JP2004285816A - 柱の継手構造とそれに用いる接合部材 - Google Patents

柱の継手構造とそれに用いる接合部材 Download PDF

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Takehiko Terada
岳彦 寺田
Shinichi Sakamoto
真一 坂本
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Abstract

【課題】柱の継手から相互間の接合溶接を削減して建物使用後の解体時にガス切断を不要もしくは低減させることで柱部材をそのまま再利用できるようにした柱の継手構造とそれに用いる接合部材を提供する。
【解決手段】本発明による柱の継手構造1は、上端部位の内面に所定数のねじ孔8を備える接合板24を固着して成る下節柱23と、下端部位に所定数の遊孔7を備える上節柱3、もしくは下端部位に所定数の遊孔7を備える上節柱3と両柱端の間に配置されて成る水平板4に対して各柱端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔8を設けて成る鉛直板6及び接合板もしくは鉛直板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルト5から構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱の継手構造とそれに用いる水平板に関し、特に、柱の継手から相互間の接合溶接を削減させて建物の使用後の解体にガス切断を不要もしくは低減させることで、柱部材をそのまま再利用できる柱の継手構造とそれに用いる接合部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼構造建物における鋼管柱の継手は、下節柱の上部と上節柱の下部に取り付けられたエレクションピースによって固定しながら柱相互を溶接するのが一般的であったので、溶接した後の柱は、柱から突出しているエレクションピースをガスで切断する作業が必要であり、建物使用後の解体においては、柱継手を溶接によって構成しているために、柱をガス等で切断する必要があり、柱部材のそのままの再利用が困難であった。
【0003】
そこで、一部には鋼構造建物における鋼管柱を、H型鋼のように摩擦接合による接合工法も提案されているが、取り出し溝を加工したテイクアウトボルト、テイクアウトボルト用のねじ孔を設けて柱内部に予め配置する内側添え板、外側添え板及びナットを要することのように、施工に用いる部材数の多岐さと、施工に際しては、テイクアウトボルトを内側添え板のねじ孔に螺着させて柱内部に予め設置して置き、柱の設置後にはこれを捻じり出す操作が必要なことや突出されたテイクアウトボルトに外側添え板を添えてナットで固着させる等の煩雑さにおいて実用化されていなかった。(例えば、特許文献1を参照)
【0004】
同様に、鋼構造建物における柱梁接合部にあっても、柱梁接合部内に柱継手を設けずに接合箇所を多くしていると共に、殆どを溶接で構成するのが一般的であったことから、溶接で固められている柱梁接合部は、建物使用後の解体において、ガス等で柱や梁を切断する必要があり、柱・梁部材をそのままの状態で再利用することが困難であった。(例えば、特許文献2を参照)
【0005】
これらの対応策として、下階の角型鋼管柱上に接合金物を設けて置き、この接合金物に上階の角型鋼管柱と鉄骨梁とを溶接によらずに固定しようとする提案も成されている。
【0006】
本提案では、下階の角型鋼管柱上に予め溶接してある接合金物に上階の角型鋼管柱を半分だけ外嵌させて接合金物の中間支持面で止めして置き、しかる後に鉄骨梁の端部に溶接固定されたエンドプレートの下端を下階の角型鋼管柱に設けられたフランジ部で支持させながら、鉄骨梁のエンドプレートと上下階の各角型鋼管柱とを接合用の高力ボルトで接合金物の螺子孔に螺着させて一体に固定している。(例えば、特許文献3を参照)
しかるに、本提案は、下階の角型鋼管柱上に特別な接合金物を溶接しているために柱・梁接合部を二重にすることで余分のコストを要するという問題点を抱えている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−144720号(段落記号「0006」、図3、)
【特許文献2】
特開平6−33514号(段落記号「0010」〜「0012」、図1、2、)
【特許文献3】
特開平6−33514号(段落記号「0009」〜「0012」、図1、)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鋼構造建物における鋼管柱の継手を相互間の接合溶接で構成していることや柱梁接合部内での接合箇所を多くしていること等を要因にして、解体時に柱部材をガス等で切断しないと再利用できないという問題点に鑑みて、その改善を図るために提案するものであり、柱の継手から相互間の接合溶接を削減して建物使用後の解体時にガス切断を不要もしくは低減させることで柱部材をそのまま再利用できるようにした柱の継手構造とそれに用いる接合部材を提供している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である柱の継手構造は、上端部位の内面に所定数のねじ孔を備える接合板を固着して成る下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱及び接合板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成されており、現場での溶接を不要にして建て方の手間を減少させると共に、エレクションピースの溶接、切断面における開先加工と接合後のエレクションピース切断の解消によって、柱部材のそのままの再利用を可能にしている。
【0010】
請求項2に記載の発明である柱の継手構造は、上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置されて成る水平板と、水平板に対して各柱端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成することを基本にして、水平板を各柱の外部形状に一致させたり、柱の柱梁接合部における少なくとも一方の接合部材として形成したりすることを特徴としており、柱の継手から溶接を排除し建物使用後の解体時にガス切断を不要にすることで柱部材のそのままの再利用を可能にしている。
【0011】
請求項3に記載の発明である柱の継手構造は、上端部位に遊孔を備えていない下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置され下節柱の上端部位に溶接される水平板と、水平板に対して上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に上節柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成することを基本にして、水平板を各柱の外部形状に一致させたり、柱の柱梁接合部における少なくとも一方の接合部材として形成したりすることを特徴としており、柱の継手から溶接を削減させて建物使用後の解体時にガス切断を不要もしくは低減させることで柱部材のそのままの再利用を可能にしている。
【0012】
又、本発明による接合部材は、上記柱の継手構造に用いるものであり、上下節柱の端部位間に配置される水平板と水平板に対して少なくとも上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板とから構成されており、柱の継手から溶接を削減し解体時のガス切断を不要もしくは低減させて、施工のコスト低減と効率向上及び柱部材の再利用に貢献している。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による第1の柱の継手構造は、上端部位の内面に所定数のねじ孔を備える接合板を固着して成る下節柱と、下端部位に所定数の遊孔(ボルトを通すルーズホール)を備える上節柱及び接合板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成されており、現場での溶接を不要にして建て方の手間を減少させると共に、エレクションピースの溶接、切断面における開先加工と接合後のエレクションピース切断の解消によって、柱部材のそのままの再利用を可能にしている。
以下に、本発明による柱の継手構造に関する実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明による第1の柱の継手構造における実施の形態を示しており、接合関連を示す側面図(a)と合体側面図(b)及び合体側面図(b)を(c)−(c)矢視した断面図(c)で現している。
【0015】
側面図(a)において示すように、1は、柱の継手構造であり、下節柱23は、上端部位の内面に所定数のねじ孔8を備えた接合板24を固着して成り、上節柱3は、下端部位に所定数の遊孔7を備えている。
【0016】
下節柱23の柱頭内面には、工場において予め接合板24を溶接されている。接合板24の溶接は、接合板24の両サイドにおける隅肉溶接25を主にしているが、溶接長が足りない場合には、図示のように接合板24に設けたスリット部26に対しても溶接をすることで、必要な溶接長に補完することができる。
尚、上節柱3を下節柱23の上端に設置するためには、接合板24を下節柱23の内側にやや曲げておくことが肝要である。
【0017】
図1(b)は、上下節の柱23、3の合体側面図であり、図1(c)は、合体側面図(b)を(c)−(c)矢視した断面図である。
柱の継手構造1は、ボルト用の遊孔7をあけた上節柱3を下節柱23に接合させてから普通ボルトで仮に接合して置き、建入れ直しを行った後に高カボルト5を用いて本締めすることで一体化を図っている。
【0018】
即ち、接合板24には、所定数のねじ孔8が設けられているので、合体側面図(b)及び断面図(c)に示すように、下節柱23の上端に上節柱3を嵌合させた後に仮接合すると共に、上節柱3の遊孔7を通して接合板24のねじ孔8に高力ボルト5を螺着することで、上下節の柱23、3を一切の溶接を用いることなく堅固に合体した一体構造に形成している。
【0019】
尚、本実施の形態では、高力ボルト5に高力ワンサイドボルトもしくは普通の高力ボルトを採用して鉛直板6のねじ孔8に螺着させているが、本実施の形態に限定されることなく他の高力ボルトを採用することも可能である。
【0020】
次に、本発明による第2の柱の継手構造について説明する。
柱の継手構造は、上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置されて成る水平板と、水平板に対して各柱端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成している。
以下に、本発明による柱の継手構造に関する第1の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図2は、本発明による第2の柱の継手構造における第1の実施の形態を示しており、側面図(a)と側面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図(b)で現している。
【0022】
側面図(a)において示すように、1’は、柱の継手構造であり、2は、上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱、3は、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱であって、4は、下節柱2の柱端と上節柱3の柱端との間に配置されている水平板である。
【0023】
水平板4には、後述するように所定数のねじ孔を設けた鉛直板6が垂直に植設されており、図1(b)の断面図に示すように、高力ボルト5を各柱の遊孔7を通して鉛直板6のねじ孔8に螺着することで、上下節の柱2、3は、鉛直板6が垂直に植設されている水平板4を介在させながら、一切の溶接を用いることなく堅固な一体構造を形成している。
【0024】
尚、本実施の形態でも、高力ボルト5に高力ワンサイドボルトもしくは普通の高力ボルトを採用して鉛直板6のねじ孔8に螺着させているが、本実施の形態に限定されることなく他の高力ボルトを採用することも可能である。
【0025】
図3は、接合部材を詳細に説明するための第1の実施形態を示す側面図(a)と平面図(b)である。図示のように、接合部材9を構成している水平板4は、鋼管柱の外形と一致している形状に加工されており、この水平板4には、溶接によって垂直に植設されている鉛直板6が設けられている。
【0026】
水平板4における鉛直板6の配置は、鋼管柱の柱端部位の内側面に嵌合できる関係を確保できる位置であり、鉛直板6には、各柱の遊孔7と連通する位置に所定数のねじ孔8を設けられている。ねじ孔8は、各柱の遊孔7を挿通させながら高力ボルト5を螺着させるものであり、これによって、各鋼管柱2、3と鉛直板6及び水平板4とは、堅固な状態に結合されることになる。
【0027】
尚、水平板4は、本実施の形態では無孔であるが、CFT等の場合にはその中心部に孔を設けることによって打設コンクリートの流通を可能にするものであり、又、上記実施の形態で採用した鉛直板6に設けたねじ孔8とこれに螺着する高力ワンサイドボルト、普通の高力ボルトに替えて、鉛直板に遊孔を設けながらボルト−ナット結合する等の上記以外の高力ボルトを採用することも可能である。
【0028】
図4は、本発明による第2の柱の継手構造における第2の実施の形態を示しており、側面図(a)と側面図(a)を(b)−(b)矢視した断面図(b)で現している。
【0029】
側面図(a)において示すように、本実施の形態での柱の継手構造10は、対応する所定の梁11と結合される柱梁接合部であり、12は、上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱、13は、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱であって、14は、下節柱12の柱端と上節柱13の柱端との間に配置されて梁11の下方のフランジと高力ボルト20によって結合される接合部材である。又、接合部材14’は、接合部材14に対峙させて上節柱13の所定の位置に固定されており、梁11の上方のフランジと高力ボルトによって結合されている。
【0030】
接合部材14には、後述するように所定数のねじ孔を設けた鉛直板16が垂直に植設されており、図4(b)の断面図に示すように、高力ボルト15を各柱の遊孔17を通して鉛直板16のねじ孔18に螺着することで、上下節の柱12、13は、鉛直板16が垂直に植設されている接合板14を介在させながら、堅固な一体構造を形成している。
【0031】
従って、本実施の形態では、柱梁接合部を形成している接合部材14の部位において下節柱12と上節柱13との結合を確立すると同時に、一切の溶接を用いることなく柱梁接合部を構成している。
【0032】
尚、本実施の形態で説明した高力ボルト15としての高力ワンサイドボルトや普通の高力ボルトは、上記実施の形態と同様にこれに替えて他の高力ボルトを採用することも可能である。
【0033】
図5は、接合部材を詳細に説明するための第2の実施形態を示す側面図(a)と平面図(b)である。図示のように、接合部材19を構成している接合部材14は、梁との接合を達成させる形状に加工されており、この接合部材14には、溶接によって垂直に植設されている鉛直板16が設けられている。
【0034】
接合部材14における鉛直板16の配置は、鋼管柱の柱端部位の内側面に嵌合できる関係を確保できる位置であり、鉛直板16には、各柱の遊孔17と連通する位置に所定数のねじ孔18を設けられている。ねじ孔18は、各柱の遊孔17を挿通させながら高力ボルト15を螺着させるものであり、これによって、各鋼管柱12、13と鉛直板16及び接合部材14とは、堅固な状態に結合されることになる。
【0035】
尚、接合部材14は、本実施の形態では無孔であるが、CFT等の場合にはその中心部に孔を設けることによって打設コンクリートの流通を可能にするものであり、又、上記実施の形態で採用した鉛直板16に設けたねじ孔18とこれに螺着する高力ワンサイドボルト、普通の高力ボルトに替えて、鉛直板に遊孔を設けながら上記以外の他の高力ボルトを採用することも可能である。
【0036】
さらに、本発明による第3の柱の継手構造について説明する。
柱の継手構造は、上端部位に遊孔を備えていない下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置され下節柱の上端部位に溶接される水平板と、水平板に対して上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に上節柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成している。
以下に、本発明による第3の柱の継手構造における実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図6は、本発明による第3の柱の継手構造における第1の実施の形態を示している。
図において、1”は柱の継手構造であり、2’は下節柱、3は下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱であって、4’は、下節柱2’の柱端と上節柱3の柱端との間に配置されている水平板である。
【0038】
水平板4は、下節柱2’ の柱端に溶接22によって一体に接合されている。
しかして、水平板4の上節柱側には、上記実施の形態と同様に所定数のねじ孔を設けた鉛直板6が垂直に植設されており、高力ボルト5を上節柱の遊孔7を通して鉛直板6のねじ孔8に螺着することで、上下節の柱2’、3は、鉛直板6が上節柱側に垂直に植設されている水平板4’を介在させることで一端の溶接を不要にした堅固な一体構造を形成している。
【0039】
又、本実施の形態では、高力ボルト5に高力ワンサイドボルトを採用して鉛直板6のねじ孔8に螺着させている。しかしながら、上記実施の形態でも同様であるが、普通の高力ボルトを採用する場合には、上節柱側に形成された作業孔21を活用することで通常のボルト−ナット結合を可能にしている。
【0040】
図7は、接合部材を詳細に説明するための第3の実施形態を示す側面図(a)と平面図(b)である。
図示のように、接合部材9’を構成している水平板4’は、鋼管柱の外形と一致している形状に加工されており、この水平板4’には、上節柱側に垂直に植設されている鉛直板6が溶接によって設けられている。
【0041】
水平板4’における鉛直板6の配置は、上節側鋼管柱の柱端部位の内側面に嵌合できる関係を確保できる位置であり、鉛直板6には、各柱の遊孔7と連通する位置に所定数のねじ孔8を設けられている。ねじ孔8は、各柱の遊孔7を挿通させながら高力ボルト5を螺着させるものであり、これによって、上下鋼管柱2’、3と鉛直板6及び水平板4’とが堅固な状態に結合されることになる。
【0042】
そして、CFT等の場合に水平板4の中心部に孔を設けることで打設コンクリートの流通を可能にすることや、鉛直板6に設けたねじ孔8に高力ワンサイドボルトを螺着することに替えて、鉛直板に遊孔を設けながら普通の高力ボルトを採用可能であることも上記実施の形態と同様である。
【0043】
図8は、本発明による第3の柱の継手構造における第2の実施の形態を示している。
本実施の形態で示す柱の継手構造10’は、対応する所定の梁11と結合される柱梁接合部であり、12’は下節柱、13は、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱であって、接合部材14”は、下節柱12’の柱端に溶接22によって一体に接合されており、上節柱13の柱端との間に配置されて梁11の下方のフランジと高力ボルト20によって結合されている。又、接合部材14’は、接合部材14”に対峙させて上節柱13の所定の位置に固定されており、梁11の上方のフランジと高力ボルト20によって結合されている。
【0044】
接合部材14”の上節柱側には、上記実施の形態と同様に所定数のねじ孔を設けた鉛直板16が垂直に植設されており、高力ボルト15を上節柱の遊孔17を通して鉛直板16のねじ孔18に螺着することで、上下節の鋼管柱12’、13は、鉛直板16が上節柱側に垂直に植設されている接合部材14”を介在させながら、堅固な一体構造を形成している。
【0045】
従って、本実施の形態では、柱梁接合部を形成している接合部材14”の部位において下節柱12’と上節柱13との結合を確立すると同時に、一端の溶接を不要にした柱梁接合部を構成している。
【0046】
尚、本実施の形態で説明した高力ボルト15としての高力ワンサイドボルトや普通の高力ボルトは、上記実施の形態と同様に、上節柱側に形成された作業孔21を活用することで通常のボルト−ナット結合を可能にしている。
【0047】
図9は、接合部材を詳細に説明するための第4の実施形態を示す側面図(a)と平面図(b)である。図示のように、接合部材19’を構成している接合部材14”は、梁との接合を達成させる形状に加工されており、この接合部材14”には、溶接によって上節柱側に垂直に植設されている鉛直板16が設けられている。
【0048】
接合部材14”における鉛直板16の配置は、鋼管柱の柱端部位の内側面に嵌合できる関係を確保できる位置であり、鉛直板16には、各柱の遊孔17と連通する位置に所定数のねじ孔18を設けられている。ねじ孔18は、各柱の遊孔17を挿通させながら高力ボルト15を螺着させるものであり、これによって、各鋼管柱12’、13と鉛直板16及び接合部材14”とは、堅固な状態に結合されることになる。
【0049】
又、CFT等の場合に水平板4の中心部に孔を設けることで打設コンクリートの流通を可能にすることや、鉛直板6に設けたねじ孔8に高力ワンサイドボルトを螺着することに替えて、鉛直板に遊孔を設けながら普通の高力ボルトを採用可能であることも上記実施の形態と同様である。
【0050】
以上のように、本発明による柱の継手構造とそれに用いる接合部材は、上記各実施の形態で説明したように構成されているので、柱の継手を最小にしながら相互間の接合溶接を削減することで、建物使用後の解体に伴うガス切断を不要もしくは低減させて、柱部材をそのままで再利用することを可能にしている。
【0051】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による柱の継手構造とそれに用いる接合部材は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、柱や柱・梁接合部における具体的な形状等において、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の柱の継手構造は、上端部位の内面に所定数のねじ孔を備える接合板を固着して成る下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱及び接合板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成されているので、以下の効果を発揮している。
【0053】
▲1▼ 現場での溶接を不要にし、建て方の手間を減少させて施工効率を向上できる。
▲2▼ エレクションピースの溶接、切断面における開先加工を不要に出来る。
▲3▼ 下節柱と上節柱とを接合した後のエレクションピース切断を解消できる。
▲4▼ 解体時におけるガス切断を不要にすることで、部材の損傷を無くして柱部材をそのままの再利用できる。
【0054】
請求項2に記載の柱の継手構造は、上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置されて成る水平板と、水平板に対して各柱端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成することを基本にして、水平板を各柱の外部形状に一致させたり、柱の柱梁接合部における少なくとも一方の接合部材として形成したりすることを特徴としているので、以下の効果を発揮している。
【0055】
▲1▼ 柱継手や柱・梁接合構造の施工にエレクションピース等の溶接を用いないことで、建て方の施工効率を向上できる。
▲2▼ 柱には継手用の孔開けを加工するのみなので、施工コストを低減できる。
▲3▼ 接合後におけるエレクションピース等の切断を不要にできる。
▲4▼ 解体時におけるガス切断を不要にすることで、部材の損傷を無くしてそのまま再利用できる。
【0056】
請求項3に記載の柱の継手構造は、上端部位に遊孔を備えていない下節柱と、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱と、両柱端の間に配置され下節柱の上端部位に溶接される水平板と、水平板に対して上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び鉛直板のねじ孔に上節柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成することを基本にして、水平板を各柱の外部形状に一致させたり、柱の柱梁接合部における少なくとも一方の接合部材として形成することを特徴としているので、請求項2に記載の柱の継手構造柱の継手と同様にガス切断を不要もしくは低減させる効果を発揮している。
【0057】
又、本発明による接合部材は、上記柱の継手構造に用いるものであり、上下節柱の端部位間に配置される水平板と水平板に対して少なくとも上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板とから構成されているので、柱の継手から溶接を削減し解体時のガス切断を不要もしくは低減させて、施工のコスト低減と効率向上及び柱部材の再利用に貢献できる効果を発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の柱の継手構造における実施形態図
【図2】本発明による第2の柱の継手構造における第1の実施形態図
【図3】本発明による接合部材における第1の実施形態図
【図4】本発明による第2の柱の継手構造における第2の実施形態図
【図5】本発明による接合部材における第2の実施形態図
【図6】本発明による第3の柱の継手構造における第1の実施形態図
【図7】本発明による接合部材における第3の実施形態図
【図8】本発明による第3の柱の継手構造における第2の実施形態図
【図9】本発明による接合部材における第4の実施形態図
【符号の説明】
1、1’、1”、10、10’ 柱の継手構造、
2、2’、12、12’ 下節柱、 3、13 上節柱、 4、4’水平板、
5、15、20 高力ボルト、 6、16 鉛直板、 7、17 遊孔、
8、18 ねじ孔、 9、9’、19、19’ 接合部材、 11 梁、
14、14’、14” 接合部材、 21 作業孔、 22 溶接、
23 下節柱、 24 接合板、 25 隅肉溶接、 26 スリット部、

Claims (6)

  1. 上端部位の内面に所定数のねじ孔を備える接合板を固着して成る下節柱、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱及び該接合板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成される柱の継手構造。
  2. 上端部位に所定数の遊孔を備える下節柱、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱、両柱端の間に配置されて成る水平板、該水平板に対して各柱端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び該鉛直板のねじ孔に各柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成される柱の継手構造。
  3. 上端部位に遊孔を備えていない下節柱、下端部位に所定数の遊孔を備える上節柱、両柱端の間に配置され下節柱の上端部位に溶接される水平板、該水平板に対して上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板及び該鉛直板のねじ孔に上節柱の遊孔を通して螺着する高力ボルトとから構成される柱の継手構造。
  4. 水平板が、各柱の外部形状に一致させて形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の柱の継手構造。
  5. 水平板が、柱の柱梁接合部における少なくとも一方の接合部材として形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の柱の継手構造。
  6. 上下節柱の端部位間に配置される水平板と該水平板に対して少なくとも上節柱の下端部位の内側面に嵌合する状態で垂直に植設され所定数のねじ孔を設けて成る鉛直板とから構成される請求項2乃至5のいずれかに記載の柱の継手構造に用いる接合部材。
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