧力で圧接するだけで、板材(12)表面の凹凸の有無にかかわらず、板材(12)表面全体に対して、刻設溝(30)の線幅(或いは容積)に応じた塗料(18a)を転写でき、刻設溝(30)の意匠に応じたグラデーションを表現できる。ここで刻設溝(30)の容積とは、所定の間隔で刻設された刻設溝(30)が保持するとともに、板材(12)に転写する塗料(18a)の容量を示すものであり、レーザー彫刻の場合、表面層(28)の外周面をレーザーで深く掘れば刻設溝(30)の容積が大きくなり、これに比例して線幅が広くなる。逆に、浅くすると容積が小さくなり、これに比例して線幅は細くなる。したがって、刻設溝(30)の容積が最も大きい部分すなわち線幅が広い刻設溝(30)に対応する板材(12)の表面では濃く塗装され、逆に、刻設溝(30)の容積が最も小さい部分すなわち線幅が狭い刻設溝(30)に対応する板材(12)の表面では淡く塗装される。
【0015】
なお、板材塗装ロール(14)を複数用意し、該ロール(14)に供給する塗料(18a)の色および刻設溝(30)の意匠が互いに異なるようにすると、多色によるグラデーションやグラデーション模様の組み合わせなど、様々なバリエーションにて板材表面をグラデーション塗装することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1に従って詳述する。この発明の一実施例の塗装装置(10)は、表面に石目調或いはレンガ積み模様などの凹凸が形成されて、建築物の外装材などとして使用される板材(12)(例えばサイディングボードなど)にグラデーション塗装を行う所謂ロールコーターであり、板材塗装ロール(14)、バックアップロール(16)、塗料供給装置(18) 、乾燥装置(20)および搬送ロール(22)などで構成されている。
【0017】
板材塗装ロール(14)は図2に示すように、軸芯(24)、弾性層(26)及び表面層(28)によって構成され、表面層(28)に刻設溝(30)が刻設されており、板材(12)の表面にグラデーション塗装する回転体である。この板材塗装ロール(14)に刻設された刻設溝(30)には、後述する塗料供給装置(18)から供給される塗料(18a)が連続的に供給されるようになっている。つまり、板材塗装ロール(14)と、当該ロール(14)に平行で且つこれに押圧・回動可能に設置されたドクターロール(34)とで構成された谷間に塗料(18a)が保持され、この塗料(18a)が前記刻設溝(30)に供給されるようになっている。そして、板材塗装ロール(14)を回転させて、その表面を板材(12)に圧接することによって刻設溝(30)に供給された塗料(18a)がそのままの模様で板材(12)に転写される。
【0018】
軸芯(24)は、金属などの硬質材料によって成形された外面が平滑な中空もしくは中実の円柱状部材である。この軸芯(24)には軸芯(24)の外径が拡大された拡径部(24a)が形成されており、拡径部(24a)の両端から突出している軸芯(24)の突出部分が図示しない一対の軸受にて回転自在に架設支持されるとともに駆動装置(図示せず)が接続されて回転するようになっている。
【0019】
弾性層(26)は、拡径部(24a)の外周面全面に亘って巻設された部分であり、スポンジゴム(例えば、クロロプレンスポンジゴムやブチルスポンジゴム)などの弾性材料によって形成されている。この弾性層(26)を形成する弾性材料の硬度は15〜20度(アスカ−C)の範囲であることが好ましい。弾性層(26)を形成する弾性材料の硬度が15度(アスカ−C)未満の場合には、弾性層(26)の圧縮抵抗が小さくなるため、板材(12)と板材塗装ロール(14)とを圧接した際に弾性層(26)の接触応力が小さくなり、逆に、20度(アスカ−C)より大きい場合には、弾性層(26)の圧縮抵抗が大きくなるため、板材(12)と板材塗装ロール(14)とを圧接した際に板材(12)表面と板材塗装ロール(14)表面との間に隙間ができるようになり、ともに板材(12)表面(特に凹部)に上手く塗料(18a)を転写することができなくなるからである。
【0020】
表面層(28)は、弾性層(26)の外周面全面に亘って巻設された部分であり、ソリッドゴム(例えばクロロプレンソリッドゴムやシリコーンソリッドゴム)など、弾性層(26)よりも硬度が高い弾性材料によって形成されている。この表面層(28)を形成する弾性材料の硬度は40〜50度(JIS−A)の範囲であることが好ましい。この表面層(28)を形成する弾性材料の硬度が40度(JIS−A)未満の場合には、表面層(28)の圧縮抵抗が小さくなるため、板材(12)と板材塗装ロール(14)とを圧接した際に表面層(28)の接触応力が小さくなり、逆に、50度(JIS−A)より大きい場合には、表面層(28)の圧縮抵抗が大きくなるため、板材(12)と板材塗装ロール(14)とを圧接した際に板材(12)表面と板材塗装ロール(14)表面との間に隙間ができるようになり、ともに板材(12)表面(特に凹部)に上手く塗料(18a)を転写することができなくなるからである。
【0021】
刻設溝(30)は、塗料供給装置(18)から供給される塗料(18a)を保持する部分であり、レーザー彫刻などによって表面層(28)の外周面に所定の方向に向けてその容積が段階的に変化するように例えば格子状(勿論、格子状以外の模様でもよいが、本実施例では板材(12)の表面の凹凸を石目調或いはレンガ積み模様とし、これに対応して石目調或いはレンガ積み模様の凹凸部分にグラデーション模様を形成して石目調或いはレンガ積み模様の陰影を際だたせる格子状の場合を代表例とする)に刻設された断面略V字状の線溝である(図3参照)。なお、レーザー彫刻の場合、深く掘れば刻設溝(30)の容積が大きくなり、これに比例して線幅が広くなる。逆に浅くすると容積が小さくなり、これに比例して線幅は細くなる。従って、刻設溝(30)の容積の変化は線幅の変化ということになる。また、刻設溝(30)の容積とは、所定の間隔で刻設された刻設溝(30)が保持するとともに、板材(12)に転写する塗料(18a)の容量を示すものである。このため、刻設溝(30)の容積が最も大きい部分すなわち線幅が広い刻設溝(30)に対応する板材(12)の表面では広い塗設面積で濃く塗装され、逆に、刻設溝(30)の容積が最も小さい部分すなわち線幅が狭い刻設溝(30)に対応する板材(12)の表面では狭い塗設面積で淡く塗装される。
【0022】
この刻設溝(30)の線刻線数は70〜90Lpiの範囲であることが好ましい。ここでいうLpiとは、表面層(28)の外周面1インチ当たりに刻設された刻設溝(30)の本数である。刻設溝(30)の線刻線数が70Lpi未満の場合には、細かな色彩の濃淡差すなわちグラデーションを高い解像度で表現することができず、逆に、90Lpiより多い場合には、格子状の刻設溝(30)で囲まれた表面層(28)外周面の面積、すなわち、格子状に刻設された刻設溝(30)のマス目に形成される凸部(30a)の頂部面積(A1)が小さくなるため、凸部(30a)の強度が極端に弱くなり、板材塗装ロール(14)の耐久性が劣るようになるからである。
【0023】
また、所定の間隔にて格子状に形成された刻設溝(30)は、格子の1マス目で区画された部分の面積を基部面積(A2)とし、また、マス目ごとに形成された凸部(30a)の頂部の面積を頂部面積(A1)とした場合、この基部面積(A2)に対する頂部面積(A1)の割合が20%〜95%の範囲で段階的に変化するように刻設するのが好ましい。基部面積(A2)に対する頂部面積(A1)の割合が20%より小さい場合には、凸部(30a)の強度が極端に弱くなるため板材塗装ロール(14)の耐久性が劣るようになり、逆に、95%よりも大きい場合には、刻設溝(30)で保持される塗料(18a)の量が不均一となり、板材(12)に転写される塗料(12)の量にバラツキが生じて、きれいにグラデーション塗装できなくなるからである。
【0024】
そして、この実施例では、基部面積(A2)に対する頂部面積(A1)の割合が20%〜95%の範囲において5%刻みで段階的に、つまり刻設溝(30)の容積が一定の割合にて15段階で変化するように形成している。従って、基部面積(A2)に対する頂部面積(A1)の割合が20%すなわち刻設溝(30)の容積が最も大きい部分に対応する板材(12)の表面では濃く塗装され、この割合が95%すなわち刻設溝(30)の容積が最も小さい部分に対応する板材(12)の表面では淡く塗装されるようになるとともに、これらの濃淡間のグラデーションを15階調の高い解像度で表現することができる。
【0025】
なお、刻設溝(30)は、再現したいグラデーションの意匠に基づいて、表面層(28)の外周面に刻設されるものであり、例えば、中心から外に向けてフェードアウトするグラデーション模様を板材(12)表面の至る所にランダムに塗装したい場合には、格子状の刻設溝(30)を表面層(28)の外周面にて不均一に分布するように刻設するとともに、この刻設溝(30)の容積を中心から外に向けて放射状に減少させるようにすればよい。
【0026】
バックアップロール(16)は、板材塗装ロール(14)の下側にて、板材塗装ロール(14)に向けて近接離間可能に並設された回転体であり、板材塗装ロール(14)に向けて板材(12)を所定の圧力で押圧し、これらの表面同士を圧接させる押圧手段である。
【0027】
塗料供給装置(18)は、板材塗装ロール(14)の外周面に刻設された刻設溝(30)に対して連続的に塗料(18a)を供給するためのものであり、塗料(18a)を貯留する塗料タンク(32)および板材塗装ロール(14)に平行で且つこれに押圧・回動可能に設置されたドクターロール(34)などで構成されている。
【0028】
乾燥装置(20)は、板材塗装ロール(14)から板材に転写された塗料(18a)を赤外線や熱風などによって加熱・乾燥させるものである。また、搬送ロール(22)は、バックアップロール(16)の前後に並設され、上側に載置された板材(12)を搬送する回転体である。
【0029】
本発明の塗装装置(10)を用いて、表面に凹凸が形成された板材(12)を塗装する際には、まず、板材塗装ロール(14)、バックアップロール(16)および搬送ロール(22)の各ロールを所定の回転数で回転させるとともに、塗装しようとする板材(12)の厚さが最も薄い部分すなわち板材(12)の凹部と板材塗装ロール(14)の外周面とが所定の圧力で圧接するように、板材塗装ロール(14)とバックアップロール(16)との間隔を定める。
【0030】
次に、板材塗装ロール(14)の外周面に形成された刻設溝(30)に塗料を供給する。具体的には、回転する板材塗装ロール(14)にドクターロール(34)を圧接させて谷間を形成し、この谷間に塗料タンク(32)の塗料(18a)を供給する。すると、谷間に保持された塗料(18a)が刻設溝(30)に押し込まれるとともに、板材塗装ロール(14)の外周面に付着した塗料(18a)がドクターロール(34)によって剥ぎ取られ、連続的に刻設溝(30)のみに塗料が供給されるのである。
【0031】
続いて、塗装する面を上向きに配置した板材(12)を、回転する搬送ロール(22)の上に順次載せて前方へ送り、板材塗装ロール(14)とバックアップロール(16)との間を通過させる。すると、図4に示すように、板材塗装ロール(14)の弾性層(26)と表面層(28)とが板材(12)表面の凹凸に追従して弾性変形することによって板材(12)の表面全体と板材塗装ロール(14)の外周面とが密着し、板材(12)の表面と板材塗装ロール(14)の外周面とが離反する際に、刻設溝(30)に保持させた塗料(18a)が板材(12)表面にグラデーションとなって転写される。
【0032】
そして、塗料(18a)が転写された板材(12)は、乾燥装置(20)に搬送され、ここで表面に転写された塗料を乾燥することによってグラデーション塗装が完了し、塗装が完了した板材(12)は搬送ロール(22)によって所定の場所に搬送される。
【0033】
この実施例によれば、板材塗装ロール(14)の弾性層(26)と表面層(28)とが弾性材料によって構成されているので、板材塗装ロール(14)と板材(12)とを所定の圧力で圧接すると、弾性層(26)と表面層(28)とが板材(12)の表面の凹凸に追従して弾性変形し、板材塗装ロール(14)の外周面(具体的には表面層(28)の外周面)が、板材(12)表面全体と隙間なく密着することができる。
【0034】
また、表面層(28)は弾性層(26)よりも硬度が高い材料で構成されているので、弾性層(26)と表面層(28)とが弾性変形しても、弾性層(26)に比べて圧縮抵抗が高い表面層(28)に刻設された刻設溝(30)が大きく変形することはなく、刻設溝(30)の意匠通りに塗料(18a)を板材(12)表面に転写することができる。
【0035】
また、塗料を保持する刻設溝(30)は、格子状に刻設されるとともに、所定の方向に向けてその線幅が段階的に変化するようにしているので、塗料が供給された板材塗装ロール(14)と板材(12)とが所定の圧力で圧接すると、刻設溝(30)の線幅に応じた塗料(18a)が板材(12)の表面に転写されてグラデーションを表現できる。そして、このとき板材(12)の凹凸の斜面に塗設された塗料(18a)は、乾燥するまでの間、重力によって下方へ移動しようとするが、この実施例では塗料(18a)が格子状に連なった線で塗設されているので、塗料(18a)に重力がかかったとしても、表面張力によって格子状に塗設された部分のみを伝って多少移動するだけである。このため、板材(12)表面における塗料(18a)の塗設面積が変わることはなく、「にじみ」が生じず鮮明なグラデーションを表現することができる。
【0036】
従って本実施例では、刻設溝(30)に塗料(18a)を供給するとともに、板材塗装ロール(14)と板材(12)とを所定の圧力で圧接し、板材塗装ロール(14)の回転に合わせて板材(12)を搬送するだけで、板材(12)表面の凹凸の有無にかかわらず、刻設溝(30)に保持された塗料(18a)を板材(12)の表面に連続的に転写でき、板材塗装ロール(14)に刻設された刻設溝(30)の意匠に応じたグラデーションを、高い解像度で繰り返し板材(12)の表面全体に表現できる。
【0037】
なお、上述の実施例では、1本の板材塗装ロール(14)で構成された塗装装置(10)を示したが、図5に示すように、板材塗装ロール(14)を複数本(図5の実施例の場合は2本)配設するとともに、各板材塗装ロール(14)に供給する塗料の色または各板材塗装ロール(14)に刻設する刻設溝(30)の意匠の少なくとも一方がそれぞれ異なるようにした塗装装置(100)を用い、これら複数本配設された板材塗装ロール(14)で板材(12)を順次塗装するようにしてもよい。これにより、板材(12)表面の凹凸にとらわれない多色によるグラデーションやグラデーションの模様の組み合わせなど、様々なバリエーションで板材(12)の表面をグラデーション塗装することができる。
【0038】
また、塗料供給装置(18)として、塗料タンク(32)とドクターロール(34)とで構成されたものを示したが、塗料供給装置(18)は、回転する板材塗装ロール(14)の外周面に刻設された刻設溝(30)に対して連続的に塗料(18a)を供給できるものであればよく、ドクターロール(34)に替えてドクターブレード(図示せず)を用いるようにしてもよいし、また、板材塗装ロール(14)とドクターロール(34)との間に形成されたV字状の溝(36)に塗料タンク(32)の塗料(18a)を供給するのではなく、ドクターロール(34)の表面に所定の膜厚で塗料(18a)の膜を保持させて、この膜状の塗料(18a)を板材塗装ロール(14)の刻設溝(30)に供給するようにしてもよい。
【0039】
さらに、上述の例では、板材塗装ロール(14)での塗装後に、乾燥装置(20)で塗料(18a)を乾燥させるようにしているが、塗料(18a)が速乾性のものであったり、また、塗料(18a)の強制的な乾燥が必要でない場合には、乾燥装置(20)を用いなくてもよい。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、塗料を保持する刻設溝が、格子状に刻設されるとともに、所定の方向に向けてその線幅が段階的に変化するように刻設されているので、線幅に応じた量の塗料を板材の表面に転写でき、グラデーションを表現することができる。
【0041】
また、板材塗装ロールの外周面と板材の表面全体とが密着する所定の圧力で圧接するようにしているので、刻設溝の線幅に応じた量の塗料を、板材表面の凹凸の有無にかかわらず、板材表面に転写でき、板材塗装ロールに刻設された刻設溝の意匠に応じたグラデーションを板材表面全体に表現できる。
【0042】
従って、板材表面の凹凸の有無にかかわらず、簡単に、所定の意匠にてグラデーション塗装することができる板材塗装ロール、ならびに当該ロールを用いた塗装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の塗装装置を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の板材塗装ロールを示す斜視図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の一実施例の塗装装置の塗装工程を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施例の塗装装置を示す模式図である。
【符号の説明】
(10)… 塗装装置
(12)… 板材
(14)… 板材塗装ロール
(16)… バックアップロール
(18)… 塗料供給装置
(18a)… 塗料
(20)… 乾燥装置
(22)… 搬送ロール
(24)… 軸芯
(26)… 弾性層
(28)… 表面層
(30)… 刻設溝
(30a)… 凸部
(32)… 塗料タンク
(34)… ドクターロール
(A1)… (凸部の)頂部面積
(A2)… (凸部の)基部面積

Claims (5)

  1. 回転自在に支持された軸芯と、弾性材料からなり前記軸芯の外周面に巻設された円筒状の弾性層と、前記弾性層よりも硬度の高い弾性材料からなり前記弾性層の外周面に巻設された表面層とで構成され、
    前記表面層の外周面には、その線幅が段階的に変化する、板材への塗料転写用の刻設溝が刻設されていることを特徴とする板材塗装ロール。
  2. 刻設溝が所定間隔にて格子状に刻設されていることを特徴とする請求項1に記載の板材塗装ロール。
  3. 前記刻設溝の線刻線数は、70Lpi以上でかつ90Lpi以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の板材塗装ロール。
  4. 格子状に刻設溝が形成された板材塗装ロールにおいて、格子の1マス目を基部面積とし、前記基部面積に対するマス目ごとに形成される凸部の頂部の面積の割合が20%〜95%の範囲で段階的に変化するように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の板材塗装ロール。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載された板材塗装ロールの前記刻設溝に塗料を供給し、
    前記板材塗装ロールの回転方向に走行する板材に回転している前記板材塗装ロールの表面層を押圧し、
    前記刻設溝に保持された前記塗料を前記板材に転写してグラデーション模様を板材の表面に形成することを特徴とする板材の塗装方法。
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