JP2004288284A - 光ディスク用スタンパーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板1上に、ネガ型電子線感光レジスト層を塗布形成し、最終的に得る光ディスクに形成する凹凸パターンに対応するパターンの電子ビ−ム照射描画および現像によって最終的に得る光ディスクの凹凸パターンの凹部例えば情報ピットの形成部を凸とするレジスト層をパターン化する。このレジストパターンをマスクとしてプラズマエッチングによって半導体基板面をエッチングし、レジストパターンを除去する。凹凸パターンが形成された半導体基板面に、Niメッキ層を形成する第1のメッキを行い、このメッキ層を半導体基板面から剥離して、第1のスタンパー41、すなわちマザースタンパーを作製する。このとき、半導体基板1は、ピット形成部が凸であることから、マザースタンパーの、光ディスクの成形スタンパーにおけるピット形成部の凸部を形成する凹部は、半導体基板1に食い込んだ状態になく、容易かつ良好に剥離され欠落が防止される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高密度光ディスクの、グルーブや情報ピット等の凹凸パターンが、ディスク基板表面に成形されて成る光ディスクの製造に用いられるスタンパーあるいはこのスタンパーを作製するためのスタンパーを、安定、かつ確実に高い精度をもって製造することができる光ディスク用スタンパーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のCD(Compact Disc)や、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクにおいては、その基板面もしくは基板面上に、例えばトラッキング用のグルーブや、情報ピット等の凹凸が形成される。この凹凸の形成においては、スタンパーが用いられる。
このスタンパーは、まず原盤が作製され、この原盤に形成した凹凸パターンの転写、または転写の繰り返しによって作製される。
【0003】
この原盤は、先ず、原盤を作製する例えば厚さ数mmのガラス円盤状基板上に、例えば0.1μm程度の膜厚の紫外線感光性ポジ型フォトレジスト層を均一にスピンコートし、この基板を回転させながら、基板上のフォトレジスト層に、例えば350nm〜460nmの青色または紫外域で発振する例えばAr、Krレーザーからのレーザー光を、対物レンズで集光させ、このレーザー光を、オン・オフさせてレジストを走査するレーザー描画による露光を行い、その後、レジストを現像することにより、このレジストによる凹凸パターンを形成して作製される。
【0004】
この原盤作製で一般的に使用されているポジティブ型レジストでは、レーザーが照射された部分を感光し、この感光部における現像液による溶解によって凹部の形成がなされる。そして、この凹凸パターンが形成された原盤上に、例えば厚さ数100μmにNiメッキを行い、このNiメッキ層を、原盤から剥離することによって、目的とするスタンパーを作製するいわゆるマスタースタンパーを作製する。
【0005】
ところで、ROM(Read Only Memory)型のDVDの情報信号ピットは、スタンパー上に最短ピット長0.4μm、トラックピッチ0.74μmのピット列がスパイラル状に描画されて形成される。そして、このスタンパーを金型として樹脂の射出成形で作製された直径12cmの、ディスクは、片面で4.7GBの情報容量を持つ。
このDVDの記録密度のレーザー描画は、上述した例えばKrレーザー(波長413nm)が用いられる。この場合、カッティング可能な最短ピット長P、すなわち解像力は、一般にレーザー波長λ、対物レンズの開口数N.A.およびプロセスファクタK(レジスト特性等に依存し、0.8〜0.9の値をとる)から、P=K(N.A./λ)の式で近似される。
ここで、λ=413nm、N.A.=0.9、K=0.8とすると、P=0.37μmとなり、DVDの最短ピット長0.4μmが解像されることになる。
【0006】
ところで、近年の情報通信および画像処理技術の急速な発展に伴い、光ディスク容量は、近い将来、現在の数倍のものが要求されてくると考えられる。例えばDVDの延長線上において、直径12cm対応のディスクで、片面25GB容量を、現在と同様の信号処理方式により達成するには、最短ピット長を0.15μm、トラックピッチを0.32μm程度まで微細化する必要がある。また、ピット幅は、このトラックピッチの1/3程度の例えば0.1μm程度にする必要がある。
このような微細ピットを形成するためには、上記式からわかるように、レーザー波長の短波長化と、対物レンズのN.A.の増大が求められるが、対物レンズのN.A.値は、レンズの設計製作精度の面から、現状では、0.9という値がほぼ限界と考えられる。
【0007】
そこで、今後は、レーザーの短波長化が必要不可欠であり、例えばλ=250nmの遠紫外線レーザーを用いれば、上述の式にK=0.8を代入すると、P=0.22μmになる。
しかしながら、これでは上述した25GB容量に対応する最短ピット長、ピット幅を実現することは、きわめて困難である。
このように、25GB容量の高密度光ディスクのレジスト原盤を、従来の紫外線レーザーを光源とするレーザー描画装置で、レジスト露光を行ってスタンパー原盤を製造することは、きわめて困難であることから、今後は、より微細なレジストに対する露光が要求されるものであり、この微細パターンの描画は、微細なレジスト感光用のビ−ムを発生する電子ビ−ム描画装置の適用が必要となると考えられる。
【0008】
この電子ビ−ム描画装置は、従来、半導体分野でフォトマスクのパターン描画や、半導体ウェハーへの直接描画に用いられてきたが、近年光ディスクの急速な高密度化に伴い、ディスク用原盤における微細な凹凸パターンの形成、いわゆるカッティングにおけるパターン露光においても、電子ビ−ム描画を適用する試みがなされている(例えば非特許文献1参照)。
上記文献1に記載の方法においては、シリコン半導体基板によるスタンパー原盤の基板上に形成したポジ型のレジスト層に対し、電子ビ−ム描画による露光を行い、現像処理を行って25GB〜30GB容量のROM型光ディスク対応の凹凸パターンを形成してレジスト原盤を作製する。そして、この原盤上に、Niメッキを施して、このメッキ層を剥離し、Niメッキ層によるスタンパーを作製する。そして、このスタンパーを、例えばガラス基板によるディスク基板上に形成したフォトポリマー層に押圧し、硬化することによって、ガラス基板上に、凹凸パターンが形成された光ディスクを作製するものである。
【0009】
この方法による場合、電子ビ−ム描画されたレジスト層は、ポジ型レジストであり、現像によって、最終的に形成する光ディスクにおけるピットやグルーブ部が、凹部として形成される。
ところが、一般に、電子ビ−ム描画によるカッティングは、従来の紫外レーザーによるカッティングに比し、ポジ型レジスト層に形成される凹部は、その側面が、切り立った垂直面に近いエッジ形状となる。したがって、これによって得たスタンパーの凸部は、切り立った形状となる。このようなスタンパーは、実験室的な光ディスクの形成においては、問題が生じないものであるが、実際の光ディスクの量産化において、このようなスタンパーによって、例えば光ディスク基板を射出成形する際の、成形金型内に配置するスタンパーとして用いる場合、このような鋭いピットもしくはグルーブ等の凹部を転写形成すること、特に、高密度記録における凹凸パターンの射出成形を困難にする。
【0010】
このような、不都合を回避する方法として、レジスト原盤における、そのパターン化したレジスト層をマスクとしてRIE(反応性イオンエッチング)、すなわちプラズマエッチングによって原盤を構成する基板面をエッチングして、この基板面に凹凸パターンを形成するようにして、このエッチングされた基板上にNiメッキを施してスタンパーないしはスタンパーを形成するマスタスタンパーを作製する方法の試みがなされている。
この方法による場合、そのRIEで用いられるエッチングガスの選定、エッチング条件例えば高周波数パワー、圧力等の調整によって、エッチング凹部の形状、すなわち側面のエッジ角度を容易に制御することができる。したがって、これによって、射出成形の転写性を考慮して、適正な凹凸側面形状を有するスタンパーを作製することができる。
【0011】
【非特許文献1】Jpn.Appl.Phys.Vol.40(2001)pp.1653−1660,Part 1,No.3B,March2001,Fig.10参照)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、光ディスク作製のスタンパーを得るための原盤作製において、原盤を構成する基板上のレジスト層に対する電子ビ−ム描画と、基板面に対するエッチングプロセス、すなわちRIEとの組み合せによる方法を採ることによって高密度のプラスチック製光ディスクの量産化を実現できると考えられていた。
ところが、このような方法において、RIE方式の検討を進めていくなかで、エッチング済の原盤の基板、すなわちシリコン基板上に、厚さ0.3mm程度にNiメッキを施して、Ni薄板を形成し、これを凹凸パターンを有するシリコン基板面から剥離してスタンパーを得るとき、その剥離に際して、微細なピット部すなわち凹部の形成部となる凸部が崩れ、これが、スタンパー表面から脱落するなどの欠陥なしは欠落が発生することが判明した。
【0013】
これは、硬度の高いシリコン基板による凹部のピット部分から比較的硬度の低いNiのピット形成部の凸部を剥がすとき、局所的に大きな応力が加わったため、ピット形成部の凸部が崩れるすなわち破損するものと考えられる。
因みに、従来の紫外レーザーカッティングによりフォトレジストから成るピットが形成された原盤からNiスタンパーを剥離する方法による場合においては、Niスタンパー側にレジストが付着するため、このような現象は皆無であった。これは、フォトレジストがNiに比較すると格段に柔らかいため局所的に大きな応力が加わることがなく、このため剥離時にはレジストの方がスタンパー側に持っていかれるため、上述したシリコン基板に対するより剥離に大きな力を要しないことによると思われる。
【0014】
本発明においては、上述したように、原盤基板上のフォトレジスト層に対する電子ビ−ム照射によるカッティングと、その基板に対するRIEすなわちプラズマエッチングによってNiスタンパーを作製する手法において、アスペクト比が高い高密度記録のパターンを形成するNiメッキ層側に残る凸部ピットの崩れや分離による欠陥の発生を回避することができる光ディスク用スタンパー、すなわち光ディスクの成形に用いられるスタンパー、あるいはこのスタンパーを転写形成するいわゆるマザースタンパーを形成するためのいわゆるファザーないしはマスタースタンパーを形成することができる光ディスク用スタンパーの製造方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明によるスタンパーの製造方法は、半導体基板上に、ネガ型電子線感光レジストを塗布する工程と、この電子線感光レジスト層に、最終的に得る光ディスクに形成する凹凸パターンに対応するパターンの描画を行う電子ビ−ム照射工程と、この電子線感光レジスト層を現像処理して最終的に得る上記光ディスクの凹凸パターンの凹部をピットとするレジスト層のパターン化工程と、このレジストパターンをマスクとしてプラズマエッチングによって半導体基板面に、レジストパターンを踏襲するパターンによる凹凸パターンを形成する工程と、レジストパターンを除去する工程と、凹凸パターンが形成された半導体基板面に、Niメッキ層を形成する第1のメッキ工程と、このメッキ層をレジストパターンを有する半導体基板面から剥離して、半導体基板面の凹凸パターンの反転凹凸パターンを有し、上記光ディスクの凹凸パターンの凹部をピットとする第1のスタンパーいわゆるマザースタンパーを作製する。
【0016】
また、本発明方法においては、上述の第1のスタンパー上に、第2のNiメッキ層を形成する第2のメッキ工程を有し、第1のスタンパーの凹凸パターンの反転パターンを有する第2のスタンパー、すなわち最終的に形成する光ディスクの凹凸パターンの凹部をピットとする、光ディスクの凹凸パターンを形成する成形スタンパー、あるいはこの成形スタンパーを繰り返し転写によって作製するマスタースタンパーを作製するものである。
【0017】
上述したように、本発明方法においては、スタンパーの原盤作製を、微細なパターンを形成することができる電子ビ−ム照射を適用した露光と現像、すなわちカッティング方法と、その基板に対するパターンエッチングをプラズマエッチングによって行うという方法を採るものであるが、本発明においては、その電子ビ−ム照射を行う原盤作製の基板、すなわち半導体基板上のレジストを、特にネガ型レジストとする。このようにすることによって、原盤となる半導体基板における目的とする光ディスクの凹凸パターンにおけるピット部を凸として形成する。
【0018】
したがって、上述した第1のNiメッキおよびその剥離によって形成する第1のスタンパーは、最終的に形成する光ディスクの凹部、すなわち例えば情報ピットを形成する部分が、凹部として形成されることから、従来方法におけるように、凸部として形成される場合における崩れ等の破損、すなわち欠陥の発生が回避されるものである。
そして、第2のNiメッキの剥離においては、第1のNiメッキによる比較的柔らかい第1のスタンパーからの剥離であることから、凸部における上述した欠陥の発生が回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明による光ディスク用スタンパーの製造方法の実施の形態を例示するが、本発明は、この例に限定されるものではない。
図1および図2は、本発明製造方法の一例の各固定の概略断面図を示す。
先ず図1Aに示すように、後述する電子ビ−ム照射によって帯電しにくい例えばシリコン半導体基板より成る原盤の基板1を用意する。
そして、この基板1上に、電子線に感光するネガ型のレジスト層2を、例えばスピンコートによって、例えば膜厚80nmに均一に塗布する。
このレジスト層2としては、化学増幅型のネガレジストが高解像力を有することから好適である。
【0020】
次に、電子ビーム描画装置を用いて集束電子ビ−ムを、スパイラル状あるいは同心円状に、記録信号に応じて変調して照射することによってレジスト層2に対する最終的に形成する光ディスクにおける凹凸パターンに対応する描画を行う。
その後、このレジスト層2に対して必要に応じたPEB(Post Exposure Baking)を施し、専用現像液で処理して、図1Bに示すように、最終的に形成する光ディスクの凹凸パターンの凸部すなわち例えば情報ピット、グルーブに相当する部分が残されたパターン化を行う。
【0021】
図1Cに示すように、基板1上のレジスト層2を、エッチングマスクとして、CF4、CHF3などのフロン系ガス、またはCl2などのCl系ガスでSiを80nm程度の深さにRIEによってエッチングして基板1の表面に凹凸パターン3を形成する。このようにして形成された凹凸パターン3は、最終的に形成する光ディスクにおける凹凸パターンの凸部をピットとするパターンとなる。この場合、エッチング条件、例えば反応ガスの選定、ガス圧、高周波印加パワーの選定等によって凸型の傾斜角度の制御を行うことができる。すなわち、例えばレジスト層2におけるパターンが例えば90度近く切り立っていても、RIE後のシリコン半導体基板1の傾斜角度を70度程度に緩やかにすることができる。したがって、その後のメッキ層の剥離を良好に行うことができる形状とすることができる。
その後、図1Dに示すように、レジスト層2を除去する。
【0022】
次に、図2Aに示すように、基板1の凹凸パターン3を有する面上に、通常の方法によって、すなわち例えば表面の導電性の付与のための例えば無電界メッキあるいはスパッタリングを行い、その後Niの電気メッキを行って第1のメッキ層4を形成する。
次に、図2Bに示すように、このメッキ層4を、シリコン半導体基板1から剥離して第1のスタンパー41を得る。この場合、第1のNiメッキ層4による第1のスタンパー41は、シリコン半導体基板1に比し柔らかいが、この場合、ピット形成部が凹となっていることから、この凹でのメッキ層4の食いつきは発生せず、スタンパー41の剥離が良好になわれる。また、上述した傾斜角の選定によってメッキ層4の剥離において、前述した欠陥や欠落を回避することができる。
【0023】
次に、図2Cに示すように、この第1のスタンパー41の凹凸パターンを有する面に、第2のNiメッキ層5を形成し、図2Dに示すように、これを剥離して第2のスタンパー42を得る。このスタンパー42は、目的とする光ディスクの凹凸パターンの凹部、すなわち例えば情報ピットや、グルーブを、凸とする凹凸パターンを有する。すなわち、この第2のスタンパー42は、これ自体を、光ディスクの例えば射出成形、あるいは2P法のスタンパーとして用いることができる。あるいは、この第2のスタンパー42から、射出成形、あるいは2P法のスタンパーを、例えばNiメッキによる繰り返し反転を行うことによってマスタースタンパーとして用いることができる。
【0024】
このようにして、第1のスタンパー41と、これからの剥離によって形成した第2のスタンパー42は、共にNiによって構成されることから、シリコン基板に比しては柔らかいことから、前述した局部的応力の発生を回避することができることによって欠陥や欠落の発生を回避することができる。
【0025】
上述した本発明方法における、基板1上に形成したレジストに対する電子ビ−ム照射を行う電子ビ−ム描画装置EBRは、例えば図3にその概略構成を示すように、除振テーブル50上に配置される。
この電子ビ−ム描画装置EBRは、上部の電子ビ−ムカラム52、下部のスピンドル53、スライド例えばエアスライド51等から成る機構部を有する。
そして、これらが除振テーブル50に載置されて設置場所での外部振動が除去されるようになされている。
【0026】
電子ビ−ム描画がなされるレジスト層2が形成されたシリコン半導体基板1は、スピンドル53によって回転される載置台上に載置される。
電子ビ−ムカラム52においては、例えばZrO/Wから成る熱電界放出方式による電子線源、陽極等を有する電子銃54を有する。電子線源から放出された電子は、陽極により数十kVで加速され、静電レンズによるコンデンサ−レンズによって集束されてアパーチャ−56に達し、このアパーチャ−56によって絞られた電子ビ−ムは、ビ−ム偏向電極57によって、回転する基板1上に回転の半径方向に走査するように偏向され、それぞれ静電レンズあるいは電磁レンズによるフォーカス調整レンズ58および対物レンズ59によって、基板1上のレジスト層2に、例えば数10nmの径をもってスポット照射するようになされる。
【0027】
そして、アパーチャ56上のブランキング電極、すなわちビーム変調部60によって、照射電子ビ−ムをアパーチャ56に向けて、アパーチャ56を通過させたり、側方に向かわしてアパーチャ56を通過することがないように制御することによって例えば記録情報に応じてオン・オフ制御するビーム変調を行う。
【0028】
基板1は、スライド51上に配置されたエアスピンドル53上に、チャッキングされる。
スピンドル53は、高精度の回転スピ−ドで高速回転できるものであり、その回転スピードは、光学式ロ−タリ−エンコ−ダ−を用いたサ−ボ機構により制御される。また、スライド51は、数nmの送り精度で基板1の波形方向に駆動される。
【0029】
本発明製造方法におけるレジスト層2に対する電子ビ−ム照射は、このようなEBR装置を用いて行うことができる。しかしながら、その電子ビ−ム照射は、この構成によるものに限らないことはいうまでもない。
【0030】
上述したように本発明方法によれば、微細パターンによる凹凸パターンが良好に形成されたマザ−スタンパーによる第1のスタンパー41が得られるものであり、また、さらにこの高精度を有するマザースタンパーから、光ディスクの成形用スタンパー、あるいはこの成形用スタンパーを得るマスタースタンパーとしての第2のスタンパー42を得ること、しかもその剥離は、Ni材同士の剥離によってなされることから、欠損等を生じることなく、したがって、高精度に歩留りよく量産的に得ることができる。
そして、このNiメッキによって得た第2のスタンパー42によって、この上に、同様のNiメッキを施すことによって、多数のレプリカによる成形用のスタンパーを、同様の理由から、欠損等を生じることなく、したがって、高精度に歩留りよく量産的に得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
上述したように、本発明方法においては、スタンパーの原盤作製を、微細なパターンを形成することができる電子ビ−ム照射を適用した露光と現像、すなわちカッティング方法と、その基板に対するパターンエッチングをプラズマエッチングによって行うという方法を採るものであるが、本発明においては、その電子ビ−ム照射を行う原盤作製の基板、すなわち半導体基板上のレジストを、特にネガ型レジストとする。このようにすることによって、原盤となる半導体基板における目的とする光ディスクの凹凸パターンにおけるピット部を凸として形成する。
【0032】
したがって、上述した第1のNiメッキおよびその剥離によって形成する第1のスタンパーは、最終的に形成する光ディスクの凹部すなわち例えば情報ピットを形成する部分が凹部として形成されることから、従来方法におけるように、凸部として形成される場合における崩れ等の破損すなわち欠陥の発生が回避されるものである。
そして、第2のNiメッキの剥離においては、相互に同一材料の第1のNiメッキによる比較的柔らかい第1のスタンパーからの剥離であることから、凸部における上述した欠陥の発生が回避される。
【0033】
したがって、本発明によるスタンパーを用いて光ディスクの成形、例えば射出成形、あるいは2P法による押圧成形を行うことによって、微細パターンによるすなわち高密度記録による光ディスクにおいても、その凹凸パターンを正確に歩留りよく、量産的に製造することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A〜Dは、本発明による光ディスク用スタンパーの製造方法の一例の一部の工程図である。
【図2】A〜Dは、図1の製造方法の一例の工程に続く工程図である。
【図3】本発明製造方法に適用することのできる電子ビ−ム照射装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・半導体基板、2・・・レジスト層、3・・・凹凸パターン、4・・・第1のメッキ層、5・・・第2のメッキ層、41・・・第1のスタンパー、42・・・第2のスタンパー、50・・・除振テーブル、51・・・スライド、52・・・電子ビ−ムカラム、53・・・スピンドル、54・・・電子銃、55・・・コンデンサ−レンズ、56・・・アパーチャ、57・・・ビ−ム偏向電極、58・・・フォーカス調整レンズ、59・・・対物レンズ
Claims (4)
- 半導体基板上に、ネガ型電子線感光レジストを塗布する工程と、
該電子線感光レジスト層に、最終的に得る光ディスクに形成する凹凸パターンに対応するパターンの描画を行う電子ビ−ム照射工程と、
該電子線感光レジスト層を現像処理する上記レジストのパターン化工程と、
該レジストパターンをマスクとしてプラズマエッチングによって上記半導体基板面に上記レジストパターンを踏襲するパターンによる凹凸パターンを形成する工程と、
上記レジストパターンを除去する工程と、
上記凹凸パターンが形成された上記半導体基板面に、Niメッキ層を形成する第1のメッキ工程と、
該メッキ層を上記レジストパターンを有する半導体基板面から剥離して、上記半導体基板面の凹凸パターンの反転凹凸パターンを有し、上記最終的に得る光ディスクの上記凹凸パターンの凹部をピットとする第1のスタンパーを製造することを特徴とする光ディスク用スタンパーの製造方法。 - 請求項1に記載の上記第1のスタンパー上に、第2のNiメッキ層を形成する第2のメッキ工程を有し、
上記第1のスタンパーの凹凸パターンの反転パターンを有し、上記光ディスクの上記凹凸パターンを成形するスタンパー、もしくは該スタンパーを繰り返し反転によって作製する第2のスタンパーを製造することを特徴とする光ディスク用スタンパーの製造方法。 - 上記半導体基板が、シリコン基板であることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク用スタンパーの製造方法。
- 上記プラズマエッチングが、CF系もしくはCl系ガスによることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク用スタンパーの製造方法。
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