JP2004290398A - 電磁加熱可能な調理済食品用容器 - Google Patents
電磁加熱可能な調理済食品用容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004290398A JP2004290398A JP2003086458A JP2003086458A JP2004290398A JP 2004290398 A JP2004290398 A JP 2004290398A JP 2003086458 A JP2003086458 A JP 2003086458A JP 2003086458 A JP2003086458 A JP 2003086458A JP 2004290398 A JP2004290398 A JP 2004290398A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- core
- outer box
- container
- heating element
- cooked food
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Table Devices Or Equipment (AREA)
- Package Specialized In Special Use (AREA)
- Cookers (AREA)
Abstract
【課題】調理済食品搬送用に適し、かつ調理済食品に応じて再加熱するのに適した合成樹脂製容器を提供すること、および加熱を必要とする調理済食品を選択的に、簡便に再加熱する方法を提供すること。
【解決手段】合成樹脂製の外箱、1または2以上の中子および蓋体から構成される容器であって、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な合成樹脂製容器、および該容器を用いて、電磁加熱によって調理済食品を再加熱する方法。
【選択図】 図7
【解決手段】合成樹脂製の外箱、1または2以上の中子および蓋体から構成される容器であって、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な合成樹脂製容器、および該容器を用いて、電磁加熱によって調理済食品を再加熱する方法。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており電磁加熱可能な容器およびそれを用いた調理済食品の再加熱方法に関する。さらに詳しくは合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器およびそれを用いた調理済食品の再加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年調理済食品を配送する機会が増加している。配送する機会としては、年配者介護、病院食配膳、食事の宅配その他が挙げられる。社会環境および生活環境の変化に加えて、調理後の保存および搬送、並びに使用時の加熱などの技術発達につれて、調理済食品を搬送の要請が増大してきた。
【0003】
わが国では、古くから調理済食品の運搬用に弁当箱とよばれる軽便な容器が存在し、使用態様に合せて種々の工夫がなされてきた。
【0004】
従来の弁当は、通常調理済食品が冷めた状態で提供されてきた。温かい状態で食べられるようにとの配慮から加熱された調理済食品を冷めないうちに提供したり、保温容器に収納して提供するサービスも行われているが、その場合には厳しい衛生上の管理が要求される上に、喫食時には冷えていたり、生ぬるくなっていて美味しく喫食できないなどの問題があった。
【0005】
これらの問題を解決する方法として調理済食品を冷蔵、チルド又は冷凍状態で配送し、喫食時に再加熱する方法があるが、その場合調理済食品を保存管理し、使用時に再加熱する必要がある。出願人はこのような調理済食品搬送用に適した合成樹脂製容器を提案した(特開平2000−318778号公報)。
【0006】
配送された調理済食品それぞれには、喫食時の最適温度が存在する。あるものは温かい状態で食し、あるものは冷たい状態で食することが好まれる。そのために、配送された調理済食品は適当な方法で再加熱される。
【0007】
学校、病院、企業内食堂などで大量に食品を配膳する際に、冷蔵食品を入れた食器を配置した多数のトレイを一度に加熱して食事に供するいわゆるクックチルシステムが提案されている(特開平9−148060号公報)。
【0008】
しかしながら、個々に配送された調理済食品を、食品毎に必要に応じて加熱するのに適した弁当箱は提案されていない。本発明者はこれらの目的に適した弁当箱として好適な容器の開発に鋭意努力した結果本発明に到達したものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−148060号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、調理済食品搬送用に適し、かつ調理済食品に応じて再加熱するのに適した容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、再加熱を必要とする調理済食品を選択的に、簡便に再加熱する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器を提供する。
【0012】
前記発熱体が、外箱に形成されている前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0013】
前記発熱体が、中子の少なくとも一つに形成されている前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0014】
前記容器が、外箱に被せることができる蓋体を有している前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0015】
本発明はまた、少なくとも合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている容器を用い、中子に調理済食品を収納して電磁加熱によって再加熱する調理済食品の再加熱方法を提供する。
【0016】
前記外箱に、少なくとも一つの発熱体が形成されている中子と、少なくとも一つの発熱体が形成されていない中子が収容されており、中子に調理済食品が収納されている状態で電磁加熱によって再加熱して、調理済食品を選択的に再加熱する方法は、前記調理済食品の再加熱方法の好ましい態様である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、合成樹脂製の外箱と、これに収容可能な1または2以上の中子から構成される容器であって、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器を提供するものである。
【0018】
本発明の容器は、調理済食品を収納して配送する弁当箱として好適なものである。容器が、外箱に被せることができる蓋体を有している前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0019】
本発明の容器において、外箱とは上方に開口した主容器をいう。外箱の横断面形状には特に制限が無く、四角形、円形、多角形などの形状をとりうる。通常横断面が略矩形である外箱が好ましい。
外箱にはそれに被せられる下方に開口した蓋体を用いることが好ましい。
【0020】
本発明の中子とは、外箱の内部に収容されて使用される上方開口の中容器である。本発明の中子の材質は、合成樹脂製であってもよいし、陶磁器であってもよい。中子が合成樹脂製のとき、その合成樹脂は外箱と同じであってもいいし、異なっていてもよい。中でも、合成樹脂製中子がより好ましく使用される。
【0021】
図1を例として本発明の容器を説明すると、外箱1の中に中子2−1〜2−4が収容されており、蓋体3は外箱に被せることができる。
【0022】
本発明の容器に収納される調理済食品が、食事用に供される場合、内容物は、ご飯、主菜および副菜などがあり、通常主菜および副菜は、それぞれ複数種調理されている。そのためそれぞれの種類に応じた容器が必要である。さらに、料理の種類によって再加熱が必要なものと、再加熱しないで供されるものがある。本発明ではこれらの要請に応えるため、種々の大きさ、形状および深さの中子が選択使用できる。なお、再加熱とは、加熱調理した食品を冷蔵、チルドもしくは冷凍状態で保存した後に加熱することを意味する言葉である。
【0023】
本発明の、中子はご飯、主菜および副菜などそれぞれの種類に応じて、選択使用できるが、主容器に種々の中子を収容した本発明の実施態様の例を図2および図3に示した。
【0024】
図2では、大きい中子2−5と小さい中子2−6および2−7が並べて配置されている。また図3では大きい中子2−8とそれに直交する位置に小さい中子2−9および2−10が配置されている。例えば大きい中子はご飯用の飯椀とし、小さい中子を主菜および/または副菜用の皿として使用することができる。
【0025】
本発明で使用される外箱または中子の少なくとも一つには、電磁加熱器で加熱するために、電磁誘導加熱により発熱する、すなわち高周波の磁束により発生する渦電流が流れることにより発熱する、発熱体を形成させる。発熱体としては、鉄などの磁性体、銀、アルミニウムなどの導電体、あるいはこれらの混合物を使用できる。発熱体の形状は特に限定されないが、板状、箔状、網状などを好ましい形状として挙げることができる。
【0026】
発熱体は通常容器の底面部もしくは側面部に形成される。発熱体は容器内部に埋め込んでもいいし、容器の外側または内側表面に貼りつけてもよい。中でも容器の底面部に発熱体を形成させることが好ましい。
【0027】
発熱体が埋め込まれている合成樹脂製容器は、容器の成形時に発熱体を埋め込めるように成形することによって得ることができる。発熱体を埋め込む方法の一例として、特開平9−174557号および特開平9−201847号を挙げることができる。また、容器を成形後に形成された凹部に発熱体を挿入し、樹脂で被覆することによって発熱体を埋め込む方法を採用してもよい。
【0028】
容器表面に発熱体を貼りつける方法としては、接着、融着など公知の方法を適宜選択することができる。
中子が陶磁器製であるときは、発熱体は中子の表面に、好ましくは底面に貼りつけることが好ましい。
【0029】
図4は外箱に蓋体が被せられている状態を示す断面図であるが、図4は外箱の底面に発熱体4が埋め込まれている態様を示している。外箱に発熱体が形成されている場合には、外箱に中子を収容した状態で電磁加熱器にかけると、外箱全体が加熱されるので中子に発熱体を形成させる必要はない。
【0030】
その場合、加熱用を要しない調理済食品を収納する中子は、加熱時に外箱から取り出しておく。たとえば、図5は、底面に発熱体4を形成させた外箱1に中子2−8および2−10が収容されている。これは図3に示した構成の中子2−8〜2−10において中子2−9に再加熱を要しない食品が収納されているので、電磁加熱するに際して、中子2−9を外箱1から取り出している状態を示している。加熱操作が終了後中子2−9を外箱1に戻すと、中子2−8および2−10には加熱された食品が、また中子2−9には加熱されていない食品が収納されて配置されることになる。
【0031】
図6は、中子2の底面に発熱体4が埋め込まれている状態を表す断面図である。発熱体が形成されている中子を単独で、または外箱に収容した状態で電磁加熱器にかけると、当該中子に収納されている調理済食品が加熱される。したがって、再加熱を要する食品は発熱体が形成されている中子に、再加熱を要しない食品は発熱体が形成されていない中子に収納して、これら中子を外箱に収容しておけば、その状態で電磁加熱器にかけることにより再加熱を要する食品のみを加熱することができる。この場合、外箱には発熱体を形成させないことが好ましい。
【0032】
図7では、外箱1に中子2−11〜2−13が収容されている。中子2−11および2−13の底面にそれぞれ発熱体4が形成されているので、外箱ごと電磁加熱器にかけることにより中子2−11および2−13に収納された食品が再加熱されるが、中子2−12に収納された食品は再加熱されない。なお、中子2−11の底面に形成された発熱体は、中子2−11の底面下側に貼りつけられている。発熱体を中子表面に貼りつけて形成する態様を示す例である。
【0033】
図8では、外箱1に中子2−14および2−15が収容されているが、中子2−15には糸尻が設けられている。このような中子については、中子に発熱体を形成させることが有効である。図8では中子2−14および2−15の双方の底面で発熱体4が形成されている。
【0034】
発熱体が形成されている中子と、発熱体が形成されていない中子を見分けるために、中子に標識となる目印を成形時に表示させたり、ラベルを貼って表示する方法をとることができる。また中子を異なった色に着色しておく方法は、発熱体の有無を見分け易くするので、好ましい方法である。
【0035】
本発明の合成樹脂製容器は、電磁波加熱装置による加熱工程や、使用後の洗浄工程および消毒保管工程での加熱に耐えるように、100℃で変形しない樹脂を使用することが好ましい。樹脂としては通常容器の成形に使用される樹脂を用いることができるが、なかでも耐熱性の高い樹脂や、耐熱処方が施されたグレードが好ましく使用される。また、耐熱高分子材料として市販されている合成樹脂も使用可能である。使用できる耐熱性樹脂としては、ABS樹脂、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン重合体、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリルフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、メラミンなどが挙げられるが、これらの中でもポリエーテルイミド、ポリアリルフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイドが好ましい。これらは単独でも、これら樹脂同士のまたはこれらとポリエチレンなど他の樹脂との混合物であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、調理済食品搬送用に適し、かつ調理済食品に応じて再加熱するのに適し、弁当箱として好適な容器が提供される。
本発明の容器を用いると、再加熱を要する調理済食品を選択的にかつ容易に再加熱することができるので、調理済食品を衛生的に保存および搬送することができ、また喫食時には好適な温度で美味しく食べることができると同時に、喫食時の衛生管理も可能となる。
本発明により、配送された調理済食品を簡便にかつ好適に再加熱する方法が提供される。
【0037】
本発明により、調理済食品を冷蔵、チルドもしくは冷凍状態で搬送できるので、搬送時の衛生性を確保できる。また喫食時には食材の心温がHACCPの基準に適合するように再加熱時間を制御することによって、衛生性の確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を説明する概略図である。
【図2】本発明の容器において外箱に中子が収容されている例を示す平面図である。
【図3】本発明の容器において外箱に中子が収容されている他の例を示す平面図である。
【図4】外箱の底面に発熱体が埋め込まれている態様を示す断面図である。
【図5】発熱体が埋め込まれた外箱に中子を収容して加熱する態様を示す平面図と断面図である。
【図6】中子の底面に発熱体が埋め込まれている態様を示す断面図である。
【図7】発熱体が埋め込まれた中子を外箱に収容した態様を示す平面図と断面図である。
【図8】発熱体が埋め込まれた糸尻を設けた中子を外箱に収容した態様を示す平面図と断面図である。
【符号の説明】
1. 外箱
2. 中子
2−1〜2−15. 中子
3. 蓋体
4. 発熱体
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており電磁加熱可能な容器およびそれを用いた調理済食品の再加熱方法に関する。さらに詳しくは合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器およびそれを用いた調理済食品の再加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年調理済食品を配送する機会が増加している。配送する機会としては、年配者介護、病院食配膳、食事の宅配その他が挙げられる。社会環境および生活環境の変化に加えて、調理後の保存および搬送、並びに使用時の加熱などの技術発達につれて、調理済食品を搬送の要請が増大してきた。
【0003】
わが国では、古くから調理済食品の運搬用に弁当箱とよばれる軽便な容器が存在し、使用態様に合せて種々の工夫がなされてきた。
【0004】
従来の弁当は、通常調理済食品が冷めた状態で提供されてきた。温かい状態で食べられるようにとの配慮から加熱された調理済食品を冷めないうちに提供したり、保温容器に収納して提供するサービスも行われているが、その場合には厳しい衛生上の管理が要求される上に、喫食時には冷えていたり、生ぬるくなっていて美味しく喫食できないなどの問題があった。
【0005】
これらの問題を解決する方法として調理済食品を冷蔵、チルド又は冷凍状態で配送し、喫食時に再加熱する方法があるが、その場合調理済食品を保存管理し、使用時に再加熱する必要がある。出願人はこのような調理済食品搬送用に適した合成樹脂製容器を提案した(特開平2000−318778号公報)。
【0006】
配送された調理済食品それぞれには、喫食時の最適温度が存在する。あるものは温かい状態で食し、あるものは冷たい状態で食することが好まれる。そのために、配送された調理済食品は適当な方法で再加熱される。
【0007】
学校、病院、企業内食堂などで大量に食品を配膳する際に、冷蔵食品を入れた食器を配置した多数のトレイを一度に加熱して食事に供するいわゆるクックチルシステムが提案されている(特開平9−148060号公報)。
【0008】
しかしながら、個々に配送された調理済食品を、食品毎に必要に応じて加熱するのに適した弁当箱は提案されていない。本発明者はこれらの目的に適した弁当箱として好適な容器の開発に鋭意努力した結果本発明に到達したものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−148060号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、調理済食品搬送用に適し、かつ調理済食品に応じて再加熱するのに適した容器を提供することにある。
本発明の他の目的は、再加熱を必要とする調理済食品を選択的に、簡便に再加熱する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器を提供する。
【0012】
前記発熱体が、外箱に形成されている前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0013】
前記発熱体が、中子の少なくとも一つに形成されている前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0014】
前記容器が、外箱に被せることができる蓋体を有している前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0015】
本発明はまた、少なくとも合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている容器を用い、中子に調理済食品を収納して電磁加熱によって再加熱する調理済食品の再加熱方法を提供する。
【0016】
前記外箱に、少なくとも一つの発熱体が形成されている中子と、少なくとも一つの発熱体が形成されていない中子が収容されており、中子に調理済食品が収納されている状態で電磁加熱によって再加熱して、調理済食品を選択的に再加熱する方法は、前記調理済食品の再加熱方法の好ましい態様である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、合成樹脂製の外箱と、これに収容可能な1または2以上の中子から構成される容器であって、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器を提供するものである。
【0018】
本発明の容器は、調理済食品を収納して配送する弁当箱として好適なものである。容器が、外箱に被せることができる蓋体を有している前記の容器は、本発明の好ましい態様である。
【0019】
本発明の容器において、外箱とは上方に開口した主容器をいう。外箱の横断面形状には特に制限が無く、四角形、円形、多角形などの形状をとりうる。通常横断面が略矩形である外箱が好ましい。
外箱にはそれに被せられる下方に開口した蓋体を用いることが好ましい。
【0020】
本発明の中子とは、外箱の内部に収容されて使用される上方開口の中容器である。本発明の中子の材質は、合成樹脂製であってもよいし、陶磁器であってもよい。中子が合成樹脂製のとき、その合成樹脂は外箱と同じであってもいいし、異なっていてもよい。中でも、合成樹脂製中子がより好ましく使用される。
【0021】
図1を例として本発明の容器を説明すると、外箱1の中に中子2−1〜2−4が収容されており、蓋体3は外箱に被せることができる。
【0022】
本発明の容器に収納される調理済食品が、食事用に供される場合、内容物は、ご飯、主菜および副菜などがあり、通常主菜および副菜は、それぞれ複数種調理されている。そのためそれぞれの種類に応じた容器が必要である。さらに、料理の種類によって再加熱が必要なものと、再加熱しないで供されるものがある。本発明ではこれらの要請に応えるため、種々の大きさ、形状および深さの中子が選択使用できる。なお、再加熱とは、加熱調理した食品を冷蔵、チルドもしくは冷凍状態で保存した後に加熱することを意味する言葉である。
【0023】
本発明の、中子はご飯、主菜および副菜などそれぞれの種類に応じて、選択使用できるが、主容器に種々の中子を収容した本発明の実施態様の例を図2および図3に示した。
【0024】
図2では、大きい中子2−5と小さい中子2−6および2−7が並べて配置されている。また図3では大きい中子2−8とそれに直交する位置に小さい中子2−9および2−10が配置されている。例えば大きい中子はご飯用の飯椀とし、小さい中子を主菜および/または副菜用の皿として使用することができる。
【0025】
本発明で使用される外箱または中子の少なくとも一つには、電磁加熱器で加熱するために、電磁誘導加熱により発熱する、すなわち高周波の磁束により発生する渦電流が流れることにより発熱する、発熱体を形成させる。発熱体としては、鉄などの磁性体、銀、アルミニウムなどの導電体、あるいはこれらの混合物を使用できる。発熱体の形状は特に限定されないが、板状、箔状、網状などを好ましい形状として挙げることができる。
【0026】
発熱体は通常容器の底面部もしくは側面部に形成される。発熱体は容器内部に埋め込んでもいいし、容器の外側または内側表面に貼りつけてもよい。中でも容器の底面部に発熱体を形成させることが好ましい。
【0027】
発熱体が埋め込まれている合成樹脂製容器は、容器の成形時に発熱体を埋め込めるように成形することによって得ることができる。発熱体を埋め込む方法の一例として、特開平9−174557号および特開平9−201847号を挙げることができる。また、容器を成形後に形成された凹部に発熱体を挿入し、樹脂で被覆することによって発熱体を埋め込む方法を採用してもよい。
【0028】
容器表面に発熱体を貼りつける方法としては、接着、融着など公知の方法を適宜選択することができる。
中子が陶磁器製であるときは、発熱体は中子の表面に、好ましくは底面に貼りつけることが好ましい。
【0029】
図4は外箱に蓋体が被せられている状態を示す断面図であるが、図4は外箱の底面に発熱体4が埋め込まれている態様を示している。外箱に発熱体が形成されている場合には、外箱に中子を収容した状態で電磁加熱器にかけると、外箱全体が加熱されるので中子に発熱体を形成させる必要はない。
【0030】
その場合、加熱用を要しない調理済食品を収納する中子は、加熱時に外箱から取り出しておく。たとえば、図5は、底面に発熱体4を形成させた外箱1に中子2−8および2−10が収容されている。これは図3に示した構成の中子2−8〜2−10において中子2−9に再加熱を要しない食品が収納されているので、電磁加熱するに際して、中子2−9を外箱1から取り出している状態を示している。加熱操作が終了後中子2−9を外箱1に戻すと、中子2−8および2−10には加熱された食品が、また中子2−9には加熱されていない食品が収納されて配置されることになる。
【0031】
図6は、中子2の底面に発熱体4が埋め込まれている状態を表す断面図である。発熱体が形成されている中子を単独で、または外箱に収容した状態で電磁加熱器にかけると、当該中子に収納されている調理済食品が加熱される。したがって、再加熱を要する食品は発熱体が形成されている中子に、再加熱を要しない食品は発熱体が形成されていない中子に収納して、これら中子を外箱に収容しておけば、その状態で電磁加熱器にかけることにより再加熱を要する食品のみを加熱することができる。この場合、外箱には発熱体を形成させないことが好ましい。
【0032】
図7では、外箱1に中子2−11〜2−13が収容されている。中子2−11および2−13の底面にそれぞれ発熱体4が形成されているので、外箱ごと電磁加熱器にかけることにより中子2−11および2−13に収納された食品が再加熱されるが、中子2−12に収納された食品は再加熱されない。なお、中子2−11の底面に形成された発熱体は、中子2−11の底面下側に貼りつけられている。発熱体を中子表面に貼りつけて形成する態様を示す例である。
【0033】
図8では、外箱1に中子2−14および2−15が収容されているが、中子2−15には糸尻が設けられている。このような中子については、中子に発熱体を形成させることが有効である。図8では中子2−14および2−15の双方の底面で発熱体4が形成されている。
【0034】
発熱体が形成されている中子と、発熱体が形成されていない中子を見分けるために、中子に標識となる目印を成形時に表示させたり、ラベルを貼って表示する方法をとることができる。また中子を異なった色に着色しておく方法は、発熱体の有無を見分け易くするので、好ましい方法である。
【0035】
本発明の合成樹脂製容器は、電磁波加熱装置による加熱工程や、使用後の洗浄工程および消毒保管工程での加熱に耐えるように、100℃で変形しない樹脂を使用することが好ましい。樹脂としては通常容器の成形に使用される樹脂を用いることができるが、なかでも耐熱性の高い樹脂や、耐熱処方が施されたグレードが好ましく使用される。また、耐熱高分子材料として市販されている合成樹脂も使用可能である。使用できる耐熱性樹脂としては、ABS樹脂、ポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテン重合体、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリアリルフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、芳香族ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、メラミンなどが挙げられるが、これらの中でもポリエーテルイミド、ポリアリルフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイドが好ましい。これらは単独でも、これら樹脂同士のまたはこれらとポリエチレンなど他の樹脂との混合物であってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明により、調理済食品搬送用に適し、かつ調理済食品に応じて再加熱するのに適し、弁当箱として好適な容器が提供される。
本発明の容器を用いると、再加熱を要する調理済食品を選択的にかつ容易に再加熱することができるので、調理済食品を衛生的に保存および搬送することができ、また喫食時には好適な温度で美味しく食べることができると同時に、喫食時の衛生管理も可能となる。
本発明により、配送された調理済食品を簡便にかつ好適に再加熱する方法が提供される。
【0037】
本発明により、調理済食品を冷蔵、チルドもしくは冷凍状態で搬送できるので、搬送時の衛生性を確保できる。また喫食時には食材の心温がHACCPの基準に適合するように再加熱時間を制御することによって、衛生性の確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を説明する概略図である。
【図2】本発明の容器において外箱に中子が収容されている例を示す平面図である。
【図3】本発明の容器において外箱に中子が収容されている他の例を示す平面図である。
【図4】外箱の底面に発熱体が埋め込まれている態様を示す断面図である。
【図5】発熱体が埋め込まれた外箱に中子を収容して加熱する態様を示す平面図と断面図である。
【図6】中子の底面に発熱体が埋め込まれている態様を示す断面図である。
【図7】発熱体が埋め込まれた中子を外箱に収容した態様を示す平面図と断面図である。
【図8】発熱体が埋め込まれた糸尻を設けた中子を外箱に収容した態様を示す平面図と断面図である。
【符号の説明】
1. 外箱
2. 中子
2−1〜2−15. 中子
3. 蓋体
4. 発熱体
Claims (6)
- 合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている電磁加熱可能な容器。
- 前記発熱体が、外箱に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 前記発熱体が、中子の少なくとも一つに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- 前記容器が、外箱に被せることができる蓋体を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器。
- 少なくとも合成樹脂製の外箱、およびそれに収容可能な1または2以上の中子から構成されており、外箱および中子の少なくとも一つに発熱体が形成されている容器を用い、中子に調理済食品を収納して電磁加熱によって再加熱する調理済食品の再加熱方法。
- 前記外箱に、少なくとも一つの発熱体が形成されている中子と、少なくとも一つの発熱体が形成されていない中子が収容されており、中子に調理済食品が収納されている状態で電磁加熱によって加熱する請求項5に記載の調理済食品の再加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086458A JP2004290398A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 電磁加熱可能な調理済食品用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003086458A JP2004290398A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 電磁加熱可能な調理済食品用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004290398A true JP2004290398A (ja) | 2004-10-21 |
Family
ID=33401113
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003086458A Pending JP2004290398A (ja) | 2003-03-26 | 2003-03-26 | 電磁加熱可能な調理済食品用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004290398A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006129823A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Miura Co Ltd | 弁当用米飯の冷却方法とそれに用いられる真空冷却機 |
JP2015217011A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 信濃化学工業株式会社 | 食器類の製造方法 |
KR20190002503U (ko) * | 2019-09-30 | 2019-10-08 | 김수길 | 도시락 용기 |
JP2022507319A (ja) * | 2019-06-03 | 2022-01-18 | コバックス カンパニー リミテッド | 電磁調理器に使用可能な弁当容器 |
KR20230106364A (ko) * | 2022-01-06 | 2023-07-13 | 김종석 | 보온기능을 가지는 흡착식 식판 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS502665U (ja) * | 1973-05-02 | 1975-01-11 | ||
JPH09132279A (ja) * | 1995-11-02 | 1997-05-20 | C I Kasei Co Ltd | 電磁遮蔽容器、電磁遮蔽シート、電磁遮蔽袋、並びに弁当 |
JPH1014760A (ja) * | 1996-06-28 | 1998-01-20 | Kasen Sangyo Kk | 加熱用合成樹脂製容器 |
JP2000318778A (ja) * | 1999-03-05 | 2000-11-21 | Sanshin Kako Kk | 合成樹脂製蓋付容器 |
JP2001204627A (ja) * | 2000-12-15 | 2001-07-31 | Topre Corp | 食品加熱用食器 |
JP3090691U (ja) * | 2002-06-13 | 2002-12-20 | 株式会社丸善化工 | カップ |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003086458A patent/JP2004290398A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS502665U (ja) * | 1973-05-02 | 1975-01-11 | ||
JPH09132279A (ja) * | 1995-11-02 | 1997-05-20 | C I Kasei Co Ltd | 電磁遮蔽容器、電磁遮蔽シート、電磁遮蔽袋、並びに弁当 |
JPH1014760A (ja) * | 1996-06-28 | 1998-01-20 | Kasen Sangyo Kk | 加熱用合成樹脂製容器 |
JP2000318778A (ja) * | 1999-03-05 | 2000-11-21 | Sanshin Kako Kk | 合成樹脂製蓋付容器 |
JP2001204627A (ja) * | 2000-12-15 | 2001-07-31 | Topre Corp | 食品加熱用食器 |
JP3090691U (ja) * | 2002-06-13 | 2002-12-20 | 株式会社丸善化工 | カップ |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006129823A (ja) * | 2004-11-09 | 2006-05-25 | Miura Co Ltd | 弁当用米飯の冷却方法とそれに用いられる真空冷却機 |
JP2015217011A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | 信濃化学工業株式会社 | 食器類の製造方法 |
JP2022507319A (ja) * | 2019-06-03 | 2022-01-18 | コバックス カンパニー リミテッド | 電磁調理器に使用可能な弁当容器 |
KR20190002503U (ko) * | 2019-09-30 | 2019-10-08 | 김수길 | 도시락 용기 |
KR200490931Y1 (ko) | 2019-09-30 | 2020-01-23 | 김수길 | 도시락 용기 |
KR20230106364A (ko) * | 2022-01-06 | 2023-07-13 | 김종석 | 보온기능을 가지는 흡착식 식판 |
KR102646745B1 (ko) * | 2022-01-06 | 2024-03-13 | 김종석 | 보온기능을 가지는 흡착식 식판 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4182405A (en) | Food holder temperature maintenance system | |
US4776386A (en) | Apparatus for cooling, storing and reheating food using induction heating | |
US4328254A (en) | Purveying cooked food | |
JP4006181B2 (ja) | 調理済みの食品を加熱するための方法および装置 | |
ES2307193T3 (es) | Dispositivo para el mantenimiento de la temperatura de alimentos y bebidas. | |
TW200306274A (en) | Industrial catering method for providing products to be reheated including stackable trays which can be nested inside each other after use | |
US6097014A (en) | Apparatus and process for delivery of prepared foods | |
JPH08261641A (ja) | 調理済み料理を温め直す方法、そのために使用する冷蔵運搬カート及びトレー | |
JP2011078537A (ja) | 配膳車及び配膳トレイ | |
JP5992669B2 (ja) | 料理の配膳方法 | |
JP2004290398A (ja) | 電磁加熱可能な調理済食品用容器 | |
US4932527A (en) | Package for storing and heating liquids | |
JP4056127B2 (ja) | 給食の加熱配膳方法 | |
EP0487577A1 (en) | Food rethermalizing and satelliting tray | |
CN106723823A (zh) | 一种自动加热饭盒 | |
ES2263581T3 (es) | Proceso y aparato para la preparacion de comidas. | |
JP2001033152A (ja) | 給食システム | |
US20230354872A1 (en) | Cavity creation for uniformly heating pre-cooked and pre-processed food | |
JP2000229040A (ja) | 給食用配膳車 | |
JP2002313549A (ja) | 電磁調理方法とその装置とこれに使用する容器 | |
CN216486616U (zh) | 智慧自助餐饮系统 | |
JP2002130931A (ja) | 食品冷蔵加熱システム | |
US20230415954A1 (en) | Food packaging | |
RU63194U1 (ru) | Система приготовления и доставки комплекса готовых блюд для детей в общеобразовательных заведениях | |
RU2159731C1 (ru) | Комплект блюд быстрого приготовления |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060112 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090507 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090703 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090826 |