JP2004284737A - 懸垂クレーンの振れ止め制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する作業状況においても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できるようにする。
【解決手段】2段階加速による加速時は、先ず移動開始点Aでの第1吊下げ長さL1が変化しないままでの2段目の加速cを行う第1加速タイミング時間tL1を演算し、続いて、第1加速タイミング時間tL1の時の第2吊下げ長さL2を演算してその第2吊下げ長さL2による2段目の加速cを行う第2加速タイミング時間tL2を演算し、第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速cを開始するようにし、2段階減速による減速時も、上記と同様にして求めた第1減速タイミング時間と、第2減速タイミング時間の和の半分の実減速タイミング時間で2段階減速の2段目の減速を開始する。
【選択図】 図3
【解決手段】2段階加速による加速時は、先ず移動開始点Aでの第1吊下げ長さL1が変化しないままでの2段目の加速cを行う第1加速タイミング時間tL1を演算し、続いて、第1加速タイミング時間tL1の時の第2吊下げ長さL2を演算してその第2吊下げ長さL2による2段目の加速cを行う第2加速タイミング時間tL2を演算し、第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速cを開始するようにし、2段階減速による減速時も、上記と同様にして求めた第1減速タイミング時間と、第2減速タイミング時間の和の半分の実減速タイミング時間で2段階減速の2段目の減速を開始する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する作業状況においても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できるようにした懸垂クレーンの振れ止め制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のクレーンの振れ止め制御方法には、パターン発生装置により、吊荷の巻上げ、巻下げに関する吊索による吊荷の吊下げ長さの平均値を求め、求めた平均値に基づいて前記吊荷の振れ周期を求め、求めた吊荷の振れ周期に関連してクレーンの加減速度パターンを求めて、走行制御装置が、求めた加減速度パターンに従ってクレーンの走行速度を制御するようにしたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平05−270786号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特許文献1では、吊荷の巻上げ、巻下げに関する吊下げ長さの平均値を、経時的に変化する吊下げ長さの代表値とみなして吊荷の振れ周期を求めるので振れ周期の演算が簡単に行えるとしているが、このように単に吊下げ長さの平均値を経時的に変化する吊下げ長さの代表値とする方式では、吊揚げ時と吊降ろし時の吊荷の高さ(吊下げ長さ)が同一の場合ではある程度の振れ止め効果が期待できるが、吊揚げ時と吊降ろし時の吊荷の吊下げ長さが大きく変化するような作業状況で使用される懸垂クレーンでは良好な振れ止め効果は期待できない。
【0005】
更に、例えばごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン等の懸垂クレーンでは、ごみ運搬車からごみピット内に投入されて山になったごみを所定の場所に運搬してごみの山の高さを均一にし、またごみの質を均一にするためのばらまき作業等を行っているが、このとき、バケットを最短距離で移動させて作業能率を向上させるためには、上記した運搬作業によって刻々変化するごみの高さに応じてバケットの吊下げ長さを常時変化させる必要がある。
【0006】
このように作業状況に応じて吊下げ長さが常時変化する懸垂クレーンに前記特許文献1に記載のものを適用しようとした場合には、膨大な数の巻上げ、巻下げパターンと加減速度パターンとを予め設定しておく必要があると共に、各巻上げ、巻下げパターンごとに吊下げ長さの平均値を求めておく必要があり、実際上、実機に適用することは困難である。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなしたもので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する作業状況においても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できるようにした懸垂クレーンの振れ止め制御方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、設定された巻出し速度と巻き込み速度で吊荷の吊下げ長さを調節しつつ懸垂クレーンを移動開始点から設定移動速度まで加速する加速時は2段階加速を行い、設定移動速度で移動する懸垂クレーンを減速開始点から減速して停止点に停止させる減速時は2段階減速を行うことにより吊荷の振れを防止する懸垂クレーンの振れ止め制御方法であって、
吊荷の吊下げ長さを計測すると共に懸垂クレーンの移動位置を計測し、
加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、
減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始することを特徴とする懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速での移動を行うようにしていることを特徴とする請求項1に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることを特徴とする請求項1または2に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0011】
本発明によれば、以下のように作用する。
【0012】
請求項1に記載の発明では、加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始するようにしたので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する懸垂クレーンにおいても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速を行うようにしたクレーンであることにより、吊荷の振れ止めを効果的に行いながら吊荷の運搬作業の作業能率を大幅に高められる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることにより、バケットの振れ止めを効果的に行ってごみの運搬作業の作業能率を大幅に高められる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンの一例を示す側面図である。図中1はトロリ1Aを備えた懸垂クレーンであり、該クレーン1は、トロリ1Aに備えたウインチ2から垂下した吊索3により吊荷4を吊り下げ、トロリ1Aに設けた駆動装置5にて駆動される車輪6によりレール7上を図中に矢印で示すように左右方向に設定移動速度Vで水平移動するようにしている。トロリ1Aが設定移動速度Vになるように移動を開始すると、吊荷4は慣性によってトロリ1Aの移動方向後方Rに振れ角θで振れを生じる。また、設定移動速度Vで移動しているトロリ1Aを減速して停止させる際には、吊荷4は慣性によってトロリ1Aの移動方向前方Fに振れ角θで振れを生じる。
【0017】
上記したクレーン1から吊下げた吊荷4の振れは単振り子モデルとして下記式(1)の如く表される。
【0018】
【数1】
T=2π√(L/g)・・・(1)
T:振れ周期
L:吊下げ長さ
g:重力加速度
【0019】
従来から行われている2段階加速法及び2段階減速法は、前記したクレーン1による吊荷4の移動時に生じる振れを単振り子モデル化し、吊荷4の振れがもつ周期性を利用して振れ止めを行うというものである。
【0020】
即ち、図2に示すように、クレーン1の加速時には、移動開始点Aから所定の加速度で所定時間だけ1段目の加速aを行った後、所定の時間等速移動bを行い、このとき吊荷4は吊下げ長さLに応じた周期Tで振れを生じるので、移動開始点Aから吊荷4の振れの周期Tの1/2の時間が経過した時を2段目の加速点Bとして前記1段目の加速aと同じ加速度で同じ時間2段目の加速cを行うことにより、吊荷4の振れを相殺して防止した後設定移動速度Vでの移動に移行させるものである。また、クレーン1の減速時には、所定の設定移動速度Vで移動しているクレーン1を減速開始点Cから所定の減速度で1段目の減速dを行った後、所定の時間等速移動eを行い、このとき吊荷4は吊下げ長さLに応じた周期Tで振れを生じるので、減速開始点Cからこの吊荷の振れの周期Tの1/2の時間が経過した時を2段目の減速点Dとして前記1段目の減速dと同じ減速度で同じ時間2段目の減速fを行うことにより、吊荷4の振れを相殺して吊荷4を停止点Eに停止させるものである。
【0021】
上記2段階加速法及び2段階減速法を実施するには、上記したように吊荷4の振れの周期Tを知る必要があり、更に、この吊荷4の振れの周期Tを知るためには吊荷4の吊下げ長さLを知る必要がある。
【0022】
このため、図1のクレーン1では、ウインチ2に吊索3の巻出し長さを検出するロータリエンコーダ等による吊下げ長さ計測装置8を設置して、例えばウインチ2の吊点2aと吊荷4の重点4aとの間の吊下げ長さLを計測するようにして、計測した吊下げ長さLの信号9を制御装置10に入力している。このとき、前記吊下げ長さ計測装置8の計測値と実際の吊下げ長さLの関係を予め測定しておくことにより正確な吊下げ長さLを計測することができる。
【0023】
制御装置10は、前記吊下げ長さLに基づいて前記式(1)から振れ周期Tを演算するようにしている。また、前記吊下げ長さLを計測する計測装置としては図示例以外の他の方式を用いてもよい。
【0024】
更に、クレーン1の車輪6を駆動する駆動装置5にはロータリエンコーダ等によるクレーン1の移動位置計測装置11が設置してあり、該移動位置計測装置11で計測したクレーン1の移動位置の信号12が前記制御装置10に入力されている。この場合も前記移動位置を計測する計測装置としては図示例以外の他の方式を用いてもよい。
【0025】
更に、制御装置10には、クレーン1を高速の一定速度で移動させる設定移動速度Vと、図2に示した1段目の加速aと2段目の加速cの同一の加速度αと、1段目の減速dと2段目の減速fの同一の減速度βが入力されていると共に、吊索3を巻揚げ、巻降ろす一定速度の巻揚げ、巻降ろし速度Lsが入力されている。
【0026】
そして制御装置10は、巻揚げ、巻降ろし速度Lsによる制御信号13bをウインチ2に出力して吊下げ長さLを変化する制御を行い、同時に、変化する吊下げ長さLから吊荷4の周期Tを演算し、その周期Tに基づいて、2段階加速時の2段目の加速cを行う実加速タイミング時間と、2段階減速時の2段目の減速fを行う実減速タイミング時間とを演算して、その制御信号13aを駆動装置5に出力してクレーン1の移動を制御する。
【0027】
図1のクレーン1では運転の作業能率を高めるために、吊荷4の運搬と同時に吊荷4の吊下げ長さLを一定速度で変化させる制御を同時に行っているので、吊下げ長さ計測装置8により計測する吊下げ長さLと、移動位置計測装置11によるクレーン1の移動位置から、次のようにして2段階加速時における2段目の加速の実加速タイミング時間と、2段階減速時における2段目の減速の実減速タイミング時間とを演算してクレーン1の移動制御を行っている。
【0028】
即ち、前記2段階加速を行う加速時には、図3に示すように、先ず移動開始点Aでの吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL1であるとき、この第1吊下げ長さL1を一定のままで実線矢印で示すように2段階加速を行う場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の加速cを行う加速点B1の、前記移動開始点Aからの最適な第1加速タイミング時間tL1を演算する。一方、移動開始点Aでの吊下げ長さL1は、実際には2段階加速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の加速点B1における第2吊下げ長さL2を演算し、該第2吊下げ長さL2の場合における2段目の加速点B2の、前記移動開始点Aからの最適な第2加速タイミング時間tL2を演算する。
【0029】
そして、図4に示すように、前記第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間t1を演算して、この実加速タイミング時間t1による実移動開始点B’で2段階加速の2段目の加速cを開始させる。
【0030】
また、2段階減速を行う減速時には、図5に示すように、設定移動速度Vで移動しているクレーン1が減速開始点Cに来たときに吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL3であるとき、この第3吊下げ長さL3を一定のままで実線矢印で示すように2段階減速させる場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の減速fを行う減速点D1の、前記減速開始点Cからの好適な第1減速タイミング時間tL3を演算する。一方、減速開始点Cでの吊下げ長さL3は、実際には2段階減速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の減速点D1における第4吊下げ長さL4を演算し、該第4吊下げ長さL4の場合における2段目の減速点D2の、前記減速開始点Cからの好適な第2減速タイミング時間tL4を演算する。
【0031】
そして、図6に示すように、前記第1減速タイミング時間tL3と第2減速タイミング時間tL4の和の半分の実減速タイミング時間t2を演算する。
【0032】
次に、前記実減速タイミング時間t2に基づいて停止点Eから逆算して減速開始点Cを求め、移動位置計測装置11の検出によるクレーン1の移動位置が減速開始点Cに来たときに2段階減速の1段目の減速dを開始し、更に、実減速タイミング時間t2が経過したときに2段階減速の2段目の減速fを開始させる。
【0033】
以下に上記形態例の作用を説明する。
【0034】
図1に示すように、制御装置10には、設定移動速度V、2段階加速の加速度α、2段階減速の減速度β、一定速度の吊荷の巻揚げ、巻降ろし速度Ls、吊下げ長さ計測装置8からの信号9、移動位置計測装置11からの信号13aが入力されており、制御装置10は、クレーン1の移動と同時に吊荷4の吊下げ長さLを変化させて作業能率を高めるようにしており、同時に、変化する吊下げ長さLから演算した吊荷4の周期Tに基づいて、2段階加速時の2段目の加速cを行う実加速タイミング時間と、2段階減速時の2段目の減速fを行う実減速タイミング時間とを演算して、その制御信号13aによる2段階加速と2段階減速とを行うことによって吊荷4の振れを防止している。
【0035】
前記2段階加速を行う加速時には、図3に示すように、先ず移動開始点Aでの吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL1であるとき、この第1吊下げ長さL1を一定のままで実線矢印で示すように2段階加速を行う場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の加速cを行う加速点B1の、前記移動開始点Aからの最適な第1加速タイミング時間tL1を演算する。一方、移動開始点Aでの吊下げ長さL1は、実際には2段階加速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の加速点B1における第2吊下げ長さL2を演算し、該第2吊下げ長さL2の場合における2段目の加速点B2の、前記移動開始点Aからの最適な第2加速タイミング時間tL2を演算する。
【0036】
そして、図4に示すように、前記第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間t1を演算して、この実加速タイミング時間t1による実移動開始点B’で2段階加速の2段目の加速cを開始させる。
【0037】
上記したように2段階加速時に吊荷4の吊下げ長さLが変化する場合に、変化しない場合のときの第1加速タイミング時間tL1と、吊下げ長さLが変化したときの第2加速タイミング時間tL2との和の半分の実加速タイミング時間t1によって2段階加速の2段目の加速cを開始すると、吊荷4の振れを防止した状態でクレーン1を設定移動速度Vに移行させることができる。
【0038】
また、2段階減速を行う減速時には、図5に示すように、設定移動速度Vで移動しているクレーン1が減速開始点Cに来たときに吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL3であるとき、この第3吊下げ長さL3を一定のままで実線矢印で示すように2段階減速させる場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の減速fを行う減速点D1の、前記減速開始点Cからの好適な第1減速タイミング時間tL3を演算する。一方、減速開始点Cでの吊下げ長さL3は、実際には2段階減速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の減速点D1における第4吊下げ長さL4を演算し、該第4吊下げ長さL4の場合における2段目の減速点D2の、前記減速開始点Cからの好適な第2減速タイミング時間tL4を演算する。
【0039】
更に、図6に示すように、前記第1減速タイミング時間tL3と第2減速タイミング時間tL4の和の半分の実減速タイミング時間t2を演算する。
【0040】
そして、前記実減速タイミング時間t2に基づいて停止点Eから逆算して減速開始点Cを求め、移動位置計測装置11の検出によるクレーン1の移動位置が減速開始点Cに来たときに2段階減速の1段目の減速dを開始する。更に、実減速タイミング時間t2が経過したときに2段階減速の2段目の減速fを開始する。これにより、吊荷4の振れを防止してクレーン1を停止点Eに精度良く停止させることができる。
【0041】
本発明者等は、移動開始点Aでの吊下げ長さLを種々変化させて一定の設定移動速度Vまで2段階加速させた場合の好適な2段目の加速タイミング時間を実測する試験を実施した。表1にその実測値と、計算値と、適用値を示した。
【0042】
【表1】
【0043】
図7には実測値と計算値をグラフで示した。図7では吊下げ長さLを複数の点で大まかに変化させた場合について示しているが、線形補完またはファジイ演算を用いることによって連続して変化する吊下げ長さLに対する2段目の加速タイミング時間を求めることができる。更に、上記図7では2段階加速における2段目の加速タイミング時間について示したが、2段階減速する場合における2段目の減速タイミング時間についても全く同様にして求めることができる。
【0044】
図1では、左右方向の一方向のみに移動するクレーン1の場合の懸垂クレーンについて例示したが、図8、図9はごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14による懸垂クレーンの場合を示しており、バケットクレーン14に備えたバケット15によってごみの運搬を行うようにしている。
【0045】
ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14では、図9に示すごみピットPの上部に、走行駆動装置16によって図8の紙面を突き抜ける方向のレール17に沿って平面前後方向Yに走行するガーダ18を備え、該ガーダ18のレール7上に横行駆動装置5aによって平面左右方向Xに横行するトロリ14Aを備えている。そして、前記トロリ14Aの横行駆動装置5aにはロータリエンコーダ等によるクレーンの横行位置計測装置11aが設置してあり、該横行位置計測装置11aで計測したトロリ14Aの横行位置の信号12aが前記制御装置10に入力されている。また、前記ガーダ18の走行を駆動する走行駆動装置16にはロータリエンコーダ等によるクレーンの走行位置計測装置11bが設置してあり、該走行位置計測装置11bで計測したガーダ18の走行位置の信号12bが前記制御装置10に入力されている。
【0046】
上記図8、図9の形態では、横行駆動装置5aによる平面左右方向Xの移動と、走行駆動装置16による平面前後方向Yの移動とを同時に行うことによって、吊荷であるバケット15は左右と前後に合成された方向に設定移動速度Vで移動される。従ってこの場合には、図9の平面の作業範囲においてバケット15を図2の移動開始点Aから停止点Eまでを直線的に移動させて作業能率を高めることができる。更に、この場合は、設定移動速度Vは左右方向Xの移動速度と前後方向Yの移動速度の合成速度であるので、2段階加速時における1段目の加速a及び2段目の加速cと、2段階減速時における1段目の減速dと2段目の減速fも、前記設定移動速度Vでの横行駆動装置5aによる左右方向Xの駆動速度と走行駆動装置16による前後方向Yの駆動速度の比と同一の移動速度比になるように制御する。
【0047】
このようにすると、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14或いはその他の左右方向Xと前後方向Yの2方向移動を同時に行う種々の懸垂クレーンにおいても、簡単な制御により容易に振れ止めを行い、且つ最短距離での移動によって作業能率を大幅に高めることができる。
【0048】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始するようにしたので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する懸垂クレーンにおいても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できる効果がある。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速を行うようにしたクレーンであることにより、吊荷の振れ止めを効果的に行いながら吊荷の運搬作業の作業能率を大幅に高められる効果がある。
【0051】
請求項3に記載の発明によれば、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることにより、バケットの振れ止めを効果的に行ってごみの運搬作業の作業能率を大幅に高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンの一例を示す側面図である。
【図2】2段階加速法及び2段階減速法による振れ止め方法の原理を説明するための線図である。
【図3】2段階加速時における第1吊下げ長さL1での第1加速タイミング時間tL1と、第2吊下げ長さL2での第2加速タイミング時間tL2を演算する方法を示す線図である。
【図4】図3の第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2から実加速タイミング時間t1を求める方法を示す線図である。
【図5】2段階減速における第3吊下げ長さL3での第1減速タイミング時間tL3と、第4吊下げ長さL4での第2減速タイミング時間tL4を演算する方法を示す線図である。
【図6】図5の第1減速タイミング時間tL3と、第2減速タイミング時間tL4から実減速タイミング時間t2を演算す方法を示す線図である。
【図7】吊下げ長さを種々変化させて一定の設定移動速度まで2段階加速させる試験を実施した際の好適な2段目の加速タイミング時間の実測値と、計算値とを示したグラフである。
【図8】本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンがバケットクレーンである場合の一例を示す側面図である。
【図9】図8のバケットクレーンの平面図である。
【符号の説明】
1 懸垂クレーン(クレーン)
4 吊荷
8 吊下げ長さ計測装置
10 制御装置
11 移動位置計測装置
12 信号
14 バケットクレーン
15 バケット
A 移動開始点
B 2段目の加速点
B1 2段目の加速点
B2 2段目の加速点
B’ 実移動開始点
C 減速開始点
D 2段目の減速点
D1 2段目の減速点
D2 2段目の減速点
E 停止点
L 吊下げ長さ
L1 第1吊下げ長さ
L2 第2吊下げ長さ
L3 第3吊下げ長さ
L4 第4吊下げ長さ
Ls 巻揚げ、巻降ろし速度
T 周期
V 設定移動速度
X 平面左右方向
Y 平面前後方向
c 2段目の加速
f 2段目の減速
tL1 第1加速タイミング時間
tL2 第2加速タイミング時間
tL3 第1減速タイミング時間
tL4 第2減速タイミング時間
t1 実加速タイミング時間
t2 実減速タイミング時間
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する作業状況においても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できるようにした懸垂クレーンの振れ止め制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のクレーンの振れ止め制御方法には、パターン発生装置により、吊荷の巻上げ、巻下げに関する吊索による吊荷の吊下げ長さの平均値を求め、求めた平均値に基づいて前記吊荷の振れ周期を求め、求めた吊荷の振れ周期に関連してクレーンの加減速度パターンを求めて、走行制御装置が、求めた加減速度パターンに従ってクレーンの走行速度を制御するようにしたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平05−270786号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した特許文献1では、吊荷の巻上げ、巻下げに関する吊下げ長さの平均値を、経時的に変化する吊下げ長さの代表値とみなして吊荷の振れ周期を求めるので振れ周期の演算が簡単に行えるとしているが、このように単に吊下げ長さの平均値を経時的に変化する吊下げ長さの代表値とする方式では、吊揚げ時と吊降ろし時の吊荷の高さ(吊下げ長さ)が同一の場合ではある程度の振れ止め効果が期待できるが、吊揚げ時と吊降ろし時の吊荷の吊下げ長さが大きく変化するような作業状況で使用される懸垂クレーンでは良好な振れ止め効果は期待できない。
【0005】
更に、例えばごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン等の懸垂クレーンでは、ごみ運搬車からごみピット内に投入されて山になったごみを所定の場所に運搬してごみの山の高さを均一にし、またごみの質を均一にするためのばらまき作業等を行っているが、このとき、バケットを最短距離で移動させて作業能率を向上させるためには、上記した運搬作業によって刻々変化するごみの高さに応じてバケットの吊下げ長さを常時変化させる必要がある。
【0006】
このように作業状況に応じて吊下げ長さが常時変化する懸垂クレーンに前記特許文献1に記載のものを適用しようとした場合には、膨大な数の巻上げ、巻下げパターンと加減速度パターンとを予め設定しておく必要があると共に、各巻上げ、巻下げパターンごとに吊下げ長さの平均値を求めておく必要があり、実際上、実機に適用することは困難である。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなしたもので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する作業状況においても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できるようにした懸垂クレーンの振れ止め制御方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、設定された巻出し速度と巻き込み速度で吊荷の吊下げ長さを調節しつつ懸垂クレーンを移動開始点から設定移動速度まで加速する加速時は2段階加速を行い、設定移動速度で移動する懸垂クレーンを減速開始点から減速して停止点に停止させる減速時は2段階減速を行うことにより吊荷の振れを防止する懸垂クレーンの振れ止め制御方法であって、
吊荷の吊下げ長さを計測すると共に懸垂クレーンの移動位置を計測し、
加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、
減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始することを特徴とする懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速での移動を行うようにしていることを特徴とする請求項1に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることを特徴とする請求項1または2に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法、に係るものである。
【0011】
本発明によれば、以下のように作用する。
【0012】
請求項1に記載の発明では、加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始するようにしたので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する懸垂クレーンにおいても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できる。
【0013】
請求項2に記載の発明では、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速を行うようにしたクレーンであることにより、吊荷の振れ止めを効果的に行いながら吊荷の運搬作業の作業能率を大幅に高められる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることにより、バケットの振れ止めを効果的に行ってごみの運搬作業の作業能率を大幅に高められる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンの一例を示す側面図である。図中1はトロリ1Aを備えた懸垂クレーンであり、該クレーン1は、トロリ1Aに備えたウインチ2から垂下した吊索3により吊荷4を吊り下げ、トロリ1Aに設けた駆動装置5にて駆動される車輪6によりレール7上を図中に矢印で示すように左右方向に設定移動速度Vで水平移動するようにしている。トロリ1Aが設定移動速度Vになるように移動を開始すると、吊荷4は慣性によってトロリ1Aの移動方向後方Rに振れ角θで振れを生じる。また、設定移動速度Vで移動しているトロリ1Aを減速して停止させる際には、吊荷4は慣性によってトロリ1Aの移動方向前方Fに振れ角θで振れを生じる。
【0017】
上記したクレーン1から吊下げた吊荷4の振れは単振り子モデルとして下記式(1)の如く表される。
【0018】
【数1】
T=2π√(L/g)・・・(1)
T:振れ周期
L:吊下げ長さ
g:重力加速度
【0019】
従来から行われている2段階加速法及び2段階減速法は、前記したクレーン1による吊荷4の移動時に生じる振れを単振り子モデル化し、吊荷4の振れがもつ周期性を利用して振れ止めを行うというものである。
【0020】
即ち、図2に示すように、クレーン1の加速時には、移動開始点Aから所定の加速度で所定時間だけ1段目の加速aを行った後、所定の時間等速移動bを行い、このとき吊荷4は吊下げ長さLに応じた周期Tで振れを生じるので、移動開始点Aから吊荷4の振れの周期Tの1/2の時間が経過した時を2段目の加速点Bとして前記1段目の加速aと同じ加速度で同じ時間2段目の加速cを行うことにより、吊荷4の振れを相殺して防止した後設定移動速度Vでの移動に移行させるものである。また、クレーン1の減速時には、所定の設定移動速度Vで移動しているクレーン1を減速開始点Cから所定の減速度で1段目の減速dを行った後、所定の時間等速移動eを行い、このとき吊荷4は吊下げ長さLに応じた周期Tで振れを生じるので、減速開始点Cからこの吊荷の振れの周期Tの1/2の時間が経過した時を2段目の減速点Dとして前記1段目の減速dと同じ減速度で同じ時間2段目の減速fを行うことにより、吊荷4の振れを相殺して吊荷4を停止点Eに停止させるものである。
【0021】
上記2段階加速法及び2段階減速法を実施するには、上記したように吊荷4の振れの周期Tを知る必要があり、更に、この吊荷4の振れの周期Tを知るためには吊荷4の吊下げ長さLを知る必要がある。
【0022】
このため、図1のクレーン1では、ウインチ2に吊索3の巻出し長さを検出するロータリエンコーダ等による吊下げ長さ計測装置8を設置して、例えばウインチ2の吊点2aと吊荷4の重点4aとの間の吊下げ長さLを計測するようにして、計測した吊下げ長さLの信号9を制御装置10に入力している。このとき、前記吊下げ長さ計測装置8の計測値と実際の吊下げ長さLの関係を予め測定しておくことにより正確な吊下げ長さLを計測することができる。
【0023】
制御装置10は、前記吊下げ長さLに基づいて前記式(1)から振れ周期Tを演算するようにしている。また、前記吊下げ長さLを計測する計測装置としては図示例以外の他の方式を用いてもよい。
【0024】
更に、クレーン1の車輪6を駆動する駆動装置5にはロータリエンコーダ等によるクレーン1の移動位置計測装置11が設置してあり、該移動位置計測装置11で計測したクレーン1の移動位置の信号12が前記制御装置10に入力されている。この場合も前記移動位置を計測する計測装置としては図示例以外の他の方式を用いてもよい。
【0025】
更に、制御装置10には、クレーン1を高速の一定速度で移動させる設定移動速度Vと、図2に示した1段目の加速aと2段目の加速cの同一の加速度αと、1段目の減速dと2段目の減速fの同一の減速度βが入力されていると共に、吊索3を巻揚げ、巻降ろす一定速度の巻揚げ、巻降ろし速度Lsが入力されている。
【0026】
そして制御装置10は、巻揚げ、巻降ろし速度Lsによる制御信号13bをウインチ2に出力して吊下げ長さLを変化する制御を行い、同時に、変化する吊下げ長さLから吊荷4の周期Tを演算し、その周期Tに基づいて、2段階加速時の2段目の加速cを行う実加速タイミング時間と、2段階減速時の2段目の減速fを行う実減速タイミング時間とを演算して、その制御信号13aを駆動装置5に出力してクレーン1の移動を制御する。
【0027】
図1のクレーン1では運転の作業能率を高めるために、吊荷4の運搬と同時に吊荷4の吊下げ長さLを一定速度で変化させる制御を同時に行っているので、吊下げ長さ計測装置8により計測する吊下げ長さLと、移動位置計測装置11によるクレーン1の移動位置から、次のようにして2段階加速時における2段目の加速の実加速タイミング時間と、2段階減速時における2段目の減速の実減速タイミング時間とを演算してクレーン1の移動制御を行っている。
【0028】
即ち、前記2段階加速を行う加速時には、図3に示すように、先ず移動開始点Aでの吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL1であるとき、この第1吊下げ長さL1を一定のままで実線矢印で示すように2段階加速を行う場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の加速cを行う加速点B1の、前記移動開始点Aからの最適な第1加速タイミング時間tL1を演算する。一方、移動開始点Aでの吊下げ長さL1は、実際には2段階加速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の加速点B1における第2吊下げ長さL2を演算し、該第2吊下げ長さL2の場合における2段目の加速点B2の、前記移動開始点Aからの最適な第2加速タイミング時間tL2を演算する。
【0029】
そして、図4に示すように、前記第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間t1を演算して、この実加速タイミング時間t1による実移動開始点B’で2段階加速の2段目の加速cを開始させる。
【0030】
また、2段階減速を行う減速時には、図5に示すように、設定移動速度Vで移動しているクレーン1が減速開始点Cに来たときに吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL3であるとき、この第3吊下げ長さL3を一定のままで実線矢印で示すように2段階減速させる場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の減速fを行う減速点D1の、前記減速開始点Cからの好適な第1減速タイミング時間tL3を演算する。一方、減速開始点Cでの吊下げ長さL3は、実際には2段階減速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の減速点D1における第4吊下げ長さL4を演算し、該第4吊下げ長さL4の場合における2段目の減速点D2の、前記減速開始点Cからの好適な第2減速タイミング時間tL4を演算する。
【0031】
そして、図6に示すように、前記第1減速タイミング時間tL3と第2減速タイミング時間tL4の和の半分の実減速タイミング時間t2を演算する。
【0032】
次に、前記実減速タイミング時間t2に基づいて停止点Eから逆算して減速開始点Cを求め、移動位置計測装置11の検出によるクレーン1の移動位置が減速開始点Cに来たときに2段階減速の1段目の減速dを開始し、更に、実減速タイミング時間t2が経過したときに2段階減速の2段目の減速fを開始させる。
【0033】
以下に上記形態例の作用を説明する。
【0034】
図1に示すように、制御装置10には、設定移動速度V、2段階加速の加速度α、2段階減速の減速度β、一定速度の吊荷の巻揚げ、巻降ろし速度Ls、吊下げ長さ計測装置8からの信号9、移動位置計測装置11からの信号13aが入力されており、制御装置10は、クレーン1の移動と同時に吊荷4の吊下げ長さLを変化させて作業能率を高めるようにしており、同時に、変化する吊下げ長さLから演算した吊荷4の周期Tに基づいて、2段階加速時の2段目の加速cを行う実加速タイミング時間と、2段階減速時の2段目の減速fを行う実減速タイミング時間とを演算して、その制御信号13aによる2段階加速と2段階減速とを行うことによって吊荷4の振れを防止している。
【0035】
前記2段階加速を行う加速時には、図3に示すように、先ず移動開始点Aでの吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL1であるとき、この第1吊下げ長さL1を一定のままで実線矢印で示すように2段階加速を行う場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の加速cを行う加速点B1の、前記移動開始点Aからの最適な第1加速タイミング時間tL1を演算する。一方、移動開始点Aでの吊下げ長さL1は、実際には2段階加速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の加速点B1における第2吊下げ長さL2を演算し、該第2吊下げ長さL2の場合における2段目の加速点B2の、前記移動開始点Aからの最適な第2加速タイミング時間tL2を演算する。
【0036】
そして、図4に示すように、前記第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2の和の半分の実加速タイミング時間t1を演算して、この実加速タイミング時間t1による実移動開始点B’で2段階加速の2段目の加速cを開始させる。
【0037】
上記したように2段階加速時に吊荷4の吊下げ長さLが変化する場合に、変化しない場合のときの第1加速タイミング時間tL1と、吊下げ長さLが変化したときの第2加速タイミング時間tL2との和の半分の実加速タイミング時間t1によって2段階加速の2段目の加速cを開始すると、吊荷4の振れを防止した状態でクレーン1を設定移動速度Vに移行させることができる。
【0038】
また、2段階減速を行う減速時には、図5に示すように、設定移動速度Vで移動しているクレーン1が減速開始点Cに来たときに吊下げ長さ計測装置8により計測した長さがL3であるとき、この第3吊下げ長さL3を一定のままで実線矢印で示すように2段階減速させる場合に、吊荷4の周期Tの1/2の時間経過時に2段目の減速fを行う減速点D1の、前記減速開始点Cからの好適な第1減速タイミング時間tL3を演算する。一方、減速開始点Cでの吊下げ長さL3は、実際には2段階減速の開始と共に破線矢印で示すように一定速度での吊降ろしを行うことによって変化しているので、前記2段目の減速点D1における第4吊下げ長さL4を演算し、該第4吊下げ長さL4の場合における2段目の減速点D2の、前記減速開始点Cからの好適な第2減速タイミング時間tL4を演算する。
【0039】
更に、図6に示すように、前記第1減速タイミング時間tL3と第2減速タイミング時間tL4の和の半分の実減速タイミング時間t2を演算する。
【0040】
そして、前記実減速タイミング時間t2に基づいて停止点Eから逆算して減速開始点Cを求め、移動位置計測装置11の検出によるクレーン1の移動位置が減速開始点Cに来たときに2段階減速の1段目の減速dを開始する。更に、実減速タイミング時間t2が経過したときに2段階減速の2段目の減速fを開始する。これにより、吊荷4の振れを防止してクレーン1を停止点Eに精度良く停止させることができる。
【0041】
本発明者等は、移動開始点Aでの吊下げ長さLを種々変化させて一定の設定移動速度Vまで2段階加速させた場合の好適な2段目の加速タイミング時間を実測する試験を実施した。表1にその実測値と、計算値と、適用値を示した。
【0042】
【表1】
【0043】
図7には実測値と計算値をグラフで示した。図7では吊下げ長さLを複数の点で大まかに変化させた場合について示しているが、線形補完またはファジイ演算を用いることによって連続して変化する吊下げ長さLに対する2段目の加速タイミング時間を求めることができる。更に、上記図7では2段階加速における2段目の加速タイミング時間について示したが、2段階減速する場合における2段目の減速タイミング時間についても全く同様にして求めることができる。
【0044】
図1では、左右方向の一方向のみに移動するクレーン1の場合の懸垂クレーンについて例示したが、図8、図9はごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14による懸垂クレーンの場合を示しており、バケットクレーン14に備えたバケット15によってごみの運搬を行うようにしている。
【0045】
ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14では、図9に示すごみピットPの上部に、走行駆動装置16によって図8の紙面を突き抜ける方向のレール17に沿って平面前後方向Yに走行するガーダ18を備え、該ガーダ18のレール7上に横行駆動装置5aによって平面左右方向Xに横行するトロリ14Aを備えている。そして、前記トロリ14Aの横行駆動装置5aにはロータリエンコーダ等によるクレーンの横行位置計測装置11aが設置してあり、該横行位置計測装置11aで計測したトロリ14Aの横行位置の信号12aが前記制御装置10に入力されている。また、前記ガーダ18の走行を駆動する走行駆動装置16にはロータリエンコーダ等によるクレーンの走行位置計測装置11bが設置してあり、該走行位置計測装置11bで計測したガーダ18の走行位置の信号12bが前記制御装置10に入力されている。
【0046】
上記図8、図9の形態では、横行駆動装置5aによる平面左右方向Xの移動と、走行駆動装置16による平面前後方向Yの移動とを同時に行うことによって、吊荷であるバケット15は左右と前後に合成された方向に設定移動速度Vで移動される。従ってこの場合には、図9の平面の作業範囲においてバケット15を図2の移動開始点Aから停止点Eまでを直線的に移動させて作業能率を高めることができる。更に、この場合は、設定移動速度Vは左右方向Xの移動速度と前後方向Yの移動速度の合成速度であるので、2段階加速時における1段目の加速a及び2段目の加速cと、2段階減速時における1段目の減速dと2段目の減速fも、前記設定移動速度Vでの横行駆動装置5aによる左右方向Xの駆動速度と走行駆動装置16による前後方向Yの駆動速度の比と同一の移動速度比になるように制御する。
【0047】
このようにすると、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーン14或いはその他の左右方向Xと前後方向Yの2方向移動を同時に行う種々の懸垂クレーンにおいても、簡単な制御により容易に振れ止めを行い、且つ最短距離での移動によって作業能率を大幅に高めることができる。
【0048】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始するようにしたので、吊荷の吊揚げ時と吊降ろし時の吊下げ長さが種々変化する懸垂クレーンにおいても簡略な制御によって吊荷の振れを効果的に防止できる効果がある。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速を行うようにしたクレーンであることにより、吊荷の振れ止めを効果的に行いながら吊荷の運搬作業の作業能率を大幅に高められる効果がある。
【0051】
請求項3に記載の発明によれば、前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることにより、バケットの振れ止めを効果的に行ってごみの運搬作業の作業能率を大幅に高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンの一例を示す側面図である。
【図2】2段階加速法及び2段階減速法による振れ止め方法の原理を説明するための線図である。
【図3】2段階加速時における第1吊下げ長さL1での第1加速タイミング時間tL1と、第2吊下げ長さL2での第2加速タイミング時間tL2を演算する方法を示す線図である。
【図4】図3の第1加速タイミング時間tL1と第2加速タイミング時間tL2から実加速タイミング時間t1を求める方法を示す線図である。
【図5】2段階減速における第3吊下げ長さL3での第1減速タイミング時間tL3と、第4吊下げ長さL4での第2減速タイミング時間tL4を演算する方法を示す線図である。
【図6】図5の第1減速タイミング時間tL3と、第2減速タイミング時間tL4から実減速タイミング時間t2を演算す方法を示す線図である。
【図7】吊下げ長さを種々変化させて一定の設定移動速度まで2段階加速させる試験を実施した際の好適な2段目の加速タイミング時間の実測値と、計算値とを示したグラフである。
【図8】本発明の振れ止め制御方法を適用する懸垂クレーンがバケットクレーンである場合の一例を示す側面図である。
【図9】図8のバケットクレーンの平面図である。
【符号の説明】
1 懸垂クレーン(クレーン)
4 吊荷
8 吊下げ長さ計測装置
10 制御装置
11 移動位置計測装置
12 信号
14 バケットクレーン
15 バケット
A 移動開始点
B 2段目の加速点
B1 2段目の加速点
B2 2段目の加速点
B’ 実移動開始点
C 減速開始点
D 2段目の減速点
D1 2段目の減速点
D2 2段目の減速点
E 停止点
L 吊下げ長さ
L1 第1吊下げ長さ
L2 第2吊下げ長さ
L3 第3吊下げ長さ
L4 第4吊下げ長さ
Ls 巻揚げ、巻降ろし速度
T 周期
V 設定移動速度
X 平面左右方向
Y 平面前後方向
c 2段目の加速
f 2段目の減速
tL1 第1加速タイミング時間
tL2 第2加速タイミング時間
tL3 第1減速タイミング時間
tL4 第2減速タイミング時間
t1 実加速タイミング時間
t2 実減速タイミング時間
Claims (3)
- 設定された巻出し速度と巻き込み速度で吊荷の吊下げ長さを調節しつつ懸垂クレーンを移動開始点から設定移動速度まで加速する加速時は2段階加速を行い、設定移動速度で移動する懸垂クレーンを減速開始点から減速して停止点に停止させる減速時は2段階減速を行うことにより吊荷の振れを防止する懸垂クレーンの振れ止め制御方法であって、
吊荷の吊下げ長さを計測すると共に懸垂クレーンの移動位置を計測し、
加速時は、先ず移動開始点での第1吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第1加速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の加速点での第2吊下げ長さを演算して該第2吊下げ長さによる移動開始点から2段目の加速点までの第2加速タイミング時間を演算し、前記第1加速タイミング時間と第2加速タイミング時間の和の半分の実加速タイミング時間で2段階加速の2段目の加速を開始し、
減速時は、先ず減速開始点での第3吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第1減速タイミング時間を演算し、続いて、前記2段目の減速点での第4吊下げ長さを演算して該第4吊下げ長さによる減速開始点から2段目の減速点までの第2減速タイミング時間を演算し、前記第1減速タイミング時間と第2減速タイミング時間の和の半分を実減速タイミング時間として求め、該実減速タイミング時間に基づいて停止点から逆算して求めた減速開始点にて減速を開始するとともに、実減速タイミング時間に基づいて2段階減速の2段目の減速を開始することを特徴とする懸垂クレーンの振れ止め制御方法。 - 前記懸垂クレーンが、平面左右方向と前後方向の2方向の移動を合成したことによる2段階加速、設定移動速度、2段階減速での移動を行うようにしていることを特徴とする請求項1に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法。
- 前記懸垂クレーンが、ごみ焼却設備に備えられるバケットクレーンであることを特徴とする請求項1または2に記載の懸垂クレーンの振れ止め制御方法。
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- 2003-03-20 JP JP2003078621A patent/JP2004284737A/ja active Pending
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