JPH09199207A - 異方性導電接着フィルム - Google Patents

異方性導電接着フィルム

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JPH09199207A
JPH09199207A JP8025938A JP2593896A JPH09199207A JP H09199207 A JPH09199207 A JP H09199207A JP 8025938 A JP8025938 A JP 8025938A JP 2593896 A JP2593896 A JP 2593896A JP H09199207 A JPH09199207 A JP H09199207A
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博之 熊倉
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
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  • Conductive Materials (AREA)
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  • Adhesive Tapes (AREA)
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】エージング時に発生する塩素イオン等に起因す
る接続部分の金属パターンの腐食を防止しうる異方性導
電接着フィルムを提供する。 【解決手段】絶縁性接着剤樹脂2中に導電粒子3を含有
する異方性導電接着フィルム1において、絶縁性接着剤
樹脂2中にイオン捕捉剤4を含有させ、フィルム中の遊
離イオン濃度を60ppm以下とする。イオン捕捉剤4
としては、ビスマス系酸化物、アンチモン・ビスマス系
酸化物、マグネシウム・アルミニウム系酸化物、ジルコ
ニウム系酸化物、合成ハイドロタルサイト等の無機系の
イオン捕捉剤4を用いることができる。特に、アンチモ
ン・ビスマス系酸化物又はマグネシウム・アルミニウム
系酸化物のイオン捕捉剤4を用いると効果的である。イ
オン捕捉剤4は、絶縁性接着剤樹脂100重量部に対し
3〜45重量部含有するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液晶表示
装置(LCD)と回路基板との間の電気的な接続に用い
られる異方性導電接着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、液晶表示装置と集積
回路基板等を接続する手段として、異方性導電接着フィ
ルムが用いられている。この異方性導電接着フィルム
は、例えば、フレキシブルプリント基板(FPC)やT
AB(Tape Automated Bondin
g)テープの端子と、LCDパネルのガラス基板上に形
成されたITO(Indium Tin Oxide)
電極の端子とを接続する場合を始めとして、種々の端子
間を接着するとともに電気的に接続する場合に用いられ
ている。
【0003】一般に、異方性導電接着フィルムは、フィ
ルム状の絶縁性接着剤樹脂中に導電粒子を含有してお
り、導電粒子としては、例えば、金属の粒子や樹脂粒子
にめっきを施したもの等が用いられる。また、絶縁性接
着剤樹脂中には、カップリング剤や硬化剤等が含まれて
いる。その一方、異方性導電接着フィルムは、LCD等
の精密機器の周辺の接続に使用されるため高い信頼性が
要求されており、絶縁性接着剤樹脂としては、主にエポ
キシ系の熱硬化樹脂が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の異方性導電接着フィルムにおいては、次のよ
うな問題があった。すなわち、絶縁性接着剤樹脂中のエ
ポキシ樹脂や硬化剤には、製造工程に起因する加水分解
性の塩素、ナトリウム、カリウム等が残留しており、こ
れらの塩素等が加湿及び加熱下のエージングによって遊
離イオンとして抽出され、その結果、塩素イオン等が発
生し、この塩素イオン等が接続部分の金属パターンを腐
食させる原因となっていた。例えば、金属パターンがA
l配線である場合には、以下のような化学反応によりパ
ターンに腐食が発生し、最終的に断線を引き起こすこと
もあった。
【0005】 Al+3Cl- → AlCl3+3e- AlCl3+3H2O → Al(OH)3+3HCl Al(OH)3+Cl- → Al(OH)2Cl+OH-
【0006】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、エージング時に発生す
る塩素イオン等に起因する接続部分の金属パターンの腐
食を防止しうる異方性導電接着フィルムを提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、絶縁性接着剤
中に導電粒子を含有する異方性導電接着フィルムにおい
て、フィルム中の遊離イオン濃度が高い程金属パターン
の腐食が発生しやすくなること、及びこの遊離イオン濃
度を所定の値以下にすることにより、接続部分の金属パ
ターンの腐食を防止しうる異方性導電接着フィルムが得
られることを見い出した。
【0008】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものであって、請求項1記載の発明は、絶縁性接着
剤中に導電粒子を分散させた異方性導電接着フィルムに
おいて、フィルム中の遊離イオン濃度が60ppm以下
であることを特徴とする。
【0009】この場合、遊離イオンとしては、塩素等の
ハロゲンイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等
があげられる。
【0010】また、絶縁性接着剤としては、例えば、エ
ポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分として、カップリ
ング剤、硬化剤等を含むものなどを用いることができ
る。
【0011】さらに、導電粒子としては、例えば、ニッ
ケル、金、銅等の金属粒子や、樹脂粒子に金めっき等を
施したものを用いることができる。
【0012】一方、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、絶縁性接着剤樹脂中にイオン捕捉剤
を含有してなることを特徴とする。この場合、イオン捕
捉剤は、例えば、ロール混練等の公知の方法により絶縁
性接着剤樹脂中に含有させることができる。
【0013】上述のイオン捕捉剤としては、種々のもの
を用いることができるが、請求項3記載の発明のよう
に、無機系のイオン捕捉剤を用いると効果的である。こ
の場合、無機系のイオン捕捉剤としては、例えば、ビス
マス系酸化物、アンチモン・ビスマス系酸化物、マグネ
シウム・アルミニウム系酸化物、ジルコニウム系酸化
物、合成ハイドロタルサイト等があげられる。
【0014】特に、請求項4又は請求項5記載の発明の
ように、上述のイオン捕捉剤としてアンチモン・ビスマ
ス系酸化物又はマグネシウム・アルミニウム系酸化物の
ものを用いるとより効果的である。
【0015】また、請求項6記載の発明のように、請求
項2乃至5記載の発明において、イオン捕捉剤を絶縁性
接着剤100重量部に対し3〜45重量部含有するよう
に構成すると効果的である。この場合、より好ましいイ
オン捕捉剤の含有量は、絶縁性接着剤100重量部に対
し7〜35重量部である。
【0016】一方、請求項7記載の発明のように、請求
項1乃至6記載の発明において、遊離イオンが塩素イオ
ンである場合に本発明は最も効果的である。
【0017】かかる構成を有する請求項1記載の発明の
場合、異方性導電接着フィルム中の遊離イオン濃度が6
0ppm以下であることから、例えば、加湿及び加熱下
のエージング工程において、接続部分の金属パターンの
腐食の原因となる遊離イオンはほとんど抽出されない。
【0018】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、絶縁性接着剤中にイオン
捕捉剤を含有することにより、フィルム中遊離イオン濃
度が容易に60ppm以下になる。例えば、以下の化学
反応により、フィルム中の遊離イオン(陰イオン又は陽
イオン)がイオン捕捉剤によって捕捉される。
【0019】 −M−OH:イオン捕捉剤 X-:Cl-等の陰イオン A+:Na+、K+等の陽イオン
【0020】さらに、請求項2記載の発明においては、
イオン捕捉剤を含有することによって、フィルム自体の
光透過率が大幅に低下する。
【0021】また、請求項3記載の発明のように、請求
項2記載の発明において、イオン捕捉剤として無機系の
イオン捕捉剤を用いることにより、フィルム中の遊離イ
オン濃度がさらに容易に60ppm以下になる。
【0022】さらに、請求項4又は請求項5記載の発明
のように、請求項3記載の発明において、イオン捕捉剤
としてアンチモン・ビスマス系酸化物又はマグネシウム
・アルミニウム系酸化物のイオン捕捉剤を用いることに
より、例えば、後述の表3に示すように、フィルム中の
遊離イオン濃度が60ppmよりきわめて低くなる。
【0023】さらにまた、請求項6記載の発明のよう
に、請求項2乃至5のいずれか1項記載の発明におい
て、イオン捕捉剤を絶縁性接着剤100重量部に対し3
〜45重量部含有させることによって、フィルム中の遊
離イオン濃度が容易に60ppm以下になる。このイオ
ン捕捉剤の含有量が3重量部より少ないと、フィルム中
の遊離イオンを十分に捕捉できず、45重量部より多い
と、導電粒子と接続部分との接触が阻害され、接続不良
が生ずるおそれがある。
【0024】一方、請求項7記載の発明のように、請求
項1乃至6のいずれか1項記載の発明において、含有す
る遊離イオンが塩素イオンであれば、イオン捕捉剤に最
も捕捉されやすい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る異方性導電接
着フィルムの実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る異方性導電接着フィルムの好
ましい実施の形態を示す断面図である。図1に示すよう
に、本発明の異方性導電接着フィルム1においては、フ
ィルム状の絶縁性接着剤樹脂2中に導電粒子3が分散さ
れている。この場合、絶縁性接着剤樹脂2としては、例
えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分として、
カップリング剤、硬化剤等を含むものなどを用いること
ができる。なお、導電粒子3を絶縁性接着剤樹脂2中に
分散させる方法としては、公知の方法を用いることがで
きる。また、図示はしないが、この異方性導電接着フィ
ルム1は、剥離用のポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上に形成されている。
【0026】一方、本発明においては、絶縁性接着剤樹
脂2中に、例えば、ビスマス系酸化物、アンチモン・ビ
スマス系酸化物、マグネシウム・アルミニウム系酸化
物、ジルコニウム系酸化物、合成ハイドロタルサイト等
の無機系のイオン捕捉剤4が含有されている。この場
合、イオン捕捉剤4は、例えば、ロール混練等の公知の
方法により絶縁性接着剤樹脂2中に含有させることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明に係る異方性導電接着フィルム
の実施例を比較例とともに詳細に説明する。
【0028】〔サンプルの作成〕まず、以下の表1に示
す配合比を有する絶縁性接着剤樹脂、すなわち、バイン
ダーを調製した。
【0029】
【表1】
【0030】上記バインダー100重量部に対し、トル
エンと酢酸エチルの混合溶剤(重量比1:1)を固形分
が60重量%になるように加え、溶液が均一になるまで
攪拌する。この溶液に対し、下記の表2に示す無機系の
イオン捕捉剤を、後述のように所定量加え、例えば、ロ
ールを3本有する混練装置によって均一に混練する。
【0031】
【表2】
【0032】そして、この混練体に、導電粒子として、
5%架橋のポリスチレンからなる平均粒径5μmの樹脂
粒子にNi−Auめっきを施したものを加え、バインダ
ーペーストとする。さらに、このバインダーペーストを
剥離用のPETフィルム上に乾燥後の厚みが25μmに
なるようにコーティングし、異方性導電接着フィルムを
得る。この異方性導電接着フィルムを幅2mmのスリッ
ト状に切断し、以下の実施例及び比較例のサンプルとし
た。
【0033】〔実施例1〕バインダー100重量部、導
電粒子5重量部に対し、ビスマス系酸化物のイオン捕捉
剤A(東亜合成社製 商品名IXE−500)を10重
量部添加した。
【0034】〔実施例2〕実施例1のイオン捕捉剤Aに
代えて、ビスマス系酸化物のイオン捕捉剤B(東亜合成
社製 商品名IXE−550)を10重量部添加した。
【0035】〔実施例3〕実施例1のイオン捕捉剤Aに
代えて、アンチモン・ビスマス系酸化物のイオン捕捉剤
C(東亜合成社製 商品名IXE−600)を10重量
部添加した。
【0036】〔実施例4〕実施例3において、アンチモ
ン・ビスマス系酸化物のイオン捕捉剤C(東亜合成社製
商品名IXE−600)を20重量部添加した。
【0037】〔実施例5〜9〕実施例1のイオン捕捉剤
Aに代えて、アンチモン・ビスマス系酸化物のイオン捕
捉剤D(東亜合成社製 商品名IXE−633)を、そ
れぞれ、5、10、20、30又は40重量部添加し
た。
【0038】〔実施例10〕実施例1のイオン捕捉剤A
に代えて、マグネシウム・アルミニウム系酸化物のイオ
ン捕捉剤E(東亜合成社製 商品名IXE−700)を
10重量部添加した。
【0039】〔実施例11〕実施例1のイオン捕捉剤A
に代えて、ジルコニウム系酸化物のイオン捕捉剤F(東
亜合成社製 商品名IXE−800)を10重量部添加
した。
【0040】〔実施例12〕実施例1のイオン捕捉剤A
に代えて、合成ハイドロタルサイトのイオン捕捉剤G
(協和化学工業社製 商品名KW−2200)を10重
量部添加した。
【0041】〔実施例13〕実施例1のイオン捕捉剤A
に代えて、合成ハイドロタルサイトのイオン捕捉剤H
(協和化学工業社製 商品名DHT−4A)を10重量
部添加した。
【0042】〔比較例〕バインダー100重量部、導電
粒子5重量部に対し、何らイオン捕捉剤を添加しなかっ
た。
【0043】次に、上述のサンプルを用い、TABフィ
ルムと、ガラス基板との圧着を行った。この場合、TA
Bフィルムとしては、厚みが75μmのポリイミドから
なる基材上に、厚み18μmの銅箔にすずめっきを施し
たパターンを75μmのピッチで形成したものを用い
た。一方、ガラス基板としては、全面にITOによる電
極が形成されたもので、その表面抵抗が10Ω/□とな
るものを用いた。そして、このようにして作成した各サ
ンプルについて、抽出塩素イオン濃度、ピール強度、導
通信頼性及び光透過率の測定を行った。その結果を表3
に示す。
【0044】
【表3】
【0045】この場合、塩素イオン濃度は、以下の条件
でイオンクロマトグラフ法により測定した。まず、4フ
ッ化エチレン樹脂製の100μlのフラスコ中に異方性
導電接着フィルムの各サンプルを約1g入れ、精秤した
後にイオン交換水50mlを加え密閉する。このフラス
コを100℃のオーブン中に10時間放置し、塩素イオ
ンの抽出を行った。そして、この抽出水のイオン濃度を
以下の条件で測定した。
【0046】測定条件 測定装置 :イオンクロマトアナライザ(横河電機社製
Model IC200) カラム :SAM3−125 試料注入量:100μl 溶離液 : 4.0mM NaHCO3 ;2ml/mi
n 除去液 :15mM H2SO4 ;2ml/mi
【0047】そして、抽出水のイオン濃度から、下式に
よって異方性導電接着フィルムに含まれるイオン濃度を
換算した。
【0048】
【数1】
【0049】この場合、判定は、20ppm未満を◎、
20ppm以上40ppm未満を○、40ppm以上6
0ppm未満を△、60ppm以上を×とした。
【0050】ピール強度は、引張り速度が50mm/分
で、ガラス基板からTABフィルムを90°方向に引き
剥がすときの接着力を測定した。
【0051】導通信頼性は、パターン間の初期抵抗値
と、温度85℃、相対湿度85%の条件下で600時間
エージング後のパターン間の抵抗値とを測定し、初期抵
抗値が10Ω以下でエージング後の抵抗上昇が2倍未満
のものを◎、初期抵抗値が20Ω以下でエージング後の
抵抗上昇が2倍未満のものを○、初期抵抗値が20Ω以
下でエージング後の抵抗上昇が2倍以上3倍未満のもの
を△、それ以外のものを×とした。
【0052】光透過率は、可視紫外分光光度計(大塚電
子社製 商品名MCPD-100)を用い、波長520nmの光
の透過率を測定した。この場合、このような自動測定器
においてパターン認識ができるためには、透過率が40
%以下であることが要求されることから、判定は、40
%以下のものを○、40%を超えるものを×とした。
【0053】表3に示すように、イオン捕捉剤を添加し
た実施例1〜13の異方性導電接着フィルムは、比較例
のものに比べ、塩素イオン濃度が減少しており、抽出塩
素イオン濃度の低減に効果があることが理解される。こ
の場合、特に、アンチモン・ビスマス系酸化物のイオン
捕捉剤C、D及びマグネシウム・アルミニウム系酸化物
を添加した実施例3〜10が最も効果がある。
【0054】図2は、実施例5〜9におけるイオン捕捉
剤Dの添加量と抽出塩素イオン濃度との関係を示すグラ
フである。図2に示すように、同一のイオン捕捉剤を添
加する場合には、添加量が多い程より抽出塩素イオン濃
度が減少することが理解される。また、少なくともバイ
ンダー100重量部に対してイオン捕捉剤を3重量部添
加すれば、抽出塩素イオン濃度が60ppm以下になる
ことが理解される。
【0055】一方、ピール強度に関しては、実施例は比
較例に比べて低下しているものはほとんど見られず、む
しろ増加しているものが多い。その理由は、無機系の捕
捉剤の添加によってバインダーの硬化収縮が抑えられた
ためと考えられる。
【0056】また、導通信頼性については、実施例1〜
13の異方性導電接着フィルムは比較例のものとほとん
ど変わらず、特に劣化は見られなかった。なお、実施例
9の導通信頼性は他の実施例よりも若干劣っているが、
その理由は、イオン捕捉剤の添加量が多すぎると、これ
によって導電粒子とパターンの接触性が阻害されるため
と考えられる。
【0057】さらに、光透過率に関しては、実施例1〜
13の異方性導電接着フィルムは、比較例ものもに比
べ、いずれも減少している。これは、バインダーに含有
する捕捉剤によって光が遮られるためであると考えられ
る。
【0058】以上の結果より、イオン捕捉剤の種類とし
ては、アンチモン・ビスマス系酸化物又はマグネシウム
・アルミニウム系酸化物が最適であり、また、その添加
量としては7〜35重量部が特に最適である。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明に
よれば、異方性導電接着フィルム中の遊離イオン濃度を
60ppm以下とすることにより、例えば、加湿及び加
熱下のエージング工程における遊離イオンの抽出を阻止
して、LCD等の接続部分の金属パターンの腐食を防止
することができる。
【0060】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、絶縁性接着剤中にイオン
捕捉剤を含有することにより、接着能力及び導通信頼性
を損なうことなく、フィルム中の遊離イオン濃度を容易
に60ppm以下にすることができる。しかも、請求項
2記載の発明においては、イオン捕捉剤を含有している
ことから、フィルム自体の光透過率が大幅に低下し、そ
の結果、自動測定器においてパターン認識が容易にでき
るので、製品の検査能率を向上させることができる。
【0061】また、請求項3記載の発明のように、請求
項2記載の発明において、イオン捕捉剤として無機系の
イオン捕捉剤を用いれば、フィルム中の遊離イオン濃度
がさらに容易に60ppm以下になり、金属パターンの
腐食防止能力の向上に供することができる。
【0062】さらに、請求項4又は請求項5記載の発明
のように、請求項3記載の発明において、イオン捕捉剤
としてアンチモン・ビスマス系酸化物又はマグネシウム
・アルミニウム系酸化物のイオン捕捉剤を用いることに
より、フィルム中の遊離イオン濃度をより低減して金属
パターンの腐食防止能力を向上させることができる。
【0063】さらにまた、請求項6記載の発明のよう
に、請求項2乃至5のいずれか1項記載の発明におい
て、イオン捕捉剤を絶縁性接着剤100重量部に対し3
〜45重量部含有させることにより、フィルム中の遊離
イオン濃度をより低減して金属パターンの腐食防止能力
を向上させることができる。
【0064】一方、請求項7記載の発明のように、請求
項1乃至6のいずれか1項記載の発明において、含有す
る遊離イオンが塩素イオンであれば、イオン捕捉剤に最
も捕捉されやすく、本発明の目的を最も十分に達成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方性導電接着フィルムの好まし
い実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例5〜9におけるイオン捕捉剤の
添加量と抽出塩素イオン濃度との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 異方性導電接着フィルム 2 絶縁性接着剤樹脂 3 導電粒子 4 イオン捕捉剤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁性接着剤中に導電粒子を分散した異方
    性導電接着フィルムにおいて、フィルム中の遊離イオン
    濃度が60ppm以下であることを特徴とする異方性導
    電接着フィルム。
  2. 【請求項2】絶縁性接着剤中にイオン捕捉剤を含有して
    なることを特徴とする請求項1記載の異方性導電接着フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】イオン捕捉剤が無機系のイオン捕捉剤であ
    ることを特徴とする請求項2記載の異方性導電接着フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】イオン捕捉剤がアンチモン・ビスマス系酸
    化物のイオン捕捉剤であることを特徴とする請求項3記
    載の異方性導電接着フィルム。
  5. 【請求項5】イオン捕捉剤がマグネシウム・アルミニウ
    ム系酸化物のイオン捕捉剤であることを特徴とする請求
    項3記載の異方性導電接着フィルム。
  6. 【請求項6】イオン捕捉剤を絶縁性接着剤100重量部
    に対し3〜45重量部含有することを特徴とする請求項
    2乃至5のいずれか1項記載の異方性導電接着フィル
    ム。
  7. 【請求項7】遊離イオンが塩素イオンであることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の異方性導電
    接着フィルム。
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