JP2004285843A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オイルを循環させるためのオイル通路10,12,13と、オイルからの熱の放出を抑制しつつ該オイルを貯留可能なオイル蓄熱・貯留手段7とを具備する。内燃機関の運転の停止後であって該内燃機関の始動前にオイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルの一部を上記オイル通路内に循環させ、内燃機関の始動時に上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されている残りのオイルを上記オイル通路内に循環させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関が始動されてから或る時間が経過するまで(以下「機関始動中」と称す)は、内燃機関全体の温度が低く、内燃機関の燃焼室内での燃焼が良好なものとは言えず、したがって、例えば、燃焼室内でスモークが発生してしまう。そこで、特許文献1記載のオイル循環装置では、内燃機関の運転(以下「機関運転」と称す)中に高温となった内燃機関潤滑用のオイルを機関運転が停止されたとき(以下「機関停止時」と称す)に保温タンクに貯留しておく。そして、内燃機関が始動されたとき(以下「機関始動時」と称す)に保温タンク内の比較的高温のオイルを内燃機関内に循環させることによって、内燃機関全体の温度(以下「機関温度」と称す)を速やかに上昇させ、機関始動中においても燃焼室内での燃料を良好ならしめるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−174106号公報
【特許文献2】
特開2002−188422号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、特許文献1記載のオイル循環装置によれば、機関始動時に比較的高温のオイルを内燃機関内に循環させるので、機関温度は比較的速やかに上昇すると考えられる。しかしながら、機関始動時にオイルが通されるオイル通路の壁面の温度が低く、オイル通路内を流れるオイルの熱がオイル通路の壁面に奪われてしまう。したがって、機関始動時に機関温度を速やかに或る一定の温度にまで上昇させるという観点では、特許文献1記載のオイル循環装置にも改善の余地がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は機関始動時に機関温度を速やかに所定の温度にまで上昇させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、1番目の発明では、オイルを循環させるためのオイル通路と、オイルからの熱の放出を抑制しつつ該オイルを貯留可能なオイル蓄熱・貯留手段とを具備する内燃機関において、該内燃機関の運転の停止後であって該内燃機関の始動前に上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルの一部を上記オイル通路内に循環させる一部オイル循環制御を実行し、且つ、当該内燃機関の始動時に上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されている残りのオイルを上記オイル通路内に循環させる残オイル循環制御を実行するオイル循環制御手段を具備する。ここで、オイル蓄熱・貯留手段は、後述する本発明の実施形態では、蓄熱タンクに相当する。
2番目の発明では、1番目の発明において、上記オイル蓄熱・貯留手段とは別にオイルを貯留可能なオイル貯留手段を具備し、上記オイル蓄熱・貯留手段の断熱特性が該オイル貯留手段の断熱特性よりも高い。ここで、オイル貯留手段は、後述する本発明の実施形態では、オイルパンに相当する。
3番目の発明では、1または2番目の発明において、内燃機関が始動されることを予測する機関始動予測手段を具備し、上記オイル循環制御手段は該機関始動予測手段によって内燃機関が始動されることが予測されたときに上記一部オイル循環制御を実行する。
4番目の発明では、3番目の発明において、内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は運転手が車両に乗り込んだことをもって内燃機関が始動されると予測する。
5番目の発明では、3番目の発明において、内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は車両の予め定められたドアが開かれたことをもって内燃機関が始動されると予測する。
6番目の発明では、3番目の発明において、内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は車両の予め定められたドアの施錠が解除されたことをもって内燃機関が始動されると予測する。
7番目の発明では、3番目の発明において、内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は運転手が車両の座席に着座したことをもって内燃機関が始動されると予測する。
8番目の発明では、3番目の発明において、上記機関始動予測手段は内燃機関のクランクシャフトを回転させるスタータモータを始動させるために操作されるキーシリンダ内にキーが差し込まれたことをもって内燃機関が始動されると予測する。
9番目の発明では、1〜8番目の発明のいずれか1つにおいて、上記オイル循環制御手段は一部オイル循環制御を開始してから予め定められた時間が経過したときに該一部オイル循環制御を終了する。
10番目の発明では、1〜8番目の発明のいずれか1つにおいて、上記オイル循環制御手段は一部オイル循環制御を開始してから上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルのうち予め定められた量のオイルが上記オイル通路内に循環せしめられたときに該一部オイル循環制御を終了する。
11番目の発明では、1〜8番目の発明のいずれか1つにおいて、上記オイル通路が内燃機関のピストン内部を通って形成されており、上記一部オイル循環制御が開始されると上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルの一部が該ピストン内部を通るオイル通路内に循環せしめられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の1つの実施形態におけるオイル循環システムの一部を示している。図1において、1は内燃機関内を潤滑するためのオイル(以下、単に「オイル」と称す)を貯留するために内燃機関の本体(図示せず)下方に配置されるオイルパン、2はオイルパン1内のオイルを汲み上げて吐出するオイルポンプ(以下「メインポンプ」と称す)、3はメインポンプ2から吐出されるオイルを濾過してオイル中の不純物を捕集するオイルフィルタ(以下、単に「フィルタ」と称す)をそれぞれ示している。
【0008】
メインポンプ2は如何なるタイプのポンプでもよく、例えば、内燃機関の運転(以下「機関運転」)中に内燃機関の出力(機械的な出力や電気的な出力)を駆動源として利用して作動せしめられるタイプのポンプや、機関運転中でなくても内燃機関とは別の駆動源を利用して作動せしめられるタイプのポンプである。
【0009】
オイルパン1の内部空間からはオイル管4が延びている。メインポンプ2およびフィルタ3はこのオイル管(以下「メインオイル管」と称す)4に配置されている。図示した実施形態では、メインオイル管4はフィルタ3下流において分岐している。分岐した一方のオイル管(以下「第1オイル分岐管」と称す)5は、内燃機関の各種部品内に形成されたオイル通路であるメインギャラリ(図示せず)に通じる。一方、分岐した他方のメインオイル管(以下「第2オイル分岐管」と称す)6は蓄熱タンク7に通じる。蓄熱タンク7はオイルからの熱の放出を抑制しつつオイルを貯留可能である。また、蓄熱タンク7の断熱特性はオイルパン1の断熱特性よりも高い。
【0010】
第2オイル分岐管6にはその管路を閉鎖したり開放したりする弁8が配置されている。この弁8は第2オイル分岐管6の管路を閉鎖したり開放したりできれば如何なるタイプの弁であってもよく、例えば、電磁ソレノイドからの駆動力によって開弁せしめられ或いは閉弁せしめられるタイプの弁である。本実施形態では、この電磁ソレノイドからの駆動力によって開弁せしめられ或いは閉弁せしめられるタイプの弁が採用されており、以下、この弁を「電磁弁」と称す。
【0011】
メインポンプ2の作動中に電磁弁8が開弁されれば、オイルパン1内のオイルが蓄熱タンク7に供給される。一方、電磁弁8が閉弁されれば、オイルパン1から蓄熱タンク7へのオイルの供給は停止される。
【0012】
図1において、9は蓄熱タンク7内のオイルを汲み上げ吐出するオイルポンプ(以下「サブポンプ」と称す)を示している。サブポンプ9は機関運転中でなくても内燃機関とは別の駆動源を利用して作動せしめられるタイプのポンプであれば如何なるタイプのポンプでもよく、例えば、バッテリに蓄えられている電力によって作動せしめられるタイプのポンプである。
【0013】
蓄熱タンク7の内部空間からもオイル管10が延びている。サブポンプ9はこのオイル管(以下「サブオイル管」と称す)10に配置されている。サブオイル管はシリンダブロック(図2参照)11内に形成されたサブオイルギャラリ(すなわち、オイル通路)12に通じる。サブオイルギャラリ12には4つのオイルジェット13が接続されている。各オイルジェット13は対応するピストン(図1では、4つ)14に向かってオイルを噴射する。
【0014】
図2に示したように、ピストン14内には、オイルを循環させるためのオイル通路15が形成されている。このオイル通路15には、オイル入口16とオイル出口17とが接続されている。オイルジェット13から噴射されたオイルはオイル入口16を介してオイル通路15内に流入し、このオイル通路15内を循環する。また、オイル通路15内を循環するオイルは、オイル出口17を介してこのオイル通路15から流出し、オイルパン1に戻る。
【0015】
オイル通路15は、その中を循環するオイルによって、燃焼室18を画成するピストン上壁面19近傍の部分を所望通りに暖めることができれば如何なる構成でもよいが、例えば、ピストン上壁面19に形成されたキャビティ20内にて燃料が燃焼するタイプである場合には、このキャビティ20の大部分を覆うように該キャビティ20近傍に形成されるのが好ましい。
【0016】
ところで、内燃機関が始動されてから(すなわち、クランキングが開始されてから)或る一定の時間が経過するまで(以下「機関始動中」と称す)を除いた機関運転中は、内燃機関全体の温度(以下「機関温度」と称す)は高い。したがって、機関始動中を除いた機関運転中は、燃焼室18内での燃焼は良好に行われていると言える。ところが、機関運転が停止されると、機関温度は徐々に低下し、機関運転の停止が長期間に亘ると、機関温度は大気温にまで低下してしまう。
【0017】
したがって、機関運転が停止されてから短時間のうちに内燃機関が始動される場合を除いて、一般的に、内燃機関が始動されたとき(以下「機関始動時」と称す)には、機関温度は低い。したがって、機関始動中は、燃焼室18内での燃焼は良好に行われているとは言えず、例えば、燃焼室18内にてスモークが発生してしまう。
【0018】
そこで、本実施形態では、機関始動中に燃焼室18内で燃焼を良好に行わせるために、以下で説明する制御を実行する。
【0019】
すなわち、本実施形態では、メインポンプ2として機関運転中に内燃機関の出力を駆動源として利用して作動せしめられるタンクのポンプが採用されている場合には、機関始動中を除く機関運転中(好ましくは、機関運転が完全に停止される直前(すなわち、メインポンプ2が作動している間))に、メインポンプ2を作動させた状態で電磁弁8を開弁してオイルパン1から蓄熱タンク7にオイルを供給する。一方、メインポンプ2として機関運転中でなくても内燃機関とは別の駆動源を利用して作動せしめられるタイプのポンプが採用されている場合には、機関始動中を除く機関運転中(好ましくは、機関運転が完全に停止される直前)または機関運転停止後(好ましくは、機関運転が完全に停止された直後)に、メインポンプ2を作動させた状態で電磁弁8を開弁してオイルパン1から蓄熱タンク7にオイルを供給する。
【0020】
以上を一般的に表現すれば、本実施形態では、オイルパン1内のオイルの温度が高いうちに、オイルパン1内のオイルを蓄熱タンク7に供給すると言える。これによれば、蓄熱タンク7内には高温のオイルが貯留されることになる。そして、蓄熱タンク7内のオイルの量が予め定められた量に達したときに電磁弁8を閉弁してオイルパン1から蓄熱タンク7へのオイルの供給を停止する。もちろん、機関運転の停止後にメインポンプ2を作動させてオイルパン1から蓄熱タンク7へオイルを供給した場合には、メインポンプ2の作動も停止する。
【0021】
そして、本実施形態では、次の機関運転の始動(以下「機関始動」と称す)前に、機関運転が始動されることを予測し、機関始動が予測されたときには、サブポンプ9を作動させて、蓄熱タンク7内のオイルを各オイルジェット13から対応するピストン14に向かって噴射する。
【0022】
上述したように、蓄熱タンク7内には高温のオイルが貯留され、そして、蓄熱タンク7はオイルからの熱の放出を抑制しつつオイルを貯留可能であるので、機関始動が予測されたときにオイルジェット13から噴射されるオイルの温度は比較的高い。したがって、これにより、蓄熱タンク7から延びるサブオイル管10からオイルジェット13までオイル通路を画成する壁面(以下「オイル通路壁面」と称す)の温度が上昇せしめられる。すなわち、本実施形態によれば、機関始動前にサブオイル管10からオイルジェット13までのオイル通路壁面の温度が上昇せしめられる。また、オイルジェット13から噴射されたオイルがピストン14のオイル通路15内に流入した場合には、ピストン14のオイル通路15を画成する壁面(オイル通路壁面)の温度も上昇せしめられる。
【0023】
そして、蓄熱タンク7内のオイルをオイルジェット13から噴射し始めてから予め定められた時間が経過したときに、サブポンプ9の作動を停止する。ここで、予め定められた時間は、蓄熱タンク7内のオイルの一部のみがオイルジェット13から噴射される時間に設定される。すなわち、本実施形態では、機関始動前においては、蓄熱タンク7内のオイルのうち一部のオイルのみがオイルジェット13から噴射される。したがって、こうした観点では、上記予め定められた時間が経過したときにサブポンプ9の作動を停止する代わりに、蓄熱タンク7内のオイルをオイルジェット13から噴射し始めてから、蓄熱タンク7内のオイルのうち予め定められた量(もちろん、全量ではない量)のオイルがオイルジェット13から噴射されたときに、サブポンプ9の作動を停止するようにしてもよい。
【0024】
そして、本実施形態では、機関始動時にサブポンプ9を作動して、蓄熱タンク7内に残っているオイルをオイルジェット13から噴射し、ピストン14のオイル通路15に供給する。このとき、サブオイル管10からオイルジェット13までのオイル通路壁面の温度は既に上昇せしめられているので、こうしたオイル通路壁面にオイルの熱が奪われることは少ない。したがって、本実施形態によれば、機関始動時にオイルジェット13から高温のオイルを噴射することができるので、機関始動時に始めてオイルジェット13からオイルを噴射してピストン14のオイル通路15内に循環させる場合に比べて、ピストン14のオイル通路壁面の温度を速やかに上昇させることができる。したがって、これによれば、機関始動中において燃焼室18内にて燃焼が良好に行われ、スモークの発生が抑制される。
【0025】
なお、上述したように、機関始動を予測する手段としては、様々な手段が考えられる。例えば、本実施形態では、内燃機関が車両に搭載されている場合において、運転手が車両に乗り込んだことをもって、機関運転が始動されると予測される。あるいは、内燃機関が車両に搭載されている場合において、車両の予め定められたドアが開かれたこと、あるいは、車両の予め定められたドアの施錠が解除されたこと、あるいは、運転手が車両の座席に着座したことをもって機関運転が始動されると予測してもよい。あるいは、内燃機関のクランクシャフトを回転させるスタータモータを始動させるために操作されるキーシリンダ内にキーが差し込まれたことをもって、機関運転が始動されると予測してもよい。
【0026】
また、上述では、機関始動時にピストン14の温度を速やかに上昇させるために、機関始動前に蓄熱タンク7内のオイルの一部をオイルジェット13から噴射し、その後、機関始動時に蓄熱タンク7内の残りのオイルをオイルジェット13から噴射してピストン14のオイル通路15に供給する実施形態を例に挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されない。したがって、一般的に表現すれば、本発明は、内燃機関の部品のうち機関始動後に速やかに温度を上昇させるべき部品に蓄熱タンク7内のオイルを供給可能にオイル循環システムを構成し、この部品の温度を機関始動後に速やかに上昇させるためにも適用可能である。この場合、具体的には、機関始動前に蓄熱タンク7内のオイルの一部が上記部品に供給され(あるいは、上記部品に供給するためのオイル通路内に循環させ)、その後、機関始動時に、蓄熱タンク7内の残りのオイルが上記部品に供給される。
【0027】
図3および図4は、上述した実施形態におけるオイル循環制御を実行するためのルーチンの一例を示している。図3および図4のルーチンでは、始めに、ステップ10において、機関始動が予測されたか否かが判別される。ステップ10において、機関始動は予測されていないと判別されたときには、ルーチンは終了するが、機関始動が予測されたと判別されたときには、ルーチンはステップ11に進み、サブポンプ9が作動せしめられる。これにより、蓄熱タンク7内のオイルがオイルジェット13から噴射される。
【0028】
次いで、ルーチンはステップ12に進んで、ステップ11でサブポンプ9が作動され始まってから経過した時間Tが予め定められた時間T1を超えている(T≧T1)か否かが判別される。ステップ12において、T<T1であると判別されたときには、ルーチンはステップ16に進んで、機関運転が始動されたか否かが判別される。すなわち、ステップ16では、サブポンプ9が作動され始まってから予め定められた時間T1が経過する前に、機関運転が始動されたか否かが判別される。
【0029】
ステップ16において、機関運転が始動されたと判別されたときには、ルーチンはステップ20に進んで、機関運転が始動されてから経過した時間Tが予め定められた時間T2(ここでの予め定められた時間T2は上述した予め定められた時間T1と等しい時間でもよいし異なる時間でもよい)を超えている(T≧T2)か否かが判別される。ステップ20において、T<T2であると判別されたときには、ルーチンはステップ23に進んで時間Tがカウントアップされ(T←T+1)、再び、ステップ20に戻る。したがって、ステップ20において、T≧T2であると判別されるまで、ステップ23が繰り返され、サブポンプ9は作動された状態に維持される。
【0030】
ステップ20において、T≧T2であると判別されたときには、ルーチンはステップ21に進んで、時間Tがクリアされ(T←0)、次いで、ステップ22において、サブポンプ9の作動が停止される。
【0031】
一方、ステップ16において、機関運転は始動されていないと判別されたときには、ルーチンはステップ18に進んで、時間Tがカウントアップされ(T←T+1)、再び、ステップ12に戻る。したがって、ステップ12において、T≧T1であると判別されるまで、ステップ16とステップ18とが繰り返される。
【0032】
ステップ12において、T≧T1であると判別されたときには、ルーチンはステップ13に進んで、サブポンプ9の作動が停止され、次いで、ステップ14において、時間Tがクリアされ(T←0)、次いで、ステップ15において、機関運転が始動されたか否かが判別される。ステップ15では、機関運転が始動されたと判別されるまで、ステップ15の判定が繰り返され、機関運転が始動されたと判別されたときには、ルーチンはステップ19に進んで、サブポンプ9が作動され、次いで、ステップ20において、時間T(ルーチンがステップ13〜19を経由してステップ20に進んだときには、機関運転が始動されてから経過した時間であり、ステップ19にてサブポンプ9が作動され始まってから経過した時間)が予め定められた時間T2を超えている(T≧T2)か否かが判別される。
【0033】
そして、上述したように、ステップ20において、T<T2であると判別されたときには、ステップ23が繰り返されて時間Tがカウントアップされ、T≧T2であると判別されたときには、ステップ21において、時間Tがクリアされ、次いで、ステップ22において、サブポンプ9の作動が停止される。
【0034】
【発明の効果】
1番目の発明によれば、内燃機関の始動前に、オイル通路を画成する壁面およびその近傍の部分がオイルによって暖められているので、内燃機関が始動されたときには、オイル温度を高温に維持したままオイルをオイル通路内に循環させることができる。
4〜8番目の発明によれば、内燃機関の始動前に必ず生じる現象に基づいて、内燃機関の始動が予測され、これに基づいて、オイルがオイル通路内に循環せしめられるので、確実に、内燃機関の始動前に、オイルをオイル通路内に循環させることができる。
9および10番目の発明によれば、内燃機関が始動されたときにオイル通路内を循環させるための高温のオイルをオイル蓄熱・貯留手段によって確実に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施形態のオイル循環システムの全体図である。
【図2】図1に示したオイル循環システムのうちピストンおよびその周辺の部分を示した断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態のオイル循環制御を実行するためのルーチンの一例を示すフローチャートの一部である。
【図4】本発明の1つの実施形態のオイル循環制御を実行するためのルーチンの一例を示すフローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…オイルパン
2…メインポンプ
7…蓄熱タンク
8…電磁弁
9…サブポンプ
13…オイルジェット
14…ピストン
15…ピストンのオイル通路
18…燃焼室
20…キャビティ
Claims (11)
- オイルを循環させるためのオイル通路と、オイルからの熱の放出を抑制しつつ該オイルを貯留可能なオイル蓄熱・貯留手段とを具備する内燃機関において、該内燃機関の運転の停止後であって該内燃機関の始動前に上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルの一部を上記オイル通路内に循環させる一部オイル循環制御を実行し、且つ、当該内燃機関の始動時に上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されている残りのオイルを上記オイル通路内に循環させる残オイル循環制御を実行するオイル循環制御手段を具備することを特徴とする内燃機関。
- 上記オイル蓄熱・貯留手段とは別にオイルを貯留可能なオイル貯留手段を具備し、上記オイル蓄熱・貯留手段の断熱特性が該オイル貯留手段の断熱特性よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 内燃機関が始動されることを予測する機関始動予測手段を具備し、上記オイル循環制御手段は該機関始動予測手段によって内燃機関が始動されることが予測されたときに上記一部オイル循環制御を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
- 内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は運転手が車両に乗り込んだことをもって内燃機関が始動されると予測することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
- 内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は車両の予め定められたドアが開かれたことをもって内燃機関が始動されると予測することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
- 内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は車両の予め定められたドアの施錠が解除されたことをもって内燃機関が始動されると予測することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
- 内燃機関が車両に搭載されており、上記機関始動予測手段は運転手が車両の座席に着座したことをもって内燃機関が始動されると予測することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
- 上記機関始動予測手段は内燃機関のクランクシャフトを回転させるスタータモータを始動させるために操作されるキーシリンダ内にキーが差し込まれたことをもって内燃機関が始動されると予測することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関。
- 上記オイル循環制御手段は一部オイル循環制御を開始してから予め定められた時間が経過したときに該一部オイル循環制御を終了することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 上記オイル循環制御手段は一部オイル循環制御を開始してから上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルのうち予め定められた量のオイルが上記オイル通路内に循環せしめられたときに該一部オイル循環制御を終了することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関。
- 上記オイル通路が内燃機関のピストン内部を通って形成されており、上記一部オイル循環制御が開始されると上記オイル蓄熱・貯留手段によって貯留されているオイルの一部が該ピストン内部を通るオイル通路内に循環せしめられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の内燃機関。
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JP2009079583A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-04-16 | Aisin Seiki Co Ltd | 内燃機関用潤滑装置の運転方法及び内燃機関用潤滑装置 |
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JP2009079583A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-04-16 | Aisin Seiki Co Ltd | 内燃機関用潤滑装置の運転方法及び内燃機関用潤滑装置 |
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