JP2004287140A - 携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクリルまたはポリカーボネートにアルミニウムをハーフ蒸着した構造の携帯端末用スクリーンは、光線透過率が低く、液晶表示素子の表示の視認性に問題がある。
【解決手段】可撓性のあるアクリル又はポリカーボネート基板の両面にハードコート膜を設けたハードコート板をスクリーンの素材として用意し(ステップP1)、その素材の片面であるハードコート膜上に、多層金属酸化膜を蒸着する(ステップP2)。この際の蒸着条件としては透過率70%、反射率30%が好ましい。これにより、このスクリーンが前面に被覆される携帯端末の液晶表示素子(LCD)の省電力時又は電源オフ時は多層金属酸化膜により光を反射するミラー効果が得られ、LCDの点灯時はLCDからの光が多層金属酸化膜を透過してLCDに表示される文字や図形が明るい場所でも認識できる。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性のあるアクリル又はポリカーボネート基板の両面にハードコート膜を設けたハードコート板をスクリーンの素材として用意し(ステップP1)、その素材の片面であるハードコート膜上に、多層金属酸化膜を蒸着する(ステップP2)。この際の蒸着条件としては透過率70%、反射率30%が好ましい。これにより、このスクリーンが前面に被覆される携帯端末の液晶表示素子(LCD)の省電力時又は電源オフ時は多層金属酸化膜により光を反射するミラー効果が得られ、LCDの点灯時はLCDからの光が多層金属酸化膜を透過してLCDに表示される文字や図形が明るい場所でも認識できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末に係り、特にディスプレイ等に用いるスクリーンをミラーとしても使用可能な携帯端末用スクリーンの製造方法及びそのスクリーンを備えた携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯端末(携帯電話、PDA等)のディスプレイ部表面などに、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子の保護、ゴミの端末筐体内への侵入防止(防水含む)、ハードコートによる傷防止などのために、携帯端末用スクリーンが設けられている。また、この携帯端末用スクリーンを、マジックミラー効果を有する構成としたり(例えば、特許文献1参照)、ディスプレイ部の表示面をハーフミラーで構成したり(例えば、特許文献2参照)、あるいはディスプレイ部の表示面をコンパクトミラーで構成した携帯端末が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
特許文献1記載の携帯端末では、ディスプレイ部の上に、上面からの光を反射すると共に下面からの光を透過する半透過領域を有するマジックミラー部を設けた構成であり、液晶パネルの表示内容は、液晶パネルからの光がマジックミラー部の半透過領域を透過してディスプレイ部の表面に表出され、液晶パネルの非表示時にはマジックミラー部の半透過領域により表示内容が遮蔽される。
【0004】
また、特許文献2記載の携帯端末では、ディスプレイ部の点灯時にはディスプレイ部の表示内容をハーフミラーを通して表示させ、ディスプレイ部の消灯時にはハーフミラーを鏡として使用可能とし、コンパクトミラーに近い感覚で使用可能としたものである。
【0005】
更に、特許文献3記載の携帯端末では、ディスプレイ部の表示面を液晶パネルと鏡面体とからなる構成とし、液晶パネルが作動していないとき(非表示時)には、液晶パネルが透明になり、その背部に設けられている鏡面体により光が反射して情報表示面が鏡として動作し、液晶パネルが作動しているとき(表示時)には液晶パネルの表示内容を表示する構成である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−236455号公報
【特許文献2】
特開2002−271457号公報
【特許文献3】
特開2002−247175号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1記載の従来の携帯端末は、使用するマジックミラー部が、例えばアクリルまたはポリカーボネートにアルミニウムをハーフ蒸着した構造であり、光線透過率が低く、液晶表示素子の表示の視認性に問題がある。また、特許文献2記載の従来の携帯端末も、使用するハーフミラーが上記のマジックミラーと同様の構造であるため、いくら蒸着層を薄くしても、光の吸収が大きく液晶パネルの画像が見ずらく、特に明るい場所では殆ど画像を視認できず、そのため透過率を上げると、ミラーの役目をしなくなるという欠点がある。
【0008】
また、特許文献2及び3記載の従来の携帯端末は、いずれもディスプレイ部の非作動時に、ディスプレイ部を鏡として使用可能なようにして、ディスプレイ部に顔を映して女性の化粧直しなどへの使用を可能にできる程度の用途しか得られない。更に、特許文献3記載の従来の携帯端末では、液晶パネルが作動していないとき(非表示時)には、透明になる液晶パネルを使用する必要があるため、従来構造の液晶パネルを使用できず、液晶パネルとして非常に高価なものを使用しなくてはならない。
【0009】
本発明は以上の点に着目してなされたもので、表示の視認性が良好な携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、携帯端末をより多機能とし得る携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンは、携帯端末の少なくともディスプレイ部前面を被覆する携帯端末用スクリーンの製造方法であって、所望の透過率及び反射率に設定された多層金属酸化膜をプラスチック基板上に形成する第1の工程と、多層金属酸化膜上に所望の加飾印刷を行う第2の工程と、第2の工程を経た多層金属酸化膜上に両面テープの付いた台紙を貼り付けて携帯端末用スクリーンを完成する第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
この発明では、プラスチック基板上に多層金属酸化膜を形成するようにしているため、多層金属酸化膜によりハーフミラーやマジックミラーに比べて光の吸収率が少なく、透過率を上げたスクリーンを製造することができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、上記の第1の工程によりプラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、膜厚が調整されることにより、所望の透過率及び反射率に設定されることを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、上記の第1の工程によりプラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、各層を構成する金属酸化膜の組合せが調整されることにより、所望の外観色に設定されることを特徴とする。多層金属酸化膜の外観色によりスクリーンの外観色が決定されるので、この発明では、スクリーンの外観色を所望の色に設定することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、プラスチック基板を、アクリル又はポリカーボネート製の基板の両面にハードコート膜が形成された基板であり、第2の工程による加飾印刷はシルク印刷又はホットスタンプ印刷であることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末は、第1の発明の製造方法により製造されたスクリーンが、文字や図形を液晶表示素子により表示するディスプレイ部の前面に少なくとも被覆されていることを特徴とする。この発明で使用されるスクリーンは、プラスチック基板上に多層金属酸化膜が形成されたものであり、多層金属酸化膜によりハーフミラーやマジックミラーを用いたものよりも光の吸収率を少なくでき、透過率を上げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる携帯端末用スクリーンの製造方法の一実施の形態のフローチャート、図2は本発明の製造方法の各工程での構造断面図を示す。まず、図2(A)に示すように、可撓性のあるアクリル又はポリカーボネート基板1の両面にハードコート膜2及び3を設けたハードコート板をスクリーンの素材として用意する(ステップP1)。
【0018】
続いて、図2(B)に示すように、上記のスクリーンの素材(ハードコート板)の片面であるハードコート膜3上に、多層金属酸化膜4を蒸着する(ステップP2)。この際の蒸着条件としては透過率70%、反射率30%が好ましい。これにより、液晶表示素子(LCD)の省電力時又は電源オフ時は多層金属酸化膜4により光を反射するミラー効果が得られ、LCDの点灯時はLCDからの光が多層金属酸化膜4を透過してLCDに表示される文字や図形が認識できる。
【0019】
次に、図2(C)に示すように、上記の多層金属酸化膜4上にシルク印刷、ホットスタンプ印刷等の加飾印刷を行う(ステップP3)。この加飾印刷により、ロゴマークやその他必要な表示をするための加飾印刷層5が多層金属酸化膜4上にできる。
【0020】
続いて、ステップP3で加飾印刷された素材を、要求サイズに機械加工する、所謂切り出し処理を行う(ステップP4)。そして、切り出し処理された素材の加飾印刷面に、図2(D)に示すように、両面テープの付いた台紙6を貼る(ステップP5)。このステップP5による台紙貼り付け処理によりスクリーンの完成となる(ステップP6)。
【0021】
上記の図2(D)に示した断面構造のスクリーンは、携帯端末(携帯電話、PDA等)のディスプレイ部表面(液晶パネル前面)などに、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子の保護、ゴミの端末筐体内への侵入防止(防水含む)、ハードコートによる傷防止などのために台紙6から剥がした両面テープにより被覆貼付される。
【0022】
この実施の形態では、ハードコート膜3上に多層金属酸化膜4を、透過率70%、反射率30%の条件で蒸着しているため、携帯端末のディスプレイ部表面(液晶パネル前面)をこの実施の形態のスクリーンで被覆した場合、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子(LCD)が点灯して文字や図形を表示しているときには、LCDからの光が70%の透過率で透過するため、周囲が明るい場所でも十分に視認することができる。
【0023】
一方、上記のLCDが消灯している電源オフ時、あるいは省電力時には、反射率30%の多層金属酸化膜4により、ディスプレイ部に入射する光が反射するため、ミラー効果が得られ、ユーザーがスクリーンに顔を映して化粧を直す等の使用が可能となる。また、電源オン時においても、反射率が30%であるので、ミラー効果が得られる。従って、電源オン時には、LCDの文字や図形の視認と同時に、ユーザー自身の顔を映すことができる。
【0024】
なお、スクリーンの透過率及び反射率は、多層金属酸化膜4の膜厚(層数)により所望の値に調整することができる。また、本実施の形態のスクリーンの外観色は、多層金属酸化膜4の外観色により決定されるので、多層金属酸化膜4を構成する各層の組合せにより、多層金属酸化膜4の外観色を所望の色に替えることで、LCDの表示の有無に関係なくスクリーンの外観色を所望の色にすることができる。これにより、このスクリーンで少なくとも液晶パネル前面が被覆された携帯端末の、より自由度の高い加飾効果が得られる。
【0025】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えばスクリーンの基板1はアクリル又はポリカーボネートとして説明したが、それ以外の材質のプラスチックでもよい。また、前記ステップP3ではシルク印刷、ホットスタンプ印刷以外の加飾印刷も可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラスチック基板上に多層金属酸化膜を形成することにより、ハーフミラーやマジックミラーに比べて光の吸収率が少なく、透過率を上げたスクリーンが得られるようにしたため、本発明のスクリーンを携帯端末のディスプレイ部の前面に被覆形成することにより、電源オフ時やディスプレイ部を構成する液晶表示素子の省電力時には、ミラー効果によりスクリーンに顔を映して化粧直しを行うこと等ができ、また、ハーフミラーやマジックミラーを使用した携帯端末に比べて、電源オン時には周囲が明るい場所でもディスプレイ部の文字や図形を視認させることができ、しかもミラー効果も得ることかできる。
【0027】
また、本発明によれば、多層金属酸化膜の外観色を調整することによりスクリーンの外観色を所望の色に設定するようにしたため、携帯端末用スクリーンとして自由度の高い加飾効果が得られる。
【0028】
更に、本発明によれば、液晶パネル(ディスプレイ部)に入射する光を所望の透過率で透過させ、かつ、所望の反射率で反射されるスクリーンを使用しているため、液晶パネルとして非動作時に透明となるような特殊な液晶パネルが不要であり、既存の液晶パネルをそのまま使用できるため、安価な構成により、ミラー効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法の一実施の形態のフローチャートである。
【図2】本発明の製造方法の各工程での構造断面図である。
【符号の説明】
1 アクリル又はポリカーボネート基板
2、3 ハードコート膜
4 多層金属酸化膜
5 加飾印刷層
6 両面テープの付いた台紙
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末に係り、特にディスプレイ等に用いるスクリーンをミラーとしても使用可能な携帯端末用スクリーンの製造方法及びそのスクリーンを備えた携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯端末(携帯電話、PDA等)のディスプレイ部表面などに、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子の保護、ゴミの端末筐体内への侵入防止(防水含む)、ハードコートによる傷防止などのために、携帯端末用スクリーンが設けられている。また、この携帯端末用スクリーンを、マジックミラー効果を有する構成としたり(例えば、特許文献1参照)、ディスプレイ部の表示面をハーフミラーで構成したり(例えば、特許文献2参照)、あるいはディスプレイ部の表示面をコンパクトミラーで構成した携帯端末が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0003】
特許文献1記載の携帯端末では、ディスプレイ部の上に、上面からの光を反射すると共に下面からの光を透過する半透過領域を有するマジックミラー部を設けた構成であり、液晶パネルの表示内容は、液晶パネルからの光がマジックミラー部の半透過領域を透過してディスプレイ部の表面に表出され、液晶パネルの非表示時にはマジックミラー部の半透過領域により表示内容が遮蔽される。
【0004】
また、特許文献2記載の携帯端末では、ディスプレイ部の点灯時にはディスプレイ部の表示内容をハーフミラーを通して表示させ、ディスプレイ部の消灯時にはハーフミラーを鏡として使用可能とし、コンパクトミラーに近い感覚で使用可能としたものである。
【0005】
更に、特許文献3記載の携帯端末では、ディスプレイ部の表示面を液晶パネルと鏡面体とからなる構成とし、液晶パネルが作動していないとき(非表示時)には、液晶パネルが透明になり、その背部に設けられている鏡面体により光が反射して情報表示面が鏡として動作し、液晶パネルが作動しているとき(表示時)には液晶パネルの表示内容を表示する構成である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−236455号公報
【特許文献2】
特開2002−271457号公報
【特許文献3】
特開2002−247175号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、特許文献1記載の従来の携帯端末は、使用するマジックミラー部が、例えばアクリルまたはポリカーボネートにアルミニウムをハーフ蒸着した構造であり、光線透過率が低く、液晶表示素子の表示の視認性に問題がある。また、特許文献2記載の従来の携帯端末も、使用するハーフミラーが上記のマジックミラーと同様の構造であるため、いくら蒸着層を薄くしても、光の吸収が大きく液晶パネルの画像が見ずらく、特に明るい場所では殆ど画像を視認できず、そのため透過率を上げると、ミラーの役目をしなくなるという欠点がある。
【0008】
また、特許文献2及び3記載の従来の携帯端末は、いずれもディスプレイ部の非作動時に、ディスプレイ部を鏡として使用可能なようにして、ディスプレイ部に顔を映して女性の化粧直しなどへの使用を可能にできる程度の用途しか得られない。更に、特許文献3記載の従来の携帯端末では、液晶パネルが作動していないとき(非表示時)には、透明になる液晶パネルを使用する必要があるため、従来構造の液晶パネルを使用できず、液晶パネルとして非常に高価なものを使用しなくてはならない。
【0009】
本発明は以上の点に着目してなされたもので、表示の視認性が良好な携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明の他の目的は、携帯端末をより多機能とし得る携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンは、携帯端末の少なくともディスプレイ部前面を被覆する携帯端末用スクリーンの製造方法であって、所望の透過率及び反射率に設定された多層金属酸化膜をプラスチック基板上に形成する第1の工程と、多層金属酸化膜上に所望の加飾印刷を行う第2の工程と、第2の工程を経た多層金属酸化膜上に両面テープの付いた台紙を貼り付けて携帯端末用スクリーンを完成する第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0012】
この発明では、プラスチック基板上に多層金属酸化膜を形成するようにしているため、多層金属酸化膜によりハーフミラーやマジックミラーに比べて光の吸収率が少なく、透過率を上げたスクリーンを製造することができる。
【0013】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、上記の第1の工程によりプラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、膜厚が調整されることにより、所望の透過率及び反射率に設定されることを特徴とする。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、上記の第1の工程によりプラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、各層を構成する金属酸化膜の組合せが調整されることにより、所望の外観色に設定されることを特徴とする。多層金属酸化膜の外観色によりスクリーンの外観色が決定されるので、この発明では、スクリーンの外観色を所望の色に設定することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法は、プラスチック基板を、アクリル又はポリカーボネート製の基板の両面にハードコート膜が形成された基板であり、第2の工程による加飾印刷はシルク印刷又はホットスタンプ印刷であることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯端末は、第1の発明の製造方法により製造されたスクリーンが、文字や図形を液晶表示素子により表示するディスプレイ部の前面に少なくとも被覆されていることを特徴とする。この発明で使用されるスクリーンは、プラスチック基板上に多層金属酸化膜が形成されたものであり、多層金属酸化膜によりハーフミラーやマジックミラーを用いたものよりも光の吸収率を少なくでき、透過率を上げることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる携帯端末用スクリーンの製造方法の一実施の形態のフローチャート、図2は本発明の製造方法の各工程での構造断面図を示す。まず、図2(A)に示すように、可撓性のあるアクリル又はポリカーボネート基板1の両面にハードコート膜2及び3を設けたハードコート板をスクリーンの素材として用意する(ステップP1)。
【0018】
続いて、図2(B)に示すように、上記のスクリーンの素材(ハードコート板)の片面であるハードコート膜3上に、多層金属酸化膜4を蒸着する(ステップP2)。この際の蒸着条件としては透過率70%、反射率30%が好ましい。これにより、液晶表示素子(LCD)の省電力時又は電源オフ時は多層金属酸化膜4により光を反射するミラー効果が得られ、LCDの点灯時はLCDからの光が多層金属酸化膜4を透過してLCDに表示される文字や図形が認識できる。
【0019】
次に、図2(C)に示すように、上記の多層金属酸化膜4上にシルク印刷、ホットスタンプ印刷等の加飾印刷を行う(ステップP3)。この加飾印刷により、ロゴマークやその他必要な表示をするための加飾印刷層5が多層金属酸化膜4上にできる。
【0020】
続いて、ステップP3で加飾印刷された素材を、要求サイズに機械加工する、所謂切り出し処理を行う(ステップP4)。そして、切り出し処理された素材の加飾印刷面に、図2(D)に示すように、両面テープの付いた台紙6を貼る(ステップP5)。このステップP5による台紙貼り付け処理によりスクリーンの完成となる(ステップP6)。
【0021】
上記の図2(D)に示した断面構造のスクリーンは、携帯端末(携帯電話、PDA等)のディスプレイ部表面(液晶パネル前面)などに、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子の保護、ゴミの端末筐体内への侵入防止(防水含む)、ハードコートによる傷防止などのために台紙6から剥がした両面テープにより被覆貼付される。
【0022】
この実施の形態では、ハードコート膜3上に多層金属酸化膜4を、透過率70%、反射率30%の条件で蒸着しているため、携帯端末のディスプレイ部表面(液晶パネル前面)をこの実施の形態のスクリーンで被覆した場合、ディスプレイ部を構成する液晶表示素子(LCD)が点灯して文字や図形を表示しているときには、LCDからの光が70%の透過率で透過するため、周囲が明るい場所でも十分に視認することができる。
【0023】
一方、上記のLCDが消灯している電源オフ時、あるいは省電力時には、反射率30%の多層金属酸化膜4により、ディスプレイ部に入射する光が反射するため、ミラー効果が得られ、ユーザーがスクリーンに顔を映して化粧を直す等の使用が可能となる。また、電源オン時においても、反射率が30%であるので、ミラー効果が得られる。従って、電源オン時には、LCDの文字や図形の視認と同時に、ユーザー自身の顔を映すことができる。
【0024】
なお、スクリーンの透過率及び反射率は、多層金属酸化膜4の膜厚(層数)により所望の値に調整することができる。また、本実施の形態のスクリーンの外観色は、多層金属酸化膜4の外観色により決定されるので、多層金属酸化膜4を構成する各層の組合せにより、多層金属酸化膜4の外観色を所望の色に替えることで、LCDの表示の有無に関係なくスクリーンの外観色を所望の色にすることができる。これにより、このスクリーンで少なくとも液晶パネル前面が被覆された携帯端末の、より自由度の高い加飾効果が得られる。
【0025】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えばスクリーンの基板1はアクリル又はポリカーボネートとして説明したが、それ以外の材質のプラスチックでもよい。また、前記ステップP3ではシルク印刷、ホットスタンプ印刷以外の加飾印刷も可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラスチック基板上に多層金属酸化膜を形成することにより、ハーフミラーやマジックミラーに比べて光の吸収率が少なく、透過率を上げたスクリーンが得られるようにしたため、本発明のスクリーンを携帯端末のディスプレイ部の前面に被覆形成することにより、電源オフ時やディスプレイ部を構成する液晶表示素子の省電力時には、ミラー効果によりスクリーンに顔を映して化粧直しを行うこと等ができ、また、ハーフミラーやマジックミラーを使用した携帯端末に比べて、電源オン時には周囲が明るい場所でもディスプレイ部の文字や図形を視認させることができ、しかもミラー効果も得ることかできる。
【0027】
また、本発明によれば、多層金属酸化膜の外観色を調整することによりスクリーンの外観色を所望の色に設定するようにしたため、携帯端末用スクリーンとして自由度の高い加飾効果が得られる。
【0028】
更に、本発明によれば、液晶パネル(ディスプレイ部)に入射する光を所望の透過率で透過させ、かつ、所望の反射率で反射されるスクリーンを使用しているため、液晶パネルとして非動作時に透明となるような特殊な液晶パネルが不要であり、既存の液晶パネルをそのまま使用できるため、安価な構成により、ミラー効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯端末用スクリーンの製造方法の一実施の形態のフローチャートである。
【図2】本発明の製造方法の各工程での構造断面図である。
【符号の説明】
1 アクリル又はポリカーボネート基板
2、3 ハードコート膜
4 多層金属酸化膜
5 加飾印刷層
6 両面テープの付いた台紙
Claims (6)
- 携帯端末の少なくともディスプレイ部前面を被覆する携帯端末用スクリーンの製造方法であって、
所望の透過率及び反射率に設定された多層金属酸化膜をプラスチック基板上に形成する第1の工程と、
前記多層金属酸化膜上に所望の加飾印刷を行う第2の工程と、
前記第2の工程を経た前記多層金属酸化膜上に両面テープの付いた台紙を貼り付けて前記携帯端末用スクリーンを完成する第3の工程と
を含むことを特徴とする携帯端末用スクリーンの製造方法。 - 前記第1の工程により前記プラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、膜厚が調整されることにより、所望の透過率及び反射率に設定されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末用スクリーンの製造方法。
- 前記第1の工程により前記プラスチック基板上に形成される多層金属酸化膜は、各層を構成する金属酸化膜の組合せが調整されることにより、所望の外観色に設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯端末用スクリーンの製造方法。
- 前記プラスチック基板は、アクリル又はポリカーボネート製の基板の両面にハードコート膜が形成された基板であり、前記第2の工程による加飾印刷はシルク印刷又はホットスタンプ印刷であることを特徴とする請求項1記載の携帯端末用スクリーンの製造方法。
- 前記第1の工程は、前記多層金属酸化膜を透過率70%、反射率30%の条件で前記プラスチック基板上に蒸着することを特徴とする請求項1記載の携帯端末用スクリーンの製造方法。
- 請求項1記載の製造方法により製造されたスクリーンが、文字や図形を液晶表示素子により表示するディスプレイ部の前面に少なくとも被覆されていることを特徴とする携帯端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079547A JP2004287140A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003079547A JP2004287140A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004287140A true JP2004287140A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33293634
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003079547A Pending JP2004287140A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 携帯端末用スクリーンの製造方法及び携帯端末 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004287140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007010717A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 光学フィルター |
JP2009282228A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Nec Corp | 電子機器の装飾部材 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003079547A patent/JP2004287140A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007010717A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-01-18 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 光学フィルター |
JP4509876B2 (ja) * | 2005-06-28 | 2010-07-21 | 信越ポリマー株式会社 | 光学フィルター |
JP2009282228A (ja) * | 2008-05-21 | 2009-12-03 | Nec Corp | 電子機器の装飾部材 |
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