JP3157953B2 - 交通流予測装置 - Google Patents

交通流予測装置

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JP3157953B2
JP3157953B2 JP14944293A JP14944293A JP3157953B2 JP 3157953 B2 JP3157953 B2 JP 3157953B2 JP 14944293 A JP14944293 A JP 14944293A JP 14944293 A JP14944293 A JP 14944293A JP 3157953 B2 JP3157953 B2 JP 3157953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば高速道路で用いら
れる交通流予測装置に係わり、とりわけ交通流を精度良
く予測することができる交通流予測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路における交通管制システムにお
いては、通行車両のドライバーに対して、渋滞が予想
される区域、予想される渋滞長、今後渋滞が広がる
傾向にあるのかそれとも解消する傾向にあるのか、渋
滞解消までに要する時間、どの程度の速度で通行する
ことが可能なのか、ある地点からある地点までの走行
所要時間、などの各種予測情報をきめ細かく提供すると
ともに、ラッシュ時にランプ閉鎖を行なうなど、交通流
量予測値に基づいて交通管制の適正化を図ることが要求
されている。
【0003】従来、高速道路上の通行車両の流れ(交通
流)の予測方法としては以下のような方法が提案されて
いる。まず高速道路の交通流には、大きく分けて、自由
走行状態(渋滞の無い状態)、および渋滞走行状態の2
種類の状態がある。このうち、渋滞時の交通流をうまく
予測できるかがポイントとなる。この渋滞時を含む交通
流を比較的簡単なモデルでうまく予測できるものとして
従来から提案されている方法が、状態方程式モデル(交
通密度を状態変数にとった微分形の方程式)である。
【0004】高速道路を図4のように複数のセクション
に分割したとき、セクションiの交通密度ki の時間変
動を考える。交通流を検討する際、速度、交通量を左右
する基本的なファクタが交通密度となる。
【0005】Δt[min ]間における交通密度k
i (t)の変化量Δki (t)[台/m]は、(a)Δ
tの間にセクションiに流入する車両台数[台]と、
(b)Δtの間にセクションiから流出する車両台数
[台]との差をセクションiの長さで割ったものとな
る。
【0006】一般に、あるセクションに流入する交通量
[台/min ]は、上流側セクションの交通密度[台/
m]と上流側セクションの空間平均速度[m/min ]と
の積で表されることから、次式が導かれる。
【0007】基本式(セクションiの上流端の合流、下
流端の分岐が無い場合) Δki (t) =(Δt/Li ) ・(QINi-1,i −QUUTi,i+1 ) (1) QINi-1,i =Ci-1,i (ki (t))・ki-1 (t) ・Vi-1 (ki-1 (t))・(1000/60) (2) QOUTi,i+1 =Ci,i+1 (ki+1 (t))・ki (t) ・Vi (ki (t))・(1000/60) (3) (1)〜(3)式において、ki (t)はセクションi
の交通密度[台/m]、Δki (t)はセクションiの
交通密度のΔt[min ]間の変化量[台/m]、QIN
i-1,i はセクションi−1からセクションiへの流入交
通量[台/min]、QOUTi,i+1 はセクションiから
セクションi+1への流出交通量[台/min ]、Li
セクションiの長さ[m]、Vi (ki (t))はセク
ションiにおける空間平均速度[km/h]でki (t)
の関数として与えられる。
【0008】(1)式の第1項が上記(a)に、第2項
が上記(b)に相当する。Ci-1,iはセクションi−1
からセクションiへの流出量が抑えられる働きを持つ流
出係数であり、この係数を導入することにより交通渋滞
が上流側に広がっていく遡上現象を間接的に表現するこ
とが可能となる。流出係数Ci-1,i は経験的に次のよう
な形で与えられる。
【0009】・0≦ki (t)≦Kcrのとき(Kcrは臨
界密度[台/m]、例えばKcr=0.08[台/
m])、 Ci-1,i (ki (t))=1 (4) ・Kcr<ki (t)のとき、 Ci-1,i (ki (t))=(Li-1 /Lmax)・epx[−α ・{(ki (t) /Kcr)−1}2 ] (5) (5)式において、αは経験的に与えられるパラメータ
(α=0.48)であり、Lmax は最大区間長[m]で
ある。
【0010】(2)、(3)式は、セクションi−1か
らセクションiへの流出を考えた場合、下流側セクショ
ンiの区間密度ki (t)が臨界密度Kcr以下であれ
ば、上流側セクションの交通量がそのまま流出するが、
i (t)がKcrを越えると、その越えた程度に応じて
流出量が抑えられることを意味する。また上流側セクシ
ョンi−1の区間長Li-1 が短いほど、その影響が上流
側セクション全体に早く拡がるので、流出量が抑えられ
るということである。なお、区間長は対象道路網中の最
大区間長Lmax で割ることによって標準化してある。
【0011】上述の差分方程式を解く場合、Δt[min
]は区間長最小値Lmin [m]×10-3程度とすると
適合度が良くなることが確かめられている。
【0012】また、交通密度〜速度曲線Vi (k
i (t))については、例えば次式を採用する。
【0013】・0≦ki (t)≦Kcrのとき(Kcrは臨
界密度[台/m])、 Vi (ki (t))=91.0・{1−5・ki (t)} (6) ・Kcr<ki (t)のとき、 Vi (ki (t))=164.5・exp{−13.8・ki (t)} (7) (6)、(7)式において各係数の値は、仮の値であり
対象となる道路によって異なる。
【0014】セクションiの下流端にオフランプが接続
している場合 図5に示すようにセクションiの下流端にオフランプが
接続している場合には、前述の基本式(1)〜(3)式
のうち、(3)式は次のように変更される。
【0015】 QOUTi,i+1 =Pi,i+1 ・Ci,i+1 (ki+1 (t))・ki (t) ・Vi (ki (t))・(1000/60)+(1−Pi,i+1 ) ・ki (t) ・Vi (ki (t))・(1000/60) (8) ここでPi,i+1 はセクションiからオフランプへ流出せ
ず、セクションi+1へ推移する車両の割合を示してお
り、推移確率と呼ばれる係数である。
【0016】(8)式の第1項はセクションiからセク
ションi+1への流出交通量[台/min ]、第2項はセ
クションiからオフランプへの流出を表している。
【0017】セクションiの下流端が本線の分流点の場
セクションiの下流端が本線の分流点の場合には、前述
の基本式(1)〜(3)式のうち、(3)式は次のよう
に変更される。
【0018】 なお(9)式において、Pi,j はセクションiからセク
ションjへ流出する割
【0019】セクションiの上流端にオンランプが接続
している場合 図6に示すようにセクションiの上流端にオンランプが
接続している場合には、前述の基本式(1)〜(3)式
のうち、(2)式は次のように変更される。
【0020】QINi-1,i =Ur,i (t) +Ci-1,i (ki (t))・Pi-1,i ・ki-1 (t) ・Vi-1 (ki-1 (t))・(1000/60) (10) ここで、Ur,i (t)はオンランプrからセクションi
への流入交通量[台/min ]であり、 Ur,i (t) =(オンランプrからの需要交通量) ・Cr,i (ki (t)) (11) によって与えるものとしている。
【0021】セクションiの上流端が本線の合流点の場
セクションiの上流端が本線の合流点の場合には、前述
の基本式(1)〜(3)式のうち、(2)式は次のよう
に変更される。
【0022】 例えば、図7に示すような簡易路線形状を考えると、上
述の状態方程式モデルは、図8に示すフローチャートに
よって交通密度予測値を予測演算できる。すなわち、
(1)式を用いて流入交通量QINi-1,i と流出交通量
QOUTi,i+1 から交通密度変化量Δki (t)を求め
た後、時刻t+Δtにおける交通密度ki(t+Δt)
を求める。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述のように
従来の状態方程式モデルにおいては、交通密度〜速度曲
線Vi (ki (t))の式(6)、(7)において、下
流側のセクションの交通密度ki+1 (t)の影響を考慮
していないために、このままでは、高速道路に見られる
交通渋滞の下流側から上流側への遡上現象を表すことが
できない。そこで(2)、(3)式に示すようにセクシ
ョンi−1からセクションiへの流出量が抑えられる働
きを持つ流出係数Ci-1,i を導入することにより流入交
通量および流出交通量を表しているが、この流出係数の
モデルを経験的に定めなければならない。またこの流出
係数の経験値を定めることはむずかしく、これが従来の
交通流予測方法では充分な予測精度が得られない主な要
因となっている。
【0024】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、流出係数を定めることなく、精度良く交
通流予測を行なうことができる交通流予測装置を提供す
ることを目的とする。
【0025】
【課題が解決するための手段】請求項1記載の発明は、
道路上の各セクションに設置され通過する車両の検知を
行なう車両感知器と、車両感知器からの信号により交通
量を演算する交通量演算手段と、車両感知器と交通量演
算手段からの信号によりオキュパンシを求めるオキュパ
ンシ演算手段と、交通量演算手段およびオキュパンシ演
算手段からの信号により空間平均速度を求める空間平均
速度演算手段と、オキュパンシ演算手段からの信号によ
り交通密度を求める交通密度演算手段と、あるセクショ
ンの交通密度と当該セクションより1つ下流側のセクシ
ョンの交通密度とを入力信号とし、当該セクションの空
間平均速度予測値を出力信号とする第1ニューラルネッ
トワークと、当該セクションの交通密度実績値と、当該
セクションより1つ下流側のセクションの交通密度実績
値と、当該セクションの交通密度実績値、および当該セ
クションより1つ下流側のセクションの交通密度実績値
を第1ニューラルットワークの入力として得られる出力
と、当該セクションの空間平均速度実績値とを一組の学
習用データとして第1ニューラルネットワーク内の重み
係数の学習を行なう第1ニューラルネットワーク学習手
段と、第1ニューラルネットワークにより求めた空間平
均速度予測値に基づいて交通密度予測値を求める交通流
予測手段と、を備えたことを特徴とする交通流予測装置
である。
【0026】請求項2記載の発明は、道路上の各セクシ
ョンに設置され通過する車両の検知を行なう車両感知器
と、車両感知器からの信号により交通量を演算する交通
量演算手段と、車両感知器と交通量演算手段からの信号
によりオキュパンシを求めるオキュパンシ演算手段と、
交通量演算手段およびオキュパンシ演算手段からの信号
により空間平均速度を求める空間平均速度演算手段と、
オキュパンシ演算手段からの信号により交通密度を求め
る交通密度演算手段と、あるセクションの交通密度と当
該セクションより1つ上流側のセクションの交通密度と
当該セクションより1つ下流側のセクションの交通密度
とを入力信号とし、当該セクションの空間平均速度予測
値を出力信号とする第2ニューラルネットワークと、当
該セクションの交通密度実績値と、当該セクションより
1つ上流側のセクションの交通密度実績値と、当該セク
ションより1つ下流側のセクションの交通密度実績値
と、当該セクションの交通密度実績値、当該セクション
より1つ上流側のセクションの交通密度実績値、および
当該セクションより1つ下流側のセクションの交通密度
実績値を第2ニューラルットワークの入力として得られ
る出力と、当該セクションの空間平均速度実績値とを一
組の学習用データとして第2ニューラルネットワーク内
の重み係数の学習を行なう第2ニューラルネットワーク
学習手段と、第2ニューラルネットワークにより求めた
空間平均速度予測値に基づいて交通密度予測値を求める
交通流予測手段と、を備えたことを特徴とする交通流予
測装置である。
【0027】
【作用】請求項1記載の発明によれば、交通演算手段に
よって各セクションの交通密度および空間平均速度が求
められ、第1ニューラルネットワークにおいて、あるセ
クションの交通密度と、1つ下流側のセクションの交通
密度とから当該セクションの空間平均速度予測値が求め
られる。第1ニューラルネットワーク学習手段は、当該
セクションの交通密度実績値と1つ下流側のセクション
の交通密度実績値とを入力信号とし、当該セクションの
空間平均速度実績値を出力信号とする学習用データによ
り第1ニューラルネットワークの学習を行なう。交通流
予測手段において、第1ニューラルネットワークにより
求めた空間平均速度予測値に基づいて交通密度予測値を
求める。
【0028】請求項2記載の発明によれば、交通演算手
段によって各セクションの交通密度および空間平均速度
が求められ、第2ニューラルネットワークにおいて、あ
るセクションの交通密度と、1つ上流側のセクションの
交通密度と、1つ下流側のセクションの交通密度とから
当該セクションの空間平均速度予測値が求められる。第
2ニューラルネットワーク学習手段は当該セクションの
交通密度実績値と1つ上流側のセクションの交通密度実
績値と1つ下流側のセクションの交通密度実績値とを入
力信号とし、当該セクションの空間平均速度実績値を出
力信号とする学習用データにより第2ニューラルネット
ワークの学習を行なう。交通流予測手段において、第2
ニューラルネットワークにより求めた空間平均速度予測
値に基づいて交通密度予測値を求める。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1乃至図3は本発明による交通流予測装
置の一実施例を示す図である。
【0030】図1は、本発明の一実施例を示す機能ブロ
ック図である。図1において、交通流予測装置は、道路
上の各セクションに設置され通過する車両の検知を行な
う車両感知器1と、車両感知器1からの信号により交通
量を演算する交通量演算手段2と、車両感知器1と交通
量演算手段2からの信号によりオキュパンシを求めるオ
キュパンシ演算手段3と、交通量演算手段2およびオキ
ュパンシ演算手段3からの信号により空間平均速度を求
める空間平均速度演算手段4と、オキュパンシ演算手段
3からの信号により交通密度を求める交通密度演算手段
5とを備えている。そして空間平均速度演算手段4およ
び交通密度演算手段5により、道路上の各セクションの
空間平均速度および交通密度が演算される。また、これ
らの演算結果をもとに、交通流予測手段6、ニューラル
ネットワーク7およびニューラルネットワーク学習手段
8により、各セクションの空間平均速度および交通密度
の予測値が得られるようになっている。
【0031】次にこのような構成からなる本実施例の作
用を説明する。車両感知器1の出力をもとに、交通量演
算手段2により各セクションの交通量[台/min ]が演
算され、同様にオキュパンシ演算手段3により各セクシ
ョンのオキュパンシ[%]が演算される。そして、これ
らの演算結果をもとに、空間平均速度演算手段4では、 に従って、各セクションの空間平均速度[km/h]が演
算される。
【0032】また交通密度演算手段5においては、 に従って、各セクションの交通密度[台/m]が演算さ
れる。
【0033】さらに交通流予測手段6およびニューラル
ネットワーク7では、(14)式で得られた各セクショ
ンの交通密度ki (t)[台/m]を初期条件として、
今後の各セクションi(i=1〜n)おける空間平均速
度Vi [km/h]の推移、 Vi (t) ,Vi (t+Δt),Vi (t+2・Δt),……
… (i=1〜n) および、交通密度ki の推移、 ki (t+Δt),ki (t+2・Δt),ki (t+3・Δ
t),……… (i=1〜n) が予測される。
【0034】図2に交通流予測手段6およびニューラル
ネットワーク7で行なわれる演算処理フローチャートを
示す。図2は従来の図8に相当するものであるが、下記
の点で図8のフローチャートと異なる。
【0035】すなわち、図2に示すフローチャートでは
セクションi−1からセクションiへの流出量が抑えら
れる働きを持つ流出係数Ci-1,i を用いておらず、また
各セクションの空間平均速度Vi の予測に際しては、従
来の(6)、(7)式のような当該セクションの交通密
度のみの関数としたモデル式を用いることなく、ニュー
ラルネットワーク7により求める。
【0036】また図3は図2の太線部の演算の際用いる
ニューラルネットワーク7の構造の例を示している。
【0037】まずニューラルネットワーク7の作用を以
下に説明する。
【0038】中間層の出力Yj は次式にて演算される。 Yj =Fj (UYj) (j=1,2,…,N) (N.1)
【0039】 ここで、 Yj :図3の中間層の第j素子の出力 Wji:図3の入力層の第i素子と中間層の第j素子との
間の重み係数 Xi :図3の入力層の第i素子の出力(入力層は入力と
出力とが同じ) F:各素子の入出力特性を表す関数 である。
【0040】次に、出力層の出力Zを次式により演算す
る。
【0041】 ここで、 Zk :出力層の第k素子の出力 Wkj:中間層第j素子と出力層第j素子との間の重み係
数 である。
【0042】また、関数Fとしては、例えば次式に示す
シグモイド関数を採用する。
【0043】 F(U)=1/(1+e-u)−0.5 (N.5) 上記(N.1)〜(N.5)式の演算が図3のニューラ
ルネットワーク7の内部で行なわれる。
【0044】さらにニューラルネットワーク学習手段8
では、図3に示すニューラルネットワーク7の内部の重
み係数Wkj,Wjiの学習が行なわれるが、学習方法とし
ては以下に示すバック・プロパゲーション法(BP法)
が用いられる。
【0045】まず、教師信号Vk と信号Zk との誤差関
数を(N.6)式で定義する。
【0046】 バックプロパゲーションとは、この誤差関数が最小値に
近づくように重み係数を修正していく手法であり、重み
係数の修正量ΔWkj,ΔWjiは次式で演算される。
【0047】
【数1】 上式において、εは1回に行なう修正の大きさを決める
パラメータである。(N.7)式および(N.8)式の
偏微分項を展開して整理すると、重み係数の修正量は次
のように表される。
【0048】
【数2】 また、学習の際の収束の安定化および収束速度の向上を
図るために、(N.9)式、(N.10)式の代わりに
次式を採用する方法も有効である。
【0049】 ΔWkj(m) =−ε・λk ・Yj +α・ΔWkj(m-1) (N.13) ΔWji(m) =−ε・μj ・Xi +α・ΔWji(m-1) (N.14) (0<α<1) ここでαは学習を安定させるためのパラメータであり、
mは学習の回数を表す。
【0050】次に(N.9)〜(N.12)式の導出方
法について説明する。
【0051】
【数3】
【0052】
【数4】 となる。
【0053】以上が、図1に示すニューラルネットワー
ク7およびニューラルネットワーク学習手段8の内部の
処理内容である。
【0054】本発明では、図2の太線部の演算におい
て、あるセクションiの空間平均速度の予測値V
i (τ)をニューラルネットワーク7により求める。こ
の場合、図3のニューラルネットワーク7の入力信号と
して、 X1 =セクションiの交通密度ki (τ) (15) X2 =セクションiの1つ下流側セクションi+1 の交通密度ki+1 (τ) (16) を採用し、ニューラルネットワークの出力信号として、 Z1 =セクションiの空間平均速度予測値Vi (τ) (17) を(N.1)式〜(N.5)式により計算する。
【0055】そして、ニューラルネットワーク学習手段
8では、 X1 =交通密度演算手段5の出力として得られるある 時刻tにおけるセクションiの交通密度実績値 (18) X2 =交通密度演算手段5の出力として得られるある時刻 tにおけるセクションi+1の交通密度実績値 (19) Z1 =(18)、(19)式のX1 ,X2 をニューラルネットワーク の入力信号としたときのニューラルネットワーク出力 (20) V1 =空間平均速度演算手段4の出力として得られるある 時刻tにおけるセクションiの空間平均速度実績値 (21) を一組の学習用データとし、前述の(N.9)式〜
(N.14)式に従って、ニューラルネットワーク内の
重み係数の学習を行なう。この場合V1 がZ1 に対する
教師信号となる。そして各セクションについて、各時刻
毎に上述の(18)〜(21)式の学習用データの組を
作成し、学習を行なっていく。
【0056】このようにして、ニューラルネットワーク
7において、セクションiの交通密度ki (τ)とセク
ションiの1つ下流側のセクションi+1の交通密度k
i+1(τ)を入力信号として、セクションiの空間平均
速度予測値Vi (τ)を求める。
【0057】次に交通流予測手段6において、ニューラ
ルネットワーク7で求めた空間平均速度予測値V
i (τ)に基づいて、交通密度予測値ki (τ+Δt)
を求める(図2参照)。
【0058】すなわち、図2に示すように、まず各セク
ションにオンランプより流入する交通量Ur,i (τ)が Ur,i (τ)=Pi-1,i ・ki-1 (τ)・Vi-1 (10′) により求められる。
【0059】次に各セクション間の推移確率Pi-1,i
設定される。
【0060】その後、流入交通量QINi-1,i と流出交
通量QOUTi,i+1 が、 QINi-1,i =ki-1 (τ)・Vi-1 (τ)×(1000/60) (2′) QOUTi,i+1 =ki (τ)・Vi (τ)×(1000/60) (3′) により求められる。
【0061】次に(1)式を用いて、流入交通量QIN
i-1,i と流出交通量QOUTi,i+1から交通密度変化量
Δki (t)が求められる。続いて、時刻τ+Δτにお
ける交通密度予測値ki (τ+Δτ)が求められる。
【0062】以上説明したように、本実施例によれば、
あるセクションの空間平均速度を、当該セクションの交
通密度と当該セクション下流側の交通密度との両者を考
慮して予測しているために、交通密度を予測する際、従
来経験的に定めていたセクション間の流出係数といった
考え方が不要となる。このため交通密度の予測精度が向
上する。また、空間平均速度の予測を行なう際に、従来
のような予め定められた関数式ではなくニューラルネッ
トワークのモデルを用いているので、実際に計測される
データを用いて、逐次学習を行なっていくことにより、
継続的にモデル精度の向上を図ることができる。
【0063】なお、上記実施例においては、あるセクシ
ョンの空間平均速度を予測する際に、当該セクションの
交通密度と当該セクション下流側の交通密度とを考慮し
ていたが、当該セクション上流側の交通密度を更に取り
入れてもよい。この場合は、図2に示す太線部の演算に
おいて、あるセクションiの空間平均速度Vi (τ)を
ニューラルネットワークにより求める際、ニューラルネ
ットワーク7の入力信号として、 X1 =セクションiの交通密度ki (τ) (15) X2 =セクションiの下流側セクションi+1 の交通密度ki+1 (τ) (16) X3 =セクションiの上流側セクションi−1 の交通密度ki-1 (τ) (16A) が採用される。
【0064】またニューラルネットワークの出力信号と
して、 Z1 =セクションiの空間平均速度Vi (τ) (17A) が(N.1)式〜(N.5)式により求められる。
【0065】そして、ニューラルネットワーク学習手段
8では、 X1 =交通密度演算手段5の出力として得られるある時刻 tにおけるセクションiの交通密度実績値 (18) X2 =交通密度演算手段5の出力として得られるある時刻 tにおけるセクションi+1の交通密度実績値 (19) X3 =交通密度演算手段5の出力として得られるある時刻 tにおけるセクションi−1の交通密度実績値 (19A) Z1 =(18)、(19)、(19A)式のX1 ,X2 ,X3 をニュー ラルネットワークの入力信号としたときのニューラ ルネットワーク出力 (20A) V1 =空間平均速度演算手段4の出力として得られるある 時刻tにおけるセクションiの空間平均速度実績値 (21) を一組の学習用データ(V1 がZ1 に対する教師信号と
なる)とし、前述の(N.9)式〜(N.14)式に従
って、ニューラルネットワーク内の重み係数の学習を行
なっていく。
【0066】さらに上記実施例においては、図3に示す
ニューラルネットワーク7を各セクションに共通のもの
として取り扱っているが、オンランプ、オフランプ、分
岐、合流の有無さらには道路幅、車線数など路線形状が
他と異なる部分のセクションおよびその近傍のセクショ
ンに関しては、そのセクション専用のニューラルネット
ワーク7を設けてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ま
ず道路上のあるセクションの空間平均速度の予測値を、
当該セクションおよびその隣接するセクションの交通密
度に基づいてニューラルネットワークにより求め、次に
この空間平均速度から交通流予測手段により交通密度予
測値を求めるので、従来予測誤差の原因となっていた流
出係数を用いる必要がない。このため交通渋滞が下流側
から上流側へ伝播する場合であっても交通密度を高精度
で予測することができる。また、空間平均速度を予測す
るニューラルネットワーク内の重み係数を交通密度およ
び空間平均速度の実績値を用いて学習しているので、ニ
ューラルネットワーク内で実情に沿した予測モデルを構
築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能構成を示すブロック図。
【図2】交通流予測手段およびニューラルネットワーク
における演算フローチャート。
【図3】ニューラルネットワークの一般的な構成図。
【図4】高速道路をセクション分割した模式図。
【図5】セクションiの下流端にオフランプが接続して
いる場合の高速道路の模式図。
【図6】セクションiの上流端にオンランプが接続して
いる場合の高速道路の模式図。
【図7】高速道路の簡易路線図。
【図8】従来の状態方程式モデルに基づく交通流予測演
算フローチャート。
【符号の説明】
1 車両感知器 2 交通量演算手段 3 オキュパンシ演算手段 4 空間平均速度演算手段 5 交通密度演算手段 6 交通流予測手段 7 ニューラルネットワーク 8 ニューラルネットワーク学習手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 G06F 15/18 G08G 1/065

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】道路上の各セクションに設置され通過する
    車両の検知を行なう車両感知器と、 車両感知器からの信号により交通量を演算する交通量演
    算手段と、 車両感知器と交通量演算手段からの信号によりオキュパ
    ンシを求めるオキュパンシ演算手段と、 交通量演算手段およびオキュパンシ演算手段からの信号
    により空間平均速度を求める空間平均速度演算手段と、 オキュパンシ演算手段からの信号により交通密度を求め
    る交通密度演算手段と、 あるセクションの交通密度と当該セクションより1つ下
    流側のセクションの交通密度とを入力信号とし、当該セ
    クションの空間平均速度予測値を出力信号とする第1ニ
    ューラルネットワークと、 当該セクションの交通密度実績値と、当該セクションよ
    り1つ下流側のセクションの交通密度実績値と、当該セ
    クションの交通密度実績値、および当該セクションより
    1つ下流側のセクションの交通密度実績値を第1ニュー
    ラルットワークの入力として得られる出力と、当該セク
    ションの空間平均速度実績値とを一組の学習用データと
    して第1ニューラルネットワーク内の重み係数の学習を
    行なう第1ニューラルネットワーク学習手段と、 第1ニューラルネットワークにより求めた空間平均速度
    予測値に基づいて交通密度予測値を求める交通流予測手
    段と、 を備えたことを特徴とする交通流予測装置。
  2. 【請求項2】道路上の各セクションに設置され通過する
    車両の検知を行なう車両感知器と、 車両感知器からの信号により交通量を演算する交通量演
    算手段と、 車両感知器と交通量演算手段からの信号によりオキュパ
    ンシを求めるオキュパンシ演算手段と、 交通量演算手段およびオキュパンシ演算手段からの信号
    により空間平均速度を求める空間平均速度演算手段と、 オキュパンシ演算手段からの信号により交通密度を求め
    る交通密度演算手段と、 あるセクションの交通密度と当該セクションより1つ上
    流側のセクションの交通密度と当該セクションより1つ
    下流側のセクションの交通密度とを入力信号とし、当該
    セクションの空間平均速度予測値を出力信号とする第2
    ニューラルネットワークと、 当該セクションの交通密度実績値と、当該セクションよ
    り1つ上流側のセクションの交通密度実績値と、当該セ
    クションより1つ下流側のセクションの交通密度実績値
    と、当該セクションの交通密度実績値、当該セクション
    より1つ上流側のセクションの交通密度実績値、および
    当該セクションより1つ下流側のセクションの交通密度
    実績値を第2ニューラルットワークの入力として得られ
    る出力と、当該セクションの空間平均速度実績値とを一
    組の学習用データとして第2ニューラルネットワーク内
    の重み係数の学習を行なう第2ニューラルネットワーク
    学習手段と、 第2ニューラルネットワークにより求めた空間平均速度
    予測値に基づいて交通密度予測値を求める交通流予測手
    段と、 を備えたことを特徴とする交通流予測装置。
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