JP2004289803A - 対話システム、対話制御方法および対話制御プログラム - Google Patents

対話システム、対話制御方法および対話制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 事前登録の有無や端末の種類等による制限を課すことなく、複数の端末による対話処理への参加を可能とし、また、対話処理が途中で切断された場合であっても、その切断時の状態から対話処理を再開可能とする。
【解決手段】 対話処理を識別するためのContextIDと、対話処理の進度を表すStateIDとをContextIDデータベース6に格納するとともに端末に送信しておく。そして、他の端末から同一のContextIDを受信した場合には、当該他の端末を進行中の対話処理に途中参加させる。また、StateIDを参照して、中断前の時点から対話処理を再開するようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、携帯電話やPC等の端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行する対話システムに関する。
従来、この種の対話システムとしては、電話自動応答システムなどが知られている。従来の電話自動応答システムにおいては、利用者と電話自動応答システムの間で、一方が発呼となり、他方が着呼となることで呼が確立する。そして、呼が確立した状態で両者の間で対話が行われる。この対話処理は利用者の目的を達成するために、発呼と着呼の間で実行される一連の情報交換で構成される。たとえば、列車のチケットを予約することが目的の対話では、予約すべき列車の発駅、着駅、乗車日時、予約枚数、座席種別、利用者の属性情報(氏名、利用者番号)などの一連の情報交換が行われる。
また、近年では、電話自動応答システムとパケット通信を行うWebサーバとを組み合わせることで、音声対話とデータ通信を併用して対話処理を行うシステムが提案されている(たとえば、特許文献1,2)。
特開2001−268241号公報 特開2002−183160号公報
しかしながら、特許文献1記載のシステムでは、無線携帯端末のIPアドレスと電話番号の対応テーブルをシステム側に備えておく必要がある。このため、登録利用者、すなわち、事前に対応テーブルに登録された端末でしか当該システムを利用することができないという制約が生じる。また、このシステムでは、対話処理に参加する端末が音声端末とデータ端末の2つに限定されてしまい、端末の種類・組み合わせ・台数などの制約もある。このような制約は、対話システムの普及および利用者の拡大を図る上での大きな障害となり、好ましくない。
また一般に、携帯電話のIPアドレスは、携帯電話のキャリアによって動的に割り当てられるので、そもそもセンター側であらかじめ対応テーブルを備えておくこと自体現実的ではないといえる。
他方、特許文献2記載のシステムでは、携帯電話とシステムの間の通信において、音声通話とデータ通信で異なるネットワークを経由しているにもかかわらず、両者を対応付けする手段を持たない。したがって、同文献で開示された構成では、音声通話で要求された情報をデータ通信で返信すべき先を特定することができず、現実に実施することができない。
また、従来システムでは以下に述べるような問題もある。
すなわち、従来の対話システムにおいては、対話処理の途中で呼が切断されると、未完了の対話処理は破棄されるのが通常である。したがって、意に反して呼が切断されてしまった場合には、利用者は再度電話をかけ直すなどして、対話処理を最初からやり直さねばならなかった。このため、最初から対話をやり直すことにより通話料と時間を余計に費やさなければならないという問題があった。
携帯電話に代表されるモバイル端末では、電波状態の影響などで対話の途中に呼が切断
されるケースが多く、また、固定電話や固定端末に比して通信コストも高いので、上記問題は特に深刻なものとなる。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、事前登録の有無や端末の種類等による制限を課すことなく、複数の端末による対話処理への参加を可能とする技術を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、対話処理が途中で切断された場合であっても、その切断時の状態から対話処理を再開可能とする技術を提供することにある。
本発明は対話システム、対話制御方法および対話制御プログラムに係るものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
上記目的を達成するために本発明にあっては、端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムにより以下のごとく対話制御を行う。
対話制御手段は、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するものである。対話制御手段は、端末から情報を受信すると、その情報に応じて適切な応答情報を自動的に生成し、または、選び出し、端末に対して返信を行う。この情報交換を繰り返すことによって、端末と対話システムとの間の対話処理が進行する。
対話制御手段は、ある端末との間で新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともにこの識別情報を端末に送信しておく。このように、対話処理ごとに識別情報が付与されるため、同時に複数の対話処理が実行されている場合であっても、識別情報に基づいて一の対話処理を特定することができる。
そして、対話制御手段は、対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその識別情報に係る対話処理に参加することを許可する。
このような対話制御によれば、端末側から対話システム側に識別情報を送るだけで、希望する対話処理に途中参加できるようになる。従来システムでは、対応テーブルにてまず端末同士を直接対応付けし、その上で両端末に対して一の対話処理を実行していたのに対し、本発明では、端末側から送られてきた識別情報に基づいて参加させる対話処理を決定することにより、結果的に複数の端末が一つの対話処理内で関連付けされるという構成をとる。したがって、事前登録の有無や端末の種類・台数等の制限を受けることなく、複数の端末による対話処理への参加が可能となる。
また、次のように対話制御を行うことも好ましい。
すなわちまず、対話制御手段が、ある端末との間で新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納する一方、対話処理の進行中には、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて記憶手段に格納する。識別情報に加えて進度情報を付与することによって、どの対話処理がどの進度まで進行しているか管理することができる。
そして、対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその対話処理にその進度から参加することを許可するのである。
このような対話制御によれば、対話処理が途中で切断された場合であっても、端末側か
ら対話システム側に識別情報を送るだけで、その切断時の状態から対話処理を再開することができるので、対話を最初からやり直すという手間を省くことができる。
また、端末から受信した識別情報が同一か否かに基づき、中断した対話処理に継続参加させるか否かを決定するので、中断前の端末と中断後の端末とは同一端末である必要がない。
利用者が使用する端末には大きく分けて音声端末とデータ端末とがあるが、本発明は端末の種類を問わず対話処理の対象とすることができる。音声端末のみを対象とする場合には、上記通信手段としては、回線交換網を通じて音声端末との間で音声通信を行う音声通信手段を用いるとよい。一方、データ端末のみを対象とする場合には、通信手段としては、データ交換網を通じてデータ端末との間でデータ通信を行うデータ通信手段を用いるとよい。
また、通信手段として音声通信手段とデータ通信手段の両方を設ければ、音声端末とデータ端末のいずれにも対話処理サービスを提供できる。係る場合には、音声端末とデータ端末という種類の異なる複数の端末から1つの対話処理に参加したり、送受信する情報の種類に応じて音声端末とデータ端末を切り替えたりすることができるようになり、システムの利用効率や利便性が増す。
対話処理に付与する識別情報としては、種々のものを採用可能である。すなわち、少なくとも一の対話処理を他の対話処理から識別できさえすればよく、識別情報の具体的なフォーマットや生成方法等は、システム構成や運用事情等に応じて適宜選択すればよい。
たとえば、対話制御手段が、新規に開始する対話処理に対して、既に進行中の他の対話処理の識別情報と重複しないように識別情報を発行することもできる。
また、対話制御手段が、新規に対話処理を開始する端末に固有の情報を識別情報として用いることも好適である。固有の情報としては、端末の電話番号やIPアドレスなどが考えられる。端末に固有の情報を識別情報として用いる構成にすれば、対話システムは端末から自動的に識別情報を取得することができるようになる。よって、利用者が自ら識別情報を入力する必要がなくなり、入力負荷の軽減や操作性の向上を図ることができる。たとえば、対話処理の中断後、再度同じ端末でアクセスすれば、自動的に中断前の対話処理へと参加させることも可能となる。
また、対話制御手段が、新規に対話処理を開始する端末の位置情報を識別情報として用いることも好適である。位置情報としては、端末が接続している基地局やルータなどの情報、あるいは、端末が存在する緯度経度情報などが考えられる。このような位置情報を識別情報として用いる構成にしても、対話システムは端末から自動的に識別情報を取得することができるようになり、端末に固有の情報を識別情報として用いた場合と同様の利点がある。
対話制御手段が、識別情報に所定の有効期間を設定し、対話処理の中断時間がその有効期間を超えた場合に識別情報を記憶手段から削除することも好ましい。
このようにして再開される可能性の低い対話処理の整理を図るのである。
同時実行中の対話処理については識別情報が重複してはならない。それゆえ、対話処理に付与する識別情報が枯渇しないように、システム規模等に応じて識別情報のデータサイズを十分に確保することが好ましい。つまり、識別情報が数字や文字の組み合わせの場合には、その桁数(文字数)を十分に大きくとるほうが好ましい。しかしその一方で、識別
情報の桁数が増えると、利用者がその識別情報を記憶することが困難になるとともに、端末への入力操作が面倒になるという弊害を招く。そこで、上述したように、有効期限経過後の識別情報を順次削除していくようにすれば、識別情報のデータサイズを小さくしても識別情報の重複や枯渇という問題を回避できるようになるという利点がある。
対話制御手段は、新たに接続した端末に対して、新規の対話処理を開始するか、既に進行中の対話処理に参加するかを選択可能としてもよい。これによりシステムの利便性が向上する。
また、端末に固有の情報を識別情報として用いた場合には、対話制御手段が、新たに接続した端末から当該端末に固有の情報を取得し、その情報が記憶手段に格納されている識別情報と一致した場合には、自動的に当該端末をその識別情報に係る対話処理に参加させるようにしてもよい。これにより、たとえば、対話処理の中断後に同一の端末から処理を再開する場合などにおいて、利用者は特別な入力操作なしに切断前の対話処理を直ちに再開することができるので、システムの利便性が向上する。
なお、本発明は、上記手順を実現する手段の少なくとも一部を有する対話システムとして捉えることができる。また、本発明は、上記手順の少なくとも一部を含む対話制御方法、または、係る方法を実現するための対話制御プログラムとして捉えることもできる。なお、上記手段および手順の各々は可能な限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
たとえば、本発明の一実施態様としての対話システムは、端末との間で通信を行う通信手段と、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行する対話制御手段と、記憶手段と、を有し、対話制御手段は、新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信しておき、対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその識別情報に係る対話処理に参加することを可能とすることが好適である。
また、本発明の一実施態様としての対話システムは、端末との間で通信を行う通信手段と、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行する対話制御手段と、記憶手段と、を有し、対話制御手段は、新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信しておき、対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて記憶手段に格納し、対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその対話処理にその進度から参加することを可能とすることも好適である。
また、本発明の一実施態様としての対話制御方法では、端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムが、新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信しておき、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行し、対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその識別情報に係る対話処理に参加することを可能とすることが好適である。
また、本発明の一実施態様としての対話制御方法では、端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムが、新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信して
おき、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行し、対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて記憶手段に格納し、対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその対話処理にその進度から参加することを可能とすることも好適である。
また、本発明の一実施態様としての対話制御プログラムは、端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムにおいて、新規の対話処理を開始する際に当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信するステップと、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその識別情報に係る対話処理に参加するステップとを実行させることが好ましい。
また、本発明の一実施態様としての対話制御プログラムは、端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムにおいて、新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を記憶手段に格納するとともに前記端末に送信するステップと、端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて記憶手段に格納するステップと、対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末がその対話処理にその進度から参加するステップと、を実行させることも好ましい。
本発明によれば、事前登録の有無や端末の種類等による制限を課すことなく、複数の端末による対話処理への参加を可能とすることができる。
また、対話処理が途中で切断された場合であっても、その切断時の状態から対話処理を再開することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る対話システム1の全体像を示す模式図である。
対話システム1は、主として、対話制御サーバ2、音声対話サーバ3、データ通信サーバ4、対話制御文書データベース5およびContextIDデータベース6を有して構成されるコンピュータシステムである。対話システム1は、1台のコンピュータで構成することもできるし、複数台のコンピュータを組み合わせて構成することもできる。本実施形態では、処理負荷を分散させるため、それぞれの構成要素を別々のコンピュータで実現している。
対話システム1を構成するコンピュータとしては、基本ハードウエアとしてCPU(中央演算処理装置)、メモリ、ハードディスク、通信アダプタ等を備える汎用のパーソナルコンピュータ、ワークステーションあるいはサーバ装置などを用いることができる。コンピュータのハードディスクには、対話システム1を実現するためのプログラムが記憶されている。システム稼働時には、そのプログラムがCPUに読み込まれ実行されることで、ソウトウエアと各ハードウエア資源とが恊働し、以下に述べる対話システム1の諸機能が発揮される。
音声対話サーバ3は、回線交換網である電話回線網7を通じて利用者の端末9との間で
音声通信を行う通信手段として機能する装置である。また、音声対話サーバ3は、データ交換網であるインターネット8を通じてVoIP(Voice over Internet Protocol)による音声通信を行う機能も有している。
一方、データ通信サーバ4は、インターネット8を通じて利用者の端末9との間でデータ通信を行う通信手段として機能する装置である。
そして、対話制御サーバ2は、音声対話サーバ3およびデータ通信サーバ4と相互に接続されており、電話回線網7またはインターネット8を通じて受信した端末9からの情報に応答して、一連の対話処理を実行する対話制御手段として機能する装置である。対話制御サーバ2は、対話制御文書データベース5およびContextIDデータベース6と連携して、対話処理を実行する。
対話制御文書データベース5は、対話制御文書を記憶し管理するための記憶手段であり、対話制御サーバ2からの要求に応じて対応する対話制御文書を引き渡す機能を有している。対話制御文書としては、たとえば、VoiceXML(Voice eXtensible Markup Language),SALT(Speech Application Language Tags),XHTML(The Extensible HyperTextMarkup Language)などのマークアップ言語で記述された文書などを用いる
ことができる。
ContextIDデータベース6は、ContextIDとStateIDを対応付けて記憶し管理するための記憶手段である。ContextIDは、対話処理を識別するために対話処理ごとに割り当てられる識別情報であり、StateIDは、対話処理の進度を表す進度情報である。対話システム1は、ContextIDとStateIDを用いて、実行中の対話処理、その対話処理の進度、および、対話処理に参加する端末9などの管理を行っている。
利用者の端末9としては、電話回線網7またはインターネット8に接続可能な種々の端末が利用可能である。図1では、電話回線網7に接続可能な音声端末の一例として固定電話9aおよび携帯電話9bが、インターネット8に接続可能なデータ端末の一例として携帯電話9b、PC(パーソナルコンピュータ)9cおよびPDA(情報携帯端末)9dが、さらにインターネット8に接続可能な音声端末の一例としてVoIP端末9eが示されている。
このように、本実施形態の対話システム1は、音声対話サーバ3とデータ通信サーバ4とを備えており、音声端末とデータ端末のいずれにも対話処理サービスを提供可能である。利用者は、種類の異なる複数の端末から1つの対話処理に参加したり、対話システム1との間で送受信する情報の種類に応じて端末を切り替えたりすることができる。なお、インターネット接続機能を有する携帯電話9bは物理的には1つの端末であるが、対話システム1からは論理的に音声端末とデータ端末の2つの端末として認識されることとなる。
図1では、データ交換網としてインターネット8を例示したが、データ交換網としてはインターネット以外の広域ネットワーク、LAN(Local Area Network)、携帯電話パケット網なども該当する。
次に、図2を参照して、対話システム1の機能構成について詳しく説明する。
図2は、対話システム1の機能構成を示すブロック図である。同図において、対話制御部20は対話制御サーバ2により実現され、音声対話・回線制御部30は音声対話サーバ3により実現され、データ通信部40はデータ通信サーバ4により実現される。
音声対話・回線制御部30は、主として回線制御と音声対話制御を行う手段であって、電話回線またはデータ通信回線を通じて音声端末との間で音声情報の送受信を行うものである。
音声対話・回線制御部30は、回線制御に係る機能として、回線制御部とIP(Internet Protocol)通信制御部とを有している。回線制御部は、音声対話サーバ3に接続され
た複数の電話回線の回線交換を行う部分である。また、IP通信制御部は、データ通信回線を通じてVoIPによる音声情報の送受信を行う部分である。対話制御部20では、端末との間で張られたセッションに対しContextIDを対応付けて管理している。具体的には、端末から最初の通信があった段階でContextIDを生成し、ContextIDデータベース6に格納するとともに、このContextIDを端末に通知しておく。なお、端末が設置型電話器や携帯電話である場合でこれらの電話番号をContextIDとして用いる場合には、利用者は自身が保持する端末の電話番号を知っている場合がほとんどであるから端末へのContextIDの通知は省略することもできる。また、省略せずに音声対話・回線制御部30を介して設置型電話器や携帯電話に対して音声情報でContextIDを通知してもよい。
なお、セッションとは、端末との間の接続の単位をさす。電話回線は回線交換網ゆえ、接続が確立されてから接続が切断されるまでが一セッションとなる。データ通信回線はパケット交換網ゆえ、接続が確立されてから接続が切断されるまでは一コネクション(TCP(Transmission Control Protocol)における単一の通信単位)となり、複数のコネク
ションにまたがって単一の端末を識別可能な接続の単位が一セッションとなる。本実施形態では、前記端末から送信されたContextIDによって対話処理を認識することで、端末の種類やセッションを越えて対話処理を維持することができる。
音声対話・回線制御部30は、音声対話に係る機能として、IVR(Interactive Voice Response)部を有する。IVR部は、利用者の端末との間で音声による自動応答処理を実行するものであり、音声認識部、DTMF(Dual Tone Multi Frequency)認識部、音
声合成部、録音ファイル再生部、音声対話制御文書解釈・実行部などから構成される。
音声対話・回線制御部30は、利用者の端末から音声情報を受信すると、音声認識部によって音声認識処理を施し、テキスト入力情報に変換する。また、DTML(いわゆるプッシュ音)を受信した場合には、DTMF認識部によってDTMFをテキスト入力情報に変換する。そして、変換したテキスト入力情報をContextIDとともに対話制御部20に送信する。
一方、音声対話・回線制御部30は、対話制御部20からテキスト出力情報と ContextIDを受信すると、次の処理を行う。テキスト出力情報には、音声対話制御文書やテキストデータや録音ファイルのURI(Uniform Resource Identifiers)などが含まれる。そこで、音声対話・回線制御部30は、音声合成部によってテキストデータから音声を合成し、録音ファイル再生部によって録音ファイルを取得・再生し、または、音声対話制御文書解釈・実行部によって音声対話制御文書を実行することにより、応答用の音声情報を生成する。そして、音声対話・回線制御部30はContextIDに基づいて音声情報を送信すべき端末を特定し、その端末に対して音声情報を送信する。
なお、音声認識で使用するデータ(たとえば、文法、辞書など)や音声合成で使用するデータ(たとえば、録音ファイル、音素データなど)は、音声対話サーバ3のハードディスクに格納されているデータを用いてもよいし、ネットワークで接続された他の機器から取得してもよい。
他方、データ通信部40は、データ通信網を通じてデータ端末との間でデータの送受信を行う手段である。データ通信部40はWWW(World Wide Web)サーバとして構築されており、データ端末ではWWWクライアントを利用してデータ通信部40と通信を行うことができる。
データ通信部40では、端末とのデータ通信を行う際にContextIDを付加する。つまり、データとContextIDとをセットにして送受信を行うのである。端末からデータを受信した際にはその端末が参加している対話処理を特定することができる。また、前述のように端末に対してContextIDを通知する機能も有している。なお、データ通信部40でも端末との間で張られたセッションに対し利用者の端末から受信したContextIDを対応付けて管理することにより、ContextIDに基づいて通信相手端末を特定することを可能としている。
データ端末とデータ通信部40の間で送受信されるデータには、テキストデータとバイナリデータの両方が含まれる。テキストデータとしては、HTML(HyperText Markup Language)ファイルやXHTMLファイルやプレーンテキストデータなどがあり、バイナ
リデータとしては、文書ファイル、画像ファイル、音声ファイル、動画ファイルなどがある。
データ通信部40は、利用者の端末からデータを受信すると、そのデータをデータ入力情報に変換し、ContextIDとともに対話制御部20に送信する。一方、データ通信部40は、対話制御部20からデータ出力情報とContextIDを受信すると、データ出力情報に基づいて端末に送信するデータを生成するとともに、ContextIDに基づいて送信すべき端末を特定する。そして、その端末に対してContextIDとデータを送信する。
対話制御部20は、音声対話・回線制御部30、データ通信部40、ContextIDデータベース6および対話制御文書データベース5のそれぞれと連携し、対話処理の開始、再開、進行、終了などを統括的に制御・管理する。
図3は、対話制御部20による対話制御処理を示すフローチャートである。
対話制御部20は、音声対話・回線制御部30からテキスト入力情報を受信し、または、データ通信部40からデータ入力情報を受信すると、まず、その端末との接続が新規セッションか否かを判断する(ステップS101)。
新規セッションの場合には、その新たに接続した端末に対して、新規の対話処理を開始するか、既に進行中の対話処理に参加するかを選択させる(ステップS102)。具体的には次のように行う。
当該端末が音声端末の場合には、該当する音声対話制御文書をテキスト出力情報として音声対話・回線制御部30に送る。そして、たとえば、「新規の対話処理を開始する場合には『1』を、既存の対話処理に参加する場合には『2』を押してください。」というような応答メッセージを音声端末に送り、利用者からの入力を促せばよい。一方、当該端末がデータ端末の場合には、該当する対話制御文書をデータ出力情報としてデータ通信部40に送る。そして、たとえば、「新規の対話処理を開始しますか?『はい』『いいえ』」というような選択画面をデータ端末に送り、利用者からの入力を促せばよい。
利用者からの入力は、音声対話・回線制御部30またはデータ通信部40で受信され、テキスト入力情報またはデータ入力情報として対話制御部20に送られる。対話制御部20ではその情報に基づいて、新規の対話処理を開始するか、既存の対話処理に参加させる
か判断する(ステップS103)。
利用者の端末との間で新規の対話処理を開始する際には、対話制御部20は、当該対話処理に対してContextIDを付与し、それをContextIDデータベース6に格納する(ステップS104)。以降は、このContextIDを用いて当該対話処理の管理が行われることとなる。
ここで付与するContextIDとしては、新規の対話処理を既に進行中の他の対話処理から識別できさえすればよく、どのような情報を用いても構わない。たとえば、対話制御部20が、新規に開始する対話処理に対して、既に進行中の他の対話処理のContextIDと重複しないように新たなIDを発行してもよい。本実施形態ではこの方法を採用している。
このようにして付与されたContextIDは、音声対話・回線制御部30またはデータ通信部40を通じて、端末の利用者に通知される(ステップS105)。たとえば、音声端末の場合にはContextIDを合成音声等で読み上げ、データ端末の場合にはContextIDをデータとして渡すか表示画面に表示するなどして通知することができる。通知されたContextIDは、中断した対話処理を再開する場合や他の端末から対話処理に参加する場合などに利用される。
新規ContextIDが通知された後は、対話システム1と端末との間で対話処理が開始される(ステップS109)。
端末を既存の対話処理に参加させる場合には、当該端末に対してContextIDの入力要求を送信する(ステップS106)。この処理も対話制御文書にしたがって実行される。すなわち、音声端末の場合には、「参加を希望する対話処理のContextIDをおっしゃってください。」というような応答メッセージにより、利用者からの入力を促せばよい。また、データ端末の場合には、「参加を希望する対話処理のContextIDを入力してください。」というような入力画面をデータ端末に送り、利用者からの入力を促せばよい。
対話制御部20は、端末からContextIDを受信したら、そのContextIDと同一のIDがContextIDデータベース6に登録されているかどうかを検証する(ステップS107)。
検証に失敗したら(一致するContextIDがなかったら)、該当する対話処理が存在しない旨を端末に通知して処理を終了する(ステップS108)。
検証に成功した場合(一致するContextIDがあった場合)には、当該端末をそのContextIDに係る対話処理に参加させる(ステップS109)。その対話処理に既に参加している他の端末が存在する場合には、新たな端末は追加参加することになる。一つの対話処理に参加可能な端末の数や端末の種類(音声端末かデータ端末か)については、対話システムの規模や提供する対話処理の内容等に応じて適宜設定すればよい。また、対話処理に現在参加している他の端末が存在しない場合(対話処理の途中で通信が切断された場合にはこのような状態となる。)には、新たな端末で対話処理が再開されることになる。
ステップS109では、対話制御部20が、まず、ContextIDデータベース6から該当ContextIDに対応するStateIDを取得する。StateIDは、対話処理の進度を表す情報であり、たとえば、対話制御文書のURIと行番号との組み合
わせからなる情報などが用いられる。対話制御部20は、StateIDに基づき、実行すべき対話制御文書を読み込み、該当行から解釈・実行する。すなわち、対話処理への追加参加または対話処理の再開の場合には、一連の対話処理の途中から処理が実行されることとなる。
通信相手端末が音声端末の場合には、対話制御部20は、対話制御文書に基づき適切な応答情報を自動的に生成し、または、選び出す。応答情報には、音声対話制御文書やテキストデータや録音ファイルのURI(Uniform Resource Identifiers)などが含まれている。応答情報はテキスト出力情報としてContextIDとともに音声対話・回線制御部30に送られる。
一方、通信相手端末がデータ端末の場合には、対話制御部20は、対話制御文書に基づき適切な応答情報を自動的に生成し、または、選び出す。応答情報には上述したようなテキストデータやバイナリデータが含まれている。応答情報はデータ出力情報としてContextIDとともにデータ通信部40に送られる。
なお、実行すべき対話処理の内容に応じて、音声端末だけに応答し、もしくは、データ端末だけに応答し、または、音声端末とデータ端末の両方に応答することもある。たとえば、画像や映像を表示する処理などはデータ端末に対してのみ実行され、音声を再生する処理などは音声端末に対してのみ実行される。
該当StateIDの対話処理が正常に実行されたら、対話制御部20は、ContextIDデータベース6のStateIDを更新し、処理を終了する(ステップS110)。
端末と対話システム1との間の対話処理は、図3の処理を繰り返すことにより進行する。つまり、端末との間のセッションが保持されている間は、端末から情報を受信するごとに、ステップS101,S109,S110の処理が繰り返され、対話処理が進行してくとともに、StateIDが更新されていく。なお、対話処理が完了した場合には、ContextIDとStateIDはContextIDデータベース6から削除される。
以上述べた対話制御処理によれば、新規の対話処理を開始する際に、対話処理ごとにContextIDを付与することとしたため、同時に複数の対話処理が実行されている場合であっても、ContextIDに基づいて一の対話処理を特定することができる。
そして、対話処理の進行中に、他の端末から同一のContextIDを受信した場合に、当該他の端末を進行中の対話処理に追加参加させることとしたので、端末側から対話システム1側にContextIDを送るだけで、希望する対話処理に途中参加できるようになる。従来システムでは、対応テーブルにてまず端末同士を直接対応付けし、その上で両端末に対して一の対話処理を実行していたのに対し、本システムでは、端末側から送られてきたContextIDに基づいて参加させる対話処理を決定することにより、結果的に複数の端末が一つの対話処理内で関連付けされるという構成をとる。したがって、事前登録の有無や端末の種類・台数等の制限を受けることなく、複数の端末による対話処理への参加が可能となる。
また、ContextIDデータベース6において、各ContextIDとともにStateIDにより対話処理の進度を管理することとしたので、対話処理が途中で切断された場合であっても、端末側から対話システム側にContextIDを送るだけで、その切断時の状態から対話処理を再開することができ、対話を最初からやり直すという手間を省くことができる。たとえば、無線端末による通信中に無線電波が届かない場所へ移動
して通信が途絶えても、再び無線電波の届く場所へ移動することにより、通信が途絶えた時点から対話処理を再開することができる。
また、ContextIDが同一か否かに基づき、中断した対話処理に継続参加させるか否かを決定するので、中断前の端末と中断後の端末とは同一端末である必要がない。これにより、最初は携帯端末で行っていた対話処理を一旦中断し、自宅に戻ってから固定端末で対話処理を再開するなど、対話システム1の利用態様の自由度が増し、利用効率や利便性が向上する。
また、音声対話・回線制御部30とデータ通信部40を設け、それらを対話制御部20で制御するようにしたので、音声端末とデータ端末という種類の異なる複数の端末から1つの対話処理に参加したり、送受信する情報の種類に応じて音声端末とデータ端末を切り替えたりすることができるようになり、システムの利用効率や利便性が増す。
また、ステップS103において、新たに接続した端末に対して、新規の対話処理を開始するか、既に進行中の対話処理に参加するかを選択可能としたので、利用者は対話処理を最初からやり直すか中断前の時点からやり直すか自由に選択でき、システムの利便性が向上する。
ところで、同時実行中の対話処理についてはContextIDが重複してはならない。それゆえ、対話処理に付与するContextIDが枯渇しないように、システム規模等に応じてContextIDのデータサイズを十分に確保することが好ましい。つまり、ContextIDが数字や文字の組み合わせの場合には、その桁数(文字数)を十分に大きくとるほうが好ましい。しかしその一方で、ContextIDの桁数が増えると、利用者がそのContextIDを記憶することが困難になるとともに、端末への入力操作が面倒になるという弊害を招く。そこで、本システムでは、ContextIDに有効期間を設定し、対話処理の中断時間がその有効期間を超えた場合にContextIDを削除する整理処理を行うこととした。
図4は、対話制御部20によるContextIDの整理処理を示すフローチャートである。この整理処理は、図3の対話制御処理とは独立して実行されるプロセスであり、また、実行中の対話処理のそれぞれについて別個独立に実行されるものである。
対話制御部20は、一定時間ごとに、実行中の対話処理に参加している端末の有無を確認する(ステップS201)。参加端末がない場合には、タイマをスタートさせて(ステップS202)、所定時間が経過するまでステップS203,S204の処理を繰り返す。ステップS203では、参加端末の有無を確認し、参加端末が現れたらタイマをリセットして最初に戻る。ステップS204では、タイマの値が所定の値かどうかを調べる。この所定の値がすなわちContextIDの有効期間である。その値は、システム規模や運用によって定めればよい。
参加端末が現れないまま有効期間を経過した場合には、対話制御部20が、ContextIDデータベース6の該当するContextIDとStateIDを削除する(ステップS205)。これにより、そのContextIDに係る対話処理も消滅することとなる。
このようにして、有効期限経過後のContextID(対話処理)を順次削除していくようにすれば、ContextIDのデータサイズを小さくしてもContextIDの重複や枯渇という問題を回避できるようになる。
なお、上記構成は本発明の一実施形態を例示したものにすぎない。本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
たとえば、上記実施形態では、対話制御部20がContextIDを発行する構成としたが、端末が電話番号やIPアドレスなどの固有の情報を持っている場合には、その電話番号やIPアドレスをそのままContextIDとして用いることも好ましい。あるいは、端末が接続している基地局やルータなどの情報、または、端末が存在する緯度経度情報などの位置情報が取得できる場合には、その位置情報をそのままContextIDとして用いてもよい。
固有情報や位置情報をContextIDとして用いる構成にすれば、対話システム1は端末から自動的にContextIDを取得することができるようになる。
この場合には、ステップS106の処理は不要となる。したがって、利用者が自らContextIDを入力する必要がなくなり、入力負荷の軽減や操作性の向上を図ることができる。
さらに、この場合には、ステップS102の処理を無くすことも好ましい。すなわち、新たに接続した端末から当該端末に固有の情報もしくは位置情報を取得し、その情報がContextIDデータベース6に格納されているContextIDと一致した場合には、自動的に当該端末をそのContextIDに係る対話処理に参加させるようにするのである。これにより、たとえば、対話処理の中断後に同一の端末から処理を再開する場合などにおいて、利用者は特別な入力操作なしに切断前の対話処理を直ちに再開することができるので、システムの利便性が向上する。
なお、対話システム1が同一端末による再開処理しか許容せず、かつ、ContextIDとして端末固有の情報や位置情報などを用いる場合(端末からContextIDを自動で取得可能な場合)には、必ずしもContextIDを端末の利用者に通知する必要はないので、ステップS105の処理も省略可能である。
以下に図面を参照して、上記実施形態に係る対話システムを地図情報提供サービスに適用した具体例を説明する。
図5は、対話システムと、音声端末である携帯電話およびデータ端末であるPC(パーソナルコンピュータ)との対話処理の流れを概略的に示した流れ図である。
本システムは、住所を入力するとその場所の地図データを閲覧可能なサービスを提供するシステムである。
まず、携帯電話から対話システムに対して発呼をする(ステップS301)。対話システムは、新たな端末とのセッションが確立されたことを知ると、携帯電話の電話番号やIPアドレス(以下、電話番号等という)を取得し、その電話番号等をそのままContextIDとしてデータベースに登録する(ステップS302)。つまり、本システムでは、端末に固有の情報を対話処理の識別情報として用いている。このとき、図では省略しているが、前記で決定されたContextIDを確認のために携帯電話に対して音声情報やデータで通知するようにしてもよい。これにより携帯電話の記憶部にContextIDを記憶させておき、対話処理毎にContextIDを対話システムに送信することで単一のセッションを対話システムに認識させることができる。
対話処理が開始されると、まず、「都道府県名をおっしゃってください。」との音声案内が再生される(ステップS303)。これに対して、「京都府」と回答すると(ステップS304)、システムでは受信した音声情報に対して音声認識処理を施し、都道府県名
は「京都府」であることを知る。
次に、これに応答して「京都府ですね。」という確認メッセージが再生された後、「市区町村をおっしゃってください。」との音声案内が再生される(ステップS305)。同図の例では、利用者が「京都市○○区」と回答し(ステップS306)、それに対してシステムが「番地をおっしゃってください。」と応答したところで(ステップS307)、呼の切断による対話処理の中断が発生している。
さて、利用者が再び同じ携帯電話から対話システムに対して発呼を行うと(ステップS308)、上記と同様、対話システムは新たな端末とのセッションが確立されたことを知り、携帯電話は電話番号等をContextIDとして対話システムに送信する(ステップS309)。このとき、対話システムでは、ContextIDデータベース6に同一のContextIDとStateIDとが登録されているため、携帯電話を中断した対話処理に途中参加させることが可能となる。すなわち、このContextIDに基づきStateIDを取得することで、番地を入力させる処理から再開するのである(ステップS310)。
そして、利用者から番地の情報を受信すると(ステップS311)、対話システムは当該住所の地図データを生成し(ステップS312)、「地図データの準備が整いました。」との音声案内を再生する。
本実施例では、地図情報を他のデータ端末(PC)で閲覧しようとする例を示している。
利用者がPCから対話システムにアクセスすると(ステップS313)、対話システムは新たな端末とのセッションが確立されたことを知る。ここで、PCは電話番号を有しないデータ端末であるため、システムは新規の対話処理を開始するか既存の対話処理に参加するか選択させる(ステップS314)。既存の対話処理に参加する場合にはこの選択画面上でContextIDを入力する仕様になっているものとする。
そして、利用者がPCに表示された選択画面上でContextID、すなわち前述の対話処理を行った携帯電話の電話番号等を入力すると(ステップS315)、対話システムは、PCを対話処理に追加参加させることができる。そして、地図情報をPCに送信する(ステップS316)。これにより、利用者はより画面の大きなPC上で地図情報を閲覧することが可能となる(ステップS317)。
以上述べたように、本システムによれば、対話処理中断後の再開処理を簡単に行うことができ、また、携帯電話やPC等の異なる種類の複数の端末から簡単に同一の対話処理に参加することができる。
なお、本発明の対話システム、対話制御方法および対話制御プログラムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の対話システム、対話制御方法および対話制御プログラムは電話自動応答システムやチケット予約システム等に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る対話システムの全体像を示す模式図である。 対話システムの機能構成を示すブロック図である。 対話制御部による対話制御処理を示すフローチャートである。 対話制御部によるContextIDの整理処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施例に係る対話システムと、携帯電話およびPCとの対話処理の流れを概略的に示した流れ図である。
符号の説明
1 対話システム
2 対話制御サーバ
3 音声対話サーバ
4 データ通信サーバ
5 対話制御文書データベース
6 ContextIDデータベース
7 電話回線網
8 インターネット
9 端末
9a 固定電話
9b 携帯電話
9c パーソナルコンピュータ
9d PDA
9e VoIP端末
20 対話制御部
30 音声対話・回線制御部
40 データ通信部

Claims (20)

  1. 少なくとも1の端末と通信を行う通信手段と、
    前記端末との対話処理を識別するための識別情報を格納するための記憶手段と、
    前記識別情報を設定し前記記憶手段に格納するとともに、当該識別情報を前記記憶手段から読み出して対話処理を行う前記端末に送信しておき、前記のいずれかの端末から受信した同一の識別情報によって端末間の対話処理を制御する対話制御手段とからなる対話システム。
  2. 少なくとも1の端末と通信を行う通信手段と、
    前記端末との対話処理を識別するための識別情報を格納する記憶手段と、
    前記端末と新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を前記記憶手段に格納するとともに前記各端末に送信し、前記端末との対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて前記記憶手段に格納し、前記端末との対話処理の中断後に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末を前記対話処理に前記進度から参加させるように制御する対話制御手段とからなる対話システム。
  3. 前記対話制御手段は、
    前記対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末を前記識別情報に係る対話処理に参加させることを可能とする請求項2記載の対話システム。
  4. 前記通信手段は、回線交換網を通じて前記端末または前記端末とは異なる端末との間で音声通信を行う音声通信手段である請求項1〜3のうちいずれか1項記載の対話システム。
  5. 前記通信手段は、データ交換網を通じて前記端末または前記端末とは異なる端末との間でデータ通信を行うデータ通信手段である請求項1〜3のうちいずれか1項記載の対話システム。
  6. 前記通信手段は、回線交換網を通じて前記端末との間で音声通信を行う音声通信手段と、
    データ交換網を通じて前記端末または前記端末とは異なる端末との間でデータ通信を行うデータ通信手段とを有する請求項1〜3のうちいずれか1項記載の対話システム。
  7. 前記対話制御手段は、新規に開始する対話処理に対して、既に進行中の他の対話処理の識別情報と重複しないように識別情報を発行する請求項1〜6のうちいずれか1項記載の対話システム。
  8. 前記対話制御手段は、新規に対話処理を開始する端末に固有の情報を前記識別情報として用いる請求項1〜6のうちいずれか1項記載の対話システム。
  9. 前記固有の情報は前記端末の電話番号または端末に付与されたアドレスである請求項8記載の対話システム。
  10. 前記対話制御手段は、新規に対話処理を開始する端末の位置情報を前記識別情報として用いる請求項1〜6のうちいずれか1項記載の対話システム。
  11. 前記対話制御手段は、
    前記識別情報に所定の有効期間を設定し、
    対話処理の中断時間が前記有効期間を超えた場合に前記識別情報を前記記憶手段から削除する請求項1〜10のうちいずれか1項記載の対話システム。
  12. 前記対話制御手段は、新たに接続した端末に対して、新規の対話処理を開始するか、既に進行中の対話処理に参加するかを選択可能とする請求項1〜11のうちいずれか1項記載の対話システム。
  13. 前記対話制御手段は、
    前記端末に固有の情報を前記識別情報として用い、
    新たに接続した端末から当該端末に固有の情報を取得し、その情報が前記記憶手段に格納されている識別情報と一致した場合には、自動的に当該端末を前記識別情報に係る対話処理に参加させる請求項1〜11のうちいずれか1項記載の対話システム。
  14. 少なくとも1の端末と通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムによる対話制御方法であって、
    前記端末と新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を生成し、前記記憶手段に格納するとともに前記識別情報を前記各端末に送信するステップと、
    端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、
    対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末が前記識別情報に係る対話処理に参加させるステップとからなるコンピュータシステムによって実行される対話制御方法。
  15. 端末との間で通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムが、
    前記端末と新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を前記記憶手段に格納するとともに前記端末に送信するステップと、
    端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、
    対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて前記記憶手段に格納するステップと、
    対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末に対して前記対話処理に前記進度から参加することを許可するステップとからなるコンピュータシステムによって実行される対話制御方法。
  16. 前記対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末が前記識別情報に係る対話処理に参加することを許可するステップをさらに有する請求項15記載の対話制御方法。
  17. 少なくとも1つの端末と通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムに、
    前記端末と新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を前記記憶手段に格納するとともに前記端末に送信するステップと、
    端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、
    対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末が前記識別情報に係る対話処理に参加することを許可するステップとを順次実行させるコンピュータで実行可能な対話制御プログラム。
  18. 少なくとも1つの端末と通信を行う通信手段および記憶手段を有するコンピュータシステムに、
    前記端末と新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を前記記憶手段に格納するとともに前記端末に送信するステップ、
    前記端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行するステップと、
    前記対話処理の進行中に、その進度を表す進度情報を前記識別情報に対応付けて前記記憶手段に格納するステップと、
    前記対話処理の中断後、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記中断した対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末が前記対話処理に前記進度から参加することを許可するステップとを順次実行させるコンピュータ実行可能な対話制御プログラム。
  19. 前記対話処理の進行中に、前記端末または前記端末とは異なる端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末または前記端末とは異なる端末が前記識別情報に係る対話処理に参加することを許可するステップをさらに有する請求項18記載のコンピュータ実行可能な対話制御プログラム。
  20. 端末との間で通信を行う通信手段と、
    端末から受信する情報に応答して一連の対話処理を実行する対話制御手段と、
    記憶手段と、を有し、
    前記対話制御手段は、
    新規の対話処理を開始する際に、当該対話処理を識別するための識別情報を前記記憶手段に格納し、
    対話処理の進行中に、同一または他の端末から前記進行中の対話処理の識別情報と同一の識別情報を受信した場合に、当該端末が前記識別情報に係る対話処理に参加することを可能とする対話システム。
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