JP2004285709A - 道路トンネル換気制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

道路トンネル換気制御装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Eiji Mori
英治 森
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Ichiro Nakahori
一郎 中堀
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Abstract

【課題】道路トンネルの送排風機を適切に自動制御し、また、当該制御をオペレータが容易に調整することができるとともに、複雑な形状からなる道路トンネルにも適用可能な道路トンネル換気制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】交通センサ17〜19の計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測する交通シミュレーション部23と、予測された交通状態に基づいて、複数の換気制御候補を選定する換気制御候補選定部24と、予測された交通状態、並びに、風量センサ13,14及び汚染度センサ15,16の各計測データに基づいて、各換気制御候補について、道路トンネル内における将来の換気状態を予測する換気シミュレーション部25と、予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機の運転状態を決定する換気制御評価部26とを備えている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路トンネル換気制御装置及びコンピュータプログラムに係り、さらに詳しくは、各種センサの計測データに基づいて送排風機を自動制御して、道路トンネル内の換気制御を行う換気制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路トンネルには各種センサ及び送排風機が設置され、換気制御装置がセンサ出力に基づいて送排風機を駆動制御して、トンネル本坑内の空気流を制御している。この様な換気制御によって、道路トンネル内における空気の汚染度を制御することができる。つまり、道路トンネルにおいて換気制御が行われる第1の目的は、トンネル利用者の安全性を確保するという観点から、道路トンネル内の汚染度を基準値(基準汚染度)以下に保持することにある。
【0003】
また、最近では、都市部内や都市部近郊に設置された道路トンネルが増加している。これらの道路トンネルでは、トンネル本坑出入口及びオンオフランプ出入口から漏出する汚染空気が周辺環境に与える影響が問題となるが、この様な汚染空気の漏出風量も上記換気制御によって制御することができる。このため、道路トンネルにおいて換気制御が行われる第2の目的として、坑口からの漏出風量を基準値(基準漏出風量)以下に保持することも重要になってきている。
【0004】
まず、道路トンネル内の汚染度を基準値以下に保持することを目的とした従来の換気制御方法として、汚染度フィードバック制御、交通量予測フィードフォワード制御、交通量予測最適レギュレータ制御、AIファジィー制御などの種々の方法が提案されている。これらの方法は、山岳道路トンネル等の比較的簡素な形状のトンネルなどに適応され、その有効性が確かめられている。しかしながら、短期的な汚染度が基準値を超える汚染度悪化現象が発生し、あるいは、送排風機のオンオフを頻繁に繰り返すハンチング現象が発生するなど、適切な換気制御を行うことは容易ではなかった。
【0005】
例えば、汚染度フィードバック制御は、制御目標値としての汚染度(目標汚染度)が予め与えられ、トンネル内の汚染度センサによって計測された汚染度と制御目標値との差を求め、この差に基づいて送排風機を制御するフィードバック制御方法である。この制御方法の場合、汚染度悪化現象やハンチング現象の発生を抑制するためには、この制御目標値を基準値(基準汚染度)よりも安全側の値に予め設定しておく必要がある。ところが、目標値を基準値よりも安全側の値に設定すれば、排気装置の運転が過剰となり、排気装置における消費電力が増加するという問題が生ずる。
【0006】
次に、道路トンネルからの汚染空気の漏出量を基準値以下に保持することを目的とした従来の換気制御方法として、坑口風速フィードバック制御が用いられている。坑口風速フィードバック制御は、制御目標値としての漏出風速(目標漏出風速)が予め与えられ、風量センサによって計測された坑口風速と制御目標値との差を求め、この差に基づいて送排風機を制御するフィードバック制御方法である。
【0007】
しかしながら、この方法の場合にも、交通量の変動などにより、坑口からの汚染空気の漏出量が、基準値(基準漏出量)を超える場合があり、制御目標値を基準値(基準漏出風量)よりも安全側の値、つまり、基準値よりも低い値に予め設定しておく必要がある。従って、排気装置の運転が過剰となり、排気装置における消費電力が増加するという問題が生ずる。
【0008】
道路トンネルにおける換気制御を難しくしている主な要因は、次の3つであると考えられる。
(1)交通変動現象
道路トンネル内における汚染空気の発生量は、道路トンネル内を走行している車種(大型、小型)ごとの車両台数や車両速度によって異なる。また、道路トンネル内の勾配や標高によっても異なる。しかも、車両台数や車両速度は、時々刻々と変化する複雑な非定常現象である。
【0009】
(2)換気力の非線形性
道路トンネル内における空気流を規定する要因として、交通換気力及びトンネル内壁面摩擦抵抗力がある。交通換気力は、車両走行によって発生する空気流であり、車両速度と道路トンネル内風速の差の2乗に比例する非線形現象である。また、トンネル内壁面摩擦抵抗力も、道路トンネル内風速の2乗に比例する非線形現象である。
【0010】
(3)汚染度改善の時間遅れ現象
道路トンネル内における汚染度が悪化した場合、排気装置の風速を増大させる制御を行ってから、道路トンネル内の汚染度が改善されるまでには、通常、数分程度の時間遅れが発生する。このとき、排気装置の風速は、比較的早く増大させることができるが、トンネル内汚染度の悪化は、トンネル内全体に分布しているため、これらの汚染空気が排出され、新鮮な空気と入れ替わるまでには、少なからぬ時間が必要となる。
【0011】
上述した汚染度フィードバック制御や、坑口風速フィードバック制御のような単純なフィードバック制御では、これらの現象に適切に対処することが困難であった。このため、交通量予測最適レギュレータ制御や、AIファジィー制御などが工夫されてきた。
【0012】
しかしながら、交通量予測最適レギュレータ制御及びAIファジィー制御を用いた場合でも、坑口漏れ出しを的確に抑制し、あるいは、分岐合流を有する複雑なトンネルに十分に対応できるとはいい難い。また、これらの制御アルゴリズムは複雑であり、制御パラメータ数も多くなる傾向にあることから、現地での調整も、専門的な知識を有するオペレータでなければ実施できなくなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の道路トンネル換気制御装置は、上述した通り、道路トンネル内の汚染度及び坑口からの漏出風速について適切な換気制御を行うことが困難であるという問題があった。また、複雑な換気制御を行っている場合には、その調整に専門的知識が必要となり、専門家にしか調整することができないという問題があった。
【0014】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、道路トンネルに設置された送排風機に対し適切な制御を行うことができる道路トンネル換気制御装置を提供することを目的とする。また、送排風機の自動制御をオペレータが容易に調整することができる道路トンネル換気制御装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、道路トンネル内の汚染度について所定の基準値を満足させつつ、送排風機における消費電力を低減することができる道路トンネル換気制御装置を提供することを目的とする。また、複雑な形状からなる道路トンネルにも適用可能な道路トンネル換気制御装置を提供することを目的とする。
【0016】
さらに、この様な道路トンネル換気制御装置をコンピュータ上で実現するためのコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明による換気制御装置は、道路トンネルの入口及び進入路上の通過車両をそれぞれ計測する交通センサ、トンネル内の風量を計測する風量センサ、並びに、トンネル内の汚染度を計測する汚染度センサの各計測データに基づいて、道路トンネルの送排風機を制御する道路トンネル換気制御装置であって、交通シミュレーション部、換気制御候補選定部、換気シミュレーション部及び換気制御評価部を備えて構成される。
【0018】
交通シミュレーション部は、交通センサの計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測し、換気制御候補選定部は、予測された交通状態に基づいて複数の換気制御候補を選定する。換気シミュレーション部は、予測された交通状態、並びに、風量センサ及び汚染度センサの各計測データに基づいて、選定された各換気制御候補について、道路トンネル内における将来の換気状態を予測し、換気制御評価部は、予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機の運転状態を決定する。
【0019】
このような構成により、道路トンネル内における将来の換気状態をセンサの計測データに基づいて予測し、この予測結果に基づいて送排風機の運転状態を決定することができる。つまり、換気シミュレーションを行うことにより、予測精度の高い適切な換気制御を行うことができる。例えば、所望の換気状態を維持しつつ、送排風機での消費電力を低減する場合のような換気制御が可能となる。また、複雑な形状からなる道路トンネルにも適用することができる。
【0020】
また、複数の換気制御候補のそれぞれについて将来の換気状態を予測し、これらの予測結果に基づいて各換気制御候補を評価して排送風機の運転状態を決定している。このため、評価基準を変更することにより、制御内容を容易に調整することができる。
【0021】
さらに、交通センサの計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測し、予測された交通状態に基づいて換気制御候補を選定している。このため、適切な換気制御候補に絞り込むことができ、換気状態を予測する精度の高い換気制御を比較的少ない演算量で実現することができる。
【0022】
本発明による道路トンネル換気制御装置は、上記交通シミュレーション部が、走行車両の速度を導出するための車両走行パラメータを用いて交通状態を予測し、道路トンネル内の下流側における交通センサの計測データに基づいて、交通センサ間における走行時間を求め、交通センサ間において予測された走行時間と、実際に計測された走行時間とに基づいて、車両走行パラメータを変更するように構成される。
【0023】
このような構成により、車両走行パラメータを用いて走行車両の速度を導出し、道路トンネル内における将来の交通状態を精度よく予測することができる。また、道路トンネル内の下流側における交通センサの計測データに基づいて、車両走行パラメータを変更することにより、交通状態の予測をより精度よく行うことができる。
【0024】
本発明による道路トンネル換気制御装置は、上記換気シミュレーション部が、車両走行によって生ずる風量を導出するための換気力パラメータを用いて、道路トンネル内の風量を予測し、予測された風量と、風量センサにより計測された実際の風量とに基づいて、換気力パラメータを変更するように構成される。
【0025】
このような構成により、換気力パラメータを用いて車両走行によって生ずる風量を導出し、道路トンネル内の空気流を予測することにより、道路トンネル内における将来の換気状態を精度よく予測することができる。また、道路トンネル内の風量センサにより計測された風量に基づいて、換気力パラメータを変更することにより、換気状態の予測をより精度よく行うことができる。
【0026】
本発明による道路トンネル換気制御装置は、上記換気シミュレーション部が、走行車両からの汚染ガス排出量を導出するための汚染ガス排出パラメータを用いて、道路トンネル内の汚染度を予測し、予測された汚染度と、汚染度センサにより計測された実際の汚染度とに基づいて、汚染ガス排出パラメータを変更するように構成される。
【0027】
このような構成により、汚染ガス排出パラメータを用いて走行車両からの汚染ガス排出量を導出し、道路トンネル内の換気状態を精度よく予測することができる。また、予測された汚染度と、汚染度センサにより計測された実際の汚染度とを比較し、汚染ガス排出パラメータを変更することにより、換気状態の予測をより精度よく行うことができる。
【0028】
また、本発明による道路トンネル換気制御装置は、上記換気制御候補選定部が、予測された交通状態に基づいて決定される送排風機の制御量と、風量センサ及び汚染度センサの計測データに基づいて決定される送排風機の制御量との加重演算を行って換気制御候補を決定する際、加重係数を異ならせて複数の換気制御候補を選定するように構成される。
【0029】
このような構成により、予測交通状態から得られる制御量(すなわち交通センサの計測データから得られる制御量)と、風量センサ及び汚染度センサの計測データから得られる制御量に基づいて、換気制御候補を選定することができる。また、加重係数を異ならせることにより、複数の換気制御候補を選定することができる。
【0030】
また、本発明による道路トンネル換気制御装置は、上記換気制御候補選定部が、予測された交通状態に基づいて基準時間ごとの平均交通量を求め、その最大値に基づいて送排風機の換気制御候補を決定する際、基準時間を異ならせて複数の換気制御候補を選定するように構成される。
【0031】
このような構成により、予測交通状態、すなわち、交通センサの計測データから換気制御候補を選定することができる。また、平均交通量を求める際の基準時間を異ならせることにより、複数の換気制御候補を選定することができる。
【0032】
また、本発明によるコンピュータプログラムは、道路トンネルの入口及び進入路上の通過車両をそれぞれ計測する交通センサ、トンネル内の風量を計測する風量センサ、並びに、トンネル内の汚染度を計測する汚染度センサの各計測データに基づいて、道路トンネルの送排風機を制御するコンピュータプログラムであって、交通シミュレーションステップ、換気制御候補選定ステップ、換気シミュレーションステップ及び換気制御評価ステップを実行するように構成される。
【0033】
交通シミュレーションステップでは、交通センサの計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測し、換気制御候補選定ステップでは、予測された交通状態に基づいて、複数の換気制御候補を選定する。換気シミュレーションステップでは、予測された交通状態、並びに、風量センサ及び汚染度センサの各計測データに基づいて、選定された各換気制御候補について、道路トンネル内における将来の換気状態を予測する。換気制御評価ステップでは、予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機に対する制御を決定する。
【0034】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による換気制御装置を含む道路トンネル換気システムの一構成例を示した図である。図中の1は道路トンネル、2は換気制御装置、3は車両、10は排気装置、11はジェットファン、13及び14は風量センサ、15はCO(一酸化炭素)センサ、16はVI(Visibility Index:透過率)センサ、17〜19は交通センサ(TC:Traffic Counter)である。
【0035】
道路トンネル1は、向かって左から右へ車両3が一方通行で走行するためのトンネルである。この道路トンネル1には、道路トンネル内の換気状態を調整するための送排風機として、排気装置10及びジェットファン11が設置されている。これらの送排風機10及び11は、上記の各種センサ13〜19の計測データに基づいて、換気制御装置2により集中制御される。
【0036】
排気装置10は、道路トンネル内の汚染空気を所定位置から強制排気するための排気装置であり、道路トンネル1の下流側であってトンネル出口に比較的近い位置、例えばトンネル出口の手前100m程度の位置に設けられている。この排気装置10の排気風量Qeは可変制御することができ、排気風量Qeを増大させれば、道路トンネル内の空気の汚染度を抑制することができるが、それに伴って排気装置10での消費電力も増大する。
【0037】
道路トンネル内を車両3が走行することにより、また、自然風がトンネル入口から流入することによって、道路トンネル内に空気の流れが生じ、坑内風が発生する。道路トンネル内を排気装置10よりも上流側と下流側に分け、上流側の領域をR1、下流側の領域をR2とし、領域R1での風量を坑内風量Qr1と呼び、領域R2での風量を漏出風量Qr2と呼ぶ。漏出風量Qr2は、排気装置10によって排気されることなく、道路トンネル内を吹き抜けて、トンネル出口から放出される風量であるため、坑内風量Qr1、漏出風量Qr2及び排気風量Qeの間には、次式が成立する。
Qr1=Qr2+Qe
【0038】
ジェットファン11は、坑内風量Qr1を調整するための送風装置であり、道路トンネル内の上流側の領域R1に設置されている。ジェットファン11は、車両3の進行方向とは逆向きの風を道路トンネル内に生成して坑内風を抑制している。ここでは、道路トンネル内に複数台のジェットファン11が設置されており、各ジェットファン11を個別にオンオフ制御し、その駆動台数によって坑内風を調整している。
【0039】
風量センサ13及び14は、道路トンネル内に設置された風量センサであり、風量センサ13は、上流側の領域R1に設置され、坑内風量Qr1を計測している。一方、風量センサ14は、下流側の領域R2に設置され、漏出風量Qr2を計測している。なお、各領域R1、R2内における風量は、定常状態の下ではほぼ一定となっている。
【0040】
COセンサ15及びVIセンサ16は、ともに道路トンネル内の空気の汚染度を計測する汚染度センサである。COセンサ15は、道路トンネル内の空気中における一酸化炭素濃度を計測し、VIセンサ16は、道路トンネル内の空気中における光の透過率を計測している。これらの汚染度センサ15及び16は、通常、汚染度が最も高くなる道路トンネル内の位置、すなわち、排気装置10よりも手前側で、排気装置10に近い位置に設置されている。
【0041】
交通センサ17〜19は、電磁ループや超音波センサなどを用いて通過車両を検出するセンサであり、センサの設置地点を通過する各車両の速度を計測するとともに通過車両を計数し、所定時間(例えば5分)ごとの通過車両数を求めている。また、超音波センサの場合、車高などに基づいて大型、小型などの車両サイズも判別することができる。
【0042】
交通センサ17は、トンネル入口付近に設置され、トンネルへ流入する車両を検出している。交通センサ17は、一般的にはトンネル入口の手前側に設置されているが、トンネル入口に近い位置であれば、道路トンネル内であっても道路トンネル外であってもよい。交通センサ18は、道路トンネル内に設置され、その地点を通過する車両を検出している。この交通センサ18は、通常、道路トンネル内に一定の間隔、例えば500m間隔で複数が設置されている。交通センサ19は、道路トンネル1よりも上流側の道路上、つまり、道路トンネル1の進入路上に設置され、トンネル入口に今後流入する車両を予測するためのセンサである。例えば、トンネル入口の手前10km程度の位置に設置される。
【0043】
図2は、道路トンネル内における風量及び透過率(VI)の分布の一例を示した図である。図中の(a)には、排気装置10の排気風量Qeを十分に大きくした場合の例が示されている。この場合、漏出風量Qr2が負の値となり、領域R2ではトンネル出口から排気装置10への空気流が形成され、トンネル出口から汚染空気が漏れ出すことはない。このとき、汚染度は排気装置10の手前で最も高くなっている。
【0044】
図中の(b)には、排気装置10の排気風量Qeを十分に小さくした場合の例が示されている。この場合、漏出風量Qr2が正の値になり、領域R2では、排気装置10からトンネル出口への空気流が形成される。このため、領域R1においてトンネル入口から排気装置10へ次第に低下していた透過率(VI)が、領域R2では更に低下している。しかも、この漏出風量Qr2は、坑内風量Qr1よりも小さいため、領域R2では透過率(VI)が急速に低下している。従って、(b)の場合には、トンネル出口からは、高濃度の汚染空気が排出される。
【0045】
トンネル出口から放出される汚染空気による周辺環境への影響を抑制するためには、漏出風量Qr2を所定の基準値以下、望ましくはゼロ以下にする必要がある。そのためには、坑内風量Qr1に応じた排気風量Qeとなるように排気装置10を駆動する必要がある。この場合、坑内風量Qr1が大きくなるに従って、排気風量Qeも大きくなり、排気装置10の消費電力が増大してしまう。
【0046】
一方、ジェットファン11を用いて坑内風量Qr1を低減すれば、漏出風量Qr2を増大させることなく、排気装置10の排気風量Qeを低減することができる。しかしながら、ジェットファン11により坑内風量Qr1を抑制し過ぎると、トンネル内の領域R1における汚染度を上昇させ、CO濃度が基準値を越え、あるいは、VI濃度が基準値を下回るおそれがある。
【0047】
<換気制御装置>
図3は、図1の換気制御装置2の一構成例を示したブロック図である。図中の20は汚染度データ入力部、21は風量データ入力部、22は交通データ入力部、23は交通シミュレーション部、24は換気制御候補選定部、25は換気シミュレーション部、26は換気制御評価部、27はオペレータ端末である。
【0048】
この換気制御装置2は、3つのデータ入力部20〜22、交通シミュレーション部23、換気制御候補選定部24、換気シミュレーション部25及び換気制御評価部26により構成される。
【0049】
汚染度データ入力部20は、COセンサ15及びVIセンサ16の計測データに基づいて、汚染度であるCO濃度及び透過率(VI)を取得している。風量データ入力部21は、風量センサ13及び14の計測データに基づいて、坑内風量Qr1及び漏出風量Qr2を取得している。交通データ入力部22は、交通センサ17〜19の計測データに基づいて、各センサ設置地点における交通データを取得している。
【0050】
交通シミュレーション部23は、道路トンネル内における交通状態についてシミュレーションを行って、将来の交通状態を予測している。このシミュレーションは、交通データ入力部22の取得した交通データに基づいて行われる。
【0051】
換気制御候補選定部24は、予測された将来の交通状態に基づいて、複数の換気制御候補を選定している。各換気制御候補は、排気装置10及びジェットファン11に対する制御量の組み合わせからなる。なお、本実施の形態では、将来の交通状態とともに、汚染度データ及び風量データを用いて、換気制御候補を選定する場合について説明する。
【0052】
換気シミュレーション部25は、各換気制御候補について、道路トンネル内における換気状態のシミュレーションを行って、将来の換気状態を予測している。このシミュレーションは、汚染度データ入力部20及び風量データ入力部21の取得した汚染度データ及び風量データ、及び、交通シミュレーションの結果に基づいて行われる。
【0053】
換気制御評価部26は、所定の評価基準に従って、各換気制御候補ごとに換気シミュレーションの結果を評価し、排気装置10及びジェットファン11の運転状態を決定する。すなわち、排気装置10の排気風量Qe及びジェットファン11の駆動台数を決定し、これらの送排風機10,11に対し制御信号を出力する。換気制御装置2を構成するブロック23〜26については、以下に更に詳細に説明する。
【0054】
オペレータ端末27は、換気制御装置2に接続された端末装置であり、換気制御候補を選定するための目標値や、換気制御候補を評価するための基準値などをオペレータが指定するための入力手段を備えている。また、交通シミュレーション結果や、換気シミュレーション結果、各換気制御候補、評価結果などを表示するための表示手段を備えている。さらに、オペレータは、オペレータ端末27に表示されたシミュレーション結果や評価結果を見て操作入力を行って、希望する換気制御候補を選択することもできる。
【0055】
<交通シミュレーション部>
図4は、図3の交通シミュレーション部23の一構成例を示したブロック図である。この交通シミュレーション部23は、現交通状態推定処理部30、流入交通量予測処理部31及び交通状態予測処理部32及び車両走行パラメータ記憶部33により構成される。
【0056】
現交通状態推定処理部30は、道路トンネル内における現在の交通状態を推定している。交通状態とは、道路トンネル内における車両の分布状態であり、各車両の位置情報、速度情報も含まれる。更に、車両サイズの情報も含まれることが望ましい。道路トンネル内における現在の交通状態は、道路トンネル1の入口付近及び内部に設置された交通センサ17及び18の時系列計測データに基づいて推定することができる。その際、交通状態予測処理部32が過去に予測した交通状態を用いてもよい。
【0057】
流入交通量予測処理部31は、道路トンネル1の進入路上に設置された交通センサ19の時系列計測データに基づいて、道路トンネルへ今後流入する交通量を予測している。
【0058】
交通状態予測処理部32は、現交通状態推定処理部30により推定された現在の交通状態と、流入交通量予測処理部31により予測された今後の流入交通量に基づき、道路トンネル内における将来の交通状態を予測している。この交通状態の予測には、車両走行パラメータ記憶部33に予め記憶されている車両走行パラメータが用いられている。
【0059】
交通センサ17〜19は、各センサの設置地点を車両が通過した時点における情報を検出するのみであり、その後の走行速度の変化に関する情報がなければ、道路トンネル内の交通状態を正確に求めることはできない。このため、交通状態予測処理部32は、車両走行パラメータを用いて、各車両ごとに将来の走行速度を予測し、各車両ごとの挙動をシミュレーションすることによって、道路トンネル内における今後の交通状態を経過時間ごとに予測している。例えば、今後の30分間における交通状態を1分経過ごとに時系列で予測している。
【0060】
一般に、トンネルに入る車両は、トンネル入口付近で一旦減速した後、トンネル内で加速し、トンネル出口が近づくと再び減速する。また、トンネル内を走行中の車両は、登坂区間やカーブ区間で減速する一方、降坂区間では加速する。車両の走行速度は、この様なトンネルごとに、また、トンネル内の各区間ごとに異なる道路特性に依存している。
【0061】
また、車両速度は、走行中の区間における交通密度や、前方車両との速度差にも依存する。従って、道路特性、交通密度、前方車両との速度差のいずれか、または、これらの組み合わせに基づき車両速度を予測することができ、当該車両の加速度も予測することができる。車両走行パラメータは、この様な方法により車両速度を導出する際に用いられるパラメータであり、例えば、各区間ごとの道路特性や、交通密度及び速度差から走行速度を求めるための係数からなる。
【0062】
<換気制御候補選定部>
図5は、図3の換気制御候補選定部24の一構成例を示したブロック図である。図中の40及び41は差分演算器、42はFB(Feed Back)制御量決定部、43はFF(Feed Forward)制御量決定部、44は加重演算処理部である。この換気制御候補選定部24は、汚染度データのフィードバック制御により得られた換気制御量と、交通シミュレーション結果のフィードフォワード制御により得られた換気制御量とに基づいて、換気制御量を決定する。その際、両者の優先度を異ならせることによって、換気制御候補として複数の換気制御量を選定している。
【0063】
差分演算器40は、COセンサ15により計測されたCO濃度とCO目標値との差を求め、差分演算器41は、VIセンサ16により計測された透過率(VI)とVI目標値との差を求めている。フィードバック制御のためのCO目標値及びVI目標値は、オペレータによってオペレータ端末27から指定される。FB制御量決定部42は、差分演算器40及び41で求められた差分に基づいて、送排風機10及び11の制御量を決定している。つまり、汚染度データのフィードバック制御によって換気制御量を決定している。
【0064】
一方、FF制御量決定部43は、交通シミュレーション部23におけるシミュレーション結果に基づいて、送排風機10及び11の制御量を決定している。例えば、道路トンネルの将来の交通量について、所定の基準時間(例えば5分)ごとの平均値が求められ、その最大値に基づいて換気制御量が決定される。
【0065】
加重演算処理部44は、FB制御量決定部42及びFF制御量決定部43により求められた換気制御量について加重平均演算を行って、換気制御量を決定している。加重係数を異ならせてこの様な演算処理を複数回行うことにより、汚染度及び予測交通量に関する優先度の異なる複数の換気制御量が求められる。これらの各換気制御量が、換気制御候補として換気シミュレーション部25へ出力される。
【0066】
<換気シミュレーション部>
図6は、図3の換気シミュレーション部25の一構成例を示したブロック図である。図中の50は現換気状態推定処理部、51は換気状態予測処理部、52は空気流予測処理部、53は汚染度予測処理部、54は換気力パラメータ記憶部、55は汚染ガス排出パラメータ記憶部である。
【0067】
現換気状態推定処理部50は、道路トンネル内における現在の換気状態を推定している。換気状態とは、道路トンネル内における空気汚染度の分布状態であり、例えば、トンネル内の各地点におけるCO濃度及びVI(透過率)で示すことができる。道路トンネル内における現在の換気状態は、道路トンネル内に設置された風量センサ13及び14の計測データと、COセンサ15及びVIセンサ16の計測データとに基づいて推定することができる。
【0068】
換気状態予測処理部51は、空気流予測処理部52、汚染度予測処理部53、換気力パラメータ記憶部54及び汚染ガス排出パラメータ記憶部55からなり、道路トンネル内における将来の換気状態を予測している。この換気状態の予測は、各換気制御候補ごとに行われ、各候補ごとに将来の換気状態が求められる。
【0069】
換気状態の予測は、まず、道路トンネル内における将来の空気流を時系列で予測し、予測された空気流に基づいて将来の汚染度を予測することによって行われる。例えば、今後の30分間における換気状態を1分経過ごとに時系列で予測している。
【0070】
空気流予測処理部52は、風量センサ13及び14の計測データと、換気制御候補選定部24により選定された換気制御候補と、交通シミュレーション部23により予測された交通状態とに基づき、道路トンネル内における将来の空気流を予測している。ここで、空気流(エアフロー)とは、道路トンネル内の各位置における風量からなり、空気流の予測には、換気力パラメータ記憶部54に予め記憶されている換気力パラメータが用いられている。
【0071】
一般に、車両走行によって生ずる空気流は、車両速度と道路トンネル内の風速との差の2乗に比例する。また、走行車両の断面積にも比例し、この比例係数は等化抵抗係数と呼ばれている。つまり、車両の走行速度と断面積、坑内風量Qr1及び等化抵抗係数が与えられると、車両走行に起因して発生する風量を求めることができる。換気力パラメータは、この様にして車両走行により生ずる風量を導出するためのパラメータであり、予め与えられる。例えば、各車両の断面積を平均断面積と仮定した場合に、走行速度及び坑内風量Qr1から、車両走行に起因して発生する風量を求める際の係数(等化抵抗係数)が換気力パラメータとして与えられる。
【0072】
汚染度予測処理部53は、空気流予測処理部52により予測された将来の空気流と、現換気状態推定処理部50により推定された現在の換気状態と、交通シミュレーション部23により予測された交通状態とに基づき、道路トンネル内における将来の換気状態、つまり、道路トンネル内の各地点における汚染度を予測している。この汚染度の予測には、汚染ガス排出パラメータ記憶部55に予め記憶されている汚染ガス排出パラメータが用いられている。
【0073】
道路トンネル内の空気は、主として、走行車両から排出される汚染ガスによって汚染されており、走行車両からの汚染ガスの排出量を求めれば、道路トンネル内における将来の汚染度を予測することができる。すなわち、現在の汚染度及び将来の空気流に加えて、各車両からの汚染ガス排出量を予測できれば、将来の汚染度を予測することができる。汚染ガス排出パラメータは、走行車両からの汚染ガス排出量を導出するためのパラメータであり、予め与えられる。例えば、各車両からの汚染ガスの平均排出量が、汚染ガス排出パラメータとして与えられる。
【0074】
<換気制御評価部>
図3の換気制御評価部26は、換気シミュレーション部25において各換気制御候補ごとに予測された換気状態を評価し、最も評価の高い換気制御候補を1つ採用し、採用された換気制御候補に基づいて、排気装置10及びジェットファン11の運転状態を決定する。換気制御評価部26における評価方法は、オペレータ端末27から設定及び変更することができ、オペレータによって指定される。
【0075】
換気制御評価部26では、基準値比較評価及び相互比較評価が行われる。基準値比較評価は、予測された換気状態を所定の基準値と比較し、基準値を満たす換気制御候補のみに絞り込む選別処理である。相互比較評価は、換気制御候補を相互に比較して最も評価の高い換気制御候補を1つ選択する択一的選別処理である。基準値比較評価によって絞り込まれた換気制御候補のみが、相互比較評価の対象となる。
【0076】
ここでは、基準値比較評価として、CO基準値及びVI基準値との比較が行われている。CO基準値及びVI基準値はオペレータ端末27から予め与えられ、各換気制御候補について、当該換気制御候補を採用した場合に予測される今後のCO濃度、透過率(VI)が、それぞれCO基準値、VI基準値を超えるか否かが評価される。
【0077】
CO基準値及びVI基準値との比較は、トンネル内の各地点において予測されたCO濃度及びVIに対して行うことが望ましい。しかしながら、通常、トンネル内で空気が最も汚染されているのは、COセンサ15及びVIセンサ16が設置されている排気装置10の直前の位置であるため、この位置におけるCO濃度の予測値をCO基準値と比較し、透過率(VI)の予測値をVI基準値と比較すればよい。その結果、CO基準値及びVI基準値のいずれか一方を満足させることができない換気制御候補は、評価対象から除外される。
【0078】
また、CO基準値及びVI基準値との比較結果は、オペレータによって指定される評価基準時間に基づいて評価される。すなわち、基準時間ごとの平均値と、基準値とが比較され、基準値を超える平均値があれば、基準値を満たさないと判断される。CO濃度、VI濃度の変動が激しい場合、評価基準時間が短いほうが厳しい評価基準となる。
【0079】
例えば、評価基準時間として、1分、5分、10分が選択できる場合、1分基準が最も厳しい評価となり、10分基準が最も緩い基準となる。この評価基準時間は、オペレータ端末27により設定することができるため、オペレータは、CO基準値やVI基準値を変更するだけでなく、評価基準時間を変更することによって基準値比較評価を容易に調整することができる。
【0080】
また、相互比較評価として、基準値比較評価により絞り込まれた換気制御候補について、排気装置10での消費電力が比較され、最も消費電力が小さくなる換気制御候補が採用され、当該制御を行うための制御信号が、排気装置10及びジェットファン11へ出力される。
【0081】
本実施の形態によれば、交通シミュレーションを行って、道路トンネル内における将来の交通状態を予測して、複数の換気制御候補を選定している。そして、選定された各換気制御候補について、換気シミュレーションを行って、道路トンネル内における将来の換気状態を予測し、予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機10,11の運転状態を決定している。
【0082】
この様にして、交通状態の変動、換気力の非線形性、汚染度改善の時間遅れなどを考慮した換気シミュレーションを行って、その結果に基づいて、換気制御を決定すれば、制御結果の予測精度が向上し、送排風機10,11をより適切に制御することができる。例えば、CO基準値及びVI基準値を満足させつつ、より消費電力の小さくなるように、送排風機10,11を制御することも可能となる。また、分岐合流を有するような複雑なトンネルにも適用することができる。
【0083】
また、複数の換気制御候補のそれぞれについて将来の換気状態を予測し、これらの予測結果に基づいて換気制御候補を評価して換気制御を決定している。このため、制御内容を調整する場合、これらの評価基準を変更すればよいので、パラメータ数が少なく、かつ、各パラメータが理解しやすいため、専門的知識を有しないオペレータでも容易に操作することができる。
【0084】
さらに、交通シミュレーションの結果に基づいて、換気制御候補を選定しているため、適切な換気制御候補を選定することができる。従って、精度の高い換気制御を比較的少ない演算量で実現することができる。特に、予測交通状態から得られる制御量と、風量センサ13,14及び汚染度センサ15,16の計測データから得られる制御量とについて、加重係数を異ならせた加重演算を行って複数の換気制御候補を選定しているので、それぞれの優先度の異なる複数の換気制御候補が得られる。
【0085】
実施の形態2.
図7は、本発明による換気制御装置を実現するためのコンピュータプログラムの一構成例を示した概念図である。このコンピュータプログラムは、メインプログラム60と、複数のプログラムモジュール61〜66とにより構成され、各プログラムモジュール61〜66は互いに独立して実行される。
【0086】
オペレータインターフェース61は、オペレータ端末27のデータ入出力を制御するプログラムモジュールである。例えば、オペレータによるキーボードやポインティング・デバイスの操作入力を検出するとともに、画像表示装置へ映像信号を出力している。計測データインターフェース62は、各種センサ13〜19での計測データを取得するプログラムモジュールであり、図3の汚染度データ入力部20、風量データ入力部21及び交通データ入力部22に相当する。交通シミュレーションモジュール63、換気制御候補選定モジュール64、換気シミュレーションモジュール65、換気制御評価モジュール66は、それぞれ図3の交通シミュレーション部23、換気制御候補選定部24、換気シミュレーション部25、換気制御評価部26に相当する。
【0087】
各モジュール61〜66は、メインプログラム60が実行するモジュール呼出処理60Cにより呼び出されて起動される。メインプログラム60は、各モジュール61〜66を順に呼び出し、全てのモジュール61〜66が呼び出されることによっては送風機10,11の新たな運転状態が決定される。図7では、モジュール61〜66が、符号の若いモジュールから順に呼び出している様子が示されている。メインプログラム60は、所定の換気制御周期、例えば10分ごとに、この動作を繰り返すことにより道路トンネルの換気制御を行っている。
【0088】
このコンピュータプログラムは、主要なプログラムをモジュール化することによって、各モジュールが、他のモジュールから直接的な影響を受けないように構成されている。このため、一部のモジュールについて、他のモジュールとは独立して、その動作や構成を変更することができる。
【0089】
図8は、図7の各モジュール61〜66間におけるデータの受け渡し方法を示した説明図である。図中の67はモジュール61〜66間での受け渡しデータが書き込まれるメモリ領域であり、各モジュール61〜66のための電子掲示板(BBS:Bulletin Board System)として機能する。
【0090】
メモリ領域67は小領域に分割され、各小領域はいずれか1つのモジュールに対応付けられている。各小領域にデータ書き込みを行うことができるのは、当該小領域に対応づけられたモジュールのみである一方、メモリ領域67に格納された全てのデータは、任意のモジュール61〜66から読み出すことができる。このため、モジュール間でデータを共有化しつつ、各モジュールを互いに独立して動作させることができる。
【0091】
なお、本発明によるコンピュータプログラムは、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として提供され、あるいは、電気通信回線を介してダウンロードすることにより提供される。この記録媒体は、固定的にプログラムを担持可能であって、コンピュータによって直接的又は間接的に読み取り可能な記憶媒体であればよい。例えば、ROM、RAM等などの半導体素子でも良いし、フレキシブルディスク、ハードディスク、MD、磁気テープなどの磁気記憶媒体でも良いし、CD−ROM、MO、DVDなどの光記憶媒体でも良く、その記録方式及び読取方式は問わない。
【0092】
実施の形態3.
実施の形態1では、交通シミュレーション部23において、予め与えられた車両走行パラメータを用いて、将来の交通状態の予測(交通シミュレーション)を行う換気制御装置の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、車両走行パラメータをダイナミックに変更し、交通状態の予測精度を向上させる換気制御装置について説明する。
【0093】
図9は、本発明の実施の形態3による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の交通シミュレーション部23の他の構成例が示されている。この交通シミュレーション部23を図4(実施の形態1)の場合と比較すれば、車両走行パラメータ変更処理部34を備えている点で異なる。
【0094】
この交通シミュレーション部23では、過去の交通データに基づいて予測された将来の交通状態が、その後の交通データと一致するように、車両走行パラメータ変更処理部34が、車両走行パラメータを変更している。このパラメータ変更は、道路トンネル内の下流側に設置された交通センサ18、例えば、トンネル出口付近に設置された交通センサ18の計測データに基づいて行われる。
【0095】
車両走行パラメータ変更処理部34には、交通状態予測処理部32によって予測された交通状態とともに、予測対象とされた時点において交通センサ18により実際に計測された交通データが入力される。車両走行パラメータ変更処理部34は、これらの比較結果に基づいて、車両走行パラメータ記憶部33の車両走行パラメータを変更する。
【0096】
車両走行パラメータは、道路トンネル内における車両速度を導出するためのパラメータであり、そのパラメータ変更は、出発地点及び目的地点として予め定められた道路トンネル内の2地点間における車両の走行時間に基づいて行うことができる。例えば、トンネル入口付近の交通センサ17の設置位置を出発地点とし、トンネル出口付近の交通センサ18の設置位置を目的地点とし、特定の車両がこれらの2地点間(交通センサ17,18間)を走行するのに要した走行時間について、交通状態予測処理部32の予測結果と、実際の計測データとが一致するように、車両走行パラメータの変更が行われる。
【0097】
図10のステップS101〜S104は、車両走行パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。ある車両が時刻t1に出発地点を通過して、交通センサ17によって検出され、その後の時刻t2に目的地点を通過して、交通センサ18によって検出されたものとする。
【0098】
まず、交通状態予測処理部32は、出発地点での計測データに基づいて、換気制御時と同様にして、将来の交通状態を予測する(ステップS101)。上述した通り、交通状態予測処理部32は、各車両ごとの挙動を予測しているため、上記車両が出発地点に到着する時刻t2’が予測され、出発地点から目的地点までの走行時間が求められる。
【0099】
車両走行パラメータ変更処理部34には、この予測結果ととともに、交通センサ18によりその後に計測された目的地点での計測データが入力され、予測された走行時間(t2’−t1)と、実際の走行時間(t2−t1)とが比較される(ステップS102)。なお、ステップS102において、車両の平均速度や到着時刻を比較してもよいが、これらの比較は、走行時間を比較するのと実質的に同一であり、本明細書では走行時間の比較に含まれるものとする。ステップS102における比較の結果、両者が一致すれば、車両走行パラメータの変更は行われない(ステップS103)。
【0100】
一方、両者が一致しない場合には、交通状態の予測に誤差が生じていると判断され、この誤差を低減するように車両走行パラメータが変更される(ステップS104)。必要があれば、変更後の車両走行パラメータを用いて、交通状態予測処理部32により再び交通状態の予測が行われ、パラメータ変更後の予測誤差が求められる。この様にして交通状態予測処理部32の予測誤差が十分に抑制されるまで、ステップS101〜S104の動作が繰り返される。
【0101】
本実施の形態によれば、道路トンネル内の上流側及び下流側に設置された2つの交通センサ間の走行時間について、車両走行パラメータ変更処理部が、予測された走行時間と、実際に計測された走行時間とを比較して、車両走行パラメータを変更している。このため、車両走行パラメータをダイナミックに変更して、交通状態の予測軽度を向上させることができる。
【0102】
実施の形態4.
実施の形態1では、換気シミュレーション部25において、予め与えられた換気力パラメータを用いて将来の空気流の予測(空気流シミュレーション)を行って、将来の換気状態を予測する換気制御装置の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、換気力パラメータをダイナミックに変更し、空気流の予測精度を向上させる換気制御装置について説明する。
【0103】
図11は、本発明の実施の形態4による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の換気シミュレーション部25の他の構成例が示されている。この換気シミュレーション部25を図6(実施の形態1)の場合と比較すれば、換気力パラメータ変更処理部56を備えている点で異なる。
【0104】
この換気シミュレーション部25では、過去の風量データ等に基づいて空気流予測処理部52によって予測された将来の空気流が、その後の風量データと一致するように、換気力パラメータ変更処理部56が、換気力パラメータを変更している。
【0105】
換気力パラメータ変更処理部56には、空気流予測処理部52により予測された空気流と、予測対象とされた時点において風量センサ13及び14により計測された実際の風量データが入力される。換気力パラメータ変更処理部56は、これらの比較結果に基づいて、換気力パラメータ記憶部54に格納された換気力パラメータを変更する。なお、空気流予測処理部52は、換気制御時には、各換気制御候補について空気流状態の予測を行っているが、換気力パラメータの変更時には、実際に採用された送排風機10,11の運転状態について、空気流の予測を行うだけでよい。
【0106】
図12のステップS201〜S205は、換気力パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。まず、交通シミュレーション部23において、過去の交通データに基づき、将来の交通状態が時系列で予測される。(ステップS201)。次に、予測された交通状態と、過去の風量データと、その後の送排風機10,11の運転状態に基づいて、空気流予測処理部52により将来の空気流が予測され、各風量センサ13,14の設置位置における風量データが予測される(ステップS202)。
【0107】
換気力パラメータ変更処理部56には、この予測風量データとともに、風量センサ13,14によりその後に計測された風量データが入力され、予測された風量データと、実際の風量データとが比較される(ステップS203)。この結果、両者が一致すれば、換気力パラメータの変更は行われない(ステップS204)。
【0108】
一方、両者が一致しない場合には、空気流予測処理部52における空気流の予測に誤差が生じていると判断され、この誤差を低減するように換気力パラメータが変更される(ステップS205)。必要があれば、変更後の換気力パラメータを用いて、空気流予測処理部52により空気流の予測が再び行われ、パラメータ変更後の予測誤差が求められる。この様にして空気流予測処理部52の予測誤差が十分に抑制されるまで、ステップS202〜S205の動作が繰り返される。
【0109】
本実施の形態によれば、換気力パラメータ変更処理部56が、予測された風量データと、実際に計測された風量データとを比較して、換気力パラメータを変更している。このため、換気力パラメータをダイナミックに変更して、空気流の予測精度を向上させることができる。従って、換気状態の予測精度を向上させ、より正確な換気制御を実現することができる。
【0110】
実施の形態5.
実施の形態1では、換気シミュレーション部25において、予め与えられた汚染ガス排出パラメータを用いて、将来の換気状態の予測(換気シミュレーション)を行う換気制御装置の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、汚染ガス排出パラメータをダイナミックに変更し、換気状態の予測精度を向上させる換気制御装置について説明する。
【0111】
図13は、本発明の実施の形態5による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の換気シミュレーション部25の他の構成例が示されている。この換気シミュレーション部25を図6(実施の形態1)の場合と比較すれば、排出パラメータ変更処理部57を備えている点で異なる。
【0112】
この換気シミュレーション部25では、過去の汚染度データ等に基づいて汚染度予測処理部53によって予測された将来の換気状態が、その後の汚染度データと一致するように、排出パラメータ変更処理部57が、汚染ガス排出パラメータ記憶部55の汚染ガス排出パラメータを変更している。
【0113】
排出パラメータ変更処理部57には、汚染度予測処理部53により予測された換気状態(汚染度)と、予測対象とされた時点において汚染度センサ15及び16により実際に計測された汚染度データが入力される。排出パラメータ変更処理部57は、これらの比較結果に基づいて、汚染ガス排出パラメータ記憶部55に格納された汚染ガス排出パラメータを変更する。なお、汚染度予測処理部53は、換気制御時には、各換気制御候補について換気状態の予測を行っているが、汚染ガス排出パラメータの変更時には、実際に採用された送排風機10,11の運転状態について、換気状態の予測を行うだけでよい。
【0114】
図14のステップS301〜S306は、汚染ガス排出パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。まず、交通シミュレーション部23において、過去の交通データに基づき、将来の交通状態が時系列で予測される(ステップS301)。次に、予測された交通状態と、過去の風量データと、その後の送排風機10,11の運転状態に基づいて、空気流予測処理部52により将来の空気流が予測される(ステップS302)。更に、予測された交通状態と、予測された空気流と、過去の汚染度データに基づいて、汚染度予測処理部53により将来の換気状態が予測され、各汚染度センサ15及び16の設置位置における汚染度データが予測される(ステップS303)。
【0115】
排出パラメータ変更処理部57には、この汚染度データとともに、汚染度センサ15及び16によって計測された汚染度データが入力され、予測された汚染度データと、実際の汚染度データとが比較される(ステップS304)。この結果、両者が一致すれば、汚染ガス排出パラメータの変更は行われない(ステップS305)。
【0116】
一方、両者が一致しない場合には、汚染度予測処理部53における換気状態の予測に誤差が生じていると判断され、この誤差を低減するように汚染ガス排出パラメータが変更される(ステップS306)。必要があれば、変更後の汚染ガス排出パラメータを用いて、汚染度予測処理部53による換気状態の予測が再び行われ、パラメータ変更後の予測誤差が求められる。この様にして予測誤差が十分に抑制されるまで、ステップS302〜S306の動作が繰り返される。
【0117】
本実施の形態によれば、排出パラメータ変更処理部57が、予測された換気状態と、実際に計測された汚染度データとを比較して、汚染ガス排出パラメータを変更している。このため、汚染ガス排出パラメータをダイナミックに変更して、換気状態の予測精度を向上させることができる。従って、より正確な換気制御を実現することができる。
【0118】
なお、換気力パラメータ及び汚染ガス排出パラメータをともに変更することによって、換気シミュレーション部25における換気状態の予測精度をより向上させることができる。この場合、まず、換気力パラメータを変更した後に、排出パラメータを変更することが望ましい。
【0119】
実施の形態6.
実施の形態1では、換気制御候補選定部24において、2つの換気制御量に対し加重係数の異なる加重演算を行って、複数の換気制御候補を選定する換気制御装置の例について説明した。これに対し、本実施の形態では道路トンネルの交通量を求める基準時間を異ならせることによって、複数の換気制御候補を選定する換気制御装置について説明する。
【0120】
図15は、図3の換気制御候補選定部24の他の構成例を示したブロック図である。図中の45は平均交通量算出部である。この換気制御候補選定部24を図5(実施の形態1)の場合と比較すれば、COデータ及びVIデータに基づくフィードバック制御を行っておらず、予測された交通状態のみに基づいて、複数の換気制御候補を決定している点で異なる。
【0121】
平均交通量算出部45は、交通シミュレーション部23において予測された交通状態に基づいて、道路トンネル内における交通量の時間平均を求めている。その際、平均交通量を求める基準時間(平均時間)を異ならせて、複数の平均交通量を求めている。例えば、1分、5分、10分の各基準時間について、それぞれ平均交通量が求められる。交通シミュレーション部23が今後30分間の交通状態を予測しているとすれば、基準時間が5分なら時系列に6個の平均交通量が求められる。
【0122】
FF制御量決定部43では、所定の判定期間、例えば30分間における平均交通量の最大値に基づいて換気制御量が求められる。基準時間が5分であれば、6個の平均交通量の最大値に基づいて換気制御量を決定する。各基準時間について、同様の方法により換気制御量が決定され、基準時間の数に応じて、複数の換気制御候補が求められる。
【0123】
図16は、交通シミュレーション部23において予測された道路トンネルの交通量の時系列変化の一例を示した図であり、横軸が時間経過、縦軸が走行車両数の平均値である。ここでは、交通シミュレーション部23が、道路トンネル内の交通量(走行車両数)を1分ごとに予測しているものとする。
【0124】
図示された今後の20分間について走行車両数の最大値を求める場合、1分ごとの平均値について最大値を求めればM1となる。同様にして、5分ごとの平均値について最大値を求めればM5となり、10分ごとの平均値について最大値を求めればM10となる。この様にして、平均値としての交通量を求める際、その基準時間に応じて交通量の最大値が異なり、基準時間が長くなるほど最大値は小さくなる。
【0125】
つまり、交通量の変動が激しい場合、短い基準時間によって求められた換気制御量を採用すれば、一時的な交通量の増大に対し、敏感に反応する制御を行うことができる。この場合、道路トンネル内における汚染度の上昇を確実に抑制することができるが、過剰に反応することによって、排気装置10での消費電力を増大させたり、ハンチング現象が発生したりする可能性が高くなる。一方、基準時間を長くするほど、一時的な交通量の増大に対し、より緩慢に反応する制御を行うことができる。
【0126】
本実施の形態によれば、換気制御候補選定部24が、予測された交通状態に基づいて基準時間ごとの平均交通量を求め、その最大値に基づいて送排風機の換気制御候補を決定する際、基準時間を異ならせて複数の換気制御候補を選定している。このため、予測された交通状態から複数の換気制御候補を選定することができる。また、交通量の変動に対する反応の異なる複数の換気制御候補を選定することができる。
【0127】
【発明の効果】
本発明による道路トンネル換気制御装置は、複数の換気制御候補を選定し、各換気制御候補について将来の換気状態を予測し、その評価を行って送排風機に対する制御を決定している。このため、予測精度の高い換気制御を行うことができる。また、将来の換気状態を評価して送排風機に対する制御を決定しているので、評価基準の変更により、制御内容を調整することができ、オペレータによる調整操作が容易である。更に、予測された道路トンネル内の将来の交通状態に基づいて複数の換気制御候補を選定することにより、適切な換気制御候補を選定することができる。従って、演算処理量を抑制しつつ、高精度の換気制御を行うことができる。
【0128】
また、本発明による道路トンネル換気制御装置は、将来の交通状態を予測する際、走行車両の速度を導出するために用いられる車両走行パラメータを、交通センサ間において予測された走行時間と、実際に計測された走行時間とに基づいて変更している。このため、交通状態の予測を精度よく行うことができる。
【0129】
また、本発明による道路トンネル換気制御装置は、将来の換気状態を予測する際、車両走行によって生ずる風量を導出するために用いられる換気力パラメータを、予測された道路トンネル内の風量と、風量センサにより計測された実際の風量とに基づいて変更している。このため、換気状態の予測を精度よく行うことができる。
【0130】
また、本発明による道路トンネル換気制御装置は、将来の換気状態を予測する際、走行車両からの汚染ガス排出量を導出するために用いられる汚染ガス排出パラメータを、予測された道路トンネル内の汚染度と、汚染度センサにより計測された実際の汚染度とに基づいて変更している。このため、換気状態の予測を精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による換気制御装置を含む道路トンネル換気システムの一構成例を示した図である。
【図2】道路トンネル内における風量及び透過率(VI)の分布の一例を示した図である。
【図3】図1の換気制御装置2の一構成例を示したブロック図である。
【図4】図3の交通シミュレーション部23の一構成例を示したブロック図である。
【図5】図3の換気制御候補選定部24の一構成例を示したブロック図である。
【図6】図3の換気シミュレーション部25の一構成例を示したブロック図である。
【図7】本発明による換気制御装置を実現するためのコンピュータプログラムの一構成例を示した概念図である(実施の形態2)。
【図8】図7のモジュール61〜66間におけるデータの受け渡し方法を示した説明図である。
【図9】本発明の実施の形態3による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の交通シミュレーション部23の他の構成例が示されている。
【図10】車両走行パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態4による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の換気シミュレーション部25の他の構成例が示されている。
【図12】換気力パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態5による換気制御装置の要部の一構成例を示した図であり、図3の換気シミュレーション部25の他の構成例が示されている。
【図14】汚染ガス排出パラメータの変更方法の一例を示したフローチャートである。
【図15】図3の換気制御候補選定部24の他の構成例を示したブロック図である。
【図16】交通シミュレーション部23において予測された道路トンネルの交通量の時系列変化の一例を示した図である。
【符号の説明】
1 道路トンネル
2 換気制御装置
3 車両
10 送排風機
11 ジェットファン(送風装置)
13,14 風量センサ
15,16 汚染度センサ
17〜19 交通センサ
20 汚染度データ入力部
21 風量データ入力部
22 交通データ入力部
23 交通シミュレーション部
24 換気制御候補選定部
25 換気シミュレーション部
26 換気制御評価部
27 オペレータ端末
Qe 排気風量
Qr1 坑内風量
Qr2 漏出風量

Claims (7)

  1. 道路トンネルの入口及び進入路上の通過車両をそれぞれ計測する交通センサ、トンネル内の風量を計測する風量センサ、並びに、トンネル内の空気の汚染度を計測する汚染度センサの各計測データに基づいて、道路トンネルの送排風機を制御する道路トンネル換気制御装置において、
    交通センサの計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測する交通シミュレーション部と、
    予測された交通状態に基づいて、複数の換気制御候補を選定する換気制御候補選定部と、
    予測された交通状態、並びに、風量センサ及び汚染度センサの各計測データに基づいて、選定された各換気制御候補について、道路トンネル内における将来の換気状態を予測する換気シミュレーション部と、
    予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機の運転状態を決定する換気制御評価部とを備えたことを特徴とする道路トンネル換気制御装置。
  2. 上記交通シミュレーション部は、走行車両の速度を導出するための車両走行パラメータを用いて交通状態を予測し、
    道路トンネル内の下流側における交通センサの計測データに基づいて、交通センサ間における走行時間を求め、
    交通センサ間において予測された走行時間と、実際に計測された走行時間とに基づいて、車両走行パラメータを変更することを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
  3. 上記換気シミュレーション部は、車両走行によって生ずる風量を導出するための換気力パラメータを用いて、道路トンネル内の風量を予測し、
    予測された風量と、風量センサにより計測された実際の風量とに基づいて、換気力パラメータを変更することを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
  4. 上記換気シミュレーション部は、走行車両からの汚染ガス排出量を導出するための汚染ガス排出パラメータを用いて、道路トンネル内の汚染度を予測し、
    予測された汚染度と、汚染度センサにより計測された実際の汚染度とに基づいて、汚染ガス排出パラメータを変更することを特徴とする請求項1又は3に記載の道路トンネル換気制御装置。
  5. 上記換気制御候補選定部は、予測された交通状態に基づいて決定される送排風機の制御量と、風量センサ及び汚染度センサの計測データに基づいて決定される送排風機の制御量との加重演算を行って換気制御候補を決定する際、加重係数を異ならせて複数の換気制御候補を選定することを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
  6. 上記換気制御候補選定部は、予測された交通状態に基づいて基準時間ごとの平均交通量を求め、その最大値に基づいて送排風機の換気制御候補を決定する際、基準時間を異ならせて複数の換気制御候補を選定することを特徴とする請求項1に記載の道路トンネル換気制御装置。
  7. 道路トンネルの入口及び進入路上の通過車両をそれぞれ計測する交通センサ、トンネル内の風量を計測する風量センサ、並びに、トンネル内の汚染度を計測する汚染度センサの各計測データに基づいて、道路トンネルの送排風機を制御するコンピュータプログラムにおいて、
    交通センサの計測データに基づいて、道路トンネル内における将来の交通状態を予測する交通シミュレーションステップと、
    予測された交通状態に基づいて、複数の換気制御候補を選定する換気制御候補選定ステップと、
    予測された交通状態、並びに、風量センサ及び汚染度センサの各計測データに基づいて、選定された各換気制御候補について、道路トンネル内における将来の換気状態を予測する換気シミュレーションステップと、
    予測された換気状態に基づいて換気制御候補を評価し、送排風機の運転状態を決定する換気制御評価ステップとを実行することを特徴とするコンピュータプログラム。
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