JP2004288859A - 電界効果型トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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潔 藤本
Hisashi Okamura
寿 岡村
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Abstract

【課題】電界効果移動度及びオン・オフ比が大きく、簡便な方法で作製できる電界効果型トランジスタを提供する。
【解決手段】本発明の電界効果型トランジスタは、半導体層、ゲート電極及びゲート絶縁膜を具備する電界効果型トランジスタであり、前記半導体層が側鎖にπ共役系からなる繰り返し単位を含む櫛形ポリマーを含有することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、櫛形ポリマーを半導体層に用いた電界効果型トランジスタに関し、特に生産性に優れ、オン・オフ比が大きくスイッチング素子として有用な電界効果型トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン等の有機高分子化合物は半導体的性質を示し、シリコン、ガリウム砒素等の無機系の材料にない可撓性を有している。π共役系高分子化合物の場合、置換基の導入により有機溶剤に可溶な化合物が合成可能であり、スピンコート法、ディッピング法(浸漬法)等の簡便な方法で薄膜を形成することも可能である。このような理由から、これまでにπ共役系高分子化合物を使用した整流素子や電界効果型トランジスタが試作され、一定の特性が得られている。
【0003】
π共役系高分子化合物を電界効果型トランジスタの半導体層として用いた従来例としては、電解重合によりπ共役系高分子薄膜を形成するもの(例えば、特許文献1参照。)、π共役系高分子化合物の溶液又はπ共役系高分子化合物前駆体の溶液を塗布するもの(例えば、特許文献2参照。)等がある。
【0004】
有機化合物を用いた電界効果型トランジスタを、アクティブマトリクス式液晶ディスプレイの画素駆動素子に応用する検討がなされている。この場合、オン・オフ比が高いこと、すなわちオフ電流(ゲート電圧が0Vの時にソース・ドレイン間に流れる電流)が小さく、かつオン電流(ゲート電極に電圧を印加した時にソース・ドレイン間に流れる電流)が大きいことが、コントラストの向上や応答の高速化において要求される。
【0005】
オフ電流を低減するためには、オフ時の半導体層の導電率が低いことが必要である。また、オン電流に関しては電界効果移動度の値が重要である。一般に電界効果型トランジスタにおいて、ソース・ドレイン間に充分な電圧を印加したときに両電極間に流れる電流I は、次式で表されることが知られている(ただしオン電流のみ考慮する。)。
=(W/2L)×μC ×(V−Vth
(W:チャネル幅、L:チャネル長、μ:電界効果移動度、C :ゲート絶縁膜の単位面積当たりのキャパシタンス、V:ゲート電圧、Vth:閾電圧)
【0006】
ここで、電界効果移動度μは、電界効果型トランジスタのオン電流とゲート電圧との関係から求められ、オン時に半導体層を流れる電流の実効的なキャリア移動度を表す。上式からわかるように、電界効果型トランジスタにおいて大きいオン電流を得るためには、電界効果移動度μが大きいことが必要となる。
【0007】
初期のπ共役系高分子電界効果型トランジスタは、オン電流が低くオン・オフ比も小さかった。オン電流の向上とオン・オフ比の向上のために、これまでに種々の工夫が試みられてきた。半導体層に新材料を適用することにより、π共役系高分子化合物を電界効果型トランジスタの半導体層として用いた例としてはかなり高い電界効果移動度(1×10−1 cm /V・sec)が得られている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この例ではオン電流とともにオフ電流(ゲート電圧が0Vの時にソース・ドレイン間に流れる電流)も増加してしまっており、オン・オフ比は向上していない。
【0008】
オン・オフ比を向上させることを優先し、特にオフ電流を低減することによりオン・オフ比5桁を実現したπ共役系高分子電界効果型トランジスタが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、この場合電界効果移動度は2×10−4 cm/V・secに止まっており、オン電流を大きくすることはできない。以上のように、従来オフ電流の低減とオン電流の向上を同時に行うことは困難であった。
【0009】
オン電流を大きくし、かつオン・オフ比を大きくする技術として、ゲート電極の上にキャリア密度の異なる2種類の有機半導体層を積層し、ゲート電極からの電圧印加に応じて二つの有機層の間でキャリアを移動させることによりソース・ドレイン間の電気伝導度を変化させる方法が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかし、この方法は半導体層形成に二段階の手順を必要とし、煩雑である。
【0010】
π共役系高分子膜の導電率を向上させる目的で、延伸処理により分子鎖の配列状態を制御する試みが多数行われており、延伸処理膜の導電率の異方性が多数観測されている。また、分子鎖の結晶化が進むと導電率が向上することも知られている。このように分子鎖の配列状態は電気伝導特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。このことから、π共役系高分子電界効果型トランジスタの電界効果移動度は、半導体層における分子鎖の配列状態に大きく依存すると考えられる。
【0011】
ソース・ドレイン間に電圧を印加し、ゲート電極に電圧を印加することによってソース・ドレイン間にオン電流が流れるのは、半導体層とゲート絶縁膜との界面付近に伝導チャネルが形成されるためであると考えられている。一方、界面付近に伝導チャネルが形成されていなくても、ソース・ドレイン間に電圧を印加すれば、半導体層が完全な絶縁体でない限り半導体層とゲート絶縁膜との界面付近以外の領域(バルク)を経由してソース・ドレイン間にわずかながら電流が流れる。これがオフ電流の原因である。半導体層全体に対してドーピングを施したり、キャリア移動度を向上させて半導体層全体の導電率を増加させると、オン電流も増加するがバルクを流れるオフ電流の増加も引き起こされる。それに対し、半導体層のバルクを流れる電流のキャリア移動度を増加させずに、絶縁層との界面付近のみ分子鎖の配列制御を行い、この部分を流れる電流に対してだけキャリア移動度を増加させれば、オフ電流をほとんど増加させずにオン電流を増加させることができる。
【0012】
固体表面の横方向に配向したπ共役系高分子重合体を形成する技術としては、化学吸着単分子膜を用いる方法がある(例えば、特許文献4参照。)。これはSi−Cl基と、π共役系モノマー部分を有する分子を固体表面に化学吸着させて単分子膜を形成した後、重合反応を行うことにより固体表面に固定されたπ共役系高分子膜を得る方法である。しかし、この方法では一連の作業で単分子層のπ共役系高分子超薄膜しか得られないため、この方法を電界効果型トランジスタの半導体層として用いた場合、充分な大きさの電流を流すことは困難である。
【0013】
以上述べたように、π共役系高分子を半導体層に用いた従来の電界効果型トランジスタは、オン電流の向上とオフ電流の低減を同時に行うことが困難であり、この問題を改善するための技術は煩雑なものであった。
【0014】
【特許文献1】
特開昭62−85467号公報
【特許文献2】
特開平5−110069号公報
【特許文献3】
特開平5−48094号公報
【特許文献4】
特開平5−186531号公報
【非特許文献1】
「アプライド・フィジクス・レター(Applied Physics Letter)」, 1993年, 第62巻, p.1794
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電界効果移動度及びオン・オフ比が大きく、簡便な方法で作製できる電界効果型トランジスタを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、下記の1〜11の手段により電界効果移動度及びオン・オフ比が大きい電界効果型トランジスタ及びそれを用いた画像表示装置を簡便な方法で作製できることを発見し、本発明に想到した。
1. 半導体層、ゲート電極及びゲート絶縁膜を具備する電界効果型トランジスタにおいて、前記半導体層がπ共役系からなる繰り返し単位を側鎖に含む櫛形ポリマーを含有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
2. 前記π共役系からなる繰り返し単位が一般式(1):
【化2】
Figure 2004288859
(一般式(1)中、R及びRはそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表し、R及びRは互いに連結して環状構造を形成していてもよい。)で表されることを特徴とする1に記載の電界効果型トランジスタ。
3. 前記櫛形ポリマーの主鎖がビニル重合体であることを特徴とする1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
4. 前記一般式(1)中のポリチオフェン部位を構成するモノマーユニットが3−アルキル置換チオフェンであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
5. 前記一般式(1)中のポリチオフェン部位を構成するモノマーユニットが3−アルキル置換チオフェンであり、且つポリチオフェンの構造がhead−to−tail型異性体であることを特徴とする1〜4のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
6. 下記▲1▼〜▲4▼の構成要素を備える1〜5のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
▲1▼ ソース領域及びドレイン領域。
▲2▼ 前記ソース領域と前記ドレイン領域を連結する半導体層。
▲3▼ 前記半導体層との間に所定の間隔を設けて配置されたゲート領域。
▲4▼ 前記ゲート領域と、前記ソース領域、前記ドレイン領域及び前記半導体層との間に設けられたゲート絶縁膜。
7. 半導体層、ゲート酸化膜、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域からなる群から選ばれた少なくとも1つが塗布法によって形成されていることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
8. 半導体層、ゲート酸化膜、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域からなる群から選ばれた少なくとも1つが転写法によって形成されていることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
9. 半導体層、ゲート酸化膜、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域からなる群から選ばれた少なくとも1つが印刷法によって形成されていることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
10. 半導体層、ゲート酸化膜、ソース領域、ドレイン領域及びゲート領域からなる群から選ばれた少なくとも1つがインクジェット法によって形成されていることを特徴とする1〜6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
11. 1〜10のいずれかに記載の電界効果型トランジスタをスイッチング素子に用いた画像表示装置。
12. 半導体層、ゲート電極及びゲート絶縁膜を具備する電界効果型トランジスタの製造方法において、前記半導体層を櫛形ポリマーを有機溶媒に溶解した塗布液を塗布・乾燥することにより形成することを特徴とする方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
[1] 櫛形ポリマー
本明細書において櫛形ポリマーとは、繰り返し単位を有する主鎖と、繰り返し単位を有する側鎖からなるポリマーであり、グラフトポリマーの一種である。櫛形ポリマーの側鎖に含まれるπ共役系からなる繰り返し単位は、キャリアを伝導することを目的としており、キャリアの移動度を著しく阻害しない限り特に制限はないが、部分構造として芳香族、縮合環型芳香族、複素環芳香族、芳香族アミン等を含むのが好ましく、具体的には芳香環(複素芳香環を含む)又は縮合した芳香環を含むのが好ましい。好ましい例としては芳香環基(フェニル基、ナフタレン残基、アントラセン残基、ピレン残基、ペンタセン残基等)、複素芳香環基(イミダゾール残基、ベンズイミダゾール基、カルバゾール残基、N−アルキル又はアリールカルバゾール残基、トリアジン残基、フェナントレン残基、オキサゾール残基、オキサジアゾール残基、インドール残基、チオフェン残基、ベンゾチオフェン残基、セレノフェン残基等)等を含む構造が挙げられる。芳香環に窒素原子、硫黄原子、セレン原子等が結合した構造を含むのも好ましく、これらの構造の好ましい例としては4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジイソプロピルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジブチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジベンジルアミノ)フェニル基等のジアルキルフェニルアミン残基を含む構造、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−{N,N−ビス(4−メトキシフェニル)アミノ}フェニル基等のトリフェニルアミン残基を含む構造、4−フェニルチオフェニル基、4−フェニルセレノフェニル基、2−フェニルチオチオフェン残基等が挙げられる。
【0017】
本発明の電界効果型トランジスタに用いる櫛形ポリマーは、下記一般式(1)で表されるπ共役系からなる繰り返し単位を側鎖に含むのが好ましい。
【0018】
【化3】
Figure 2004288859
【0019】
一般式(1)中、R及びRはそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表し、R及びRは互いに連結して環状構造を形成してもよい。
【0020】
櫛形ポリマーの主鎖はビニル重合体であるのが好ましく、下記一般式(2)で表される繰り返し構造を有するビニル重合体であるのが特に好ましい。櫛形ポリマーの主鎖はホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
【0021】
【化4】
Figure 2004288859
【0022】
一般式(2)中、R〜Rはそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表し、R及びRとR及びRはそれぞれ互いに連結して環状構造を形成してもよい。Rは水素原子又はメチル基が好ましい。nは1以上の整数を表し、2〜10の整数が好ましい。
【0023】
一般式(2)で表される繰り返し単位を有する櫛形ポリマーは、例えば、ポリチオフェンの一方の末端部位にビニル基を導入した化合物をマクロモノマーとして用いて合成することができる。ポリチオフェンの末端部位にビニル基を導入する方法としては、例えばJ. Liuら著, 「Angew. Chem. Int. Ed.」, 2002年, 第41巻, p.329に記載の方法を用いることができる。以下に一般式(2)で表される繰り返し単位を有する櫛形ポリマー(A)の合成スキームを例示する。ただし、このスキームに限定されるものではない。
【0024】
【化5】
Figure 2004288859
上記式中、R及びXはそれぞれ1価の基を表し、l及びmは共重合比を表す。
【0025】
一般式(1)で表されるπ共役系からなる繰り返し単位、又は一般式(2)で表される繰り返し単位を有する櫛形ポリマーにおいて、オリゴチオフェン構造単位に含まれるR及びRはそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基であり、R及びRが互いに連結して環状構造を形成していてもよい。R及びRは同一でも異なっていても良いが、R及びRが異なる組み合わせが好ましく、特にR及びRのいずれか一方が水素で、他方がアルキル基である組み合わせが好ましい。この場合、アルキル基は炭素数4〜22のアルキル基が好ましく、炭素数6〜10のアルキル基が特に好ましい。ポリチオフェンにはその重合様式によりhead−to−tail型、head−to−head型、ランダム型等の異性体が存在するが、櫛形ポリマー構造に用いるポリチオフェンはいずれの異性体でもよい。中でもhead−to−tail型及びhead−to−head型異性体が好ましく、head−to−tail型異性体が特に好ましい。
【0026】
櫛形ポリマーの主鎖を形成するモノマーはビニル基を有するものなら特に制限はなく、例えばスチレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、酢酸ビニル及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体、メタクリルアミド及びその誘導体等を挙げることができる。以下に本発明に用いることのできる櫛形ポリマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化6】
Figure 2004288859
【0028】
【化7】
Figure 2004288859
【0029】
【化8】
Figure 2004288859
【0030】
【化9】
Figure 2004288859
【0031】
【化10】
Figure 2004288859
【0032】
本発明の電界効果トランジスタに用いる櫛形ポリマーは、例えば、野瀬卓平・中浜精一・宮田清蔵編, 「大学院 高分子科学」, (株)講談社サイエンティフィク, 1997年発行等の文献やそれらに引用されている文献に記載されている方法により合成することができる。
【0033】
[2] 電界効果トランジスタ
本発明の電界効果トランジスタのゲート領域、ソース領域及びドレイン領域に用いる電極の材料は導電性材料であれば特に限定されず、例えば白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、これらの金属の合金、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、ドーピング等で導電率を向上させた無機及び有機半導体(シリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等)、これらの材料の複合体等が挙げられる。特にソース領域及びドレイン領域に用いる電極の材料は、上記の材料の中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
【0034】
ゲート絶縁膜は、誘電率が高く導電率が低い膜が好ましい。ゲート絶縁膜の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、ポリエチレン、ポリイミド等が挙げられる。
【0035】
電極やゲート絶縁膜を設置する手段は特に限定されず、蒸着法、スパッタ法等の乾式法、塗布法、印刷法、インクジェット法等の湿式法、転写法等を用いることができる。湿式法としては、電極材料の溶液を使用する方法、電極材料の微粒子を溶媒に分散させた分散物を使用する方法等を用いることができる。
【0036】
半導体層の作製法としては、非水系有機溶媒に上記櫛形ポリマーを溶解し、塗布・乾燥する方法が好ましい。非水系有機溶媒の例としては、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塗布方法としては、スピンキャスト法、ディッピング法、滴下法、凸版又は凹版印刷法、インクジェット法等が挙げられる。また、櫛形ポリマーは他の化合物と混合して用いることもできる。混合できる化合物としては高分子材料が好ましく、特に半導体の性質を示す高分子材料が好ましい。半導体層の厚さは特に限定されないが、1nm〜10μmが好ましく、10 nm〜5μmがさらに好ましく、50 nm〜2μmが特に好ましい。本発明の電界効果型トランジスタの構造は特に限定されず、薄膜型であっても円筒型等の立体型であってもよい。
【0037】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
図1は本実施例による櫛形ポリマー電界効果型トランジスタの構造を示す。まず、無アルカリガラスからなる基板1上にクロムを蒸着し、ゲート電極2とした。ゲート電極2を形成した基板1上に、スパッタ法により酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜3を2000オングストロームの厚さで製膜した。さらにクロム及び金を順次蒸着し、光リソグラフィーによりソース電極4及びドレイン電極5を形成した。この基板を濃度10%のフッ酸に浸漬することにより表面親水化処理をした後、化合物4の2wt%溶液に浸漬し、ゆっくり引き上げることにより半導体層6を形成した。
【0039】
以上の手順でチャネル長10μm、チャネル幅1mm、及び半導体層の厚さ約0.2μmの櫛形ポリマー電界効果型トランジスタを得た。このトランジスタの電界効果移動度は5×10−3 cm/V・sec、オン・オフ比は約5桁であった。
【0040】
実施例2
化合物4の代わりに化合物3を用いた以外、実施例1と同様にして櫛形ポリマー電界効果型トランジスタを得た。このトランジスタの電界効果移動度は2×10−3 cm/V・sec、オン・オフ比は約5桁であった。
【0041】
実施例3
化合物4の代わりに化合物9を用いた以外、実施例1と同様にして櫛形ポリマー電界効果型トランジスタを得た。このトランジスタの電界効果移動度は3×10−3 cm/V・sec、オン・オフ比は約5桁であった。
【0042】
実施例4
トランジスタの構造を図1に示す構造から図2に示す構造に変更した以外、実施例1と同様の方法により櫛形ポリマー電界効果型トランジスタを得た。このトランジスタの電界効果移動度は7×10−3 cm/V・sec、オン・オフ比は約5桁であった。
【0043】
比較例1
化合物4の代わりにポリ(3−ヘキシルチオフェン)(レジオレギュラー型、アルドリッチ社製)を用いた以外、実施例1と同様にして電界効果型トランジスタを得た。このトランジスタの電界効果移動度は2×10−4 cm/V・sec、オン・オフ比は約4桁であった。
【0044】
(評価)
以上の結果から明らかなように、π共役系からなる繰り返し単位を側鎖に含む櫛形ポリマーを半導体層に用いた実施例1〜4の電界効果型トランジスタは比較例1の電界効果型トランジスタに比べ電界効果移動度が高く、オン・オフ比を向上させることができた。これは側鎖に含まれるπ共役系によってキャリアの伝導性が良くなったためであると考えられる。
【0045】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば電界効果移動度が大きく、オン・オフ比が大きい櫛形ポリマー電界効果型トランジスタが簡便な方法により得られる。
【0046】
【その他】
国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成14年度、経済産業省、重点分野研究開発費(ナノテクノロジープログラム「ナノ機能粒子のカプセル成形技術の開発事業」)に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの)
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3の電界効果型トランジスタの構造を示す概略断面図である。
【図2】実施例4の電界効果型トランジスタの構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・ゲート電極
3・・・ゲート絶縁膜
4・・・ソース電極
5・・・ドレイン電極
6・・・半導体層

Claims (4)

  1. 半導体層、ゲート電極及びゲート絶縁膜を具備する電界効果型トランジスタにおいて、前記半導体層がπ共役系からなる繰り返し単位を側鎖に含む櫛形ポリマーを含有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 請求項1に記載の電界効果型トランジスタにおいて、前記π共役系からなる繰り返し単位が一般式(1):
    Figure 2004288859
    (一般式(1)中、R及びRはそれぞれ水素、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表し、R及びRは互いに連結して環状構造を形成していてもよい。)で表されることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  3. 請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタをスイッチング素子に用いた画像表示装置。
  4. 半導体層、ゲート電極及びゲート絶縁膜を具備する電界効果型トランジスタの製造方法において、前記半導体層を櫛形ポリマーを有機溶媒に溶解した塗布液を塗布・乾燥することにより形成することを特徴とする方法。
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