JP4345317B2 - 有機薄膜トランジスタ素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタ性能に優れる有機薄膜トランジスタ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。またさらに情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
【0003】
一般に平板型のディスプレイ装置においては液晶、有機EL、電気泳動などを利用した素子を用いて表示媒体を形成している。またこうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保するために、画像駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT)により構成されたアクティブ駆動素子を用いる技術が主流になっている。
【0004】
ここでTFT素子は、通常、ガラス基板上に、主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)などの半導体薄膜や、ソース、ドレイン、ゲート電極などの金属薄膜を基板上に順次形成していくことで製造される。このTFTを用いるフラットパネルディスプレイの製造には通常、CVD、スパッタリングなどの真空系設備や高温処理工程を要する薄膜形成工程に加え、精度の高いフォトリソグラフ工程が必要とされ、設備コスト、ランニングコストの負荷が非常に大きい。さらに、近年のディスプレイの大画面化のニーズに伴い、それらのコストは非常に膨大なものとなっている。
【0005】
近年、従来のTFT素子のデメリットを補う技術として、有機半導体材料を用いた有機TFT素子の研究開発が盛んに進められている(特許文献1、非特許文献1等参照)。この有機TFT素子は低温プロセスで製造可能であるため、軽く、割れにくい樹脂基板を用いることができ、さらに、樹脂フィルムを支持体として用いたフレキシブルなディスプレイが実現できると言われている(非特許文献2参照)。また、大気圧下で、印刷や塗布などのウェットプロセスで製造できる有機半導体材料を用いることで、生産性に優れ、非常に低コストのディスプレイが実現できる。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−190001号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平9−232589号公報
【0008】
【特許文献3】
国際公開00/79617号パンフレット
【0009】
【非特許文献1】
Advanced Material誌 2002年 第2号 99
頁(レビュー)
【0010】
【非特許文献2】
SID‘02 Digest p57
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
有機薄膜トランジスタ素子は、Si材料を用いたものに比べてキャリア移動度が低く、性能が劣るという問題を有する。
【0012】
その問題を解消する手段として、特許文献2には配向膜を有機半導体層に隣接させて分子整合させることにより、そのキャリア移動度を向上させることが、非特許文献1には移動度向上のため、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロメチルシラザンにより、シリコン熱酸化膜に配向膜を形成することが、特許文献3には半導体ポリマーを融点以上に加熱した際の液晶性と隣接する配向膜を利用することにより有機半導体の配向処理を行い、有機半導体層の移動度を向上させることが、それぞれ記載されている。
【0013】
しかしながらこれらの従来技術では、キャリア移動度向上の効果が低く、したがってon/off比が小さいという問題がある。
【0014】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機薄膜トランジスタ素子のキャリア移動度を向上させて、on/off比を高くすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、
1) 酸化チタンを含有するゲート絶縁層と有機半導体層との界面に有機酸からなる配向膜を形成する有機薄膜トランジスタ素子、
2) 有機酸が脂肪族カルボン酸である1)に記載の有機薄膜トランジスタ素子、
3) 支持体上にゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層をこの順に有する1)又は2)に記載の有機薄膜トランジスタ素子、
によって達成される。
【0016】
即ち本発明者は、配向膜を有機半導体層に隣接させる有機TFT素子に、酸化チタンを含有するゲート絶縁層を導入して、性能が大きく向上することを見出し本発明に至った。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳しく述べる。
【0018】
本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、支持体上に有機半導体からなるチャネル(有機半導体層)で連結されたソース電極とドレイン電極を有し、その上にゲート絶縁層を介してゲート電極を有するトップゲート型と、支持体上にまずゲート電極を有し、ゲート絶縁層を介して有機半導体チャネルで連結されたソース電極とドレイン電極を有するボトムゲート型に大別される。
【0019】
そして本発明の有機薄膜トランジスタ素子は、有機半導体層の少なくとも一方の界面に配向膜が形成され、ゲート絶縁層が酸化チタンを含有することを特徴とする。
【0020】
本発明の配向膜には、所謂シランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤を用いることができる。配向膜の厚みは、配向膜の材料にもよるが、1nm〜100nmが好ましく、単分子膜を形成することがより好ましい。
【0021】
配向膜の原料としては、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリクロロメチルシラザンのようなやアルキルハロゲノシラン類、アルキルハロゲノチタン類や、SiまたはTiのアルコキシド類を用いることができる。Siのアルコキシドの例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−s−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。またTiのアルコキシドについては、上記のSiアルコキシドのSiをTiに置換した化合物を用いることができる。
【0022】
また、配向膜を構成するのは有機酸およびヘテロ有機酸も好ましく、有機カルボン酸、有機ホスフィン酸、有機スルホン酸を用いることができる。有機カルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アラキジン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
【0023】
有機ホスフィン酸としては、オクチルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸等が挙げられる。
【0024】
有機スルホン酸としては、オクチルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルスルホン酸等が挙げられる。
以上の有機酸およびヘテロ有機酸の中で、炭素数が10〜30のもの、さらには炭素数15〜25のものが好ましく、特に炭素数15〜25の長鎖脂肪族カルボン酸であることが好ましい。
【0025】
これら配向膜の形成方法としては、配向膜の材料を、任意の溶媒、たとえば、アルコール系溶媒や、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンなどの非極性有機溶媒に、溶解または分散した塗布液を塗布し、あるいは塗布液に浸漬した後に、キャスト(乾燥)して形成してもよい。また、必要に応じて、塗布または浸漬またはキャスト中に熱処理を施してもよい。
【0026】
配向膜としては、液晶ディスプレイなどに用いられる公知の技術、例えば特開平9−194725、同9−258229に記載される技術も用いることができ、膜形成後にラビング処理を行うことが好ましい。米国特許第5,468,519号等に記載された電磁場中で配向させる方法を利用してもよい。
【0027】
ゲート絶縁層は酸化チタンを含有する種々の絶縁膜を用いることができる。他の成分としては比誘電率の高い無機酸化物が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタルである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
【0028】
皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
【0029】
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
【0030】
これらのうち好ましいのは、連続かつ表面が平滑な被膜を簡易なプロセスで形成できる大気圧プラズマ法である。
【0031】
大気圧下でのプラズマ製膜処理を大気圧プラズマ法と称し、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406、同11−133205、特開2000−121804、同2000−147209、同2000−185362等に記載されている。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
【0032】
本発明においては、ボトムゲート型のTFT素子とし、本発明に係るゲート絶縁層上に配向膜を介して有機半導体層を形成すると、その効果を遺憾なく発揮でき、トランジスタ特性の向上がより顕著であって好ましい。
【0033】
チャネルを構成する有機半導体材料としては、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790に記載された多環縮合体などを用いることができる。
【0034】
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するたとえばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。
【0035】
さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N’−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
【0036】
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0037】
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
【0038】
本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
【0039】
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
【0040】
これら有機薄膜の作製法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法およびLB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。ただし、この中で生産性の点で、有機半導体の溶液を用いて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好まれる。
【0041】
なおAdvanced Material誌 1999年 第6号、p480〜483に記載の様に、ペンタセン等前駆体が溶媒に可溶であるものは、塗布により形成した前駆体の膜を熱処理して目的とする有機材料の薄膜を形成しても良い。
【0042】
これら有機半導体からなる薄膜の膜厚としては、特に制限はないが、得られたトランジスタの特性は、有機半導体からなる活性層の膜厚に大きく左右される場合が多く、その膜厚は、有機半導体により異なるが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
【0043】
本発明おいて、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
【0044】
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
【0045】
このような金属微粒子分散液の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。これらの金属微粒子分散物を、下記に示す方法により層を成形した後、溶媒を乾燥させ、さらに100〜300℃、好ましくは150〜200℃の範囲で熱処理することにより、金属微粒子を熱融着させることで電極形成する。
【0046】
また支持体はガラスやフレキシブルな樹脂製シートで構成され、例えばプラスチックフィルムをシートとして用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】
実施例1.
比抵抗0.02ΩcmのSiウェハー上に、大気圧プラズマ法を用いて基板温度150℃にて、厚さ200nmの酸化チタン層を設けた。
【0049】
この上にオクタデシルトリクロロシランによる表面処理を施した後、昇華精製を3回繰り返したペンタセンを蒸着し、厚さ50nmの有機半導体層を形成した。
【0050】
この膜の表面に、マスクを用いて金を蒸着し、ソース、ドレイン電極を形成し、チャネル幅W=0.3mm、チャネル長L=20μm、ボトムゲート構造の有機TFT素子1が形成された。
【0051】
この有機薄膜トランジスタ素子は、pチャネルのエンハンスメント型FETの良好な動作特性を示した。
【0052】
表面処理を行わずに素子を作製した以外は有機TFT素子1と同様にして比較有機TFT素子1を得た。
【0053】
比抵抗0.02ΩcmのSiウェハー上に、大気圧プラズマ法を用いて基板温度150℃にて、厚さ200nmの酸化ケイ素層を設けた以外は有機TFT素子1と同様にして比較有機TFT素子2を作製した。
【0054】
酸化ケイ素層の表面処理を行わずに素子を作製した以外は比較有機TFT素子2と同様にして比較有機TFT素子3を作製した。
【0055】
それぞれの素子について、I−V特性の飽和領域から、キャリア移動度を求めた。結果を以下に示す。
【0056】
有機TFT素子 キャリア移動度(cm2/V・s)
1 1.0
比較1 0.1
比較2 0.07
比較3 0.03
なお有機TFT素子1と同様に形成した酸化チタン層の上に、下記化合物Cのクロロホルム溶液を塗布し、窒素ガス中で、50℃3分乾燥し200℃で10分の熱処理を行ったところ、ペンタセン薄膜が形成され、得られた有機TFT素子は、同様にpチャネルのエンハンスメント型FETの良好な動作特性を示した。
【0057】
【化1】
Figure 0004345317
【0058】
実施例2
実施例1の有機半導体層を以下に代えて、得られた有機TFT素子2、比較1−2、同2−2、同3−2について同様に評価した。
【0059】
良く精製した、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のregioregular体(アルドリッチ社製)のクロロホルム溶液を調製し、アプリケーターを用いて塗布し、室温で乾燥させた後、窒素ガス雰囲気中で、50℃、30分間の熱処理を施した。このときポリ(3−ヘキシルチオフェン)の膜厚は100nmであった。
【0060】
有機TFT素子 キャリア移動度(cm2/V・s)
2 0.15
比較1−2 0.01
比較2−2 0.005
比較3−2 0.001
実施例3
実施例1の酸化チタン層のオクタデシルトリクロロシランによる表面処理に代えて、ステアリン酸による表面処理を行い(ステアリン酸をトルエンに加え、リフラックスさせた系内で上記基板を処理した)得られた有機TFT素子3、比較1−3、同2−3、同3−3について同様に評価した。結果を以下に示す。
【0061】
有機TFT素子 キャリア移動度(cm2/V・s)
3 0.8
比較1−3 0.07
比較2−3 0.06
比較3−3 0.02
実施例4
比抵抗100ΩcmのSiウェハー上に、大気圧プラズマ法を用いて基板温度150℃にて、厚さ500nmの酸化ケイ素層を設けた。その上に、マスクを用いて、厚さ10nmのCr、200nm厚の金を蒸着し、ソース、ドレイン電極を形成した。
【0062】
さらに、酸化ケイ素膜およびソース、ドレイン電極の表面にオクタデシルトリクロロシランによる処理を施した。
【0063】
良く精製した、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のregioregular体(アルドリッチ社製)のクロロホルム溶液を調製し、アプリケーターを用いて、上記基板の上に塗布し、室温で乾燥させた後、窒素ガス雰囲気中で、50℃、30分間の熱処理を施した。このときポリ(3−ヘキシルチオフェン)の膜厚は100nmであった。
【0064】
次に大気圧プラズマ法を用いて厚さ200nmの酸化チタン層を設け、スパッタリングによりアルミニウムを成膜し、ゲート電極とした。
【0065】
得られた有機TFT素子4は、pチャネルのエンハンスメント型FETの良好な動作特性を示した。
【0066】
表面処理を行わずに素子を作製した以外は有機TFT素子4と同様にして比較有機TFT素子1−4を得た。
【0067】
酸化チタン層に代えて大気圧プラズマ法を用いて厚さ200nmの酸化ケイ素層を設けた以外は有機TFT素子4と同様にして比較有機TFT素子2−4を作製した。
【0068】
ソース、ドレイン電極のオクタデシルトリクロロシランによる表面処理を行わずに素子を作製した以外は比較有機TFT素子2−4と同様にして比較有機TFT素子3−4を作製した。
【0069】
得られた各素子を同様に評価した。
有機TFT素子 キャリア移動度(cm2/V・s)
4 0.02
比較1−4 0.003
比較2−4 0.004
比較3−4 0.001
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、トランジスタ性能に優れる有機薄膜トランジスタ素子を得ることができる。

Claims (3)

  1. 酸化チタンを含有するゲート絶縁層と有機半導体層との界面に有機酸からなる配向膜を形成することを特徴とする有機薄膜トランジスタ素子。
  2. 有機酸が脂肪族カルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜トランジスタ素子。
  3. 支持体上にゲート電極、ゲート絶縁層及び有機半導体層をこの順に有することを特徴とする請求項1又は2項に記載の有機薄膜トランジスタ素子。
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