JP2004286404A - 冷却液循環装置及び冷却ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱材の施工の容易化を図るとともに製造コストの低減を図り、省スペース化した冷却液循環装置を得る。
【解決手段】低温タンク4から循環ポンプ2に吸込まれた冷却液を、循環ポンプ2によって被冷却物及び冷凍機に供給し、被冷却物を冷却した冷却液及び冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンク4に戻すようにした冷却液循環装置において、循環ポンプ1の吐出口にリリーフ弁6を接続し、冷凍機戻り配管17に流量調整弁3を接続し、循環ポンプ1の吸込み口にフィルタ5を接続するとともに、循環ポンプ1と流量調整弁3とフィルタ5とリリーフ弁6のうちいずれか一つあるいは任意の複数を低温タンク4内に設けた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被冷却物である、例えば、半導体素子の電気試験(機能試験)に用いられるウエハープローバのウエハーチャックを冷却するための冷却液循環装置及び該冷却液循環装置を用いた冷却ユニットに関し、特に冷却液循環装置に設けた低温タンクの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICなど、ほとんどの半導体素子はシリコンウエハー上に作られている。1つの機能を持った半導体素子は、シリコンウエハーから切り出される前に、最終的な電気試験(機能試験)が行われ、その特性が計られ、良否の判定が行われる。試験ではウエハープローバ(ウエハーの移動と加熱または冷却の温度調節を行う装置)と呼ばれる装置が使われている。ウエハープローバ内部には平面内に精密に移動可能なテーブル(X−Yテーブルと呼ばれる)があり、テストするウエハーを乗せるウエハーチャックは、このテーブルに取り付けられている。低温における半導体素子の特性測定では、ウエハーチャックを低温(例えば、一55℃程度)に冷やす。
【0003】
ウエハーチャック冷却用冷却ユニットは、冷却液(冷媒)を冷やすための冷凍機と、冷却液をウエハーチャックヘ循環させる冷却液循環装置と、ウエハープローバ内部でウエハーチャックの結露を防止するための乾燥空気発生装置(エアドライヤー)と、冷却ユニット全体の制御をする電気制御装置とから構成されている。
【0004】
図5に従来のウエハーチャック冷却用冷却ユニット(以下、「冷却ユニット」という)及びその冷却液循環装置B’を示す。該冷却液循環装置B’は、循環ポンプ102、フィルタ105、流量調整弁103、リリーフ弁106、予備タンク104、冷却液出口接続口107、冷却液入口接続口108、冷凍機入口接続口109、冷凍機出口接続口110とそれらの各機器を接続する配管(循環ポンプ吸込み側配管111、循環ポンプ吐出側配管112、リリーフ配管113、冷却液往き配管114、冷却液戻り配管115、冷凍機往き配管116、冷凍機戻り配管117、冷却液補給配管119等。)で構成されている。これら冷却液循環装置B’を構成する各機器は、図5に示すように、冷却ユニット筐体101に個別に設けられている。フィルタ105は循環ポンプ吸引側配管111に設けられ、流量調整弁103は冷凍機往き配管116に設けられ、リリーフ弁106はリリーフ配管113に設けられている。予備クンク105は、冷却液が常温時と低温時で比重が変わる為、冷却液の液が不足するのを防止するために設置されている。
【0005】
循環ポンプ102から吐出された冷却液(不凍液からなる冷媒)は、ポンプ吐出配管112、冷凍機往き配管116、冷凍機入口接続口108、冷凍機側接続配管(図示せず)を順次通って冷凍機A’に供給される。冷凍機A’に供給された冷却液は、冷凍機A’を通過し、熱交換器(図示せず)によって冷却される。冷却された冷却液は、冷凍機A’の中を通り、次いで冷凍機側接続配管(図示せず)、冷凍機出口接続口110を順次通り、さらに冷凍機戻り配管117、流量調整弁103を順次通って、フィルタ105へ戻される。このフィルタ105へ戻った冷却液は循環ポンプ102の吸込み口に戻り、吐出側からさらに吐出される。この循環により冷却液は冷却される。また、循環ポンプ102から吐出された冷却液は、ポンプ吐出配管112、冷却液往き配管114、冷却液出口接続口107、ウエハープローバ側接続ホース(図示せず)を順次通ってウエハーチャック(図示せず)に供給される。ウエハーチャックに供給されてウエハーチャックを冷却した冷却液は、ウエハープローバ側接続ホース(図示せず)、冷却液入口接続口108、冷却液戻り配管115を順次通ってフィルタ105戻される。なお、図5に示した矢印は冷却液の流れ方向を示す。
【0006】
なお、図5において、符号102aは循環ポンプ本体、符号102bは循環ポンプ駆動モータ、符号103aは流量調整弁本体、符号103bは流量調整弁駆動部、符号104aは予備タンクの冷却液補給口、符号104bは予備タンクのレベル表示器、符号104cは予備タンクのレベル計、符号118はオイルパン、符号118aはオイルパンに設けたドレン弁、120は冷却液接続口支持金具である。
【0007】
循環ポンプ本体102a、流量調整弁本体103a、リリーフ弁106、冷却液出口接続口107、冷却液入口接続口108、冷凍機入口接続口109、冷凍機出口接続口110等の各機器及びこれら各機器を結ぶ配管は低温になるので、結露及び外部からの熱侵入を防ぐために断熱材で覆われている。なお、図5に示す二点鎖線は断熱材で覆われる部分を模式的に示す。
【0008】
このように構成された冷却液循環装置B’を用いたウエハーチャック冷却用冷却ユニットの配置を図6に示す。該ウエハーチャック冷却用冷却ユニットは、冷凍機A’と、冷却液循環装置B’と、乾燥空気発生装置C’と、電気制御装置D’とから構成され、キャスター101a付きの冷却ユニット筐体101に組み込まれている。冷却液循環装置B’と乾燥空気発生装置C’は、冷却ユニット筐体101の前後方向(図6における左右方向)において、冷凍機A’を挟んでそれぞれ配置されている。電気制御装置D’は、図1に示すように、冷却液循環装置B’の上方に配置されている。
このような冷却ユニットに関連する先行技術文献としては、後述する特許文献1がある。
【0009】
【特許文献1】
特開平2002−130916号公報(第3頁3欄26行〜第3頁4欄21行、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
冷却液循環装置は、結露及び外部からの熱侵入を防ぐために冷却液循環装置を構成する機器及び各機器を接続する配管を断熱材で覆う必要があるが、従来の冷却液循環装置は、各機器が別個に配置され、また、各機器を接続する配管の全長も長くなるため、多量の断熱材を必要としていた。また、各機器が別個に配置され、その間に断熱材が存在するため、各機器を離れて配置せざるを得なかった。そのため、従来の冷却液循環装置は、図5に示すように、膨大な構成スペースを必要とするという問題があった。また、多量の断熱材及び配管を必要とするため、断熱材の施工が容易でなく、コスト的にも問題があった。
【0011】
さらに、従来の冷却液循環装置を冷却ユニットに組み込んだ場合、該冷却ユニットの前後方向に、乾燥空気発生装置と冷凍機と冷却液循環装置とを並べて配置する必要があり、冷却ユニット全体のフットプリント(設置スペース)が大きくなるという問題もあった。
【0012】
本発明の目的は、冷却液循環装置を構成する各機器をコンパクトに配置するとともに各機器を接続する配管の全長を短くし、かつ断熱材の使用量を少なくして、省スペース化した冷却液循環装置を得ることにある。また、本発明の目的は、断熱材の施工の容易化を図るとともに製造コストの低減を図ることにある。さらに、本発明の目的は、冷却液循環装置が組み込まれる冷却ユニット全体のフットプリント(設置スペース)を小さくすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、被冷却物を冷却した冷却液及び冷凍機によって冷却された冷却液を低温タンクに戻すようにした冷却液の流路を有する冷却液循環装置において、循環ポンプを低温タンクの内部に設けたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記冷却液の流路に1つの弁又は2つ以上の弁を設け、該1つの弁又は2つ以上の弁のうちいずれか1つの弁あるいは任意の複数の弁を低温タンクの内部に設けたものである。
【0014】
請求項3の発明は、前記冷却液の流路に1つの弁又は2つ以上の弁を設け、該1つの弁又は2つ以上の弁のうちいずれか1つの弁あるいは任意の複数の弁を低温タンクの内部に設けたものである。
請求項4の発明は、請求項2、3の発明において、冷却液の流路に設けられる1つの弁又は2つ以上の弁として、流量調整弁及びリリーフ弁のいずれか1つあるいはその両者を採用したものである。
請求項5の発明は、請求項1ないし4の発明において、前記冷却液の流路にフィルタを設け、該フィルタをさらに低温タンクの内部に設けたものである。
【0015】
請求項6の発明は、前記冷却液の流路にフィルタを設け、該フィルタを低温タンクの内部に設けたものである。
請求項7の発明は、前記循環ポンプの吐出口にリリーフ弁を接続し、前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻す流路に流量調整弁を接続し、循環ポンプの吸込み口にフィルタを接続するとともに、前記循環ポンプと流量調整弁とフィルタとリリーフ弁を前記低温タンク内に設けたものである。
【0016】
請求項8の発明は、冷却液を冷却するための冷凍機と、冷却液を被冷却物へ循環させる冷却液循環装置と、前記被冷却物における結露を防止するための乾燥空気発生装置と、電気制御装置とを1つのフレーム内に配置した冷却ユニットにおいて、冷却液循環装置として請求項1ないし7の発明の冷却液循環装置を採用し、前記冷凍機の後方に前記冷却液循環装置と前記乾燥空気発生装置を冷却ユニットの幅方向に並べて配置したものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1、4乃至7の発明は、低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、被冷却物を冷却した冷却液及び冷凍機によって冷却された冷却液を低温タンクに戻すような冷却液循環回路を採用するとともに、冷却液循環装置の機器を構成する循環ポンプ、流量調整弁、フィルタ及びリリーフ弁のうち、いずれか一つの機器あるいは任意の複数の機器を低温タンク5内に配置したため、冷却液循環装置を構成する各機器及びこれらを接続する各配管を、低温タンク4内部も含め低温タンク4まわりにコンパクトに纏めて配置することができる。そのため、各機器及び配管に施される断熱材及び配管の量を、従来の冷却液循環装置に較べ、大幅に低減することができ、断熱材の施工を容易にするとともに製造コストを低減でき、かつ、冷却液循環装置を省スペース化することができた。
【0018】
特に,請求項7の発明では、循環ポンプの吐出口にリリーフ弁を接続し、循環ポンプの吸込み口にフィルタを接続したため、配管をより簡単にすることができる。また請求項2、3の発明のように、冷却液循環装置に採用される弁として、流量調整弁及びリリーフ弁に限らず適当な弁を採用しても、請求項1、4乃至7の発明と同様の効果を奏する。
【0019】
請求項8の発明は、冷却ユニット組み込まれる冷却液循環装置として請求項1乃至7の冷却液循環装置を採用し、冷却ユニットの長さ方向における冷凍機Aの後方に、冷却液循環装置と乾燥空気発生装置とを冷却ユニットの幅方向に並べて配置するようにしたため、乾燥空気発生装置と冷凍機と冷却液循環装置を前後方向に順次配置した従来の冷却ユニットに較べ、乾燥空気発生装置の前後方向の長さの分だけ冷却ユニットの前後方向の長さを短くすることができ、冷却ユニット全体のフットプリント(設置スペース)を大幅に減少することができた。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1乃至3を参照して、本発明による冷却液循環装置の一実施の形態について説明する。冷却液循環装置Bは、冷凍機Aで冷却された冷却液(冷却液)を循環させて、ウエハープローバのウエハーチャック(被冷却物。図示せず)を冷却するものであり、キャスター1a付きの冷却ユニット筐体1に組込まれている。
【0021】
冷却液循環装置Bは、ポンプ本体2a及びポンプ駆動モータ2bとから構成された循環ポンプ2と、流量調整弁本体3a及び弁駆動部3bとから構成された流量調整弁3と、冷却液を収容する低温タンク4と、循環ポンプ2の吸込み側に設けられたフィルタ5と、循環ポンプの吐出側に設けられたリリーフ弁6と、冷却液をウエハーチャックに供給するウエハープローバ側接続ホース(図示せず)が接続される冷却液出口接続口7と、ウエハーチャックを冷却した冷却液を冷却液循環装置Bに戻すウエハープローバ側接続ホース(図示せず)が接続される冷却液入口接続口8と、冷却液を冷凍機Aに供給する冷凍機側接続配管が接続される冷凍機入口接続口9と、冷凍機Aで冷却された冷却液を冷却液循環装置Bに戻す冷凍機側接続配管が接続される冷凍機出口接続口10を備えている。
【0022】
循環ポンプ2、流量調整弁3、低温タンク4、フィルタ5、リリーフ弁6、冷却液出口接続口7、冷却液入口接続口8、冷凍機入口接続口9、冷凍機出口接続口10は、冷却液循環装置Bの各機器を構成している。なお、循環ポンプ2として歯車ポンプが図示されているが、冷却液を循環させることができるものであればどのような形式のポンプであってもよい。
【0023】
冷却液循環装置Bの各機器を構成する機器のうち、循環ポンプ2のポンプ本体2aと、流量調整弁3の弁本体3aと、フィルタ5と、リリーフ弁6は、図2に示すように、冷却ユニット筐体1のリアカバー1bに近接して配置された低温タンク4の内部に設けられている。これら低温タンク4内に設けられる機器は、低温タンク4の設置スペース、後述する配管等を考慮して配置される。図3に示す低温タンク4内の配置では、フィルタ5が、循環ポンプ2のポンプ本体2aの横(図3における左右方向)に並べて配置されている。リリーフ弁6は、循環ポンプ2のポンプ本体2aの前方に(図3における前後方向)に配置されている。フィルタ5とリリーフ弁6は循環ポンプ2のポンプ本体2aに近接して配置されている。また、流量調整弁3の弁本体3aは、フィルタ5の斜め前方に近接して配置されている。このように配置することによって、低温タンク4の設置スペースをコンパクトにすることできる。
【0024】
冷却液出口接続口7と冷却液入口接続口8は、冷却ユニット筐体1のリヤカバー1bに取り付けられた冷却液接続口取付部材21に、冷却液出口接続口7の軸心と循環ポンプ2の吐出口12の軸心が一致するように設けられている。冷凍機入口接続口9と冷凍機出口接続口10は、低温タンク4より上方に設けられている。
【0025】
なお、図1乃至3において、符号4aは低温タンク4の冷却液補給口、符号4bは低温タンク4の液面を表示するレベル表示器、符号4b1はレベル表示器4bの接続配管、4b2は、レベル表示器接続口、符号18は冷却液循環装置Bから漏れた液体を回収するオイルパン、符号19はポンプ取付部材、符号20は低温タンク取付部材、20aは低温タンク取付部材18の取付ボルト・ナットである。なお、図示していないが、低温タンク4には、従来の冷却液循環装置B’と同様、低温タンク4の液面を計測するレベル計が設けられ、オイルパン18には、ドレン弁が設けられている。
【0026】
このように構成された冷却液循環装置Bの各機器は、各配管により接続されている。循環ポンプ2の吸込み口11には、フィルタ5が接続されている。循環ポンプ2の吐出口12には、リリーフ弁6が接続されるとともにポンプ吐出配管13が接続されている。ポンプ吐出配管13には、継手13aを介して、冷却液出口接続口7に接続される冷却液往き配管14と、冷凍機入口接続口9に接続される冷凍機往き配管16が接続されている。冷却液入口接続口8は、冷却液戻り配管15を介して低温タンク4に接続され、冷凍機出口接続口10は、冷凍機戻り配管17を介して低温タンクに接続されている。流量調整弁3は冷凍機戻り配管17に接続されている。ポンプ吐出配管13と冷却液往き配管14と冷却液戻り配管15は、冷却液出口接続口7及び冷却液入口接続口8が循環ポンプ2に近接して設けられているため、非常に短い配管となっている。
【0027】
また、冷却液循環装置Bの機器及び配管は低温になるため、結露及び外部からの熱侵入を防ぐために断熱材で覆われている。図1乃至3の二点鎖線は、本実施の形態において断熱材が施される部分を模式的に示したものである。断熱材は、低温タンク4の外表面と、冷却液出口接続口7と、冷却液入口接続口8と、ポンプ吐出配管13と、冷却液往き配管14と、冷却液戻り配管15と、冷凍機往き配管16と、冷凍機戻り配管17のうち低温タンク4の外にある部分と、レベル表示器4bの接続配管4b1等に施されている。
【0028】
冷却液循環装置Bを構成する各機器及びこれらを接続する各配管は、冷却液循環装置Bをコンパクト、かつ小さな構成スペースとするため、低温タンク4内部を含め低温タンク4まわりに纏めて配置されている。
【0029】
このように構成された冷却液循環装置Bの冷却液は次のように流れる。なお、図1、3に図示した矢印は冷却液の流れ方向を示す。低温タンク4内に内蔵された冷却液はフィルタ5を介して循環ポンプ2に吸い込まれ、循環ポンプ2によって吐出される。吐出された冷却液は、ポンプ吐出配管13、冷凍機往き配管16、冷凍機入口接続口9、冷凍機側接続配管を順次通って冷凍機Aに供給される。冷凍機Aに供給された冷却液は、冷凍機Aを通過し、熱交換器(図示せず)によって冷却される。冷却された冷却液は、冷凍機の中を通り、次いで冷凍機側接続配管、冷凍機出口接続口10を順次通り、さらに冷凍機戻り配管17、流量調整弁3を順次通って、低温タンクに4内へ戻される。また、循環ポンプ2から吐出された冷却液は、ポンプ吐出配管13、冷却液往き配管14、冷却液出口接続口7、ウエハープローバ側接続ホースを順次通ってウエハーチャックに供給される。ウエハーチャックに供給されてウエハーチャックを冷却した冷却液は、ウエハープローバ側接続ホース、冷却液入口接続口8、冷却液戻り配管15を順次通って低温タンク4内に戻される。
【0030】
流量調整弁3は、冷凍機Aに供給される冷却液の流量を調節することによって、ウエハーチャックに供給される冷却液の流量を制御するとともに、ウエハーチャックに供給される冷却液の温度を制御する。リリーフ弁6は、循環ポンプ2によって吐出される冷却液の圧力を一定に保つように機能する。
【0031】
このように構成された本発明の実施の形態の冷却液循環装置Bでは、冷却液を内蔵するタンクを従来のような予備タンクの構成としないで、冷却液の循環回路中に設けた低温タンク4の構成とし、低温タンク4から循環ポンプ2に吸込まれた冷却液を、循環ポンプ2によってウエハーチャック及び冷凍機Aに供給し、ウエハーチャックを冷却した冷却液及び冷凍機Aによって冷却された冷却液を低温タンク4に戻すような冷却液循環回路を構成し、この低温タンク4内に循環ポンプ2、流量調整弁3、フィルタ5及びリリーフ弁6を配置したことによって、低温タンク4内の配管が簡素になるとともに、低温タンク4の外表面に断熱材の施工を行えば、循環ポンプ2、流量調整弁3、フィルタ5、リリーフ弁6に断熱材を施す必要がない。さらに、冷却液出口接続口7及び冷却液入口接続口8を循環ポンプ2の吐出口12の近傍に設けることが可能となり、冷却液往き配管14及び冷却液戻り配管15の長さを可及的に短くすることができる。このため、断熱材を施す機器及び配管が少なくなり、断熱材の施工を容易にし、製造コストを低減することができる。
【0032】
また、本発明の実施の形態の冷却液循環装置Bは、冷却液循環装置Bを構成する各機器及びこれらを接続する各配管が、低温タンク4内部も含め低温タンク4まわりに纏めて配置されており、しかも、断熱材を施す機器及び配管が少ないため、断熱材によって占められるスペースを小さくすることができるので、冷却液循環装置B全体の省スペース化が可能となり、従来の冷却液循環装置のように広い構成スペースを必要としない。そのため、後述するように、冷却液循環装置Bが組み込まれる冷却ユニット全体のフットプリント(設置スぺース)を小さくすることができる。
【0033】
なお、前記実施の形態では、循環ポンプ2、流量調整弁3、フィルタ5及びリリーフ弁6を低温タンク5に内蔵したものを示したが、本発明はこれに限定されない。低温タンク4の大きさを考慮して、循環ポンプ2、流量調整弁3、フィルタ5及びリリーフ弁6の各機器のうち、一つの機器あるいは任意の複数の機器を内蔵するようにしてもよい。その組み合わせは自由であるが、少なくとも構成スペースの大きな循環ポンプ2を内蔵する形態が好ましい。なお、フィルタ5は必ずしも設ける必要はない。また、流量調整弁3あるいはリリーフ弁6に換えて他の適宜の弁を設けるようにし、これらを低温タンク4内に内蔵させるものであってもよい。
【0034】
次に、図1、2、4に基づいて、本発明の冷却液循環装置Bを組み込んだウエハーチャック冷却用冷却ユニット(以下、「冷却ユニット」という)の発明の実施の形態について説明する。なお、図1はリヤカバー1bをとり外した冷却ユニットの背面図、図2は冷却ユニットの片側側断面図、図4は配置図である。冷却ユニットは、冷却液を冷却する冷凍機Aと、冷却液を循環させる冷却液循環装置Bと、ウエハーチャックにおける結露を防止するための乾燥空気発生装置Cと、冷却ユニット全体を制御する電気制御装置Dから構成されている。これら冷凍機A、冷却液循環装置B、乾燥空気発生装置C、電気制御装置Dは、キャスター101a付きの冷却ユニット筐体1に組み込まれている。なお、冷却ユニット筐体1の幅方向(図1における左右方向)の長さは、冷凍機Aの幅方向の長さによって規定されている。
【0035】
冷却液循環装置Bは、冷却ユニット筐体1の前後方向(図2、4における左右方向)において冷凍機Aの後方に配置され、冷却ユニット筐体1の幅方向(図1における左右方向)おいてその一端側(図1における左側)に配置されている。本発明の冷却液循環装置Bは、前記したように省スペース化され、広い構成スペースを必要としないため、冷却液循環装置Bの幅は、冷凍機Aの幅に較べ大幅に小さくなっている。その結果、冷却液循環装置Bを冷却ユニット筐体1の幅方向の一端側に配置した場合、冷却ユニット筐体1には、冷却液循環装置Bの側方(図1における右側)に大きなスペース1cが生じる。本発明は、冷却液循環装置Bの側方に生じるこのスペース1cに乾燥空気発生装置Cを組み込んでいる。すなわち、冷却液循環装置Bと乾燥空気発生装置Cは、図1に示すように、冷却ユニットの幅方向に並べて配置された構成とされている。電気制御装置Dは、冷凍機A、冷却液循環装置B及び乾燥空気発生装置Cの上方位置で、冷却ユニット筐体1に組み込まれている。
【0036】
このように構成された冷却ユニットは、冷却ユニットの長さ方向における冷凍機Aの後方に、冷却液循環装置Bと乾燥空気発生装置Cとを冷却ユニットの幅方向に並べて配置することができるため、乾燥空気発生装置と冷凍機と冷却液循環装置を前後方向に順次配置した従来の冷却ユニットに較べ、乾燥空気発生装置の前後方向の長さの分だけ冷却ユニットの前後方向の長さを短くすることができ、冷却ユニットのフットプリント(設置スペース)を大幅に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷却液循環装置を備えた冷却ユニットの背面図。
【図2】図1の片側側断面図
【図3】本発明の低温タンクの平断面図。
【図4】本発明の冷却ユニットの配置図
【図5】従来の冷却液循環装置及び冷却ユニットの背面図
【図6】従来の冷却ユニットの配置図
【符号の説明】
A・・冷凍機 B・・冷却液循環装置 C・・乾燥空気発生装置 D・・電気制御装置 1・・冷却ユニット筐体 2・・循環ポンプ 2a・・ポンプ本体 2b・・ポンプ駆動モータ 3・・流量調整弁 3a・・弁本体 3b・・弁駆動部 4・・低温タンク 5・・フィルタ 6・・リリーフ弁 7・・冷却液出口接続口 8・・冷却液入口接続口 9・・冷凍機入口接続口 10・・冷却器出口接続口 11・・ポンプ吸引口 12・・ポンプ吐出口 13・・ポンプ吐出配管 14・・冷却液往き配管 15・・冷却液戻り配管 16・・冷凍機往き配管 17・・冷凍機戻し配管 18・・オイルパン 19・・ポンプ取付部材 20・・低温タンク取付部材
21・・冷却液接続口取付部材

Claims (8)

  1. 低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、前記被冷却物を冷却した冷却液及び前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻すようにした冷却液循環装置であって、前記循環ポンプを前記低温タンクの内部に設けたことを特徴とする冷却液循環装置。
  2. 冷却液の流路に1つの弁又は2つ以上の弁を設け、該1つの弁又は2つ以上の弁のうちいずれか1つの弁あるいは任意の複数の弁を前記低温タンクの内部に設けたことを特徴とする請求項1の冷却液循環装置。
  3. 低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、前記被冷却物を冷却した冷却液及び前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻すようにした冷却液循環装置であって、冷却液の流路に1つの弁又は2つ以上の弁を設け、該1つの弁又は2つ以上の弁のうちいずれか1つの弁あるいは任意の複数の弁を前記低温タンクの内部に設けたことを特徴とする冷却液循環装置。
  4. 前記冷却液の流路に設けられる1つの弁又は2つ以上の弁が、流量調整弁及びリリーフ弁のうちいずれか一方の弁あるいはその両方の弁であることを特徴とする請求項2ないし3のいずれかの冷却液循環装置。
  5. 冷却液の流路にフィルタを設けるとともに、該フィルタを前記低温タンクの内部に設けたことを特徴とする請求項1ないし4いずれかの冷却液循環装置。
  6. 低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、前記被冷却物を冷却した冷却液及び前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻すようにした冷却液循環装置であって、冷却液の流路にフィルタを設けるとともに、該フィルタを前記低温タンクの内部に設けたことを特徴とする冷却液循環装置。
  7. 低温タンクから循環ポンプに吸込まれた冷却液を、循環ポンプによって被冷却物及び冷凍機に供給し、前記被冷却物を冷却した冷却液及び前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻すようにした冷却液循環装置であって、前記循環ポンプの吐出口にリリーフ弁を接続し、前記冷凍機によって冷却された冷却液を前記低温タンクに戻す流路に流量調整弁を接続し、循環ポンプの吸込み口にフィルタを接続するとともに、前記循環ポンプと流量調整弁とフィルタとリリーフ弁を前記低温タンク内に設けたことを特徴とする冷却液循環装置。
  8. 冷却液を冷却するための冷凍機と、前記冷却液を被冷却物へ循環させる冷却液循環装置と、前記被冷却物における結露を防止するための乾燥空気発生装置と、電気制御装置とを冷却ユニット筐体に配置した冷却ユニットにおいて、前記冷却液循環装置として請求項1ないし7に記載の冷却液循環装置を採用し、前記冷凍機の後方に前記冷却液循環装置と前記乾燥空気発生装置を冷却ユニットの幅方向に並べて配置したことを特徴とする冷却ユニット。
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