JP2004289268A - 通信システム - Google Patents

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Hiroyuki Fukuda
博之 福田
Yoshiaki Sumi
義明 角
Koji Fujita
功司 藤田
Masahiro Osone
雅浩 大曽根
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Abstract

【課題】車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができるとともに、車載LAN上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる通信システムを提供すること。
【解決手段】複数の車載端末装置1に車載LAN2を介して車載端末制御装置3を接続し、車載端末制御装置3が取得したプログラムに基づいて車載端末装置1aのプログラムの更新を行い、プログラムの更新を行う際に複数の車載端末装置1に対してプログラムの更新を行うことを通知することにより、車載端末装置1はプログラムを更新している車載端末装置1があることを認識してプログラムを更新している車載端末装置1a以外の車載端末装置1と車載LAN2との通信を制限する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システムに関し、詳しくは、車載されているオーディオ機器、ナビゲーション装置、ビデオゲーム装置等の各種車載端末装置を制御しているプログラムの更新をネットワークを介して行う通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両にはオーディオ機器、ナビゲーション装置、ビデオゲーム装置等の種々の電子機器が搭載されており、これら電子機器を制御するプログラムの書き換えを行う際にセンターサーバから通信回線を介して更新プログラムを各電子機器に配信するシステムが知られており、この種の配信システムとしては、例えば、特許文献1または特許文献2に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載されたものは、センターと車載端末を通信回線を介して接続し、センターから車載端末にプログラムをダウンロードする通信システムであって、センターから車載端末に更新プログラムをダウンロードすると、車載端末がダウンロードした更新プログラムを起動するタイミングで更新プログラムが起動したことをセンターに送信することにより、更新プログラムのダウンロードが正常に行われたか否かをセンター装置が確認することができるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に示すものは、高速道路の各ジャンクションに設置されたカメラ毎に制御装置を設け、この制御装置から映像を基地局に配信し、この基地局から映像を車両に搭載された映像表示機器に配信する映像収集配信方式であって、前記制御装置は基地局に通信回線を介して接続されており、制御プログラムを記憶可能な容量を有する第1の領域(エリア1)と第2の領域(エリア2)を有するフラッシュメモリと、第3の領域であるROMに記憶された初期基本プログラムに従って処理を行うCPUとを備え、通信回線を介して基地局から受信した更新プログラムを第2の領域に一旦書き込んだ後、第2の領域に更新プログラムを適正に記憶させ、次いで、第2の領域の更新プログラムを第1の領域に書き写すことにより、プログラムの更新中に停電等が発生した場合であっても、各領域に何からのプログラムを記憶させておくことで、カメラの動作が行えなくなるのを防止しつつプログラムの書き換えを行うことができるようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−207219号公報(第4−7頁、第1図乃至12図)
【0006】
【特許文献2】
特開平11―53280号公報(第5−6頁、第3、6、7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に示すものは、複数の車載端末が車載LANを介して接続されているものと考えられるが、各車載端末はセンターと直線通信を行ってプログラムの更新をそれぞれ独立して行っているため、それぞれの車載端末が車載LAN以外に更新プログラムを取得する手段を持つ必要があった。
【0008】
また、プログラム更新を行っている車載端末が車載LAN上に存在することを他の車載端末装置が認識することができないため、任意の車載端末がプログラムの更新を行っているときに、他の車載端末が大量のデータの通信を行っている場合にはプログラムの更新のために車載LANの転送効率を上げることができないという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に示すものは、カメラを制御する制御装置のプログラムを更新するものが示されているが、この制御装置を車載端末に置き換えた場合には、各車載端末(カメラの制御装置)は基地局と直線通信を行ってプログラムの更新をそれぞれ独立して行っているため、それぞれの車載端末が車載LAN以外に更新プログラムを取得する手段を個別に持つ必要がある上に、プログラム更新を行っている車載端末が車載LAN上に存在することを他の車載端末装置が認識することができないため、任意の車載端末がプログラムの更新を行っているときに、他の車載端末が大量のデータの通信を行っている場合にはプログラムの更新のために車載LANの転送効率を上げることができないという問題があった。
【0010】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができるとともに、車載LAN上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信システムは、プログラムによって制御される複数の車載端末装置と、車載LANを介して前記車載端末装置に接続され、前記車載端末装置のプログラムの更新を行う車載端末制御装置とを備え、前記車載端末制御装置は、前記車載端末装置のプログラムの更新を行うプログラム更新手段と、前記複数の車載端末装置のうちの任意の車載端末装置のプログラムの更新を行うときに、前記複数の車載端末装置に対してプログラムの更新を行うことを通知するプログラム更新通知手段とを有し、前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知手段から通知された通知情報を受信するプログラム更新通知受信手段を備え、プログラムを更新している車載端末装置以外の車載端末装置と前記車載LANとの通信を制限するように構成される。
【0012】
このような構成により、複数の車載端末装置に車載LANを介して車載端末制御装置を接続し、この車載端末制御装置が取得したプログラムに基づいて車載端末装置のプログラムの更新を行うので、車載端末装置は、車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができ、また、プログラムの更新を行う際に複数の車載端末装置に対してプログラムの更新を行うことを通知することにより、複数の車載端末装置はプログラムを更新している車載端末装置があることを認識し、プログラムを更新している車載端末装置以外の車載端末装置と車載LANとの通信を制限するので、車載LAN上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末制御装置は、データの送信時に前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域を可変する車載LAN制御手段を備えたものから構成される。
【0014】
このような構成により、プログラムの更新を行うために車載LANの帯域を確保することができ、他の車載端末装置が車載LANを使用していてもプログラム更新を行うことができる。
【0015】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末制御装置は、前記複数の車載端末装置の中で、プログラムの更新を行う車載端末装置の優先順位が高くなるように前記車載LANを制御する車載LAN制御手段を備えたものから構成される。
【0016】
このような構成により、プログラムの更新を行う車載端末装置の優先順位を高くすることで、車載LANを優先的に使用することができ、プログラムの更新を行うための車載LANの転送効率を上げることができる。
【0017】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載LANを介して通信されるデータの種類に応じて通信制御を行うデータ種類制御手段を備えたものから構成される。
【0018】
このような構成により、車載LANを介して通信されるデータの種類に応じて通信を行うことにより、例えば、システム制御を行うために必要な制御データの通信は許可することで、システムの制御を行いつつ、プログラムの更新を行うことができる。また、制御データは比較的少ないデータ量であるので、プログラムを更新する際の車載LANの転送効率を上げることができる。
【0019】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載LANを介して通信されるデータの容量に応じて通信制御を行うデータ転送量制御手段を備えたものから構成される。
【0020】
このような構成により、車載LANを介して通信されるデータの容量に応じて通信を行うことにより、例えば、プログラム更新中は、大量のデータ通信を行わないように制御することにより、プログラム更新のために車載LANの転送効率を上げることができる。
【0021】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載端末装置が保有する機能を制限して通信制御を行う機能制限制御手段を備えたものから構成される。
【0022】
このような構成により、例えば、車載LANを利用して車載端末装置が大量のデータを通信する機能を使用しないように制御することにより、プログラムを更新するために車載LANの転送効率を上げることができる。
【0023】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末装置は、前記車載LANの単位時間当たりのデータの転送量を監視する監視手段を有し、前記プログラム更新手段は、前記単位時間当たりのデータの転送量が少ないときにプログラムの更新を開始するものから構成される。
【0024】
このような構成により、車載LANの単位時間当たりのデータの転送量が少ないときにプログラム更新を開始することにより、プログラム更新のために車載LANの転送効率を上げることができる。
【0025】
また、本発明の通信システムは、前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信したとき、現在実行している処理が終了してから前記車載端末制御装置に処理終了通知を行う処理終了通知手段を備え、前記車載端末制御装置のプログラム更新手段は、前記処理終了通知を受信したときに前記プログラム更新手段によりプログラムの更新を行うものから構成される。
【0026】
このような構成により、車載端末装置がプログラム更新通知を受信したとき、現在実行している処理を終了した後にプログラムの更新を行なうことができるので、車載端末装置で実行中の処理が中断されるのを防止することができる。
【0027】
また、本発明の車載端末制御装置は、プログラムによって制御される複数の車載端末装置に車載LANを介して接続可能な車載端末制御装置であって、前記車載端末装置のプログラムの更新を行うプログラム更新手段と、前記複数の車載端末装置のうちの任意の車載端末装置のプログラムの更新を行うときに、前記複数の車載端末装置に対してプログラムを更新することを通知するプログラム更新通知手段と、データの送信時に前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域を可変する車載LAN制御手段とを備えたものから構成される。
【0028】
このような構成により、車載LANの帯域を更新プログラムのデータ用に確保して車載LANを使用することにより、他の車載端末装置からのデータを受信することなくプログラムの更新処理が妨げられるのを防止することができる。
【0029】
また、本発明の車載端末装置は、車載LANを介して車載端末制御装置に接続され、前記車載端末制御装置から送信される更新プログラムに基づいて自己のプログラムを更新するようにした車載端末装置であって、前記車載端末制御装置からプログラムの更新通知が行われたとき、前記更新通知を受信するプログラム更新通知受信手段と、前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域が可変されたデータを受信する可変データ受信手段とを備えたものから構成される。
【0030】
このような構成により、車載LANの帯域を更新プログラムのデータ用に確保して車載LANを使用することにより、他の車載端末装置からのデータを受信することなくプログラムの更新処理が妨げられるのを防止することができる。
【0031】
また、1フレームの帯域に更新プログラムのデータ、制御データ、同期データ、非同期データを割り得てた場合には、プログラムの更新用に車載LANを優先的に使用することができるとともに、プログラムの更新に関係のない車載端末装置間でも必要最低限のデータの通信を行うことができる。
【0032】
また、本発明のプログラムの更新方法は、車載端末制御装置を車載LANを介して複数の車載端末装置に接続し、前記車載端末制御装置によって前記車載端末装置を制御しているプログラムの更新を行うプログラムの更新方法であって、更新プログラムを取得し、任意の車載端末制御装置に対してプログラムの更新処理を行うことを複数の前記車載端末制御装置に通知する工程と、車載端末装置により送信される前記更新通知を確認する工程と、前記任意の車載端末制御装置のプログラムを更新する工程とを含んでなる。
【0033】
このような方法により、複数の車載端末装置に車載LANを介して車載端末制御装置を接続し、この車載端末制御装置が取得したプログラムに基づいて車載端末装置のプログラムの更新を行うので、車載端末装置は、車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができる。
【0034】
また、プログラムの更新を行う際に複数の車載端末装置に対してプログラムの更新を行うことを通知することにより、複数の車載端末装置はプログラムを更新している車載端末装置があることを認識し、プログラムを更新している車載端末装置以外の車載端末装置と車載LANとの通信を制限するので、車載LAN上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第1の実施の形態を示す図であり、本実施の形態では、車載LANとしてMOST(Media Oriented System Technology)を用いた例を示している。
【0036】
まず、構成を説明する。図1において、通信システムは、車両に設けられた複数の車載端末装置1a、1b、......1nと、車載端末装置1に車載LAN2を介して接続された車載端末制御装置3と、車載端末制御装置3にネットワーク4を介して接続されたサーバー5とから構成されている。
【0037】
車載LAN2はプラスチック光ファイバ(POF)によって車載端末装置1と車載端末制御装置3を接続して車載端末装置1相互と車載端末制御装置3との間でMOSTプロトコルによってデータ通信を行うバスである。また、ネットワーク4は公衆回線網やインターネット網等の通信ネットワークである。
【0038】
車載端末制御装置3は、図2に示すように、車載端末制御装置3全体の制御を行なうCPU11と、CPU11が実行するプログラムや制御に使用するパラメータ等が記憶されたメモリ12と、車載LAN2の通信制御を行なう車載LAN制御手段13と、車載LAN2を介して車載端末装置1に更新するプログラムを提供するプログラム更新手段14と、プログラム更新手段14がプログラム更新を開始するときに車載LAN2に接続されている車載端末装置1に対してプログラム更新開始通知を送信するとともに、プログラムの更新が終了したときに更新終了通知を送信するプログラム更新通知手段15と、CD−ROM、DVDまたはメモリーカード等の記録媒体が挿入されるカートリッジを有し、このカートリッジに挿入されたCD−ROM、DVDまたはメモリーカードから更新プログラムを読み出す記録媒体制御手段16と、ネットワーク4との通信制御を行なうアンテナ18が接続された携帯電話等の無線通信制御手段17とを備えている。
【0039】
なお、本実施の形態ではプログラムの更新通知はプログラムの更新開始通知と更新終了通知を含むものとする。
【0040】
また、車載端末装置1は、オーディオ機器、ナビゲーション装置、ビデオゲーム装置、カーエアコン等の電子機器から構成されるものであり、この車載端末装置1は、図3に示すように、車載端末装置1全体の制御を行なうCPU21と、CPU21が実行するプログラムや制御に使用するパラメータ等が記憶されるメモリ22と、車載LAN2の通信制御を行なう車載LAN制御手段23と、車載LAN2を介して車載端末制御装置3からプログラム更新通知を受信するプログラム更新通知受信手段24と、受信したプログラム更新通知により車載端末装置1の各種機能を制御する装置制御手段25と、プログラム更新通知を受信したときに実行している処理が終了すると車載端末制御装置3に対して処理終了通知を送信する処理終了通知手段26とを備えている。
【0041】
本実施の形態では、プログラム更新通知受信手段24がプログラム更新通知を受信し、車載端末制御装置3から更新プログラムを受信すると、CPU21によってメモリ22に記憶されたプログラムを書き換えるようになっており、装置制御手段25はプログラムの更新時に他の車載端末装置1との通信を制限するようになっている。
【0042】
次に、図4の通信シーケンスに基づいてプログラムの更新方法を説明する。まず、車載端末制御装置3は、プログラム更新手段14によって更新プログラムを取得する。この更新プログラムを取得する方法としては、更新プログラムが記録されたCD−ROMやDVD、メモリーカードが記録媒体制御手段16のカートリッジに挿入されると、プログラム更新通知手段15が記録媒体制御手段16を介して更新プログラムを取得するか、若しくは、ネットワーク4を介してサーバー5から更新プログラムを取得する。
【0043】
ここで、車載端末装置1a用の更新プログラムを取得した場合には、プログラム更新手段14はプログラム更新通知手段15により車載LAN2に接続された全ての車載端末装置(1a、1b、1c......1n)に対してプログラム更新通知(開始)を送信する。このとき、全ての車載端末装置1はプログラム更新通知受信手段24によってプログラム更新通知を受信する。
【0044】
車載端末制御装置3からプログラム更新通知(開始)を送信すると、プログラム更新対象である車載端末装置1aに対してプログラム更新開始通知を送信した後、更新プログラムデータを送信する。このとき、装置制御手段25が車載LAN制御装置23を車載LAN2に接続し、更新プログラムを受信してメモリ22に記憶されたプログラムを書き換える。
【0045】
次いで、車載端末制御装置3から車載端末装置1aに全ての更新プログラムデータが送信されると、全ての車載端末装置(1a、1b、1c......1n)に対してプログラム更新通知(終了)を送信する。車載端末装置1はプログラムの更新時に装置制御手段25によって車載LAN2との通信を制限する。
【0046】
このように、本実施の形態では、複数の車載端末装置1に車載LAN2を介して車載端末制御装置3を接続し、この車載端末制御装置3が取得したプログラムに基づいて車載端末装置1のプログラムの更新を行うので、車載端末装置1は、車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができる。
【0047】
また、プログラムの更新を行う際に複数の車載端末装置1に対してプログラムの更新を行うことを通知することにより、複数の車載端末装置1はプログラムを更新している車載端末装置1があることを認識し、プログラムを更新している車載端末装置1a以外の車載端末装置1と車載LAN2との通信を制限するので、車載LAN2上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる。
【0048】
なお、車載端末制御装置3は、プログラム更新開始通知およびプログラム更新終了通知の送信を車載端末装置1に対して個々に実行せず、一斉同報により送信するようにしても良く、このようにしても上述した効果を得ることができる。また、車載端末制御装置3の機能を車載LAN2に接続されているどれか1台の車載端末装置1で実現しても良く、このようにした場合でも上述した効果を得ることができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、車載端末装置1にプログラムの更新開始通知を行っているが、これに限らず、図5に示すように、車載端末装置1aの車載LAN2上のアドレスや車載端末装置1aの名前、車載端末装置1aの機能(車載端末装置1がナビゲーションであれば、ナビゲーションの機能)等の装置情報を全ての車載端末制御装置3に送信するようにしても良い。
【0050】
また、このときに車載端末装置1aは、車載端末制御装置3からプログラム更新開始通知および車載端末装置1aの装置情報を受信すると、処理終了通知手段26が現在実行中の処理が終了したか否かを判別し、処理が終了したときに車載端末制御装置3に処理終了通知を送信する。そして、処理終了通知を受信した車載端末制御装置3はプログラム更新手段14によって車載端末装置1aに対して更新プログラムデータを送信する。
【0051】
このようにすれば、全ての車載端末装置1がプログラムを更新する車載端末装置1aを特定して認識することができ、車載端末装置1aで実行中の処理が中断されるのを防止することができる。
(第2の実施の形態)
図1乃至図7は本発明に係る通信システムの第2の実施の形態を示す図である。
【0052】
本実施の形態は、車載端末制御装置3の車載LAN制御手段13が車載端末装置1にデータを送信するときに車載LAN2の1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域を可変するようにしているものである。また、車載端末装置1の車載LAN制御装置23は、車載LAN制御装置13で1フレーム中に割当てられる更新プログラムを受信するようになっており、可変データ受信手段を構成している。
【0053】
具体的には、MOSTはデータをフレーム単位として転送するようになっており、リング状に接続された各ノードをフレームが次々に一方向に転送されるようになっている。
【0054】
ここで、車載LAN上で通常のデータを転送する際のフレーム構成は、図6(a)に示すように1フレームが22.5Mbpsの伝送レートであり、1フレーム中にSyncデータ(音楽データ、動画データ等の同期を必要とするデータ)、Asyncデータ(更新プログラム、IPパケット等の非同期で扱えるデータ)、Ctlデータ(制御用のデータ)を同じ割合で割り当てた場合には、SyncデータおよびAsyncデータがそれぞれ10Mbpsの帯域を確保することになる(Ctlは2.5Mbpsで固定)。
【0055】
また、車載LAN上で更新データを転送する場合には、図6(b)に示すように、1フレーム中の帯域にAsyncデータを割り当てると、20Mbpsの帯域を確保することができる。しかしながら、このように1フレーム中にAsyncデータを割り得てた場合でも、Asyncデータ用に確保した帯域の全てを更新プログラムのデータ転送に使用することはできず、Asyncデータ全ての通信が行われるため、更新プログラムのデータに割り当てられる帯域はLANの状況に依存してしまう。
【0056】
すなわち、MOSTのように物理層に自動車用アプリケーション向けに設計されたプラスチック光ファイバによる高速なバスを用いた車載LANでは、通信プロトコルにおいて1フレームに割り当てられるデータが上述したように一定の転送レートの同期データ、非同期データおよび制御データとで割り当てられているので、1フレーム全てに更新プログラムのデータを割り当てることができない。
【0057】
これに対して、本実施の形態では、1フレーム中に割り当てられる更新プログラムの帯域を可変することにより、例えば、図7(a)に示すように、1フレームの20Mbpsの帯域にシステムを制御するために必要不可欠なCtlデータ以外に更新プログラムのデータを割り得てることにより、車載LAN2の帯域を更新プログラムのデータ用に確保して車載LAN2を使用することができ、他の車載端末装置1からのデータを受信することなくプログラムの更新処理が妨げられるのを防止することができる。
【0058】
また、図7(b)に示すように1フレームの帯域にSyncデータ、Asyncデータ、Ctlデータ、更新プログラムのデータを割り得てた場合には、プログラムの更新用に車載LAN2を優先的に使用することができるとともに、プログラムの更新に関係のない車載端末装置1間でも必要最低限のデータの通信を行うことができる。
【0059】
(第3の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第3の実施の形態を示す図である。
【0060】
本実施の形態は、車載LAN制御手段13が、複数の車載端末装置1の中で、プログラムの更新を行う車載端末装置1の優先順位が高くなるように車載LAN2を制御することを特徴とするものである。
【0061】
すなわち、車載端末装置1aのプログラムを更新する場合には、車載LAN制御手段13は、プログラム更新開始時にプログラム更新対象である車載端末装置1aの車載LAN2の利用優先順位を高く設定する。そして、プログラム更新手段14は更新プログラムデータを車載端末装置1aに送信し、送信終了後に車載LAN制御手段13によりプログラム更新対象である車載端末装置1aの車載LAN2の利用優先順位をプログラム更新開始前の優先順位に戻す。
【0062】
このように本実施の形態では、プログラムの更新を行う車載端末装置1aの優先順位を高くすることにより、車載LAN2を優先的に使用することができ、プログラムの更新を行うための車載LANの転送効率を上げることができる。
【0063】
(第4の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第4の実施の形態を示す図である。
【0064】
本実施の形態では、車載端末装置1のプログラム更新通知受信手段24がプログラム更新通知を受信すると、装置制御手段25が車載LAN2を介して通信されるデータの種類に応じて通信制御を行うことを特徴としており、装置制御手段25がデータ種類制御手段を構成している。
【0065】
具体的には、車載端末装置1のプログラム更新通知受信手段24が、車載LAN2を介して車載端末制御装置3の送信したプログラム更新開始通知を受信すると、装置制御手段25にプログラム更新開始通知を通知する。プログラム更新開始通知が通知された装置制御手段25は、例えば、システムの制御データ(Ctl)の通信は許可するが、動画や音楽等のストリームデータの通信を許可しないというように、車載端末装置1が送信しようとするデータの種類から判断して通信を制御する。
【0066】
そして、プログラム更新終了後に車載端末制御装置3の送信したプログラム更新終了通知を受信すると、装置制御手段25は全ての種類のデータの通信を許可する。
【0067】
このように本実施の形態では、車載LAN2を介して通信されるデータの種類に応じて通信を行うことにより、システムの制御を行いつつ、プログラムの更新を行うことができる。また、制御データは比較的少ないデータ量であるので、プログラムを更新する際の車載LANの転送効率を上げることができる。
【0068】
(第5の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第5の実施の形態を示す図である。
【0069】
本実施の形態は、車載端末装置1のプログラム更新通知受信手段24がプログラム更新通知を受信すると、装置制御手段25が車載LAN2を介して通信されるデータの容量に応じて通信制御を行うことを特徴としており、装置制御手段25がデータ転送量制御手段を構成している。
【0070】
具体的には、車載端末装置1のプログラム更新通知受信手段24が、車載LAN2を介して車載端末制御装置3の送信したプログラム更新開始通知を受信すると、装置制御手段25にプログラム更新開始通知を通知する。プログラム更新開始通知が通知された装置制御手段25は、例えば1kByte以下の容量のデータであれば通信を許可するが、1kByte以上の容量のデータであれば通信を許可しないというように、車載端末装置1が送信しようとするデータの容量から判断して通信を制御する。そして、プログラム更新終了後に車載端末制御装置3の送信したプログラム更新終了通知を受信すると、装置制御手段25は全ての容量のデータの通信を許可する。
【0071】
このように本実施の形態では、車載LAN2を介して通信されるデータの容量に応じて通信を行うことにより、上述したようにプログラム更新中には大量のデータ通信を行わないように制御することにより、プログラム更新のために車載LANの転送効率を上げることができる。
【0072】
(第6の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第6の実施の形態を示す図である。
【0073】
本実施の形態は、プログラム更新通知を受信すると、装置制御手段25が車載端末装置1が保有する機能(ナビゲーションとしての機能、オーディオとしての機能等)を制限して通信制御を行うことを特徴としており、装置制御手段25が機能制限制御手段を構成している。
【0074】
具体的には、車載端末装置1のプログラム更新通知受信手段24が、車載LAN2を介して車載端末制御装置3の送信したプログラム更新開始通知を受信すると、装置制御手段25にプログラム更新開始通知を通知する。プログラム更新開始通知が通知された装置制御手段25は、例えば、DVD−VideoやCDの再生機能は使用不可とするが、メール機能は使用可能とするように、車載端末装置1が実行しようとする車載LAN2を使用する機能から判断し通信を制御する。
【0075】
そして、プログラム更新終了後に車載端末制御装置3の送信したプログラム更新終了通知を受信すると、装置制御手段25は全ての機能の実行を許可する。
【0076】
このような構成により、車載LAN2を利用して車載端末装置1が大量のデータを通信する機能を使用しないように制御することにより、プログラムを更新するために車載LANの転送効率を上げることができる。
【0077】
(第7の実施の形態)
図1乃至図5は本発明に係る通信システムの第7の実施の形態を示す図である。
【0078】
本実施の形態では、車載LAN2の単位時間当たりのデータの転送量を車載LAN制御手段13によって監視し、プログラム更新手段14が車載LAN制御手段13の監視結果に基づいて単位時間当たりのデータの転送量が少ないときにプログラムの更新を開始することを特徴としており、車載LAN制御手段13が監視手段を構成している。
【0079】
具体的には、プログラム更新通知手段15が車載LAN制御手段13に対してプログラム更新開始通知の送信を要求すると、車載LAN制御手段13は、車載LAN2上に流れるパケット数をカウントして単位時間あたりのパケット数からトラフィックを算出したり、車載端末装置1の車載LAN制御手段23から通信しているデータサイズ等の通信情報を取得することでトラフィックを算出することにより、車載LAN2のトラフィックを監視し、トラフィックが小さくなった時点でプログラム更新通知手段15によってプログラム更新開始通知を送信し、プログラム更新手段14によってプログラム更新処理を開始する。
【0080】
このように本実施の形態によれば、車載LAN2の単位時間当たりのデータの転送量が少ないときにプログラム更新を開始することにより、プログラム更新のために車載LAN2の転送効率を上げることができる。
【0081】
なお、上記各実施の形態の形態では、車載LANとしてMOSTネットワークを構築する例を示しているが、MOST以外のネットワークに適用することができることは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、車載LAN以外の通信プロトコルを制御する手段を持たなくても更新プログラムを取得することができるとともに、車載LAN上の更新プログラムの転送効率を向上させることができる通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1乃至第7の実施の形態の通信システムのブロック図
【図2】本発明に係る第1乃至第7の実施の形態の車載端末制御装置のブロック図
【図3】本発明に係る第1乃至第7の実施の形態の車載端末装置のブロック図
【図4】本発明に係る第1乃至第7の実施の形態のプログラムの更新処理のシーケンス図
【図5】本発明に係る第1の実施の形態のプログラムの更新処理の他のシーケンス図
【図6】本発明に係る第2の実施の形態と比較するための1フレーム中のデータの割り当てを示す比較例
【図7】本発明に係る第2の実施の形態の1フレームのデータの割り当てを示す図
【符号の説明】
1 車載端末装置
2 車載LAN
3 車載端末制御装置
13 車載LAN制御手段(監視手段)
14 プログラム更新手段
15 プログラム更新通知手段
23 車載LAN制御手段(可変データ受信手段)
24 プログラム更新通知受信手段
25 装置制御手段(データ種類制御手段、データ転送量制御手段、機能制限制御手段)
26 処理終了通知手段

Claims (11)

  1. プログラムによって制御される複数の車載端末装置と、車載LANを介して前記車載端末装置に接続され、前記車載端末装置のプログラムの更新を行う車載端末制御装置とを備え、
    前記車載端末制御装置は、前記車載端末装置のプログラムの更新を行うプログラム更新手段と、前記複数の車載端末装置のうちの任意の車載端末装置のプログラムの更新を行うときに、前記複数の車載端末装置に対してプログラムの更新を行うことを通知するプログラム更新通知手段とを有し、
    前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知手段から通知された通知情報を受信するプログラム更新通知受信手段を備え、プログラムを更新している車載端末装置以外の車載端末装置と前記車載LANとの通信を制限することを特徴とする通信システム。
  2. 前記車載端末制御装置は、データの送信時に前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域を可変する車載LAN制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  3. 前記車載端末制御装置は、前記複数の車載端末装置の中で、プログラムの更新を行う車載端末装置の優先順位が高くなるように前記車載LANを制御する車載LAN制御手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信システム。
  4. 前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載LANを介して通信されるデータの種類に応じて通信制御を行うデータ種類制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の通信システム。
  5. 前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載LANを介して通信されるデータの容量に応じて通信制御を行うデータ転送量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の通信システム。
  6. 前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信すると、前記車載端末装置が保有する機能を制限して通信制御を行う機能制限制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の通信システム。
  7. 前記車載端末装置は、前記車載LANの単位時間当たりのデータの転送量を監視する監視手段を有し、前記プログラム更新手段は、前記単位時間当たりのデータの転送量が少ないときにプログラムの更新を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の通信システム。
  8. 前記車載端末装置は、前記プログラム更新通知を受信したとき、現在実行している処理が終了してから前記車載端末制御装置に処理終了通知を行う処理終了通知手段を備え、
    前記車載端末制御装置のプログラム更新手段は、前記処理終了通知を受信したときに前記プログラム更新手段によりプログラムの更新を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の通信システム。
  9. プログラムによって制御される複数の車載端末装置に車載LANを介して接続可能な車載端末制御装置であって、
    前記車載端末装置のプログラムの更新を行うプログラム更新手段と、前記複数の車載端末装置のうちの任意の車載端末装置のプログラムの更新を行うときに、前記複数の車載端末装置に対してプログラムを更新することを通知するプログラム更新通知手段と、データの送信時に前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域を可変する車載LAN制御手段とを備えたことを特徴とする車載端末制御装置。
  10. 車載LANを介して車載端末制御装置に接続され、前記車載端末制御装置から送信される更新プログラムに基づいて自己のプログラムを更新するようにした車載端末装置であって、
    前記車載端末制御装置からプログラムの更新通知が行われたとき、前記更新通知を受信するプログラム更新通知受信手段と、前記車載LANの1フレーム中に割当てられる更新プログラムの帯域が可変されたデータを受信する可変データ受信手段とを備えたことを特徴とする車載端末装置。
  11. 車載端末制御装置を車載LANを介して複数の車載端末装置に接続し、前記車載端末制御装置によって前記車載端末装置を制御しているプログラムの更新を行うプログラムの更新方法であって、
    更新プログラムを取得し、任意の車載端末制御装置に対してプログラムの更新処理を行うことを複数の前記車載端末制御装置に通知する工程と、
    車載端末装置により送信される前記更新通知を確認する工程と、
    前記任意の車載端末制御装置のプログラムを更新する工程とを含んでなることを特徴とするプログラムの更新方法。
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