JPWO2008090828A1 - 有機薄膜トランジスタ、その製造方法及び有機半導体デバイス - Google Patents

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礼子 杉崎
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Abstract

簡便なウェットプロセスでゲート絶縁膜を形成することができ、トランジスタ特性に優れ、密着性が良好で、耐久性に優れた有機薄膜トランジスタの製造方法であって、少なくとも有機半導体膜及びゲート絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、該ゲート絶縁膜の形成の一部又は全部がゾル−ゲル法を用いて形成され、かつゲート絶縁膜形成材料にシランカップリング剤を含むことを特徴とする。

Description

本発明は有機薄膜トランジスタに関し、特に移動度の高い有機薄膜トランジスタ及びその製造方法に関するものである。
情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。また、更に情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては、液晶、有機エレクトロルミネッセンス素子(以後、有機ELともいう)、電気泳動等を利用した素子を用いて表示媒体を形成している。また、こうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度等を確保するために、画像駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT)により構成されたアクティブ駆動素子を用いる技術が主流になりつつある。
ここでTFT素子は、通常、ガラス基板上に主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)等の半導体薄膜や、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極等の金属薄膜を基板上に順次形成していくことで製造される。このTFTを用いるフラットパネルディスプレイの製造には、通常CVD、スパッタリング等の真空系設備や高温処理工程を要する薄膜形成工程に加え、精度の高いフォトリソグラフ工程が必要であり、設備コスト、ランニングコストの負荷が非常に大きく、更に近年のディスプレイの大画面化のニーズに伴い、それらのコストは非常に膨大なものとなっている。
近年、従来のTFT素子のデメリットを補う技術として、有機半導体材料を用いた有機TFT素子の研究開発が盛んに進められている。
上記有機TFT素子は低温プロセスで製造可能であるため、軽く、割れにくい樹脂基板を用いることができ、更に樹脂フィルムを支持体として用いたフレキシブルなディスプレイが実現できると言われている。
大気圧下で印刷や塗布等のウェットプロセスで製造できる有機半導体材料を用いることで、生産性に優れ、非常に低コストのディスプレイが実現できる。また、有機半導体による種々の有機TFT素子が提案されており、印刷やインクジェット法により簡便な方法で作製できることが一般的に知られている。
このような有機TFT素子を実現するための有機半導体材料としてこれまでに検討されてきたのは、ペンタセンやテトラセンといったアセン類(例えば、特許文献1参照。)、鉛フタロシアニンを含むフタロシアニン類、ペリレンやそのテトラカルボン酸誘導体といった低分子化合物(例えば、特許文献2参照。)や、α−チエニルもしくはセクシチオフェンと呼ばれるチオフェン6量体を代表例とする芳香族オリゴマー(例えば、特許文献3参照。)、更にはポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェニレンビニレンといった疎水性の高い化合物が主に用いられてきている。
有機半導体トランジスタの性能は、ゲート絶縁膜と半導体との界面近傍(チャネル領域)の分子の配列の影響を大きく受ける。ボトムゲート構成の素子では半導体層を製膜するゲート絶縁膜表面の物性が重要であり、例えば熱酸化により形成されたSiO2等のゲート絶縁膜の表面へシランカップリング剤等の表面処理を施すことは有効であることが知られている(例えば、特許文献4〜6参照。)。
また、有機半導体層とゲート絶縁膜との間に有機薄膜を形成することにより、ゲート絶縁膜を形成する過程での有機半導体層へのダメージを減少することができることが、そしてゾル−ゲル法によるゲート絶縁層の形成技術が開示されている(例えば、特許文献7参照。)。しかしながら、この方法では、製造過程での有機半導体層へのダメージが減少されるものの、誘電率の低い有機薄膜を介することにより、ゲート電位印加時の電流が小さく、応答性が低いという問題が有ることが分かった。
また、有機薄膜トランジスタのメリットとしては、低温、常圧プロセス製造、フレキシブル基板を実現できることであり、このためにはゲート絶縁膜としてポリイミドをはじめとした有機材料を用いることも出来る。
しかしながら、これらの有機材料からなるゲート絶縁膜の表面はその材料にも依存するが、性能向上に有用とされるシランカップリング剤の効果が十分に発揮されないことも課題のひとつであった。
特開平5−55568号公報 特開平4−167561号公報 特開平8−264805号公報 特開2004−327857号公報 特開2005−32774号公報 特開2005−158765号公報 特開2003−303970号公報
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡便なウェットプロセスでゲート絶縁膜を形成することができ、トランジスタ特性に優れ、密着性が良好で、耐久性に優れた有機薄膜トランジスタ(以下、TFTともいう。)、及びその製造方法を提供することである。
ゾル−ゲル法の反応過程に、一方にハロゲン等の反応性末端を有し、他方に疎水性末端を有するシランカップリング剤を混合して塗布する方法、或いはゾル−ゲル法により形成された被膜の表面をシランカップリング剤で処理することにより、簡単で且つ容易に疎水性基によって被覆された絶縁膜表面を形成することができ、この様にして形成された絶縁膜を用いて作製される有機薄膜トランジスタは、強固で且つ高移動度の有機半導体層を形成し得ることを見出したものである。更には、有機絶縁膜の表面に本発明の方法を適用することにより、フレキシブルで強いゲート絶縁膜を形成し得ることを見出したものである。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
1.少なくとも有機半導体膜及びゲート絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、該ゲート絶縁膜の形成の一部又は全部がゾル−ゲル法を用いて形成され、かつゲート絶縁膜形成材料にシランカップリング剤を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
2.前記有機半導体膜がウェットプロセスで形成されることを特徴とする前記1に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
3.前記シランカップリング剤の末端がアルキル基であることを特徴とする前記1又は2に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
4.前記シランカップリング剤がシリルアルキル基を有することを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
5.前記有機半導体膜が、置換基を有する縮合多環芳香族化合物を含有することを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
6.前記1〜5の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法により形成されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
7.前記6に記載の有機薄膜トランジスタを有することを特徴とする有機半導体デバイス。
本発明の方法により形成されたゲート絶縁膜を用いることにより、有機半導体層との密着性が良好で、優れた性能を有する有機TFT素子を形成することができた。
ボトムゲート型TFT素子の断面図を示す。
符号の説明
1 支持体
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁膜
4 半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
図1は、本発明に係る有機TFT素子の断面図である。
図1は、支持体1上にゲート電極2を有し、ゲート絶縁膜3を介して有機半導体チャネル4で連結されたソース電極5とドレイン電極6を有するボトムゲート型有機TFT素子である。
本発明はゲート絶縁膜を簡便且つ容易な方法で形成することにより、その上に形成される有機半導体層を強固に結合し、且つ有機半導体層は高移動度で、性能に優れた有機TFTを形成することができることを見出したものである。
特に、有機支持体上に形成された有機材料からなるゲート絶縁膜の表面にゾル−ゲル法によりSiO2形成することにより、絶縁膜表面がシランカップリング剤に被覆された良好なゲート絶縁膜を形成することが出来ることを見出した。
本発明のゲート絶縁膜の形成方法について、更に詳しく説明する。
本発明においてはゾル−ゲル法によりゲート絶縁膜を形成することを特徴とする。
更に、本発明はこのゾル−ゲル法によるゲート絶縁膜の形成過程の一部にシランカップリング剤を使用して形成することにより、簡便且つ容易な方法でゲート絶縁膜の表面を改質することができることを見出したものである。
先ず、本発明に係るゾル−ゲル法について説明する。
本発明で言うゾル−ゲル法とは、金属アルコキシドあるいはポリシラザンを用い、触媒により加水分解と縮重合を行うことにより形成されるセラミック膜の形成方法である。
金属アルコキシドの「金属」とは、一般に周期律表等で定義されている「金属(Metals)」の他に「遷移金属(Transition Metals)」の元素、「ランタノイド」の元素、「アクチノイド」の元素、および「非金属(Non Metals)」として定義されるホウ素、珪素(シリコン)を含んだものとして定義するが、ゾル−ゲル法で使用する好ましい金属アルコキシドとして、アルコキシシラン、ジルコニウムアル
コキシド、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
アルコキシシラン類の例としては、以下の一般式(S)で示されるアルコキシシランを挙げることができる。
一般式(S)
Si(OR1x(R24-x
上記一般式中のR1は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。また、R2は、炭素数1〜10の有機基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、n−デシル基、フェニル、ビニル基、アリル基などの無置換の炭化水素基、γ−クロロプロピル基、CF3CH2−、CF3CH2CH2−、C25CH2CH2−、C37CH2CH2CH2−、CF3OCH2CH2CH2−、C25OCH2CH2CH2−、C37OCH2CH2CH2−、(CF32CHOCH2CH2CH2−、C49CH2OCH2CH2CH2−、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピル、H(CF24CH2OCH2CH2CH2−、H(CF24CH2CH2CH2−、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などの置換炭化水素基が挙げられる。xは2〜4の整数のものが好ましい。
これらのアルコキシシランの具体例を以下に示す。
x=4のものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−アセトキシシランなどを挙げることができる。
x=3のものとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、CF3CH2CH2Si(OCH33、C25CH2CH2Si(OCH33、C25OCH2CH2CH2Si(OCH33、C37OCH2CH2CH2Si(OC253、(CF32CHOCH2CH2CH2Si(OCH33、C49CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、H(CF24CH2OCH2CH2CH2Si(OCH33、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
x=2のものとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−iso−プロピルジメトキシシラン、ジ−iso−プロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、(CF3CH2CH22Si(OCH32、(C37OCH2CH2CH22Si(OCH32、〔H(CF26CH2OCH2CH2CH22Si(OCH32、(C25CH2CH22Si(OCH32などを挙げることができる。
ジルコニウムアルコキシドの例としては、ジルコニウムエトキサイド、ジルコニウムイソプロポキサイド、ジルコニウムn−プロポキサイド、ジルコニウムn−ブトキサイド、ジルコニウムt−ブトキサイド、ジルコニウム2−エチルヘキシルオキサイド、ジルコニウム2−メチル−2−ブトキサイド、テトラキス(トリメチルシロキシ)ジルコニウム、ジルコニウムジn−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムジイソプロポキサイドビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキサイド、ジルコニウムヘキサフルオロペンタンジオネート、ジルコニウムメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリn−プロポキサイド、ジルコニウム2,4−ペンタンジオネート、ジルコニウム2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート、ジルコニウムトリフルオロペンタンジオネート等が挙げられる。
チタンアルコキシドの例としては、チタンn−ブトキサイド、チタンメトキサイド、チタンエトキサイド、チタンn−プロポキサイド、チタンイソプロポキサイド、チタンt−ブトキサイド、チタンn−ノニルオキサイド、チタンi−ブトキサイド、チタンメトキシプロポキサイド、チタンクロロトリイソプロポキサイド、チタンジクロライドジエトキサイド、チタンヨードイソプロポキシド、チタンジn−ブトキサイド(ビス−2,4−ペンタジオネート)、チタンジi−プロポキサイド(ビス−2,4−ペンタジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタンジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)、チタン2−エチルヘキシオキシド、チタンオキシドビス(ペンタジオネート)、チタンオキシビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、テトラキス(トリメチルシロキシ)チタン、チタンアリルアセトアセテートトリイソプロポキシド、チタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシド、(2−メタクリルオキシエトキシ)トリイソプロポキシチタネート、チタンメタクリルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロキサイド、チタンメチルフェノキサイド等が挙げられる。
また、アルミニウムアルコキシドの例としては、アルミニウム(III)n−ブトキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイド、アルミニウム(III)t−ブトキサイド、アルミニウム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)イソプロポキサイド、アルミニウム(III)s−ブトキサイドビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウム(III)ジ−s−ブトキサイドエチルアセトアセテート、アルミニウム(III)ジイソプポキサイドエ
チルアセトアセテート、アルミニウム(III)エトキシエトキシエトキサイド、アルミニウムヘキサフルオロペンタジオネート、アルミニウム(III)3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロネート、アルミニウム(III)9−オクタデセニルアセトアセテートジイソプロポキサイド、アルミニウム(III)2,4−ペンタンジオネート、アルミニウム(III)フェノキサイド、アルミニウム(III)2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネートが挙げられる。
更に、チンアルコキシドの例としては、スズ(II)メトキサイド、スズ(II)エトキサイド、テトライソプロポキシスズ、テトラ−t−ブトキシスズ、テトラ−n−ブトキシスズ、ビス(2,4−ペンタンジオネート)ジクロスズ、スズ(II)2,4−ペンタンジオネート、ナトリウムスズエトキサイド、等が挙げられる。
ゾル−ゲル反応時には、水、及び有機溶媒中で前記金属アルコキシドを加水分解、及び縮重合させるが、この時、触媒を用いることが好ましい。加水分解の触媒としては、一般に酸が用いられる。酸は、無機酸又は有機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、亜硫酸、硝酸、燐酸など、有機酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、安息香酸、フタル酸など)、スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホスホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラート、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、アルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タングステン酸など)などを挙げることができる。
酸の使用量は、金属アルコキシド1モル当たり、0.0001〜0.05モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルである。
加水分解後、無機塩基やアミンなどの塩基性化合物を添加して溶液のpHを中性付近にし、縮重合を促進してもよい。
無機塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物としてはアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンなど)を用いることができる。
また、他のゾル−ゲル触媒も併用することができる。その例は以下に挙げられる。
例えば、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等の金属キレート化合物、(C492Sn(OCOC11232、(C492Sn(OCOC8172などのカルボン酸型有機錫化合物、(C492SnO、(C8172SnOなどの有機錫オキサイドとエチルシリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物などの有機錫化合物等の有機金属化合物などを挙げることができる。また、例えばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラウリル酸カリウムなどの金属塩類も好ましく用いられる。
ゾル−ゲル触媒化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるアルコキシシランに対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%である。
次に、ゾル−ゲル反応に用いられる溶媒について述べる。溶媒はゾル液中の各成分を均一に混合させ、形成材料組成物の固形分調製をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を保つものである。これらの溶媒は特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例として、例えば水、及び水と混和性の高い有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、蟻酸、酢酸、酢酸メチル、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコール)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。
ゾル−ゲル反応の速度を調節する目的で、多座配位可能な有機化合物を添加して、金属アルコキシドを安定化してもよい。その例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルのようなβ−ジケトン及び/又はβ−ケトエステル類、並びにアルカノールアミンが挙げられる。
〈シランカップリング剤〉
次に本発明に用いられるシランカップリング剤について説明する。
本発明に用いられるシランカップリング剤としては、従来より知られている種々のもを用いることができ、例えば、オクタデシルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリクロロシラン、i−ブチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、4−フェニルブチルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリクロロシラン等の公知の材料が好ましい例として挙げられるが、本発明はこれらに限らない。
〈ゲート絶縁膜の形成〉
次にゾル−ゲル法により得られる本発明のゲート絶縁膜を塗設する方法について説明する。
本発明におけるゲート絶縁膜の製造方法は、湿式法を用いて形成されるものでありゾル液は、スプレー法やスピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ブレードコート法、ディップコート法のいずれの塗布法でもよい。これらの塗布法により、金属アルコキシドより調製したゾル液を、樹脂フィルム基材上に塗布、乾燥し製造する。
加水分解のタイミングは製造工程中の如何なる時期であっても構わない。例えば、あらかじめ必要な組成の液を加水分解部分縮合して目的のゾル液を調製し、それを塗布−乾燥する方法、必要な組成の液を調製し塗布と同時に加水分解部分縮合させながら乾燥する方法、塗布−一次乾燥後、加水分解に必要な水含有液を重ねて塗布し加水分解させる方法等を好適に採用できる。
塗布後の乾燥温度は、支持体である樹脂フィルム基材の変形を起こさない範囲であれば特に制限はないが、好ましくは150℃以下、より好ましくは30〜150℃、特に好ましくは50〜130℃である。
塗布、乾燥後のフィルムをさらに高密度化し、緻密にするため、エネルギー処理を行うことが好ましい。
これらエネルギー処理温度は、室温から支持体の変形温度の間を制限なく採用することが可能であり、好ましくは30〜150℃、特に好ましくは50〜130℃である。
特にエネルギー処理により支持体が高温化する場合、支持体をバックアップロール等で密着保持して保温してもよい。
本発明において、これらゾル−ゲル法により形成されるゲート絶縁膜を構成する物質として、SiOxy(ここで、xの値は1.5〜2.0、好ましくは1.7〜2.0の範囲内であり、yの値は0〜0.5、好ましくは0〜0.4の範囲内である。)で示される化合物およびAlxy(ここで、xの値は1.05〜2.0、好ましくは1.7〜2.0の範囲内であり、yの値は1.0〜3.0、好ましくは2.0〜3.0の範囲内である。)で構成されることが好ましい。
また、ポリシラザン (SiHNH)も好適に用いることができ、ポリシラザン溶液を水存在下で加熱処理することにより絶縁性に優れた高性能の薄膜を形成することが出来る。
〈基材〉
次に本発明に用いられる基材について説明する。
支持体材料としては、種々の材料が利用可能であり、例えば、ガラス、石英、酸化アルミニウム、サファイア、チッ化珪素、炭化珪素などのセラミック基板、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム燐、ガリウム窒素など半導体基板、紙、不織布などを用いることができる。本発明において支持体は樹脂からなることが好ましく、例えばプラスチックフィルムシートを用いることができる。プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
本発明に用いられる樹脂フィルム基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
また、本発明に係る樹脂フィルム基材においては、蒸着膜を形成する前にコロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、グロー放電処理、粗面化処理、薬品処理などの表面処理を行ってもよい。
また、本発明に用いられる樹脂フィルム基材は、フィルム形状のものの膜厚としては10〜200μmが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。
以下、本発明の有機TFT素子の形成に用いるその他の材料について順次説明する。
〈有機半導体材料〉
本発明に係わる有機半導体薄膜の形成には種々の有機半導体材料を用いることができ、好ましくは縮合多環芳香族化合物をはじめとする共役系化合物を使用することである。
有機半導体材料としての縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、フタロシアニン、ポルフィリンなどの化合物及びこれらの誘導体が挙げられる。
その他の共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体或いは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーのうち、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、などのオリゴマーが好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601号に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N′−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N′−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N′−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999号に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
また、本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
〈有機半導体膜の形成方法〉
これらの有機半導体層の形成は、本発明においては、スピンコート、ディップコート、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法、およびLB法等、またスクリーン印刷、インクジェット印刷、ブレード塗布などの溶液による塗布方法を用いて行うことができる。
この中で生産性の点で、有機半導体の溶液を用いて簡単かつ精密に薄膜が形成できるスピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法等が好ましい。
また、これら結晶性有機半導薄膜を、有機半導体溶液を塗布する方法により作製する場合、有機半導体材料溶液を構成する溶媒としては任意の溶媒を用いることができる。例えば、炭化水素系、アルコール系、エーテル系、エステル系、ケトン系、グリコールエーテル系など広範囲の適度の蒸気圧或いは沸点を有する有機溶媒から、有機半導体薄膜を得ようとする有機半導体化合物に応じて適宜選択されるが、沸点で、60℃〜150℃の範囲に常圧沸点を有する溶媒類が、前記、結晶化界面、或いは、塗布液端面における溶媒の適度な蒸発速度をもつため好ましい。例えば、ジエチルエーテルやジイソプロピルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフランやジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、アセトンやメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、m−クレゾール等の芳香族系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、トリデカンなどの脂肪族炭化水素溶媒、α−テルピネオール、また、クロロホルムや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル系溶媒、N−メチルピロリドン、2硫化炭素等を好適に用いることができるが、特に、芳香族炭化水素系溶媒、例えば、トルエン、キシレン等が好ましい溶媒として挙げられる。
〈導電性材料〉
支持体上にゲート電極を形成した後、本発明の方法によりゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に有機半導体層(薄膜)を形成した後、それぞれソース、ドレイン電極を形成することにより本発明の有機薄膜トランジスタは形成される。
このように支持体上にゲート電極、ゲート絶縁膜、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極をそれぞれ必要な場合には適宜パターニングし、最適に配置することで、本発明の有機薄膜トランジスタは得られる。
本発明において、前記ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、スズ、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ、アンチモン、酸化インジウム−錫(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペースト、及びカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物が用いられるが、特に白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITO及び炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等も好適に用いられる。中でも、有機半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅等の金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いて電極形成する方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーション等により形成してもよい。更に導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト等を凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等の印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
本発明においては、前記ソース、ドレイン電極は前記導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液等の流動性電極材料から形成されることが好ましく、例えば、金属等からなる導電性微粒子を好ましくは有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や有機溶剤またはその混合物である分散媒中に分散させ、ペーストあるいはインク等の導電性微粒子分散液とし、これを塗設、パターニングすることで電極を形成することが好ましい。
導電性微粒子の金属材料(金属微粒子)としては、白金、金、銀、コバルト、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができるが、特に仕事関数が4.5eV以上の白金、金、銀、銅、コバルト、クロム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、モリブデン、タングステンが好ましい。
このような金属微粒子分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法等の物理的生成法や、コロイド法、共沈法等の、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853号の各公報に示されたコロイド法、特開2001−254185号、同2001−53028号、同2001−35255号、同2000−124157号、同2000−123634号の各公報に記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子分散物である。
分散される金属微粒子の平均粒径としては、20nm以下であることが本発明の効果の点で好ましい。
また、金属微粒子分散物に導電性ポリマーを含有させることが好ましく、これをパターニングして押圧、加熱等によりソース電極、ドレイン電極を形成すれば、導電性ポリマーにより有機半導体層とのオーミック接触を可能とできる。即ち、金属微粒子の表面に導電性ポリマーを介在させて、有機半導体への接触抵抗を低減させ、且つ金属微粒子を加熱融着させることで、更に本発明の効果を高めることができる。
導電性ポリマーとしては、ドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマーを用いることが好ましく、例えば、導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体等が好適に用いられる。
金属微粒子の含有量は、導電性ポリマーに対する質量比で0.00001〜0.1が好ましい。この量を超えると金属微粒子の融着が阻害されることがある。
これらの金属微粒子分散物で電極を形成した後、加熱により前記の金属微粒子を熱融着させてソース電極、ドレイン電極を形成する。また、電極形成時に概ね1〜50000Pa、更に1000〜10000Pa程度の押圧をかけ、融着を促進することも好ましい。
上記金属微粒子分散物を用いて電極様にパターニングする方法としては、例えば、金属微粒子分散物をインクとして用いて印刷法によりパターニング方法がある。また、インクジェット法によりパターニングする方法があり、これは金属微粒子分散物をインクジェットヘッドより吐出し、金属微粒子の分散物をパターニングする方法であり、インクジェットヘッドからの吐出方式としては、ピエゾ方式、バブルジェット(登録商標)方式等のオンデマンド型や静電吸引方式等の連続噴射型のインクジェット法等公知の方法によりパターニングすることができる。
加熱また加圧する方法としては、加熱ラミネータ等に用いられる方法をはじめ公知の方法を用いることができる。
本発明を具体的に実施例により説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
比較例1
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、熱酸化膜として2000Å膜厚の酸化珪素皮膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記酸化珪素皮膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.02cm2/Vs、on/off比は10000であった。
比較例2
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、熱酸化膜として2000Å膜厚の酸化珪素被膜を形成し、ゲート絶縁膜とした。
シランカップリング剤〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記酸化膜付きSiウエハーをトルエン溶液に10分間浸漬した後、洗浄、乾燥した。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記シランカップリング剤で表面処理した酸化珪素皮膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.03cm2/Vs、on/off比は10000であった。
比較例3
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーを用意し、下記ゲート絶縁膜組成物Aを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、ゾル−ゲル法によるゲート絶縁膜を形成した。
ゲート絶縁膜組成物A
テトラエトキシシラン加水分解物(下記*1) 1020質量部
末端反応性ジメチルシリコーンオイル(日本ユニカー社製 L−9000)
0.42質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 2700質量部
イソプロピルアルコール 6300質量部
*1:テトラエトキシシラン加水分解物の調製
テトラエトキシシラン300gとエタノール455gを混合し、これに0.5質量%クエン酸水溶液295gを添加した後、室温にて1時間攪拌することでテトラエトキシシラン加水分解物を調製した。
次に、有機半導体材料〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.03cm2/Vs、on/off比は10000であった。
実施例1
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーを用意し、前記ゲート絶縁膜組成物Aを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、ゾル−ゲル法によるゲート絶縁膜を形成した。
更に、シランカップリング剤〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記絶縁膜付きSiウエハーを該トルエン溶液に10分間浸漬した後、洗浄、乾燥し、表面処理を行った。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は10000であった。
実施例2
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーを用意し、下記ゲート絶縁膜組成物Bを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、シランカップリング剤を含有するゾル−ゲル法によりゲート絶縁膜を形成した。
ゲート絶縁膜組成物B
テトラエトキシシラン加水分解物(前記*1) 1020質量部
シランカップリング剤〈1〉 0.42質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 2700質量部
イソプロピルアルコール 6300質量部
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は10000であった。
比較例4
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、ポリイミド樹脂(京セラ製 CT4112)のN−メチルピロリドン溶液を、処方に従いスピンコートし、乾燥、焼成することによりゲート絶縁膜(表1中、PI塗布と記載)を形成した。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は10000であった。
比較例5
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、ポリイミド樹脂(京セラ製 CT4112)のN−メチルピロリドン溶液を、処方に従いスピンコートし、乾燥、焼成することにより有機層からなるゲート絶縁膜を形成した。
上記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜組成物Aを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、無機/有機複合のゲート絶縁膜を形成した。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例3
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、ポリイミド樹脂(京セラ製 CT4112)のN−メチルピロリドン溶液を、処方に従いスピンコートし、乾燥、焼成することにより有機層からなるゲート絶縁膜を形成した。
上記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜組成物Aを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、有機/無機複合のゲート絶縁膜を形成した。
シランカップリング剤〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜付きSiウエハーを前記トルエン溶液に10分間浸漬し後、洗浄、乾燥した。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は10000であった。
実施例4
比抵抗0.02Ω・cmのn型Siウエハーに、ポリイミド樹脂(京セラ製 CT4112)のN−メチルピロリドン溶液を、処方に従いスピンコートし、乾燥、焼成することにより有機のゲート絶縁膜を形成した。
上記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜組成物Bを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、有機/無機複合のゲート絶縁膜を形成した。
次に、有機半導体材料〈2〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.05cm2/Vs、on/off比は10000であった。
実施例5
実施例4において、半導体材料を、下記半導体材料〈3〉に変えた以外は同様に素子を作製して評価した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.04cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例6
実施例4において、半導体材料を、下記半導体材料〈1〉に変えた以外は同様に素子を作製して評価した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例7
実施例6において、ゲート絶縁膜組成物Bのシランカップリング剤〈1〉を別紙のシランカップリング剤〈2〉に変えた以外は同様に素子を作製して評価した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例8
実施例6において、ゲート絶縁膜材料の組成物のシランカップリング剤〈1〉を下記シランカップリング剤〈3〉に変えた以外は同様に素子を作製して評価した。
各素子の作製に用いた化合物を下記に示す。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例9
ガラス基板上にクロムを蒸着・フォトリソグラフィー法により成膜・パターニングし、ゲート電極を作製した。この表面にポリイミド樹脂(京セラ製 CT4112)のN−メチルピロリドン溶液をスピンコートし、乾燥、焼成することにより有機層からなるゲート絶縁膜を形成した。
上記ゲート絶縁膜上に、前記ゲート絶縁膜組成物Bを塗布し、100℃で5分間乾燥させた後、120℃で5分間熱硬化させ、更に高圧水銀ランプ(80W)を用いて紫外線を180mJ/cm2照射し、無機/有機複合のゲート絶縁膜を形成した。
次に、有機半導体材料〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例10
ポリカーボネートフィルム(PC)上に、Niを蒸着・フォトリソグラフィー法により成膜・パターニングし、ゲート電極を作製した。この表面に実施例9と同様の方法により無機/有機複合のゲート絶縁膜を形成し、以下同様にして有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
実施例11
ガラス上に、クロムをスパッタリングにより製膜し、ゲート電極を形成した。その後、パーヒドロポリシラザンのキシレン溶液(アクアミカ社製NN110−10)に、シランカップリング剤〈1〉をポリシラザンに対して1%質量添加し、スピンコート塗布して、100℃で1.5分間乾燥させた後、450℃で一時間加熱することによりゲート絶縁膜を形成した。
尚、上記ゲート絶縁膜材料の塗布から加熱処理までの工程は、水の存在する大気下で行なった。これによりポリシラザンの加水分解が促進され、効率的に良質のゲート絶縁膜を形成することが出来た。
次に、有機半導体材料〈1〉の0.1質量%トルエン溶液を調製し、前記ゲート絶縁膜の表面に塗布し、減圧乾燥させた。
更に、この膜の表面にマスクを用いて金を蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。以上によりチャネル長L=30μm、チャネル幅W=1mmの有機薄膜トランジスタを作製した。このトランジスタは、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作した。これらのトランジスタのI−V特性から求めた飽和領域におけるキャリア移動度は0.3cm2/Vs、on/off比は100000であった。
各試料に用いた材料を下記に示す。
作製した各素子の密着性を下記のようにして評価した。
〔密着性評価〕
JIS K5400ゴバン目テープ法に規定される方法に従い、各素子の表面に、カミソリで30°の角度で切り込み、基板に達する1.5mmのゴバン目100個(10×10)を作った。ゴバン目を作った後、その表面にセロテープ(登録商標)を貼り、テープをはがしてゴバン目のはがれた数を測定して評価した。評価は、下記の評価点数法に基づいて行われた。
◎:正方形の一目一目にはがれが全くない
○:欠損部の面積は全正方形面積の5%未満である
△:欠損部の面積は全正方形面積の5%以上、10%未満ある
×:欠損部の面積は全正方形面積の10以上%ある
評価した結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の試料は、ゲート絶縁膜と有機半導体層の密着性が強く、高移動度の有機TFTを形成することができ、従来の技術に比べ非常に容易な方法で接着性の良いゲート電極を形成することができた。

Claims (7)

  1. 少なくとも有機半導体膜及びゲート絶縁膜を有する有機薄膜トランジスタの製造方法において、該ゲート絶縁膜の形成の一部又は全部がゾル−ゲル法を用いて形成され、かつ該ゲート絶縁膜形成材料にシランカップリング剤を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記有機半導体膜がウェットプロセスで形成されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 前記シランカップリング剤の末端がアルキル基であることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤がシリルアルキル基を有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 前記有機半導体膜が、置換基を有する縮合多環芳香族化合物を含有することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  6. 請求の範囲第1項〜第5項の何れか1項に記載の有機薄膜トランジスタの製造方法により形成されたことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  7. 請求の範囲第6項に記載の有機薄膜トランジスタを有することを特徴とする有機半導体デバイス。
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