JP2004285010A - テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 - Google Patents
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004285010A JP2004285010A JP2003080921A JP2003080921A JP2004285010A JP 2004285010 A JP2004285010 A JP 2004285010A JP 2003080921 A JP2003080921 A JP 2003080921A JP 2003080921 A JP2003080921 A JP 2003080921A JP 2004285010 A JP2004285010 A JP 2004285010A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dimethylamino
- phosphoranylideneamino
- tris
- phosphonium chloride
- reaction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【解決手段】本発明のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法は、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、次いで、該五塩化りんを単離・精製することなく反応混合物の状態で用い、該反応混合物中に含まれる五塩化りんと、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させることを特徴としている。
【効果】本発明によれば、五塩化りんを単離して取り扱う必要がなく、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを工業的なスケールで安全・簡便に高収率かつ高選択率で得ることができる。
【選択図】 なし
【効果】本発明によれば、五塩化りんを単離して取り扱う必要がなく、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを工業的なスケールで安全・簡便に高収率かつ高選択率で得ることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、これを単離することなく用い、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する簡便かつ効率的な方法に関する。
【0002】
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、アルキレンオキシドの重合触媒などとして使用されるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドの合成中間体として極めて重要かつ有用な化合物である。
【0003】
【発明の技術的背景】
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法としては、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させて製造する方法が特許文献1に記載されているが、具体的な方法についてはなんら開示されていない。また、特許文献2および3には、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させてテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法が、実施例を示して詳細に開示されている。
【0004】
これらの方法は、いずれも五塩化りんを出発原料としたものであるが、五塩化りんは非常に反応性の高い常温で固体の化合物であり、空気中の水分と容易に反応し塩化水素ガスを発生しながら分解するため、取扱いには細心の注意を必要とする。通常、実験室などで比較的少量を取扱う場合には、乾燥窒素などの不活性ガスで置換したグローブボックス等を用い、この中で秤量や移し替え等の作業を行なうことができるが、工業的に比較的大量に使用する場合には、設備対応や安全性確保などに多大な困難が伴う。さらに、五塩化りんは自重により固結する性質を持っているため、工業的に必要とされる量の取扱いは一層困難である。
【0005】
したがって、このような理由から、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造するに際して、五塩化りんを出発原料として用いることは工業的に好ましい方法とは言えなかった。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討を続けてきたところ、常温で液体である三塩化りんを出発原料として用い、芳香族炭化水素類の存在下に三塩化りんと塩素とを反応させ、生成した五塩化りんを単離・精製することなく、そのままイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させることにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを簡便にかつ安全に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【特許文献1】
欧州特許第0791600号明細書13頁
【特許文献2】
特開平10−330387号公報
【特許文献3】
特開平11−152294号公報
【0007】
【発明の目的】
本発明は、工業的により効率的な方法で、簡便かつ安全にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法は、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、次いで、該五塩化りんを単離・精製することなく反応混合物の状態で用い、該反応混合物中に含まれる五塩化りんと、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させることを特徴としている。
【0009】
本発明の製造方法では、前記塩素を、三塩化りん1モルに対して0.9〜1.5モルの量で用い、前記三塩化りんと塩素とを0〜60℃の温度で反応させることが好ましい。
また、本発明の製造方法では、前記イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを、はじめに用いた三塩化りん1モルに対して7.0〜12.0モルの量で用いることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明では、前記五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させる際に、反応初期を10〜90℃、その後を110〜200℃の温度に保つことが好ましい。
本発明では、前記芳香族炭化水素類は、ベンゼン、炭素原子数7〜9個のアルキル置換芳香族炭化水素、塩素原子数1〜4個の塩素化芳香族炭化水素または炭素原子数7〜9個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素から選ばれることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の方法では、芳香族炭化水素類の存在下に三塩化りんと塩素とを反応させ、生成した五塩化りんを単離・精製することなく、そのままイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させることにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造することを特徴としている。
【0012】
本発明の製造方法の目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、下記式(1)
【0013】
【化1】
【0014】
で表される化合物である。
本発明の方法において、溶媒として用いる芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、アルキル置換芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロゲン化アルキル置換芳香族炭化水素などが挙げられる。
具体的には、たとえばベンゼン;トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ノルマルプロピルベンゼン、クメン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,2−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼンまたはドデシルベンゼンなどの炭素原子数7〜20個のアルキル置換芳香族炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、1−ブロモ−2−クロロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロベンゼン、1−ブロモナフタレンまたは1−クロロナフタレンなどの炭素数原子数6〜14個かつハロゲン原子数1〜4個のハロゲン化芳香族炭化水素;2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、2,4−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、2−クロロエチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−イソプロピルベンゼン、1−ブロモ−4−イソプロピルベンゼン、メシチルクロリド、4−クロロ−o−キシレンまたは2−クロロ−p−キシレンなどの炭素原子数7〜20個かつハロゲン原子数1〜4個のハロゲン化アルキル置換芳香族炭化水素;などが好ましく挙げられる。これらの他、本発明の目的を損なわない限りにおいて、すなわち、反応を阻害しない限り如何なる芳香族炭化水素類を溶媒として用いても構わない。これらのうち、より好ましくは、ベンゼン;トルエン、m−キシレン、エチルベンゼンまたはメシチレンなどの炭素原子数7〜9個のアルキル置換芳香族炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンまたは1,2,4−トリクロロベンゼンなどの炭素原子数6〜14個かつ塩素原子数1〜4個の塩素化芳香族炭化水素;2−クロロトルエン、4−クロロトルエン、1−クロロ−4−エチルベンゼンまたはメシチルクロリドなどの炭素原子数7〜9個かつ塩素原子数1〜4個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素である。
【0015】
これら芳香族炭化水素類の溶媒は単独で用いても複数種を併用しても構わない。また、これらの溶媒が、生成する五塩化りんを完全に溶解しなくても構わない。これらの溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、原料の三塩化りん1重量部に対して300重量部以下であり、好ましくは1〜150重量部であり、より好ましくは2〜30重量部である。
【0016】
本発明の方法に用いられる三塩化りんは、市販されているものをそのまま使用できるが、必要であれば蒸留などの精製工程を施した後で使用してもよい。
本発明の方法において、前記芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させるに際し、用いる塩素の量は、三塩化りんの1モルに対して通常0.9〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.2モルである。塩素は、通常、連続的または間欠的に芳香族炭化水素類溶媒と三塩化りんとが装入されている反応器に、気体、液体または溶液のいずれかの状態で仕込む。これらのうちでは、気体での装入が好ましい。塩素を気体で反応器に導入する場合には、たとえば窒素、ヘリウムまたはアルゴン等の不活性ガスで希釈して用いても構わない。
【0017】
この反応における反応温度は、通常0〜60℃であり、好ましくは10〜40℃である。反応時の圧力は、通常0.001〜1.0MPa(絶対圧、以降同じ。)、好ましくは0.1〜0.5MPaである。反応時間は特に制限されないが、通常、塩素の仕込み時間も含め20時間以内であり、好ましくは0.1〜10時間である。反応終了後、塩素を過剰に用いた場合には、次反応での副生物抑制の点から残存する未反応の塩素を除去することが好ましい。未反応塩素の除去方法としては、一般的な方法を適宜選択して用いることができるが、減圧による除去、不活性ガスの流通による除去、およびこれらの組み合わせによる方法などが好ましく用いられる。未反応塩素の除去の程度は、特に限定されないが、通常、反応混合物中の残存塩素濃度として0.2重量%以下であり、特に0.1重量%以下が好ましい。
【0018】
このようにして反応器内で生成させた五塩化りんは、単離・精製することなく、芳香族炭化水素類溶媒などを含む反応混合物のままで、次のイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとの反応に用いる。
本発明の方法に用いるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランは、下記式(2)で表される化合物である。
【0019】
【化2】
【0020】
前記イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランは、市販されているものをそのまま使用できるが、必要ならば蒸留などの精製を行った後に使用してもよい。また、たとえば、「リービッヒ アンナーレン」1996年の1067頁(Liebigs Ann.,1067(1996))に記載されているように、五塩化りんとジメチルアミンとを反応させ、次いでアンモニアを反応させ、さらに塩交換を経た後にカリウムメトキサイドと反応させる方法などによって合成したイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを使用することもできる。
【0021】
反応器内で生成させた五塩化りん(前記反応混合物中に含まれる五塩化りん)とイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させてテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造するに際し、用いるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの量は、収率および経済性の点から、始めに用いた三塩化りん1モルに対して、通常7.0〜12.0モルであり、好ましくは8.0〜9.0モルである。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを反応器内へ仕込む方法は特に限定されないが、通常は、上記芳香族炭化水素類および生成させた五塩化りんを含むスラリー液(前記反応混合物)に、液体であるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランそのものまたはその芳香族炭化水素類溶液を加えていくことが望ましい。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを添加する際の温度は10〜90℃を保つようにし、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの添加終了後もさらにこの温度範囲を保つことが好ましい。
【0022】
さらに、本発明の方法では、前記反応混合物中に含まれる五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとの反応を、反応初期は10〜90℃の温度で、その後は110〜200℃の温度で行なうことがより好ましい。本明細書中、「反応初期」とは、反応器内で生成させた五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを接触させるためのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み時間を含んだ反応の初期段階を意味し、その時間は、反応器内へのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み開始から、通常30時間以内であり、好ましくは0.1〜20時間、より好ましくは0.2〜15時間である。この時間を通常10〜90℃、好ましくは15〜70℃に保つのである。その後、温度を上げ、110〜200℃、好ましくは130〜190℃で反応を続ける。この場合の時間は、反応器内へのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み開始から、通常80時間以内であり、好ましくは前記反応初期時間の経過後3〜30時間、より好ましくは4〜20時間である。このように、反応初期とその後の温度を上記範囲内に設定することにより、中間生成物の分解などの副反応を抑え、目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの収率をより高くすることができる。
【0023】
なお、この反応は、減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できるが、通常は常圧である。
五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとが反応すると、塩化水素が副生するが、この塩化水素はまわりに存在するイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応し、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドが生成する。
【0024】
本発明の方法の目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、通常、芳香族炭化水素類に溶解するが、副生物であるアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドは極めて難溶である。したがって、反応終了後に反応混合液を冷却し、場合によっては芳香族炭化水素類を一部留去後に冷却して、ろ過などの固液分離により、副生物であるアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドを除くことができる。
【0025】
一方、このようにして得られた母液に水洗などの簡便な方法を構ずるだけで、充分に高い純度のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの芳香族炭化水素類溶液を得ることができるが、さらに必要であれば、この溶液を乾固してその乾固物に対して再結晶などの精製工程を実施することもできる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、ついでイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させるため、五塩化りんを単離して取り扱う必要がなくなり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを工業的なスケールで安全かつ効率的に製造することができる。すなわち、本発明によれば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを簡便に高収率かつ高選択率で得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記の実施例および参考例中で用いた分析装置および分析手法は以下の通りである。
(1)質量分析
株式会社島津製作所製QP−5050A型質量分析装置を用いて行った。
(2)31P−NMR分析
日本電子株式会社製A−500型NMR分析装置(500MHz)を用いて行った。
(3)滴定法(反応混合物中の残存塩素分の分析)
試料約10gを200ml三角フラスコに秤量し、氷水により冷却しながら、純水20mlと10重量%ヨウ化カリウム水溶液10mlおよび10重量%酢酸水溶液10mlを加え、緩やかに攪拌した。この試料溶液を0.01mol/lチオ硫酸ナトリウム水溶液にて滴定を行なった。澱粉指示薬(約0.5重量%澱粉水溶液(煮沸済み))を、試料溶液が極薄い黄色になってから約1ml加え、この試料溶液の紫色が消失した点を終点とした。
【0028】
【実施例1】
窒素雰囲気下で、1Lのガラス製反応器に、三塩化りん13.7g(100mmol)とo−ジクロロベンゼン231gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら30℃に保ち、常圧条件下にガス導入管を介して塩素ガス6.9g(98mmol、三塩化りんに対して0.98倍mol)を60分かけて吹込み、さらに同温度で60分攪拌を続けた。
【0029】
次にこの反応液を常圧条件下に40℃まで昇温し、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン151.5g(850mmol、三塩化りんに対して8.5倍mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後、約2時間かけて180℃に昇温し、6.5時間反応させた(後段反応)。この時点で分析のため反応液の一部を採取した。熱時は均一な液であったが、反応後に室温まで冷却したところアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドの白色固体が多量析出していた。
【0030】
採取した反応液の一部を用いて質量分析を行ったところ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドのカチオン部の分子量に相当する740の分子イオンスペクトルが観察された。重水素化クロロホルム溶媒を用いた31P−NMRによる分析では、五塩化りんは検出されず、五塩化りんは全て反応していることがわかった。さらに重水素化ジメチルスルホキシド溶媒を用い、りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物とした31P−NMRによる定量分析からは、反応液中にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドが96.0mmol含まれていることが判った。はじめに用いた三塩化りんに対する収率は96.0%であった。
【0031】
【実施例2】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼン量を302gに変更し、塩素ガス量を7.1g(100mmol、三塩化りんに対して1.00倍mol)に変更し、塩素ガスの吹込み温度を40℃に変更した以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0032】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは98.1mmolであり、収率は98.1%であった。
【0033】
【実施例3】
窒素雰囲気下で、1Lのガラス製反応器に、三塩化りん13.7g(100mmol)とo−ジクロロベンゼン343gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら10℃に保ち、常圧条件下にガス導入管を介して塩素ガス8.5g(120mmol、三塩化りんに対して1.20倍mol)を60分かけて吹込み、さらに同温度で60分攪拌を続けた。その後、ガス導入管を介して窒素ガスを約12g/hで60分間吹込み、過剰分の未反応塩素を除去した。反応混合物中の残留塩素分を滴定法により分析した結果55ppmであった。
【0034】
次に、この反応液を常圧条件下に40℃まで昇温し、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン151.5g(850mmol、三塩化りんに対して8.5倍mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後約2時間かけて180℃に昇温し、6.5時間反応させた(後段反応)。
【0035】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは97.7mmolであり、収率は97.7%であった。
【0036】
【実施例4】
あらかじめ良く乾燥し窒素置換した容積5Lのオートクレーブ反応器(内壁:グラスライニング)に、三塩化りん82.4g(0.60mol)とo−ジクロロベンゼン1813gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら40℃に保つとともに、窒素ガスを導入して内部圧力を0.15MPa(絶対圧、以降同様)に調整した。ここにガス導入管を介して塩素ガス42.5g(0.60mol、三塩化りんに対して1.00倍mol)を3.5時間かけて吹込んだ。反応時の最大圧力は0.16MPaであった。吹込み終了後、40℃に保ったままでさらに1.5時間攪拌を続けた。その後、気相部のガスを大気圧まで放出し、窒素ガスで0.20MPaまで加圧し大気圧まで放出する気相部置換操作を3回繰り返した。反応混合物中の残留塩素分を滴定法により分析した結果120ppmであった。
【0037】
次に、この反応液を常圧条件下に40℃に保ち、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン941g(5.28mol、三塩化りんに対して8.8倍mol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後、約4時間かけて170℃に昇温し、9時間反応させた(後段反応)。
【0038】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.590molであり、収率は98.3%であった。
【0039】
【実施例5】
実施例4におけるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン量を866g(4.86mol、三塩化りんに対して8.1倍mol)に変更し、前段反応の温度を60℃に変更し、後段反応の温度を160℃、後段反応時間を15時間とした以外は、実施例4と全く同様に反応を行なった。
【0040】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.566molであり、収率は94.3%であった。
【0041】
【実施例6】
実施例4におけるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン量を962g(5.40mol、三塩化りんに対して9.0倍mol)に変更し、前段反応の温度を30℃に変更し、後段反応の温度を180℃、後段反応時間を6時間とした以外は、実施例4と全く同様に反応を行なった。
【0042】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.588molであり、収率は98.0%であった。
【0043】
【実施例7】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼンをトルエン343gに変更し、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを滴下した後の後段反応の温度を118℃(還流)、後段反応時間を24時間とした以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0044】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは91.2mmolであり、収率は91.2%であった。
【0045】
【実施例8】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼンを4−クロロトルエン343gに変更し、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを滴下した後の後段反応の温度を170℃(還流)、後段反応時間を10時間とした以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0046】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは92.6mmolであり、収率は92.6%であった。
【発明の技術分野】
本発明は、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、これを単離することなく用い、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する簡便かつ効率的な方法に関する。
【0002】
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、アルキレンオキシドの重合触媒などとして使用されるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムヒドロキシドの合成中間体として極めて重要かつ有用な化合物である。
【0003】
【発明の技術的背景】
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法としては、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させて製造する方法が特許文献1に記載されているが、具体的な方法についてはなんら開示されていない。また、特許文献2および3には、五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させてテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法が、実施例を示して詳細に開示されている。
【0004】
これらの方法は、いずれも五塩化りんを出発原料としたものであるが、五塩化りんは非常に反応性の高い常温で固体の化合物であり、空気中の水分と容易に反応し塩化水素ガスを発生しながら分解するため、取扱いには細心の注意を必要とする。通常、実験室などで比較的少量を取扱う場合には、乾燥窒素などの不活性ガスで置換したグローブボックス等を用い、この中で秤量や移し替え等の作業を行なうことができるが、工業的に比較的大量に使用する場合には、設備対応や安全性確保などに多大な困難が伴う。さらに、五塩化りんは自重により固結する性質を持っているため、工業的に必要とされる量の取扱いは一層困難である。
【0005】
したがって、このような理由から、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造するに際して、五塩化りんを出発原料として用いることは工業的に好ましい方法とは言えなかった。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討を続けてきたところ、常温で液体である三塩化りんを出発原料として用い、芳香族炭化水素類の存在下に三塩化りんと塩素とを反応させ、生成した五塩化りんを単離・精製することなく、そのままイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させることにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを簡便にかつ安全に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【特許文献1】
欧州特許第0791600号明細書13頁
【特許文献2】
特開平10−330387号公報
【特許文献3】
特開平11−152294号公報
【0007】
【発明の目的】
本発明は、工業的により効率的な方法で、簡便かつ安全にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造する方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法は、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、次いで、該五塩化りんを単離・精製することなく反応混合物の状態で用い、該反応混合物中に含まれる五塩化りんと、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させることを特徴としている。
【0009】
本発明の製造方法では、前記塩素を、三塩化りん1モルに対して0.9〜1.5モルの量で用い、前記三塩化りんと塩素とを0〜60℃の温度で反応させることが好ましい。
また、本発明の製造方法では、前記イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを、はじめに用いた三塩化りん1モルに対して7.0〜12.0モルの量で用いることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明では、前記五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させる際に、反応初期を10〜90℃、その後を110〜200℃の温度に保つことが好ましい。
本発明では、前記芳香族炭化水素類は、ベンゼン、炭素原子数7〜9個のアルキル置換芳香族炭化水素、塩素原子数1〜4個の塩素化芳香族炭化水素または炭素原子数7〜9個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素から選ばれることが好ましい。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の方法では、芳香族炭化水素類の存在下に三塩化りんと塩素とを反応させ、生成した五塩化りんを単離・精製することなく、そのままイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させることにより、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造することを特徴としている。
【0012】
本発明の製造方法の目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、下記式(1)
【0013】
【化1】
【0014】
で表される化合物である。
本発明の方法において、溶媒として用いる芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、アルキル置換芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロゲン化アルキル置換芳香族炭化水素などが挙げられる。
具体的には、たとえばベンゼン;トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、ノルマルプロピルベンゼン、クメン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、1,2−ジエチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベンゼン、1,2−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,2,4−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼンまたはドデシルベンゼンなどの炭素原子数7〜20個のアルキル置換芳香族炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,2,3,4−テトラクロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、1−ブロモ−2−クロロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロベンゼン、1−ブロモナフタレンまたは1−クロロナフタレンなどの炭素数原子数6〜14個かつハロゲン原子数1〜4個のハロゲン化芳香族炭化水素;2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、2,4−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、2−クロロエチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−イソプロピルベンゼン、1−ブロモ−4−イソプロピルベンゼン、メシチルクロリド、4−クロロ−o−キシレンまたは2−クロロ−p−キシレンなどの炭素原子数7〜20個かつハロゲン原子数1〜4個のハロゲン化アルキル置換芳香族炭化水素;などが好ましく挙げられる。これらの他、本発明の目的を損なわない限りにおいて、すなわち、反応を阻害しない限り如何なる芳香族炭化水素類を溶媒として用いても構わない。これらのうち、より好ましくは、ベンゼン;トルエン、m−キシレン、エチルベンゼンまたはメシチレンなどの炭素原子数7〜9個のアルキル置換芳香族炭化水素;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンまたは1,2,4−トリクロロベンゼンなどの炭素原子数6〜14個かつ塩素原子数1〜4個の塩素化芳香族炭化水素;2−クロロトルエン、4−クロロトルエン、1−クロロ−4−エチルベンゼンまたはメシチルクロリドなどの炭素原子数7〜9個かつ塩素原子数1〜4個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素である。
【0015】
これら芳香族炭化水素類の溶媒は単独で用いても複数種を併用しても構わない。また、これらの溶媒が、生成する五塩化りんを完全に溶解しなくても構わない。これらの溶媒の使用量は特に限定されないが、通常、原料の三塩化りん1重量部に対して300重量部以下であり、好ましくは1〜150重量部であり、より好ましくは2〜30重量部である。
【0016】
本発明の方法に用いられる三塩化りんは、市販されているものをそのまま使用できるが、必要であれば蒸留などの精製工程を施した後で使用してもよい。
本発明の方法において、前記芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させるに際し、用いる塩素の量は、三塩化りんの1モルに対して通常0.9〜1.5モルであり、好ましくは0.95〜1.2モルである。塩素は、通常、連続的または間欠的に芳香族炭化水素類溶媒と三塩化りんとが装入されている反応器に、気体、液体または溶液のいずれかの状態で仕込む。これらのうちでは、気体での装入が好ましい。塩素を気体で反応器に導入する場合には、たとえば窒素、ヘリウムまたはアルゴン等の不活性ガスで希釈して用いても構わない。
【0017】
この反応における反応温度は、通常0〜60℃であり、好ましくは10〜40℃である。反応時の圧力は、通常0.001〜1.0MPa(絶対圧、以降同じ。)、好ましくは0.1〜0.5MPaである。反応時間は特に制限されないが、通常、塩素の仕込み時間も含め20時間以内であり、好ましくは0.1〜10時間である。反応終了後、塩素を過剰に用いた場合には、次反応での副生物抑制の点から残存する未反応の塩素を除去することが好ましい。未反応塩素の除去方法としては、一般的な方法を適宜選択して用いることができるが、減圧による除去、不活性ガスの流通による除去、およびこれらの組み合わせによる方法などが好ましく用いられる。未反応塩素の除去の程度は、特に限定されないが、通常、反応混合物中の残存塩素濃度として0.2重量%以下であり、特に0.1重量%以下が好ましい。
【0018】
このようにして反応器内で生成させた五塩化りんは、単離・精製することなく、芳香族炭化水素類溶媒などを含む反応混合物のままで、次のイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとの反応に用いる。
本発明の方法に用いるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランは、下記式(2)で表される化合物である。
【0019】
【化2】
【0020】
前記イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランは、市販されているものをそのまま使用できるが、必要ならば蒸留などの精製を行った後に使用してもよい。また、たとえば、「リービッヒ アンナーレン」1996年の1067頁(Liebigs Ann.,1067(1996))に記載されているように、五塩化りんとジメチルアミンとを反応させ、次いでアンモニアを反応させ、さらに塩交換を経た後にカリウムメトキサイドと反応させる方法などによって合成したイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを使用することもできる。
【0021】
反応器内で生成させた五塩化りん(前記反応混合物中に含まれる五塩化りん)とイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させてテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを製造するに際し、用いるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの量は、収率および経済性の点から、始めに用いた三塩化りん1モルに対して、通常7.0〜12.0モルであり、好ましくは8.0〜9.0モルである。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを反応器内へ仕込む方法は特に限定されないが、通常は、上記芳香族炭化水素類および生成させた五塩化りんを含むスラリー液(前記反応混合物)に、液体であるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランそのものまたはその芳香族炭化水素類溶液を加えていくことが望ましい。イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを添加する際の温度は10〜90℃を保つようにし、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの添加終了後もさらにこの温度範囲を保つことが好ましい。
【0022】
さらに、本発明の方法では、前記反応混合物中に含まれる五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとの反応を、反応初期は10〜90℃の温度で、その後は110〜200℃の温度で行なうことがより好ましい。本明細書中、「反応初期」とは、反応器内で生成させた五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを接触させるためのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み時間を含んだ反応の初期段階を意味し、その時間は、反応器内へのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み開始から、通常30時間以内であり、好ましくは0.1〜20時間、より好ましくは0.2〜15時間である。この時間を通常10〜90℃、好ましくは15〜70℃に保つのである。その後、温度を上げ、110〜200℃、好ましくは130〜190℃で反応を続ける。この場合の時間は、反応器内へのイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの仕込み開始から、通常80時間以内であり、好ましくは前記反応初期時間の経過後3〜30時間、より好ましくは4〜20時間である。このように、反応初期とその後の温度を上記範囲内に設定することにより、中間生成物の分解などの副反応を抑え、目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの収率をより高くすることができる。
【0023】
なお、この反応は、減圧、常圧または加圧のいずれでも実施できるが、通常は常圧である。
五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとが反応すると、塩化水素が副生するが、この塩化水素はまわりに存在するイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応し、アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドが生成する。
【0024】
本発明の方法の目的物であるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは、通常、芳香族炭化水素類に溶解するが、副生物であるアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドは極めて難溶である。したがって、反応終了後に反応混合液を冷却し、場合によっては芳香族炭化水素類を一部留去後に冷却して、ろ過などの固液分離により、副生物であるアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドを除くことができる。
【0025】
一方、このようにして得られた母液に水洗などの簡便な方法を構ずるだけで、充分に高い純度のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの芳香族炭化水素類溶液を得ることができるが、さらに必要であれば、この溶液を乾固してその乾固物に対して再結晶などの精製工程を実施することもできる。
【0026】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、ついでイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランと反応させるため、五塩化りんを単離して取り扱う必要がなくなり、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを工業的なスケールで安全かつ効率的に製造することができる。すなわち、本発明によれば、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドを簡便に高収率かつ高選択率で得ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、下記の実施例および参考例中で用いた分析装置および分析手法は以下の通りである。
(1)質量分析
株式会社島津製作所製QP−5050A型質量分析装置を用いて行った。
(2)31P−NMR分析
日本電子株式会社製A−500型NMR分析装置(500MHz)を用いて行った。
(3)滴定法(反応混合物中の残存塩素分の分析)
試料約10gを200ml三角フラスコに秤量し、氷水により冷却しながら、純水20mlと10重量%ヨウ化カリウム水溶液10mlおよび10重量%酢酸水溶液10mlを加え、緩やかに攪拌した。この試料溶液を0.01mol/lチオ硫酸ナトリウム水溶液にて滴定を行なった。澱粉指示薬(約0.5重量%澱粉水溶液(煮沸済み))を、試料溶液が極薄い黄色になってから約1ml加え、この試料溶液の紫色が消失した点を終点とした。
【0028】
【実施例1】
窒素雰囲気下で、1Lのガラス製反応器に、三塩化りん13.7g(100mmol)とo−ジクロロベンゼン231gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら30℃に保ち、常圧条件下にガス導入管を介して塩素ガス6.9g(98mmol、三塩化りんに対して0.98倍mol)を60分かけて吹込み、さらに同温度で60分攪拌を続けた。
【0029】
次にこの反応液を常圧条件下に40℃まで昇温し、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン151.5g(850mmol、三塩化りんに対して8.5倍mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後、約2時間かけて180℃に昇温し、6.5時間反応させた(後段反応)。この時点で分析のため反応液の一部を採取した。熱時は均一な液であったが、反応後に室温まで冷却したところアミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドの白色固体が多量析出していた。
【0030】
採取した反応液の一部を用いて質量分析を行ったところ、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドのカチオン部の分子量に相当する740の分子イオンスペクトルが観察された。重水素化クロロホルム溶媒を用いた31P−NMRによる分析では、五塩化りんは検出されず、五塩化りんは全て反応していることがわかった。さらに重水素化ジメチルスルホキシド溶媒を用い、りん酸トリ−n−ブチルを内部標準化合物とした31P−NMRによる定量分析からは、反応液中にテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドが96.0mmol含まれていることが判った。はじめに用いた三塩化りんに対する収率は96.0%であった。
【0031】
【実施例2】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼン量を302gに変更し、塩素ガス量を7.1g(100mmol、三塩化りんに対して1.00倍mol)に変更し、塩素ガスの吹込み温度を40℃に変更した以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0032】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは98.1mmolであり、収率は98.1%であった。
【0033】
【実施例3】
窒素雰囲気下で、1Lのガラス製反応器に、三塩化りん13.7g(100mmol)とo−ジクロロベンゼン343gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら10℃に保ち、常圧条件下にガス導入管を介して塩素ガス8.5g(120mmol、三塩化りんに対して1.20倍mol)を60分かけて吹込み、さらに同温度で60分攪拌を続けた。その後、ガス導入管を介して窒素ガスを約12g/hで60分間吹込み、過剰分の未反応塩素を除去した。反応混合物中の残留塩素分を滴定法により分析した結果55ppmであった。
【0034】
次に、この反応液を常圧条件下に40℃まで昇温し、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン151.5g(850mmol、三塩化りんに対して8.5倍mol)を1時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後約2時間かけて180℃に昇温し、6.5時間反応させた(後段反応)。
【0035】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは97.7mmolであり、収率は97.7%であった。
【0036】
【実施例4】
あらかじめ良く乾燥し窒素置換した容積5Lのオートクレーブ反応器(内壁:グラスライニング)に、三塩化りん82.4g(0.60mol)とo−ジクロロベンゼン1813gを仕込んだ。この溶液を緩やかに攪拌しながら40℃に保つとともに、窒素ガスを導入して内部圧力を0.15MPa(絶対圧、以降同様)に調整した。ここにガス導入管を介して塩素ガス42.5g(0.60mol、三塩化りんに対して1.00倍mol)を3.5時間かけて吹込んだ。反応時の最大圧力は0.16MPaであった。吹込み終了後、40℃に保ったままでさらに1.5時間攪拌を続けた。その後、気相部のガスを大気圧まで放出し、窒素ガスで0.20MPaまで加圧し大気圧まで放出する気相部置換操作を3回繰り返した。反応混合物中の残留塩素分を滴定法により分析した結果120ppmであった。
【0037】
次に、この反応液を常圧条件下に40℃に保ち、その温度に制御しながらこれにイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン941g(5.28mol、三塩化りんに対して8.8倍mol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに40℃に1時間保った(前段反応)。その後、約4時間かけて170℃に昇温し、9時間反応させた(後段反応)。
【0038】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.590molであり、収率は98.3%であった。
【0039】
【実施例5】
実施例4におけるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン量を866g(4.86mol、三塩化りんに対して8.1倍mol)に変更し、前段反応の温度を60℃に変更し、後段反応の温度を160℃、後段反応時間を15時間とした以外は、実施例4と全く同様に反応を行なった。
【0040】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.566molであり、収率は94.3%であった。
【0041】
【実施例6】
実施例4におけるイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホラン量を962g(5.40mol、三塩化りんに対して9.0倍mol)に変更し、前段反応の温度を30℃に変更し、後段反応の温度を180℃、後段反応時間を6時間とした以外は、実施例4と全く同様に反応を行なった。
【0042】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは0.588molであり、収率は98.0%であった。
【0043】
【実施例7】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼンをトルエン343gに変更し、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを滴下した後の後段反応の温度を118℃(還流)、後段反応時間を24時間とした以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0044】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは91.2mmolであり、収率は91.2%であった。
【0045】
【実施例8】
実施例1におけるo−ジクロロベンゼンを4−クロロトルエン343gに変更し、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを滴下した後の後段反応の温度を170℃(還流)、後段反応時間を10時間とした以外は、実施例1と全く同様に反応を行なった。
【0046】
実施例1の方法に従って分析したところ、反応液中に含まれるテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドは92.6mmolであり、収率は92.6%であった。
Claims (6)
- 芳香族炭化水素類の存在下、三塩化りんと塩素とを反応させて五塩化りんを生成させ、
次いで、該五塩化りんを単離・精製することなく反応混合物の状態で用い、該反応混合物中に含まれる五塩化りんと、イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させることを特徴とする、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。 - 前記塩素を、三塩化りん1モルに対して0.9〜1.5モルの量で用いることを特徴とする請求項1に記載のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。
- 前記三塩化りんと塩素とを、0〜60℃の温度で反応させることを特徴とする請求項1または2に記載のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。
- 前記イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランを、はじめに用いた三塩化りん1モルに対して7.0〜12.0モルの量で用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。
- 前記五塩化りんとイミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランとを反応させる際に、反応初期を10〜90℃、その後を110〜200℃の温度に保つことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。
- 前記芳香族炭化水素類が、ベンゼン、炭素原子数7〜9個のアルキル置換芳香族炭化水素、塩素原子数1〜4個の塩素化芳香族炭化水素または炭素原子数7〜9個の塩素化アルキル置換芳香族炭化水素から選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のテトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003080921A JP2004285010A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003080921A JP2004285010A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004285010A true JP2004285010A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33294645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003080921A Pending JP2004285010A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004285010A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008075601A1 (ja) * | 2006-12-18 | 2008-06-26 | Mitsui Chemicals, Inc. | ホスホニウム塩、アルキレンオキシド化合物重合触媒およびポリアルキレンオキシドの製造方法 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003080921A patent/JP2004285010A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008075601A1 (ja) * | 2006-12-18 | 2008-06-26 | Mitsui Chemicals, Inc. | ホスホニウム塩、アルキレンオキシド化合物重合触媒およびポリアルキレンオキシドの製造方法 |
CN101547929B (zh) * | 2006-12-18 | 2013-04-10 | 三井化学株式会社 | 鏻盐、环氧烷化合物聚合催化剂及聚环氧烷的制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8912371B2 (en) | Method of producing a chlorinated hydrocarbon having 3 carbon atoms | |
JPWO2008105464A1 (ja) | カルボン酸クロライドの製造方法 | |
EP3222623B1 (en) | Method for preparing tris(trialkylsilyl)phosphine | |
KR101738789B1 (ko) | 비스(할로술포닐)아민의 제조 방법 | |
JP5803098B2 (ja) | 五フッ化リンの製造方法 | |
TW201831397A (zh) | 四氟化硫之製造方法 | |
JP2004285010A (ja) | テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 | |
JPWO2005095355A1 (ja) | N,n’−カルボニルジイミダゾールの製造方法 | |
JPH07145185A (ja) | 6H− ジベンゾ[c,e ][1,2] オキサホスホリン− 6−オン及びその誘導体の製造方法 | |
US5872291A (en) | Process for producing benzoyl chlorides | |
Hirschberg et al. | Selective elemental fluorination in ionic liquids | |
JP2004285009A (ja) | アミノトリス(二置換アミノ)ホスホニウムクロリドの製造方法 | |
US2994653A (en) | Method of chlorinating aliphatic chainsubstituted aromatic hydrocarbons | |
WO2004009520A1 (ja) | 3級炭素塩素化炭化水素の製造方法 | |
CA1160646A (en) | Process for the selective aliphatic chlorination of alkylbenzenes | |
JP3748688B2 (ja) | テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]ホスホニウムクロリドの製造方法 | |
JP3748687B2 (ja) | アミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドの製造方法 | |
JP4612219B2 (ja) | 置換芳香族化合物の製造方法 | |
JP3059717B2 (ja) | モノおよび/またはビス(モノおよび/またはジおよび/またはトリクロロメチル)ベンゼンの連続製造方法 | |
JP2021024830A (ja) | カルボン酸無水物またはスルホン酸無水物の製造方法 | |
BRPI0404626B1 (pt) | processo para a produção de 4-amino-3,5-diclorobenzotrifluoreto com obtenção de produtos em paralelo com alta pureza comercial | |
JP2004300084A (ja) | ホスホニウムクロリドおよびホスホニウムヒドロキシドの製造方法 | |
JP2008137926A (ja) | イミノトリス(ジメチルアミノ)ホスホランの製造方法 | |
JPWO2008133086A1 (ja) | 含フッ素化合物の製造方法 | |
EP0921128A1 (en) | Process of preparing iminotris (dimethylamino) phosphorane |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060227 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20080910 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090331 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20091201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |