JP2004285265A - 短絡抑制樹脂材料およびそれを用いた電気接続部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極接続部品に用いることにより、電極間への水の付着から生じる短絡を抑制できる樹脂材料を提供する。
【解決手段】短絡抑制樹脂材料5を、樹脂52と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類511を含む短絡抑制物質51と、を含むよう構成する。短絡抑制樹脂材料5から形成された回路基板4では、仮に電極61、62間に水滴7が付着しても、回路基板4表面に存在する短絡抑制物質51に含まれる糖類511が水滴7中に溶出することで、電極61、62間の短絡が抑制される。
【選択図】 図2
【解決手段】短絡抑制樹脂材料5を、樹脂52と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類511を含む短絡抑制物質51と、を含むよう構成する。短絡抑制樹脂材料5から形成された回路基板4では、仮に電極61、62間に水滴7が付着しても、回路基板4表面に存在する短絡抑制物質51に含まれる糖類511が水滴7中に溶出することで、電極61、62間の短絡が抑制される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接続部品に用いられる樹脂材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、ワイヤハーネスの分岐接続を行うジャンクションブロック(J/B)、コネクタ、スイッチ部品等、電気接続部品が多く用いられている。これら電気接続部品は、自動車の使用環境の影響を受けやすい。例えば、車外から浸入した水滴や、湿潤環境下で発生する結露水等が電気接続部品に浸入し、電極間に付着することがある。この状態で電圧が印加されると、正極を構成する金属がイオン化して水中に溶出する。溶出した金属イオンは負極側へ移動し、負極表面で金属となり析出する。このように、負極における金属の析出が続くと、電極間の短絡が発生するおそれがある。
【0003】
これまで、電気接続部品における電極間の短絡を抑制するために、種々の試みがなされてきた。例えば、電極間に壁を設ける、あるいは電極の周囲に水を排出するための溝を設けるという試みがある。また、電気接続部品内部を樹脂封止するという試みがある。さらに、電極をNi等でめっきして金属イオンの溶出を抑制する試みがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−203020号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電極間に壁を設置したり、排水溝を形成した場合には、電気接続部品の構造が複雑になり、電気接続部品が大型化してしまう。また、スイッチ部品等、可動部を有する部品では、内部の樹脂封止は困難である。また、電極に形成されためっき層は、熱や応力がかかると劣化する。めっき層が劣化して破れた場合には、金属イオンの溶出を充分に抑制することはできない。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、電極接続部品に用いることにより、電極間への水の付着から生じる短絡を抑制できる樹脂材料を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、電気接続部品における短絡の抑制について検討を重ねた結果、糖類を用いることにより、短絡を抑制することができるとの知見を得た。すなわち、グルコース等の糖類は、分子量が大きい。そのため、例えば、電極間に付着した水中にグルコースが存在する場合には、グルコース分子により、電極から溶出した金属イオンの移動が妨げられる。また、溶出した金属イオンは、グルコース中のCH2やOH基と結びつき化合物を生成する。よって、負極表面における金属の析出は抑制される。つまり、電極間に水が付着した場合であっても、水中に糖類が含まれている場合には短絡が抑制される。
【0008】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。すなわち、本発明の短絡抑制樹脂材料は、短絡抑制物質を含む。短絡抑制物質には上記所定の糖類が含まれている。そして、本発明の短絡抑制樹脂材料に水が付着した場合には、同材料に含まれる糖類が水に溶け出す。例えば、本発明の短絡抑制樹脂材料から基板を形成し、その基板の表面に電極を配設した場合、電極間に水が付着すると、基板表面に存在する糖類が水中に溶出する。一方、正極からは、金属イオンが水中へ溶出する。しかし、溶出した金属イオンの移動は、水中の糖分子により妨げられる。また、溶出した金属イオンは、糖分子を構成するCH2やOH基と結びつくことで化合物となる。したがって、負極における金属の析出は抑制される。このように、本発明の短絡抑制樹脂材料は、糖類を含む短絡抑制物質によって電極間の短絡を抑制する。したがって、本発明の短絡抑制樹脂材料を用いることにより、電気接続部品の構造を変更することなく、電極間の短絡を効果的に抑制することができる。
【0009】
本発明の短絡抑制樹脂材料を用いて、種々の電気接続部品のハウジング、回路基板等を形成することができる。すなわち、本発明の電気接続部品は、上述した本発明の短絡抑制樹脂材料から形成されたハウジングと、該ハウジングに配設された電極とを備える。本発明の電気接続部品では、上記本発明の短絡抑制樹脂材料からハウジングを形成する。ハウジングには、電極が配設されている。したがって、本発明の電気接続部品では、仮に水が電極間に付着した場合であっても、ハウジングに含まれる短絡抑制物質によって、電極間の短絡が抑制される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品について詳細に説明する。なお、本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品は、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品は、下記実施形態を始めとして、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0011】
〈短絡抑制樹脂材料〉
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。樹脂は、絶縁性を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。これらの一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0012】
また、短絡抑制物質は、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含んでいればよい。短絡抑制物質は、糖類のみから構成してもよく、また、糖類と他の物質とを組み合わせて構成してもよい。糖類は、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む。糖類として、例えば、上記三種類のうちいずれか一つのみを用いてもよく、二つ以上を混合して用いてもよい。また、糖類は、上記三種の少なくとも一つを含んでいれば、他の種類を含んでいてもよい。他の種類として、例えば、マルトース、ラクトース、ガラクトース、ヘキソース、サッカロース、セルロース等が挙げられる。
【0013】
糖類の含有割合は、特に限定されるものではない。短絡の抑制効果を充分に発揮させるという観点から、糖類の含有割合を、短絡抑制樹脂材料の全体質量を100wt%とした場合の10wt%以上とすることが望ましい。糖類の含有割合を大きくするほど、短絡の抑制効果は向上する。したがって、糖類の含有割合を40wt%以上とするとより好適である。また、短絡抑制樹脂材料からハウジングや基板等を形成する際の成形性、および成形材の強度等を考慮した場合には、糖類の含有割合を、短絡抑制樹脂材料の全体質量を100wt%とした場合の50wt%以下とすることが望ましい。
【0014】
糖類と他の物質とを組み合わせて短絡抑制物質とする場合には、短絡抑制物質を、例えば、糖類からなるコア部と、該コア部の表面を覆うように配置され、水溶性かつ絶縁性の皮膜からなるシェル部と、からなるコア/シェル構造を有するよう構成することが望ましい。すなわち、糖類をマイクロカプセル化して短絡抑制物質とすることが望ましい。図1に、コア/シェル構造を有する短絡抑制物質の断面の模式図を示す。図1に示すように、短絡抑制物質1は、糖類からなるコア部2と、皮膜からなるシェル部3とからなる。皮膜の材料は、水溶性かつ絶縁性を有すれば、特に限定されるものではない。例えば、ゼラチン等を用いればよい。短絡抑制物質をコア/シェル構造とすることで、樹脂との相溶性が向上する。また、シェル部は水溶性の皮膜である。そのため、水と接触することで速やかに皮膜が溶解し、コア部の糖類が水へ溶出できる。
【0015】
糖類をマイクロカプセル化する方法は、特に限定されるものではない。例えば、融解分散冷却法によれば、容易に上記構造の短絡抑制物質を製造することができる。以下、融解分散冷却法によるコア/シェル構造の短絡抑制物質の製造について述べる。
【0016】
まず、皮膜の材料となるゼラチンを容器に入れ、加熱溶融してゼラチン粒子を微細化する。加熱する温度は、40℃程度とすればよい。次いで、溶融したゼラチンの中へ、所定の糖類を投入し、2時間程度攪拌する。その後、冷却することによりコア/シェル構造の短絡抑制物質を得る。なお、糖類投入後の攪拌速度により、得られる短絡抑制物質の粒子径を調整することができる。ちなみに、短絡抑制物質の粒子径を20μm程度とする場合には、攪拌速度を200〜600rpm程度とすればよい。
【0017】
ここで、コア/シェル構造を有する短絡抑制物質を含む本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された回路基板における、電極間の短絡抑制機構を説明する。図2に、電極が配設された回路基板の断面を模式的に示す。回路基板4は、短絡抑制樹脂材料5から形成される。短絡抑制樹脂材料5は、短絡抑制物質51と樹脂52とを含む。短絡抑制物質51は、スクロース、グルコース、およびフルクトースを含む糖類511と、ゼラチン皮膜512とからなるコア/シェル構造を有する。樹脂52はPBTである。回路基板4の表面には、銅製の電極61、62が配設されている。電極61は正極となる。電極62は負極となる。
【0018】
電極61、62間に水滴7が付着すると、回路基板4の表面にある短絡抑制物質51のゼラチン皮膜512が水滴7と接触して溶解する。その結果、短絡抑制物質51内部の糖類511が水滴7中に溶け出す。そのため、電極61から溶出した銅イオンの移動は、水滴7中の糖分子により妨げられる。また、溶出した銅イオンは、糖分子を構成するCH2やOH基と結びつくことで化合物となる。したがって、電極62における銅の析出は抑制される。
【0019】
短絡抑制樹脂材料における短絡抑制物質の含有形態は、特に限定されるものではない。例えば、短絡抑制樹脂材料中に短絡抑制物質が混合分散された態様、あるいは、短絡抑制樹脂材料の表面に短絡抑制物質を含む層が設けられた態様等を採用することができる。特に、短絡抑制物質がコア/シェル構造を有している場合には、樹脂との相溶性が良好であるため、前者の態様が好適である。この場合、例えば、樹脂と短絡抑制物質とを混合して短絡抑制樹脂材料とすればよい。また、後者の態様を採用する場合には、例えば、樹脂の表面に短絡抑制物質からなる層を形成して短絡抑制樹脂材料とすればよい。また、短絡抑制物質が糖類のみからなる場合には、糖類と比較的相溶性の良い第一樹脂に糖類を混合しておき、該第一樹脂と、それと異なる第二樹脂とを積層して短絡抑制樹脂材料としてもよい。
【0020】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂および短絡抑制物質に加え、さらに他の材料を含んでいても構わない。例えば、本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された成形材の強度を向上するためのガラスファイバー等の補強材等を含んでいてもよい。
【0021】
〈電気接続部品〉
本発明の電気接続部品は、上記本発明の短絡抑制樹脂材料から形成されたハウジングと、該ハウジングに配設された電極とを備える。本発明の電気接続部品は、例えば、ワイヤハーネスの分岐接続を行うジャンクションブロック、コネクタ、スイッチ部品等、自動車用の種々の電気接続部品に具現化することができる。電気接続部品の種類に応じて、上記本発明の短絡抑制樹脂材料から各々のハウジングを形成すればよい。
【0022】
【実施例】
上記実施形態に基づいて、糖類の含有割合の異なる種々の短絡抑制樹脂材料からスイッチ部品のハウジングを形成し、その表面に電極(バスバー)を配設して試験部品とした。この試験部品を用いて短絡試験を行った。以下、予備実験を含め、試験部品の製造、短絡試験および結果について順に説明する。
【0023】
〈予備実験〉
下記短絡試験を行う前に、糖類の短絡抑制効果を調査するための予備実験を行った。予備実験では、くしば電極基板(JISII参照。)を使用して、電極間に種々の糖類濃度の水滴を滴下し、短絡時間およびリーク電流値を調査した。結果を図3および図4に示す。図3は、水滴中の糖類濃度と短絡時間との関係を示す。図4は、水滴中の糖類濃度とリーク電流値との関係を示す。図3に示すように、水滴中に糖類が含まれていない場合(糖類濃度0g/l)には、短絡時間は約15秒であった。これに対して、水滴中の糖類濃度が50g/l以上では、短絡時間はほぼ200秒以上と長くなり、短絡が抑制されることがわかった。なかでも、糖類濃度が150g/lおよび250g/lでは、測定時間の2000秒を経過しても短絡しなかった。また、図4に示すように、水滴中の糖類濃度が50g/lを超えると、リーク電流値が急激に小さくなることがわかった。特に、水滴中の糖類濃度が150g/l、250g/lでは、リーク電流値はほぼ0Aとなり、短絡は生じなかった。ちなみに、水滴中に糖類が含まれていない場合(糖類濃度0g/l)には、リーク電流値は0.18Aであった。これより、電極間に付着した水滴中に糖類が含まれる場合には、短絡が抑制されることがわかった。
【0024】
〈試験部品の製造〉
樹脂と短絡抑制物質とが混合された短絡抑制樹脂材料からハウジングを形成した。樹脂にはPBTを用いた。短絡抑制物質の糖類には、スクロース、グルコース、およびフルクトースを混合したものを用いた。そして、糖類がゼラチン皮膜で被覆されたマイクロカプセルを短絡抑制物質とした。
【0025】
まず、短絡抑制物質を製造した。皮膜の材料となるゼラチンを容器に入れ、約40℃に加熱した。ゼラチンが溶融し、ゼラチン粒子が微細化された後、スクロース、グルコース、およびフルクトースを混合した糖類を投入し、2時間攪拌した。攪拌速度は、200〜600rpmとした。その後、冷却して、糖類とゼラチン皮膜とからなるコア/シェル構造の短絡抑制物質を得た。
【0026】
次に、PBTと製造した短絡抑制物質とを混合し、約260〜320℃で溶融して所定の形状に成形することにより、短絡抑制樹脂材料からなるハウジングを形成した。短絡抑制物質の混合割合を変えることにより、糖類の含有割合の異なる6種類のハウジングを形成した。なお、比較のため、短絡抑制物質を混合せずに、樹脂のみからハウジングを形成した。形成した各々のハウジングの表面に、銅条を所定の形状に加工したバスバーを配設し、試験部品とした。
【0027】
〈短絡試験および結果〉
製造した種々の試験部品を用いて、短絡試験を行った。ハウジング表面に配設されたバスバー間に12Vの電圧を印加した状態で、1mlのイオン交換水を滴下し、バスバー間が短絡するまでの時間を測定した。バスバーの間隔は、1.5mmであった。図5に、各試験部品のハウジングにおける糖類含有割合と短絡時間との関係を示す。
【0028】
図5に示すように、糖類を10wt%以上含むハウジングを用いた試験部品では、短絡時間が1200秒以上となった。つまり、これらの試験部品では、短絡が効果的に抑制されたことがわかる。特に、糖類の含有割合が40wt%および50wt%であるハウジングを用いた試験部品では、短絡時間の測定開始から2000秒経過しても短絡は生じなかった。以上より、糖類の含有割合が10wt%以上である短絡抑制樹脂材料を用いることにより、電極間の短絡を有効に抑制できることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。本発明の短絡抑制樹脂材料には、糖類を含む短絡抑制物質が含まれている。そのため、本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された基板表面に電極を配設した場合には、仮に電極間に水が付着しても、基板表面に存在する糖類が水中に溶出することで、電極間の短絡が抑制される。したがって、本発明の短絡抑制樹脂材料を用いた電気接続部品では、電極間への水の付着から生じる短絡が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コア/シェル構造を有する短絡抑制物質の断面の模式図を示す。
【図2】電極が配設された回路基板の断面を模式的に示す。
【図3】水滴中の糖類濃度と短絡時間との関係を示す。
【図4】水滴中の糖類濃度とリーク電流値との関係を示す。
【図5】各試験部品のハウジングにおける糖類含有割合と短絡時間との関係を示す。
【符号の説明】
1:短絡抑制物質 2:コア部 3:シェル部
4:回路基板 5:短絡抑制樹脂材料
51:短絡抑制物質 511:糖類 512:ゼラチン皮膜
52:樹脂
61、62:電極 7:水滴
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気接続部品に用いられる樹脂材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、ワイヤハーネスの分岐接続を行うジャンクションブロック(J/B)、コネクタ、スイッチ部品等、電気接続部品が多く用いられている。これら電気接続部品は、自動車の使用環境の影響を受けやすい。例えば、車外から浸入した水滴や、湿潤環境下で発生する結露水等が電気接続部品に浸入し、電極間に付着することがある。この状態で電圧が印加されると、正極を構成する金属がイオン化して水中に溶出する。溶出した金属イオンは負極側へ移動し、負極表面で金属となり析出する。このように、負極における金属の析出が続くと、電極間の短絡が発生するおそれがある。
【0003】
これまで、電気接続部品における電極間の短絡を抑制するために、種々の試みがなされてきた。例えば、電極間に壁を設ける、あるいは電極の周囲に水を排出するための溝を設けるという試みがある。また、電気接続部品内部を樹脂封止するという試みがある。さらに、電極をNi等でめっきして金属イオンの溶出を抑制する試みがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−203020号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電極間に壁を設置したり、排水溝を形成した場合には、電気接続部品の構造が複雑になり、電気接続部品が大型化してしまう。また、スイッチ部品等、可動部を有する部品では、内部の樹脂封止は困難である。また、電極に形成されためっき層は、熱や応力がかかると劣化する。めっき層が劣化して破れた場合には、金属イオンの溶出を充分に抑制することはできない。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、電極接続部品に用いることにより、電極間への水の付着から生じる短絡を抑制できる樹脂材料を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、電気接続部品における短絡の抑制について検討を重ねた結果、糖類を用いることにより、短絡を抑制することができるとの知見を得た。すなわち、グルコース等の糖類は、分子量が大きい。そのため、例えば、電極間に付着した水中にグルコースが存在する場合には、グルコース分子により、電極から溶出した金属イオンの移動が妨げられる。また、溶出した金属イオンは、グルコース中のCH2やOH基と結びつき化合物を生成する。よって、負極表面における金属の析出は抑制される。つまり、電極間に水が付着した場合であっても、水中に糖類が含まれている場合には短絡が抑制される。
【0008】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。すなわち、本発明の短絡抑制樹脂材料は、短絡抑制物質を含む。短絡抑制物質には上記所定の糖類が含まれている。そして、本発明の短絡抑制樹脂材料に水が付着した場合には、同材料に含まれる糖類が水に溶け出す。例えば、本発明の短絡抑制樹脂材料から基板を形成し、その基板の表面に電極を配設した場合、電極間に水が付着すると、基板表面に存在する糖類が水中に溶出する。一方、正極からは、金属イオンが水中へ溶出する。しかし、溶出した金属イオンの移動は、水中の糖分子により妨げられる。また、溶出した金属イオンは、糖分子を構成するCH2やOH基と結びつくことで化合物となる。したがって、負極における金属の析出は抑制される。このように、本発明の短絡抑制樹脂材料は、糖類を含む短絡抑制物質によって電極間の短絡を抑制する。したがって、本発明の短絡抑制樹脂材料を用いることにより、電気接続部品の構造を変更することなく、電極間の短絡を効果的に抑制することができる。
【0009】
本発明の短絡抑制樹脂材料を用いて、種々の電気接続部品のハウジング、回路基板等を形成することができる。すなわち、本発明の電気接続部品は、上述した本発明の短絡抑制樹脂材料から形成されたハウジングと、該ハウジングに配設された電極とを備える。本発明の電気接続部品では、上記本発明の短絡抑制樹脂材料からハウジングを形成する。ハウジングには、電極が配設されている。したがって、本発明の電気接続部品では、仮に水が電極間に付着した場合であっても、ハウジングに含まれる短絡抑制物質によって、電極間の短絡が抑制される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品について詳細に説明する。なお、本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品は、下記の実施形態に限定されるものではない。本発明の短絡抑制樹脂材料および電気接続部品は、下記実施形態を始めとして、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0011】
〈短絡抑制樹脂材料〉
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。樹脂は、絶縁性を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。これらの一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
【0012】
また、短絡抑制物質は、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含んでいればよい。短絡抑制物質は、糖類のみから構成してもよく、また、糖類と他の物質とを組み合わせて構成してもよい。糖類は、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む。糖類として、例えば、上記三種類のうちいずれか一つのみを用いてもよく、二つ以上を混合して用いてもよい。また、糖類は、上記三種の少なくとも一つを含んでいれば、他の種類を含んでいてもよい。他の種類として、例えば、マルトース、ラクトース、ガラクトース、ヘキソース、サッカロース、セルロース等が挙げられる。
【0013】
糖類の含有割合は、特に限定されるものではない。短絡の抑制効果を充分に発揮させるという観点から、糖類の含有割合を、短絡抑制樹脂材料の全体質量を100wt%とした場合の10wt%以上とすることが望ましい。糖類の含有割合を大きくするほど、短絡の抑制効果は向上する。したがって、糖類の含有割合を40wt%以上とするとより好適である。また、短絡抑制樹脂材料からハウジングや基板等を形成する際の成形性、および成形材の強度等を考慮した場合には、糖類の含有割合を、短絡抑制樹脂材料の全体質量を100wt%とした場合の50wt%以下とすることが望ましい。
【0014】
糖類と他の物質とを組み合わせて短絡抑制物質とする場合には、短絡抑制物質を、例えば、糖類からなるコア部と、該コア部の表面を覆うように配置され、水溶性かつ絶縁性の皮膜からなるシェル部と、からなるコア/シェル構造を有するよう構成することが望ましい。すなわち、糖類をマイクロカプセル化して短絡抑制物質とすることが望ましい。図1に、コア/シェル構造を有する短絡抑制物質の断面の模式図を示す。図1に示すように、短絡抑制物質1は、糖類からなるコア部2と、皮膜からなるシェル部3とからなる。皮膜の材料は、水溶性かつ絶縁性を有すれば、特に限定されるものではない。例えば、ゼラチン等を用いればよい。短絡抑制物質をコア/シェル構造とすることで、樹脂との相溶性が向上する。また、シェル部は水溶性の皮膜である。そのため、水と接触することで速やかに皮膜が溶解し、コア部の糖類が水へ溶出できる。
【0015】
糖類をマイクロカプセル化する方法は、特に限定されるものではない。例えば、融解分散冷却法によれば、容易に上記構造の短絡抑制物質を製造することができる。以下、融解分散冷却法によるコア/シェル構造の短絡抑制物質の製造について述べる。
【0016】
まず、皮膜の材料となるゼラチンを容器に入れ、加熱溶融してゼラチン粒子を微細化する。加熱する温度は、40℃程度とすればよい。次いで、溶融したゼラチンの中へ、所定の糖類を投入し、2時間程度攪拌する。その後、冷却することによりコア/シェル構造の短絡抑制物質を得る。なお、糖類投入後の攪拌速度により、得られる短絡抑制物質の粒子径を調整することができる。ちなみに、短絡抑制物質の粒子径を20μm程度とする場合には、攪拌速度を200〜600rpm程度とすればよい。
【0017】
ここで、コア/シェル構造を有する短絡抑制物質を含む本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された回路基板における、電極間の短絡抑制機構を説明する。図2に、電極が配設された回路基板の断面を模式的に示す。回路基板4は、短絡抑制樹脂材料5から形成される。短絡抑制樹脂材料5は、短絡抑制物質51と樹脂52とを含む。短絡抑制物質51は、スクロース、グルコース、およびフルクトースを含む糖類511と、ゼラチン皮膜512とからなるコア/シェル構造を有する。樹脂52はPBTである。回路基板4の表面には、銅製の電極61、62が配設されている。電極61は正極となる。電極62は負極となる。
【0018】
電極61、62間に水滴7が付着すると、回路基板4の表面にある短絡抑制物質51のゼラチン皮膜512が水滴7と接触して溶解する。その結果、短絡抑制物質51内部の糖類511が水滴7中に溶け出す。そのため、電極61から溶出した銅イオンの移動は、水滴7中の糖分子により妨げられる。また、溶出した銅イオンは、糖分子を構成するCH2やOH基と結びつくことで化合物となる。したがって、電極62における銅の析出は抑制される。
【0019】
短絡抑制樹脂材料における短絡抑制物質の含有形態は、特に限定されるものではない。例えば、短絡抑制樹脂材料中に短絡抑制物質が混合分散された態様、あるいは、短絡抑制樹脂材料の表面に短絡抑制物質を含む層が設けられた態様等を採用することができる。特に、短絡抑制物質がコア/シェル構造を有している場合には、樹脂との相溶性が良好であるため、前者の態様が好適である。この場合、例えば、樹脂と短絡抑制物質とを混合して短絡抑制樹脂材料とすればよい。また、後者の態様を採用する場合には、例えば、樹脂の表面に短絡抑制物質からなる層を形成して短絡抑制樹脂材料とすればよい。また、短絡抑制物質が糖類のみからなる場合には、糖類と比較的相溶性の良い第一樹脂に糖類を混合しておき、該第一樹脂と、それと異なる第二樹脂とを積層して短絡抑制樹脂材料としてもよい。
【0020】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂および短絡抑制物質に加え、さらに他の材料を含んでいても構わない。例えば、本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された成形材の強度を向上するためのガラスファイバー等の補強材等を含んでいてもよい。
【0021】
〈電気接続部品〉
本発明の電気接続部品は、上記本発明の短絡抑制樹脂材料から形成されたハウジングと、該ハウジングに配設された電極とを備える。本発明の電気接続部品は、例えば、ワイヤハーネスの分岐接続を行うジャンクションブロック、コネクタ、スイッチ部品等、自動車用の種々の電気接続部品に具現化することができる。電気接続部品の種類に応じて、上記本発明の短絡抑制樹脂材料から各々のハウジングを形成すればよい。
【0022】
【実施例】
上記実施形態に基づいて、糖類の含有割合の異なる種々の短絡抑制樹脂材料からスイッチ部品のハウジングを形成し、その表面に電極(バスバー)を配設して試験部品とした。この試験部品を用いて短絡試験を行った。以下、予備実験を含め、試験部品の製造、短絡試験および結果について順に説明する。
【0023】
〈予備実験〉
下記短絡試験を行う前に、糖類の短絡抑制効果を調査するための予備実験を行った。予備実験では、くしば電極基板(JISII参照。)を使用して、電極間に種々の糖類濃度の水滴を滴下し、短絡時間およびリーク電流値を調査した。結果を図3および図4に示す。図3は、水滴中の糖類濃度と短絡時間との関係を示す。図4は、水滴中の糖類濃度とリーク電流値との関係を示す。図3に示すように、水滴中に糖類が含まれていない場合(糖類濃度0g/l)には、短絡時間は約15秒であった。これに対して、水滴中の糖類濃度が50g/l以上では、短絡時間はほぼ200秒以上と長くなり、短絡が抑制されることがわかった。なかでも、糖類濃度が150g/lおよび250g/lでは、測定時間の2000秒を経過しても短絡しなかった。また、図4に示すように、水滴中の糖類濃度が50g/lを超えると、リーク電流値が急激に小さくなることがわかった。特に、水滴中の糖類濃度が150g/l、250g/lでは、リーク電流値はほぼ0Aとなり、短絡は生じなかった。ちなみに、水滴中に糖類が含まれていない場合(糖類濃度0g/l)には、リーク電流値は0.18Aであった。これより、電極間に付着した水滴中に糖類が含まれる場合には、短絡が抑制されることがわかった。
【0024】
〈試験部品の製造〉
樹脂と短絡抑制物質とが混合された短絡抑制樹脂材料からハウジングを形成した。樹脂にはPBTを用いた。短絡抑制物質の糖類には、スクロース、グルコース、およびフルクトースを混合したものを用いた。そして、糖類がゼラチン皮膜で被覆されたマイクロカプセルを短絡抑制物質とした。
【0025】
まず、短絡抑制物質を製造した。皮膜の材料となるゼラチンを容器に入れ、約40℃に加熱した。ゼラチンが溶融し、ゼラチン粒子が微細化された後、スクロース、グルコース、およびフルクトースを混合した糖類を投入し、2時間攪拌した。攪拌速度は、200〜600rpmとした。その後、冷却して、糖類とゼラチン皮膜とからなるコア/シェル構造の短絡抑制物質を得た。
【0026】
次に、PBTと製造した短絡抑制物質とを混合し、約260〜320℃で溶融して所定の形状に成形することにより、短絡抑制樹脂材料からなるハウジングを形成した。短絡抑制物質の混合割合を変えることにより、糖類の含有割合の異なる6種類のハウジングを形成した。なお、比較のため、短絡抑制物質を混合せずに、樹脂のみからハウジングを形成した。形成した各々のハウジングの表面に、銅条を所定の形状に加工したバスバーを配設し、試験部品とした。
【0027】
〈短絡試験および結果〉
製造した種々の試験部品を用いて、短絡試験を行った。ハウジング表面に配設されたバスバー間に12Vの電圧を印加した状態で、1mlのイオン交換水を滴下し、バスバー間が短絡するまでの時間を測定した。バスバーの間隔は、1.5mmであった。図5に、各試験部品のハウジングにおける糖類含有割合と短絡時間との関係を示す。
【0028】
図5に示すように、糖類を10wt%以上含むハウジングを用いた試験部品では、短絡時間が1200秒以上となった。つまり、これらの試験部品では、短絡が効果的に抑制されたことがわかる。特に、糖類の含有割合が40wt%および50wt%であるハウジングを用いた試験部品では、短絡時間の測定開始から2000秒経過しても短絡は生じなかった。以上より、糖類の含有割合が10wt%以上である短絡抑制樹脂材料を用いることにより、電極間の短絡を有効に抑制できることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
本発明の短絡抑制樹脂材料は、樹脂と、スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、を含んでなる。本発明の短絡抑制樹脂材料には、糖類を含む短絡抑制物質が含まれている。そのため、本発明の短絡抑制樹脂材料から形成された基板表面に電極を配設した場合には、仮に電極間に水が付着しても、基板表面に存在する糖類が水中に溶出することで、電極間の短絡が抑制される。したがって、本発明の短絡抑制樹脂材料を用いた電気接続部品では、電極間への水の付着から生じる短絡が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】コア/シェル構造を有する短絡抑制物質の断面の模式図を示す。
【図2】電極が配設された回路基板の断面を模式的に示す。
【図3】水滴中の糖類濃度と短絡時間との関係を示す。
【図4】水滴中の糖類濃度とリーク電流値との関係を示す。
【図5】各試験部品のハウジングにおける糖類含有割合と短絡時間との関係を示す。
【符号の説明】
1:短絡抑制物質 2:コア部 3:シェル部
4:回路基板 5:短絡抑制樹脂材料
51:短絡抑制物質 511:糖類 512:ゼラチン皮膜
52:樹脂
61、62:電極 7:水滴
Claims (4)
- 樹脂と、
スクロース、グルコース、フルクトースのいずれか少なくとも一つを含む糖類を含む短絡抑制物質と、
を含んでなる短絡抑制樹脂材料。 - 前記糖類の含有割合は、当該短絡抑制樹脂材料の全体質量を100wt%とした場合の10wt%以上50wt%以下である請求項1に記載の短絡抑制樹脂材料。
- 前記短絡抑制物質は、
前記糖類からなるコア部と、
該コア部の表面を覆うように配置され、水溶性かつ絶縁性の皮膜からなるシェル部と、
からなるコア/シェル構造を有する請求項1に記載の短絡抑制樹脂材料。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の短絡抑制樹脂材料から形成されたハウジングと、
該ハウジングに配設された電極と、を備える電気接続部品。
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-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003080806A patent/JP2004285265A/ja active Pending
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