JP2004285960A - エンジンの冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの始動性の悪化を好適に抑制することのできるエンジンの冷却装置を提供する。
【解決手段】このエンジンの冷却装置は、冷却水を保温しつつ貯留する蓄熱容器15と、冷却水と車両の室内を暖房するための空気との間で熱交換を行うヒータコア13と、冷却水の循環回路を切り替える3方弁22とを備え、冷却水の循環回路として、エンジンEを介さず且つ蓄熱容器15及びヒータコア13を介して冷却水を循環させるヒータ閉回路と、エンジンE及び蓄熱容器15を介して冷却水を循環させる蓄熱回路とを含めて構成されている。そして、エンジンEの始動時、ヒータ要求があるときは冷却水の循環回路をヒータ閉回路に切り替える一方で、ヒータ要求があったとしてもエンジンEを冷却する冷却水の温度が過熱判定温度以上、且つ蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度以上のときには、冷却水の循環回路を蓄熱回路に切り替える。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の循環を通じてエンジンの冷却を図るエンジンの冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒の循環を通じてエンジンの冷却を図るエンジンの冷却装置として、蓄熱容器を備えた冷却装置が知られている。こうした冷却装置にあっては、エンジンからの受熱により高温となった冷媒を蓄熱容器内に流入させることにより、同冷媒を保温しつつ貯留することが可能となっている。
【0003】
ここで、蓄熱容器を備えたエンジンの冷却装置としては、例えば特許文献1に記載の装置が知られている。
同文献に記載の装置には、エンジン冷却用の冷媒を流通させるための冷媒通路が複数備えられており、これら複数の冷媒通路により、
[イ]「蓄熱容器及びヒータコアを介する一方でエンジンの本体を介することなく冷媒を循環させることが可能な循環回路」
[ロ]「エンジンの本体及び蓄熱容器を介して冷媒を循環させることが可能な循環回路」
これら[イ]及び[ロ]の循環回路がそれぞれ構成されている。
【0004】
そして、エンジンの始動時、上記[ロ]の循環回路を通じて冷媒の循環を行う、即ち蓄熱容器内に貯留されている冷媒をエンジンの本体へ流入させることにより、エンジンの暖機性能の向上が図られるようにしている。
【0005】
一方で、エンジンの始動時、ヒータに対する駆動要求(ヒータ要求)があるときには、上記[イ]の循環回路を通じて冷媒の循環を行う、即ち蓄熱容器内に貯留されている冷媒をエンジンの本体を介することなくヒータコアへ流入させることにより、ヒータ性能の向上が図られるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−250228号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの始動時にヒータ要求があるとき、上記特許文献1に記載されるように、ヒータ性能を優先した上記[イ]の循環回路を通じて冷媒の循環を行ったとすると、次のような問題をまねくことが考えられる。
【0008】
即ち、エンジン始動時にヒータ要求があるときには、冷媒がエンジンの本体を介して循環しないため、エンジンが高温の状態で始動されるいわゆる高温再始動時、エンジンの本体に高温の冷媒が滞留した状態でエンジンの始動が行われることになる。このため、こうした高温再始動時にあっては、エンジンの始動性が悪化するようになる。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの始動性の悪化を好適に抑制することのできるエンジンの冷却装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、エンジンの本体を冷却する冷媒を循環させるための循環回路を複数有するとともに、前記冷媒を保温しつつ貯留する蓄熱容器と、前記冷媒とヒータを通じて流通する車室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコアと、前記冷媒の循環回路を切り替える制御弁とを備え、前記冷媒の循環回路として、前記エンジンの本体を介さず且つ前記蓄熱容器及び前記ヒータコアを介して前記冷媒を循環させる第1循環回路と、前記エンジンの本体及び前記蓄熱容器を介して前記冷媒を循環させる第2循環回路とを含めて構成されたエンジンの冷却装置において、前記エンジンの始動時、前記ヒータに対する駆動要求があるときは前記制御弁の制御を通じて前記冷媒の循環回路を前記第1循環回路に切り替える一方、前記ヒータに対する駆動要求があったとしても前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が所定の温度よりも高いときには前記制御弁の制御を通じて前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替える制御手段を備えたことを要旨としている。
【0011】
上記構成によれば、エンジンの始動時にヒータに対する駆動要求があるときは、冷媒の循環回路として第1循環回路が有効とされることにより、蓄熱容器内の冷媒がエンジンの本体を介することなくヒータコアへ供給される。一方で、エンジンの始動時にヒータに対する駆動要求があるときであっても、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が所定の温度よりも高いときには、冷媒の循環回路として第2循環回路が有効とされる。これにより、蓄熱容器内に貯留されていた冷媒がエンジンの本体に供給されるため、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度を低下させるとともにエンジンの始動性の悪化を好適に抑制することができるようになる。なお、エンジンの始動時とは、エンジンの始動要求が検出されてから同エンジンの始動が開始されるまでの期間のいずれかを示す。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記エンジンの始動時、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記所定の温度よりも高いときには該冷媒の温度と前記蓄熱容器内の冷媒の温度との比較結果に基づいて前記制御弁の制御を行い、該制御弁の制御においては、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いことを条件に前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替えることを要旨としている。
【0013】
上記構成によれば、エンジンの始動時、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が所定の温度よりも高いときには、同冷媒の温度と蓄熱容器内の冷媒の温度との対比のもとに制御弁の制御が行われる。この制御弁の制御は、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いとき、冷媒の循環回路を第2循環回路に切り替えるといった態様をもって行われる。これにより、蓄熱容器内に貯留されていた冷媒(エンジンの本体の冷媒よりも低温の冷媒)がエンジンの本体内に供給されるため、同エンジンの本体を冷却する冷媒の温度を的確に低下させることができるようになる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いことに基づいて前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替えたとき、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記所定の温度未満となるまで前記第2循環回路を通じて前記冷媒の循環を行うことを要旨としている。
【0015】
上記構成によれば、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いことに基づいて冷媒の循環回路が第2循環回路に切り替えられたとき、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が所定の温度未満となるまで第2循環回路を通じて冷媒の循環が行われる。これにより、エンジンの本体を冷却する冷媒の温度を所定の温度未満まで的確に低下させることができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明を具体化した第1の実施の形態について、図1〜図27を参照して説明する。
【0017】
エンジンE(エンジンの本体)の冷却機能を備えたエンジン冷却装置1の全体構成を図1に示す。
まず、エンジン冷却装置1に備えられている各構成要素の機能について説明する。
【0018】
ウォーターポンプ11は、エンジンEを通じて駆動されるとともに冷却水を圧送する。
ラジエータ12は、冷却水と外気との間で熱交換を行う。
【0019】
ヒータコア13は、冷却水とヒータ13Hを通じて流通する車室暖房用空気(車両の室内を暖房するための空気)との間で熱交換を行う。熱交換された空気は、ヒータ13Hを通じて車室内に供給される。
【0020】
ATFウォーマ14は、冷却水とオートマチックトランスミッションフルード(ATF)との間で熱交換を行う。
蓄熱容器15は、冷却水を貯留するとともにこの冷却水と容器外部の空気とを断熱する。これにより、冷却水は、蓄熱容器15内に保温された状態で貯留される。
【0021】
電動ウォーターポンプ16は、バッテリを通じて駆動されるとともに冷却水を圧送する。
流量制御弁21は、弁の開度に応じてラジエータ12へ供給する冷却水の流量を調整する。
【0022】
3方弁22(制御弁)は、3つのポート(第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3)の開閉状態の変更を通じて、冷却水の循環態様を選択的に切り替える。
【0023】
電子制御装置(ECU)3は、エンジンE、電動ウォーターポンプ16、流量制御弁21及び3方弁22を制御する。なお、制御手段は、ECU3を備えて構成される。
【0024】
次に、エンジン冷却装置1の検出系を構成する各センサについて説明する。なお、検出系を通じて検出された各データは、ECU3へ入力される。
エンジン水温センサS1は、エンジンEを冷却する冷却水の温度(エンジン水温THw1)を検出する。
【0025】
ヒータリターン水温センサS2は、ヒータコア13を介してエンジンEに還流される冷却水の温度(還流冷却水温THw2)を検出する。
ラジエータ水温センサS3は、ラジエータ12から流出した冷却水の温度(ラジエータ水温THw3)を検出する。
【0026】
蓄熱容器水温センサS4は、蓄熱容器15の冷却水の温度(蓄熱容器冷却水温THw4)を検出する。ちなみに、蓄熱容器水温センサS4は、蓄熱容器15の出口側に接続されている冷却水の流通管に設けられており、蓄熱容器15から流出した冷却水の温度を同容器15内に貯留されている冷却水の温度の相当値として検出する。
【0027】
外気温度センサS5は、外気の温度(外気温度THa)を検出する。
システムスイッチS6は、エンジンEの始動要求を検出する。エンジンEの始動要求は、例えば「イグニッションスイッチの切替位置が「ON」となった」あるいは「車両のドア開閉スイッチを通じてドアが開かれた」といった条件に基づいて検出することができる。
【0028】
次に、エンジン冷却装置1における冷却水の流通路について説明する。
第1冷却通路R1は、流量制御弁21とウォーターポンプ11とを接続する。
第2冷却通路R2は、エンジンEと3方弁22の第1ポートP1とを接続する。
【0029】
第3冷却通路R3は、第2冷却通路R2とラジエータ12とを接続する。
第4冷却通路R4は、ラジエータ12と流量制御弁21とを接続する。
第5冷却通路R5は、第3冷却通路R3と流量制御弁21とを接続する。
【0030】
第6冷却通路R6は、3方弁22の第2ポートP2とヒータコア13とを接続する。
第7冷却通路R7は、ヒータコア13と蓄熱容器15とを接続する。
【0031】
第8冷却通路R8は、3方弁22の第3ポートP3と電動ウォーターポンプ16とを接続する。
第9冷却通路R9は、電動ウォーターポンプ16と蓄熱容器15とを接続する。
【0032】
第10冷却通路R10は、第7冷却通路R7と第1冷却通路R1とをATFウォーマ14を介して接続する。
上記各冷却水通路により、冷却水を循環させるための以下の各循環回路が構成される。
【0033】
[ラジエータ回路]第2冷却通路R2、第3冷却通路R3、第4冷却通路R4、及び第1冷却通路R1によりラジエータ回路が構成される。同回路においては、エンジンE、ラジエータ12及び流量制御弁21を介して冷却水を循環させることが可能となる。
【0034】
[バイパス回路]第2冷却通路R2、第3冷却通路R3、第5冷却通路R5、及び第1冷却通路R1によりバイパス回路が構成される。同回路においては、エンジンE及び流量制御弁21を介して冷却水を循環させることが可能となる。
【0035】
[ヒータ回路]第2冷却通路R2、第6冷却通路R6、第7冷却通路R7、及び第10冷却通路R10によりヒータ回路が構成される。同回路においては、エンジンE、ヒータコア13及びATFウォーマ14を介して冷却水を循環させることが可能となる。
【0036】
[蓄熱回路]第2冷却通路R2、第8冷却通路R8、第9冷却通路R9、第7冷却通路R7、及び第10冷却通路R10により蓄熱回路(第2循環回路)が構成される。同回路においては、エンジンE、蓄熱容器15及びATFウォーマ14を介して冷却水を循環させることが可能となる。
【0037】
[ヒータ閉回路]第9冷却通路R9、第7冷却通路R7、第6冷却通路R6及び第8冷却通路R8によりヒータ閉回路(第1循環回路)が構成される。同回路においては、蓄熱容器15及びヒータコア13を介して冷却水を循環させることが可能となる。
【0038】
次に、図2を参照して、3方弁22及び流量制御弁21の制御態様について説明する。
3方弁22の各ポート間の開閉状態は、以下に示す4つの切替位置のいずれかへ選択的に切り替えることが可能となっている。
【0039】
[基本切替位置]切替位置として基本切替位置XBを選択することにより、第1ポートP1と第2ポートP2とが開弁した状態となる。この場合、第2冷却通路R2と第6冷却通路R6とが連通される。
【0040】
[第1切替位置]切替位置として第1切替位置X1を選択することにより、第2ポートP2と第3ポートP3とが開弁した状態となる。この場合、第6冷却通路R6と第8冷却通路R8とが連通される。
【0041】
[第2切替位置]切替位置として第2切替位置X2を選択することにより、第1ポートP1と第3ポートP3とが開弁した状態となる。この場合、第2冷却通路R2と第8冷却通路R8とが連通される。
【0042】
[第3切替位置]切替位置として第3切替位置X3を選択することにより、全ポート(第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3)間が開弁した状態となる。この場合、第2冷却通路R2と第6冷却通路R6と第8冷却通路R8とがそれぞれ連通される。
【0043】
上記各切替位置に対応して、以下に示す各循環態様を通じて冷却水の循環を行うことが可能となる。
[基本循環態様]3方弁22の基本切替位置XBが選択されることにより基本循環態様が実現される。同循環態様においては、ラジエータ回路、バイパス回路及びヒータ回路を通じて冷却水を循環させることが可能となる。
【0044】
[第1循環態様]3方弁22の第1切替位置X1が選択されることにより第1循環態様が実現される。同循環態様においては、ラジエータ回路、バイパス回路及びヒータ閉回路を通じて冷却水を循環させることが可能となる。
【0045】
[第2循環態様]3方弁22の第2切替位置X2が選択されることにより第2循環態様が実現される。同循環態様においては、ラジエータ回路、バイパス回路及び蓄熱回路を通じて冷却水を循環させることが可能となる。
【0046】
[第3循環態様]3方弁22の第3切替位置X3が選択されることにより第3循環態様が実現される。同循環態様においては、ラジエータ回路、バイパス回路、ヒータ回路及び蓄熱回路を通じて冷却水を循環させることが可能となる。
【0047】
流量制御弁21は、以下に示す態様をもって制御される。
[イ]エンジンEの停止時、ラジエータ回路が有効となる開度(基本的にはラジエータ側を全開)に設定されており、エンジンEの始動要求にともなってラジエータ回路を無効とする開度(ラジエータ側を全閉)に変更される。
[ロ]エンジンEの運転中、エンジン水温THw1及びラジエータ水温THw3に応じて開度が調整される。
【0048】
次に、図3〜図10を参照して、上記各循環態様における冷却水の流れについて説明する。なお、図3〜図10において、実線で示す通路は冷却水の流通が可能な通路を、破線で示す通路は冷却水の流通が不能な通路をそれぞれ示している。また、各図における矢印は冷却水の流通方向を示している。
【0049】
〔基本循環態様〕
図3及び図4を参照して、基本循環態様における冷却水の流れについて説明する。
【0050】
まず、図3を参照して、エンジンEの運転中において、暖機中の冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[1]とする。
【0051】
ウォーターポンプ11を通じて冷却水の圧送が行われることにより、冷却水はバイパス回路とヒータ回路とを循環する。
バイパス回路において、エンジンEから流出した冷却水はラジエータ12をバイパスして循環する。これにより、冷却水の温度の低下が抑制される。
【0052】
ヒータ回路において、エンジンEから流出した冷却水はヒータコア13及びATFウォーマ14を介して循環する。これにより、ヒータ13Hが駆動しているときは、ヒータコア13においてエンジンEを流通した冷却水と車室暖房用空気との間で熱交換が行われる。また、冷却水とATFウォーマ14との間で熱交換が行われる。
【0053】
次に、図4を参照して、エンジンEの運転中において、暖機完了後の冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[2]とする。
【0054】
このとき、ウォーターポンプ11を通じて冷却水の圧送が行われることにより、冷却水はラジエータ回路及びバイパス回路とヒータ回路とを循環する。
ラジエータ回路及びバイパス回路において、エンジンEから流出した冷却水は流量制御弁21の開度に応じてラジエータ12への流入量が調整されつつ循環する。これにより、冷却水の温度が流量制御弁21の開度に応じて調整される。
【0055】
ヒータ回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[1]に準じた態様となる。
〔第1循環態様〕
図5及び図6を参照して、第1循環態様における冷却水の流れについて説明する。
【0056】
まず、図5を参照して、エンジンEの停止中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[3]とする。
【0057】
このとき、電動ウォーターポンプ16を通じて冷却水の圧送が行われることにより、冷却水はヒータ閉回路を循環する。
ヒータ閉回路において、蓄熱容器15内に貯留されていた冷却水はヒータコア13を介して循環する。これにより、ヒータ13Hが駆動しているときは、ヒータコア13において蓄熱容器15内に貯留されていた冷却水と車室暖房用空気との間で熱交換が行われる。
【0058】
次に、図6を参照して、エンジンEの運転中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[4]とする。
【0059】
このとき、ウォーターポンプ11を通じて冷却水の圧送が行われることにより、冷却水はエンジンEの暖機状態に応じてラジエータ回路及びバイパス回路を循環する。
【0060】
エンジンEの暖機中、バイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[1]に準じた態様となる。
エンジンEの暖機完了後、ラジエータ回路及びバイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[2]に準じた態様となる。
【0061】
また、電動ウォーターポンプ16を通じて冷却水の循環が行われることにより、冷却水はヒータ閉回路を循環する。
ヒータ閉回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[3]に準じた態様となる。
【0062】
〔第2循環態様〕
図7及び図8を参照して、第2循環態様における冷却水の流れについて説明する。
【0063】
まず、図7を参照して、エンジンEの停止中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで、説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[5]とする。
【0064】
このとき、電動ウォーターポンプ16により冷却水の圧送が行われることにより、冷却水は蓄熱回路を循環する。
蓄熱回路において、蓄熱容器15から流出した冷却水はATFウォーマ14及びエンジンEを介して循環する。これにより、蓄熱容器15に貯留されていた冷却水とATFウォーマ14及びエンジンEとの間で熱交換が行われる。
【0065】
次に、図8を参照して、エンジンEの運転中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで、説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[6]とする。
【0066】
このとき、ウォーターポンプ11を通じて冷却水の圧送が行われることにより、冷却水はエンジンEの暖機状態に応じてラジエータ回路及びバイパス回路を循環する。また、これにあわせて蓄熱回路を循環する。
【0067】
エンジンEの暖機中、バイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[1]に準じた態様となる。
エンジンEの暖機完了後、ラジエータ回路及びバイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[2]に準じた態様となる。
【0068】
蓄熱回路において、エンジンEから流出した冷却水は蓄熱容器15及びATFウォーマ14を介して循環する。これにより、エンジンEから流出した冷却水が蓄熱容器15内に貯留されるとともに、同冷却水とATFウォーマ14との間で熱交換が行われる。
【0069】
〔第3循環態様〕
図9及び図10を参照して、第3循環態様における冷却水の流れについて説明する。
【0070】
まず、図9を参照して、エンジンEの停止中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[7]とする。
【0071】
このとき、電動ウォーターポンプ16を通じて冷却水の圧送が行われるとともに、冷却水は蓄熱回路を通じて循環する。また、この場合はヒータコア13を介しても循環する。
【0072】
次に、図10を参照して、エンジンEの運転中における冷却水の循環態様について説明する。なお、ここで説明する冷却水の循環態様を冷却水循環態様[8]とする。
【0073】
このとき、ウォーターポンプ11を通じて冷却水の圧送が行われるとともに、冷却水はエンジンEの暖機状態に応じてラジエータ回路及びバイパス回路を循環する。また、これにあわせてヒータ回路と蓄熱回路とを循環する。
【0074】
エンジンEの暖機中、バイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[1]に準じた態様となる。
エンジンEの暖機完了後、ラジエータ回路及びバイパス回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[2]に準じた態様となる。
【0075】
ヒータ回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[1]に準じた態様となる。
蓄熱回路における冷却水の循環態様は、冷却水循環態様[6]に準じた態様となる。
【0076】
ところで、エンジンEの始動時にヒータ要求があるとき、ヒータ性能の確保を優先してヒータ閉回路を通じて冷媒の循環を行ったとすると、エンジンの高温再始動時、エンジンEの始動性が悪化するようになる。
【0077】
そこで、本実施の形態では、こうした場合を考慮して、以下に説明するエンジン冷却装置制御処理を通じて冷却水の循環態様を制御するようにしている。なお、この冷却装置制御処理が制御手段を通じて行われる処理に相当する。
【0078】
まず、図11を参照して、エンジン冷却装置制御処理の全体構成について説明する。
本制御は、エンジンEの始動要求に応じて開始され、
[A]「制御モード選択処理(図12〜図19)」
[B]「ヒータ優先処理(図20)、プレヒート処理(図21)及びプレクール処理(図22)のいずれか」
[C]「エンジン始動処理(図23)」
これら[A]〜[C]の処理を順次実行する([B]については実行条件が満たされているときのみ実行する)。
【0079】
制御モード選択処理においては、
[a]「蓄熱状態判定処理(図13)」
[b]「ヒータ要求判定処理(図14)」
[c]「エンジン始動状態判定処理(図15)」
[d]「プレヒート判定処理(図16)/プレクール判定処理(図17)」
これら[a]〜[d]の処理を通じてエンジンEの制御モードが選択されるとともに、同選択されたモードに対応して冷却水循環態様の切り替えが行われる。以下、図12〜図19を参照して、制御モード選択処理の詳細について説明する。
【0080】
〔制御モード選択処理〕
図12〜図19を参照して、制御モード選択処理について説明する。本処理は、システムスイッチS6を通じてエンジンEの始動要求が検出されたときに開始され、以下に説明するステップS100〜S700の処理が一通り行われた後、終了される。
【0081】
[ステップS100]蓄熱容器15内の冷却水の状態を判定する蓄熱状態判定処理(図13)を開始する。
[ステップS101]蓄熱容器水温THw4がヒータ要求水温THwreq(所定の温度)以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw4≧THwreq
が満たされているか否かを判定する。
【0082】
ちなみに、ヒータ要求水温THwreqは、ヒータ13Hに要求されている暖房性能を確保するために必要となる冷却水の温度を示す。即ち、蓄熱容器水温THw4がヒータ要求水温THwreq以上のとき、蓄熱容器15内の冷却水をヒータコア13へ流入させることにより、ヒータ13Hの暖房性能を確保することが可能となる。なお、以降では、この条件が満たされた状態にある冷却水を温水とする。
【0083】
なお、ヒータ要求水温THwreqは、外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態に基づいて算出することができる。
【0084】
[ステップS102]蓄熱容器水温THw4がヒータ要求水温THwreq以上のとき、温水フラグexWWをセットする。
[ステップS103]蓄熱容器水温THw4がヒータ要求水温THwreq未満のとき、温水フラグexWWをクリアする。
【0085】
上記蓄熱状態判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
[ステップS200]ヒータ13Hに対する駆動要求(ヒータ要求)を判定するヒータ要求判定処理(図14)を開始する。
【0086】
[ステップS201]ヒータ13Hの暖房機能が必要とされているか否か、即ちヒータ要求があるか否かを判定する。
なお、ヒータ要求の有無は、外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態に基づいて判定することができる。
【0087】
[ステップS202]ヒータ要求があるとき、ヒータ要求フラグexHCをセットする。
なお、ヒータ13Hは、「ヒータ要求フラグexHCが「オン」となっている」及び「冷却水がヒータコア13を介して循環している」といった条件が満たされているとき、ECU3を通じて駆動することができる。
【0088】
[ステップS203]ヒータ要求がないとき、ヒータ要求フラグexHCをクリアする。
上記ヒータ要求判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
【0089】
[ステップS300]エンジンEの暖機状態を判定するエンジン始動状態判定処理(図15)を開始する。
[ステップS301]エンジン水温THw1が外気温度THa以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1≧THa
が満たされているか否かを判定する。
【0090】
[ステップS302]エンジン水温THw1が外気温度THa未満のとき、エンジンEの始動状態が「冷間始動」である旨判定する。
[ステップS303]エンジン水温THw1が外気温度THa以上のとき、エンジン水温THw1が暖機判定温度THww以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1≧THww
が満たされているか否かを判定する。
【0091】
ちなみに、暖機判定温度THwwは、エンジンEが暖機完了の状態にあるか否かを示す冷却水の温度の閾値として用いられる。即ち、エンジン水温THw1が暖機判定温度THww以上のとき、エンジンEは暖機完了の状態にある。
【0092】
[ステップS304]エンジン水温THw1が暖機判定温度THww未満のとき、エンジンEの始動状態が「暖機途上始動」である旨判定する。
[ステップS305]エンジン水温THw1が暖機判定温度THww以上のとき、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1≧THwh
が満たされるか否かを判定する。
【0093】
ちなみに、過熱判定温度THwhは、エンジンEが暖機完了の状態よりもさらに高温の状態にあるか否かを示す冷却水の温度の閾値として用いられる(過熱判定温度THwhは暖機判定温度THwwよりも大きい値に設定される)。即ち、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上のとき、エンジンEは暖機完了時よりもさらに温度が高い状態にある。
【0094】
[ステップS306]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満のとき、エンジンEの始動状態が「暖機完了始動」である旨判定する。
[ステップS307]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上のとき、エンジンEの始動状態が「高温再始動」である旨判定する。
【0095】
上記始動状態判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
[ステップS400]エンジン始動状態判定処理を通じて、エンジンEの始動状態が「冷間始動」、「暖機途上始動」である旨判定されているときは、プレヒート判定処理(図16)を開始する。
【0096】
[ステップS401H]蓄熱容器水温THw4がエンジン水温THw1よりも高いか否かを判定する。即ち、下記条件
THw4>THw1
が満たされるか否かを判定する。
【0097】
[ステップS402H]蓄熱容器水温THw4がエンジン水温THw1よりも高いとき、プレヒートフラグexPHをセットする。即ち、プレヒートフラグexPHが「オン」のとき、蓄熱容器15内の冷却水をエンジンEへ供給することにより、同エンジンEの温度上昇を図ることが可能となる。
【0098】
[ステップS403H]蓄熱容器水温THw4がエンジン水温THw1以下のとき、プレヒートフラグexPHをクリアする。
上記プレヒート判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
【0099】
[ステップS400]エンジン始動状態判定処理を通じて、エンジンEの始動状態が「高温再始動」である旨判定されているときは、プレクール判定処理(図17)を行う。
【0100】
[ステップS401C]エンジン水温THw1が蓄熱容器水温THw4よりも高いか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1>THw4
が満たされるか否かを判定する。
【0101】
[ステップS402C]エンジン水温THw1が蓄熱容器水温THw4よりも高いとき、プレクールフラグexPCをセットする。プレクールフラグexPCが「オン」のとき、蓄熱容器15内の冷却水をエンジンEへ供給することにより、同エンジンEの冷却を図ることが可能となる。
【0102】
[ステップS403C]エンジン水温THw1が蓄熱容器水温THw4以下のとき、プレクールフラグexPCをクリアする。
上記プレクール判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
【0103】
なお、エンジンEの始動状態が「暖機完了始動」である旨判定されているときは、上記プレヒート判定処理及びプレクール判定処理を省略してステップS500の処理を行う。
【0104】
[ステップS500]上記各処理(図13〜図17)を通じて得られた各判定結果を制御モード選択マップ(図18)に適用して、エンジン冷却装置1の制御モードを決定する。即ち、以下に示す態様をもって各制御モードの選択が行われる。
【0105】
上記各判定結果(温水フラグexWW、ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレヒートフラグexPH/プレクールフラグexPC)が以下の条件[A1]及び[A2]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「ヒータ優先モード」を選択する。
[A1]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「冷間始動」、ヒータ要求フラグexHCが「オン」。
[A2]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「暖機途上始動」、ヒータ要求フラグexHCが「オン」、プレヒートフラグexPHが「オン」。
【0106】
上記各判定結果(温水フラグexWW、ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレヒートフラグexPH/プレクールフラグexPC)が以下の条件[B1]〜[B4]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「プレヒートモード」を選択する。
[B1]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「冷間始動」、ヒータ要求フラグexHCが「オフ」。
[B2]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「暖機途上始動」、ヒータ要求フラグexHCが「オフ」、プレヒートフラグexPHが「オン」。
[B3]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「冷間始動」、プレヒートフラグexPHが「オン」。
[B4]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「暖機途上始動」、プレヒートフラグexPHが「オン」。
【0107】
上記各判定結果(温水フラグexWW、ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレヒートフラグexPH/プレクールフラグexPC)が以下の条件[C1]及び[C2]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「プレクールモード」を選択する。
[C1]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オン」。
[C2]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オン」。
【0108】
上記各判定結果(温水フラグexWW、ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレヒートフラグexPH/プレクールフラグexPC)が以下の条件[D1]〜[D7]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「待機モード」を選択する。
[D1]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「暖機途上始動」、プレヒートフラグexPHが「オフ」。
[D2]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「暖機完了始動」。
[D3]温水フラグexWWが「オン」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オフ」。
[D4]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「冷間始動」、プレヒートフラグexPHが「オフ」。
[D5]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「暖機途上始動」、プレヒートフラグexPHが「オフ」。
[D6]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「暖機完了始動」。
[D7]温水フラグexWWが「オフ」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オフ」。
【0109】
[ステップS600]3方弁切替位置選択マップ(図19)を通じて、制御モードに対応した3方弁22の切替位置を選択する。即ち、
[a]制御モードが待機モードのとき、基本切替位置XBを選択する。
[b]制御モードがヒータ優先モードのとき、第1切替位置X1を選択する。
[c]制御モードがプレヒートモードのとき、第2切替位置X2を選択する。
[d]制御モードがプレクールモードのとき、第2切替位置X2あるいは第3切替位置X3を選択する。
といった態様をもって3方弁22の切替位置が選択される。
【0110】
[ステップS700]3方弁22の切替位置をステップS600の処理により選択された切替位置に設定する3方弁切替制御を実行して本処理を終了する。これにより、
[a]制御モードが待機モードのとき、ヒータ回路が有効となる。
[b]制御モードがヒータ優先モードのとき、ヒータ閉回路が有効となる。
[c]制御モードがプレヒートモードのとき、蓄熱回路が有効となる。
[d]制御モードがプレクールモードのとき、蓄熱回路が有効となる。
といったように、各制御モードに対応して冷却水の循環回路が選択される。
【0111】
このように、制御モード選択処理によれば、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係に基づいて、エンジン冷却装置1の制御モードが決定される。
【0112】
上記制御モード選択処理が終了した後、同処理を通じて選択された制御モードに応じて以下に示す各処理のいずれかを実行する。なお、待機モードが選択されているときは、以下の各処理を実行せずにエンジン始動処理へ移行する。
【0113】
〔ヒータ優先モード〕
図20を参照して、ヒータ優先モードが選択されているときに行われるヒータ優先処理について説明する。なお、本処理は、以下のステップS801Aの処理が行われた後、終了される。
【0114】
[ステップS801A]電動ウォーターポンプ16の駆動を開始して本処理を終了する。
ヒータ優先モードが選択されているとき、冷却水の循環態様として第1循環態様が選択されているため、上記ヒータ優先処理が行われることにより、冷却水循環態様[3](図5)に準じた態様をもって、即ちヒータ閉回路を通じて冷却水の循環が行われる。
【0115】
これにより、エンジンEの始動時にヒータ要求があるとき、蓄熱容器15内に貯留されていた温水がエンジンEを介することなく、且つヒータコア13を介して循環されるため、要求されるヒータ13Hの暖房性能が適切に確保されるようになる。
【0116】
〔プレヒート処理〕
図21を参照して、プレヒートモードが選択されているときに行われるプレヒート処理について説明する。なお、本処理は、以下のステップS801B〜S804Bの処理が行われた後、終了される。
【0117】
[ステップS801B]電動ウォーターポンプ16の駆動を開始する。
[ステップS802B]電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
Tpm≧TpmX
が満たされているか否かを判定する。
【0118】
上記条件が満たされていないときは、所定の周期毎に上記判定処理を繰り返し実行する。
ちなみに、所定の駆動時間TpmXは、蓄熱容器15内に貯留されていた温水がエンジンE内へ十分に供給されるまでの時間を示し、蓄熱容器15の容量やエンジンEの大きさに応じて設定することができる。
【0119】
[ステップS803B]駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったとき、電動ウォーターポンプ16を停止する。
[ステップS804B]3方弁22の切替位置を第2切替位置X2から基本切替位置XBに変更することより冷却水の循環態様を基本循環態様に変更する。
【0120】
プレヒートモードが選択されているとき、冷却水の循環態様として第2循環態様が選択されているため、上記プレヒート処理が行われることにより、冷却水循環態様[5](図7)に準じた態様をもって、即ち蓄熱回路を通じて冷却水の循環が行われる。
【0121】
これにより、エンジンの始動状態が「冷間始動」及び「暖機途上始動」のとき、蓄熱容器15内に貯留されている温水がエンジンE内に供給されるため、エンジンEの暖機促進が図られるようになる。また、温水がATFウォーマ14内に供給されるため、ATFの暖機促進もあわせて図られるようになる。
【0122】
また、駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったとき、電動ウォーターポンプ16を停止するようにしているため、エンジンE内に滞留していた低温の冷却水が蓄熱容器15内に貯留されることにより、エンジンEの暖機がより促進されるようになる。
【0123】
〔プレクール処理〕
図21を参照して、プレクールモードが選択されているときに行われるプレクール処理について説明する。なお、本処理は、以下のステップS801C〜S804Cの処理が行われた後、終了される。
【0124】
[ステップS801C]電動ウォーターポンプ16の駆動を開始する。
[ステップS802C]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1<THwh
が満たされるか否かを判定する。
【0125】
[ステップS803C]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上のとき、電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
Tpm≧TpmX
が満たされているか否かを判定する。
【0126】
上記条件が満たされていないときには、所定の周期毎に上記ステップS802Cの判定処理を繰り返し実行する。
なお、所定の駆動時間TpmXは、上記ステップS802Bの判定処理に用いられる時間と同じであるが、ステップS802Bの判定処理に用いられる時間とは異なる時間に設定することも可能である。
【0127】
[ステップS804C]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満となったとき、あるいはエンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満とならない場合であっても、電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったとき、電動ウォーターポンプ16を停止する。
【0128】
[ステップS805C]3方弁22の切替位置を第2切替位置X2あるいは第3切替位置X3から基本切替位置XBに変更することにより、冷却水の循環態様を基本循環態様に変更する。
【0129】
プレクールモードが選択されているとき、冷却水の循環態様として第2循環態様あるいは第3循環態様が選択されているため、上記プレクール処理が行われることにより、冷却水循環態様[5](図7)あるいは冷却水循環態様[7](図9)に準じた態様をもって、即ち蓄熱回路を通じて冷却水の循環が行われる。
【0130】
これにより、エンジンの始動状態が「高温再始動」のとき、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水(エンジンE内に滞留している冷却水よりも低温の冷却水)がエンジンEに供給されるため、同エンジンEを冷却する冷却水の温度が下げられるとともに始動性の悪化が抑制されるようになる。
【0131】
また、上記制御モード選択処理において、蓄熱容器15内に温水が貯留されていない場合は、エンジン冷却装置1の制御モードとしてプレヒートモード、プレクールモード及び待機モードのいずれかを選択するようにしている。即ち、蓄熱容器15内に温水が貯留されていない場合、冷却水循環態様[3]に準じた態様をもって(ヒータ閉回路を通じて)冷却水の循環を行うことを禁止している。
【0132】
これにより、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水をヒータコア13へ供給したところで、ヒータ13Hに要求される暖房性能が確保できないときは、ヒータ閉回路における冷却水の循環が行われなくなるため、冷却水の循環が不要に行われる事態が回避されるようになる。
【0133】
次に、上記各制御処理(ヒータ優先処理、プレヒート処理、プレクール処理)が終了した後に開始されるエンジンEの始動処理について説明する。
〔エンジン始動処理〕
図23を参照して、エンジン始動処理について説明する。なお、本処理は、以下のステップS901、S902の処理が実行された後、終了される。
【0134】
[ステップS901]エンジンEを始動するための条件が成立しているか否かを判定する。
ちなみに、同条件は、例えばイグニッションスイッチの切替位置が「START」位置へ切り替えられたことをもって判定することができる。
【0135】
上記条件が満たされていないときは、所定の周期毎に上記判定処理を繰り返し実行する。
[ステップS902]エンジンEを始動するための条件が成立したとき、エンジンEの始動制御を開始して本処理を終了する。
【0136】
次に、図24〜図27を参照して、上記各制御モードを通じてのエンジンの始動時制御態様について説明する。
〔ヒータ優先モード時のエンジン始動時制御態様〕
図24を参照して、ヒータ優先モード時のエンジン始動時制御態様について説明する。
【0137】
時刻t241において、ドア開閉スイッチによる車両のドアの開操作を通じてエンジンEの始動要求が検出されたとする(図24:〔a〕)。
このとき、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が上記[A1]及び[A2]の条件のいずれかに該当しているとすると、制御モード選択処理(図12〜図19)を通じて、ヒータ優先モードが選択される。また、これに応じて第1循環態様が選択される。そして、ヒータ優先処理の開始にともなって電動ウォーターポンプ16による冷却水の循環が行われる(図24:〔c〕、〔d〕)。
【0138】
これにより、蓄熱容器15内の温水がエンジンEを介することなく、且つヒータコア13を介して循環するため、ヒータ13Hの暖房性能が適切に確保されるようになる。
【0139】
時刻t242において、イグニッションスイッチの切替位置が「START」へ切り替えられたことをもってエンジンEの始動条件が成立している旨検出されたとすると、エンジンEの始動が開始されるとともにウォーターポンプ11による冷却水の循環が行われるようになる(図24:〔b〕、〔e〕、〔f〕)。
【0140】
〔プレヒートモード時のエンジン始動時制御態様〕
図25を参照して、プレヒートモード時のエンジン始動時制御態様について説明する。
【0141】
時刻t251において、ドア開閉スイッチによる車両のドアの開操作を通じてエンジンEの始動要求が検出されたとする(図25:〔a〕)。
このとき、蓄熱容器内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が上記[B1]〜[B4]の条件のいずれかに該当しているとすると、制御モード選択処理(図12〜図19)を通じて、プレヒートモードが選択される。また、これに応じて第2循環態様が選択される。そして、プレヒート処理の開始にともなって電動ウォーターポンプ16による冷却水の循環が行われる(図25:〔c〕、〔d〕)。
【0142】
これにより、蓄熱容器15内の温水がエンジンE内に供給されるため、エンジンEの暖機が促進されるようになる。また、これにあわせてATFウォーマ14の暖機も促進される。
【0143】
時刻t252において、電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったとすると、電動ウォーターポンプ16が停止されるとともに冷却水の循環態様が第2循環態様から基本循環態様に変更される(図25:〔c〕、〔d〕)。
【0144】
時刻t253において、イグニッションスイッチの切替位置が「START」へ切り替えられたことをもってエンジンEの始動条件が成立している旨検出されたとすると、エンジンEの始動が開始されるとともにウォーターポンプ11による冷却水の循環が行われるようになる(図25:〔b〕、〔e〕、〔f〕)。
【0145】
〔プレクールモード時のエンジン始動時制御態様〕
図26を参照して、プレクールモード時のエンジン始動時制御態様について説明する。
【0146】
時刻t261において、ドア開閉スイッチによる車両のドアの開操作を通じてエンジンEの始動要求が検出されたとする(図26:〔a〕)。
このとき、蓄熱容器内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が上記[C1]及び[C2]の条件のいずれかに該当しているとすると、制御モード選択処理(図12〜図19)を通じて、プレクールモードが選択される。また、これに応じて第2循環態様あるいは第3循環態様が選択される。そして、プレクール処理の開始にともなって電動ウォーターポンプ16による冷却水の循環が行われる(図26:〔c〕、〔d〕)。
【0147】
これにより、蓄熱容器15内の冷却水がエンジンE内に供給されるため、エンジンEの冷却が行われることにより、始動性の悪化が抑制されるようになる。
時刻t262において、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満となったとすると、電動ウォーターポンプ16が停止されるとともに冷却水の循環態様が第2循環態様あるいは第3循環態様から基本循環態様に変更される(図26:〔c〕、〔d〕)。
【0148】
時刻t263において、イグニッションスイッチの切替位置が「START」へ切り替えられたことをもってエンジンEの始動条件が成立している旨検出されたとすると、エンジンEの始動が開始されるとともにウォーターポンプ11による冷却水の循環が行われるようになる(図26:〔b〕、〔e〕、〔f〕)。
【0149】
〔待機モード時のエンジン始動時制御態様〕
図27を参照して、待機モード時におけるエンジン始動時制御態様について説明する。
【0150】
時刻t271において、ドア開閉スイッチによる車両のドアの開操作を通じてエンジンEの始動要求が検出されたとする(図27:〔a〕)。
このとき、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が上記[D1]〜[D7]の条件のいずれかに該当しているとすると、制御モード選択処理(図12〜図19)を通じて、待機モードが選択される。また、これに応じて基本循環態様が選択される(図27:〔c〕)。
【0151】
時刻t272において、イグニッションスイッチの切替位置が「START」へ切り替えられたことをもってエンジンEの始動条件が成立している旨検出されたとすると、エンジンEの始動が開始されるとともにウォーターポンプ11による冷却水の循環が行われるようになる(図27:〔b〕、〔e〕、〔f〕)。
【0152】
以上詳述したように、この第1の実施の形態にかかるエンジンの冷却装置によれば、以下に列記するような優れた効果が得られるようになる。
(1)本実施の形態では、エンジンEの始動時、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が[C1]及び[C2]のいずれかの条件に該当することに基づいて、冷却水循環態様[5](図7)あるいは冷却水循環態様[7](図9)に準じた態様をもって冷却水の循環を行うようにしている。これにより、エンジンEの高温再始動時、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水がエンジンE内に供給されるため、同エンジンEを冷却する冷却水の温度を低下させるとともに始動性の悪化を抑制することができるようになる。
【0153】
(2)また、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満となるまで、電動ウォーターポンプ16による冷却水の循環を行うようにしている。これにより、エンジンEの始動性の悪化をより好適に抑制することができるようになる。
【0154】
(3)本実施の形態では、エンジンEの始動時、蓄熱容器15内に温水が貯留されていないことに基づいて、ヒータ優先モードによる冷却水循環態様[3](図5)に準じた態様をもって冷却水の循環を行うこと(ヒータ閉回路を通じて冷却水の循環を行うこと)を禁止するようにしている。これにより、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水をヒータコア13へ供給したところで要求される暖房性能を確保できないときには、ヒータ閉回路における冷却水の循環が行われなくなるため、冷却水の循環が不要に行われる事態を回避することができるようになる。
【0155】
(4)本実施の形態では、エンジンEの始動時、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が[A1]及び[A2]のいずれかの条件に該当することに基づいて、冷却水循環態様[3]に準じた態様をもって冷却水の循環を行うようにしている。これにより、エンジンEの始動時にヒータ要求があるとき、蓄熱容器15内に貯留されていた温水がエンジンEを介することなく、且つヒータコア13を介して循環されるため、適切にヒータ13Hの暖房性能を確保することができるようになる。
【0156】
(5)本実施の形態では、エンジンEの始動時、蓄熱容器15内に貯留されている冷却水の温度状態、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係が[B1]〜[B4]のいずれかの条件に該当することに基づいて、冷却水循環態様[5]に準じた態様をもって冷却水の循環を行うようにしている。これにより、エンジンEの冷間始動/暖機途上始動時、蓄熱容器15内に貯留されている温水がエンジンE内に供給されるため、同エンジンEの暖機を促進させることができるようになる。
【0157】
(6)また、蓄熱容器15内に貯留されている温水がATFウォーマ14内に供給されるため、ATFの暖機促進もあわせて図ることができるようになる。
(7)また、駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったとき、電動ウォーターポンプ16を停止するようにしているため、エンジンE内に滞留していた低温の冷却水が蓄熱容器15内に貯留されることにより、より好適にエンジンEの暖機促進を図ることができるようになる。
【0158】
(8)本実施の形態では、エンジンEの始動後、蓄熱容器15を介することなく冷却水を循環させるようにしている。これにより、冷却水の循環量が減量されるため、エンジンEの始動状態が「冷間始動」及び「暖機途上始動」の場合にあっては、暖機の促進が図られるようになる。
【0159】
(9)本実施の形態では、ヒータ要求水温THwreqを、外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態に基づいて算出するようにしている。このように、車室内の環境や運転者の要求を反映してヒータ要求水温THwreqを算出しているため、ヒータ13Hの暖房性能を適切に確保することができるようになる。
【0160】
(10)本実施の形態では、ヒータ要求の有無を、外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態に基づいて、ヒータ要求があるか否かを判定するようにしている。このように、車室内の環境や運転者の要求を反映してヒータ要求の有無を判定しているため、ヒータ13Hの暖房性能を適切に確保することができるようになる。
【0161】
なお、上記第1の実施の形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1の実施の形態では、プレヒート処理が行われる場合は同処理が完了してからエンジンEの始動を開始する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、プレヒート処理をエンジンEの始動開始前から始動後の暖機中にかけて行う構成とすることもできる。また、エンジンEの始動後の暖機中に開始することもできる。
【0162】
(第2の実施の形態)
本発明を具体化した第2の実施の形態について、図28〜図31を参照して説明する。なお、本実施の形態における装置全体の構成は、前記第1の実施の形態の装置に準じた構成となっているため、重複する説明を割愛する。
【0163】
本実施の形態は、先の実施の形態におけるエンジン冷却装置制御処理(図11〜図23)を以下のように変更して行う構成となっている。
図28を参照して、本実施の形態のエンジン冷却装置制御処理の全体構成について説明する。
【0164】
本制御は、エンジンEの始動要求に応じて開始され、
[A]「制御モード選択処理(図29)」
[B]「プレクール処理(図22)」
[C]「エンジン始動処理(図23)」
これら[A]〜[C]の処理を順次実行する([B]については実行条件が満たされているときのみ実行する)。
【0165】
制御モード選択処理においては、
[a]「ヒータ要求判定処理(図14)」
[b]「エンジン始動状態判定処理(図30)」
[c]「プレクール判定処理(図17)」
これら[a]〜[c]の処理を通じてエンジンEの制御モードが選択されるとともに、同選択されたモードに対応して冷却水循環回路の切り替えが行われる。
【0166】
即ち、本実施の形態のエンジン冷却装置制御処理は、エンジンEの始動時、制御モード選択処理を通じてプレクール処理を行う必要があるか否かを判定するとともに、同判定結果に応じてプレクール処理を行う制御態様となっている。
【0167】
以下、図29〜図31を参照して、制御モード選択処理の詳細な制御態様について説明する。
〔制御モード選択処理〕
図29を参照して、制御モード選択処理について説明する。本処理は、システムスイッチS6を通じてエンジンEの始動要求が検出されたときに開始され、以下に説明するステップT100〜T600の処理が一通り行われた後、終了される。
【0168】
[ステップT100]ヒータ13Hに対する駆動要求(ヒータ要求)を判定するヒータ要求判定処理を開始する。なお、同処理は、前記第1の実施の形態におけるヒータ要求判定処理(図14)に準じた態様をもって行われる。
【0169】
上記ヒータ要求判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
[ステップT200]エンジンEの暖機状態を判定するエンジン始動状態判定処理(図30)を開始する。
【0170】
[ステップT201]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上であるか否かを判定する。即ち、下記条件
THw1≧THwh
が満たされるか否かを判定する。
【0171】
[ステップT202]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上のとき、エンジンEの始動状態が「高温再始動」である旨判定する。
[ステップT203]エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満のとき、エンジンEの始動状態が「通常始動」である旨判定する。
【0172】
上記始動状態判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
[ステップT300]エンジン始動状態判定処理を通じて、エンジンEの始動状態が「高温再始動」である旨判定されているときは、プレクール判定処理を開始する。なお、同処理は、前記第1の実施の形態におけるプレクール判定処理(図17)に準じた態様をもって行われる。
【0173】
上記プレクール判定処理が終了した後、制御モード選択処理へ復帰する。
[ステップT400]上記各処理を通じて得られた各判定結果を制御モード選択マップ(図30)に適用して、エンジン冷却装置1の制御モードを決定する。即ち、以下に示す態様をもって制御モードの選択が行われる。
【0174】
上記各判定結果(ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレクールフラグexPC)が以下の条件[E1]及び[E2]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「プレクールモード」を選択する。
[E1]ヒータ要求フラグexHCが「オン」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オン」。
[E2]ヒータ要求フラグexHCが「オフ」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オン」。
【0175】
上記各判定結果(ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレクールフラグexPC)が以下の条件[F1]及び[F2]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「ヒータ優先モード」を選択する。
[F1]ヒータ要求フラグexHCが「オン」、エンジン始動状態が「通常始動」。
[F2]ヒータ要求フラグexHCが「オン」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オフ」。
【0176】
上記各判定結果(ヒータ要求フラグexHC、エンジン始動状態、プレクールフラグexPC)が以下の条件[G1]及び[G2]のいずれかに該当するとき、エンジン冷却装置1の制御モードとして「待機モード」を選択する。
[G1]ヒータ要求フラグexHCが「オフ」、エンジン始動状態が「通常始動」。
[G2]ヒータ要求フラグexHCが「オフ」、エンジン始動状態が「高温再始動」、プレクールフラグexPCが「オフ」。
【0177】
[ステップT500]3方弁切替位置選択マップ(図19)を通じて、制御モードに対応した3方弁22の切替位置を選択する。即ち、
[a]制御モードが待機モードのとき、基本切替位置XBを選択する。
[b]制御モードがヒータ優先モードのとき、第1切替位置X1を選択する。
[c]制御モードがプレクールモードのとき、第2切替位置X2あるいは第3切替位置X3を選択する。
といった態様をもって3方弁22の切替位置が選択される。
【0178】
[ステップT600]3方弁22の切替位置をステップT500の処理により選択された切替位置に設定する3方弁切替制御を実行して本処理を終了する。これにより、
[a]制御モードが待機モードのとき、ヒータ回路が有効となる。
[b]制御モードがヒータ優先モードのとき、ヒータ閉回路が有効となる。
[c]制御モードがプレクールモードのとき、蓄熱回路あるいは第3循環回路が有効となる。
といったように、各制御モードに対応して冷却水の循環回路が選択される。
【0179】
このように、制御モード選択処理を通じて、ヒータ要求、エンジン始動時の暖機状態、及びエンジン水温と蓄熱容器水温との大小関係に応じてエンジン冷却装置1の制御モードが決定される。
【0180】
上記制御モード選択処理が終了した後、選択された制御モードに対応した処理を実行する。
プレクールモードが選択されているとき、プレクール処理を実行する。なお、同処理は、前記第1の実施の形態におけるプレクール処理(図22)に準じた態様をもって行われる。
【0181】
ヒータ優先処理が選択されているとき、ヒータ優先処理を実行する。なお、同処理は、前記第1の実施の形態におけるヒータ優先処理(図20)に準じた態様をもって行われる。
【0182】
待機モードが選択されているとき及び上記各処理が終了したときは、エンジン始動処理を開始する。なお、同処理は、前記第1の実施の形態のエンジン始動処理(図23)に準じた態様をもって行われる。
【0183】
以上詳述したように、この第2の実施の形態にかかるエンジンの冷却装置によれば、先の第1の実施の形態による前記(1)、(2)及び(8)〜(10)の効果に準じた効果が得られるようになる。
【0184】
なお、上記第2の実施の形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2の実施の形態では、制御モード選択処理(図29)において、プレクール判定処理(図17)を行う構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、制御モード選択処理においてプレクール判定処理を行わないとともに、エンジンEの始動状態が「高温再始動」であれば、制御モードとしてプレクールモードを選択する構成とすることもできる。
【0185】
(その他の実施の形態)
その他、上記各実施の形態に共通する変更可能な要素としては、次のようなものがある。
【0186】
・上記各実施の形態では、プレクール処理においてエンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満とならない場合であっても、電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上となったときに電動ウォーターポンプ16を停止する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh未満となるまで、電動ウォーターポンプ16による冷却水の循環を継続することもできる。また、エンジン水温THw1が過熱判定温度THwh以上であり、電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX未満であっても、エンジンEの始動条件が成立するような場合には、同条件が成立した時点で電動ウォーターポンプ16を停止することもできる。
【0187】
・上記各実施の形態では、「電動ウォーターポンプ16の駆動時間Tpmが所定の駆動時間TpmX以上になった」という条件に基づいて電動ウォーターポンプ16を停止する構成としたが、同条件を「エンジンEの始動条件が成立した」といった条件に変更することも可能である。
【0188】
・上記各実施の形態では、エンジンEの始動要求が検出されるとともにエンジン冷却装置制御処理を開始する構成としたが、同処理の開始時期は、エンジンEの始動要求が検出されてからエンジンEが始動されるまでの間であれば適宜変更可能である。
【0189】
・上記各実施の形態では、「イグニッションスイッチの切替位置が「ON」となった」あるいは「車両のドア開閉スイッチを通じてドアが開かれた」といった条件に基づいてエンジンEの始動要求を検出することが可能であるとしたが、始動要求の検出は上記実施の形態にて例示した条件に限られず適宜の条件に基づいて判定することができる。
【0190】
・上記各実施の形態では、「イグニッションスイッチの切替位置が「START」となった」といった条件に基づいてエンジンEの始動条件の成立を検出することが可能であるとしたが、始動条件の成立は上記実施の形態にて例示した条件に限られず適宜の条件に基づいて判定することができる。
【0191】
・上記各実施の形態では、「外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態」に基づいてヒータ要求があるか否かを判定する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、上記各パラメータのうちの適宜のパラメータに基づいてヒータ要求があるか否かを判定することもできる。
【0192】
・上記各実施の形態では、「外気の温度、日射量、車室内の温度、車室内の湿度、デフォッガースイッチのON/OFF状態、及び空調の設定状態」に基づいてヒータ要求水温THwreqを算出する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、上記各パラメータのうちの適宜のパラメータに基づいてヒータ要求水温THwreqを算出することもできる。
【0193】
・上記各実施の形態では、蓄熱容器水温センサS4を通じて蓄熱容器水温THw4を検出する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、エンジンEの停止時間(ソークタイム)、外気温度THa、及び冷却水を蓄熱容器15内に貯留した際のエンジン水温THw1に基づいて、蓄熱容器15内の冷却水の温度を推定することもできる。
【0194】
・上記各実施の形態では、エンジン冷却装置制御処理の一環として、エンジン始動処理(図23)を行う構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、エンジン始動処理をエンジン冷却装置制御処理から除外するとともに、同制御処理とは格別に行うこともできる。
【0195】
・上記各実施の形態では、第9冷却通路R9、第7冷却通路R7、第6冷却通路R6及び第8冷却通路R8によりヒータ閉回路が構成される冷却装置を想定したが、ヒータ閉回路の構成は上記各実施の形態にて例示した構成に限られず、適宜の構成を採用することができる。要するに、エンジンEを介することなく且つ蓄熱容器15及びヒータコア13を介して冷却水を循環させることができる回路構成であれば、ヒータ閉回路の構成は適宜変更可能である。
【0196】
・上記各実施の形態では、第2冷却通路R2、第8冷却通路R8、第9冷却通路R9、第7冷却通路R7及び第10冷却通路R10により蓄熱回路が構成される冷却装置を想定したが、蓄熱回路の構成は上記各実施の形態にて例示した構成に限られず、適宜の構成を採用することができる。要するに、エンジンE及び蓄熱容器15を介して冷却水を循環させることができる回路構成であれば、蓄熱回路の構成は適宜変更可能である。
【0197】
・上記各実施の形態では、蓄熱容器水温センサS4を蓄熱容器15の出口側に接続されている冷却水の流通管(第10冷却通路R10)に設ける構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、蓄熱容器15内に蓄熱容器水温センサS4を設けることもできる。
【0198】
・上記各実施の形態では、流量制御弁21を通じてラジエータ12への冷却水の供給量を調整する構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、流量制御弁21に換えて、サーモスタットを用いることもできる。
【0199】
・上記各実施の形態では、第7冷却通路R7と第1冷却通路R1とをATFウォーマ14を介して接続する冷却水の通路として第10冷却通路R10を構成したが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、第7冷却通路R7と第1冷却通路R1とをATFウォーマ14を介することなく接続する冷却水の通路として第10冷却通路R10を構成することもできる。
【0200】
・上記各実施の形態では、制御弁として3方弁22を採用するとともに、同3方弁22の制御を通じて冷却水の循環回路を選択的に切り替える構成としたが、例えば次のように変更することも可能である。即ち、開閉弁あるいは流量制御弁を適宜の冷却水通路に設けるとともに、この設けられた弁の制御を通じて冷却水の循環回路を選択的に切り替える構成とすることもできる。
【0201】
・上記各実施の形態では、図1に例示したエンジン冷却装置1を想定して本発明を具体化したが、エンジン冷却装置の構成は同実施の形態にて例示した構成に限られず適宜の構成を採用することが可能である。要するに、冷却水の循環回路として、エンジンを介さずに、且つ蓄熱容器及びヒータコアを介して冷却水を循環させる循環回路(ヒータ閉回路)と、エンジン及び蓄熱容器を介して冷却水を循環させる循環回路(蓄熱回路)とを備えるエンジンの冷却装置であれば任意の構成の冷却装置を採用することができる。
【0202】
・上記各実施の形態では、エンジン冷却装置制御処理を通じて、エンジンEの始動時におけるエンジン冷却装置1の制御を行う構成としたが、エンジン冷却装置制御処理の構成は同実施の形態にて例示した構成に限られるものではない。要するに、エンジンの始動時、ヒータ要求があるときに冷媒の循環回路をヒータ閉回路に切り替え、ヒータ要求がある場合であってもエンジンを冷却する冷却水の温度が過熱判定温度以上のときには冷却水の循環回路を蓄熱回路に切り替える構成であれば、制御態様は適宜変更可能である。
【0203】
以上の事項も含めて、最後に、この発明にかかるエンジンの冷却装置は次のような技術思想を含むものであることを付記しておく。
(1)請求項3記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記第2循環回路を通じて前記冷媒の循環を行っているとき、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記所定の温度以上であっても前記冷媒の循環の実行期間が所定の期間を超えたときには該冷媒の循環を終了することを特徴とするエンジンの冷却装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジンの冷却装置を具体化した第1の実施の形態について、装置全体の構成を模式的に示す略図。
【図2】同実施の形態における3方弁及び流量制御弁の制御態様を示す図。
【図3】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン暖機中の基本循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図4】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン暖機完了後の基本循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図5】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン停止中の第1循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図6】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン運転中の第1循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図7】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン停止中の第2循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図8】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン運転中の第2循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図9】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン停止中の第3循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図10】同実施の形態のエンジン冷却装置について、エンジン運転中の第3循環態様における冷却水の流れを示す図。
【図11】同実施の形態にて行われるエンジン冷却装置制御処理の全体構成を示すフローチャート。
【図12】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われる制御モード選択処理を示すフローチャート。
【図13】同実施の形態の制御モード選択処理において行われる蓄熱状態判定処理を示すフローチャート。
【図14】同実施の形態の制御モード選択処理において行われるヒータ要求判定処理を示すフローチャート。
【図15】同実施の形態の制御モード選択処理において行われるエンジン始動状態判定処理を示すフローチャート。
【図16】同実施の形態の制御モード選択処理において行われるプレヒート判定処理を示すフローチャート。
【図17】同実施の形態の制御モード選択処理において行われるプレクール判定処理を示すフローチャート。
【図18】同実施の形態の制御モード選択処理にて用いられる制御モード選択マップ。
【図19】同実施の形態の制御モード選択処理にて用いられる3方弁切替位置選択マップ。
【図20】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われるヒータ優先処理を示すフローチャート。
【図21】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われるプレヒート処理を示すフローチャート。
【図22】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われるプレクール処理を示すフローチャート。
【図23】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われるエンジン始動処理を示すフローチャート。
【図24】同実施の形態のエンジン冷却装置について、ヒータ優先モードによるエンジン始動時の制御態様を示すタイミングチャート。
【図25】同実施の形態のエンジン冷却装置について、プレヒートモードによるエンジン始動時の制御態様を示すタイミングチャート。
【図26】同実施の形態のエンジン冷却装置について、プレクールモードによるエンジン始動時の制御態様を示すタイミングチャート。
【図27】同実施の形態のエンジン冷却装置について、待機モードによるエンジン始動時の制御態様を示すタイミングチャート。
【図28】本発明にかかるエンジンの冷却装置を具体化した第2の実施の形態について、同実施の形態にて行われるエンジン冷却装置制御処理の全体構成を示すフローチャート。
【図29】同実施の形態のエンジン冷却装置制御処理において行われる制御モード選択処理を示すフローチャート。
【図30】同実施の形態の制御モード選択処理において行われるエンジン始動状態判定処理を示すフローチャート。
【図31】同実施の形態の制御モード選択処理にて用いられる制御モード選択マップ。
【符号の説明】
E…エンジン、1…エンジン冷却装置、11…ウォーターポンプ、12…ラジエータ、13…ヒータコア、13H…ヒータ、14…ATFウォーマ、15…蓄熱容器、16…電動ウォーターポンプ、21…流量制御弁、22…3方弁、P1…第1ポート、P2…第2ポート、P3…第3ポート、3…電子制御装置(ECU)、S1…エンジン水温センサ、S2…ヒータリターン水温センサ、S3…ラジエータ水温センサ、S4…蓄熱容器水温センサ、S5…外気温度センサ、S6…システムスイッチ、R1…第1冷却通路、R2…第2冷却通路、R3…第3冷却通路、R4…第4冷却通路、R5…第5冷却通路、R6…第6冷却通路、R7…第7冷却通路、R8…第8冷却通路、R9…第9冷却通路、R10…第10冷却通路。

Claims (3)

  1. エンジンの本体を冷却する冷媒を循環させるための循環回路を複数有するとともに、前記冷媒を保温しつつ貯留する蓄熱容器と、前記冷媒とヒータを通じて流通する車室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコアと、前記冷媒の循環回路を切り替える制御弁とを備え、前記冷媒の循環回路として、前記エンジンの本体を介さず且つ前記蓄熱容器及び前記ヒータコアを介して前記冷媒を循環させる第1循環回路と、前記エンジンの本体及び前記蓄熱容器を介して前記冷媒を循環させる第2循環回路とを含めて構成されたエンジンの冷却装置において、
    前記エンジンの始動時、前記ヒータに対する駆動要求があるときは前記制御弁の制御を通じて前記冷媒の循環回路を前記第1循環回路に切り替える一方、前記ヒータに対する駆動要求があったとしても前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が所定の温度よりも高いときには前記制御弁の制御を通じて前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替える制御手段を備えた
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  2. 請求項1記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記エンジンの始動時、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記所定の温度よりも高いときには該冷媒の温度と前記蓄熱容器内の冷媒の温度との比較結果に基づいて前記制御弁の制御を行い、該制御弁の制御においては、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いことを条件に前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替える
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
  3. 請求項2記載のエンジンの冷却装置において、前記制御手段は、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記蓄熱容器内の冷媒の温度よりも高いことに基づいて前記冷媒の循環回路を前記第2循環回路に切り替えたとき、前記エンジンの本体を冷却する冷媒の温度が前記所定の温度未満となるまで前記第2循環回路を通じて前記冷媒の循環を行う
    ことを特徴とするエンジンの冷却装置。
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