JP2004289353A - 誤り訂正伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力情報系列を、畳込み符号器1で畳込み符号化する。畳込み符号器1の出力を、符号化部2で多値変調のシンボルに構成する。サブシンボルインタリーバ3により、サブシンボル単位でインタリーブを行い、直交変調して送信する。受信したデータを同期検波し、サブシンボルデインタリーバ4により、振幅データとともにサブシンボル単位でデインタリーブする。軟判定ビタビ復号器5で、符号語のビット数とサブシンボルのビット数の最小公倍数を処理単位ビット数として、複数符号語に対応する状態遷移をまとめて、サブシンボルの振幅情報を使って軟判定ビタビ復号する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、誤り訂正伝送装置に関し、特に、畳込み符号を多値変調方式で伝送して軟判定ビタビ復号を行う誤り訂正伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル通信では、誤り訂正符号化された送信データを送信シンボルに変換し、変調して送信する。受信機では、誤り訂正符号の復号を行い、情報データを得る。各種のディジタル通信で、バーストエラーに有利な畳込み符号が用いられている。畳込み符号の復号法としては、ビタビ・アルゴリズムが用いられている。ビタビ・アルゴリズムは、畳込み符号のもつ繰返し構造を利用して、最尤復号を効率的に実行する復号方法である。基本的には、トレリス線図上で時点毎に取り得るビット列と受信ビット列(またはビット列に対応した変調シンボル)とを比較し、尤度関数が最も大きくなる経路(最尤パス)を選択することで存在する符号系列パタンの全てとの総当り法を行うことなく送信信号を推定する。
【0003】
ビタビ・アルゴリズムを使った復号法には、硬判定と軟判定とがある。硬判定復号では、尤度関数にハミング距離を利用するもので、受信信号を2値として決定してから、パスの判定をする方法である。他方、軟判定復号は、尤度関数としてユークリッド距離を利用するもので、受信信号をアナログ値のまま取り扱って、パスの判定を行う方法である。軟判定復号は、受信信号のアナログ値に基づいて判定を行うので、硬判定復号に比べて誤り訂正能力が高い。従来の軟判定のビタビ・アルゴリズムを用いる誤り訂正符号の復号法については、非特許文献1を参照されたい。
【0004】
周波数利用効率の高い多値変調方式として、線形変調方式で符号識別点を格子状に配置した多値QAM方式(QPSK、16QAM、64QAM等)があり、多くのシステムで使用されている。線形変調方式では搬送波の同相成分(Ich)と搬送波の直交成分(Qch)の2チャネルを独立に使用することが可能である。従って、変調シンボルは、(I+jQ)のように複素数で表記することができる。ここでは、(I+jQ)を変調シンボル(または、単にシンボル)、I、Q個々を指す場合は変調サブシンボル(または、単にサブシンボル)と呼ぶものとする。
【0005】
ところで、軟判定ビタビ・アルゴリズムは、畳込み符号を多値変調方式で送信する場合に、無条件で利用できるわけではない。その理由は、多値変調方式の送信単位(サブシンボル)は1ビットの場合と複数ビットの場合があるが、復調時の振幅情報は送信単位でしか得られないので、サブシンボルの情報量が2ビット以上の場合は1ビット単位の振幅情報を知ることができなくなるためである。
【0006】
図13に示すトレリス線図を参照しながら、従来の軟判定ビタビ復号の方法を説明する。符号化率R=1/2で変調方式がQPSKの場合を例にすると、符号器の1ステップの状態遷移の経路は2つある。入力ビット値が0の場合と1の場合である。ビタビ・アルゴリズムでは、それぞれの場合について、送信系列と受信系列を効率的に比較するために、各時点において各状態に合流するブランチに対応する送信シンボルと受信振幅とを比較して、そのユークリッド距離の2乗を求め、1時点前の状態のパスメトリックと加算し、その値の小さい方のブランチを選択することにより、全ての状態(S0〜S15)に対する経路とパスメトリックを決める。1つの生き残りパスの着目すると、その結果は図14に示すようになる。ここでMはパスメモリの値である。このような処理を、時点1から時点N×R(Nは符号長、Rは符号化率)まで実行する。畳込み符号がテールビットにより状態0に終結されている場合、最後の状態はS0であることから、時点N×RのS0から、時点0の方向にパスメモリの値に従って状態遷移を逆に辿って行く(これをトレースバックと言う。)と、復号ビット列を得ることができる。
【0007】
図15は、畳込み符号を多値変調方式で伝送して軟判定ビタビ復号を行う従来の無線機の構成である。ここでは、送信側で畳込み符号器の直後にビットインタリーバが配置されているため、一般に受信側では1ビット/サブシンボルのQPSKなどの変調方式でなければ、サブシンボルデインタリーバによって元の配列の戻すことができない。
【0008】
【非特許文献1】
今井秀樹:「符号理論」(社団法人電子通信学会、平成9年発行)pp.280−312.
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の誤り訂正伝送方式では、多値変調のサブシンボルが1ビット構成(1ビット/サブシンボル)の場合にしか軟判定を適用できず、誤り訂正能力を十分に高めることができないという問題がある。その理由は以下の通りである。
【0010】
多値変調のシンボルの数を22qで表すと、サブシンボルI及びQはqビットで表現される。因みに、4値の場合はq=1、16値の場合はq=2、64値の場合はq=3、256値の場合はq=4となる。一方、畳込み符号の符号化率は、入力系列数kと出力系列数n(符号ブロックのビット数。以降、符号ブロックは符号語と略記する。)により、R=k/nと表される。qがnの約数であれば、一つの符号語を整数個のサブシンボルで表現できるので、1ステップの状態遷移ごとに、受信シンボルが各ブランチに対応した送信シンボルである確率(条件付確率。これを尤度関数と呼ぶ。)を計算できる。しかし、qがnの約数でないと、一つの符号語を整数個のサブシンボルでは表現できない。そのため、1ステップの状態遷移ごとの各ブランチの条件付確率を定義できない。従って、硬判定復号は可能であるが、符号器入力kビット毎の状態遷移を評価する通常の軟判定ビタビ復号は不可能となる。
【0011】
符号化率R=1/2の畳込み符号の場合、1ビット/サブシンボルのQPSK(π/4シフトQPSKでも同じ)か、2ビット/サブシンボルの16QAMであれば、一つの符号語を整数個のサブシンボルで表現できるので、通常の軟判定ビタビ復号は可能である。しかし、ビットインタリーブが施された場合は、16QAMでは一つの符号語の情報は二つのサブシンボルに分離され、他の符号語の情報と混合された形でしか取り出すことが出来なくなる。また、64QAMは3ビット/サブシンボルであるので、一つの符号語を1つのサブシンボルでは表現すること自体できない。符号化率R=2/3の畳込み符号の場合は、QPSKと64QAMは使えるが、16QAMは使えない。また、ビットインタリーブを行った場合は64QAMでは単独の符号語の情報を取り出すことができない。このように、従来方式では特定の符号化率の畳込み符号に対して特定の多値数(以降、シンボルサイズと表記する。)の多値変調方式しか使うことができず、最適の多値変調方式を選択して伝送効率を上げることができない。
【0012】
本発明は、上記従来の問題を解決して、任意の符号化率の畳込み符号を任意のシンボルサイズの多値変調方式を使って伝送しても軟判定ができるようにして、誤り率を下げて伝送効率を高めることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、誤り訂正伝送装置を、kビットの情報系列入力ごとにnビットの符号語を出力する符号化率k/nの畳込み符号化手段と、畳込み符号化手段から出力された符号語のビット系列からqビットのサブシンボル2つからなるシンボルを組み立てるシンボル符号化手段と、サブシンボルを単位としてインタリーブするサブシンボルインタリーブ手段と、インタリーブしたサブシンボルで搬送波を直交変調して送信する送信手段と、受信信号を同期検波してサブシンボルとサブシンボル単位の搬送波振幅情報とを得る受信手段と、搬送波振幅情報とともにサブシンボルをデインタリーブするサブシンボルデインタリーブ手段と、サブシンボル単位で軟判定する軟判定ビタビ復号手段とを具備する構成とした。
【0014】
このように構成したことにより、任意の符号化率の畳込み符号に対して、任意のシンボルサイズの多値変調方式を選択しても、軟判定ビタビ復号ができるので、誤り率を低減させて伝送効率を高めることができる。
【0015】
また、シンボル符号化手段に、qとnの最小公倍数LCM(q,n)を処理単位ビット数pとして、pビット分の符号語をpビット分のサブシンボルに対応させる手段を設け、軟判定ビタビ復号手段に、pビット分の符号語に対応する畳込み符号化手段の状態遷移ごとにブランチメトリックを計算する評価手段を設けた。このように構成したことにより、符号語のビット数がサブシンボルのビット数で割り切れない場合でも、軟判定ビタビ復号ができるので、誤り率を低減させて伝送効率を高めることができる。
【0016】
また、評価手段に、pビット分の符号語とpビット分のサブシンボルと間のユークリッド距離を計算する計算手段を設けた。このように構成したことにより、ハミング距離を使う場合より精密に軟判定ビタビ復号ができるので、誤り率を低減させて伝送効率を高めることができる。
【0017】
また、受信手段に、正規化した同期検波出力に各時点の搬送波レベルを乗じて元の座標系に戻す手段を設け、計算手段に、ユークリッド距離の2乗を対数尤度としてブランチメトリックを計算する手段を設けた。このように構成したことにより、熱雑音の影響を除去して精密に軟判定ビタビ復号ができるので、誤り率を低減させて伝送効率を高めることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図12を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(実施の形態)
本発明の実施の形態は、畳込み符号器の出力を多値変調シンボルに変換した後、サブシンボル単位でインタリーブを行い直交変調して送信し、受信して同期検波により得られた受信サブシンボル値(アナログ値)と再生搬送波レベル情報(これらを総称して「サブシンボルの振幅情報」と呼ぶものとする。)の組をサブシンボル単位でデインタリーブし、符号語のビット数とサブシンボルのビット数の最小公倍数を処理単位ビット数として、複数符号語ごとの状態遷移によりサブシンボルの振幅情報を使って軟判定ビタビ復号する誤り訂正伝送装置である。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置の送受信機の機能ブロック図である。図1(a)は、送信機の構成図である。図1(b)は、受信機の構成図である。図1において、畳込み符号器1は、情報系列入力を畳込み符号化する回路である。符号化部2は、複数ビットをまとめて一つのサブシンボルに変換する回路である。サブシンボルインタリーバ3は、サブシンボル単位でインタリーブする手段である。同期検波処理部4は準同期検波されA/D変換されてデジタルフィルタで構成されたLPFにより帯域制限されサンプリングデータから同期タイミングを抽出して同期検波を行う回路である。サブシンボルデインタリーバ5は、サブシンボル単位でインタリーブされたデータを元の順序に並べ直す手段である。軟判定ビタビ復号器6は、状態遷移の複数ステップ単位で軟判定をしてビタビ復号する手段である。
【0021】
図2は、本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置を従来例と比較して説明する流れ図である。図3は、畳込み符号器の回路図の一例である。図4は、状態遷移をすべて示したトレリス線図である。図5は、状態遷移のブランチメトリックを計算する様子を説明するトレリス線図である。図6は、一つの生残りパスに着目した複数符号語ごとの状態遷移を示す図である。ここでMはパスメモリの値である。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態における誤り訂正伝送方式の復調手順を示す流れ図である。図8は、復号手順を示す流れ図である。図9は、トレースバックの手順を示す流れ図である。図10は、インタリーブ関数の説明図である。図11は、バーストフォーマットの説明図である。図12は、誤り訂正の静特性のグラフと、フラットフェージング下における誤り訂正特性のグラフと、マルチパスフェージング下における誤り訂正特性のグラフである。
【0023】
上記のように構成された本発明の実施の形態における誤り訂正伝送方式の動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、送受信機の動作の概要を説明する。情報系列入力SD[i]を畳込み符号器1に入力する。畳込み符号器1の出力を符号化部2でqビットごとにグレイ符号化して多値変調のシンボル(I[m]、Q[m])にマッピングする。サブシンボルインタリーバ3により、サブシンボル単位でインタリーブ(I[n]、Q[n])を行う。これ以降は、通常の直交変調送信機の動作と同様である。
【0024】
受信機では、受信した信号を準同期検波(I’(t)、Q’(t))し、これをボーレート周波数の数倍周波数(例えば8倍)でサンプリング及びA/D変換してデジタルローパスフィルタ(LPF)を通し、出力されたサンプリングデータ(I’(k)、Q’(k))を同期検波処理部4に送る。同期検波処理部4では、送られてきたサンプリングデータの中から同期シンボルを検出してシンボルタイミングを抽出し、バーストフォーマットで定義されているパイロットシンボルを利用して搬送波を再生(cx(n))してその絶対値(W(n))を算出するとともに、再生搬送波により同期検波部で同期検波(I[n]、Q[n])する。ここで得られたサブシンボル情報(I[n], W[n]、Q[n], W[n])を、サブシンボル・デインタリーバ5でデインタリーブ(I[m], W[m]、Q[m], W[m])する。軟判定ビタビ復号器6で、サブシンボル単位で軟判定を行う。
【0025】
本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置を一般化すると、次のようになる。符号化率k/nの畳込み符号化手段で、kビットの情報系列入力ごとに、nビットの符号語を出力する。畳込み符号化手段から出力された符号語のビット系列を、qビットごとに区切ってのサブシンボル系列を生成する。サブシンボルを単位としてインタリーブする。インタリーブしたサブシンボルを2つづつ取り出してIch、Qchとし、搬送波を直交変調して送信する。受信側では、受信信号を同期検波してサブシンボル(Ich、Qch)とサブシンボル単位の搬送波振幅情報(W)とを得る。搬送波振幅情報とともにサブシンボルをデインタリーブする。qとnの最小公倍数LCM(q,n)を処理単位ビット数pとして、pビット分の符号語をpビット分のサブシンボルに対応させる。pビット分の符号語に対応する畳込み符号化手段の状態遷移ごとに、pビット分の符号語とpビット分のサブシンボルとの間のユークリッド距離に搬送波振幅を掛けて2乗した値によりブランチメトリックを計算して軟判定を行う。
【0026】
軟判定復号を行う場合、変調方式が16QAM(2ビット/サブシンボル)のとき、符号化率R=k/3(k=1〜2)、k/5(k=1〜4)といった符号が、変調方式が64QAM(3ビット/サブシンボル)のときは、符号化率R=1/2、k/4(k=1〜3)といった符号が、1ステップ(時点)ごとの状態遷移が不可能となる。16QAMでR=k/3の場合は3ステップ(LMC(2,3)=6ビット)、16QAMでR=k/5の場合は2ステップ(LMC(2,5)=10ビット)、64QAMでR=1/2の場合は3ステップ(LMC(3,2)=6ビット)、64QAMでR=k/4の場合も3ステップ(但し、LMC(4,3)=12ビット)ごとの状態遷移が必要となる。このように、複数ステップごとの状態遷移により、ブランチメトリック、パスメトリックを算出してパスを決定する方法を、通常のビタビ復号と区別するために、ここでは「変形ビタビ復号」と呼ぶものとする。
【0027】
図2を参照しながら、生成多項式次数5、符号化率R=1/2、情報点数100ビットの符号を64QAMで伝送する場合について、従来例と比較して本発明を説明する。情報系列入力(100ビット)を畳込み符号化(210ビット)するところまでは、従来例と同様である。従来は、ビットインタリーブしてから多値変調のシンボルに変換(35シンボル)している。一方、本発明では多値変調のシンボルに変換(70サブシンボル)してから、サブシンボル単位でインタリーブ(70サブシンボル)を行う。その後、バースト信号へサブシンボルをマッピング(70サブシンボル)して、直交変調して送信する。従来例の受信側では、同期検波してデータシンボルを抽出(35シンボル)し、グレイ符号を復号(210ビット)してビット単位でデインタリーブ(210ビット)した後、硬判定ビタビ復号(100ビット)を行う。一方、本発明では、準同期検波出力からデータサブシンボルを抽出(70サブシンボル)し、サブシンボル単位でデインタリーブ(70サブシンボル)した後、軟判定ビタビ復号(100ビット)を行う。
【0028】
次に、図4と図5を参照しながら、図1(b)の中の軟判定ビタビ復号の処理ブロックにおいて、符号器の状態遷移を複数ステップごとに行う方法について、生成多項式の次数4(拘束長5、状態数16)、符号化率R=1/2の符号を64QAMで伝送する場合を例に説明する。前述したように、変調サブシンボルが3ビット構成で、符号化率R=1/2の場合、軟判定を実行するためには、状態遷移は3ステップごとに行う必要がある。3ステップごとの状態遷移は、時点t−3の状態から時点tの状態へのパスが各状態に8通りあるので、図4に示したようになる。図4の中で左側に示した「符号器の状態」は、時点に拘わらず、その状態(シフトレジスタの状態)を、左側をMSBとして表示したものである。また、右側に示した「符号器の入力」は、その状態に合流する場合に符号器に入力されるビット列を、左側をMSB(時間的に先に入力されるビット)として表示したものである。
【0029】
この中で、時点tの状態S1に着目した説明図が図5である。ある時点t−3からt−1の間に符号器に入力される3ビットが”xxx”で、時点tで”yxxx”に合流するパスの3時点前の状態には、”000y”、”001y”、”010y”、”011y”、”100y”、”101y”、”110y”、”111y”の8通りが存在する。ここでは、図3の符号器の回路図の中のシフトレジスタの表記法(左方向にシフト)に合わせて、左側を上位側(MSB)として表記している。ここで8通りのパタンが存在する上位3ビットは、符号器に3ビットが入力されるとシフトされて消えて行く部分である。ブランチ番号iは、この3時点前のシフトレジスタの状態の上位3ビットを10進表示したものに対応付けられる。したがって、状態S1に着目すると、その3時点前の状態は、下位1ビット”y”が”0”で符号器入力”xxx”が”001”の場合に状態S1に流入するので、その候補は状態S0(i=0)、S2(i=1)、S4(i=2)、S6(i=3)、S8(i=4)、S10(i=5)、S12(i=6)、S14(i=7)の8通り存在することになる。
【0030】
図5において、記号λ(S,t)及びλ(S,t−3)は、それぞれ時点t及び時点t−1における状態Sのパスメトリックを表すものとする。前述の符号化方式と変調方式を例に取ると、状態遷移は3ステップごとに行われる。即ち、時点番号tが3の倍数のときに、図1(b)のサブシンボル・デインタリーバより受信第1変調サブシンボルz(2n)とその再生搬送波レベルc(2n)、及び受信第2変調サブシンボルz(2n+1)とその再生搬送波レベルc(2n+1)が与えられる。各状態Sに、その直前の状態番号をブランチ番号iごとにテーブルF0(i,S)により求め、そのブランチiに対応する第1変調サブシンボルをテーブルF1(i,S)で、第2変調サブシンボルをテーブルF2(i,S)により求める。なお、これらの値と、この時点で取得される上記受信情報を用いて、以下の最小値を求める。
λ(S,t)=min{(|F1(i,S)−z(2n)|×|cx(2n)|)2+(|F2(i,S)−z(2n+1)|×|cx(2n+1)|)2+λ(F0(i,S),t−3)}(i=0〜7)
そこで、その最小値をその状態Sのパスメトリックとして記憶するとともに、最小値を与えるブランチ番号iをパスメモリM(S,n)に記憶する。ここで、変数nは時点番号tと、3n=tの関係にある。
【0031】
ここで使用するテーブルF0(i,S)、F1(i,S)、F2(i,S)は、以下の方法により与えられる。まず、iをブランチ番号(0〜7)、Sを状態番号(0〜15)、bをビット番号(0〜6)として、次の関数を定義する。
d(i,S,b)=mod(int((16i+S)/2b),2)
ここで、int(x)はxの整数部、mod(x,2)はxを2で除した余りである。d(i,S,b)は、状態番号がSでブランチ番号がiのとき、この時点までに符号器に入力されたビット列を算出する関数で、現時点の符号器のシフトレジスタのLSB(D1)をビット0(b=0)、3時点前の符号器のシフトレジスタのMSB(D4)をビット6(b=6)としている。
【0032】
関数d(i,S,b)を用いると、3時点前の状態番号F0(i,S)は次式により与えられる。
F0(B,S)=d(i,S,6)×8+d(i,S,5)×4+d(i,S,4)×2+d(i,S,3)
次に、第1の変調サブシンボル値F1(B,S)は次式により与えられる。
F1(i,S)=(1−2×y0)×{(1−2×y1)×(3−2×y2)+4}
ただし、
y0=mod(Σg1(v)d(i,S,v+2),2)(総和はv=0〜4)
y1=mod(Σg2(v)d(i,S,v+2),2)(総和はv=0〜4)
y2=mod(Σg1(v)d(i,S,v+1),2)(総和はv=0〜4)
で、F1(i,S)はy0,y1,y2の3ビットグレイ符号(±1,±3,±5,±7)である。
【0033】
第2の変調サブシンボル値F2(B,S)は次式により与えられる。
F2(i,S)=(1−2×y3)×{(1−2×y4)×(3−2×y5)+4}
ただし、
y3=mod(Σg2(v)d(i,S,v+1),2)(総和はv=0〜4)
y4=mod(Σg1(v)d(i,S,v),2)(総和はv=0〜4)
y5=mod(Σg2(v)d(i,S,v),2)(総和はv=0〜4)
で、F2(i,S)はy3,y4,y5の3ビットグレイ符号(±1,±3,±5,±7)である。y0,y1は3時点前から2時点前の間に送出される符号語、y2,y3は2時点前から1時点前の間に送出される符号語、y4,y5は1時点前から現時点までの間に送出される符号語である。なお、g1(v)、g2(v)は畳込み符号の生成多項式の係数で、
g1(4)=1,g1(3)=1,g1(2)=0,g1(1)=0,g1(0)=1
g2(4)=1,g2(3)=0,g2(2)=1,g2(1)=1,g2(0)=1
である。
【0034】
以上が、変形ビタビ復号の基本アルゴリズムである。次に、このアルゴリズムを用いた復号動作を、図11のバーストフォーマットを例に、図7、図8、図9の流れ図を参照しながら説明する。図11に示したような一般的なバーストフォーマットにより信号を伝送する場合を例として、多値変調方式の同期検波について説明する。通常、多値変調方式のバースト信号は、送信立上りのランプ時間の後、一連の同期シンボルに続いてデータシンボルが配置されるが、その中に一定間隔でパイロットシンボルを挿入する。パイロットシンボルは同期シンボルと同様、送受信間で既知の値のシンボルである。本実施の形態では、64QAMの例として、パイロットシンボルの値は、良好なS/Nを得るために、一律
I+jQ=7+7j
としている。
【0035】
図7の復調処理手順(図1(b)の同期検波処理部4の動作)では、A/D変換部・LPF部より出力されたサンプリングデータ(I’(k)、Q’(k))の中から、「シンボル同期獲得処理」ブロックで同期シンボルを検出して、シンボルタイミングを抽出し、「受信シンボル抽出」ブロックで同期シンボルに続くパイロットシンボルとデータシンボルを抽出する。ここで得られる受信シンボルの値rx(t)は複素数である。なお、変数tは同期シンボル以降の絶対シンボル番号を表し、第1のパイロットシンボルのシンボル番号を0、最後尾のパイロットシンボルのシンボル番号をK+p0−1としている。Kはデータシンボルの個数、p0はパイロットシンボルの個数である。
【0036】
rx(t)が抽出されると、データシンボル番号をk、パイロットシンボル番号を≡、2つのパイロットシンボルの間にあるデータシンボルの相対番号をhとして逐次、以下の式により搬送波再生を行う。
cx(k)=[{rx(b1)−rx(b0)}/b2×h+rx(b0)]/[7+7j]
cx(k)は再生搬送波を表す複素数で、k番目のデータシンボルを、その前後に位置するパイロットシンボルで1次補間している。b0は前に位置するパイロットシンボル絶対シンボル番号、b1は後に位置するパイロットシンボル絶対シンボル番号、7+7jは予め定義されているパイロットシンボルの値である。線形変調においては、変調波は搬送波に変調成分(I+jQ)を掛けたものであるから、準同期検波で得られたデータシンボルの値rx(b0+h)を再生搬送波cx(k)で除することにより同期検波することができる。cx(k)、rx(b0+h)は複素数であり、cx(k)で除することにより振幅と位相が同時に補正されることとなる。ここで得られた複素数の実部がIch、虚部がQchの成分である。その結果は、次式によりIchを偶数番号のサブシンボル、Qchを奇数番号のサブシンボルとして記憶する。
y(2k)=Re[rx(b0+h)/cx(k)]・・・Ich
y(2k+1)=Im[rx(b0+h)/cx(k)]・・・Qch
【0037】
続いて、サブシンボル・デインタリーバにより、サブシンボルとこれに付随する再生搬送波の絶対値の組をインタリーブ関数ilv(k)関数により、デインタリーブを行う。ここで、変数kはサブシンボル番号である。通常の復調では、ここで得られた複素数rx(b0+h)/cx(k)(=y(2k)+j・y(2k+1))と信号空間上で最も近いシンボル点の信号が送信されたものと判定し、それに対応したビット列を出力するが、ここでは軟判定を行うため、その実部をy(2k)、虚部をy(2k+1)として同期検波出力(図1(b)ではI[n],Q[n]に相当)としている。
【0038】
図8の復号処理手順では、復調処理手順で得られた受信サブシンボル値z(・)と再生搬送波の絶対値w(・)により、軟判定による変形ビタビ復号を行う。PM(S)を状態Sにおけるパスメトリック値、M(S,n)を時点3nにおける状態Sのパスメモリ値とする。初期化処理としてパスメモリM(S,n)とパスメトリックPM(0)には0を、状態0以外のPM(S)には適当に大きな数値(ここでは215)を入れておく。これは、初期の状態遷移においては存在しないブランチを選択させないための措置である。ここで状態番号Sは0〜15、状態遷移番号nは0〜K−1である。
【0039】
時点t=3n,3n+1,3n+2に対応する受信サブシンボルと再生搬送波の絶対値は復調処理手順で既に記憶されている以下の配列変数により与えられる。
受信サブシンボル :z(2n),z(2n+1)
再生搬送波の絶対値 :w(2n),w(2n+1)
したがって、状態遷移番号nごとに、状態Sが0から15に対して、ブランチ番号iを0から7まで変えながらブランチメトリックbmとパスメトリックpmを以下の式により計算する。
bm={|F1(i,S)−z(2n)|×w(2n)}2+{|F2(i,S)−z(2n+1)|×w(2n)}2・・・・・・式1
pm=bm+PM(F0(i,S))
状態Sにおいてパスメトリックが最小となるブランチ番号iを逐次比較することにより求め、このときのパスメトリック値を配列変数TPM(S)に一時記憶するとともに、パスメモリM(S,n)を更新する。全ての状態Sについてこの処理が終了すると、パスメトリックPM(S)をTPM(S)の値に更新する。この処理をnの値が0からK−1まで順次実行する。
【0040】
図9のトレースバック処理では、復号処理手順で得られたパスメモリM(S,n)を用いて、状態遷移を逆に辿ること(これをトレースバックと呼ぶ。)により、符号器への推定入力系列を得ることができる。本実施の形態では、畳込み符号はテールビットにより状態0に終結するものとしている。したがって、パスメモリの状態0、状態遷移番号K−1を起点として、トレースバックを行うものとする。nをK−1、Sを0として、配列変数TB(n)に初期値のM(0,K−1)を代入し、逐次、nをデクリメントしながら以下の式により計算を行うことにより、復号が完了する。
S=F0(TB(n+1),S)
TB(n)=M(S,n)
RD(3n)=mod(int(TB(n)/4),2)
RD(3n+1)=mod(int(TB(n)/2),2)
RD(3n+2)=mod(TB(n),2)
RD(・)は、軟判定変形ビタビ復号により得られた復号ビット列である。また、F0(i,S)は前述の状態Sのブランチ番号iに対応する3時点前の状態を示す関数(テーブル)である。以上が、図7、図8、図9を参照した軟判定変形ビタビ復号による復号手順の説明である。
【0041】
上記の復号処理手順におけるブランチメトリックの算出方法において、式1に示したように単なるユークリッド距離の2乗ではなく、それに搬送波の絶対値の2乗を掛けている理由について説明する。送信されたデータシンボルの正規のシンボル点をsx+j・sy、そのデータシンボルの準同期検波出力をrx+j・ry、そのときの再生搬送波をcx+j・cyのように複素数で表すものとすると、正規シンボル点と同期検波後のデータシンボル点との成分ごとのユークリッド距離Di、Dqは、
Di=Re{(sx+j・sy)−(rx+j・ry)/( cx+j・cy)}
Dq=Im{(sx+j・sy)−(rx+j・ry)/( cx+j・cy)}
で与えられる。
【0042】
一方、準同期検波時にデータシンボルに相加された熱雑音をnx+j・nyで表すものとする。熱雑音の場合、その同相成分nxと直交成分nyは互いに独立した正規分布N(0,σ)に従うことが知られている。(熱雑音電力の平均値は2σ2となる。)回線の振幅変動がA(倍)、位相変動がθ(rad)であった場合、準同期検波出力rx+j・ryは次式で与えられる。
rx+j・ry=(sx+j・sy)・A・exp(j・θ)+ nx+j・ny
したがって、再生搬送波cx+j・cyが理想的であった場合、
cx+j・cy=A・exp(j・θ)
となるので、
の関係が成立する。したがって、前述のユークリッド距離は、
Di=Re{(nx+j・ny)/(cx+j・cy)}
Dq=Im{(nx+j・ny)/(cx+j・cy)}
と書き換えることができる。
【0043】
次に、ユークリッド距離に搬送波の絶対値(振幅)を乗ずると、次式のようになる。
Di’=Di・|cx+j・cy|=Re{(nx+j・ny) exp(−j・θ)}
Dq’=Dq・|cx+j・cy|=Im{(nx+j・ny) exp(−j・θ)}
前述したように、熱雑音の同相成分と直交成分は無相関であることから、Di’及びDq’の分布は、やはり正規分布N(0,σ)に従う。Di’及びDq’を代表してdと表記すると、その確率密度関数p(d)の対数(以降、これを対数尤度と略記する。)は、
−d2/(2σ2)−1/2・ln(2π)−ln(σ)
となる。以上の考察から、ブランチメトリックを算出する場合、単にブランチごとに想定されるサブシンボル点と同期検波出力されたサブシンボル値のユークリッド距離Di又はDqの2乗値を求めるだけでなく、それに搬送波の絶対値|cx+j・cy|の2乗を掛けることにより、直接、熱雑音に対する対数尤度を得ることが可能となることが分かる。
【0044】
なお、定数項−1/2・ln(2π)−ln(σ)、及び係数1/(2σ2)は、時点、状態、ブランチに関して共通であり、比較演算においては相殺されるので省略可能である。また、比較演算において尤度の大きい方を選択するが、その際、対数尤度の負数−(−d2)=d2を使用する場合は、値の小さい方を選択すればよいことになる。一方、ユークリッド距離のみで評価すると、フェージング変動等がある場合、時点ごとに増幅度が異なるため、同期検波出力に相加される熱雑音の標準偏差が異なることとなる。ブランチメトリックのみの比較であれば相殺されるが、ビタビ・アルゴリズムでは前の時点のパスメトリック値と加算した値でブランチ間の比較を行うため、正しい尤度関数が与えられないことになる。
【0045】
図10を参照しながら、インタリーブの方法を説明する。インタリーブは、バーストエラーをランダムエラーに変換する方法である。一般的なインタリーブでは、データ数をN(=m×n)とすると、データをn個ごとに区切ってm行n列に配列し、これを列ごとに読み出すことにより隣接するデータ間の間隔を拡大する。このとき、m=nであれば次隣接以降のデータとの間隔も同時に確保されるが、m、nの一方の値が極端に小さいと、バーストエラーをランダムエラーに変換することができなくなる。図11のバースト信号フォーマットの例では、データシンボル数が48、即ち、サブシンボル数が96であることから、これを上述のような行列にする場合、6×16、または、8×12が一般的である。これを極力正方行列に近い形でインタリーブを行う方法として、本実施例では、図10に示すような不完全な行列(10×10の行列で10行目が4個不足)を作り、不足箇所をスキップすると言う方法を取っている。ここでは、データ数をNとすると、これの平方根の値以上で最小の整数をm、及びnとし、m×n−NをLとする。即ち、Nは96であることから、この平方根9.797・・・以上で最小の整数は10であることから、m=n=10、L=4となる。
【0046】
このインタリーブは、図10の関数ilv(k)で与えられる。ここでkはデータの読み出し順序番号、ilv(k)はそれに対応するデータ書き込み順序番号である。行列が完全な部分(k=0〜59)では、インタリーブ関数は次式で与えられる。
ilv(k)=mod(k,m)×n+int(k/m)
一方、最終行の後半の列が不足している部分(k=60〜95)のインタリーブ関数は次式により与えられる。
ilv(k)=mod(k−m(n−L),m−1)×n+int((k−m(n−L))/(m−1))+n−L
なお、ここで、mod(x,y)はxをyで割った余り、int(x/y)はxをyで割った値の整数部を表す。
【0047】
軟判定の効果を、図12のグラフに示す。これらのグラフは、フェージング変動がない場合(静特性)と、フェージング変動がある場合(フラットフェージング)と、先行波と遅延波1波のマルチパスでフェージング変動がある場合(マルチパスフェージング)について、訂正前と硬判定訂正後と軟判定訂正後のビット誤り率をシミュレーションにより計算した結果である。軟判定では、硬判定よりビット誤り率が低下していることがわかる。
【0048】
上記のように、本発明の実施の形態では、誤り訂正伝送方式を、畳込み符号器の出力を多値変調シンボルに変換してから、サブシンボル単位でインタリーブを行い、直交変調して送信し、受信したデータを振幅データとともにサブシンボル単位でデインタリーブし、符号語のビット数とサブシンボルのビット数の最小公倍数を処理単位ビット数として、複数符号語に対応する複数時点間の状態遷移をまとめて、サブシンボルの振幅情報を使って軟判定ビタビ復号する(変形ビタビ復号を行う)構成としたので、任意の符号に対して任意の多値変調方式を選択しても軟判定が可能となり、誤り率を低減させて伝送効率を高めることができる。
【0049】
但し、変形ビタビ復号にはビタビ復号より計算量が多いと言う問題がある。符号化効率をk/n、多値変調のサブシンボルサイズをqビット/サブシンボルとし、nとqの最小公倍数LCM(n,q)をa×nで表すと、aは変形ビタビ復号における1回の状態遷移の時点数を与える。変形ビタビ復号の1回の状態遷移におけるメトリック計算量(回数)は、ブランチ数をBm、状態数をSとすると、Bm×Sとなる。ブランチ数Bmはa時点間の遷移であるから2k ・ a個となる。一方、通常のビタビ復号のa時点間のメトリック計算量はa×B×Sとなるが、この時のブランチ数は2kである。以上のことから、変形ビタビ復号の単位時点あたりのメトリック計算量は、ビタビ復号の2k(a−1)/a倍となることが分かる。なお、a=1は通常のビタビ復号を表している。
【0050】
因みに、k=1の場合、a=2では1倍となり計算量は増えないが、a=3では1.333倍(本実施例の値)、a=4では2倍、a=5では3.2倍と急激に増大する。また、k=2とすると、a=2で2倍、k=3ではa=2で4倍となる。従って、k=1の場合はaが4以下、k=2の場合はaが2であれば、通常のビタビ復号の2倍以下の計算量で軟判定復号を行うことができるが、これを越えると計算量は急激に増大することになる。変形ビタビ復号の導入にあたっては、このような特徴を考慮して、変調方式(qの値)、符号化方式(k及びnの値)、及び、演算素子(DSP)の選定を行うことが望ましい。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明では、誤り訂正伝送装置を、kビットの情報系列入力ごとにnビットの符号語を出力する符号化率k/nの畳込み符号化手段と、畳込み符号化手段から出力された符号語のビット系列からqビットのサブシンボル2つからなるシンボルを組み立てるシンボル符号化手段と、サブシンボルを単位としてインタリーブするサブシンボルインタリーブ手段と、インタリーブしたサブシンボルで搬送波を直交変調して送信する送信手段と、受信信号を同期検波してサブシンボルとサブシンボル単位の搬送波振幅情報とを得る受信手段と、搬送波振幅情報とともにサブシンボルをデインタリーブするサブシンボルデインタリーブ手段と、サブシンボル単位で軟判定する軟判定ビタビ復号手段とを具備する構成としたので、畳込み符号の符号化率と多値変調のシンボルの最適な組合せを選択して軟判定ビタビ復号ができ、伝送誤り率を極限まで低くすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置の送受信機の機能ブロック図、
【図2】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置を従来例と比較して説明する流れ図、
【図3】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置での符号器の構成を示す図、
【図4】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置の状態遷移をすべて示した図、
【図5】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置の状態遷移のブランチメトリックを計算する様子を説明する図、
【図6】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置で状態遷移を計算した結果を示す図、
【図7】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置での復調手順を示す流れ図、
【図8】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置での復号手順を示す流れ図、
【図9】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置でのトレースバックの手順を示す流れ図、
【図10】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置で用いるインタリーブ関数の説明図、
【図11】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置でのバーストフォーマットの説明図、
【図12】本発明の実施の形態における誤り訂正伝送装置の誤り訂正特性のグラフ、
【図13】従来の畳込み符号の軟判定方法を説明する図、
【図14】従来の畳込み符号の軟判定結果を説明する図、
【図15】従来の畳込み符号を使う無線機の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 畳込み符号器
2 符号化部
3 サブシンボルインタリーバ
4 同期検波処理部
5 サブシンボルデインタリーバ
6 軟判定ビタビ復号器
Claims (6)
- kビットの情報系列入力ごとにnビットの符号語を出力する符号化率k/nの畳込み符号化手段と、前記畳込み符号化手段から出力された符号語のビット系列からqビットのサブシンボル2つからなるシンボルを組み立てるシンボル符号化手段と、前記サブシンボルを単位としてインタリーブするサブシンボルインタリーブ手段と、インタリーブしたサブシンボルで搬送波を直交変調して送信する送信手段と、受信信号を同期検波してサブシンボルとサブシンボル単位の搬送波振幅情報とを得る受信手段と、前記搬送波振幅情報とともにサブシンボルをデインタリーブするサブシンボルデインタリーブ手段と、サブシンボル単位で軟判定する軟判定ビタビ復号手段とを具備することを特徴とする誤り訂正伝送装置。
- 前記シンボル符号化手段に、qとnの最小公倍数LCM(q,n)を処理単位ビット数pとして、pビット分の複数の符号語をpビット分の複数のサブシンボルに対応させる手段を設け、前記軟判定ビタビ復号手段に、pビット分の複数の符号語に対応する前記畳込み符号化手段の状態遷移ごとにブランチメトリックを計算する評価手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正伝送装置。
- 前記評価手段に、pビット分の符号語とpビット分のサブシンボルとの間のユークリッド距離の2乗をブランチメトリックとして計算する計算手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の誤り訂正伝送装置。
- 前記計算手段に、ユークリッド距離と搬送波振幅との積の2乗をブランチメトリックとして計算する手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の誤り訂正伝送装置。
- 入力情報系列のkビットを符号化率k/nの畳込み符号化手段に入力するごとにnビットの符号語を出力し、サブシンボルのビット数qと符号語のビット数nの最小公倍数LCM(q,n)を処理単位ビット数pとして、pビット分の複数の符号語をpビット分の複数のサブシンボルに対応させ、前記符号語のビット系列からqビットのサブシンボル2つからなるシンボルを組み立て、前記シンボルの系列を、前記サブシンボルを単位としてインタリーブし、インタリーブしたサブシンボルで搬送波を直交変調して送信し、受信信号を同期検波してサブシンボルとサブシンボル単位の搬送波振幅情報とを得て、前記搬送波振幅情報とともにサブシンボルをデインタリーブし、pビット分の複数の符号語に対応する前記畳込み符号化手段の状態遷移ごとに、pビット分の複数の符号語とpビット分の複数のサブシンボルとの間のユークリッド距離の2乗をブランチメトリックとして計算して軟判定することを特徴とする誤り訂正伝送方法。
- ユークリッド距離と搬送波振幅との積の2乗をブランチメトリックとして計算することを特徴とする請求項5記載の誤り訂正伝送方法。
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WO2020170443A1 (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-27 | 三菱電機株式会社 | 無線通信システム、無線通信装置、送信装置、および受信装置 |
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