JP2004284940A - 誘電体磁器組成物および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】
比誘電率(εr)、Q値が高く、τf(共振周波数の温度係数)を低減できるような誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】
組成式x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足する誘電体磁器組成物を提供する(0.171≦x≦0.300: 0.584≦y≦0.746: 0.010≦z1≦0.172: 0.000≦z2≦0.171: 0.000≦z3≦0.171: 0.072<t≦0.185: x+y+z1+z2+z3+t=1.000)
【選択図】 なし
比誘電率(εr)、Q値が高く、τf(共振周波数の温度係数)を低減できるような誘電体磁器組成物を提供する。
【解決手段】
組成式x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足する誘電体磁器組成物を提供する(0.171≦x≦0.300: 0.584≦y≦0.746: 0.010≦z1≦0.172: 0.000≦z2≦0.171: 0.000≦z3≦0.171: 0.072<t≦0.185: x+y+z1+z2+z3+t=1.000)
【選択図】 なし
Description
本発明は、高い誘電率を有する誘電体磁器組成物に関するものである。
携帯電話機等の高周波回路無線機器においては、積層型誘電体フィルターやバルク型誘電体フィルターが使用されている。例えばバルク型誘電体フィルターを一層小型化するためには、フィルターを構成する誘電体磁器組成物の比誘電率(εr)を上昇させる必要がある。更に、こうした誘電体磁器組成物は、誘電損失低減のためにQ値を高くすることが必要である。更に、誘電体磁器組成物のτf(共振周波数の温度係数)を低くし、これによって温度変化に対する電子部品の特性変動を小さくする必要がある。
こうした目的から、本出願人は、特許文献1において、特定組成のBaO−TiO2−Nd2O3−Sm2O3−Bi2O3系の誘電体磁器組成物を提案した。
特開平4−104946号公報
最近の携帯機器の高性能化に伴い、高い水準で、比誘電率(εr)を向上させ、かつQ値を高くし、τfを低減することが求められてきた。
本発明の課題は、比誘電率(εr)、Q値が高く、τf(共振周波数の温度係数)を低減できるような誘電体磁器組成物を提供することである。
第一の態様に係る発明は、組成式x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足することを特徴とする、誘電体磁器組成物に係るものである。
0.171≦x≦0.300
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.172
0.000≦z2≦0.171
0.000≦z3≦0.171
0.072<t≦0.185
x+y+z1+z2+z3+t=1.000
0.171≦x≦0.300
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.172
0.000≦z2≦0.171
0.000≦z3≦0.171
0.072<t≦0.185
x+y+z1+z2+z3+t=1.000
また、第一の態様に係る発明は、前記誘電体磁器組成物によって少なくとも一部が構成されていることを特徴とする、電子部品に係るものである。
また、第二の態様に係る発明は、組成式 x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足することを特徴とする、誘電体磁器組成物に係るものである。
0.171≦x≦0.260
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.120
0.000≦z2≦0.120
0.000≦z3≦0.120
0.001≦z1+z2+z3≦0.120
0.065≦t≦0.072
x+y+z1+z2+z3+t=1.000
0.35≦t/(z1+z2+z3+t)
0.171≦x≦0.260
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.120
0.000≦z2≦0.120
0.000≦z3≦0.120
0.001≦z1+z2+z3≦0.120
0.065≦t≦0.072
x+y+z1+z2+z3+t=1.000
0.35≦t/(z1+z2+z3+t)
また、第二の態様に係る発明は、前記誘電体磁器組成物によって少なくとも一部が構成されていることを特徴とする、電子部品に係るものである。
第一の態様、第二の態様に係る発明の誘電体磁器組成物は、比誘電率(εr)、Q値が高く、τf(共振周波数の温度係数)を低減できるものである。
最初に第一の態様に係る発明の数値限定理由について述べる。
BaOの比率xは、0.171以上、0.300以下である。これを0.171以上とすることによって、比誘電率εrを高くすることができる。この観点からは、xを0.171以上とすることが好ましく、0.173以上とすることが更に好ましい。また、xを0.300以下とすることによって、Q値を大きくでき、τfを小さくできる。この観点からは、xを0.300以下とすることが好ましく、0.295以下とすることが更に好ましい。
BaOの比率xは、0.171以上、0.300以下である。これを0.171以上とすることによって、比誘電率εrを高くすることができる。この観点からは、xを0.171以上とすることが好ましく、0.173以上とすることが更に好ましい。また、xを0.300以下とすることによって、Q値を大きくでき、τfを小さくできる。この観点からは、xを0.300以下とすることが好ましく、0.295以下とすることが更に好ましい。
TiO2の比率yは、0.584以上、0.746以下とする。yを0.584以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、yを0.584以上とすることが好ましく、0.590以上とすることが更に好ましい。また、yを0.746以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この観点からは、yを0.746以下とすることが好ましく、0.740以下とすることが更に好ましい。
Nd2O3の比率z1は、0.010以上、0.172以下とする。z1を0.010以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、z1を0.100以上とすることが好ましく、0.030以上とすることが更に好ましい。また、z1を0.172以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この観点からは、z1を0.172以下とすることが好ましく、0.170以下とすることが更に好ましい。
La2O3の比率z2は、0.000以上、0.171以下とする。即ち、La2O3は誘電体中に含有されていなくともよい。ただし、La2O3を誘電体中に含有させることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この観点からは、z2を0.000以上とすることが好ましい。また、z2を0.171以下とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、z2を0.171以下とすることが好ましく0.162以下とすることが更に好ましい。
Sm2O3の比率z3は、0.000以上、0.171以下とする。即ち、Sm2O3は誘電体中に含有されていなくともよい。ただし、Sm2O3を誘電体中に含有させることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、z3を0.000以上とすることが好ましい。また、z3を0.171以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この観点からは、z3を0.171
以下とすることが好ましく、0.162以下とすることが更に好ましい。
以下とすることが好ましく、0.162以下とすることが更に好ましい。
Bi2O3の比率tは、0.072を超え、0.185以下である。tを0.072を超えることによって、比誘電率εrを一層大きくできる。この観点からは、tを0.073以上とすることが好ましく、0.075以上とすることが更に好ましい。また、tを0.185以下とすることによって、Q値を一層大きくし、τfを一層低減することができる。この観点からは、tを0.185以下とすることが好ましく、0.170以下とすることが更に好ましい。なお、特許文献1においては、tは0.072以下である。
次に、第二の態様に係る発明の数値限定理由について述べる。
BaOの比率xは、0.171以上、0.260以下である。これを0.171以上とすることによって、比誘電率εrを高くすることができる。この観点からは、xを0.173以上とすることが更に好ましい。また、xを0.260以下とすることによって、Q値を大きくでき、τfを小さくできる。
BaOの比率xは、0.171以上、0.260以下である。これを0.171以上とすることによって、比誘電率εrを高くすることができる。この観点からは、xを0.173以上とすることが更に好ましい。また、xを0.260以下とすることによって、Q値を大きくでき、τfを小さくできる。
TiO2の比率yは、0.584以上、0.746以下とする。yを0.584以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、yを0.590以上とすることが更に好ましい。また、yを0.746以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この観点からは、yを0.740以下とすることが更に好ましい。
Nd2O3の比率z1は、0.010以上、0.120以下とする。z1を0.010以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。この観点からは、z1を0.100以上とすることが好ましく、0.030以上とすることが更に好ましい。また、z1を0.120以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。
La2O3の比率z2は、0.000以上、0.120以下とする。即ち、La2O3は誘電体中に含有されていなくともよい。ただし、La2O3を誘電体中に含有させることによって、比誘電率εrを向上させることができる。z2を0.120以下とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。
Sm2O3の比率z3は、0.000以上、0.120以下とする。即ち、Sm2O3は誘電体中に含有されていなくともよい。ただし、Sm2O3を誘電体中に含有させることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。また、z3を0.120以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。
Bi2O3の比率tは、0.065以上、0.072以下とする。tを0.065以上とすることによって、比誘電率εrを一層大きくできる。また、tを0.072以下とすることによって、Q値を一層大きくし、τfを一層低減することができる。
第一、第二の態様に係る発明を適用可能な電子部品は限定されないが、例えば積層誘電体フィルター、多層配線基板、誘電体アンテナ、誘電体カプラー、誘電体複合モジュール、バルク型誘電体フィルターを例示できる。第一、第二の態様に係る発明は、特にバルク型誘電体フィルターを小型化する上で好適である。
第一、第二の態様に係る発明の電子部品において使用できる金属電極は限定されないが、銀電極、銅電極、ニッケル電極、またはこれらの合金からなる電極が好ましく、銀または銀合金からなる電極が更に好ましく、銀電極が特に好ましい。
第一、第二の態様に係る発明の誘電体磁器組成物を製造する際には、好ましくは、各金属成分の原料を所定比率で混合し、混合粉末を1000℃〜1350℃で仮焼し、仮焼体を粉砕し、セラミック粉末を得る。そして、好ましくは、セラミック粉末と、ポリビニルアルコール等の適当なバインダーとを混合し、造粒し、造粒粉末を成形する。この成形体を、例えば1100℃〜1350℃で焼成し、誘電体磁器組成物を得る。
各金属成分の原料としては、各金属の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩を例示できる。
第一、第二の態様に係る発明において、前記した各金属酸化物成分の比率x、y、z1、z2、z3、tは、原料混合物における各金属の酸化物への換算値である。原料混合物における各金属の酸化物への換算値は、各金属原料の混合比率によって定まる。本発明においては、各金属原料の混合比率を精密天秤によって秤量し、この秤量値に基づいて前記換算値を算出する。
第一、第二の態様に係る発明の誘電体磁器組成物の基本組成は、上記のとおりである。しかし、他の金属元素を含有していてもよい。
例えば、Ag,CuおよびNiからなる群より選ばれた一種以上の金属を金属換算で合計で5重量%以下含有していてよい。
また、CuO、V2O5およびWO3からなる群より選ばれた一種以上の金属酸化物を含有していてよい。この場合には、CuO、V2O5およびWO3からなる群より選ばれた一種以上の金属酸化物の含有量は、酸化物換算で5.0重量%以下であることが好ましい。
また、B、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Se、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Hfの各金属の酸化物を合計で5重量%以下含有していてもよい。
しかし、Mnの酸化物、Pbの酸化物は、本発明の誘電体磁器組成物中に実質的に含有していないことが好ましい。ただし極微量の不可避的不純物は除く。
(実験1)
高純度の炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化ビスマスの各粉末を、表1〜6に示す各例の比率に従って秤量した。これらの原料粉末を、ポリエチレン製ポット中にアルミナ玉石と共に投入し、純水を加え、湿式混合した。得られた混合物をポットから取り出し、乾燥し、1000℃で2時間、空気雰囲気下で仮焼を行った。仮焼物をアルミナ玉石と共にポリエチレン製ポットに投入し、純水を加え、湿式粉砕した。この際、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量%加え、バインダーが仮焼粉末と均一に混合されるようにした。次いで、得られた粉砕物を乾燥し、#355メッシュのふるいに通し、造粒した。
高純度の炭酸バリウム、酸化チタン、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化サマリウム、酸化ビスマスの各粉末を、表1〜6に示す各例の比率に従って秤量した。これらの原料粉末を、ポリエチレン製ポット中にアルミナ玉石と共に投入し、純水を加え、湿式混合した。得られた混合物をポットから取り出し、乾燥し、1000℃で2時間、空気雰囲気下で仮焼を行った。仮焼物をアルミナ玉石と共にポリエチレン製ポットに投入し、純水を加え、湿式粉砕した。この際、バインダーとしてポリビニルアルコールを1重量%加え、バインダーが仮焼粉末と均一に混合されるようにした。次いで、得られた粉砕物を乾燥し、#355メッシュのふるいに通し、造粒した。
この造粒粉末をプレス成形機によって面圧1トン/cm2でプレス成形し、直径φ20mm、厚さ15mmの円盤状成形体を得た。この成形体を空気中で1300〜1400℃で2時間焼成した。この焼成体を研磨し、直径φ14mm、厚さ7mmの試料を得た。各試料について、比誘電率εrおよび無負荷Qを、平行導体板型誘電体共振器法によって測定した。また、共振周波数の温度係数(τf)を、−25℃〜75℃の範囲で測定した。この結果を表1〜表6に示す。
表1の各例に示すように、BaOの比率xを0.171以上とすることによって、比誘電率εrを高くすることができる。また、xを0.300以下とすることによって、Q値を大きくでき、τfを小さくできる。
表2の各例に示すように、TiO2の比率yを0.584以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。また、yを0.746以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。
表3の各例に示すように、Nd2O3の比率z1を0.010以上とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。また、z1を0.172以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。
表4の各例に示すように、Bi2O3の比率tを0.072超とすることによって、比誘電率εrを一層大きくできる。また、tを0.185以下とすることによって、Q値を一層大きくし、τfを一層低減することができる。
表5の各例に示すように、La2O3を誘電体磁器組成物中に含有させることによって、比誘電率εrを向上させることができる。この場合、z2を0.1710以下とすることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。
表6の各例に示すように、Sm2O3を誘電体磁器組成物中に含有させることによって、Q値を向上させ、τfを低減することができる。また、z3を0.1710以下とすることによって、比誘電率εrを向上させることができる。
(実験2)
本発明で規定する各金属成分の比率を、表7に示す本発明範囲内の値に固定し、実験1と同様にして誘電体磁器組成物を製造した。ただし、添加成分として、銀、銅またはニッケルを原料粉末に添加した。また、各金属の添加量は、x, y,
z1, z2, z3 およびtの合計を100重量%としたときの重量百分率として示す。この結果を表7に示す。
本発明で規定する各金属成分の比率を、表7に示す本発明範囲内の値に固定し、実験1と同様にして誘電体磁器組成物を製造した。ただし、添加成分として、銀、銅またはニッケルを原料粉末に添加した。また、各金属の添加量は、x, y,
z1, z2, z3 およびtの合計を100重量%としたときの重量百分率として示す。この結果を表7に示す。
この結果から分かるように、本発明の誘電体磁器組成物によれば、各種金属を添加した場合にも、高い比誘電率εr、Q値および低いτfを得ることが可能であった。
(実験3)
本発明で規定する各金属成分の比率を、表8に示す本発明範囲内の値に固定し、実験1と同様にして誘電体磁器組成物を製造した。ただし、添加成分として、酸化銅、酸化バナジウムまたは酸化タングステンの各粉末を原料粉末に添加した。また、各金属酸化物の添加量は、x, y,
z1, z2, z3 およびtの合計を100重量%としたときの重量百分率として示す。この結果を表8に示す。
本発明で規定する各金属成分の比率を、表8に示す本発明範囲内の値に固定し、実験1と同様にして誘電体磁器組成物を製造した。ただし、添加成分として、酸化銅、酸化バナジウムまたは酸化タングステンの各粉末を原料粉末に添加した。また、各金属酸化物の添加量は、x, y,
z1, z2, z3 およびtの合計を100重量%としたときの重量百分率として示す。この結果を表8に示す。
この結果から分かるように、第一の発明の誘電体磁器組成物によれば、各種金属を添加した場合にも、高い比誘電率εr、Q値および低いτfを得ることが可能であった。
(実験4)
実験1と同様にして、表9、表10の実験B1〜19の各例の誘電体磁器組成物を製造した。ただし、各金属成分の比率は、表9、表10に示すように変更した。そして、実験1と同様に、比誘電率εrおよび無負荷Qを、平行導体板型誘電体共振器法によって測定した。また、共振周波数の温度係数(τf)を、−25℃〜75℃の範囲で測定した。この結果を表9、表10に示す。
実験1と同様にして、表9、表10の実験B1〜19の各例の誘電体磁器組成物を製造した。ただし、各金属成分の比率は、表9、表10に示すように変更した。そして、実験1と同様に、比誘電率εrおよび無負荷Qを、平行導体板型誘電体共振器法によって測定した。また、共振周波数の温度係数(τf)を、−25℃〜75℃の範囲で測定した。この結果を表9、表10に示す。
表9の実験B1〜11に示すように、t=0.065〜0.072の範囲内において特定組成範囲を保持することによって、比誘電率εr、無負荷Qを、共振周波数の温度係数(τf)が良好になった。
これに対して、実験B12(表10)においてば、BaOの比率xが0.165と低いが、比誘電率εrが低下している。実験B13においては、BaOの比率xが大きいが、無負荷Qが低下し、共振周波数の温度係数(τf)が増大した。実験B14においては、TiO2の比率yが低いが、無負荷Qが低く、共振周波数の温度係数(τf)が増大した。実験B15においては、TiO2の比率yが高く、Nd2O3の比率z1が低いが、比誘電率εrが低下した。実験B16においては、Nd2O3の比率z1が低いが、無負荷Qが低下し、共振周波数の温度係数(τf)が増大した。実験B17では、Nd2O3の比率z1が高く、a(t/(z1+z2+z3+t))が低いが、比誘電率εrが低下した。実験B18では、a(t/(z1+z2+z3+t))が低く、Bi2O3の比率tも低いが、比誘電率εrが低下した。実験B19では、Bi2O3の比率tが低いが、比誘電率εrが低下した。
この結果から分かるように、第二の発明の誘電体磁器組成物によれば、各種金属を添加した場合にも、高い比誘電率εr、Q値および低いτfを得ることが可能であった。
Claims (10)
- 組成式 x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足することを特徴とする、誘電体磁器組成物。
0.171≦x≦0.300
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.172
0.000≦z2≦0.171
0.000≦z3≦0.171
0.072<t≦0.185
x+y+z1+z2+z3+t=1.000 - Ag、CuおよびNiからなる群より選ばれた一種以上の金属を5.0重量%以下含有することを特徴とする、請求項1記載の誘電体磁器組成物。
- CuO、V2O5およびWO3からなる群より選ばれた一種以上の成分を5.0重量%以下含有することを特徴とする、請求項1または2記載の誘電体磁器組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の誘電体磁器組成物によって少なくとも一部が構成されていることを特徴とする、電子部品。
- バルク型誘電体フィルターであることを特徴とする、請求項4記載の電子部品。
- 組成式 x・BaO−y・TiO2−[z1・Nd2O3−z2・La2O3−z3・Sm2O3]−t・Bi2O3によって表される誘電体磁器組成物であって、下式を満足することを特徴とする、誘電体磁器組成物。
0.171≦x≦0.260
0.584≦y≦0.746
0.010≦z1≦0.120
0.000≦z2≦0.120
0.000≦z3≦0.120
0.001≦z1+z2+z3≦0.120
0.065≦t≦0.072
x+y+z1+z2+z3+t=1.000
0.35≦t/(z1+z2+z3+t) - Ag、CuおよびNiからなる群より選ばれた一種以上の金属を5.0重量%以下含有することを特徴とする、請求項6記載の誘電体磁器組成物。
- CuO、V2O5およびWO3からなる群より選ばれた一種以上の成分を5.0重量%以下含有することを特徴とする、請求項6または7記載の誘電体磁器組成物。
- 請求項6〜8のいずれか一つの請求項に記載の誘電体磁器組成物によって少なくとも一部が構成されていることを特徴とする、電子部品。
- バルク型誘電体フィルターであることを特徴とする、請求項9記載の電子部品。
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CN108821768A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-11-16 | 广东国华新材料科技股份有限公司 | 一种微波介质陶瓷材料及其制备方法 |
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2003
- 2003-12-17 JP JP2003419981A patent/JP2004284940A/ja active Pending
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CN108821768A (zh) * | 2018-08-02 | 2018-11-16 | 广东国华新材料科技股份有限公司 | 一种微波介质陶瓷材料及其制备方法 |
CN108821768B (zh) * | 2018-08-02 | 2021-04-16 | 广东国华新材料科技股份有限公司 | 一种微波介质陶瓷材料及其制备方法 |
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