JP2004285022A - スラリーからの結晶の分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロータリーバキュームフィルターを用いてスラリーから結晶を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽において、内壁に生成付着するスケール物が原因で移送管が閉塞することなく長期間連続して結晶を分離する方法を提案する。
【解決手段】ロータリーバキュームフィルター1を用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶と溶媒を分離する方法において、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の気相部の内壁に洗浄液管10からの洗浄液体を放散することでスケール物の生成付着を防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロータリーバキュームフィルター1を用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶と溶媒を分離する方法において、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の気相部の内壁に洗浄液管10からの洗浄液体を放散することでスケール物の生成付着を防止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶と溶媒からなるスラリーから結晶を分離する方法に関するものであり、例えばパラキシレを液相酸化してテレフタル酸を製造するプロセス等、各種の化学製品の製造プロセスにおいて用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
パラキシレンを、コバルト、マンガンを主体とする重金属触媒、および臭素化合物の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素含有ガスによって液相酸化してテレフタル酸を製造する方法おいて、反応生成液を降温する晶析工程を経て、テレフタル酸の結晶と溶媒からなるスラリーが得られる。このスラリーをロータリーバキュームフィルター(以下、RVFとする)を用いて吸引濾過、洗浄、吸引濾過、剥離の一連の操作により結晶と溶媒に分離する方法は広く実施されている(特許文献1参照)。
【0003】
分離された結晶を剥離するためのブロー用ガスは気液分離槽に送られ溶媒とガスに分離される。溶媒は濾過液受槽に送られポンプにより排出される。気液分離槽の上部に設置された冷却器で冷却されたガスは真空ポンプにより排出される。真空ポンプの吐出には封液受槽があり、真空ポンプから排出されたガスはRVFのブローガスとして循環使用される。一方、RVFにおいて剥離された結晶は乾燥後製品として回収している。
【0004】
また、反応生成物から結晶を分離した反応母液から蒸留によって溶媒を回収する溶媒フラッシュ蒸留器の上部において、溶媒または反応母液を該蒸留器壁に向けて放散しスケール物の生成付着を防止する方法は公知である(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−20324
【特許文献2】
特公昭56−41617
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、運転の継続によってプレート状のスケール物が気液分離槽から濾過液受槽への移送管等の閉塞というトラブルが発生し、運転に著しい支障をきたしていた。すなわち、RVFを用いて結晶と溶媒を分離する際、結晶を剥離するためのブロー用ガスと溶媒とを分離する気液分離槽の気相部の内壁にスケール物が生成付着し、このスケール物がある大きさになると内壁より脱落して気液分離槽から濾過液受槽への移送管等を閉塞させていた。この移送管等が閉塞すると洗浄および貫通させるため反応を停止せざるを得なくなるので、稼働率低下、作業効率の悪化、および製造コストの悪化を招いていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、気液分離槽の気相部の内壁へのスケール物の生成付着を防止し、RVFを用いて結晶と溶媒を分離する方法について鋭意検討した結果、気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散することでスケール物の生成付着を防止し、ひいては気液分離槽から濾過液受槽への移送管等が閉塞する問題を克服し得ることを見出し、長期安定運転を可能とし、本発明を達成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)RVFを用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とするスラリーからの結晶の分離方法。
(2)気液分離槽の内壁に放散する液体が溶媒または水である(1)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(3)溶媒または水が真空ポンプの封液である(1)または(2)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(4)芳香族炭化水素を高温・高圧下、触媒成分を含む溶媒中で分子状酸素により酸化して芳香族カルボン酸を製造するプロセスにおいて、反応生成液を降温する晶析工程を経て、芳香族カルボン酸の結晶と溶媒からなるスラリーを生成し、該スラリーをRVFを用いて芳香族カルボン酸の結晶と溶媒を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(5)溶媒が酢酸である(4)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(6)芳香族カルボン酸がテレフタル酸である(4)または(5)記載のスラリーからの結晶の分離方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を図により具体的に説明する。図1はRVFの断面図、図2は本発明の実施形態を示す結晶の分離方法の系統図である。図1の断面図において、RVF1 のケーシング2 内に横型円筒状の濾材3 が回転可能に設置されている。濾材3 の下部は、ケーシング2 下部に貯留されたスラリー4 に浸る濾過域5 となっており、その内側には濾過液6 およびブロー用ガス7 を吸引する吸引部8 が形成されている。
【0010】
濾材3 の上部には対向してケーク9 を洗浄する洗浄液管10が設けられ、これに対応して濾材3 は洗浄域11 および脱液域12 となっている。濾材3 の内側には、ケーク9 を剥離するブロー部13 が設けられ、これに対応して濾材3 は剥離域14となっており、その内側には窒素ガス等の非凝縮性ガスに溶媒蒸気を混じたブロー用ガスを供給するブロー用ガス供給管15が設置されている。RVF1 において処理されるスラリーはスラリー供給部16から供給され、スラリー液面を保持するダム17が設置されている。ダムから溢れたスラリーはスラリー循環部18から排出され、ケークがケーク取出口19から排出される。
【0011】
図2の系統図において、処理されるスラリーはスラリー貯槽20からポンプ21 によりRVF1 のスラリー供給部16 に供給し、スラリー循環部18 から排出され循環させる。吸引部8 からの濾過液およびブロー用ガスは気液分離槽22 に送られ、濾過液受槽23を経由してポンプ24 により濾過液が排出される。気液分離槽22 の上部には冷却器25 が設置されており、冷却されたガスは真空ポンプ26 により排出される。真空ポンプ26の吐出には封液受槽27 があり、真空ポンプ26 から排出されたガスはRVF1 のブロー用ガスとして使用される。RVF1 において剥離されたケークは、ケーク取出口19 から排出され、再スラリー貯槽28 において溶媒で再度スラリーにされ、分離器29 で濾過液とケークに再分離され、ドライヤー30でケークを乾燥し、製品取出口31 から結晶(製品)として回収する。
【0012】
結晶の分離方法は、スラリー貯槽20 に貯槽されたスラリーをポンプ21 でRVF1 の底部に供給し、濾材3 を回転させながら、順次、吸引濾過、洗浄、吸引濾過、剥離(ブロー)を行なう。以下具体的に説明する。真空ポンプ26 の作動によって、吸引部8 を経て回転ドラムの内側が負圧になる結果、RVF1 の底部に供給されたスラリーが回転する濾材3 で濾過され、スラリー4 中の結晶は濾材3 に捕捉されてケーク9 になって上昇する。スラリー4 の一部はダム17 をオーバーフローして、スラリー循環部18 からスラリー貯槽20 に循環する。ケーク9 は洗浄液管10から吹き付けられる洗浄液によって洗浄され、脱液域12において洗浄液を除去されて下降する。剥離域14 ではブロー用ガス供給管15 にブロー用ガスを供給してブロー部13 から吹き付け、ケーキ9 を剥離する。ケーキ9 を剥離した濾材3 は更に下降して再び濾過域5 に到る。吸引部8 から吸引された濾過液6 およびブロー用ガス7 は気液分離槽22 に入り、濾過液6 はポンプ24 で系外に排出される。剥離域14 において剥離されたケーキ9 はケーキ取出口19 から取り出され、再スラリー貯槽28 において溶媒で再度スラリーにされ、分離器29 で濾過液とケークに再分離され、ドライヤー30で乾燥されて、製品取出口31 から結晶(製品)として回収される。
【0013】
本発明のポイントは、気液分離槽22 の気相部に液を放散するライン32を設置し、液体を放散させることである。図3は図2に示した気液分離槽の気相部の上部に設置する多数の穴を有するパイプ33 の1例の断面図である。気液分離槽22の上部円周に沿ってパイプ33が設置されており、パイプ33 の上部に液体を放散させるように多数の穴が設けられている。
【0014】
本発明はスラリーから結晶を分離する工程におけるスケール物の発生を防ぐものであり、気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散して、内壁を常に濡れた状態にしておくことが主要である。放散する液体とは、スラリーの母液が水の場合には水であることが好ましい。また、スラリーの母液が溶媒である場合は母液組成に近い酢酸等の溶媒が最適であるが、水でも構わない。テレフタル酸製造プロセスにおいては、スラリー母液は含水酢酸であるので母液組成に近い含水酢酸が好ましく、さらには封液受槽27 の封液を液放散ライン32 に供給するのが好都合である。
【0015】
液体を放散するパイプの形状は、環、半円、楕円、正方形、長方形、および多角形等のいずれでもよい。液体の放散の方法は多数の穴を有するパイプ、スプレーおよびノズル等のいずれでもよく、また、連続式放散あるいは間欠式放散等、気液分離槽の気相部の内壁が濡れた状態であればいずれの場合にも実施可能である。
【0016】
液体を放散するパイプの取付け位置は、内壁を濡れた状態にし洗浄効果が充分得られれば特にこだわらないが、好ましくは内壁に近づけることが適当である。
【0017】
放散される液体の量は多ければ多いほど内壁の洗浄効果は向上し、該内壁へのスケール物の付着が一層防止されるが、その反面分離された溶媒の量が増加するために、RVFに供給するスラリー量の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲の量を放散するのが適当である。
【0018】
放散される液体の温度は、気液分離槽内での液体の蒸発温度より低い温度でなれば液体が蒸発するため内壁を濡れた状態にはできず洗浄効果が充分に得られないことから、蒸発温度より1〜100℃低い温度、好ましくは3〜80℃低い温度が適当である。
【0019】
本発明によれば、RVF1 を用いて結晶と溶媒を分離する際に、気液分離槽22から濾過液受槽23 への移送管等の閉塞の原因となる、気液分離槽22 の気相部の内壁へのスケール物の生成付着が、気液分離槽22 の気相部の内壁に液体を放散することで防止され、反応を停止することなく長期的に安定して運転することが可能である。
【0020】
気液分離槽22 の気相部の内壁へのスケール物生成付着の原因は、分離された濾過液が気相部に飛散され溶媒および水の一部が蒸発するが、濾過液に溶解していた非揮発性のテレフタル酸等の溶質が気相部の内壁にスケール物として付着生成したためと考えられる。
【0021】
本発明は、テレフタル酸の結晶を分離する場合に適しているが、芳香族カルボン酸の結晶を分離する場合にも適用できる。芳香族カルボン酸は芳香族にカルボキシル基が直接結合したものでありモノ−、ジ−、トリ−等置換基は一つに限られるものでなく、2つ以上置換していても良い。また、複数個の置換基を有する場合は、各々の置換基は同一でも異なるものでも良い。芳香核には、ベンゼン環のような短環式のみならず、ナフタレンのような多環式芳香核も含まれる。ここでは主に、パラキシレンを高温、高圧下、触媒成分を含む溶媒中で分子状酸素により酸化してテレフタル酸を製造するプロセスにおける結晶の分離に適用ができる。
【0022】
さらに酸化反応により生成したテレフタル酸は、酸化反応混合物から、通常、晶析、遠心分離等により固液分離される。晶析の前に、未反応の中間体をさらに追酸化してテレフタル酸とする等の精製が施される場合でも、追酸化の前に固液分離を行い、テレフタル酸を水などに溶解し還元により精製を施し晶析した後、再び固液分離を行い乾燥して製品とする場合でも本発明は適用される。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0024】
(実施例)
溶媒に対して、コバルト原子として300ppmの酢酸コバルト、マンガン原子として200ppmの酢酸マンガンおよび臭素原子として1000ppmの臭化水素を含有する酢酸(10%)を溶媒とし、溶媒/パラキシレン重量比3で反応温度200℃、圧力2.0MPa、滞留時間120分、排ガス中の酸素濃度5%の条件下、液相酸化を行った。減圧冷却後、得られたテレフタル酸/含水酢酸スラリー(テレフタル酸40重量%、温度100℃)75000kg/hrを、図2に示す方法で処理し、テレフタル酸ケークと含水酢酸に分離した。
【0025】
内径2000mm、高さ4000mmの気液分離槽において50000kg/hrの含水酢酸と20000kg/hrのブロー用ガスを分離するにあたり、気液分離槽の気相部の内壁を洗浄するために設置された環状パイプ(経1500mm)へ200kg/hrの含水酢酸(温度55℃)を供給した。
【0026】
このようにして150日間継続してテレフタル酸の製造およびテレフタル酸と含水酢酸の分離を行ったが、気液分離槽から濾過液受槽への移送管等の閉塞のトラブルは起こらなかった。
【0027】
(比較例)
実施例において、気液分離槽の気相部に設置された環状パイプへの含水酢酸の供給を停止した以外は実施例と同様にしてテレフタル酸の製造およびテレフタル酸と含水酢酸の分離を行ったが、運転を開始して18日後気液分離槽から濾過液受槽への移送管が閉塞した。運転を停止して調べたところ、厚さ5〜10mmのスケール物が該移送管を閉塞させていた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータリーバキュームフィルターを用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶と溶媒を分離する方法において、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散することでスケール物の生成付着を防止し、ひいては気液分離槽から濾過液受槽への移送管が閉塞する問題を克服し長期にわたって安定運転することができる。本発明のスラリーからの結晶の分離方法は、液相酸化による芳香族カルボン酸を製造するプロセス等の多くのプロセスに適用することができ、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるロータリーバキュームフィルターの断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す結晶の分離方法の系統図である。
【図3】本発明の液放散ノズルの断面図である。
【記号の説明】
1:RVF(ロータリーバキュームフィルター)
2:ケーシング
3:濾材
4:スラリー
5:濾過域
6:濾過液
7:ガス
8:吸引部
9:ケーキ
10:洗浄液管
11:洗浄域
12:脱液域
13:ブロー部
14:剥離域
15:ブロー用ガス供給管
16:スラリー供給部
17:ダム
18:スラリー循環部
19:ケーキ取出口
20:スラリー貯槽
21:ポンプ
22:気液分離槽
23:濾過液受槽
24:ポンプ
25:冷却器
26:真空ポンプ
27:封液受槽
28:再スラリー貯槽
29:分離器
30:ドライヤー
31:製品取出口
32:液放散ライン
33:多数の穴を有するパイプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶と溶媒からなるスラリーから結晶を分離する方法に関するものであり、例えばパラキシレを液相酸化してテレフタル酸を製造するプロセス等、各種の化学製品の製造プロセスにおいて用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
パラキシレンを、コバルト、マンガンを主体とする重金属触媒、および臭素化合物の存在下、酢酸溶媒中で分子状酸素含有ガスによって液相酸化してテレフタル酸を製造する方法おいて、反応生成液を降温する晶析工程を経て、テレフタル酸の結晶と溶媒からなるスラリーが得られる。このスラリーをロータリーバキュームフィルター(以下、RVFとする)を用いて吸引濾過、洗浄、吸引濾過、剥離の一連の操作により結晶と溶媒に分離する方法は広く実施されている(特許文献1参照)。
【0003】
分離された結晶を剥離するためのブロー用ガスは気液分離槽に送られ溶媒とガスに分離される。溶媒は濾過液受槽に送られポンプにより排出される。気液分離槽の上部に設置された冷却器で冷却されたガスは真空ポンプにより排出される。真空ポンプの吐出には封液受槽があり、真空ポンプから排出されたガスはRVFのブローガスとして循環使用される。一方、RVFにおいて剥離された結晶は乾燥後製品として回収している。
【0004】
また、反応生成物から結晶を分離した反応母液から蒸留によって溶媒を回収する溶媒フラッシュ蒸留器の上部において、溶媒または反応母液を該蒸留器壁に向けて放散しスケール物の生成付着を防止する方法は公知である(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−20324
【特許文献2】
特公昭56−41617
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、運転の継続によってプレート状のスケール物が気液分離槽から濾過液受槽への移送管等の閉塞というトラブルが発生し、運転に著しい支障をきたしていた。すなわち、RVFを用いて結晶と溶媒を分離する際、結晶を剥離するためのブロー用ガスと溶媒とを分離する気液分離槽の気相部の内壁にスケール物が生成付着し、このスケール物がある大きさになると内壁より脱落して気液分離槽から濾過液受槽への移送管等を閉塞させていた。この移送管等が閉塞すると洗浄および貫通させるため反応を停止せざるを得なくなるので、稼働率低下、作業効率の悪化、および製造コストの悪化を招いていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、気液分離槽の気相部の内壁へのスケール物の生成付着を防止し、RVFを用いて結晶と溶媒を分離する方法について鋭意検討した結果、気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散することでスケール物の生成付着を防止し、ひいては気液分離槽から濾過液受槽への移送管等が閉塞する問題を克服し得ることを見出し、長期安定運転を可能とし、本発明を達成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)RVFを用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とするスラリーからの結晶の分離方法。
(2)気液分離槽の内壁に放散する液体が溶媒または水である(1)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(3)溶媒または水が真空ポンプの封液である(1)または(2)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(4)芳香族炭化水素を高温・高圧下、触媒成分を含む溶媒中で分子状酸素により酸化して芳香族カルボン酸を製造するプロセスにおいて、反応生成液を降温する晶析工程を経て、芳香族カルボン酸の結晶と溶媒からなるスラリーを生成し、該スラリーをRVFを用いて芳香族カルボン酸の結晶と溶媒を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(5)溶媒が酢酸である(4)記載のスラリーからの結晶の分離方法。
(6)芳香族カルボン酸がテレフタル酸である(4)または(5)記載のスラリーからの結晶の分離方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を図により具体的に説明する。図1はRVFの断面図、図2は本発明の実施形態を示す結晶の分離方法の系統図である。図1の断面図において、RVF1 のケーシング2 内に横型円筒状の濾材3 が回転可能に設置されている。濾材3 の下部は、ケーシング2 下部に貯留されたスラリー4 に浸る濾過域5 となっており、その内側には濾過液6 およびブロー用ガス7 を吸引する吸引部8 が形成されている。
【0010】
濾材3 の上部には対向してケーク9 を洗浄する洗浄液管10が設けられ、これに対応して濾材3 は洗浄域11 および脱液域12 となっている。濾材3 の内側には、ケーク9 を剥離するブロー部13 が設けられ、これに対応して濾材3 は剥離域14となっており、その内側には窒素ガス等の非凝縮性ガスに溶媒蒸気を混じたブロー用ガスを供給するブロー用ガス供給管15が設置されている。RVF1 において処理されるスラリーはスラリー供給部16から供給され、スラリー液面を保持するダム17が設置されている。ダムから溢れたスラリーはスラリー循環部18から排出され、ケークがケーク取出口19から排出される。
【0011】
図2の系統図において、処理されるスラリーはスラリー貯槽20からポンプ21 によりRVF1 のスラリー供給部16 に供給し、スラリー循環部18 から排出され循環させる。吸引部8 からの濾過液およびブロー用ガスは気液分離槽22 に送られ、濾過液受槽23を経由してポンプ24 により濾過液が排出される。気液分離槽22 の上部には冷却器25 が設置されており、冷却されたガスは真空ポンプ26 により排出される。真空ポンプ26の吐出には封液受槽27 があり、真空ポンプ26 から排出されたガスはRVF1 のブロー用ガスとして使用される。RVF1 において剥離されたケークは、ケーク取出口19 から排出され、再スラリー貯槽28 において溶媒で再度スラリーにされ、分離器29 で濾過液とケークに再分離され、ドライヤー30でケークを乾燥し、製品取出口31 から結晶(製品)として回収する。
【0012】
結晶の分離方法は、スラリー貯槽20 に貯槽されたスラリーをポンプ21 でRVF1 の底部に供給し、濾材3 を回転させながら、順次、吸引濾過、洗浄、吸引濾過、剥離(ブロー)を行なう。以下具体的に説明する。真空ポンプ26 の作動によって、吸引部8 を経て回転ドラムの内側が負圧になる結果、RVF1 の底部に供給されたスラリーが回転する濾材3 で濾過され、スラリー4 中の結晶は濾材3 に捕捉されてケーク9 になって上昇する。スラリー4 の一部はダム17 をオーバーフローして、スラリー循環部18 からスラリー貯槽20 に循環する。ケーク9 は洗浄液管10から吹き付けられる洗浄液によって洗浄され、脱液域12において洗浄液を除去されて下降する。剥離域14 ではブロー用ガス供給管15 にブロー用ガスを供給してブロー部13 から吹き付け、ケーキ9 を剥離する。ケーキ9 を剥離した濾材3 は更に下降して再び濾過域5 に到る。吸引部8 から吸引された濾過液6 およびブロー用ガス7 は気液分離槽22 に入り、濾過液6 はポンプ24 で系外に排出される。剥離域14 において剥離されたケーキ9 はケーキ取出口19 から取り出され、再スラリー貯槽28 において溶媒で再度スラリーにされ、分離器29 で濾過液とケークに再分離され、ドライヤー30で乾燥されて、製品取出口31 から結晶(製品)として回収される。
【0013】
本発明のポイントは、気液分離槽22 の気相部に液を放散するライン32を設置し、液体を放散させることである。図3は図2に示した気液分離槽の気相部の上部に設置する多数の穴を有するパイプ33 の1例の断面図である。気液分離槽22の上部円周に沿ってパイプ33が設置されており、パイプ33 の上部に液体を放散させるように多数の穴が設けられている。
【0014】
本発明はスラリーから結晶を分離する工程におけるスケール物の発生を防ぐものであり、気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散して、内壁を常に濡れた状態にしておくことが主要である。放散する液体とは、スラリーの母液が水の場合には水であることが好ましい。また、スラリーの母液が溶媒である場合は母液組成に近い酢酸等の溶媒が最適であるが、水でも構わない。テレフタル酸製造プロセスにおいては、スラリー母液は含水酢酸であるので母液組成に近い含水酢酸が好ましく、さらには封液受槽27 の封液を液放散ライン32 に供給するのが好都合である。
【0015】
液体を放散するパイプの形状は、環、半円、楕円、正方形、長方形、および多角形等のいずれでもよい。液体の放散の方法は多数の穴を有するパイプ、スプレーおよびノズル等のいずれでもよく、また、連続式放散あるいは間欠式放散等、気液分離槽の気相部の内壁が濡れた状態であればいずれの場合にも実施可能である。
【0016】
液体を放散するパイプの取付け位置は、内壁を濡れた状態にし洗浄効果が充分得られれば特にこだわらないが、好ましくは内壁に近づけることが適当である。
【0017】
放散される液体の量は多ければ多いほど内壁の洗浄効果は向上し、該内壁へのスケール物の付着が一層防止されるが、その反面分離された溶媒の量が増加するために、RVFに供給するスラリー量の0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲の量を放散するのが適当である。
【0018】
放散される液体の温度は、気液分離槽内での液体の蒸発温度より低い温度でなれば液体が蒸発するため内壁を濡れた状態にはできず洗浄効果が充分に得られないことから、蒸発温度より1〜100℃低い温度、好ましくは3〜80℃低い温度が適当である。
【0019】
本発明によれば、RVF1 を用いて結晶と溶媒を分離する際に、気液分離槽22から濾過液受槽23 への移送管等の閉塞の原因となる、気液分離槽22 の気相部の内壁へのスケール物の生成付着が、気液分離槽22 の気相部の内壁に液体を放散することで防止され、反応を停止することなく長期的に安定して運転することが可能である。
【0020】
気液分離槽22 の気相部の内壁へのスケール物生成付着の原因は、分離された濾過液が気相部に飛散され溶媒および水の一部が蒸発するが、濾過液に溶解していた非揮発性のテレフタル酸等の溶質が気相部の内壁にスケール物として付着生成したためと考えられる。
【0021】
本発明は、テレフタル酸の結晶を分離する場合に適しているが、芳香族カルボン酸の結晶を分離する場合にも適用できる。芳香族カルボン酸は芳香族にカルボキシル基が直接結合したものでありモノ−、ジ−、トリ−等置換基は一つに限られるものでなく、2つ以上置換していても良い。また、複数個の置換基を有する場合は、各々の置換基は同一でも異なるものでも良い。芳香核には、ベンゼン環のような短環式のみならず、ナフタレンのような多環式芳香核も含まれる。ここでは主に、パラキシレンを高温、高圧下、触媒成分を含む溶媒中で分子状酸素により酸化してテレフタル酸を製造するプロセスにおける結晶の分離に適用ができる。
【0022】
さらに酸化反応により生成したテレフタル酸は、酸化反応混合物から、通常、晶析、遠心分離等により固液分離される。晶析の前に、未反応の中間体をさらに追酸化してテレフタル酸とする等の精製が施される場合でも、追酸化の前に固液分離を行い、テレフタル酸を水などに溶解し還元により精製を施し晶析した後、再び固液分離を行い乾燥して製品とする場合でも本発明は適用される。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0024】
(実施例)
溶媒に対して、コバルト原子として300ppmの酢酸コバルト、マンガン原子として200ppmの酢酸マンガンおよび臭素原子として1000ppmの臭化水素を含有する酢酸(10%)を溶媒とし、溶媒/パラキシレン重量比3で反応温度200℃、圧力2.0MPa、滞留時間120分、排ガス中の酸素濃度5%の条件下、液相酸化を行った。減圧冷却後、得られたテレフタル酸/含水酢酸スラリー(テレフタル酸40重量%、温度100℃)75000kg/hrを、図2に示す方法で処理し、テレフタル酸ケークと含水酢酸に分離した。
【0025】
内径2000mm、高さ4000mmの気液分離槽において50000kg/hrの含水酢酸と20000kg/hrのブロー用ガスを分離するにあたり、気液分離槽の気相部の内壁を洗浄するために設置された環状パイプ(経1500mm)へ200kg/hrの含水酢酸(温度55℃)を供給した。
【0026】
このようにして150日間継続してテレフタル酸の製造およびテレフタル酸と含水酢酸の分離を行ったが、気液分離槽から濾過液受槽への移送管等の閉塞のトラブルは起こらなかった。
【0027】
(比較例)
実施例において、気液分離槽の気相部に設置された環状パイプへの含水酢酸の供給を停止した以外は実施例と同様にしてテレフタル酸の製造およびテレフタル酸と含水酢酸の分離を行ったが、運転を開始して18日後気液分離槽から濾過液受槽への移送管が閉塞した。運転を停止して調べたところ、厚さ5〜10mmのスケール物が該移送管を閉塞させていた。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータリーバキュームフィルターを用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶と溶媒を分離する方法において、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の気相部の内壁に液体を放散することでスケール物の生成付着を防止し、ひいては気液分離槽から濾過液受槽への移送管が閉塞する問題を克服し長期にわたって安定運転することができる。本発明のスラリーからの結晶の分離方法は、液相酸化による芳香族カルボン酸を製造するプロセス等の多くのプロセスに適用することができ、本発明の工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるロータリーバキュームフィルターの断面図である。
【図2】本発明の実施形態を示す結晶の分離方法の系統図である。
【図3】本発明の液放散ノズルの断面図である。
【記号の説明】
1:RVF(ロータリーバキュームフィルター)
2:ケーシング
3:濾材
4:スラリー
5:濾過域
6:濾過液
7:ガス
8:吸引部
9:ケーキ
10:洗浄液管
11:洗浄域
12:脱液域
13:ブロー部
14:剥離域
15:ブロー用ガス供給管
16:スラリー供給部
17:ダム
18:スラリー循環部
19:ケーキ取出口
20:スラリー貯槽
21:ポンプ
22:気液分離槽
23:濾過液受槽
24:ポンプ
25:冷却器
26:真空ポンプ
27:封液受槽
28:再スラリー貯槽
29:分離器
30:ドライヤー
31:製品取出口
32:液放散ライン
33:多数の穴を有するパイプ
Claims (6)
- ロータリーバキュームフィルターを用いて結晶と溶媒からなるスラリーから結晶を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とするスラリーからの結晶の分離方法。
- 気液分離槽の内壁に放散する液体が溶媒または水である請求項1記載のスラリーからの結晶の分離方法。
- 溶媒または水が真空ポンプの封液である請求項1または2記載のスラリーからの結晶の分離方法。
- 芳香族炭化水素を高温・高圧下、触媒成分を含む溶媒中で分子状酸素により酸化して芳香族カルボン酸を製造するプロセスにおいて、反応生成液を降温する晶析工程を経て、芳香族カルボン酸の結晶と溶媒からなるスラリーを生成し、該スラリーをロータリーバキュームフィルターを用いて芳香族カルボン酸の結晶と溶媒を分離した後、結晶のブロー用ガスと溶媒を分離する気液分離槽の内壁に液体を放散することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のスラリーからの結晶の分離方法。
- 溶媒が酢酸である請求項4記載のスラリーからの結晶の分離方法。
- 芳香族カルボン酸がテレフタル酸である請求項4または5記載のスラリーからの結晶の分離方法。
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