JP3873521B2 - 光ヘッドおよびディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光を利用した光ヘッド、ディスク装置、光学素子、および光ヘッドの製造方法に関し、特に、光ディスクの高記録密度化が可能となり、小型化およびデータ転送レートの向上を図った光ヘッド、ディスク装置、光学素子、および光ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスク装置においては、光ディスクはコンパクトディスク(CD)からディジタルビデオディスク(DVD)へと高密度・大容量化が進められているが、コンピュータの高性能化やディスプレイ装置の高精細化に伴い、ますます大容量化が求められている。
【0003】
光ディスクの記録密度は、基本的には記録媒体上に形成される光スポットの径で抑えられる。近年、光スポット径を小さくする技術として顕微鏡の近接場光の技術が光記録に応用されている。この近接場光を用いた従来の光ディスク装置としては、例えば、文献(Jpn.J.Appl.Phys.,Vo1.35(1996)P.443)および米国特許公報USP5497359に記載されたものがある。
【0004】
図23(a) ,(b) は、文献(Jpn.J.Appl.Phys.,VOL.35(1996)P.443)に記載された光ディスク装置を示す。この光ディスク装置190は、図23(a) に示すように、レーザ光191aを出射する半導体レーザ191と、半導体レーザ191からのレーザ光191aを平行ビーム191bに整形するカプリングレンズ192と、入射端193aから出射端193bに向かって細くなるようにテーパ状に研磨された光ファイバ193を有し、カプリングレンズ192からの平行ビーム191bを入射端193aから導入するプローブ194と、光ファイバ193の出射端193bから漏れ出す近接場光191cによって記録される記録媒体195とを有する。
【0005】
記録媒体195は、相変化媒体のGeSbTeからなる記録層195aを有し、近接場光191cが入射されることによって加熱され、結晶/アモルファス間の相変化を引き起こし、両者間の反射率変化を用いて記録されるものである。
【0006】
光ファイバ193は、入射端193aが直径10μm、出射端193bが直径50nmに加工され、クラッド194aを介してアルミニウム等の金属膜194bでコーティングされており、出射端193b以外への光の漏れ出しを防いでいる。近接場光191cの直径は、出射端193bの直径と同程度となるため、数十Gbits/inch2 の高記録密度が可能となる。
【0007】
再生には,図23(b) に示すように、記録時と同様の光ヘッドを用いて、相変化を引き起こさない程度の低パワーの近接場光191cを記録層195aに照射し、そこからの反射光191dを集光レンズ196により光電子増倍管(以下「フォトマル」と略称する。)197に集光して検出することにより行う。
【0008】
図24は、米国特許公報USP5497359に記載された光ディスク装置の光ヘッドを示す。この光ヘッド50は、平行光51を集光する対物レンズ52と、この対物レンズ52からの収束光53に対して底面54aが直交するように配置された裁底球状のSIL(Solid Immersion Lens)54とを有する。平行光51を対物レンズ52によって収束させ、その収東光53を球面状の入射面54bに入射させると、収束光53は入射面54bで屈折して底面54aに集光し、底面54aに光スポット55が形成される。SIL54内部では、光の波長はSIL54の屈折率に逆比例して短くなるため、光スポット55もそれに比例して小さくなる。この光スポット55に集光された光の大半は入射面54bに向かって全反射されるが、その一部は光スポット55からSIL54の外部に近接場光57として滲み出す。底面54aから光の波長より十分小さい距離にSIL54と同程度の屈折率を有する記録媒体56を配置すると、近接場光57が記録媒体56とカップルして記録媒体56内を伝播する伝播光となる。この伝播光によって、記録媒体56に情報が記録される。
【0009】
SIL54を平行光51が半球面54bの中心54cからr/n(rはSILの半径)の位置に集光するような構成にすることにより(これをSuper SIL構造と称する。)、SIL54による球面収差が小さく、かつ、SIL54内部での開口数を上げることができ、さらに光スポット55の微小化を図ることが可能になる。すなわち、光スポット55の径(光強度が1/2となるところのスポット径)D1/2 は、次式(1)のように微小化される。
1/2 =kλ/(n・NAi)=kλ/(n2 ・NAo) …(1)
ここに、k:光ビームの強度分布に依存する比例常数(通常0.5程度)
λ:光ビームの波長
n:SIL54の屈折率
NAi:SIL54内部での開口数
NAo:SIL54への入射光の開口数
平行光51が光路上で吸収されることなく光スポット55として集光されるため、高い光利用効率が得られる。この結果、比較的低出力の光源を用いることができ、ホトマルを用いなくても反射光の検出を行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光ディスク装置190によると、記録媒体上に数十nm程度の微小の光スポットを形成できるが、光ファイバ193はテーパ状であるため、光ファイバ193に入射したレーザの一部が内部に吸収され、光利用効率が1/1000以下と低くなるという問題がある。このため、反射光191dの検出にフォトマル197を使用せざるを得ず、光ヘッド部が大型で高価となる。また、フォトマル197の応答速度が遅く、光ヘッド部が重いため、高速のトラッキングができない。従って、光ディスクを高速回転させることができないので転送レートが低い等の多く問題があり、実用化には多くの改良を必要とする。
【0011】
図25は、図24に示す従来の光ヘッド50の問題点を説明するための図で、鈴木氏がAsia―Pasific Data Storage Conference(Taiwan、’97.7.)の OC−1において解析したものであり、SIL54の屈折率nとNAoの関係を示す。SIL54への入射光のNA、すなわち入射角θの最大値θmaxとSIL54の屈折率nには相反関係があり、両者を独立に大きくできる訳ではない。同図から分かるように、SIL54の屈折率nを上げて行くと、入射光のNAoの採り得る最大値NAomaxは次第に小さくなる。これは、最大値NAomax以上にNAoが増加して入射角がさらに大きくなると、その光はSIL54を通らずに直接記録媒体56に入射するため、記録媒体56の位置における光スポット55が却って広がるからである。例えば、屈折率n=2のとき、NAomaxは0.44であり、両者の積n・NAomaxは、両者のどのような組合せでも0.8〜0.9までである。これは理論限界であり、実際にはそれよりもさらに小さな値(0.7〜0.8)となる。
【0012】
このSuper SILによる集光実験については、B.D.Terris他がAppl.Phys.Lett.,Vo1.68,(’96),P.141.において報告している。この報告によると、屈折率n=1.83のSuper SILを対物レンズと記録媒体の間に置き、波長0.83μmのレーザ光を集光することにより0.317μmの光スポット径を得ている。すなわち、D1/2 =λ/2.3相当の集光を達成しているが、この場合のNAは0.4、n・NAmaxは0.73程度である。また、この系を用いて従来の数倍程度の記録密度0.38×Gbits/cm2 の可能性を検証している。
【0013】
すなわち、従来の光ヘッド50によると、光利用効率は高いが、SILの屈折率nと最大NAomaxとに相反関係があるため、両者の積n・NAomaxの理論限界は0.8〜0.9であり、実際には0.7〜0.8に抑えられ、波長400nmのレーザ光を使用しても光スポットはせいぜい直径0.2μm程度までしか絞れず、プローブ194を用いて集光する従来例に比べて光スポット径が数倍以上大きく、高記録密度化が図れないという問題がある。
【0014】
図26は、文献「日経エレクトロニクス(1998.6.15)(No.718)」に示された光ヘッドを示す。この光ヘッドは、SIM(Solid Immersion Mirror)型と称せられているものであり、平行レーザビーム2bが入射する凹球面状の入射面101a、入射面101aに対向する位置に設けられた集光面101b、集光面101bの周囲に設けられた平面状反射面101c、および入射面101aの周囲に形成された非球面状反射面101dを有する透明集光用媒体101と、平面状反射面101cの表面に形成された平面状反射膜102と、非球面状反射面101dの表面に形成された非球面状反射膜103とを有する。このように構成された光ヘッドにおいて、平行レーザビーム2bが透明集光用媒体101の入射面101aに入射すると、入射面101aに入射した平行レーザビーム2bは、入射面101aで拡散され、その拡散光2dは、平面状反射膜102で反射し、その反射光2eは、非球面状反射膜103でさらに反射して集光面101bに集光し、集光面101bに光スポット9が形成される。集光面101bから滲み出す近接場光10によって記録媒体8の記録層8aへの記録および読み出しが可能になる。この透明集光用媒体101の平面状反射面101cの開口数NAは、0.8程度、透明集光用媒体101の屈折率は1.83であり、透明集光用媒体101内部でのNAは約1.5が可能になる。
【0015】
この光ヘッドによると、実際に得られたスポット径は、0.35〜0.39μmと大きく、透明集光用媒体の集光面上に形成されるスポット径の微小化に限界があるため、高記録密度化が図れないという問題がある。
【0016】
従って、本発明の目的は、光ディスクの高記録密度化が可能となり、小型化およびデータ転送レートの向上を図った光ヘッド、ディスク装置および光ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、透明集光用媒体を含み、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光を前記透明集光用媒体の集光面上に集光して光スポットを形成する光学系と、前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え、前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端部と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッドを提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、前記レーザ光源からの前記レーザ光を集光する集光光学系と、前記集光光学系によって集光されたレーザ光によって光スポットが形成される集光面を有する透明集光用媒体と、前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え、前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッドを提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、記録トラック上に情報が記録保持されるディスクから前記情報を記録再生するための光ヘッドにおいて、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、透明集光用媒体を含み、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光を前記透明集光用媒体の集光面上に集光して光スポットを形成する光学系と、前記透明集光用媒体上に設けられ、前記記録トラックと交差する方向が長手方向となるように配置されたスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え、前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッドを提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、前記レーザ光を集光するとともに、集光されたレーザ光によって光スポットが形成される集光面を有する透明集光用媒体と、前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え、前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッドを提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、回転するディスクと、前記ディスク上に近接場光を照射し、前記ディスクに記録された情報の検出行うディスク装置において、請求項1乃至請求項54いずれか1項記載の光ヘッドと、前記光ヘッドを駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするディスク装置を提供する。
本発明は、上記目的を達成するため、同軸上に所定の間隔を有して配置された回転する複数のディスクと、前記複数のディスク上に近接場光スポットを形成し、前記ディスクに記録された情報の検出を行うディスク装置において、請求項1乃至請求項54いずれか1項記載の複数の光ヘッドと、前記ディスクを前記近接場光スポットで照射することにより得られる記録信号を検出する検出手段とを備えたことを特徴とするディスク装置を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す。この光ヘッド1は、レーザビーム2aを出射する半導体レーザ2と、半導体レーザ2からのレーザビーム2aを平行ビーム2bに整形するコリメータレンズ3と、コリメータレンズ3からの平行ビーム2bを垂直方向に反射するミラー4と、ミラー4で反射した平行ビーム2bを収束させる対物レンズ5と、対物レンズ5により収束された光2cが入射し、集光面6bに光スポット9を形成する透明集光用媒体6と、透明集光用媒体6の集光面6bの表面に被着形成されたスリット7aを有する遮光膜7とを有する。
【0019】
半導体レーザ2は、市販で最も短波長の赤色レーザ(630nm)や現在開発中のAlGalnN系の青色レーザ(410nm)を用いることができる。青色レーザ(410nm)を用いることにより、光スポット径を0.15μm以下にすることができ、スリット7aへ入射する光の割合を増すことができる。
【0020】
図2(a) は、透明集光用媒体6および遮光膜7を示し、図2(b) は、その底面図である。
【0021】
透明集光用媒体6は、重フリントガラス(屈折率1.91)や硫化カドミウムCdS(屈折率2.5),閃亜鉛鉱ZnS(屈折率2.37)等の結晶性材料を用いることができ、また、屈折率は1より大きれば上限はなく、さらに高い屈折率の材料を用いることもできる。本実施の形態では、屈折率1.91の重フリントガラスを用いた。結晶性材料を用いることにより、光スポット径を重フリントガラスより2割以上縮小できる。また、透明集光用媒体6は、図2(a) に示すように、球面状の入射面6aに入射した対物レンズ5からの収束光2cを入射面6aで屈折させ、その屈折光2dを底面の集光面6bに集光させて光スポット9が形成されるように裁底球状(Super SIL構造)を有している。
【0022】
遮光膜7は、遮光材料としてのチタン(Ti)からなり、レーザ光の波長より小なる厚さ(例えば10nm)を有し、光スポット9に対応する位置にトラック方向Xに直交する方向Yのスリット7aを形成し、光スポット9から外部へ直接出射する光を遮断し、かつ、スリット7aを介して近接場光10を形成するものである。スリット7aの幅をW、長さをL、光スポット9の直径をD1/2 とすると、W,LとD1/2 の関係が、
W<D1/2 、かつ、L>D1/2
となるように設定している。これにより、長さ約D1/2 、幅Wの近接場光10が形成される。本実施の形態では、幅Wを光スポット9の径Dの数分の1程度以下、すなわち、レーザ光の波長の1/10程度(例えば50nm)にしている。なお、スリット幅Wは、光ディスクの高記録密度化技術およびスリット形成技術の進展に応じて50nmより小さくしてもよい。また、遮光膜7は、光スポット9が形成される側の面にレーザ光を吸収する処理(例えば黒色処理)が施されていてもよく、レーザ光を吸収する材料で形成されていてもよい。これにより遮光膜で反射したレーザ光によるS/N比の低下を防げる。
【0023】
光スポット9のスポット径D1/2 は、球面の中心6cからr/n(r、nはそれぞれ透明集光用媒体6の半径と屈折率)の位置に集光させる場合、従来例で説明したように、次式(1)で表される。
1/2 =kλ/(n・NAi)=kλ/(n2 ・NAo) …(1)
ここに、NAi:透明集光用媒体6内部での開口数
NAo:透明集光用媒体6への入射光の開口数
光スポット9は、式(1)に示すように、透明集光用媒体6の屈折率nに逆比例して微小化され、球面収差の小さな集光が可能となる。しかし、収束光2cの取り得る入射角θ、すなわち開口数NAoと屈折率nには相反関係があり、両者を独立に大きくできる訳ではない。屈折率nとNAの最大値との積は約0.88であり、光線のけられを考慮すると実際には0.8程度以下となる。従って、最小光スポット径D1/2 minは次式(2)のようになる。
1/2 min=kλ/(0.8n)≒0.6λ/n (k=0.5の時)…(2)
従って、透明集光用媒体6として非結晶としては最も大きな屈折率を有する重フリントガラス(屈折率=1.91)を用い、半導体レーザ2に赤色レーザ(波長630nm)を使用した場合、最小光スポット径D1/2 minは0.20μmとなる。また、青色レーザ(400nm)用いた場合は、最小光スポット径D1 /2minは約0.13μmとなる。また、それらの光スポット9は、ほぼガウス型の強度の広がり分布を有する。
【0024】
スリット7aの幅Wはレーザ波長に比べて小さいため、このスリット7aからは伝搬光はほとんど出射せず、トラック方向Xにはスリット7aの幅Wと同程度、垂直方向にはその数倍の大きさの近接場光10が波長と同程度の近接の距離にまで滲み出している。この近接場光10に誘電体、具体的には、記録媒体8を近接配置することにより、近接場光10が記録媒体8の記録層8a中に伝播光となって入射し、この光によって記録層8aへの記録および読み出しが可能になる。この伝播光の光量は、次式(3)で近似される。
【数1】
Figure 0003873521
ここに、Io:レーザの全パワー
ω :集光面6bでの光スポット9の半径
a :スリット7aの半幅
すなわち、赤色レーザの場合、スリット7aを通過するレーザ光の光量は光スポット9の全パワーの約20%、青色光の場合は30%以上となり、従来の光ファイバを使用した場合の100倍以上に集光効率を改善することができる。
【0025】
図3(a) 〜(d) は、遮光膜7の被着方法およびスリット7aの形成方法に関わる一形態を示す。まず、裁底球状の透明集光用媒体6の底面6dに電子ビーム露光用のフォトレジスト膜70を塗布し、スリット7aに対応する部分70a、および遮光膜7の周囲に対応する保護用の部分70bを残すように電子ビームにより露光し(図3(a) )、現像の後、底面6dをドライエッチングにより約100Å異方性にエッチングし、凸部6fおよび遮光膜の被着面6gを形成する(図3(b) )。エッチングガスとしてはCF4系のガスを使用する。次に、全面に遮光膜用のTi膜71をスパッタリングにより約100Å被着した後(図3(c) )、フォトレジスト膜70(70a,70b)を溶解することにより、スリット7aの部分70aおよび遮光膜7の保護用の部分70bのTi膜71をリフトオフする(図3(d) )。このようにしてスリット7aを有する遮光膜7が形成される。なお、遮光膜7は、遮光性、およびガラスとの優れた被着性を有する膜であれば、Ti膜以外の他の膜でもよい。
なお、本形態の方法のようにその内部に透明集光用媒体の凸部6fが存在するようにスリット7aを形成すると、単に遮光膜7にスリットを形成してその内部を空気層とする場合に対して、凸部6fから記録媒体間のエアギャップが小さくなるため、近接場光の伝播効率が向上する。遮光膜7 に対して凸部6fの先端は突出してもよいし、さらに、図3に示されているように、遮光膜7と、スリット7a内に位置する透明集光用媒体の凸部6fとを近接場光の出射側から見て平坦になるよう形成すると、近接場光の広がりを抑えることができて、高密度記録により適する。
ところで、本形態のように透明集光用媒体に凸部6fを設ける場合は、凸部の先端が集光面6bに対応するので、集光面6b上に光スポットを形成するとは、光スポットの焦点深度内に凸部6fの先端が位置することを意味する。なお、本形態のように、遮光膜の厚みが十分小さいときには、凸部の先端と遮光膜の被着面6gはともに光スポットの焦点深度内に位置する場合が多いから、スポット形成位置を凸部の先端とするか被着面6gとするかは実際には問題となることは少ない。
また、スリット7aを形成する工程中にエッチング工程を含む場合に、透明集光用媒体の集光面6b側からエッチングを行うと、通常エッチングを施す面側から内部にいくにつれてエッチング量が少なくなるため、スリット7aに対応する凸部には適度な傾斜が形成される(図示せず。)この周囲に遮光膜7が形成されると、遮光膜はスリット7aにおいて、近接場光の伝播方向につれて穴が狭まるテーパー形状となるので、近接場光の集光効果を高めることができる。
【0026】
次に、上記第1の実施の形態に係る光ヘッド1の動作を説明する。半導体レーザ2からレーザビーム2aを出射すると、そのレーザビーム2aはコリメータレンズ3によって平行ビーム2bに整形され、ミラー4で反射された後、対物レンズ5によって収束され、透明集光用媒体6の入射面6aに入射する。入射面6に入射した収束光2cは、入射面6aで屈折し、その屈折光2dは集光面6bに集光し、集光面6bに光スポット9が形成され、スリット7aから近接場光10が滲み出す。スリット7aから滲み出した近接場光f0は、記録媒体8の記録層8a中に伝播光となって入射し、この光によって記録層8aへの記録および再生が可能となる。
【0027】
上記第1の実施の形態に係る光ヘッド1によれば、集光面6bに形成された光スポット9から滲み出す近接場光10を遮光膜7に形成したトラック方向Xに直交する方向Yのスリット7aによって絞っているので、従来のSuper SILを用いた場合と比較して、近接場光10のトラック方向Xの幅を数分の1に小さくできるので、トラック方向Xの記録密度を数倍に増大させることができる。また、近接場光10のトラック方向Xに直交する方向Yの長さは、スポット径D1/2 によって決まり、スポット径D1/2 を微小化できたことから、トラックピッチも増大させることができる。
また、近接場光10をレーザビーム2aの波長より小さい幅のスリット7aで絞ってもスリット7aからの近接場光の中心光強度はあまり低下しないため、高い光利用効率が得られる。従って、数ミリワットの比較的低出力の半導体レーザ2が光源として使用できる。また、記録媒体8からの反射光もスリット7aからの伝播光に比例して増大するため、再生光の検出に従来光ディスクメモリに常用されているSi光検出器が使用でき、ホトマルを使用しなくて済み、光ヘッド1が小型・軽量化できるとともに、高速度の読み出しが可能となる。
また、近接場光10のトラック方向Xの幅はスリット幅Wで規定され、集光面6bでのスポット径D1/2 には依存しないため、対物レンズ5の収差や温度変化によるスポット径の変動の影響を受け難く、信頼性の高い光ヘッドを提供できる。
【0028】
図4(a) ,(b) は、遮光膜7の変形例を示す。遮光膜7は、図4(a) に示すように、透明集光用媒体6の底面6dのエッチング時に、底面6dを傾ける等の操作により被エッチング面を入射光に対して傾斜させ、凸型あるいは凹型の円錐面状にしてもよい。また、図4(b) に示すように、透明集光用媒体6の底面6dのエッチング時に、比較的大電流で高速にエッチングする等の操作によりエッチング面に細かい凹凸を形成してもよい。遮光膜7の表面7bの反射率が高いと、遮光膜7で反射した光強度が、スリット7aから戻る信号光に比べて強くなり、信号処理時の前段増幅の増幅率を大きく取れなくなるため、S/Nが低下する。一方、遮光膜7での吸収率が高いと、遮光膜7の光スポット9が照射された部分の温度が上昇し、この熱が記録に影響を与えるため好ましくない。そこで、図4(a) ,(b) に示すような構造にすることにより、反射光2eが対物レンズ5に戻る量が減少し、S/Nを向上させることができる。一方、スリット7aを通過する反射光は、入射光2c、2dと同じ経路をたどり、光検出器(図略)に入射する。これにより、光検出器に入る迷光の割合を減らすことができるため、DC型の前置増幅器の増幅率をあげることができ、S/Nを改善することが可能となる。
【0029】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す。この光ヘッド1は、透明集光用媒体6を半球状(SIL型)にしたものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。透明集光用媒体6の入射面6aに入射した収束光2cは、球面の中心に集光する。この場合、収束光2cは入射面6aにおいて屈折しないため、透明集光用媒体6中での開口数NAは、対物レンズ5の出射時のNAと変わらず、屈折によってNAを増大することはできない。従って、この場合の光スポット径は次式(4)のようになる。
1/2 =kλ/(n・NAo) …(4)
ここに、NAo:SIL型の透明集光用媒体6への入射光の開口数
【0030】
上記第2の実施の形態に係る光ヘッド1によれば、第1の実施の形態と同様に、近接場光10の幅はスリット7aの幅で決まり、光スポット9の直径に依存しないので、収差や位置ずれ等の影響は少ないため、NAoは0.8と従来のSILを用いた光ヘッドに比べて比較的大きくでき、第1の実施の形態のSuperSIL構造と同等の集光が可能となる。すなわち、赤色レーザ(波長630nm)と青色レーザ(400nm)を用いた場合、それぞれ最小光スポット径として0.2μm、0.13μmが得られ、スリット7aから滲み出す近接場光10の光量すなわち光利用効率は第1の実施の形態と同程度にできる。
【0031】
図6(a) は、本発明の第3の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示し、同図(b) は、その底面図を示す。この光ヘッド1は、レーザビーム2aを出射する半導体レーザ2と、半導体レーザ2からのレーザビーム2aを平行ビーム2bに整形するコリメータレンズ3と、コリメータレンズ3からの平行ビーム2bを集光し、集光面6bに光スポット9を形成する透明集光用媒体6と、透明集光用媒体6の反射面6eの表面に被着形成された反射膜11と、透明集光用媒体6の集光面6bの表面に被着形成された幅50nmのスリット7aを有する遮光膜7とを有する。スリット7aは、同図(b) に示すように、長手方向がトラック方向Xに直交する方向Yとなるように形成される。
【0032】
透明集光用媒体6は、例えば、重フリントガラス(屈折率1.91)からなり、平行ビーム2bが入射する入射面6aと、入射面6aに入射した平行ビーム2bを反射させる反射面6eと、光スポット9が形成される集光面6bとを有する。
反射面6eは、回転放物面の一部を用いている。回転放物面の断面(6e)の主軸をx軸に、垂直軸をy軸に採り、焦点位置を(p,0)とすると、断面(6e)は、次の式(5)で表される。
2 =4px …(5)
また、回転放物面を用いて透明集光用媒体6の内部で集光する場合、原理的に無収差の集光が可能であり(光学:久保田広、岩波書店、P.283)、単一の集光性の反射体で光スポット9を集光することが可能になる。また、この方式では、透明集光用媒体6の屈折率と反射面6eによる集光光の開口数NAに限定がなく、屈折率が高い場合でも、NAは1に近い値を採り得る。従って、この場合の光スポット径は次式(6)のように与えられる。
1/2 =kλ/(n・NAr) …(6)
ここに、NAr:反射面6eの反射光の開口数
回転放物面の焦点位置のpをp=0.125mmとし、回転放物面の上端を(x,y)=(2mm、1mm)とすると、この上端からの収束角は60度以上が得られ、この反射面6eのNAは0.98となり、従来のDVDにおけるNA=0.6の1.6倍以上に大きくなる。
【0033】
上記第3の実施の形態に係る光ヘッド1によれば、NArは、実際には設計余裕を見るため、0.9程度が限界であるが、赤色レーザ(波長630nm)と青色レーザ(400nm)を用いた場合、それぞれ光スポット径として0.19μm、0.12μmまで絞ることができ、スリット7aから滲み出す近接場10の光量すなわち光利用効率は第1の実施の形態に比べて約20%程度増加することができる。
また、反射型の集光のため、色収差が生じない。
また、本実施の形態の光学系は、いわゆる無限系、すなわちコリメータレンズ3と透明集光用媒体6の入射面6aとの間のレーザビーム2bは平行となっているため、温度変動に対する焦点位置ずれが小さい。
【0034】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す。この光ヘッド1は、平面状の反射面6eを有する透明集光用媒体6を用い、反射面6eの表面に反射膜11として反射型ホログラムを用いたものであり、他は第3の実施の形態と同様に構成されている。反射型ホログラムとしては、凹凸型のバイナリホログラムでも有機感光材料からなるボリュームホログラムでもよい。また、これらのホログラムの外側にアルミニウム等の高反射金属層からなる反射謨を被着してもよい。透明集光用媒体6の反射面6eを平面状とすることにより、第3の実施の形態と比較して生産性を上げることができる。スリット7aは、第3の実施の形態と同様に、長手方向がトラック方向Xに直交する方向Yとなるように形成される。
【0035】
図8(a) ,(b) は、本発明の第5の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す。この光ヘッド1は、同図(a) に示すように、透明集光用媒体6にSIM(Solid Immersion Mirror)型と称せられているものを用いたものであり、レーザビーム2aを出射する半導体レーザ2と、半導体レーザ2からのレーザビーム2aを平行ビーム2bに整形するコリメータレンズ3と、コリメータレンズ3からの平行ビーム2bを垂直方向に反射するミラー4と、ミラー4からの平行ビーム2bが入射する凹球面状の入射面6a、入射面6aに対向する位置に設けられた集光面6b、および入射面6aの周囲に形成された非球面状の反射面6eを有する透明集光用媒体6と、透明集光用媒体6の反射面6eの表面に被着形成された反射膜11と、透明集光用媒体6の集光面6bの表面に非着形成され、スリット7aを有する遮光膜7とを有する。スリット7aは、同図(b) に示すように、第1の実施の形態と同様に、光スポット9に対応する位置に長手方向がトラック方向Xに直交する方向Yとなるように形成されている。
【0036】
次に、第5の実施の形態に係る光ヘッド1の動作を説明する。半導体レーザ2からレーザビーム2aを出射すると、そのレーザビーム2aはコリメータレンズ3によって整形され、ミラー4で反射された後、透明集光用媒体6の入射面6aに入射する。入射面6aに入射した平行ビーム2bは、入射面6aで拡散され、その拡散光2dは、遮光膜7で反射し、その反射光2eは、反射膜11で反射して集光面6bに集光し、集光面6bに光スポット9が形成され、スリット7aから近接場光10が滲み出す。スリット7aから滲み出した近接場光10は、記録媒体8の記録層8a中に入射し、この光によって記録層8aへの記録および読み出しが可能になる。
【0037】
上記第5の実施の形態に係る光ヘッド1によれば、第1の実施の形態と同様に、トラック方向Xの記録密度を増大させることができるとともに、第1の実施の形態で用いた対物レンズが不要であるので、構成の簡素化が図れる。また、透明集光用媒体6が膨張あるいは収縮しても集光点が変化しないので、温度変化にも対応できる。なお、遮光膜7は、図4(a) ,(b) に示す構造にしてもよい。
なお、光スポットの径は、上記したように0.2μm程度以下であり、効率よく0.1μm以下のスリットに光を入射するためには、光スポットとスリットの位置合わせは、少なくとも0.1μm以下の誤差で合わせる必要がある。第1、第2の実施の形態で示したようなSILを用いた集光では、対物レンズを用いて集光を行い、その収束光をSILに入射するため、入射光と対物レンズおよびSIL相対位置によって光スポットの位置が変動するので、上記三者の位置を高精度に合わせなければならない。一方、第3乃至第5の実施形態で示した光ヘッドにおいて、集光のための対物レンズを用いず、かつ、平行光ビームを本実施例の透明集光用媒体に直接入射させることにより、平行光ビームと透明集光用媒体の相対位置がずれても、光スポットの位置が変動しないようにできる。そのため、それぞれの位置合わせ精度が大幅に緩和でき、製作上非常に有利である。
【0038】
図9(a) は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置を示し、同図(b) は、同図(a) のA−A断面図である。この光ディスク装置100は、円盤状のプラスチック板120の一方の面にGeSbTeの相変化材料からなる記録層121が形成され、図示しないモータによって回転軸30を介して回転する光ディスク12と、光ディスク12の記録層121に対し光記録/光再生を行う光ヘッド1と、光ヘッド1をトラッキング方向31に移動させるリニアモータ32と、リニアモータ32側から光ヘッドを支持するサスペンション33と、光ヘッド1を駆動する光ヘッド駆動系34と、光ヘッド1から得られた信号を処理するとともに、光ヘッド駆動系34を制御する信号処理系35とを有する。
【0039】
リニアモータ32は、トラッキング方向31に沿って設けられた一対の固定部32aと、一対の固定部32a上を移動する可動コイル32bとを備える。この可動コイル32bから上記サスペンション33によって光ヘッド1を支持している。
【0040】
図10は、光ディスク12の詳細を示す。この光ディスク12は、光ヘッド1によって形成される近接場光10の微小化に対応して高記録密度化を図ったものである。プラスチック板120は、例えば、ポリカーボネート基板等が用いられ、その一方の面にグルーブ部12aが形成される。この光ディスク12は、プラスチック板120のグルーブ部12aが形成された側の面に、A1反射膜層(100nm厚)121a、SiO2 層(100nm厚)121b、GeSbTe記録層(15nm厚)121c、SiN層(50nm厚)121dを積層して記録層121を形成したものである。本実施の形態では、ランド部12bに情報が記録してあり、トラックのピッチは0.12μm、グルーブ部12aの深さは約0.06μmとしている。マーク長は0.05μm、記録密度は110Gbits/inch2 であり、12cmディスクでは180GBの記録容量に相当し、従来のDVDの40倍に高記録密度化できる。なお、光記録媒体としては、凹凸ピットを有する再生専用ディスクや光磁気記録材料や相変化材料を用いた記録・再生用媒体、色素などの光吸収により凹凸ピットを形成して記録を行う追記型媒体等の各種の記録媒体を用いることができる。
【0041】
図11は、第6の実施の形態に係る光ディスク装置100の光ヘッド1を示し、同図(a) はその縦断面図、同図(b) はその横断面図である。光ヘッド1は、光ディスク12上を浮上する浮上スライダ36を有し、この浮上スライダ36上に、例えば、AlGalnPからなり、波長630nmのレーザビーム2aを出射する端面発光型の半導体レーザ2と、半導体レーザ2から出射されたレーザビーム2aを平行ビーム2bに整形するコリメータレンズ3と、浮上スライダ36上に取り付けられた溶融石英板からなるホルダ37Aと、半導体レーザ2およびコリメータレンズ3をホルダ37A上に固定する溶融石英板からなるホルダ37Bと、半導体レーザ2を圧電素子41を介して支持するホルダ37Cと、半導体レーザ2からの平行ビーム2bと光ディスク12からの反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ13と、半導体レーザ2からの平行ビーム2bの直線偏光を円偏光にする1/4波長板38と、平行ビーム2bを垂直方向に反射するミラー4と、ミラー4で反射した平行ビーム2bを収束させる対物レンズ5および上部透明集光用媒体6’と、ホルダ37Aに取り付けられ、光ディスク12からの反射光をビームスプリッタ13を介して入力する光検出器15とを各々配置している。また、全体はヘッドケース39内に収納され、ヘッドケース39は、サスペンション33の先端に固定されている。
【0042】
上部透明集光用媒体6’は、例えば、屈折率n=1.91を有する重フリントガラスからなり、直径1mm、高さ約1.3mmを有し、図1に示す透明集光用媒体6と同様に、Super SIL構造であるが、浮上スライダ36を上部透明集光用媒体6’とほぼ等しい屈折率を有する透明媒体36から構成し、浮上スライダ36の集光面36aに光スポット9が形成される。即ち、上部透明集光用媒体6’と浮上スライダ36とで一体の透明集光用場体を構成する。浮上スライダ36の集光面36aには、図1に示したのと同様に、スリット7aを有する遮光膜7が被着形成されている。スリット7aは、同図(b) に示すように、長手方向がトラック方向Xに直交する方向Yとなるように形成される。
【0043】
浮上スライダ36は、図11(b) に示すように、集光面36aに形成される光スポット9の周辺部以外の部分に負圧を生じるように溝36bを形成している。この溝36bによる負圧とサスペンション33のばね力との作用によって浮上スライダ36と光ディスク12との間隔が、浮上量として一定に保たれる。本実施の形態では、浮上量は約0.06μmである。なお、下面36cが摺動面となる。また、浮上スライダ36の浮上量は0.1μm以下と極めて小さく、先端が集光面となる凸部の先端と光ディスクとの間隔も精度よく設定する必要がある。ここで図示するように、先端が集光面6bとなる凸部6fの先端と浮上スライダ36の下面36cが同一平面上にあるようにすることにより、浮上スライダ36の浮上量をコントロールすることで凸部の先端と光ディスク12との間隔も精密に調整でき、また凸部6fが光ディスク12に衝突し、摩耗することもない。
【0044】
光ベッド駆動系34は、記録時に、半導体レーザ2の出力光を記録信号により変調することにより、記録層121に結晶/アモルファス間の相変化を生じさせ、その間の反射率の違いとして記録し、再生時には、半導体レーザ2の出力光を変調せずに、連続して照射し、記録層121での上記の反射率の違いを反射光の変動として光検出器15により検出するようになっている。
【0045】
信号処理系35は、光検出器15が検出した光ディスク12からの反射光に基づいてトラッキング制御用の誤差信号およびデータ信号を生成し、誤差信号をハイパスフィルタとローパスフィルタによって高周波域の誤差信号と低周波域の誤差信号を形成し、これらの誤差信号に基づいて光ヘッド駆動系34に対しトラッキング制御を行うものである。ここでは、トラッキング用の誤差信号をサンプルサーボ方式(光ディスク技術、ラジオ技術社、P.95)によって生成するようになっており、このサンプルサーボ方式は、干鳥マーク(Wobbled Track)を間欠的にトラック上に設け、それからの反射強度の変動から誤差信号を生成する方式である。サンプルサーボ方式の場合、記録信号とトラッキング誤差信号とは時分割的に分離されているので、両者の分離は再生回路におけるゲート回路によって行う。また、サンプルサーボ方式を用いる場合には、受光面が1つの光検出器を用いることになるので、反射光による半導体レーザの変調を用いて信号再生を行うSCOOP方式と組み合わせるのに好適である。なお、グルーブ部12aからの反射光との干渉を利用するプッシュプル方式で誤差信号を生成してもよい。
【0046】
図12は、圧電素子41を示す。圧電素子41は、一対の電極端子410,410に接続された複数の電極膜411と、電極膜411間に形成された多層PZT薄膜(厚さ約20μm)412とからなる。この圧電素子41は、上記ホルダ37Cに被着形成されており、この圧電素子41により集光用透明媒体6を支えるとともに、トラック方向Xに直交する方向Y(トラッキング方向31)に走査する。
【0047】
次に、上記第6の実施の形態に係る光ディスク装置100の動作を説明する。光ディスク12は、図示しないモータによって所定の回転速度で回転し、浮上スライダ36は、光ディスク12の回転によって発生する負圧とサスペンション33のばね力との作用によって光ディスク12上を浮上走行する。光ヘッド駆動系35による駆動によって半導体レーザ2からレーザビーム2aが出射されると、半導体レーザ2からのレーザビーム2aは、コリメータレンズ3により平行ビーム2bに整形された後、偏光ビームスプリッタ13および1/4波長板38を通り、上部透明集光用媒体6’の入射面6'aに入射する。平行ビーム2bは、1/4波長板38を通過する際に、1/4波長板38によって直線偏光から円偏光に変わる。円偏光の平行ビーム2bは、対物レンズ5に収束され、上部透明集光用媒体6’の入射面6'aで屈折して集光され、浮上スライダ36の集光面36aに集光する。浮上スライダ36の集光面36aに微小の光スポット9が形成される。この光スポット9下のスリット7aから光スポット9の光の一部が近接場光10として浮上スライダ36の下面36cの外側に漏れ出し、この近接場光10が光ディスク12の記録層121に伝播して光記録あるいは光再生が行われる。光ディスク12で反射した反射光は、入射光の経路を逆にたどり、上部透明集光用媒体6’の入射面6'aで屈折してミラー4で反射され、1/4波長板38で入射光(2a)と偏光面を90度異にする直線偏光光に成形された後、偏光ビームスプリッタ13で90度方向に反射され、光検出器15に入射する。信号処理系35は、光検出器15に入射した光ディスク12からの反射光に基づいてトラッキング制御用の誤差信号およびデータ信号を生成し、誤差信号に基づいて光ヘッド駆動系34に対しトラッキング制御を行う。
【0048】
上記第6の実施の形態に係る光ディスク装置100によれば、上部透明集光用媒体6’の入射面6’aでの最大屈折角が60度となり、NAは0.86が得られ、この結果、スポット径D1/2 約0.2μmの微小の光スポット10が得られ、その約20%を幅50nmのスリット7aを通して近接場光10として光ディスク12の記録層121に入射でき、超高密度(110Gbits/inch2 )の超高密度の光記録/光再生が可能になる。
また、自動焦点制御を行わずに記録再生ができるため、自動焦点制御機構が不要となり、光ヘッド1の重量を大幅に減らすことができ、小型化が図れた。すなわち、光ヘッド1のサイズは、高さ6mm、幅4mm、長さ8mm、重量は0.6gと軽量となった。このため、リニアモータ33の可動コイル33Bとサスペンション34を含めて可動部の重量を2.0g以下にできた。この結果、リニアモータ32のみで帯域50kHz以上、利得60以上が得られた。従って、600rpmの回転下においてトラッキング可能であり、平均転送レートは60Mbpsが得られる。
また、サンプルサーボ方式の採用により、記録信号とトラッキング誤差信号とは時分割的に分離されているので、光検出器15としては、分割型のものは必要なく、例えば、1mm角のPINフォトダイオードを用いることができる。光検出器15として分割型である必要がないため、検出系を大幅に簡素・軽量化できる。 また、透明集光用媒体6の重量は、5mg以下と軽いため、透明集光用媒体6を支持する系の共振周波数を300kHz以上にでき、電極端子410,410間への印加電圧5Vで0.5μm以上の変位が得られる。
また、この圧電素子41とリニアモータ32による2段制御により、80dBの利得で300kHzの帯域が得られ、高速回転時(3600rpm)下において5nmの精度でトラッキングを行うことができる。これにより、本実施の形態では転送レートを圧電素子41を用いない場合の光ディスク装置100の6倍、すなわち、360Mbpsに上げることができる。
また、後述するマルチビームの光ヘッドを使用した場合には、さらに8倍となり、500Mbps近くの転送レートが得られる。また、12cmのディスクにおいて10ms以下の平均シーク速度を達成する。これにより、3600rpm回転時のアクセス時間は20ms以下となる。
【0049】
なお、トラッキング制御用の誤差信号の生成には、上記実施の形態では、サンプルサーボ方式を用いたが、周囲的に記録トラックを蛇行させて、それによる反射光の変調を蛇行周波数に同期させて検出し、誤差信号を生成するウォブルドトラック方式を用いてもよい。
また、再生専用ディスクのトラッキングには、CDで行われているように3スポット方式を用いることも可能である。すなわち、コリメータレンズ3と偏光ビームスプリッタ13の間に回折格子を挿入し、かっ、その士一次光それぞれのディスクからの反射光を検出する光検出素子を主ビーム検出用素子の両側に配置し、その出力の差分を取ることにより、誤差信号の生成が可能となる。
また、記録トラック側面部からの回折光の左右のアンバランスを検出して誤差信号を生成するプッシュプル型の制御を行うことも可能である。この場合はその回折光を2分割型の光検出素子に入射し、その差動出力誤差信号を生成する。
また、本実施の形態の光ヘッド1をそのまま追記型光ディスク(色素の光吸収により凹凸ビットを形成したディスク)への記録および再生に用いることができる。
また、浮上スライダ36の下面36aの光スポット9が形成される位置の周辺に薄膜コイルを装着し、磁界変調を行うことにより、光磁気媒体を用いての光磁気記録も可能となる。但し、再生の場合には、光の偏波面の回転を偏光解析によって検出して信号を生成するため、偏光ビームスプリッタ13を非偏光のスプリッタに変え、光検出素子の手前に検光子を配置する必要がある。
また、レーザ源として本実施の形態では、端面発光型レーザを用いたが、面発光型レーザ(VCSEL)を用いることも可能である。面発光型レーザの場合、基本モード(TEM00)の最大出力は、2mW程度と端面発光型レーザの1/10以下であるが、本実施の形態では従来の光ディスク装置で使用されている光スポット径の数分の1に絞られているため、光密度が1桁以上高くできることから、面発光型半導体レーザでも記録が可能となる。また、面発光型半導体レーザの場合、温度による波長変動が小さく、色収差補正を不要にできる。
また、本実施の形態では、光スポットの駆動に圧電素子を用いたが、これに限るものではなく、後述する図15に示すような光スポット駆動型の半導体レーザを使用してもよい。
【0050】
図13は、本発明の第7の実施の形態に係る光ディスク装置を示す。第6の実施の形態では、シーク動作にリニアモータ32を使用したが、この第7の実施の形態では、ハードディスクに使用する回転型リニアモータ43を使用したものである。光ヘッド1は回動軸33aに回動可能に支持されたサスペンション33によって回転型リニアモータ43に接続されている。このような構成とすることにより、回転型リニアモータ43は光ディスク12の外側に配置できるため、光へッド1をさらに薄型にでき、光ディスク装置100全体を小型化できる。また、これにより、光ディスク12を高速(3600rpm)に回転することができ、平均360Mbps以上のデータ転送レートが可能になる。
【0051】
図14(a) は、本発明の第8の実施の形態に係る光ディスク装置を示し、同図(b) は、光ヘッド1の主要部を示す。この光ディスク装置100は、図13に示す第2の実施の形態において、光ヘッド1から半導体レーザ2、コリメータレンズ3、ホルダ37A,37B,37C、圧電素子41からなるレーザビーム発生系、およびビームスプリッタ13、1/4波長板38、光検出器15からなる光検出系を分離して固定ユニット200内に配置し、光ヘッド1と固定ユニット200とを光ファイバ201で光学的に接続したものである。
【0052】
光ヘッド1は、グラファイトで一体型に形成され、光ファイバ201、ミラー4、対物レンズ5、Super SIL構造の透明集光用媒体6等を支持するとともに、底面202は図11に示すスライダ36の底面と同様に成形され、光ディスク12上を浮上走行するようになっている。
【0053】
上記第8の実施の形態に係る光ディスク装置100によれば、光ファイバー201から集光面6bまでの距離が約1mmと短く、この間での熱膨張・収縮による焦点ずれは少なく、かつ、スリット幅により近接場光のトラック方向の幅が一定とされてい定とされているため、温度変動の影響が少ないため、自動焦点制御を省くことができる。
また、第7の実施の形態の光ヘッド1からレーザビーム発生系および光検出系を分離したので、光ヘッド1のサイズは、高さ1.5mm、長さ/幅2mmとなり、重量は約10mgとなった。このような超軽量・薄型の光ヘッド1を用いることにより、回転型リニアモー夕43による高速のトラッキングが可能となり、高転送レート、小型の光ディスク装置を提供できる。
また、この光ディスク装置を後述する図15の光ディスク装置と同様のスタック型として、大容量の光ディスク装置を提供することもできる。
なお、高速のトラッキングを行うためには、従来提案されているように、サスペンション33にピエゾ素子(図示せず)を取付け、それによりサスペンダ33先端部および光ヘッドを駆動してもよく、また、ピエゾ素子(図示せず)によりミラー4を駆動してもよい。
【0054】
図15は、本発明の第9の実施の形態に係る光ディスク装置を示す。この光ディスク装置100は、図6に示す透明集光用媒体6を用いた光ヘッド1を、5枚重ねのディスクスタック型の光ディスク装置に適用したものであり、プラスチック基板120の上下面に記録層121,121がそれぞれ被着された5枚の光ディスク12と、各光ディスク12の記録層121上を浮上走行する10個の光ヘッド1と、回動軸44によって光ヘッド1を回動可能に支持するサスペンション33と、サスペンション33を駆動する回転型リニアモータ45とを有する。記録層121としては、相変化型の媒体でも光磁気型の媒体でもよい。回転型リニアモータ45は、サスペンション33が結合された可動片45aと、ヨーク45bによって連結され、可動片45aを駆動する電磁石45c,45cとからなる。この光ヘッド1の構造は、基本的には図6に示すものと同様であり、回転放物面を有する透明集光用媒体6とAlGalnN系のレーザ(630nm)を使用しており、光スポット径は0.2μmである。ディスク径は12cm、トラックピッチとマーク長はそれぞれ0.12μm、0.05μmであり、片面の容量は175GB、両面では350GBである。
【0055】
図16(a) ,(b) は、この第9の実施の形態に係る半導体レーザを示す。この半導体レーザ46は、ビーム走査型半導体であり、基板460を有し、この基板460の上面に上部電極461、下面に下部電極462、中央に活性層463をそれぞれ形成したものである。活性層463の発振狭窄部の主部464aと先端部464bの幅はそれぞれ3μm、5μmであり、長さはそれぞれ300μm、50μmである。上部電極461は、主部電極461aと、左右一対の先端部電極461b,461bとからなる。活性層463の発振部は発振狭窄部464a,464bにより狭窄され、先端部電極461b,461bに分割して、あるいは交互に電流を流すことにより、出力光ビームは左右に走査される。この走査幅は1μm、走査周波数は30MHzまで可能である。このレーザビーム走査とリニアモータ45により2段階制御のトラッキングを行った。また、トラッキング制御用の誤差信号の生成は、レーザビームのウォブリング法により行った。すなわち、レーザビームを高速(10MHz)に0.03μm左右走査することにより、記録面上での光スポットはコリメータレンズ3と透明集光用媒体6のNA比に比例して約0.01μmウォブリングされる。これにより、記録トラックからの反射信号が変調され、その変調信号を走査周波数に同期して検波することにより、誤差信号が生成される。
【0056】
上記第9の実施の形態に係る光ディスク装置100によれば、5枚の光ディスク12に情報を記録できるので、3.5TBの大容量化が可能になる。なお、光ヘッド1は、図7,図13に示すものを用いてもよい。これにより、光ヘッド1の高さを3m以下にでき、光ディスク装置の高さを小型化でき、体積容量を上げることができる。
【0057】
図17は、本発明の第10の実施の形態に係る光ディスク装置の主要部を示す。この光ディスク装置100は、独立駆動可能な複数(例えば、8個)のレーザ素子を備え、複数のレーザ素子から複数のレーザビーム2aを出射する半導体レーザ2と、半導体レーザ2からのレーザビーム2aを所定の入射ビーム2b’に整形するコリメータレンズ3と、入射ビーム2b’を所定の方向に反射させるミラー4と、ミラー4で反射した入射ビーム2b’を収束させる対物レンズ5と、対物レンズ5により収束された収束光2c’が入射し、集光面6bに複数の光スポット9を形成する図1と同様の透明集光用媒体6と、透明集光用媒体6の集光面6bの表面に被着形成された複数のスリット7aを有する遮光膜7と、円盤状のプラスチック板120の一方の面にGeSbTeの相変化材料からなる記録層121が形成され、図示しないモータによって回転する光ディスク12と、光ディスク12で反射した光を入射ビーム2b’と分離する偏光ビームスプリッタ13と、ビームスプリッタ13で分離されたレーザビーム2eを集光レンズ14を介して入力する8分割の光検出器15とを有する。
【0058】
図18は、この第10の実施の形態に係る半導体レーザ2を示す。半導体レーザ2は、端面発光半導体レーザであり、活性層20a、p型電極20b、n型電極20cを有する。p型電極20bの間隔d1 を例えば15μmにすることにより、レーザビーム2aの間隔を15μmにしている。
【0059】
図19は、遮光膜7を示す。遮光膜7は、レーザビーム2aの数に対応して8つのスリット7aを有する。コリメータレンズ3のNAは0.16、透明集光用媒体6でのNAは0.8、レーザビーム2aの間隔d1 は15μmであるので、集光面6bでの光スポット9の間隔、すなわち、スリット7aの間隔d2は3μmにしている。スリット7aのアレイ軸方向7bは、各スリット7aがそれぞれ隣接するトラックの真上に位置するように、光ディスク12のトラックに対してわずかに傾けてある。すなわち、それぞれの隣接スリット7aの記録トラックに対する垂直方向の間隔はトラックピッチ(この場合、0.12μm)pに等しくなるように配列されている。スリット7aのアレイ軸方向7bとトラック(図略)の傾き角は23ミリラジアンであり、この傾きはレーザアレイではその支持台の傾き、スリットアレイでは形成時のフォトリソグラフィによる調整で行う。
【0060】
次に、上記第10の実施の形態に係る光ディスク装置100の動作を説明する。半導体レーザ2から複数のレーザビーム2aが出射されると、半導体レーザ2からの複数のレーザビーム2aは、コリメータレンズ3により所定の入射ビーム2b’に整形された後、偏光ビームスプリッタ13を通り、ミラー4で反射し、対物レンズ5によって収束され、透明集光用媒体6の入射面6aで屈折して集光され、集光面6bに集光する。集光面6bに複数の光スポット9が形成される。この複数の光スポット9下の複数のスリット7aから複数の近接場光10が透明集光用媒体6の外側に滲み出し、この近接場光10が光ディスク12の記録層121に伝播して光記録あるいは光再生が行われる。光ディスク12で反射した反射光は、入射光の経路を逆にたどり、透明集光用媒体6の入射面6aで屈折してミラー4で反射され、偏光ビームスプリッタ13で入射ビーム2b’と分離された後、集光レンズ14により8分割の光検出器15に集光される。
【0061】
上記第10の実施の形態に係る光ディスク装置100によれば、8個のスリット7aからの8個の独立に変調可能な近接場光10により、独立に8本の記録トラックを同時に記録・再生することができ、記録再生の転送レートを8倍にすることができる。なお、スリット7aのアレイの長さは20μm程度であり、その間のトラックの曲がりは0.007μmとトラック幅の1/10以下であるので、これによるトラックずれは無視できる。また、スリット7aの数は必ずしも8個に限るものではなく、用途により増減可能である。
なお、透明集光用媒体6は、他の実施の形態に示すものを用いてもよい。また、複数のスリットを1つのビームスポットで照射し、いずれかのスリットから照射された近接場光を用いると、トラッキングの周波数帯域を下げることができる。また、端面発光半導体レーザは、図16に示されるように、活性層20aの積層方向に沿って発光点が形成されるので、半導体レーザの設置する向き、言い換えれば活性層の向きを縦置きするか、横置きするかで照射されるビーム列の方向が変わるので、任意に選択できる。なお、単一の発光点を有する端面発光半導体レーザであっても、ビーム形状や偏光方向が活性層の方向によって異なるため、半導体レーザの設置方向を縦置き、あるいは横置きすることで、所望のビーム形状および偏光方向を選択することができる。
【0062】
図20は、本発明の第11の実施の形態に係る光ディスク装置を示す。この光ディスク装置の光ヘッド1は、遮光膜7の外径のみ図1の光ヘッド1と異なり、他は同様に構成されている。この遮光膜7は、光スポットの径より若干大きい外直径を有したものである。光ディスク12は、保護膜12h、記録層12i、干渉層12j、反射層12kを備えている。本実施の形態の場合、保護謨12h、記録層12i、干渉層12jおよび反射層12kの全厚さは約100nm、保護膜12hとスリット7aとの距離は、約50nmである。
【0063】
次に、上記第11の実施の形態に係る光ヘッド1の動作を説明する。対物レンズからの収束光2cは、透明集光用媒体6の球面状の入射面6aで屈折し、その屈折光2dは集光面6bに集光する。集光面6bに光スポット9が形成される。遮光膜7のスリット7aから漏れ出す近接場光10は、伝播光となって光ディスク12に入射し、光ディスク12の反射層12kで反射する。反射層12kで反射した反射光2kは、遮光膜7のスリット7aを通過するだけでなく、遮光膜7の外側も通過して透明集光用媒体6および対物レンズを介して光検出器に入力される。
【0064】
スリット7aからの近接場光10の強度分布は、記録媒体内でスリット7aを完全拡散面と考えた場合の強度分布1として近似できる。この場合が最も広がり方が大きく、角度分布はCosθで近似される。この光はこの分布を保ちながら、反射膜12kで透明集光用媒体6の方向に反射される。
スリット7aの幅を50nm、遮光膜7の外径を0.2μmとした場合に、遮光膜7の周辺部の光を取り入れることにより、約1桁の強度改善が可能となる。
また、この効果は、スリット7aのサイズが小さくなる程大きくなる。また、周辺部の光は透明集光用媒体6の入射面6aで屈折して内部に入り、スリット7aからの戻り光は、スリット7aを中心として広がるので、両者の指向性は若干異なるが、透明集光用媒体6の直径は1mm程度とスリット7aや記録媒体の膜厚(150nm)に比べて十分大きいため、それらのずれは無視でき、両者をまとめて光検出器に導入することは可能であり、反射光の強度の増大を図ることができる。
【0065】
図21は、再生時に符号誤り率1×10-9を維持するために必要な検出光パワーと再生速度との関係を示す。なお、図21において、実線はデュティ比0.1、破線は1の場合を示し、線群Aは光検出器の量子効率0.1、線群Bは1の場合を示す。本実施の形態の検出光パワーは、−30dBm程度であるので、再生速度を109 ビット/秒以上にすることができる(大津元一,エレクトロニクス,96年5月号,p.92)。
【0066】
図22は、本発明の第12の実施の形態に係る光ディスク装置の光ヘッドを示し、同図(a) はその縦断面図、同図(b) はその横断面図である。この光ヘッド1は、図8に示す光ヘッド1を図9に示す光ディスク装置100に適用したものである。光ヘッド1は、光ディスク12上を浮上する浮上スライダ36を有し、この浮上スライダ36上に、例えば、AlGalnPからなり、波長630nmのレーザビーム2aを出射する端面発光型の半導体レーザ2と、半導体レーザ2から出射されたレーザビーム2aを平行ビーム2bに整形するコリメータレンズ3と、浮上スライダ36上に取り付けられた溶融石英板からなるホルダ37Aと、半導体レーザ2およびコリメータレンズ3をホルダ37A上に固定する溶融石英板からなるホルダ37Bと、半導体レーザ2を圧電素子41を介して支持するホルダ37Cと、半導体レーザ2からの平行ビーム2bと光ディスク12からの反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ13と、半導体レーザ2からの平行ビーム2bの直線偏光を円偏光にする1/4波長板38と、平行ビーム2bを垂直方向に反射するミラー4と、ミラー4で反射した平行ビーム2bを収束させる図8に示す上部透明集光用媒体6”と、上部透明集光用媒体6”の反射面6eに被着形成された反射層11と、座板37Aに取り付けられ、光ディスク12からの反射光をビームスプリッタ13を介して入力する光検出器15とを各々配置している。また、全体はヘッドケース39内に収納され、ヘッドケース39は、サスペンション33の先端に固定されている。浮上スライダ36の下面36aには、図8に示したのと同様に、スリット7aを有する遮光膜7が被着形成されている。
【0067】
この第12の実施の形態に係る光ディスク装置100によれば、浮上スライダ36の下面36aに形成された光スポット9から外部に滲み出す近接場光をスリット7aによって絞っているので、第1の実施の形態の光ディスク装置100と同様に超高密度の光記録/光再生が可能になるとともに、光ヘッド1の高さ方向の小型化が図れる。なお、この光ヘッド1を図13、図14、図15、図17に示す光ディスク装置100に適用してもよい。
なお、本発明の光ヘッドは、レーザや検出部などの重くなる部分を固定部に置き、可動部には対物レンズと折り返しミラーなどの軽量素子のみを乗せる、所謂分離型としてもよい。しかし、前述したように本発明の光ヘッドにおいては、透明集光用媒体状に形成する光スポットとスリットとは、0.1μm以下といった高精度の位置合わせを必要とする。このとき、分離型では、光ディスクの上下動や可動部の動き、温度変化によるひずみなどのため、可動部と固定部をこのような精度で合わせるのが、困難な場合がある。したがって、少なくとも発光素子と透明集光用媒体とを同じ筐体中に設置して一体とすることが好ましい。こうすることで、変動、ひずみによる光スポットとスリットの位置ずれを防止することが可能となる。ディスクに記録された情報を読み出す方式は、実施例に記載したような反射光を検出する方式に限らず、公知のOAM(Optically Assisted Magnetic) 記録方式のように磁気記録に光を利用する方式などに対しても本発明は当然適用できる。また、上述の実施の形態においては、コリメートレンズ、反射鏡、対物レンズ、上部透明集光用媒体といった光学機能を1個の光学要素で構成しているが、複数の光学要素を組み合わせて機能させてもよく、少なくとも、透明集光用媒体の表面上に集光による光スポットが形成され、その位置にスリットが位置するように遮光膜を設ければよい。
上述の実施の形態ではスリットとディスクの記録トラックとを直交させたが、トラックに対して傾斜していてもよい。この場合、ディスクの記録特性によっては記録ピットの安定性が向上したり、反射光強度変化や磁化量が向上し読み出し特性が向上する場合がある。
さらに反射体用いて透明集光用媒体上にスポットを形成する場合には、反射体と透明集光用媒体とに間隙が存在しても良いが、収差を発生させないためには、反射体と透明集光用媒体が密着している方が好ましい。また、反射体として、反射膜のみを示したが、金属で成型したものを用いてよい。ただし、透明集光用媒体との密着性を考えると、反射膜の方が好ましい。
また、遮光体も上述の形態では遮光膜のみを示したが、スリットから近接場が漏れ出せばよいのであって、別途シートで形成したり、化学的に処理してスリットの周囲を実質的に遮光するようにしても良い。ただし、膜厚を薄くできる点、スリットの形成精度の面から、遮光膜を用いた方が好ましい。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、集光面に形成せれた光スポットから透明集光用媒体の外部に滲み出す近接場光を記録トラックに直交する方向のスリットによって絞っているので、光ディスク上に形成される近接場光スポットのトラック方向の微小化が図れる。この結果、光ディスクの高記録密度化が可能になるまた、そのスポット位置にスリットを位置させて、ここから近接場光を得るようにしたため、高い光利用効率が得られる。このため、小型・軽量の光源および光検出器を用いることが可能になるため、光ヘッドおよび光ディスク装置の小型化が図れ、データ転送レートの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す図である。
【図2】 (a) は第1の実施の形態に係る透明集光用媒体および遮光膜を示す図、(b) はその底面図である。
【図3】 (a) 〜(a) は第1の実施の形態に係る遮光膜の形成方法を示す図である。
【図4】 (a) ,(b) は第1の実施の形態に係る遮光膜の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す図である。
【図6】 (a) は本発明の第3の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す図、(b) はその底面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す図である。
【図8】 (a) は本発明の第5の実施の形態に係る光ヘッドの主要部を示す図、(b) はその遮光膜を示す図である。
【図9】 (a) は本発明の第6の実施の形態に係る光ディスク装置を示す図、(b) は(a) のA−A断面図である。
【図10】第6の実施の形態に係る光ディスクの詳細を示す断面図である。
【図11】 (a) は第6の実施の形態に係る光ヘッドの縦断面図、(b) は横断面図である。
【図12】第6の実施の形態に係る圧電素子の断面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る光ディスク装置の斜視図である。
【図14】 (a) は本発明の第8の実施の形態に係る光ディスク装置の斜視図、(b) は光ヘッドの断面図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態に係る光ディスク装置の断面図である。
【図16】 (a) ,(b) は第9の実施の形態に係る半導体レーザを示す図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態に係る光ディスク装置の主要部を示す図である。
【図18】第10の実施の形態に係る半導体レーザを示す図である。
【図19】第10の実施の形態に係る遮光膜を示す図である。
【図20】本発明の第11の実施の形態に係る光ディスク装置の光ヘッドの主要部を示す図である。
【図21】検出光パワーと再生速度との関係を示す図である。
【図22】 (a) は本発明の第7の実施の形態に係る光ディスク装置の光ヘッドの縦断面図、(b) は横断面図である。
【図23】 (a) は従来の光ディスク装置を示す図、(b) はその再生時の動作を示す図である。
【図24】従来の他の光ディスク装置の光ヘッドを示す図である。
【図25】図24における屈折率nとNAの関係を示す図である。
【図26】従来の光ヘッドを示す図である。
【符号の説明】
1 光ヘッド
2 半導体レーザ
2a レーザビーム
2b 平行ビーム
2b’ 入射ビーム
2c,2c’ 収束光
2d 拡散光
2e 反射光
3 コリメータレンズ
4 ミラー
5 対物レンズ
6 透明集光用媒体
6’,6” 上部透明集光用媒体
6a,6'a 入射面
6b 集光面
6c 中心
6e 反射面
6d 底面
7 遮光膜
7a スリット
8 記録媒体
8a 記録層
9 光スポット
10 近接場光
11 反射膜
12 光ディスク
12a グルーブ部
12b ランド部
12h 保護膜
12i 記録層
12j 干渉層
12k 反射層
13 偏光ビームスプリッタ
14 集光レンズ
15 光検出器
20a 活性層
20b p型電極
20c n型電極
30 回転軸
31 トラッキング方向
32 リニアモータ
32a 固定部
32b 可動コイル
33 サスペンション
33a 回動軸
34 光ヘッド駆動系
35 信号処理系
36 浮上スライダ
36a 集光面
36b 溝
36c 下面
37A,37B,37C ホルダ
38 1/4波長板
39 ヘッドケース
41 圧電素子
42 ホルダ
43,45 回転型リニアモータ
44 回動軸
45a 可動片
45b ヨーク
45c 電磁石
46 半導体レーザ
70 フォトレジスト膜
70a フォトレジスト膜のスリットに対応する部分
70b フォトレジスト膜の遮光膜の周囲に対応する保護用の部分
71 Ti膜
100 光ディスク装置
120 プラスチック板
121 記録層
121a A1反射膜層
121b SiO2
125c GeSbTe記録層
121d SiN層
200 固定ユニット
201 光ファイバ
202 底面
410 電極端子
411 電極膜
412 多層PZT薄膜
460 基板
461 上部電極
461a 主部電極
46fb 先端部電極
462 下部電極
463 活性層
464a 発振狭窄部の主部
464b 発振狭窄部の先端部
1 レーザビームの間隔
2 スリットの間隔
p トラックピッチ
X トラック方向
Y トタック方向に直交する方向
θ 入射角

Claims (70)

  1. レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    透明集光用媒体を含み、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光を前記透明集光用媒体の集光面上に集光して光スポットを形成する光学系と、
    前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え
    前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端部と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッド。
  2. レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    前記レーザ光源からの前記レーザ光を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系によって集光されたレーザ光によって光スポットが形成される集光面を有する透明集光用媒体と、
    前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え
    前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッド。
  3. 前記集光光学系は、前記透明集光用媒体と離間した位置に設けられた光学レンズであることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  4. 前記集光光学系は、反射体であることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  5. 前記反射体は、前記透明集光用媒体表面上に設けられたことを特徴とする請求項4記載の光ヘッド。
  6. 前記透明集光用媒体が、ソリッドイマージョンレンズであることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  7. 前記集光光学系は、対物レンズであり、
    前記透明集光用媒体は、球面の一部から構成され、前記対物レンズによって集光された前記レーザ光が入射される入射面を有し、前記球面の中心付近を通る軸上に前記集光面が形成された構成の請求項2記載の光ヘッド。
  8. 前記透明集光用媒体は、前記レーザ光が入射する面が光学的パワーを有することを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  9. 前記透明集光用媒体が、スーパーソリッドイマージョンレンズであることを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  10. 前記集光光学系は、対物レンズであり、
    前記透明集光用媒体は、球面の一部から構成され、前記対物レンズによって集光された前記レーザ光が入射され、その入射された前記レーザ光を屈折させる入射面を有し、前記球面の中心からr/n(rは前記球面の半径、nは前記透明集光用媒体の屈折率)の位置に前記集光面が形成された構成の請求項2記載の光ヘッド。
  11. 前記透明集光用媒体は、前記レーザ光が入射する面が、前記入射するレーザ光を発散する凹面形状を有し、
    前記集光光学系は、少なくとも前記透明集光用媒体の前記レーザ光の入射位置から前記透明集光用媒体を介して設けられるとともに前記レーザ光が入射する面で発散された前記レーザ光を集光することを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  12. 前記集光光学系は、反射膜であり、
    前記透明集光用媒体は、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光が入射する凹球面状の入射面と、前記入射面の周囲に前記反射膜が形成され、前記入射面に入射し、前記遮光体で反射したレーザ光を前記反射膜で反射させて前記集光面に前記光スポットを形成させる非球面状の反射面とを有する構成の請求項2記載の光ヘッド。
  13. 前記集光光学系は、少なくとも前記透明集光用媒体の前記レーザ光が入射する位置に対し前記透明集光用媒体を介して設けられ、前記入射したレーザ光の入射する方向と交差する方向に光路を変化させて前記透明集光用媒体上に前記光スポットを形成することを特徴とする請求項2記載の光ヘッド。
  14. 前記集光光学系は、反射体であることを特徴とする請求項13記載の光ヘッド。
  15. 前記透明集光用媒体は、前記レーザ光が入射する面が平面であることを特徴とする請求項13記載の光ヘッド。
  16. 前記透明集光用媒体の前記入射面および前記集光面は、それぞれ平面からなり、互いに直交する構成の請求項13記載の光ヘッド。
  17. 前記集光光学系は、反射膜であり、
    前記透明集光用媒体は、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光が入射する平面状の入射面と、前記反射膜が形成され、前記入射面に入射したレーザ光を前記反射膜で反射させ、前記集光面に前記光スポットを形成させる反射面とを有する構成の請求項2記載の光ヘッド。
  18. 前記反射面は、回転放物面の一部を構成する請求項17記載の光ヘッド。
  19. 前記反射面は、平面から構成され、
    前記反射膜は、平面状に形成された反射型ホログラムである構成の請求項17記載の光ヘッド。
  20. 前記反射型ホログラムは、ボリュームホログラムにより構成された請求項19記光ヘッド。
  21. 前記反射型ホログラムは、凹凸型のバイナリーホログラムにより構成された請求項19載の光ヘッド。
  22. 記録トラック上に情報が記録保持されるディスクから前記情報を記録再生するための光ヘッドにおいて、
    レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    透明集光用媒体を含み、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光を前記透明集光用媒体の集光面上に集光して光スポットを形成する光学系と、
    前記透明集光用媒体上に設けられ、前記記録トラックと交差する方向が長手方向となるように配置されたスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え
    前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッド。
  23. 前記光学系は、前記透明集光用媒体と離間して配置された対物レンズを備え、
    前記透明集光用媒体は、球面の一部から構成され、前記対物レンズによって集光された前記レーザ光が入射され、その入射された前記レーザ光を屈折させる入射面を有し、前記球面の中心からr/n(rは前記球面の半径、nは前記透明集光用媒体の屈折率)の位置に前記集光面が形成された構成の請求項22記載の光ヘッド。
  24. レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    前記レーザ光を集光するとともに、集光されたレーザ光によって光スポットが形成される集光面を有する透明集光用媒体と、
    前記透明集光用媒体上に設けられ、長辺が前記光スポットの径よりも長く、かつ、短辺が前記スポット径よりも短いスリットが前記光スポットの形成位置に設けられた遮光体とを備え
    前記透明集光用媒体は、前記スリットの内部に位置し、その先端が前記集光面となる凸部を有し、前記凸部の先端と前記遮光体の表面とがほぼ平坦であることを特徴とする光ヘッド。
  25. 前記透明集光用媒体は、前記レーザ光の入射面が光学的パワーを有することを特徴とする請求項24記載の光ヘッド。
  26. 前記透明集光用媒体は、スーパーソリッドイマージョンレンズであることを特徴とする請求項24記載の光ヘッド。
  27. 前記透明集光用媒体は、1より大なる屈折率を有する構成の請求項1乃至請求項26いずれか1項記載の光ヘッド。
  28. 前記透明集光用媒体は、重フリントガラスで形成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項27いずれか1項記載の光ヘッド。
  29. 前記透明集光用媒体は、結晶性材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項28いずれか1項記載の光ヘッド。
  30. 前記遮光体の前記スリットは、前記レーザ光の波長より小なる幅を有する構成の請求項1乃至29いずれか1項記載の光ヘッド。
  31. 前記遮光体は、前記レーザ光の波長より小なる厚さを有する遮光膜である請求項1乃至請求項30いずれか1項記載の光ヘッド。
  32. 前記遮光膜は、前記光ディスク上に形成された前記近接場光スポットの反射光を前記スリット内の他に前記遮光膜の外側を通過させて外部に出力させる外径を有する構成の請求項1記載の光ヘッド。
  33. 前記遮光体は、前記透明集光用媒体に埋め込まれた構成の請求項1乃至請求項31いずれか1項記載の光ヘッド。
  34. 前記遮光体は、前記透明集光用媒体の前記集光面側からスリットを形成するためのエッチング工程を行って作成されてなる遮光体であることを特徴とする請求項1乃至請求項33いずれか1項記載の光ヘッド。
  35. 前記レーザ光出射手段は、単一の前記レーザ光を出射し、
    前記遮光体は、前記単一のレーザ光による単一の前記光スポットの形成位置に複数の前記スリットを有する構成の請求項1乃至請求項33いずれか1項記載の光ヘッド。
  36. 前記レーザ光出射手段は、複数の前記レーザ光を出射し、
    前記遮光体は、前記複数のレーザ光による複数の前記光スポットの形成位置にそれぞれ対応した前記スリットを有する構成の請求項1乃至請求項34いずれか1項記載の光ヘッド。
  37. 前記透明集光用媒体の前記集光面と前記レーザ光の主光学軸とが、前記スリットにおいて直交する構成の請求項1乃至請求項35いずれか1項記載の光ヘッド。
  38. 前記透明集光用媒体は、少なくとも前記スリットの周囲において前記スリットにおける前記レーザ光の主光学軸に垂直な面に対して傾斜したことを特徴とする請求項1乃至請求項36いずれか1項記載の光ヘッド。
  39. 前記遮光膜は、前記光スポットが形成される面に前記レーザ光を吸収する処理が施された構成、あるいは前記レーザ光を吸収する材料で形成された構成の請求項乃至請求項37いずれか1記載の光ヘッド。
  40. 前記透明集光用媒体は、少なくとも前記スリットの周囲において光散乱用の複数の微小の凹凸を有することを特徴とする請求項1乃至請求項38いずれか1記載の光ヘッド。
  41. 前記透明集光用媒体は、互いに密着した第1の透明媒体および第2の透明媒体からなり、
    前記レーザ光は前記第1の透明媒体に入射し、前記光スポットが形成される前記集光面は前記第2の透明媒体上に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項39いずれか1記載の光ヘッド。
  42. 前記第2の透明媒体は、ディスクの回転に伴って前記ディスク上を浮上させる浮上スライダの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項40記載の光ヘッド。
  43. 前記第2の透明媒体は、前記スリット内に位置する凸部を有し、前記凸部の先端と前記浮上スライダーの前記ディスクに最近接する底面とが、同一平面上に存在するように形成されてなることを特徴とする請求項41記載の光ヘッド。
  44. 前記第1の透明媒体および前記前記第2の透明媒体は、ほぼ同一の屈折率を有することを特徴とする請求項40記載の光ヘッド。
  45. 前記レーザ光出射手段は、前記レーザ光を出射する半導体レーザを備えた構成の請求項1乃至請求項43いずれか1記載の光ヘッド。
  46. 前記半導体レーザは、端面発光型半導体レーザである構成の請求項44記載の光ヘッド。
  47. 前記端面発光型半導体レーザは、活性層が前記透明集光用媒体の前記集光面に垂直となるように配置された構成の請求項45記載の光ヘッド。
  48. 前記端面発光型半導体レーザは、活性層が前記透明集光用媒体の前記集光面に平行となるように配置された構成の請求項45記載の光ヘッド。
  49. 前記半導体レーザは、面発光型半導体レーザである構成の請求項45記載の光ヘッド。
  50. 前記レーザ光出射手段と前記透明集光用媒体との間の前記レーザ光の主光学軸上に設けられ、前記レーザ光源からの前記レーザ光を平行光に整形するコリメータレンズとを備えた構成の請求項1乃至請求項48いずれか1項記載の光ヘッド。
  51. 前記レーザ光出射手段は、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源からの前記レーザ光を平行光に整形して前記集光光学系に入射させるコリメートレンズとを備えた構成の請求項2記載の光ヘッド。
  52. 前記レーザ光出射手段は、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源からの前記レーザ光を平行光に整形して前記透明集光用媒体の前記入射面に入射させるコリメートレンズとを備えた構成の請求項記載の光ヘッド。
  53. 前記レーザ光出射手段は、前記レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源を移動させて、前記光スポットが形成される位置を所定の方向に変位させる圧電素子とを備えた構成の請求項1乃至請求項51のいずれか1記載の光ヘッド。
  54. 前記レーザ光出射手段は、前記レーザ光を出射するとともに、前記レーザ光の出射位置を移動させることにより前記光スポットが形成される位置を所定の方向に変位させるレーザ光源を備えた構成の請求項1乃至請求項52のいずれか記載の光ヘッド。
  55. 少なくとも前記レーザ光出射手段および前記透明集光用媒体は、同一筐体上に固定されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項53のいずれか1記載の光ヘッド。
  56. 回転するディスクと、前記ディスク上に近接場光を照射し、前記ディスクに記録された情報の検出行うディスク装置において、
    請求項1乃至請求項54いずれか1項記載の光ヘッドと、前記光ヘッドを駆動する駆動手段とを備えたことを特徴とするディスク装置。
  57. 前記ディスクを前記近接場光で照射することにより得られる記録信号を検出する検出手段を備えたことを特徴とする請求項56記載のディスク装置。
  58. 前記光ヘッドの少なくとも前記透明集光用媒体と前記レーザ光出射手設とが設けられた前記浮上スライダを備えたことを特徴とする請求項56記載のディスク装置。
  59. 前記透明集光用媒体は、互いに密着した第1の透明媒体および第2の透明媒体からなり、
    前記レーザ光は前記第1の透明媒体に入射し、前記光スポットが形成される前記集光面は前記第2の透明媒体上に位置するとともに、
    前記第2の透明媒体は、ディスクの回転に伴って前記ディスク上を浮上させる浮上スライダの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項56記載のディスク装置。
  60. 前記ディスクを前記近接場光で照射することにより得られる記録信号を検出するための検出手段を前記浮上スライダ上に設けたこと特徴とする請求項56乃至58いずれか1項記載のディスク装置。
  61. 前記ディスクは、凹凸状のピット列により情報が記録された再生専用媒体である構成の請求項56記載のディスク装置。
  62. 前記ディスクは、光磁気記録媒体である構成の請求項56記載のディスク装置。
  63. 前記ディスクは、光相変化記録媒体である構成の請求項56記載のディスク装置。
  64. 前記ディスクは、色素の光吸収により凹凸ビットを形成する追記型記録媒体である構成の請求項56記載のディスク装置。
  65. 前記ディスクを前記近接場光で照射することにより得られる記録信号を検出するための検出手段を備え、
    前記遮光体は、前記ディスク上に照射形成された前記近接場光の反射光を前記スリット内の他に前記遮光体の外側を通過させて前記光検出手段に入力させる形状を有する構成の請求項56記載のディスク装置。
  66. 前記集光光学系は、反射膜であり、
    前記透明集光用媒体は、前記レーザ光出射手段からの前記レーザ光が入射する凹球面状の入射面と、前記入射面の周囲に前記反射膜が形成され、前記入射面に入射し、前記遮光体で反射したレーザ光を前記反射膜で反射させて前記集光面に前記光スポットを形成させる非球面状の反射面とを有する構成の請求項56記載のディスク装置。
  67. 同軸上に所定の間隔を有して配置された回転する複数のディスクと、前記複数のディスク上に近接場光スポットを形成し、前記ディスクに記録された情報の検出を行うディスク装置において、
    請求項1乃至請求項54いずれか1項記載の複数の光ヘッドと、前記ディスクを前記近接場光スポットで照射することにより得られる記録信号を検出する検出手段とを備えたことを特徴とするディスク装置。
  68. 前記レーザ光出射手段は、
    前記レーザ光を出射する半導体レーザと、
    前記半導体レーザを移動させて前記光スポットが形成される位置を所定のトラッキング方向に変位させる圧電素子と、
    少なくとも前記半導体レーザ、前記圧電素子、前記集光手段、前記透明集光用媒体および前記遮光膜を一体として前記所定のトラッキング方向に移動する移動手段と、
    低周波域のトラッキング誤差信号に基づいて前記移動手段を駆動し、高周波域のトラッキング誤差信号に基づいて前記圧電素子を駆動する駆動手設とを備えた構成の請求項56記載のディスク装置。
  69. 前記半導体レーザは、前記レーザ光を出射する先端付近に設けられ、電流が分割して、あるいは交互に印加されることにより、前記光スポットが形成される位置を前記所定のトラッキング方向に変位させる一対の電極端子を備えたビーム走査型半導体レーザである構成の請求項67記載のディスク装置。
  70. 前記集光手段、前記透明集光用媒体および前記遮光膜は、光ヘッドとして前記ディスク上に一体的に設けられ、
    前記レーザ光出射手股および前記光検出手段は、前記装置本体側に設けられ、
    前記光ヘッドと前記レーザ光出射手股および前記光検出手段とは、光ファイバによって光学的に接続された構成の請求項56記載のディスク装置。
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