JP2004288246A - 近接場光メモリヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】近接場光メモリヘッド6においては、レーザ基板構造2に垂直共振器表面発光半導体レーザ8が格子状に配列され、各半導体レーザ8からのレーザがプローブ基板構造10のマイクロレンズ32に入射される。レーザは、マイクロレンズ32によって金属薄膜周期構造34の開口38に向けて集光される。金属薄膜格子構造34は、金属薄膜34−1上を延出される格子状セグメント34−2を備え、照射されたレーザによって表面プラズモン・ポラリトンが励振され、開口38からは、鋭く且つ強度の大きいエバネッセント波が出力される。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、近接場光を利用した近接場光メモリヘッドに係り、特に、超高速・超高密度での記録再生が可能な超微細開口アレイと微細構造グレーティングとを有する平面形光記録アレイ光メモリヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近接場光(エバネッセント波)を利用した近接場光メモリヘッドに関しては、下記特許文献1〜特許文献5で知られている。これら特許文献に開示された光記録再生用光メモリヘッドは、複数の垂直共振器表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)を光源とし、この表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)を二次元アレイに配置している。この表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)を備えた近接場光メモリヘッドでは、各単一モード半導体レーザの出力が1mW以下という低いパワーであり、従って、記録媒体としての光ディスクに十分に記録ができるような記録パワー密度向上のための工夫が必要とされている。
【0003】
特許文献3には、出力窓から出力される近接場光(エバネッセント波)のパワーを向上すべく、各垂直共振器表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)からのレーザをレーザ素子と一体に形成された全反射プリズムに導き、その先端の出力窓から近接場光を出力させる構造が開示されている。また、特許文献5には、垂直共振器表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)のアレイに対向して同様にアレイ状に配置されたプリズム体に夫々レーザ素子からのレーザを導き、このプリズム体の先端に設けた出力窓から近接場光(エバネッセント波)を効率的に記録媒体に向けて出力する構造を開示している。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−172166
【0005】
【特許文献2】
特開平10−143895
【0006】
【特許文献3】
特開2000−195093
【0007】
【特許文献4】
特開2001−028109
【0008】
【特許文献5】
特開2002−10769
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
近い将来、二次元アレイの超並列光メモリヘッドに対しては、超高速のデータ転送レート(略10Gbps)が要求されると想定され、このような超高速のデータ転送レートを実現する技術が必要とされる。従来、1mW以下という低いシングルモードの出力パワーの垂直共振器表面発光半導体レーザ素子(VCSEL)を有効に活用するために、特許文献3或いは特許文献5が提案されているが、より出力パワーが大きな近接場光(エバネッセント波)を効率的に記録媒体に向けることが要求されると想定され、そのような技術の提案が待たれている。
【0010】
この発明は、上述したような事情に鑑みなされたものであって、その目的は、半導体レーザ素子から超微細開口を介して光波を高効率で記録媒体に向けることが可能な近接場光メモリヘッドを提供するにある。
【0011】
また、この発明の目的は、低いレーザ出力で高い記録パワー密度が確保される新方式の光ヘッドを提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、
少なくと1つの半導体レーザ発振構造を備える半導体レーザ基板と、
この半導体基板に対向され、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームが入射されるレーザビームに対して略透明な透明基板と、この透明基板に形成され、この透明基板を介して前記レーザビームが向けられる開口を有し、周期的な凹凸を有する金属膜構造とを備えるプローブ基板と、
前記開口から発生される近接場光を光記録媒体に向けて照射するようにプローブ基板と前記光記録媒体を略一定間隔に保持する保持機構と、
から構成されることを特徴とする近接場光メモリヘッドが提供される。
【0013】
また、この発明によれば、
複数の半導体レーザ発振構造を備える半導体レーザ基板と、
この半導体基板に対向され、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームに対して略透明な透明基板と、この透明基板に形成され、この透明基板を介して前記レーザビームが向けられる開口を有し、周期的な凹凸を有する金属膜構造とを備えるプローブ基板と、
前記開口から発生される近接場光を光記録媒体に向けて照射するようにプローブ基板と前記光記録媒体を略一定間隔に保持する保持機構と、
から構成されることを特徴とする近接場光メモリヘッドが提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る光メモリヘッドついて説明する。光メモリヘッドの構造は、図1に示されているが、この光メモリヘッドは、種々の記録媒体から後に説明するように情報を再生することができ、或いは、情報を記録媒体に記録することができる。従って、本実施の形態の光メモリヘッドは、再生用の光メモリヘッド、記録用の光メモリヘッド、或いは、記録再生用の光メモリヘッドとして実現できるものである。また、ここで記録媒体は、光学的に再生或いは記録可能な媒体の総称であって、光記録媒体とは、いわゆる一度の記録可能な光記録媒体である読出専用光ディスク(CD−R、DVD−R)、書換え可能な光記録媒体である相変化光ディスク(PC、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)、或いは、フォトンモード記録媒体を含む光ディスク、或いは、光磁気記録媒体、いわゆる光磁気ディスク(MO)等を含むものである。
【0015】
図1は、本発明の一実施例に係る光メモリヘッドの構造及びこのヘッドを組み込んだシステムを概略的に示す断面図である。
【0016】
図1に示されるように光メモリヘッド6は、垂直共振器表面発光半導体レーザ8(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:以下「VCSEL素子」と称する。)が格子状、即ち、マトリックス状に配列されているレーザ基板構造2を備えている。このレーザ基板構造2上には、垂直共振器表面発光半導体レーザ8が格子状に配列されるに伴い多数のレーザ出力ポート3が格子状、即ち、行列に所定ピッチで配置されている。このレーザ基板構造2に対向してプローブ基板構造8がギャップ10を介して配置されている。レーザ基板構造2とプローブ基板構造8とは、一体化されて光メモリヘッド6を構成し、ジンバル4に基板構造2が固定されている。従って、光メモリヘッド6がジンバル4によって光ディスク12に対して水平に支持されている。プローブ基板構造8が光記録媒体、即ち、光ディスク12に対向する面には、プローブ基板構造8と光ディスク12との間を一定に維持すべく3本足のトライスパッド或いは浮上スライダ14が設けられ、この3本足のトライスパッド14或いは浮上スライダによって光メモリヘッド6が光ディスク12に実質的に載置されている。光メモリヘッド6と光ディスク12との間には、10〜20nm程の間隙が設けられ、この間隙には、潤滑剤16が塗布されている。光ディスク12は図示しない回転機構によって回転され、光メモリヘッド6から後に説明される近接場光(エバネッセント波)によって走査されている。ここで、光ディスク12上に光メモリヘッド6が載置されるコンタクトヘッド方式を採用する場合に限らず、光ディスク2上に後に説明するような微細間隔を空けて光メモリヘッド6が保持される方式、例えば、空気流で光メモリヘッド2が微小浮上されて保持されるフローティングヘッド方式等が採用されても良い。
【0017】
図2に示されるように垂直共振器表面発光半導体レーザ8(VCSEL素子)は、既に知られているように、半導体基板22上に形成され、複数枚から数十枚の多層膜ミラーで構成される半導体DBR(分布ブラック反射)反射鏡23、24、DBR反射鏡23および24の間に設けられる活性層25並びに半導体あるいは誘電体DBR反射鏡26により構成される。レーザ発振はDBR反射鏡23及び24の間で垂直方向に生ずるが、このレーザ発振をVCSEL素子8の中央部で生じさせるためにVCSEL素子8の中心部を残して周辺部は高抵抗にされている。そして、誘電体DBR反射鏡26は、中央部でのレーザ発振により発生するレーザを出力するために中央部に位置づけされている。このような構造において半導体基板22側には、電極27が設けられ、半導体もしくは誘電体DBR反射鏡26側には電極28が設けられている。レーザ基板構造2の一例として、夫々が直径10μmを有するVCSEL素子8が20〜30μmの間隔で配置され、各素子は、1.0mW程度のレーザビームを出力する。
【0018】
レーザ基板構造2に対向するプローブ基板構造8には、マイクロレンズアレイが設けられている。即ち、多数のレーザ出力ポート3に対応して格子状にマイクロレンズ32が設けられている。この各マイクロレンズ32は、例えば、10μmの直径を有し、好ましくは、各レーザ出力ポート3からのレーザビームを出力ポート3に反射しないようにする為に反射防止膜が複数層形成されている。各マイクロレンズ32には、各レーザ出力ポート3からのレーザビームが入射され、このレーザビームは、各マイクロレンズ32によって光ディスク12に対向されるレーザ基板構造2の面に向けて集束される。プローブ基板構造8の一方の面には、上述したマイクロレンズ32が設けられ、その他方の面には、AuやAg等の金属薄膜の格子構造34が設けられている。マイクロレンズ32は、非金属材料、例えば、半導体結晶材料、或いは、MMA(ポリメチルメタアクリル)又はPC(ポリカーボネイト)等のプラスチック材料で作られている基板36上に基板36と一体的に形成され、金属薄膜格子構造34は、後に述べる製造工程から明らかなように半導体としてのGaP或いはSi結晶(SOI)基板36に組み付け固定され、この金属薄膜格子構造34中には、各マイクロレンズ32からのレーザビームが集束される開口径ASを有する開口(アパーチャ)38が穿けられている。この金属薄膜格子構造34は、図3に示すように金属薄膜34−1及び金属薄膜34−1上を延出される格子状セグメント34−2を備えている。この格子状セグメント34−2は、高さGH及び幅GWを有する略壁状に基板36内に立設され、格子ピッチGPで配列されている。この格子状セグメント34−2は、格子状に配列される場合に限定されるものではなく、直線状セグメント34−2が金属薄膜34上に複数列配置されるような構造でも良く、このような直線状セグメント34−2の配列にあっても格子状構造に含めるものとする。尚、開口(アパーチャ)38は、金属薄膜34−1上に形成される。
【0019】
金属薄膜格子構造34は、波長のオーダでは平坦な金属薄膜構造に形成されている。ここで、波長のオーダで平坦な構造とは、波長の単位で観察すれば平坦であるが、波長の単位以下、例えば、数10ナノメータから数100ナノメータのオーダでは凸凹がある構造に観察できることを意味している。開口38は、金属薄膜、例えば、厚さ30ナノメータ程度の薄膜平面上に光波長の十分の一以下の小さな開口径を有している。金属周期構造、即ち、金属格子構造としての格子状セグメント34−2は、開口38の開口サイズの数倍の大きさの値を有し、しかも、光波長λの数分の一のピッチGPを有し、深さも30ナノメータ前後で、幅が10ナノメータ前後に形成される。換言すれば、格子状セグメント34−2は、開口38を通過するエバネッセント波の半波長サイズ、即ち、基板36材料である非金属物質の屈折率をnとし,真空中における光の波長をλとした場合に、半波長の整数倍(λ/2n)或いは1/4倍(λ/4n)のピッチを有する。
【0020】
図1に示す近接場光メモリヘッドでは、VCSEL素子8からのレーザビームは、マイクロレンズ32によって比較的広いビームウエスト(500nm〜1μmのスポットサイズ)を形成するように金属薄膜34−1上に集束される。このビームウエスト、即ち、ビームスポットのサイズは、入射されたレーザビームによって微細周期構造金属に表面プラズモン・ポラリトンを励振させるために前記開口38の開口径よりもかなり大きな値となっている。
【0021】
光ディスク12は、金属材料、或いは、GeSbTe等の相変化材料で作られた光記録媒体層40が基板42上に形成され、この光記録媒体層40上に厚さ5nm程の特殊加工された炭素系保護膜44が形成されている。この炭素系保護膜44上の潤滑剤16は、この保護膜のカーボンに結合する構造を有する潤滑剤分子をその組成とし、厚さ1nmで光メモリヘッド2にも接触している。
【0022】
尚、上述した実施形態では、半導体レーザは垂直共振器表面発光半導体レーザアレイがレーザ基板構造2に形成される場合について説明したが、他の構造のレーザが基板に形成されても良く、また、マトリックス、即ち、格子状に半導体レーザアレイが配置される場合について説明したが、一列アレイに半導体レーザが基板構造2に形成される場合或いは単に1つの半導体レーザが基板構造2に形成され、光メモリヘッドが唯1つの半導体レーザを備える場合にも適用することができるものである。
【0023】
上述した構造を光メモリヘッドに採用する理由は、下記のような発明者の考察及び考察を背景としたシュミュレーションに基づいている。下記シュミュレーションにおいては、VCSEL素子8からは、ガウス分布を有するレーザビームが発生され、その波長780nm或いは850nmを有するレーザビームが金属膜構造34に向けられるものとしている。
【0024】
この半導体結晶で作られたマイクロレンズ32の焦点側に超微細構造の金属周期構造、即ち、金属格子構造34を配置すると、その焦点付近に穿孔した10nm開口のアパーチャから射出するエバネッセント波(近接場光)出力が1,000倍から100,000倍も増強することが判明した。即ち、シングルモード半導体レーザ(VCSEL)の出力が100μWで,近接場光を射出するアパーチャ(開口)サイズが10nmとすると、通常のエバネッセント光の出力は4桁低下し,10nWとなる。しかし、直径10μmの球状マイクロレンズによって前述開口付近にVCSEL光を集めると約70倍の増倍光が得られることが判明した。また,波長が780nmのときで金属薄膜グレーティングの微細構造34を幅10nm,深さ30nmとし,周期すなわちピッチをレンズ兼平面プローブ構造媒質(たとえばSiやGaPなどの半導体材料)の屈折率をnとした場合の媒質内での半波長(λ/2n)はSiのときに108nm,GaPのときに118nmとなることが判明している。このピッチで金属薄膜グレーティングを前述マイクロレンズで収束させたVCSEL光の焦点付近でかつ近接場開口付近に開口よりは広いビームで照射されるように構成したところSi内での吸収やVCSELから開口までの伝搬損失があるにもかかわらず,1000倍以上の増強効果があることがわかった。したがって,最終的に10nW×70×1000=700μWのエバネッセント波が開口直後に得られることがわかった。開口のサイズを15nmとすると100μWの出力が得られ,ほぼ100%のスループットとなる。相変化媒体のときの必要な記録光パワーは、30nmの開口のときに30μW、15nmのときに7.5μW、10nmのときに4μWであるので,十分に記録できることが判明した。
【0025】
次に、図1に示されるVCSELアレイを備えた光メモリヘッド6における再生及び記録動作について図4及び図5を参照して説明する。VCSELアレイを備えた光メモリヘッド6においては、同一行に配置されたVCSEL素子8から射出される一列のエバネッセント光は、光記録媒体又は光磁気記録媒体12の記録層上に照射され、その一列の素子数に対応したビームスポットを形成し、記録媒体が回転されていれば、その数に対応したビーム軌跡が記録媒体上に形成される。
【0026】
以下、説明を簡単にするために便宜上、VCSEL素子2がN行M列の一例として5行5列に配置されているVCSELアレイについて説明する。本明細書において、行とは、図5に示す光記録媒体の回転方向Rxの接線方向Kに沿って配列されるものを称し、列Lとは、光記録媒体の半径方向に沿って配列されたものを称する。尚、図4においては、エバッネセント波がしみだされる開口16に代えてVCSELアレイを用いて説明している。実際には、開口16からのエバッネセント波によって記録媒体44への情報の書き込み及び再生が実現されることから、N行M列のエバッネセント波で書き込み及び再生されると以下の説明で理解されたい。
【0027】
図4に示される5行5列のVCSELアレイAにおける第5行第1列目から第5列目に配列された5つのVCSEL素子1からのレーザに基づいて合計5本のエバネッセント光がVCSELアレイAに対して垂直方向に向かって射出される。従って、このVCSEL素子1と対向して配置される光記録媒体の記録層16上には、5個のビームスポットが形成される。通常、光記録媒体12は、回転して情報が記録され、また、再生されることから、その記録層16上には、5本のエバネッセント光の軌跡が描かれることとなる。ここで、光記録媒体の回転の接線Kと前記VCSEL素子1における行方向Lとが平行となるように、光記録媒体と前記VCSEL素子1が配置されている場合には、5個のビームスポットが記録層上で描く軌跡は重なり合って一本になり、実質的に5個のエバネッセント光で光記録媒体をスキャンすることができない。そこで、図1及び図4に示されるVCSELアレイ8においては、VCSELアレイ8の行方向Lが図5にも示すように光記録媒体の回転の接線Kに対して所定の微小角度θだけ傾けられている。このように配置する場合には、5個のビームスポットは、同列かつ隣り合う行に配置された2つのVCSEL素子8が形成する2個のビームスポット、すなわち、前述の場合第4行第1列と第5行第1列に位置するVCSEL素子8が形成する2個のビームスポットの間に重なり合うことなく配置することができる。ただし、端点である第3行第1列に位置するVCSEL素子1が形成する1個のビームスポットは、前記5個のビームスポットに含めるものとする。従って、図5に示すように中心Oの回りに光記録媒体12が回転すれば、その記録層上に5本の重ならない連続した軌跡を描くことができるので、5トラックによる情報の記録再生が可能となる。
【0028】
図5に示された記録用のVCSELアレイA光メモリヘッドで記録された情報を再生する再生システムにおいは、VCSEL素子8に戻される光の強弱によってレーザ素子の端子間電圧を監視し、その変化を二値情報に対応させることで記録媒体16に記録されている情報を読み取ることができる。具体的には、記録媒体16に記録された情報ビットの有無に応じて、例えば、情報ビットが存在するときには、情報ビットを高い反射率を有する結晶状態としておけば、該情報ビットに反射した光が光メモリヘッド2の開口38を通してマイクロレンズ32を介してVCSELアレイAの中に入射し、VCSEL素子8に戻される光の強弱によってレーザ素子の端子間電圧を監視している。反対に、情報ビットが存在しないときは、情報ビットを低い反射率を有するアモルファス状態としておけば、この情報ビットが存在しない領域でレーザ素子のインピーダンス変化が少なく、情報ビットで反射した光がVCSEL素子8内に入射されてもこのVCSEL素子8の端子電圧変化分が少なくなる。従って、レーザ素子の端子間電圧を監視し、これらを二値情報に対応させることができ、記録用のVCSELアレイA光メモリヘッドで記録された情報を読み取ることができる。
【0029】
再生時には、各VCSEL素子8には、常時注入電流を流してVCSEL素子8への戻り光の強弱によって生ずる電極の端子間電圧変化をモニターしている。このようなメカニズムで光記録媒体に記録された情報ビットを読み取ることが可能となる。なお、ここでは説明のため記録用光メモリヘッドと再生用光メモリヘッドを個別に記載したが、記録と再生とを光メモリヘッドに共有させることも可能である。
【0030】
次に、図6(a)〜(c)を参照して金属薄膜周期構造並びに超微小開口の作成方法について説明する。
【0031】
初めに図6(a)に示すように半導体基板、即ち、GaP基板或いはSi結晶(SOI)シリコン基板50が用意される。ここでは、例えば、10μm厚のSOI50が用意される。このSOI50上に10nm厚の金(Au)が蒸着される。更に、この金蒸着膜51上に30nm厚の電子ビーム用の超分解能フォトレジスト52が形成される。その後、AFMリソグラフィ装置(原子間力顕微鏡リソグラフ装置)を利用して、線幅10nmで、ピッチ118nmで格子状のパターン54がフォトレジスト52に描画される。ここで、AFMリソグラフィ装置は、3次元(X−Y−Z方向)の広い範囲に亘ってそのカンチレバー先端を位置させることができる装置であって、その先端がダイヤモンド化され、或いは、シリコン(Si)製のカンチレバーの先端に金(Au)の薄膜が蒸着されて導電化されている。このような3次元AFMリソグラフィ装置では、平面部のカンチレバー先端56と金蒸着膜51との間に約20V程度の電圧を印加して10mA程度の電流をカンチレバー先端56から金属膜コートされたSi基板間のフォトレジスト52に流しながら幅10nmの格子パターン54をフォトレジスト52上に描いて、線幅10nmのパターン54が形成される。このパターン54は、フォトレジスト52に電流を注入することによって本来モノマーであった部分が通電によって硬化されてポリマーに変化した領域に相当する。その後、格子パターン54が設けられた基板50は、110°Cの炉で1.5分間ベーク(焼成)されて格子パターン54が描かれた領域が確実にポリマー化され、図6(b)に示される基板構造が形成される。
【0032】
尚、上述した工程で、GaP基板(屈折率n=3.3)にあっては、レーザ波長λとして780nmを想定していることから、好ましくは、格子溝57のピッチ(グレーティングピッチ)は、120nmで描かれ、Si基板(屈折率n=3.6)にあっては、レーザ波長λとして850nmを想定していることから、好ましくは、格子溝57のピッチ(グレーティングピッチ)は、118nmで描かれる。
【0033】
次に、図6(b)に示される基板構造のフォトレジスト52は、現像液、例えば、MF−CD−26に晒されて現像処理が施され、図6(c)に示すように格子パターン54の領域のみが残され、モノマーであった部分が溝55に形成される。現像された基板構造は、純水にてリンスされ、その後乾燥される。乾燥された基板構造は、格子パターン54の領域をマスクとしてNi薄膜メッキ処理が施される。このメッキ処理は、金蒸着膜51が一方の電極として繰り返しが200msでパルス幅が100msのパルスメッキが実施される。従って、図6(d)に示すように微細なニッケル金属粒子で溝55内がメッキされてメッキ層57が形成される。表面状態がSEM等で確認され、その後、メッキ層57がマスクとされて、図6(e)に示すようにシリコンの10μm厚のSOIなどへ深さ30nmの垂直溝59をRIE或いはイオンミリングによるドライエッチングにて形成する。この工程では、シリコンウエーハ表面のエッチングにより、幅10nm深さ30nmの格子溝58、59が形成される。その後、図6(f)に示すようにこの格子溝58、59を真空蒸着もしくはスパッタにて深さ30nmの最内部まで金属、例えば、AuやAgで埋め戻す。このとき,全面は、厚さ30nmの一様な金薄膜34−1及び金属セグメント34−2で覆われるが、格子溝58、59の表面の上はかなり凹んで形成される。この表面を凹みのない平面状に形成することは難しいが、表面の周期構造はこのまま残しても良く、この凹凸は、光ディスク表面に光メモリヘッド6が張り付くのを防ぐ機能を有することとなる。
【0034】
金属膜構造34への開口30nmの穿孔も上で述べたと同様な手法で形成しても良い。即ち、フォトレジストコート後、AFMリソグラフィ装置のカンチレバーの先端で30nmの逆ピラミッド孔を開け,これをマスクとしてドライエッチングにて厚さ30nmの金薄膜部に開口アレイを形成することができる。
【0035】
尚、金薄膜部に開口アレイを形成する際には、図6(f)に示す基板構造の金属膜34−1に図6(a)と同様に超高分解能のフォトレジストが塗布され、その後、この基板構造がレーザ基板構造2に組み付けられ、レーザ基板構造2の各半導体レーザ8が発振されて金属膜構造34を介して図6(b)と同様にレーザ光が照射された箇所がポリマー化されて開口38を形成すべき箇所を特定し、図6(a)に示すようにAFMリソグラフィ装置を利用して開口パターンを描かいても良い。この描かれた開口パターンは、図6(b)〜図6(d)と同様の工程で開口38に形成される。
【0036】
尚、AFMリソグラフィ装置装置は、その走査面積を150×150μmにして上述した製造工程を実現することができる。
【0037】
図7〜図13を参照して本発明者によるシュミュレーションの結果について説明する。
【0038】
図7は、開口サイズ(アパーチャサイズ)ASが30nmの場合で金属格子構造を設けない場合▲1▼、格子ピッチ(=240nm)の金属格子構造を設けた場合▲2▼及び格子ピッチGP(=120nm)の金属格子構造を設けた場合▲3▼における光メモリヘッドからのエバネッセント波の出力を示している。ここで、金属格子構造を設けた場合には、格子のセグメントの幅GWは、10nmに設定され、格子セグメントの高さGHは、30nmに設定されている。図7から明らかなように金属格子構造を設けない場合には、光メモリヘッドからのエバネッセント波の出力が相対値で31(無定数)であったものが、格子ピッチ(=240nm)の金属格子構造を設けた場合には、光メモリヘッドからのエバネッセント波の出力が相対値で約300倍以上の9643(無定数)となった。また、格子ピッチ(=120nm)の金属格子構造を設けた場合には、光メモリヘッドからのエバネッセント波の出力が相対値で約460倍近くの14216(無定数)となった。図7から明らかなようにエバネッセント波の出力を大きくするには、金属格子構造34を設けることが極めて有効であることが判明した。ここで、開口サイズASを20nmにした場合には、更に各2〜4倍の増強効果、即ち、ピッチ120mmのときで920倍〜1840倍の増強硬化が生じていることが確認された。
【0039】
次に、開口38のサイズASを種々変えた場合における光メモリヘッドからのエバネッセント波の出力の変化をシュミュレーションした。図8から図11は、このシュミュレーションの結果を示している。図8から図11は、金属膜構造34から20nm離間した空間におけるエバネッセント波の電界分布を示し、横軸は、開口38を中心とする左右の距離(金属格子構造34に沿った距離)を示し、縦軸は、エバネッセント波の出力(相対値)を示している。図8に示すように開口38のサイズASが510nmの通常光の出力は、左右に2つのピークを有し、センターのピークも低く、光波の出力分布として好ましいもので無かった。開口38のサイズASが310nmエバネッセント波の出力を示す図9では、出力は大きくなっているも、2つのピークが生じ、分布として好ましいもので無かった。開口38のサイズASが110nmエバネッセント波の出力を示す図10では、単一のピークが生じ、比較的大きな出力が生じていた。更に、開口38のサイズASが30nmエバネッセント波の出力を示す図11では、単一のピークが生じ、十分に大きな出力が生じていた。
【0040】
図8から図10の比較から明らかなように、開口38のサイズASは、110nmより大きくない(AS≦110)ことが好ましく、より好ましくは略30nmないしは20nmであることが判明した。
【0041】
更に、格子状セグメント34−2のサイズ(AS)と幅(GW)について、シュミュレーションした。この結果は、図12に示されている。図12において、横軸は、開口38のサイズを示し、縦軸は、エバネッセント波の出力(相対値)を示している。曲線▲4▼は、単なる平坦な金属膜(幅GWが無限大に相当する)が設けられている場合を示し、曲線▲5▼は、格子状セグメント34−2の幅が10nm、曲線▲6▼は、格子状セグメント34−2の幅が30nm、曲線▲7▼は、格子状セグメント34−2の幅が50nm及び曲線▲8▼は、格子状セグメント34−2の幅が100nmを示している。曲線▲4▼から曲線▲8▼の出力の変化から明らかなように開口のサイズASは、60nmよりも小さくなるとエバネッセント波の出力(相対値)が大きくなり、40nmから10nmにおいて急激にエバネッセント波の出力が大きくなっている。この曲線の変化並びに既に説明した図9から図11とを勘案すると、開口のサイズASは、60nmよりも小さい(AS≦60)ことが好ましく、より好ましくは、40nmから10nmの範囲(10≦AS≦40)であることが判明する。また、格子状セグメント34−2の幅GWに関しては、10nm〜40nmの範囲(10≦GW≦40)であることが好ましく、より好ましくは、略10nmであることが判明した。
【0042】
図13は、格子状セグメント34−2の格子状セグメント34−2のピッチGP(横軸)に対するエバネッセント波の出力(相対値:縦軸)が示されている。このグラフから明らかなように格子状セグメント34−2のピッチGPが120nm、240nm、360nm、480nm及び600nmと周期的にピークが表れることが判明している。ピークが表れる格子状セグメント34−2のピッチGPは、光波長の数分の一のピッチ、即ち、開口32を通過するエバネッセント波の半波長サイズ、換言すれば、金属薄膜34の内側に配置された非金属物質の屈折率をnとし,真空中における光の波長をλとした場合に[λ/2n]の整数倍のピッチに相当していることが判明した。
【0043】
以上説明したように、この発明の実施例によれば、波長のオーダで平坦な(数10ナノメータから数100ナノメータのオーダでは凸凹がある)金属薄膜(厚さ30ナノメータ程度の薄膜)平面に光波長の十分の一以下の小さな開口を有し、その金属薄膜表面の内側には前記開口サイズの数倍のサイズでかつ光波長の数分の一のピッチ(開口を通過するエバネッセント波の半波長サイズ,すなわち該金属薄膜の内側に配置された非金属物質の屈折率をnとし,真空中における光の波長をλとした場合に[λ/2n]の整数倍のピッチ)を有し、深さも30ナノメータ前後の構造で幅が10ナノメータ前後の金属周期構造、即ち、金属格子構造が形成されている近接場光メモリヘッドが提供される。
【0044】
また、この発明の実施例によれば、前記平面状近接場光メモリヘッドにおいて近接場光が発生され,発生した近接場光が光ディスク媒体から反射して再び戻ってきて再浸入するための近接場光波の出入口である該開口の数が該平面上に複数個ある光メモリヘッドが提供される。
【0045】
さらに、この発明の実施例によれば、前記平面状近接場光メモリヘッドにおいて該開口が該金属薄膜平面上に二次元(平面)状に並んでいる近接場光メモリヘッドが提供される。
【0046】
同様に、この発明の実施例によれば、前記金属の内側に配置された非金属材料が半導体結晶である近接場光メモリヘッドが提供される。
【0047】
更にまた、この発明の実施例によれば、前記非金属材料がPMMA(ポリメチルメタアクリル)やPC(ポリカーボネイト)等のプラスチック材料である近接場光メモリヘッドが提供される。
【0048】
また、更にこの発明の実施例によれば、該平坦な平面状近接場光メモリヘッドが光ディスク媒体表面に覆われた厚さ5〜10ナノメータ程度の媒体保護膜や,その保護膜の上に塗布された極薄い厚さ1ナノメータ程度の潤滑剤との間の間隔が約10ナノメータに保たれるように前記平面状近接場光メモリヘッド上に高さ10ナノメータ程度の複数個の足(たとえばトライパッドとか浮上スライダ)を具備する光メモリヘッドディスクインターフィースが提供される。
【0049】
また、同様にこの発明の実施例によれば、半導体レーザから発せられたレーザ光を前記平坦な平面状近接場光メモリヘッドに穿孔された開口付近に集光するように該金属薄膜内側に配置された構成材料の非金属側に該非金属材料と一体成型された直径10ミクロン(μm)程度のマイクロレンズを持っている平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0050】
更に、また同様に、この発明の実施例によれば、該開口が複数個である場合各開口付近に各半導体レーザ光を効率よく照射させるために各開口に対応させた複数のマイクロレンズを具備する平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0051】
また、この発明の他の実施例によれば、前項において開口が二次元アレイ状の場合にこの開口にそれぞれ対応するマイクロレンズも二次元アレイであり,半導体レーザも二次元アレイである平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0052】
更に、この発明の他の実施例によれば、半導体レーザは垂直共振器表面発光半導体レーザレイである平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0053】
また更に、この発明の他の実施例によれば、前記マイクロレンズのほぼ半球状の表面には入射する半導体レーザ光が反射して再びレーザへ戻ることを防ぐために複数層の反射防止膜が形成される平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0054】
更にまた、この発明の他の実施例によれば、半導体レーザ光を効率よく開口に導くための前記マイクロレンズではあるが、半導体レーザで微細周期構造金属に表面プラズモン・ポラリトンを励振させるために、この焦点の大きさは前記開口径よりは、かなり大きい(500ナノメータ程度から1ミクロンメータ程度)平面状近接場光メモリヘッドが提供される。
【0055】
【発明の効果】
以上のように半導体レーザ素子からレーザを高効率で記録媒体に向けることが可能な近接場光メモリヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係る近接場光メモリヘッドを用いたシステムを概略的に示す断面図である。
【図2】図1に示した光メモリヘッドに組み込まれる垂直共振器表面発光半導体レーザ8の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図1に示した光メモリヘッド内の金属薄膜格子構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図1に示した光メモリヘッド内に配置される垂直共振器表面発光半導体レーザの配置を概略的に示す平面図である。
【図5】図1に示した光メモリヘッドと記録媒体としての光ディスクとの配置関係を概略的に示す平面図である。
【図6】(a)〜(f)は、図3に示した金属薄膜格子構造の製造過程を示す工程図である。
【図7】比較例として金属薄膜格子構造を備えない光メモリヘッドの出力と図1に示した金属薄膜格子構造を備える光メモリヘッドの出力とを示すグラフである。
【図8】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造に穿けた開口サイズ(510nm)と出力との関係を示すグラフである。
【図9】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造に穿けた開口サイズ(310nm)と出力との関係を示すグラフである。
【図10】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造に穿けた開口サイズ(110nm)と出力との関係を示すグラフである。
【図11】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造に穿けた開口サイズ(30nm)と出力との関係を示すグラフである。
【図12】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造における開口サイズ及び格子セグメントの幅と出力との関係を示すグラフである。
【図13】図1に示した光メモリヘッドの金属薄膜格子構造における格子セグメントのピッチと出力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
2...レーザ基板構造
4...ジンバル
6...光メモリヘッド
8...垂直共振器表面発光半導体レーザ
10...ギャップ
12...光ディスク
14...トライスパッド
32...マイクロレンズ
34...金属格子構造
36...基板
40...光記憶媒体層
42...基板
Claims (17)
- 少なくと1つの半導体レーザ発振構造を備える半導体レーザ基板と、
この半導体基板に対向され、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームが入射されるレーザビームに対して略透明な透明基板と、この透明基板に形成され、この透明基板を介して前記レーザビームが向けられる開口を有し、周期的な凹凸を有する金属膜構造とを備えるプローブ基板と、
前記開口から発生される近接場光を光記録媒体に向けて照射するようにプローブ基板と前記光記録媒体を略一定間隔に保持する保持機構と、
から構成されることを特徴とする近接場光メモリヘッド。 - 複数の半導体レーザ発振構造を備える半導体レーザ基板と、
この半導体基板に対向され、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームに対して略透明な透明基板と、この透明基板に形成され、この透明基板を介して前記レーザビームが向けられる開口を有し、周期的な凹凸を有する金属膜構造とを備えるプローブ基板と、
前記開口から発生される近接場光を光記録媒体に向けて照射するようにプローブ基板と前記光記録媒体を略一定間隔に保持する保持機構と、
から構成されることを特徴とする近接場光メモリヘッド。 - 前記金属膜構造は、略厚さ30ナノメータ程度の薄膜を有し、波長単位では実質的に平坦であるが、数10ナノメータから数100ナノメータで凸凹に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記金属薄膜の開口は、光波長の十分の一或いはそれ以下に定められた径を有し、前記金属薄膜の凹凸は、この開口サイズの数倍のサイズでかつ前記プローブ基板内の光波長の半波長若しくはその整数倍のピッチを有する格子に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記金属薄膜の凹凸は、真空中における前記近接場光の波長をλとし、前記透明基板の屈折率をnとした場合に、前記開口を通過する近接場光の半波長サイズ(λ/2n)の整数倍ならびに1/4倍(λ/4n)のピッチで凹凸が繰り返される周期構造を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記金属薄膜の凹凸は、略30ナノメータの深さ及び略10ナノメータ幅を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記保持機構は、前記近接場光が前記開口から光記録媒体に向けられ、且つ、この記録媒体から反射されて前記開口に再浸入するようにプローブ基板を維持することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記透明基板は、半導体結晶であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記透明基板は、PMMA(ポリメチルメタアクリル)或いはPC(ポリカーボネイト)などのプラスチック材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記光記録媒体は、光記録媒体膜と、略厚さ5〜10ナノメータの媒体保護膜とを具備し、前記保持機構は、この媒体保護膜の上に塗布された略厚さ1ナノメータの潤滑剤層を含み、この媒体保護膜と前記プローブ基板との間を約10ナノメータに保持する基板保持部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記プローブ基板は、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームを前記開口に向けて集光するマイクロレンズを具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記マイクロレンズは、略直径10ミクロン(μm)を有し、前記透明基板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項11に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記プローブ基板は、前記半導体レーザ発振構造からのレーザビームを前記開口に向けて集光するマイクロレンズを具備し、前記半導体レーザ発振構造は、二次元アレイ状に配置され、前記マイクロレンズも前記半導体レーザ発振構造からのレーザに対応して二次元アレイ状に配置され、前記開口も前記マイクロレンズに対応して二次元アレイ状に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前項半導体レーザ発振構造は、垂直共振器表面発光半導体レーザであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記マイクロレンズは、ほぼ半球状の表面を備え、この表面に形成され、入射するレーザ光が反射して再び半導体レーザ発振構造に戻ることを防止する反射防止膜を備えることを特徴とする請求項11又は請求項13に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記マイクロレンズは、前記金属膜構造に表面プラズモン・ポラリトンを励振させるために、前記開口の径より大きいビームウエストで前記レーザビームを集光することを特徴とする請求項11又は請求項13に記載の近接場光メモリヘッド。
- 前記マイクロレンズは、500ナノメータから1ミクロンメータの範囲のビームスポットを前記金属膜構造表面に形成することを特徴とする請求項16に記載の近接場光メモリヘッド。
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