JP2004287697A - 無人搬送車の自立運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジャイロスコープ固有の検出誤差を簡単な方法で補正し、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができるようにした無人搬送車の自立運転の制御方法を提供すること。
【解決手段】無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法において、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時に検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とする。
【選択図】 図4
【解決手段】無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法において、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時に検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人搬送車の自立運転方法に関し、例えば、半導体、液晶工場等で使用する無人搬送車の無誘導区間を自立運転する搬送車に好適に用いることができる無人搬送車の自立運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体や液晶工場で使用する無人搬送車は、搬送車が走行する軌道をクリーンルームの建設時に計画し、搬送車の誘導方法により、光学誘導式では反射テープが、磁気誘導式では磁気テープ等が誘導路としてグレーチングの床に施設される。
この場合、ワークを加工する製造装置ではレイアウト変更等が不定期にあり、このような製造装置前での停止点は、固定された誘導路では運用に支障をきたすことになるため、搬送車が自立運転を行うことにより、製造装置前に搬送車を誘導するようにしている。
【0003】
一方、複数車線の交差点の中では、全ての交差の組み合わせに対して誘導路を施設すると、これらの誘導路のためにグレーチングの開口率が下がって、クリーンルームの気流に悪い影響を及ぼすようになるため、搬送車は交差点では自立運転を行うようになっている。
【0004】
このような自立運転時の姿勢制御は、車体の走行距離と車体の方位角を計測し、予め設定されたパターンに追従するように制御し、誘導路に到達した時点で誘導制御に切り替えるようになっている。
なお、クリーンルームは建設費用が高いため、搬送車の車線間隔や製造装置との間隔は最小限に留める必要があり、このため、搬送車は精度良くその位置や姿勢を計測する必要がある。
【0005】
方位角の検出方法は、圧電素子に働くコリオリの力を検出する振動型ジャイロスコープや、サニヤックを利用した光ファイバ型ジャイロスコープ、噴出するガスに働くコリオリの力でガス流の方向が変わるのを検出するガスレートセンサ等を使用することができるが、これらの角速度検出装置で計測した角速度を時間積分し、搬送車の方位角として検出する。
これらのセンサは性能、価格は種々のものがあるが、一般に低価格のものは検出精度が劣ったり、センサに働く角速度によって検出精度が異なるという問題があった。
また、センサの種類によっては経過時間によってセンサ劣化が発生し、誤差が増加するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の無人搬送車の自立運転の制御方法では、半導体レーザを使用した低価格帯のファイバ型ジャイロスコープでは、経時変化によるレーザ強度低下などにより検出精度が変化した場合、センサ内部部品の交換あるいはセンサ全体の交換が必要となり、定期的な保守が必要であった。
予防保全として、一定の使用時間に到達したものから順次交換するか、あるいは、搬送車の自立走行の失敗による脱線が生じた場合にセンサの交換をしていたが、これでは、ユーザの保守にかかる費用を圧迫することになる。
また、消耗部分のない低価格の振動型ジャイロスコープやガスレート型ジャイロスコープでは、角速度の低い領域では検出誤差が大きい傾向があるが、有効な誤差補正の方法がなく、使用できる範囲が限定され、高精度の自立運転には適さないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の無人搬送車の自立運転の制御方法に使用するジャイロスコープ等のセンサが有する問題点に鑑み、ジャイロスコープ固有の検出誤差を簡単な方法で補正し、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができるようにした無人搬送車の自立運転の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の無人搬送車の自立運転方法は、無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法において、前記ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、該ジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時に前記検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とすることを特徴とする。
【0009】
この無人搬送車の自立運転方法は、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープ固有の検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにしているので、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができる。無人搬送車の自立運転の制御方法
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無人搬送車の自立運転方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図7に、本発明を適用する無人搬送車の自立運転の概要を示す。
搬送車1は、誘導路2を走行し、直交する誘導路3や平行する誘導路5に車線を変更する際、予め定められた仮想の走行軌跡4又は走行軌跡6に追従して走行する。
車線変更の基点は図示しない番地検出センサで誘導路近傍に設置した標識を検出し、誘導路の追従制御から、仮想の走行軌跡の追従へと制御の方法を切り替える。
【0012】
仮想軌道上を走行した距離については、駆動力を発生していない従動輪の回転量をロータリーエンコーダ等で計測することで容易に計測することができる。
一方、車体の方位角については、車体の角速度をジャイロスコープで計測し、検出した角速度を時間積分することにより得ることができる。
そして、自立運転は、車体の方位角と単位時間当たりの移動距離を積分し求めるようにする。
この場合、角速度検出で誤差が生じると、自立運転の時間が長くなればそれだけ角度誤差が大きくなる。
また、図1(a)に示すような車線が交差している場合よりも、図1(b)に示すような平行した車線の乗り移りの方が自立運転の距離が長くなって時間がかかるため、角度誤差がより大きくなる。
【0013】
図2に平行する他車線に方向を反転して乗り移る場合の搬送車の方位角と時間との関係を示す。
搬送車は、図2に示すように、時刻0から時刻Aまでの区間は誘導路2に追従して走行しており、時刻Aの点から仮想の走行軌跡に追従する自立運転が始まる。
そして、時刻Aから時刻Bの区間は、前輪のみが仮想走行軌跡に追従して走行し、時刻Bからは、前輪と後輪の両方が仮想走行軌跡に追従して走行する。
さらに、搬送車は、時刻Cの点で自立運転を終了し、その後は誘導路5に追従して走行する。
なお、時刻Aから時刻Bの区間は、車体後部が隣接する車線にはみ出すことに起因するような、隣接車線を走行する搬送車や走行路近傍に設置された製造装置との干渉や接触を防止するために設けている。
また、車線幅に十分な余裕がある場合には、この時刻Aから時刻Bの区間は省略することができる。
【0014】
図3(a)に、図2に対応した車体に生じる角速度の確率密度関数を示す。
なお、角速度の確率密度関数は、センサで検出する車体の角速度ωの分布を示している。
図において、区間Dが前記した時刻Aから時刻Bの期間に対応するとともに、区間Eが前記した時刻Bから時刻Cの区間に対応し、残りの区間は過渡状態に対応している。
ここで、角速度検出において一様に誤差が生じるとすると、その誤差が車体の方位角に及ぼす影響は、図2の確率密度ρ1と角速度ωの積に比例する。
したがって、角度誤差の確率密度ρ2は、
∫ωρ1dω=1
となるように、規格化することによって得ることができる。
この確率密度ρ2は、仮想走行軌跡に固有の値となり、角速度の誤差が一様の発生確率であっても、角度に対しては発生頻度の小さい領域は角度誤差の影響が小さく、誤差補正を行う場合、影響の大きい角速度領域を重点的に補正すれば効果的であることを示している。
【0015】
一般に、センサの検出精度は、センサの動作領域全体に対して規定されるか、あるいは、検出範囲を限定して規定されている。
無人搬送車の自立運転に使用可能か否かの判定は、使用領域全体での誤差判定ではなく、判定のための測定は、図3(a)に示すように、搬送車が実際の動作で起こり得る角速度の範囲を計測し、この計測した角速度に対応した誤差と、図3(b)に示す確率密度ρ2の積で評価する。
【0016】
角速度に対応した誤差をε(ω)、搬送車で使用可能な誤差限界をδとすると、
δ≦∫ρ2(ω)ε(ω)dω
で判定することが可能である。
この誤差限界δは、低角速度領域で検出誤差が増加する低価格の振動型ジャイロスコープやガスレート型ジャイロスコープに関し、良否判定の客観的な指針として有効である。
【0017】
また、方位角に対する誤差影響の大きいGの区間に着目すれば、誤差補正はこの部分を重点的に行うことが有効である。
例えば、図3(c)に示すように、角速度ωにおいて理想的な特性7に対し、角速度が正の領域での特性8、負の領域での特性9で検出角速度ωmを出力するセンサの場合、図4に示すように、角速度が正のGの領域に相当する角速度誤差10の平均値と、角速度が負の領域の誤差11の平均値の符号を反転した値を、正負それぞれの領域に対する角速度の補正値とする。
【0018】
誤差の平均値は、単純平均あるいは誤差の確率密度に比例した加重平均とする。
この誤差の平均値は、センサ固有の値であり、センサの受け入れ検査時等に測定しておき、この補正値を搬送車制御に組み込む。
自立運転時に搬送車が方位角を計測する時、測定値の符号に対応した補正値と測定値との積を補正された測定値として制御に使用する。
【0019】
すなわち、無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法に適用するに際しては、図6に示すように、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求めておき、その後、このジャイロスコープを無人搬送車に設置し、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープの検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの実際の検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにする。
【0020】
補正値は、影響の大きい部分だけでなく、全領域で補正値を得ることは可能であるが、低価格のセンサの場合、測定値の分散が高価格で高精度のセンサに対して大きく、全領域の補正は計算量が増えるが、誤差の確率の少ない領域の補正は効果が分散し埋没してしまうので効果が小さい。
誤差の影響の大きい部分で重点的に補正する本実施例は、測定値に対し1回の積を演算するだけで有効な補正を行うことができる。
【0021】
また、本発明の補正方法は、経時的な劣化によって検出誤差が増加したセンサに対しても有効である。
例えば、半導体レーザを使用したファイバ型ジャイロスコープは、レーザの劣化が時間の指数に比例して進行するため、検出誤差が予め設定した値まで劣化した時点で一旦取り外し、補正値を再度計測することで誤差を補正し、その後、継続して使用することが可能となる。
この方法を、補正しきれなくなるまで定期的に繰り返すことにより、センサ自体の延命を図り、ユーザの部品交換費用を低減することが可能となる。
【0022】
以上、本発明の無人搬送車の自立運転方法について、その実施例を説明したが、本発明の構成は、この実施例の記載に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の無人搬送車の自立運転方法によれば、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープ固有の検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにしているので、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができ、かつ、無人搬送車の自立運転の制御を精度の高く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人搬送車の自立運転方法を適用する無人搬送車が自立運転方法を示し、(a)は90゜で直交する誘導路の車線変更時の例、(b)は180゜で平行する誘導路の車線変更時の例をそれぞれ示す。
【図2】180゜で平行する誘導路の車線変更時の時刻と車体の角度の関係を示すグラフである。
【図3】(a)は図2の方位角を角速度に変換し、その確率密度分布を示すグラフ、(b)は(a)を角度誤差の確率密度分布に変換したグラフ、(c)はジャイロスコープの角速度に対する検出誤差特性の説明図である。
【図4】ジャイロスコープの検出値と補正値の関係を示す説明図である。
【図5】無人搬送車の自立運転方法を示すフローチャートである。
【図6】ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定する方法を示すフローチャートである。
【図7】無人搬送車の制御系統を示す説明図である。
【符号の説明】
1 無人搬送車
2 直線誘導路
3 直交する直線誘導路
4 90゜カーブ時の運転軌跡
5 平行する直線誘導路
6 180゜カーブ時の運転軌跡
7 理想的なジャイロスコープの特性
8 実際のジャイロスコープの特性
10 180゜カーブ時の度数分布の大きい正の角速度領域の検出値
11 180゜カーブ時の度数分布の大きい負の角速度領域の検出値
12 正の角速度領域の補正データにより補正した補正値
13 負の角速度領域の補正データにより補正した補正値
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人搬送車の自立運転方法に関し、例えば、半導体、液晶工場等で使用する無人搬送車の無誘導区間を自立運転する搬送車に好適に用いることができる無人搬送車の自立運転方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体や液晶工場で使用する無人搬送車は、搬送車が走行する軌道をクリーンルームの建設時に計画し、搬送車の誘導方法により、光学誘導式では反射テープが、磁気誘導式では磁気テープ等が誘導路としてグレーチングの床に施設される。
この場合、ワークを加工する製造装置ではレイアウト変更等が不定期にあり、このような製造装置前での停止点は、固定された誘導路では運用に支障をきたすことになるため、搬送車が自立運転を行うことにより、製造装置前に搬送車を誘導するようにしている。
【0003】
一方、複数車線の交差点の中では、全ての交差の組み合わせに対して誘導路を施設すると、これらの誘導路のためにグレーチングの開口率が下がって、クリーンルームの気流に悪い影響を及ぼすようになるため、搬送車は交差点では自立運転を行うようになっている。
【0004】
このような自立運転時の姿勢制御は、車体の走行距離と車体の方位角を計測し、予め設定されたパターンに追従するように制御し、誘導路に到達した時点で誘導制御に切り替えるようになっている。
なお、クリーンルームは建設費用が高いため、搬送車の車線間隔や製造装置との間隔は最小限に留める必要があり、このため、搬送車は精度良くその位置や姿勢を計測する必要がある。
【0005】
方位角の検出方法は、圧電素子に働くコリオリの力を検出する振動型ジャイロスコープや、サニヤックを利用した光ファイバ型ジャイロスコープ、噴出するガスに働くコリオリの力でガス流の方向が変わるのを検出するガスレートセンサ等を使用することができるが、これらの角速度検出装置で計測した角速度を時間積分し、搬送車の方位角として検出する。
これらのセンサは性能、価格は種々のものがあるが、一般に低価格のものは検出精度が劣ったり、センサに働く角速度によって検出精度が異なるという問題があった。
また、センサの種類によっては経過時間によってセンサ劣化が発生し、誤差が増加するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の無人搬送車の自立運転の制御方法では、半導体レーザを使用した低価格帯のファイバ型ジャイロスコープでは、経時変化によるレーザ強度低下などにより検出精度が変化した場合、センサ内部部品の交換あるいはセンサ全体の交換が必要となり、定期的な保守が必要であった。
予防保全として、一定の使用時間に到達したものから順次交換するか、あるいは、搬送車の自立走行の失敗による脱線が生じた場合にセンサの交換をしていたが、これでは、ユーザの保守にかかる費用を圧迫することになる。
また、消耗部分のない低価格の振動型ジャイロスコープやガスレート型ジャイロスコープでは、角速度の低い領域では検出誤差が大きい傾向があるが、有効な誤差補正の方法がなく、使用できる範囲が限定され、高精度の自立運転には適さないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の無人搬送車の自立運転の制御方法に使用するジャイロスコープ等のセンサが有する問題点に鑑み、ジャイロスコープ固有の検出誤差を簡単な方法で補正し、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができるようにした無人搬送車の自立運転の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の無人搬送車の自立運転方法は、無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法において、前記ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、該ジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時に前記検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とすることを特徴とする。
【0009】
この無人搬送車の自立運転方法は、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープ固有の検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにしているので、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができる。無人搬送車の自立運転の制御方法
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無人搬送車の自立運転方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図7に、本発明を適用する無人搬送車の自立運転の概要を示す。
搬送車1は、誘導路2を走行し、直交する誘導路3や平行する誘導路5に車線を変更する際、予め定められた仮想の走行軌跡4又は走行軌跡6に追従して走行する。
車線変更の基点は図示しない番地検出センサで誘導路近傍に設置した標識を検出し、誘導路の追従制御から、仮想の走行軌跡の追従へと制御の方法を切り替える。
【0012】
仮想軌道上を走行した距離については、駆動力を発生していない従動輪の回転量をロータリーエンコーダ等で計測することで容易に計測することができる。
一方、車体の方位角については、車体の角速度をジャイロスコープで計測し、検出した角速度を時間積分することにより得ることができる。
そして、自立運転は、車体の方位角と単位時間当たりの移動距離を積分し求めるようにする。
この場合、角速度検出で誤差が生じると、自立運転の時間が長くなればそれだけ角度誤差が大きくなる。
また、図1(a)に示すような車線が交差している場合よりも、図1(b)に示すような平行した車線の乗り移りの方が自立運転の距離が長くなって時間がかかるため、角度誤差がより大きくなる。
【0013】
図2に平行する他車線に方向を反転して乗り移る場合の搬送車の方位角と時間との関係を示す。
搬送車は、図2に示すように、時刻0から時刻Aまでの区間は誘導路2に追従して走行しており、時刻Aの点から仮想の走行軌跡に追従する自立運転が始まる。
そして、時刻Aから時刻Bの区間は、前輪のみが仮想走行軌跡に追従して走行し、時刻Bからは、前輪と後輪の両方が仮想走行軌跡に追従して走行する。
さらに、搬送車は、時刻Cの点で自立運転を終了し、その後は誘導路5に追従して走行する。
なお、時刻Aから時刻Bの区間は、車体後部が隣接する車線にはみ出すことに起因するような、隣接車線を走行する搬送車や走行路近傍に設置された製造装置との干渉や接触を防止するために設けている。
また、車線幅に十分な余裕がある場合には、この時刻Aから時刻Bの区間は省略することができる。
【0014】
図3(a)に、図2に対応した車体に生じる角速度の確率密度関数を示す。
なお、角速度の確率密度関数は、センサで検出する車体の角速度ωの分布を示している。
図において、区間Dが前記した時刻Aから時刻Bの期間に対応するとともに、区間Eが前記した時刻Bから時刻Cの区間に対応し、残りの区間は過渡状態に対応している。
ここで、角速度検出において一様に誤差が生じるとすると、その誤差が車体の方位角に及ぼす影響は、図2の確率密度ρ1と角速度ωの積に比例する。
したがって、角度誤差の確率密度ρ2は、
∫ωρ1dω=1
となるように、規格化することによって得ることができる。
この確率密度ρ2は、仮想走行軌跡に固有の値となり、角速度の誤差が一様の発生確率であっても、角度に対しては発生頻度の小さい領域は角度誤差の影響が小さく、誤差補正を行う場合、影響の大きい角速度領域を重点的に補正すれば効果的であることを示している。
【0015】
一般に、センサの検出精度は、センサの動作領域全体に対して規定されるか、あるいは、検出範囲を限定して規定されている。
無人搬送車の自立運転に使用可能か否かの判定は、使用領域全体での誤差判定ではなく、判定のための測定は、図3(a)に示すように、搬送車が実際の動作で起こり得る角速度の範囲を計測し、この計測した角速度に対応した誤差と、図3(b)に示す確率密度ρ2の積で評価する。
【0016】
角速度に対応した誤差をε(ω)、搬送車で使用可能な誤差限界をδとすると、
δ≦∫ρ2(ω)ε(ω)dω
で判定することが可能である。
この誤差限界δは、低角速度領域で検出誤差が増加する低価格の振動型ジャイロスコープやガスレート型ジャイロスコープに関し、良否判定の客観的な指針として有効である。
【0017】
また、方位角に対する誤差影響の大きいGの区間に着目すれば、誤差補正はこの部分を重点的に行うことが有効である。
例えば、図3(c)に示すように、角速度ωにおいて理想的な特性7に対し、角速度が正の領域での特性8、負の領域での特性9で検出角速度ωmを出力するセンサの場合、図4に示すように、角速度が正のGの領域に相当する角速度誤差10の平均値と、角速度が負の領域の誤差11の平均値の符号を反転した値を、正負それぞれの領域に対する角速度の補正値とする。
【0018】
誤差の平均値は、単純平均あるいは誤差の確率密度に比例した加重平均とする。
この誤差の平均値は、センサ固有の値であり、センサの受け入れ検査時等に測定しておき、この補正値を搬送車制御に組み込む。
自立運転時に搬送車が方位角を計測する時、測定値の符号に対応した補正値と測定値との積を補正された測定値として制御に使用する。
【0019】
すなわち、無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法に適用するに際しては、図6に示すように、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求めておき、その後、このジャイロスコープを無人搬送車に設置し、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープの検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの実際の検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにする。
【0020】
補正値は、影響の大きい部分だけでなく、全領域で補正値を得ることは可能であるが、低価格のセンサの場合、測定値の分散が高価格で高精度のセンサに対して大きく、全領域の補正は計算量が増えるが、誤差の確率の少ない領域の補正は効果が分散し埋没してしまうので効果が小さい。
誤差の影響の大きい部分で重点的に補正する本実施例は、測定値に対し1回の積を演算するだけで有効な補正を行うことができる。
【0021】
また、本発明の補正方法は、経時的な劣化によって検出誤差が増加したセンサに対しても有効である。
例えば、半導体レーザを使用したファイバ型ジャイロスコープは、レーザの劣化が時間の指数に比例して進行するため、検出誤差が予め設定した値まで劣化した時点で一旦取り外し、補正値を再度計測することで誤差を補正し、その後、継続して使用することが可能となる。
この方法を、補正しきれなくなるまで定期的に繰り返すことにより、センサ自体の延命を図り、ユーザの部品交換費用を低減することが可能となる。
【0022】
以上、本発明の無人搬送車の自立運転方法について、その実施例を説明したが、本発明の構成は、この実施例の記載に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
本発明の無人搬送車の自立運転方法によれば、ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、そのジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時にそのジャイロスコープ固有の検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とするようにしているので、精度の劣る低価格センサの利用や経時劣化で誤差の増大したセンサの延命を図ることができ、かつ、無人搬送車の自立運転の制御を精度の高く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無人搬送車の自立運転方法を適用する無人搬送車が自立運転方法を示し、(a)は90゜で直交する誘導路の車線変更時の例、(b)は180゜で平行する誘導路の車線変更時の例をそれぞれ示す。
【図2】180゜で平行する誘導路の車線変更時の時刻と車体の角度の関係を示すグラフである。
【図3】(a)は図2の方位角を角速度に変換し、その確率密度分布を示すグラフ、(b)は(a)を角度誤差の確率密度分布に変換したグラフ、(c)はジャイロスコープの角速度に対する検出誤差特性の説明図である。
【図4】ジャイロスコープの検出値と補正値の関係を示す説明図である。
【図5】無人搬送車の自立運転方法を示すフローチャートである。
【図6】ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定する方法を示すフローチャートである。
【図7】無人搬送車の制御系統を示す説明図である。
【符号の説明】
1 無人搬送車
2 直線誘導路
3 直交する直線誘導路
4 90゜カーブ時の運転軌跡
5 平行する直線誘導路
6 180゜カーブ時の運転軌跡
7 理想的なジャイロスコープの特性
8 実際のジャイロスコープの特性
10 180゜カーブ時の度数分布の大きい正の角速度領域の検出値
11 180゜カーブ時の度数分布の大きい負の角速度領域の検出値
12 正の角速度領域の補正データにより補正した補正値
13 負の角速度領域の補正データにより補正した補正値
Claims (1)
- 無人搬送車に設置したジャイロスコープの検出値に基づいて無人搬送車の自立運転を行う無人搬送車の自立運転方法において、前記ジャイロスコープ単体で所定の角度及び角速度毎の検出値を測定して、該ジャイロスコープ固有の検出誤差特性を予め求め、無人搬送車の運転時に前記検出誤差特性に基づいてジャイロスコープの検出値を補正して、無人搬送車への指令信号とすることを特徴とする無人搬送車の自立運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003077372A JP2004287697A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 無人搬送車の自立運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003077372A JP2004287697A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 無人搬送車の自立運転方法 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004287697A true JP2004287697A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33292141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003077372A Pending JP2004287697A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 無人搬送車の自立運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004287697A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038818A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Ricoh Co Ltd | 自動搬送車 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003077372A patent/JP2004287697A/ja active Pending
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JP2007038818A (ja) * | 2005-08-02 | 2007-02-15 | Ricoh Co Ltd | 自動搬送車 |
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