JP2004285651A - 雨水ます - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雨水ます11では、排水管18の途中にます本体13を設置し、ます本体13の上部14に雨水を通す外スクリーン15を取り付け、外スクリーン15の下方に雨水を通す中スクリーン16を配置し、また中スクリーンは、ます本体13に掛止するとともに雨水を通すが蚊を通さない凹状の中スクリーン本体32と、この中スクリーン本体の中央の開口部33に嵌合した雨水を通すが蚊を通さない凹状の栓部材34と、から構成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は路上や庭に集まる雨水を排水管に流下させる雨水ます(「ます」に枡、桝、マスの字が充てられることがあるが、この明細書では「ます」と表記する。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
地中に埋設する排水管へ、地上の水を流入させるために適当な間隔で雨水ますを設ける。すなわち、雨水ますは地中と地上との連絡路となる。
夏場で雨が少なく、排水管に水が流れていないときに、雨水ますの底に若干の水が溜まることがある。この溜まり水に蚊が卵を産み付け、ぼうふらが発生し、蚊が大量に発生することがあり、その対策が必要となる。
【0003】
この対策として、ますの内部に中蓋を設けて、蚊の発生や悪臭の飛散を防止することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ますの内部に銅材を設け、銅の殺菌作用で蚊の発生を防止することが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−201704公報 (第3頁、図1)
【特許文献2】
特開2000−154589公報 (第2頁、図1)
【0005】
以上の特許文献1、2を、図面を参照の上、詳しく説明する。
図7は従来の排水ますの説明図である(特許文献1の図1を写したもの。)。従来の排水ますAは、ます本体14の上にます蓋1を取り付け、内部に中蓋3(傾斜片6,6を有す。)を開放可能に取り付けたもので、雨水が一定量を超えて一定以上の重力になると巻きばね11のばね力に抗して傾斜片6,6を開放し、降雨がないときは中蓋3の傾斜片6,6を閉じる。
【0006】
すなわち、殆どの期間において中蓋が閉じているため、外からの蚊の浸入を防ぐことができる。蚊が浸入しなければ、ぼうふらが発生する虞がない。仮に、ぼうふらが発生したとしても、成虫となった蚊が中蓋3で閉じこめられるため、蚊の発生を効果的に防止することができ、且つ、臭気の漏洩も防止することができるというものである。
【0007】
図8は従来の防蚊雨水ますの説明図である(特許文献2の図1を写したもの。)。
従来の雨水ます10は、対向する内部側壁41,43の内部にそれぞれ角棒状ガイド20,20を取り付け、これらの角棒状ガイド20,20と内部側壁42との間に板状銅部材30を差し込んだもので、水が滞留する箇所に設けた板状銅部材30の抗菌作用により、蚊が産み付けた卵を死滅させることができ、蚊の発生を防止することができるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記図7に示す特許文献1の排水ますAでは、傾斜片6,6が開いた際に蚊は中蓋3を通過することができ、少数ではあるが蚊が出入りする心配がある。
また、排水ますAでは、雨水が増水した場合、排水管13から逆流した雨水で中蓋3が破損する虞がある。
【0009】
さらに、傾斜片6,6の上に泥や落ち葉などの塵が溜まると、溜まった泥の重さで傾斜片6,6は開き、排水ますAの底に溜る。これらの塵や汚泥を排水ますAの底から取り除く作業は手間がかかる。
【0010】
上記図8に示す特許文献2の雨水ます10は、板状銅部材30によって排水に銅イオンが含まれて水質が変化するので、環境に悪影響を及ぼす心配がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、蚊の出入りをより確実に抑え、破損の虞がなく、底の清掃に手間がかからない雨水ますを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1では、排水管や排水溝の途中にます本体を設置し、このます本体の上部に外スクリーンを取り付け、外スクリーンの下方に中スクリーンを配置した雨水ますにおいて、中スクリーンは、ます本体に掛止するとともに雨水を通すが蚊を通さない凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合した雨水を通すが蚊を通さない凹状の栓部材と、からなることを特徴とする。
【0013】
雨水が流入すると、中スクリーンの雨水を通すが蚊を通さない孔から雨水を通し、雨水を排水管に流下させる。一方、蚊は外スクリーンを通って中スクリーンに達するが、中スクリーンの孔を通り抜けることはできず、中スクリーンで蚊の進入を阻止することができる。
【0014】
また、中スクリーンは、凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合した凹状の栓部材と、からなるので、大雨などで排水管を通じて水が逆流すると、逆流した水の流量と圧力で栓部材は開口部から外れ、押し上げられる。その結果、開口部によって逆流した水を逃がすことができ、水が逆流したり滞留しても中スクリーンが外れる心配や破損する虞はなくなる。
【0015】
凹状の中スクリーンによって中スクリーン本体上に泥や落ち葉などの塵は溜まり、雨水ますの底に溜まらないから、雨水ますを清掃するときに中スクリーンを取り外すだけでよく、雨水ますの底の汚泥を何回も掻き出す必要はなくなり、雨水ますの底の掃除に手間がかからない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る雨水ますの断面図であり、雨水ます11は、土12の中に配置したます本体13と、ます本体13の上部14に嵌めた外スクリーン15と、外スクリーン15の下方に配置した中スクリーン16とからなる。18,18はます本体13の下部に接続した排水管を示す。
【0017】
ます本体13は、第1〜第4側辺(図2参照)21〜24と、第1〜第4側辺21〜24の下端に形成した底辺25と、からなる。
外スクリーン15は、格子部31を有し、格子部31で雨水を通す。
【0018】
中スクリーン16は、ます本体13に掛止するとともに雨水を通すが蚊を通さない凹状の中スクリーン本体32と、この中スクリーン本体32の中央の開口部33(図3参照)に嵌合した雨水を通すが蚊を通さない凹状の栓部材34と、からなる。35,35は取っ手を示す。
【0019】
中スクリーン本体32は、第1〜第4傾斜辺(図2参照)41〜44を成形し、これらの第1〜第4傾斜辺(図2参照)41〜44に連ねて底辺45を形成し、上縁に掛止部46を形成したものである。
第1傾斜辺41は、薄鋼板に孔47・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)を開けた板材である。
孔47は、雨水を通すが蚊を通さない孔で、孔47の直径を1.5mm以下に設定し、孔47のピッチを所望の値に設定した。
第2〜第4傾斜辺(図2参照)42〜44は、第1傾斜辺41と同様である。
【0020】
底辺45は、薄鋼板の中央に開口部33を形成し、残りの部位に孔48・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)を開けた板材である。
孔48は、雨水を通すが蚊を通さない孔で、孔48の直径を1.5mm以下に設定し、孔48のピッチを所望の値に設定した。
【0021】
栓部材34は、円錐状に本体51を成形し、この本体51の縁に掛止リング部52を成形し、本体51に孔53(図3参照)を開け、本体51の頂部54に線部材55を繋げ、この線部材55にストッパ部材56を取り付けたものである。具体的には、後述する。
【0022】
図2は本発明に係る雨水ますの斜視図であり、雨水ます11のます本体13と、中スクリーン16の中スクリーン本体32および栓部材34を示す。
中スクリーン本体32は、既に説明したように、孔47・・・を形成した第1〜第4傾斜辺(図2参照)41〜44と、孔48・・・を形成した底辺45と、ます本体13に掛けるための掛止部46と、からなる。Dは中スクリーン本体32に形成したの開口部33の直径を示す。
【0023】
図3は本発明に係る雨水ますの栓部材の斜視図であり、栓部材34は、前述したとおり、円錐状に成形して孔53・・・を加工した本体51と、本体51の縁に形成した掛止リング部52と、線部材55で頂部54に繋げたストッパ部材56と、からなることを示す。
掛止リング部52の外径は開口部33の直径Dより大きい。
【0024】
孔53は、雨水を通すが蚊を通さない孔で、孔53の直径を1.5mm以下に設定し、孔53のピッチを所望の値に設定した。
栓部材34の材質は、樹脂であり、例えば、ポリプロピレン(PP)またはスチレン/アクリロニトリル共重合体(AS)を用いる。
【0025】
ストッパ部材56は、第1鋼棒57に第2鋼棒58を取り付けたストッパ兼、錘であり、第1・第2鋼棒57,58の長さをLに設定した。長さLは開口部33の直径Dより大きい。
線部材55には、鎖を用いた。他には、例えば、布製のひも、樹脂製のひも、ピアノ線またはワイヤロープ(極細)でもよい。
【0026】
以上に述べた雨水ますの作用を次に説明する。
図4は本発明に係る雨水ますの第1作用図である。
雨水ます11の中スクリーン16は、孔47・・・,孔48・・・を形成した凹状の中スクリーン本体32と、この中スクリーン本体32の中央に嵌合するとともに孔53・・・を加工した凹状の栓部材34と、からなるので、雨水61が矢印▲1▼,▲1▼の如く流入すると、中スクリーン16は、孔47・・・,孔48・・・,孔53・・・から雨水61を矢印▲2▼,▲2▼の如く通し、雨水61を排水管18,18に流下させることができる。
【0027】
また、中スクリーン16は、孔47・・・,孔48・・・を形成した中スクリーン本体32と、この中スクリーン本体32の中央に嵌合するとともに孔53・・・を加工した凹状の栓部材34と、からなるので、外スクリーン15を通って中スクリーン16に達した蚊は中スクリーン16の孔47・・・,孔48・・・,孔53・・・を通り抜けることができず、中スクリーン16で蚊の進入を阻止することができ、蚊の出入りをより確実に抑えることができる。
【0028】
図5は本発明に係る雨水ますの第2作用図である。
大雨などで排水管18,18を通じて水が矢印▲3▼,▲3▼の如く逆流すると、逆流した水の流量と圧力で栓部材34は中スクリーン本体32の開口部33から外れ、押し上げられるので、逆流した水を矢印▲4▼,▲4▼の如く逃がすことができ、水が逆流したり滞留しても中スクリーン16が外れる心配や破損する虞はなくなる。
【0029】
逆流した水の圧力で栓部材34が中スクリーン本体32の開口部33から外れると、栓部材34の頂部54に線部材55を介して取り付けたストッパ部材56は中スクリーン本体32の底辺45に掛かって止まるので、栓部材34は逆流した水に流されずに止まる。従って、逆流した際に、栓部材34の紛失を防止することができる。
【0030】
栓部材34は、円錐状に本体51を成形し、この本体51の縁に掛止リング部52を成形した形態なので、中スクリーン本体32の開口部33から外れても、逆流した水の圧力が低下すると、開口部33に対して、円錐状の本体51は位置決めを行い、自動的に開口部33に嵌合することができる。つまり、簡単な構造で栓部材34を通常の状態に戻すことができる。
【0031】
図6は本発明に係る雨水ますの第3作用図である。
雨水ます11を清掃する場合、まず、外スクリーン15を取り外し、取っ手35,35を持ち上げることで、中スクリーン16を矢印▲5▼の如く取り出し、引き続き、二点鎖線に示すように中スクリーン16を反転して泥63や塵を取り除く。従って、雨水ます11の底の汚泥を何回も掻き出す必要がなく、手間がかからない。
【0032】
また、雨水61(図4参照)とともに泥や塵が流れ込むと、中スクリーン16は、孔によって雨水61から泥や塵を分離するので、雨水ます11の底辺25に泥や塵が溜まり難くなり、雨水ます11の底の清掃に手間がかからない。
【0033】
このように、図4の雨水ます11の中スクリーン16は、孔47・・・,孔48・・・を形成した凹状の中スクリーン本体32と、この中スクリーン本体32の中央の開口部に嵌合するとともに孔53・・・を加工した凹状の栓部材34と、からなるので、凹状の中スクリーン本体32上に泥63や落ち葉などの塵が溜まり、雨水ます11の底には溜まらない。従って、雨水ます11の底の清掃に手間がかからない。
【0034】
尚、本発明の実施の形態に示した中スクリーン本体32の形状を角錐状に形成したが、形状は任意であり、例えば、角柱状(箱形)の形状や円柱状の形状を採用することも可能である。
中スクリーン16の底辺45を一体に固定したが、底辺45をヒンジを介して逆流した水の圧力を逃がすように取り付けることも可能である。
栓部材34の形状や嵌合の構造は任意であり、例えば、形状を板にし、板状の蓋をヒンジを介して逆流した水の圧力が逃げるように取り付けることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、雨水ますの中スクリーンは、ます本体に掛止するとともに雨水を通すが蚊を通さない凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合した雨水を通すが蚊を通さない凹状の栓部材と、からなるので、外スクリーンを通って中スクリーンに達した蚊は中スクリーンの孔を通り抜けることができず、中スクリーンで蚊の進入を阻止することができ、蚊の出入りをより確実に抑えることができる。
【0036】
また、中スクリーンは、凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合した凹状の栓部材と、からなるので、大雨などで排水管を通じて水が逆流すると、逆流した水の圧力で栓部材は開口部から外れ、押し上げられる。その結果、開口部で逆流した水を逃がすことができ、水が逆流したり滞留しても中スクリーンが外れる心配や破損する虞をなくすることができる。
【0037】
さらに、中スクリーンは、孔を形成した凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合するとともに孔を加工した凹状の栓部材と、からなるので、凹状の中スクリーン本体上に泥や落ち葉などの塵は溜まり、雨水ますの底に溜まらない。その結果、雨水ますの底の汚泥を何回も掻き出す必要がなくなり、雨水ますの底の掃除に手間がかからない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雨水ますの断面図
【図2】本発明に係る雨水ますの斜視図
【図3】本発明に係る雨水ますの栓部材の斜視図
【図4】本発明に係る雨水ますの第1作用図
【図5】本発明に係る雨水ますの第2作用図
【図6】本発明に係る雨水ますの第3作用図
【図7】従来の排水ますの説明図
【図8】従来の防蚊雨水ますの説明図
【符号の説明】
11…雨水ます、13…ます本体、14…ます本体の上部、15…外スクリーン、16…中スクリーン、18…排水管、32…中スクリーン本体、33…開口部、34…栓部材、61…雨水。
Claims (1)
- 排水管や排水溝の途中にます本体を設置し、このます本体の上部に外スクリーンを取り付け、外スクリーンの下方に中スクリーンを配置した雨水ますにおいて、
前記中スクリーンは、ます本体に掛止するとともに雨水を通すが蚊を通さない凹状の中スクリーン本体と、この中スクリーン本体の中央の開口部に嵌合した雨水を通すが蚊を通さない凹状の栓部材と、からなることを特徴とする雨水ます。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100857546B1 (ko) | 2007-12-27 | 2008-09-09 | 오웅배 | 악취차단형 배수로 덮개 |
JP2009215856A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Byung In Lee | 汚物分離機能を有するマンホール装置 |
KR100923020B1 (ko) | 2009-07-02 | 2009-10-21 | 오윤철 | 하수 배출 장치 |
KR101277785B1 (ko) | 2010-07-13 | 2013-07-26 | (주)태성종합기술 | 거름망이 구비된 우수받이 |
JP2015017450A (ja) * | 2013-07-12 | 2015-01-29 | 株式会社東新建設 | グレーチングの害虫移動防止網体 |
CN114277915A (zh) * | 2021-12-28 | 2022-04-05 | 苏州净沐环保科技有限公司 | 一种固体垃圾提升装置 |
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