JP2004284718A - ウエブ加工装置 - Google Patents

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Tomohiro Nakada
知宏 中田
Katsuhiro Sugiyama
勝弘 杉山
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Abstract

【課題】軸径または軸長の異なる種々の巻芯に長尺ウエブを巻き取る際に、装置の構成をより簡素化することによって該装置の製作コストを低減するとともに、装置の位置調整を効率的に行うことを可能にする。
【解決手段】フイルム加工裁断機のフイルム巻き付け装置10は、フイルム原反の送り出し方向に所定距離離間して配設されるとともに、フイルム24b(24d)が交互に振り分けられて巻き取られる第1巻き取り部22aおよび第2巻き取り部22bを有する。第1および第2巻き取り部22a、22bには、巻芯28を回転可能に支持することによってフイルムを巻き取る巻芯回転機構98が備えられ、巻芯回転機構98は、フイルム原反の幅方向に配置されるとともに、フイルム24b(24d)の幅寸法に対応させて手動で位置調整可能な複数対の可動ベース116a、116bを有する。
【選択図】図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエブ原反から裁断される種々の幅寸法を有する複数の長尺ウエブを、種々の軸径および軸長を有する複数の巻芯に巻き取るウエブ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、長尺ウエブ、例えば、長尺フイルムを巻芯に自動的に巻き取る巻き替え機や、幅広のフイルム原反を裁断して所定の幅寸法を有する長尺フイルムを得た後、この長尺フイルムを巻芯に自動的に巻き取る裁断機等の装置が広く知られている。
【0003】
これらの中、本出願人は、種々の巻回体を円滑且つ自動的に製造することを目的としたフイルム加工裁断機を案出している。このフイルム加工裁断機では、裁断装置を介してフイルム原反から種々の幅寸法の異なる長尺フイルムが裁断される一方、所望の軸径や軸長に設定された巻芯が、巻芯供給機構によって巻芯回転機構に供給された後、該巻芯回転機構に保持される。そして、巻き付け機構を介して巻芯の外周面に長尺フイルムが支持された状態で、巻芯回転機構の作用下に前記巻芯が時計方向または反時計方向に回転される。この巻芯の外周面に長尺フイルムが巻き取られた後、切断機構を介して前記長尺フイルムの端部が切断されて巻回体が得られる。この場合、種々の長尺フイルムに対応させて前記各機構を自動的に調整して、種々の巻回体を円滑且つ自動的に製造することを可能にするとともに、複数種類の巻回体を混在して効率的に生産することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−187654号公報(段落[0021]〜[0029])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の特許文献1の発明に関連してなされたものであって、軸径または軸長の異なる種々の巻芯に長尺ウエブを巻き取る際に、装置の構成をより簡素化することによって該装置の製作コストを低減するとともに、前記装置の位置調整を容易に且つ効率的に行うことが可能なウエブ加工装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るウエブ加工装置は、ウエブ原反から裁断される種々の幅寸法を有する複数の長尺ウエブを、種々の軸径および軸長を有する複数の巻芯に巻き取るウエブ加工装置であって、前記ウエブ加工装置は、前記ウエブ原反の送り出し方向に所定距離離間して配設されるとともに、前記長尺ウエブが交互に振り分けられて巻き取られる第1巻き取り部および第2巻き取り部を有し、前記第1および第2巻き取り部には、前記巻芯を回転可能に支持することによって前記長尺ウエブを巻き取る巻芯回転機構が備えられ、前記巻芯回転機構は、前記ウエブ原反の幅方向に配置されるとともに、前記長尺ウエブの幅寸法に対応させて手動で位置調整可能な複数対の可動ベースを有することを特徴とする(請求項1の発明)。
【0007】
本発明に係るウエブ加工装置では、巻芯回転機構に備えられた複数対の可動ベースは、手動操作によって位置調整可能にしている。従って、位置調整を行うための複雑且つ高価な装置を不要としているので、ウエブ加工装置の製作コストを低減することができる。
【0008】
また、前述したウエブ加工装置において、前記可動ベースは、前記第1および第2巻き取り部にそれぞれ振り分けられた前記長尺ウエブに対応させて、稼動位置または待機位置に適宜配置されるとよい(請求項2の発明)。この場合、種々の幅寸法を有する複数の長尺ウエブが、第1巻き取り部と第2巻き取り部に対して交互に振り分けられて巻き取られる。その際、非稼動状態となる可動ベースが、前記各巻き取り部において待機位置に配置された状態で保持される。従って、例えば、長尺ウエブの種類替えの際に、巻芯回転機構の可動ベースを着脱する必要がないので、巻芯回転機構の位置調整の作業を容易に且つ効率的に行うことができる。
【0009】
さらに、前述したウエブ加工装置において、前記巻芯回転機構は前記巻芯を供給する巻芯供給機構を備え、前記巻芯供給機構は、前記巻芯回転機構に対応させて位置調整を行う際に、所定の設定位置に位置決めする挿入部材と、前記設定位置に対応して孔が形成された係合部材と、を有している(請求項3の発明)。この場合、係合部材には、予め位置調整するべき設定位置に対応して孔が形成さているので、巻芯供給機構の位置調整を手動で行う場合でも、容易に且つ正確に位置調整することができる。しかも、位置調整を行うための複雑且つ高価な装置等を不要としているので、ウエブ加工装置の製作コストを低減することが可能となる。その結果、巻芯供給機構の位置調整作業を効率的に行うことができる。
【0010】
また、前述したウエブ加工装置において、前記係合部材には、前記挿入部材が所定の設定位置に係合されたかどうかを検出する検出器が備えられるとよい(請求項4の発明)。これにより、位置調整されるべき巻芯供給機構において、挿入部材が対応する所定の設定位置の孔に係合されたかどうかを確実に検出することが可能となる。その結果、人為的ミス等による装置トラブルの発生を阻止することができる。
【0011】
さらに、前述したウエブ加工装置において、前記挿入部材を係合すべき前記所定の設定位置を、前記係合部材に対して指示する指示手段を有している(請求項5の発明)。これにより、位置調整されるべき巻芯供給機構において、挿入部材が係合される所定の設定位置の孔を確実に認知することが可能となる。その結果、人為的ミス等による装置トラブルの発生を阻止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、フイルム巻き付け装置10が組み込まれる本発明の実施の形態に係るフイルム加工裁断機(ウエブ加工装置)12の概略斜視構成説明図である。このフイルム加工裁断機12では、例えば、PETフイルム、TACフイルム、PENフイルム、あるいは印画紙やカラーペーパー等をベースとしたロール状感光材料(以下、ロール状フイルムという。)14から引き出された長尺状のフイルム原反(ウエブ原反)16を長手方向に沿って所定幅に裁断した後、裁断された複数本のフイルム(長尺ウエブ)、例えば、フイルム24a〜24eが、フイルム巻き付け装置10によって巻芯28に巻装される。次いで、巻装された前記フイルム24a〜24eを所定長さ毎に切断し、さらに巻回することにより巻回体30a〜30eが製造される。そして、巻回体30a〜30eが複数のテープ貼付部13に搬送され、フイルム24a〜24eの巻き終端が端部テープ29によって固定されてフイルムロール31a〜31eが得られる。
【0013】
フイルム加工裁断機12では、生産計画に応じて複数種類のフイルムロール31a〜31eを得ることが可能である。すなわち、フイルム加工裁断機12のフイルム巻き付け装置10は、フイルム原反16の引き出し方向に所定距離離間して配設される第1巻き取り部22aおよび第2巻き取り部22bを有しており、第1巻き取り部22aでは、フイルムロール31a、31c、31eを構成する巻回体30a、30c、30eが製造される一方、第2巻き取り部22bでは、フイルムロール31b、31dを構成する巻回体30b、30dが製造される。従って、これらの巻回体30a〜30eは、フイルム原反16から裁断されたフイルム24a〜24eの幅および巻長、巻装させる巻芯28の径および巻き方向の組み合わせによって複数種類の構成にすることができる。なお、フイルム原反16の両サイドから切り落とされた不要な耳部32は、耳巻軸33a、33bを有する処理装置34によって巻き取り処理される。
【0014】
例えば、本実施形態に係るフイルム加工裁断機12は、1550[mm]の幅を有するフイルム原反16より、例えば、裁断幅が89[mm]のフイルム24a〜24q(図示せず)を、17列同時に約1761[mm]の巻長に巻き取った巻回体30a〜30q(図示せず)や、裁断幅が305[mm]のフイルム24a〜24eを、5列同時に約841[mm]の巻長に巻き取った巻回体30a〜30e等が製造可能なように構成されている。また、巻芯28は、例えば、小径用である2インチ径、および大径用である3インチ径を適用可能としている。
【0015】
なお、以下では、前記フイルム24a〜24eが巻き取られた巻回体30a〜30eを例示して説明するとともに、巻回体30a、30c、30eを製造する第1巻き取り部22a側をA軸、巻回体30b、30dを製造する第2巻き取り部22b側をB軸とする。
【0016】
図2に示すように、フイルム加工裁断機12は、ロール状フイルム14を回転させてフイルム原反16を送り出すフイルム送出装置18と、このフイルム原反16を、次段の工程に順次搬送する搬送装置20と、搬送装置20により搬送される前記フイルム原反16を搬送方向に裁断するとともに不要な耳部32を切り落とし、所定の幅寸法を有する複数本の長尺状のフイルム24a〜24eを形成する裁断装置(裁断機構)26と、前記フイルム24a〜24eを巻芯28に巻き取った後、所定長さ毎に切断して巻回体30a〜30eを得るフイルム巻き付け装置10と、前記フイルム原反16から切り落とされた前記耳部32を処理するための処理装置34とを備える。
【0017】
フイルム送出装置18は、ロール状フイルム14を繰り出し可能に支持する送出軸36aを備えており、この送出軸36aがアーム部36bの一端に装着されている。アーム部36bの他端は、旋回軸36cによって旋回自在に支持されている。送出軸36aには、繰り出しモータ37が装着されており、この繰り出しモータ37の駆動作用下にロール状フイルム14が繰り出される。なお、このフイルム送出装置18はスライドテーブル19上に載置されており、ロール状フイルム14の幅方向に移動可能に構成されている。
【0018】
搬送装置20は、メインフィードローラであるサクションドラム38と、複数のローラ40とを備えており、このサクションドラム38は、サーボモータ等からなるモータ39を介して周速が所定のパターンになるように速度制御されるとともに、前記サクションドラム38の回転軸(図示せず)にはエンコーダ41が連結されている。なお、前記ローラ40の中、第1ローラ40aは、前記スライドテーブル19に連動して移動するように構成されている。
【0019】
送出軸36aとサクションドラム38との間には、張力検出器42を含む張力検出ローラ43が配置されており、この間におけるフイルム原反16のフイルム張力が、前記張力検出器42および前記送出軸36aに装着された繰り出しモータ37によって制御される。送出軸36a側には、フイルム原反16の端部位置を検出して端部位置調整をするためのEPC(Edge Position Control)センサ44と、前記フイルム原反16の終端と新たなフイルム原反16の先端とを接合するための接合用サクションテーブル46とが配設される。
【0020】
裁断装置26は、図2中、左右に配置された第1回転刃48および第2回転刃50を備えている。また、これらの第1および第2回転刃48、50は、図3に示すように、対をなすとともに複数対が備えられる。
【0021】
第1回転刃48は、第1刃物軸52に沿って複数個が支持されている。第1刃物軸52は、一組の軸受52aを介してそれぞれ一組の旋回アーム52bによって回転自在に支持されている。旋回アーム52bは、図示しないスリーブ等を介して、筐体54に回転自在に支持される旋回軸52cに固定されている。旋回軸52cは、その一端部に歯車部52eを有している。この歯車部52eには、手動ハンドル55aのハンドル軸55bに設けられたウォームギヤ部55cが噛合されている。ハンドル軸55bは、ウォームギヤ部55cを間に配置するように、筐体54に固定された一組の支持部材55dによって回転自在に支持されている。
【0022】
一方、第2回転刃50は、第2刃物軸56に沿って複数個が支持されている。第2刃物軸56は、一組の軸受56aを介して筐体54に回転自在に支持される。なお、第1回転刃48および第2回転刃50は、フイルム原反16の幅方向(矢印D方向)に位置調整可能であり、位置調整された後には、例えば、図示しないボルト等によって第1刃物軸52および第2刃物軸56にそれぞれ固定される。
【0023】
第1刃物軸52および第2刃物軸56は、それぞれ一端側に、互いに噛合する歯車部52dおよび歯車部56dを有している。この場合、フイルム原反16のテンションを伴う搬送によって第2回転刃50を介して第2刃物軸56が回転するとともに、歯車部56dから歯車部52dを介して第1刃物軸52が同様に回転する。その際、歯車部52dと歯車部56dとの歯車比が異なるように形成し、第1回転刃48と第2回転刃50との回転速度に差を生じさせて、互いに摺動させることによってフイルム原反16の切断をより確実に行うようにしている。
【0024】
筐体54は、図3に示すように、裁断装置26の基台58の横板部58aに固定された一組のリニアガイド58bによって進退自在に支持される。リニアガイド58bは、フイルム原反16の幅方向に交差する方向(矢印C方向)に沿って配設されている。また、筐体54には、サーボモータ等からなるモータ59が備えられている。
【0025】
モータ59には、リニアガイド58bに交差する方向(矢印D方向)に延在する回転軸59aが連結されている。この回転軸59aは、一組のピニオン59bを有するとともに、図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。これらのピニオン59bは、基台58の縦板部58dに固定された一組のラック部材58cにそれぞれ噛合している。ラック部材58cは、リニアガイド58bと同様に、矢印C方向に沿って配設されている。
【0026】
筐体54の両端には、位置決め用のノックピン60aを進退自在に支持する一組のガイド部材60bと、これらのガイド部材60bに連結される一組のシリンダ60cとが備えられている。ガイド部材60bおよびシリンダ60cは、横板部58aに対して鉛直方向に配置されるとともに、シリンダ60cの図示しないロッドは、ガイド部材60bの内部においてノックピン60aに連結されている。従って、ノックピン60aは、横板部58aに対して鉛直方向に進退可能である。
【0027】
横板部58aには、ノックピン60aが係合することによって、矢印C方向における基台58に対する筐体54の位置決めを行う係合部材61が備えられている。係合部材61は、通常作業位置P0、第1調整位置P1および第2調整位置P2において、それぞれ一組ずつ配設される。通常作業位置P0は、フイルム原反16が搬送されて巻回体30a〜30dを製造する場合の位置であり、第1調整位置P1は、第1刃物軸52における第1回転刃48の位置調整を行う場合の位置である。また、第2調整位置P2は、第2刃物軸56における第2回転刃50の位置調整を行う場合の位置である。
【0028】
なお、前記各位置P0、P1、P2において筐体54を正確に停止させるために、矢印D方向における筐体54の一端部には、反射型光電センサ等からなる図示しない複数の位置検出器が設けられている。一方、横板部58aには、これらの位置検出器に対応させて図示しない複数のドグが設けられている。
【0029】
図4に示すように、第1回転刃48は、第1丸刃48aと、この第1丸刃48aを保持するとともに、第1刃物軸52を嵌挿することによって支持される第1丸刃ホルダ48bと、第1丸刃ホルダ48bに第1丸刃48aを固定するための押さえ部材48cとから構成される。
【0030】
第2回転刃50は、第1回転刃48と同様に、第2丸刃50aと、この第2丸刃50aを保持するとともに、第2刃物軸56を嵌挿することによって支持される第2丸刃ホルダ50bと、第2丸刃ホルダ50bに第2丸刃50aを固定するための押さえ部材50cとから構成される。図4から容易に諒解されるように、第1丸刃48aと第2丸刃50aとは、それぞれ第1刃面48dと第2刃面50dとが接触するように配置される。
【0031】
なお、各押さえ部材48c、50cを同一設計とし、共通部品として用いるようにしてもよい。これにより、裁断装置26の部品点数の削減を図ることが可能となる。また、図4中、参照符号48eおよび50eは、それぞれ第1回転刃48および第2回転刃50の位置調整を行う際、位置決め基準とする端面を示す。
【0032】
また、裁断装置26は、第1回転刃48および第2回転刃50の略上方に配置され、前記第1回転刃48および第2回転刃50をそれぞれ第1刃物軸52および第2刃物軸56における所定の位置に位置決めするための刃物位置決め部70を備える(図2参照)。
【0033】
刃物位置決め部70は、前記端面48e、50eを当接させることにより、第1回転刃48および第2回転刃50を位置決めする位置決め本体72と、この位置決め本体72を昇降自在に支持する昇降部74と、第1刃物軸52および第2刃物軸56の軸方向(矢印D方向)に沿って昇降部74を進退自在に支持する移動部76とを備える。
【0034】
位置決め本体72は、第1および第2刃物軸52、56の外径に対応させた円弧状の切欠72aと、第1回転刃48および第2回転刃50の端面48e、50eに当接する部位である当接面72b、72cとを有する。
【0035】
昇降部74は、位置決め本体72が装着される第1昇降部材78aと、第1昇降部材78aを昇降自在に支持する第1シリンダ78bと、第1シリンダ78bが装着される第2昇降部材78cと、第2昇降部材78cを昇降自在に支持する第2シリンダ78dとを備える。
【0036】
また、昇降部74は、前記第2シリンダ78dが装着される支持部材80aと、この支持部材80aを矢印C方向に進退自在に支持する第3シリンダ80bとを備える。第1〜第3シリンダ78b、78d、80bは、それぞれ一対のガイドシャフト81a、81b、81cを含んでいる。
【0037】
なお、第1昇降部材78aには、取付座82aを介して一対のガイドシャフト82bが昇降方向(矢印Z方向)に沿って固定され、これらのガイドシャフト82bは、支持部材80aに固定されたボールスプライン82cによって摺動自在に支持されている。このため、第1昇降部材78aに装着された位置決め本体72の昇降動作が、より長期にわたって精度よく維持される。
【0038】
移動部76は、フイルム加工裁断機12の図示しない筐体等に固定される長形のフレーム84に、矢印D方向に沿って装着される一組のガイドレール86と、フレーム84にブラケット88aを介して装着されるサーボモータ等からなるモータ88bと、モータ88bにカップリング88cを介して連結されるボールねじ88dとを備える。ボールねじ88dは、ガイドレール86に沿って延在するとともに、ブラケット88aを介してフレーム84に固定される軸受88eによって回転自在に支持される。
【0039】
また、移動部76は、前記ボールねじ88dが螺合するナット部90aを含む可動部材90bと、可動部材90bに固定されるとともに、ガイドレール86に係合することによって摺動自在に支持される移動ベース90cとを備える。この移動ベース90cに、前記第3シリンダ80bが装着される。
【0040】
裁断装置26の下方には、図2に示すように、裁断されたフイルム24a、24c、24eとフイルム24b、24dとを互いに異なる方向に分離するための分離ローラ92a、92bが配置され、この分離ローラ92a、92bの下流側には、ニップローラ対94a、94bを介してフイルム巻き付け装置10が配設される。
【0041】
なお、フイルム巻き付け装置10は、図1に示すように、フイルム24a、24c、24eに対応する第1巻き取り部22aと、フイルム24b、24dに対応する第2巻き取り部22bとを有しているが、以下では、フイルム24b、24d側、すなわちB軸側に基づいてのみ説明し、フイルム24a、24c、24e側、すなわちA軸側については同一の構成要素に同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0042】
図7に示すように、ニップローラ対94bは、図示しない回転駆動源が連結されるバックアップローラ95と、バックアップローラ95に対して進退自在なニップローラ96とを備える。このバックアップローラ95の周速は、矢印B方向に対してサクションドラム38よりも速い送り速度になるように設定されている。ニップローラ96がバックアップローラ95にフイルム24b(24d)を挟んで押し付けられることにより、このニップローラ96の下流側のフイルム24b(24d)にテンションが付与されていない状態でも、裁断装置26におけるフイルム24b(24d)に所定のテンションを付与可能にしている。
【0043】
図2および図7に示すように、フイルム巻き付け装置10は、巻芯28を回転可能に支持する巻芯回転機構98と、フイルム24b(24d)を幅方向に切断する切断機構100と、巻芯28にフイルム24b(24d)が巻き取られた巻回体30b(30d)を受け取る受け取り機構102と、巻芯28を巻き取り位置P10に供給する巻芯供給機構104とを備える。なお、巻芯回転機構98および巻芯供給機構104は、巻芯28の軸方向に沿って複数備えられる。また、巻芯供給機構104は、フイルム巻き付け装置10のメンテナンス性を考慮して、図7に示す矢印C方向に移動可能な、例えば、図示しないスライドテーブル上に載置されている。
【0044】
図7および図8に示すように、巻芯回転機構98は、巻芯28を把持してフイルム24b(24d)を巻回可能にする巻芯回転部110を備える。なお、図7中、参照符号111は、巻芯回転部110における巻芯28によるフイルム24b(24d)の巻き取り動作中に、該巻芯28およびフイルム24b(24d)を遮蔽する安全対策上のシャッターを示す。
【0045】
巻芯回転部110は、前記巻芯28の軸方向(矢印D方向)に延在するフレーム106aの上部に備えられたガイドレール108a、108b、およびフレーム106bの上部に備えられたガイドレール108cによって摺動自在に支持される。巻芯回転部110の下方には、前記ガイドレール108a、108b、108cに沿って該巻芯回転部110を移動させるとともに、位置調整を行うための複数の移動操作部112が設けられる。
【0046】
移動操作部112は、前記フレーム106aの下部に備えられたガイドレール108dによって前記巻芯28の軸方向に案内されるとともに、第1ブラケット114aおよび第2ブラケット114bを介して巻芯回転部110によって支持される。
【0047】
図8および図9に示すように、巻芯回転部110は、巻芯28にフイルム24b(24d)を巻回するために、該巻芯28を把持するとともに、回転する部位である一対の巻芯チャック118a、118bを備える。これらの巻芯チャック118a、118bは、ガイドレール108a、108b、108cに摺動自在に支持される一対の可動ベース116a、116bによって支持される。なお、可動ベース116a、116bには、前記移動操作部112が個別に設けられており、従って、これらの可動ベース116a、116bは、独立して移動および位置調整することが可能である。
【0048】
可動ベース116aには、巻芯チャック118aを回転させるための回転力を発生するサーボモータ等からなるモータ120と、巻芯チャック118aにモータ120の回転力を伝達する第1ベルト・プーリ手段122aおよび第2ベルト・プーリ手段122bとが備えられる。これらの第1ベルト・プーリ手段122aと第2ベルト・プーリ手段122bとは、電磁クラッチ等からなるクラッチ(連結部材)124を介して連結されている。なお、第2ベルト・プーリ手段122bは、調整ローラ122cを含み、張力調整を可能としている。
【0049】
図10および図11に示すように、巻芯チャック118a、118bは、可動ベース116a、116bに装着された支持ベース126aに複数のベアリング等を含む軸受126bによって回転自在に支持される。支持ベース126aは、補助プレート126cおよび複数のボルト126dによって可動ベース116a、116bに固定される。また、支持ベース126aの内部には、エア・コンプレッサー等からなる図示しない圧力流体源に接続されるサクション軸127aが形成される。このサクション軸127aに連通する広径の中空軸127bには、管状のシール補助部材127cが挿入され、このシール補助部材127cは、前記中空軸127bと後述する第1回転ベース128a、128bとの間隙部を気密に保つためにスプリング127dによって付勢されている。
【0050】
巻芯チャック118a側の軸受126bには、第1回転ベース128aおよび第2回転ベース130aが嵌合される一方、巻芯チャック118b側の軸受126bには、第1回転ベース128bおよび第2回転ベース130bが嵌合される。これらの第1回転ベース128a、128bと第2回転ベース130a、130bとは、それぞれ軸受126bを間に挟み、複数(例えば、4本)のボルト132によって締結される。なお、巻芯チャック118aの第2回転ベース130aには、前記第2ベルト・プーリ手段122bが係合される。
【0051】
第1回転ベース128a、128bおよび第2回転ベース130a、130bによって形成された凹部134には、巻芯把持部材136a、136bの凸部138aが挿入される。巻芯把持部材136a、136bは、巻芯28を把持する際に、該巻芯28の内周面を確実に案内するための傾斜部135を有する。巻芯把持部材136aには、巻芯28の端面に当接することによって該巻芯28を把持する環状の把持面(当接面)139aと、巻芯28の端面にくい込むことによって把持動作を確実に行う複数(例えば、8個)の突起部139cが形成される。一方、巻芯把持部材136bには、環状の把持面139bが形成されている(図12Aおよび図12B参照)。
【0052】
また、巻芯把持部材136aには、第2回転ベース130aに装着された複数(例えば、4個)のエジェクタピン137aを貫通させるために、把持面139aに沿って複数の貫通孔139dが略等間隔に形成されている。このエジェクタピン137aは、突起部139cが巻芯28に対して過度にくい込んだ場合に、該巻芯28の把持状態を確実に解放させるための機能を有する。
【0053】
さらに、巻芯把持部材136aには、第2回転ベース130aに装着された複数(例えば、4個)の検出器137bが巻芯28の端面を検出するために、把持面139aに沿って複数の貫通孔139dが略等間隔に形成されている。なお、この検出器137bは、サブミクロン単位の分解能を有する近接センサ等が適用される。
【0054】
また、巻芯把持部材136a、136bは環状の溝部138bを有する。この溝部138bには、複数(例えば、3個)のカラー(collar:継ぎ環)部材140が挿通される貫通孔138cが形成されている。カラー部材140は、前記溝部138bに装着される環状のワッシャ部材142とともに、ボルト144によって第2回転ベース130a、130bに固定される。
【0055】
この場合、カラー部材140の長手方向の長さ、すなわち、寸法Gを調整することにより、巻芯把持部材136a、136bによる巻芯28の把持ストロークの限度調整をすることが可能である。また、ワッシャ部材142に形成された複数(例えば、3箇所)の孔部142aには、スプリング142bが備えられ、巻芯把持部材136a、136bを互いに離間移動させる方向に付勢している。
【0056】
なお、図10および図11中、参照符号146は、種々のOリング等からなるシール部材を示す。また、第1回転ベース128a、128bと巻芯把持部材136a、136bとの間には、図10および図11から容易に諒解されるように、サクション軸127aから連通される空間148が形成される。
【0057】
なお、巻芯チャック118a、118bは、例えば、大径用である3インチ径の巻芯28に対応して構成されており、小径用である2インチ径の巻芯28には、図示しない小径用巻芯チャックが巻芯チャック118a、118bと交換可能に用意されている。この小径用巻芯チャックは、2インチ径に対応させてサイズが異なること以外は基本的に巻芯チャック118a、118bと同様に構成される。
【0058】
図7および図8に示すように、移動操作部112は、第2ブラケット114bによって回転自在に支持されるハンドル軸150aの一端に手動ハンドル150bが備えられている。ハンドル軸150aの他端には、歯車部150cが設けられている。歯車部150cは、第1ピニオン152の大径側の歯車列152aに噛合している。第1ピニオン152の小径側の歯車列152bには、ピニオン軸154aの一端に設けられた第2ピニオン154bが噛合している。ピニオン軸154aの他端には、電磁ブレーキ等からなる制動手段156を介して第3ピニオン158が設けられている。第3ピニオン158は、矢印D方向に沿って延在するとともに、ステイ部材160aを介してフレーム106cに備えられたラック部材160bに噛合している。
【0059】
なお、移動操作部112の操作に伴う前記各可動ベース116a、116bの移動距離を計測するために、例えば、前記ガイドレール108dに図示しないリニアスケール、あるいは前記ピニオン軸154aに図示しないエンコーダ等が備えられる。
【0060】
なお、図7および図8中、参照符号162aは、切断機構100によって切断された後、送り出されたフイルム24b(24d)の巻き始め端部(図7中、二点鎖線で示すフイルム24b(24d)参照)と、受け取り機構102に受け渡された巻回体30b(30d)との干渉を阻止するための跳ね上げ板を示す。この跳ね上げ板162aは、矢印D方向に沿って延在するとともに、軸162bを支点にリンク部材162cを介してシリンダ162dの駆動により旋回動作する。
【0061】
図7に示すように、切断機構100は、公知の円盤状の刃物、あるいは公知の平板状の刃物等からなる切断刃100aを備え、この切断刃100aを回転動作、スライド動作、あるいは押圧動作させることによって、フイルム24b(24d)をその幅方向(巻芯28の軸方向)に切断する。なお、図7中、参照符号100bは、切断された後のフイルム24b(24d)を保持するためのバックアッププレートを示す。
【0062】
図7に示すように、受け取り機構102は昇降フレーム170を備え、この昇降フレーム170は、サーボモータ等からなるモータ172の作用下に上端位置、中間待機位置および下端位置に停止可能である。モータ172の駆動軸174には、ギヤボックス176を介してボールねじ178が連結される。このボールねじ178は、鉛直方向に向かって配置されるとともに、昇降フレーム170に設けられたナット部180に螺合される。
【0063】
昇降フレーム170には、シリンダ182が固定され、このシリンダ182から上方に延在するロッド184に本体部186が連結される。本体部186から上方に延在する第1アーム部186aの先端に払い出しローラ188が設けられるとともに、この払い出しローラ188には、テンション付与用のサーボモータ等からなるモータ190がベルト・プーリ手段192を介して連結される。本体部186の第2アーム部186bの先端には、フリーローラ194が回転自在に支持される。
【0064】
また、昇降フレーム170の上部には、前記テープ貼付部13に向けて巻回体30b、30d(以下、単に巻回体30bともいう。)を払い出すためのコンベア196が備えられている。このコンベア196は、第1および第2アーム部186a、186bの間に配設されている。
【0065】
図7、図13および図14に示すように、巻芯供給機構104は、巻芯把持部200と、前記巻芯回転機構98の巻芯回転部110に対する巻芯28の位置決めを行うための巻芯位置決め部202とを備える。
【0066】
巻芯把持部200は、巻芯28を把持するために、該巻芯28の外周径と略同一径に形成された把持面を有する開閉チャック204a、204bを備え、これらの開閉チャック204a、204bは、開閉用シリンダ206によって開閉動作される。開閉用シリンダ206は、シリンダロッド208aを介してシリンダ208bによって進退自在に支持されている。このシリンダ208bは、一対のガイドシャフト208cを含んでいる。シリンダ208bは、支持部材210を介してブラケット212に固定されている。このブラケット212は、巻芯28の軸方向(矢印D方向)に延在するフレーム214の下部に備えられたガイドレール216によって摺動自在に支持される。
【0067】
なお、開閉チャック204a、または204bの側部には、巻芯28の有無を検出する反射型の光電センサ等からなるワーク検出器が備えられている。また、開閉チャック204a、204bは、例えば、大径用である3インチ径の巻芯28に対応して構成されており、小径用である2インチ径の巻芯28には、図示しない小径用開閉チャックが開閉チャック204a、204bと交換可能に用意されている。
【0068】
フレーム214は、アーム部材218を介して軸部材220に固定されている。軸部材220は、ブッシュ226等を介して複数の支柱222に回転自在に支持されている。軸部材220の一端または両端には、リンク部材224aが備えられ、このリンク部材224aには、シリンダ224bのロッド224cが揺動自在に連結されている。シリンダ224bは、支柱222によって揺動自在に支持されている。従って、巻芯把持部200は、軸部材220を支点として旋回自在である(図13参照)。
【0069】
ブラケット212における支持部材210の反対側の側部には、巻芯把持部200を位置決めするための一組の位置決め用のピン(挿入部材)226a、226bが備えられる。一方、フレーム214には、前記ピン226a、226bに対応させて係合可能な複数の孔228a、228bが形成された係合部材230が備えられる。これらのピン226a、226bは、図示しないスプリングを備えている。従って、これらのピン226a、226bは、前記係合部材230の孔228a、228bに対して抜き差し自在であり、通常は、該孔228a、228bに向けて係合する方向に付勢されている。
【0070】
巻芯位置決め部202は、前記開閉チャック204a、204bによって把持される巻芯28を前記巻芯回転機構98に対して位置決めするために、該巻芯28の軸方向の一端側を規制する規制プレート240を備え、この規制プレート240は、ブラケット242に固定されている。ブラケット242は、巻芯28の軸方向(矢印D方向)に延在するフレーム244の下部に備えられたガイドレール246によって摺動自在に支持される。フレーム244は、複数の支柱222によって支持されている。
【0071】
ブラケット242における規制プレート240の反対側の側部には、ブラケット242を位置決めするための一組の位置決め用のピン(挿入部材)248a、248bが備えられる。一方、フレーム244には、前記ピン248a、248bに対応させて係合可能な複数の孔250a、250bが形成された係合部材252が備えられる。これらのピン248a、248bは、前記ピン226a、226bと同様に図示しないスプリングを備えている。従って、これらのピン248a、248bは、前記係合部材252の孔250a、250bに対して抜き差し自在であり、通常は、該孔250a、250bに向けて係合する方向に付勢されている。
【0072】
また、巻芯位置決め部202は、前記規制プレート240と対をなす補助プレート254を備え、この補助プレート254は、ブラケット256に固定されている。ブラケット256は、ブラケット242と同様にガイドレール246によって摺動自在に支持される。ブラケット256における補助プレート254の反対側の側部には、該ブラケット256を手動操作可能なボルト258が螺合されている。このボルト258を締め付けることによって、係合部材252に対してブラケット256が固定される。
【0073】
この場合、ワークとしての巻芯28の一端側、あるいは図示しない位置決め治具等の一端側を規制プレート240に当接させた状態で、該巻芯28の他端側、あるいは該位置決め治具等の他端側に補助プレート254を当接させることにより、該補助プレートおよびブラケット256の位置決めを行う。なお、巻芯位置決め部202の規制プレート240と補助プレート254とは、前記巻芯把持部200の開閉チャック204a、204bを間に配置するように位置決めされる。
【0074】
図15および図16に示すように、受け取り機構102の下流側、すなわち巻回体30b、30dの搬送方向(矢印D1方向)の下流側には、テープ貼付部13が備えられている。このテープ貼付部13は、駆動ローラ等からなる連接部260を介して受け取り機構102のコンベア196に連接されている。
【0075】
テープ貼付部13は、本体ユニット270と、この本体ユニット270を昇降自在に支持する昇降部272とを備える。
【0076】
本体ユニット270は、矢印D方向に沿って延在するメインフレーム274を有する。メインフレーム274の上部には、前記コンベア196から受け渡された巻回体30b、30dを矢印D1方向に搬送するコンベア276が備えられる。コンベア276は、モータ等からなる駆動部276aによって搬送動作される。
【0077】
また、コンベア276の両側には、搬送された巻回体30b、30dを回転可能に支持するための一対のローラ部材278a、278bが設けられる。一方のローラ部材278aには、ローラ軸282を貫通して複数のフリーローラ280aが一列状に配置され、他方のローラ部材278bには、ローラ軸282を貫通して、一方向(例えば、矢印E方向)にのみ回転を許容する複数のワンウエイローラ280bが一列状に配置されている。これらのワンウエイローラ280bは、巻回体30bからフイルム24bが巻き解かれない方向に回転するように取り付けられる。各ローラ軸282は、支持部材284を介して矢印D方向に延在する支持フレーム286に固定されている。
【0078】
支持フレーム286は、略直角形状に形成されたリンク部材288の一端部288aが連結されるシャフト290を有する。シャフト290は、複数の載置台292に固定されている。これらの載置台292は、シャフト290を介してブッシュ等を含むガイド部材294によって昇降自在に案内されている。ガイド部材294は、メインフレーム274の側部に固定されている。
【0079】
リンク部材288は、その軸288cを支点として、メインフレーム274の側部に固定された軸支部材296によって回転自在に支持されている。軸288cは、メインフレーム274を横断する方向(矢印C方向)に延在して配設され、その略中央に他端部288bが設けられる。一方、該軸288cの両端には、それぞれ一端部288aが設けられている(図17参照)。リンク部材288の他端部288bには、矢印D方向に延在するロッド298a、298bが連結されている。ロッド298a、298bは、これらのロッド298a、298bを進退駆動するシリンダ300に連結されている。このシリンダ300は、メインフレーム274の下部に固定されている。
【0080】
昇降部272は、本体ユニット270を支持するために、メインフレーム274に固定される複数の支持プレート310を備える。支持プレート310は、矢印D方向に対して鉛直方向に配置された複数のガイドレール312によって摺動自在に案内される。ガイドレール312は、複数の支柱314に固定されている。
【0081】
支柱314には、ボールねじ316の上方端を回転自在に支持する支持ブラケット318が固定されている。ボールねじ316は、支柱314に沿って鉛直方向に配置されるとともに、支持プレート310に固定されたナット部320に螺合されている。一方、ボールねじ316の下方端は、ギヤボックス322を介して回転駆動軸324に連結されている。回転駆動軸324には、サーボモータ等からなるモータ326の回転力を伝達するベルト・プーリ手段328が係合されている。
【0082】
処理装置34は、フイルム原反16の両サイドから切り落とされた耳部32を巻き取る一対の耳巻軸33a、33bを有し、これらの耳巻軸33a、33bには、それぞれ耳部32を案内する円板状の添え板35a、35bが備えられている(図1参照)。
【0083】
また、処理装置34は、図18に示すように、鉛直方向(矢印Z方向)に立設するフレーム350を備え、このフレーム350に前記耳巻軸33a、33bが回転自在に支持されている。耳巻軸33a、33bは、それぞれベルト・プーリ手段352を介してサーボモータ等からなるモータ354に連結されている。裁断装置26から複数のローラ356を介して搬送される耳部32は、その搬送途上において、軸部358を支点に旋回自在な揺動アーム360の一端に備えられたフリーローラ362に係合されている。揺動アーム360の軸部358には、該揺動アーム360の旋回位置を検出する検出器364が設けられている。なお、前記モータ354はフレーム350に固定され、前記軸部358はフレーム350によって回転自在に支持されている。
【0084】
図19は、以上のように構成されるフイルム加工裁断機12の制御構成説明図である。制御回路400は、主に制御部402によって制御される。なお、制御部402は、フイルム加工裁断機12の生産管理を行うために、上位制御機能としての図示しない生産管理コンピュータ等に接続される場合がある。
【0085】
制御部402は、制御、比較、判断、演算、記憶および計時等の機能を有する、例えば、PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)等から構成され、フイルム加工裁断機12全体を統合して制御する。
【0086】
また、制御部402には、操作・表示部(表示部)404が接続されている。操作・表示部404は、フイルム加工裁断機12に対する製造条件等のデータ入力手段や、電源のオン/オフおよび各種の操作スイッチ等を有するとともに、入力あるいは記憶されている製造条件等のデータおよび該操作スイッチ等の操作に基づくフイルム加工裁断機12の動作状態等を表示する機能を有する。この操作・表示部404は、例えば、タッチパネル等から構成される。
【0087】
なお、図19中、参照符号406は、ロール状フイルム14の回転を検出する回転検出器を示し、参照符号408はモータ37へ出力する指令を制御および変換する補助制御部を示す。
【0088】
ここで、前記製造条件等のデータとは、巻芯28の径および幅、フイルム原反16から裁断されるフイルム24a〜24dの厚さ、幅および長さ(巻長)、巻回体30a〜30dの幅等である。
【0089】
フイルム送出装置18のモータ37は、入力あるいは記憶されているトルク指令値と、張力検出器42からの入力信号とに基づいてトルク制御される。また、搬送装置20のモータ39は、入力あるいは記憶されている速度指令値に基づいて速度制御される(図30の「速度指令値」参照)。
【0090】
さらに、巻芯回転機構98に備えられた巻芯回転部110の各モータ120は、入力あるいは記憶されているフイルム24a〜24dの厚さおよび幅と、巻芯28の径およびテンション指令値とに基づいてトルク制御される(図30の「巻き取りテンション指令値」参照)。また、処理装置34のモータ354は、入力あるいは記憶されている速度指令値と、検出器364等からの入力信号とに基づいて速度制御される。
【0091】
このように構成されるフイルム加工裁断機12の動作並びに作用効果について、以下に説明する。
【0092】
先ず、フイルム加工裁断機12によるロール状フイルム14の裁断作業に先立ち、作業者の操作に基づいて入力あるいは記憶されている巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータが制御部402に読み出される。そして、例えば、巻芯28の径、巻回体30a〜30dの幅等に関するデータに従い、裁断装置26およびフイルム巻き付け装置10を調整するとともに、前記巻回体30a〜30dを第1巻き取り部22aおよび第2巻き取り部22bのいずれにおいて製造するのかを決定する。なお、これらのデータは、操作・表示部404に表示させるとよい。
【0093】
ここで、図5および図20〜図22を参照しながら、前記裁断装置26の調整動作について説明する。
【0094】
先ず、操作・表示部404において、作業者によって裁断装置26を調整するメニューの中、第2回転刃50の調整が選択される。次いで、操作・表示部404の操作スイッチの操作に従ってモータ59が駆動されて、裁断装置26の筐体54が通常作業位置P0から第2回転刃50の位置調整を行う第2調整位置P2に移動される。そこで、各シリンダ60cの駆動によりノックピン60aが第2調整位置P2に配置された係合部材61に係止されることにより該筐体54が位置決めされる(図20および図21参照)。
【0095】
続いて、作業者が手動ハンドル55aを回転操作することにより第1刃物軸52は、旋回軸52cを支点にして旋回動作されて第2刃物軸56から離間するとともに、該旋回軸52cと略水平に配置される。これと略同時に、刃物位置決め部70の第3シリンダ80bが駆動され、位置決め本体72が待機位置P20に移動される(図21参照)。この際、第1刃物軸52の第1回転刃48は、作業者の安全を期するためにプラスチック等から形成された図示しないカバーで覆うとよい。
【0096】
この状態で、位置決め本体72は、刃物位置決め部70の昇降部74とともに1つ目の第2回転刃50を位置調整するために、モータ88bの駆動によってボールねじ88dが回転駆動されて、フイルム加工裁断機12の図示しない装置基準から所定の距離移動された後停止される。次いで、作業者が昇降部74に備えられた図示しない操作スイッチを操作することによって、第1シリンダ78bが駆動されて、位置決め本体72が下降するとともに、第2刃物位置決め位置(第2刃物軸56に切欠72aが略嵌合する位置)P21において停止される(図21参照)。
【0097】
そこで、第2回転刃50は、その第2丸刃ホルダ50bの端面50eが位置決め本体72の当接面72cに当接されることにより位置決めされる(図5参照)。この場合、第2回転刃50は、図示しないボルト等の締め付けによって第2刃物軸56に固定される。
【0098】
続いて、作業者が昇降部74に備えられた前記操作スイッチを操作することによって、第1シリンダ78bが前記とは逆方向に駆動され、位置決め本体72が上昇して待機位置P20において停止される。その後、昇降部74とともに位置決め本体72は、モータ88bの駆動によって2つ目の第2回転刃50を調整する位置まで移動されて停止される。これ以降、前述した操作および動作を繰り返すことにより、所定の第2回転刃50が位置決めされるとともに、第2刃物軸56に固定される。
【0099】
次いで、操作・表示部404において、作業者によって裁断装置26を調整するメニューの中、第1回転刃48の調整が選択される。そして、操作・表示部404の前記操作スイッチの操作に従って、前記各シリンダ60cが逆方向に駆動されてノックピン60aが上昇されるとともに、モータ59が前記とは逆に駆動されて、前記筐体54が第2調整位置P2から第1回転刃48の位置調整を行う第1調整位置P1に移動される。そこで、各シリンダ60cの駆動によりノックピン60aが第1調整位置P1に配置された係合部材61に係止されることにより該筐体54が位置決めされる(図22参照)。
【0100】
この状態で、刃物位置決め部70の昇降部74とともに位置決め本体72は、前述した第2回転刃50の調整の場合と同様に、1つ目の第1回転刃48を調整する位置まで移動された後停止される。次いで、作業者が昇降部74に備えられた図示しない操作スイッチを操作することによって、第1シリンダ78bおよび第2シリンダ78dが駆動されて、位置決め本体72が下降するとともに、第1刃物位置決め位置(第1刃物軸52に切欠72aが略嵌合する位置)P22において停止される(図22参照)。
【0101】
そこで、第1回転刃48は、その第1丸刃ホルダ48bの端面48eが、位置決め本体72の当接面72bに当接されることにより位置決めされる(図5参照)。この場合、第1回転刃48は、第2回転刃50と同様に、図示しないボルト等の締め付けによって第1刃物軸52に固定される。
【0102】
続いて、作業者が昇降部74に備えられた前記操作スイッチを操作することによって、第1シリンダ78bおよび第2シリンダ78dが前記とは逆方向に駆動され、位置決め本体72が上昇して待機位置P20において停止される。その後、昇降部74とともに位置決め本体72は、モータ88bの駆動によって2つ目の第1回転刃48を調整する位置まで移動されて停止される。これ以降、前述した操作および動作を繰り返すことにより、所定の第1回転刃48が位置決めされるとともに、第1刃物軸52に固定される。
【0103】
所定の第1回転刃48および第2回転刃50が調整されて位置決めされた後、昇降部74とともに位置決め本体72は、第3シリンダ80bが前記とは逆に駆動されるとともに、モータ88bの駆動によってフイルム加工裁断機12の前記装置基準に戻される。次いで、作業者が手動ハンドル55aを前記とは逆方向に回転操作することにより、第1刃物軸52は、元の第2刃物軸56に接近した位置に配置される。そして、操作・表示部404の操作スイッチの操作に従ってモータ59が駆動されて、前記筐体54が第1調整位置P1から通常作業位置P0に移動されて、裁断装置26の調整動作が完了する。
【0104】
このように、本実施形態では、第1刃物軸52に支持される第1回転刃48は、第2刃物軸56に支持される第2回転刃50から離間可能であり、各回転刃48、50の位置調整および刃物交換等を円滑に且つ容易に行うことができる(図20参照)。
【0105】
また、裁断装置26では、1つの位置決め装置、すなわち1つの位置決め本体72を備える刃物位置決め部70を用いることによって、各回転刃48、50の両方を位置調整可能にしている。その結果、個別に位置決め装置を設ける必要がないので、フイルム加工裁断機12を簡素化することが可能になるとともに、該フイルム加工裁断機12の製作コストを低減することができる。しかも、移動部76は、モータ88bおよびボールねじ88dによって移動されるので、前記位置決め本体72を容易に且つ正確に位置調整することが可能である。
【0106】
さらに、各回転刃48、50の位置調整は、それぞれ第1丸刃ホルダ48bの端面48eおよび第2丸刃ホルダ50bの端面50eを位置決め本体72に当接させることにより行うようにしている。従って、第1丸刃48aの第1刃面48dおよび第2丸刃50aの第2刃面50dが、例えば、メンテナンス等により研磨された場合でも、各回転刃48、50の調整位置を変更する、あるいは補正する必要がないので、刃物交換等をより容易に且つ正確に行うことができる(図4参照)。
【0107】
なお、本実施形態では、刃物位置決め部70の昇降部74とともに位置決め本体72は、制御部402に読み出された前記巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータに基づいて、モータ59に指令を出力することによってフイルム加工裁断機12の前記装置基準から所定の距離を移動させるようにしているが、これに代替して、例えば、手動ハンドル等の操作手段を含むラック部材およびピニオン等の手段によって、前記昇降部74とともに位置決め本体72を移動させることも可能である。
【0108】
この場合、刃物位置決め部70のガイドレール86にリニアスケールを備えるか、あるいは前記ラック部材およびピニオン等の手段にエンコーダ等を備えることによって前記装置基準からの移動距離を計測する。そして、この計測により得られた計測値(状態情報)と前記所定の距離、すなわち、前記製造条件等のデータに基づく設定値(設定情報)とを、データ対応表等の形式にして操作・表示部404に同時に表示させるとよい。これにより、各回転刃48、50の位置調整を容易に且つ正確に行うことができるとともに、該位置調整を行うための複雑且つ高価な装置等を不要としているので、フイルム加工裁断機12の製作コストを低減することが可能となる。
【0109】
次に、前記フイルム巻き付け装置10における巻芯回転機構98および巻芯供給機構104の調整動作について説明する。
【0110】
先ず、操作・表示部404において、作業者によって巻芯回転機構98を調整するメニューの中、基準側となる可動ベース116aの調整が選択される。次いで、前記巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータに基づく各可動ベース116aの設定値(フイルム加工裁断機12の前記装置基準からの離間距離の設定値)と、可動ベース116aの計測値(フイルム加工裁断機12の前記装置基準からの離間距離の計測値)とが、例えば、データ対応表の形式で操作・表示部404に同時に表示される。
【0111】
続いて、作業者が、操作・表示部404における制動操作スイッチの中、一括スイッチを操作することにより各制動手段156を一括に解除状態にした後、各可動ベース116a、116bを手動で移動させる。このとき、位置調整されるべき可動ベース116a、116bが認知可能なように操作・表示部404に表示されている。なお、この場合、各可動ベース116a、116bのそれぞれにLED(Light Emitting Diode)等によって表示させるようにしてもよい。
【0112】
そこで、作業者は、前記データ対応表を確認しながら、先ず、可動ベース116aが前記設定値に対して前記計測値を一致させるように位置調整する。次いで、予め用意されている図示しない所定の巻芯治具を、位置調整された前記可動ベース116aの巻芯チャック118aに当接させた後、可動ベース116bの巻芯チャック118bを該巻芯治具に当接させるまで該可動ベース116bを移動させる。この状態で、前記制動操作スイッチの中、個別スイッチを操作することにより該当する制動手段156を再度制動状態とし、必要に応じて手動ハンドル150bを回転操作することによって微調整することにより前記可動ベース116bが位置調整される。
【0113】
以上の操作を、A軸側およびB軸側それぞれの所定の可動ベース116a、116bの複数対に対して行うことにより、巻芯回転機構98の位置調整が完了する(図8および図9参照)。
【0114】
なお、フイルム巻き付け装置10において、巻回体30a〜30dの幅によっては、稼動されない可動ベース116a、116bが存在することになるが、その際、例えば、A軸側の巻回体30a、30c、30eに対応して稼動する可動ベース116a、116bに対して、B軸側では、これらの巻回体30a、30c,30eに対応させて稼動されない可動ベース116a、116bを配置すればよい(図1参照)。
【0115】
また、可動ベース116a、116bの中、ガイドレール108a、108b、108cの両端に配置されている可動ベース116a、116b等は、該両端に幅寄せして待機させてもよい。これにより、フイルム24a〜24e、あるいは巻回体30a〜30dの種類替えの際に、巻芯回転機構98の巻芯回転部110を着脱する必要がないので、巻芯回転機構98の位置調整作業を容易に且つ効率的に行うことができる。
【0116】
次に、巻芯供給機構104の巻芯把持部200および巻芯位置決め部202の位置調整を行う場合について説明する。
【0117】
この場合、先ず、巻芯供給機構104のフレーム214に備えられた係合部材230に予め形成された複数の孔228a、228bの中、位置調整された前記巻芯回転機構98の各可動ベース116a、116bの略中央に対応して配設された孔228a、228bが選択される。そこで、作業者が巻芯把持部200のブラケット212を移動して、前記孔228a、228bにピン226a、226bを係合させることにより該ブラケット212が位置決めされる(図14参照)。
【0118】
次いで、巻芯供給機構104のフレーム244に備えられた係合部材252に予め形成された複数の孔250a、250bの中、位置調整された前記巻芯回転機構98の可動ベース116aのそれぞれに対応して形成された孔250a、250bが選択される。そこで、作業者が巻芯位置決め部202の規制プレート240が固定されたブラケット242を移動して、前記孔228a、228bにピン248a、248bを係合させることにより該ブラケット242とともに規制プレート240が位置決めされる。
【0119】
その後、前記規制プレート240に巻芯28、あるいは前述した位置決め治具を当接させた状態で、ブラケット256を移動させて該巻芯28、あるいは位置決め治具に補助プレート254を当接させることによって該補助プレート254が位置決めされる。そして、ブラケット256に螺合されたボルト258を締め付けることにより係合部材252に対して固定される(図14参照)。
【0120】
なお、前記各孔228a、228b、250a、250bには、例えば、近接スイッチ等からなる図示しないピン検出器を備え、前記巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータに基づいて、所定の前記ピン検出器が位置調整されるべきブラケット212に備えられたピン226a、226b、およびブラケット242に備えられたピン248a、248bを検出しているかどうかを制御部402にて判定させ、この判定結果をアラームやチャイム等により作業者に知らせるようにするとよい。
【0121】
または、前記各孔228a、228b、250a、250bにLEDやランプ等の点灯部材(指示手段)を備え、前記巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータに基づいて、位置調整されるべきブラケット212に備えられたピン226a、226b、およびブラケット242に備えられたピン248a、248bにそれぞれ対応する孔228a、228b、250a、250bの点灯部材を点灯させ、位置調整完了後に該点灯部材を消灯させるようにしてもよい。
【0122】
あるいは、前記巻回体30a〜30dに関する製造条件等のデータに基づいて、位置調整されるべきブラケット212に備えられたピン226a、226b、およびブラケット242に備えられたピン248a、248bが係合される前記孔228a、228b、250a、250bの位置に対して、図示しないレーザ光(指示手段)等を照射することにより位置指定するようにしてもよい。
【0123】
このように、巻芯供給機構104では、位置調整されるべき巻芯把持部200のブラケット212に備えられたピン226a、226b、および巻芯位置決め部202のブラケット242に備えられたピン248a、248bにそれぞれ対応させた各孔228a、228b、250a、250bの位置を確実に検出または認知することが可能となる。その結果、人為的ミス等による装置トラブルの発生を阻止することが可能となるので、巻芯供給機構104の位置調整作業を効率的に行うことができる。
【0124】
さらに、これらの巻芯把持部200および巻芯位置決め部202を、前述した巻芯回転機構98の移動操作部112と同様の構成にしてもよい。すなわち、巻芯把持部200のブラケット212を摺動自在に支持するガイドレール216、および巻芯位置決め部202のブラケット242を摺動自在に支持するガイドレール246にリニアスケールを備えるか、あるいは前記ブラケット212、242にエンコーダ等を備えることによって、前記装置基準からの移動距離を計測する。
【0125】
そして、この計測により得られた計測値と各ブラケット212、242の所定の距離、すなわち、前記製造条件等のデータに基づく設定値とを、データ対応表等の形式にして操作・表示部404に同時に表示させ、作業者が該データ対応表を確認しながら前記各ブラケット212、242の位置調整を行うようにしてもよい。これにより、各ブラケット212、242の位置調整を容易に且つ正確に行うことができるとともに、フイルム加工裁断機12の製作コストをより低減することが可能となる。
【0126】
次に、以上説明したように位置調整された裁断装置26、フイルム巻き付け装置10の巻芯回転機構98および巻芯供給機構104に基づいて、ロール状フイルム14から巻回体30a〜30dおよびフイルムロール31a〜31dが製造される。
【0127】
図2に示すように、フイルム送出装置18に装着されたロール状フイルム14は、繰り出しモータ37の回転作用下に巻き解かれ、フイルム原反16が搬送装置20のサクションドラム38に導かれる。
【0128】
サクションドラム38を経たフイルム原反16は、裁断装置26に導かれる。図3に示すように、裁断装置26の第1および第2回転刃48、50は、裁断されるフイルム24a〜24eの各幅寸法に対応して矢印D方向に配列されており、フイルム原反16の搬送によって第2回転刃50が回転駆動されて両サイドの耳部32が裁断されるとともに、所定の幅寸法を有するフイルム24a〜24eがフイルム巻き付け装置10に導かれる。
【0129】
なお、耳部32は、処理装置34の耳巻軸33a、33bによって巻き取られる。その際、耳巻軸33a、33bは、検出器364による揺動アーム360の旋回位置に基づいて速度制御されるモータ354によって回転駆動される(図18および図19参照)。また、フイルム巻き付け装置10では、フイルム24a〜24eのそれぞれに対して同様の処理が施されるため、以下では、前述したようにフイルム24b(24d)を例示して説明する。
【0130】
図23に示すように、フイルム巻き付け装置10に送られたフイルム24b(24d)は、巻き取り位置P10において、初期巻き付け作業が行われる。すなわち、フイルム24b(24d)が、巻芯28の外周面に図示しない粘着テープ等により仮止めされるとともに、巻芯28を手動で数回転させることによりフイルム24b(24d)が巻き付けられる。
【0131】
その際、巻芯28は、巻芯回転機構98の巻芯回転部110に備えられた巻芯チャック118a、118bによって回転可能に把持されているが、該巻芯チャック118aを回転駆動するモータ120のフリクション(friction:摩擦)等の機械的ロス(換言すると、駆動されていないフリーな状態のモータ120を回転させるための負荷または力ともいう。)を低減するため、第1ベルト・プーリ手段122aと第2ベルト・プーリ手段122bとの間に介在しているクラッチ124を一時的に解放する(図8および図9参照)。
【0132】
これにより、前記機械的ロスが、例えば、約9.8[N]から約3.9[N]に低減され、巻芯チャック118a、118bによって把持されている巻芯28は、手動操作でも容易に回転させることが可能となる。その結果、巻芯28に対するフイルム24b(24d)の初期巻き付け作業を容易に且つ効率的に行うことができる。
【0133】
このとき、本体部186は下端位置に配置されている。また、巻芯把持部200は、原点位置に配置されており、次に供給される巻芯28が把持可能な状態で待機している。
【0134】
初期巻き付け作業が完了した後、作業者によって、例えば、図示しない稼動開始スイッチが操作されることによりフイルム24b(24d)の巻き取り動作が開始される。すなわち、図24に示すように、モータ120の駆動作用下に巻芯チャック118a、118bが回転駆動され、該巻芯28にフイルム24b(24d)が巻き取られる。その際、搬送装置20のサクションドラム38は、モータ39の駆動作用下に所定の速度パターンで速度制御されながらフイルム原反16を搬送するとともに、エンコーダ41を介してフイルム原反16の搬送長さを検出している。また、モータ120は、フイルム24b(24d)に対して所定の巻き取りテンションを付与するようにトルク制御されている(図19参照)。
【0135】
この巻芯チャック118a、118bによるフイルム24b(24d)の巻き取り動作の間に、本体部186は、モータ172の駆動作用下にギヤボックス176を介してボールねじ178が回転されることによって、下端位置から上昇して中間待機位置に配置されるとともに、シリンダ182の駆動作用下に、コンベア196に対して上昇位置に配置されている。また、巻芯把持部200は、前記原点位置において、開閉用シリンダ206の閉動作により作業者によって供給された巻芯28を把持した状態で待機している。さらに、後述する端部テープ29の貼り付け作業が作業者によって行われる。なお、この間にシャッター111が下降して、巻き取り動作中の巻芯28およびフイルム24b(24d)を遮蔽している。
【0136】
巻芯28にフイルム24b(24d)が規定の長さまで巻き取られると、サクションドラム38によるフイルム原反16の搬送動作が一時停止されるとともに、モータ120による巻芯チャック118a、118bの回転動作が停止される。そして、図25に示すように、本体部186がモータ172の駆動作用下に上昇され、該本体部186の払い出しローラ188およびフリーローラ194が巻回体30b(30d)の外周に接触する上端位置に配置される(図13参照)。
【0137】
この状態で、フイルム24b(24d)が、切断機構100の切断刃100aの切断動作によって幅方向に切断されるとともに、巻回体30b(30d)のフイルム24b(24d)の巻き終わり端部が、モータ120の駆動作用下に回転される巻芯チャック118a(118b)の回転動作によって巻き取られる。次いで、巻芯チャック118a、118bによる巻回体30b(30d)の把持動作が解放され、該巻回体30b(30d)は、本体部186の払い出しローラ188およびフリーローラ194によって支持される。この場合、この払い出しローラ188は、例えば、ワンウエイローラ等によって構成してもよい。
【0138】
この間に、巻芯把持部200は、シリンダ208bの駆動作用下に、前記原点位置から上昇して巻芯供給待機位置に配置されている。一方、切断されたフイルム24b(24d)の巻き始め端部は、バックアッププレート100bによって待機状態に保持されている。
【0139】
なお、ここでは、前記巻き終わり端部の巻き取り動作をモータ120の駆動による巻芯チャック118a、118bで行うようにしているが、巻芯チャック118a、118bによる巻回体30b(30d)の把持動作の解放後に、本体部186に備えられたモータ190の駆動による払い出しローラ188によって行うようにしてもよい。
【0140】
続いて、図26に示すように、本体部186は、シリンダ182の前記とは逆方向の駆動作用下に下降して、コンベア196に対して下降位置に配置されて巻回体30b(30d)が該コンベア196に受け渡される。この間に、フイルム24b(24d)の前記巻き始め端部は、バックアッププレート100bの案内作用下に、ニップローラ対94bおよびサクションドラム38による搬送作用によって、概ね図26に示す位置まで送り出される。このとき、シャッター111は上昇されており、巻き取り動作終了後の巻芯28およびフイルム24b(24d)、すなわち巻回体30b(30d)の遮蔽を解除している。また、巻芯把持部200は、前記巻芯供給待機位置に配置された状態に保持されている。
【0141】
巻回体30b(30d)がコンベア196に受け渡されると、図27に示すように、本体部186は、モータ172の前記とは逆方向の駆動作用下に下降して、下端位置に配置される。次いで、巻回体30a(30d)は、コンベア196の搬送作用下に、連接部260を介してテープ貼付部13のコンベア276に受け渡される(図15参照)。
【0142】
この間に、巻芯把持部200は、シリンダ224bの駆動作用下に軸部材220を支点にして旋回し、巻芯28を把持した状態で前記巻芯供給待機位置から巻き取り位置P10に配置される(図7および図13参照)。
【0143】
巻芯把持部200によって巻き取り位置P10に配置された巻芯28は、前記巻芯チャック118a、118bによって把持される。次いで、図28に示すように、ニップローラ対94bおよびサクションドラム38による搬送作用によって、フイルム24b(24d)の前記巻き始め端部が、概ね図28に示す位置まで再度送り出される。このとき、跳ね上げ板162aが、シリンダ162dの駆動作用下に軸162bを支点にして旋回し、前記フイルム24b(24d)の巻き始め端部を跳ね上げるようにしている(図7参照)。これにより、前記フイルム24b(24d)の巻き始め端部が、本体部186のコンベア196による搬送途上の巻回体30b(30d)に干渉することを回避することができる。
【0144】
この間に、巻芯把持部200は、開閉用シリンダ206の開動作により巻芯28の把持状態を解放し、シリンダ208bの前記とは逆方向の駆動作用下に下降するとともに、シリンダ224bの前記とは逆方向の駆動作用下に旋回して、前記原点位置に戻される。そして、この巻芯28に対して、前述した初期巻き付け作業が行われるとともに、再度フイルム24b(24d)を巻き取る動作および作業が遂行される。
【0145】
このように、巻芯チャック118a、118bによる巻き取り動作、すなわち機械装置による動作と、巻芯28の供給作業および端部テープ29の貼り付け作業等の作業者による作業とをバランスよく時間配分することにより、巻回体30b(30d)とともにフイルムロール31b(31d)を効率よく製造することができる。
【0146】
なお、テープ貼付部13のコンベア276に受け渡された巻回体30b(30d)は、該コンベア276の搬送作用下に所定の位置まで搬送される。その後、モータ326の駆動作用下にギヤボックス322を介してボールねじ316が回転し、本体ユニット270が上昇される。これにより、作業者が立位姿勢で巻回体30b(30d)に対して容易に処理を施すことができる。
【0147】
次いで、ローラ部材278a、278bが、シリンダ300の駆動作用下にリンク部材288を介して上昇し、前記巻回体30b(30d)はコンベア276の上方へと離間されるとともに、該ローラ部材278a、278bによって回転可能に支持される(図15〜図17参照)。そして、巻回体30b(30d)として巻き取られたフイルム24b(24d)の巻き終わり端部が端部テープ29によって固定されて、フイルムロール31b(31d)が得られる。
【0148】
このように、テープ貼付部13では、ローラ部材278a、278bは、メインフレーム274に対して昇降自在となり、コンベア276によって搬送された巻回体30b、30dを該コンベア276から上方へと離間させることが可能となる。従って、これらの巻回体30b、30dは、ローラ部材278a、278bによって回転可能に支持され、しかも、ワンウエイローラ280bによって回転方向が規制されてフイルム24b、24dが巻き解かれることがないので、容易に且つ確実に端部テープ29を貼り付けることが可能となる(図1参照)。
【0149】
ところで、巻芯28を把持する巻芯チャック118a、118bは、図29に示すように、巻芯把持部材136a、136bに傾斜部135を有しているが、この傾斜部135の傾斜角度θは、巻芯28の挿入方向に対して30°〜55°の範囲が望ましく、40°〜45°の範囲にするとより好適である。なお、巻芯28の内径と傾斜部135の根元の径との間隙(クリアランス)δは、0.2〜0.3[mm]になるようにしている。
【0150】
また、巻芯把持部材136a、136bによる把持ストロークWは、巻芯28が正常に把持されたときに4[mm]となるようにしている。一方、巻芯28が、例えば、斜めに把持された場合には、前記把持ストロークWは3.5[mm]程度となり、あるいは巻芯28が、例えば、前記傾斜部135の先端に乗り上げた状態で把持された場合には、該把持ストロークWは2[mm]程度となる。これらの把持ストロークWの差を検出器137bにより検出することで、巻芯28が正常に把持されたかどうかを判定するようにしている。
【0151】
このように、巻芯把持部材136a、136bの傾斜部135の傾斜角度θを前記の範囲にすることで巻芯28を容易に且つ確実に把持することが可能となる。しかも、仮に巻芯28が正常に把持されなかったとしても、検出器137bによって該巻芯28の把持状態を検出するようにしているので、巻芯28の把持状態の不具合による装置トラブル等の発生を阻止することができる。
【0152】
また、巻芯把持部材136a、136bは、前述したように、図示しない圧力流体源から圧力流体が空間148に供給され、スプリング142bの弾発力に抗して巻芯28の軸方向(矢印D方向)に互いに接近移動することが可能であり、一方、前記空間148から圧力流体が排出されるとともにスプリング142bの弾発力によって、巻芯28の軸方向(矢印D方向)に互いに離間移動することが可能である(図10および図11参照)。従って、巻芯28を把持するための接近移動および離間移動の距離、すなわち巻芯把持部材136a、136bの把持ストロークWを可及的に小さくすることが可能となる。その結果、巻芯回転機構98、ひいてはフイルム加工裁断機12の小型化且つ省スペース化を図ることができる。換言すると、フイルム加工裁断機12におけるフイルム原反16から得られるフイルム24b(24d)の列数(巻き取り数)を可及的に多くすることができる。
【0153】
ところで、本実施形態のフイルム加工裁断機12では、前記のようにしてフイルム24b(24d)の巻き付けおよび巻き取りを行う際、このフイルム24b(24d)に付与されるテンションを適切に調整することにより、過剰なテンションが付与されることがなく、該フイルム24b(24d)が損傷したり、あるいは得られた巻回体30b(30d)に緩みや巻き乱れが生じたりすることを可及的に阻止することができる。
【0154】
すなわち、図30に示すように、制御部402(図19参照)は各時間軸に対して、サクションドラム38を回転駆動するモータ39に対する速度指令値と(図30の上段参照)、フイルム24b(24d)に対する巻き取りテンション指令値と(図30の中段参照)、巻芯チャック118aを回転駆動するモータ120に対する巻き取りトルク指令値と(図30の下段)の関係に基づいて制御している。
【0155】
先ず、時点t0では、例えば、初期巻き付け作業中であり、サクションドラム38が回転駆動されていない状態である。この場合、制御部402は、極めて低い一定の巻き取りテンション指令値T1に基づいて、一定の巻き取りトルク指令値T11でモータ120が回転するように制御している。
【0156】
時点t1において、制御部402は、入力あるいは記憶されている速度指令値に基づく駆動信号をモータ39に出力し、サクションドラム38を回転駆動する。このとき、サクションドラム38は、時点t1から時点t2までの立ち上がり制御域、時点t2から時点t4までの一定加速制御域、および時点t4から時点t6までの一定速度制御移行域によって加速制御された後、一定速度指令値V2で回転するように制御される。これにより、フイルム原反16がフイルム巻き付け装置10に送り出される。
【0157】
一方、モータ120は、時点t1において前記巻き取りテンション指令値T1から移行された一定の巻き取りテンション指令値T2に基づいて、一定の巻き取りトルク指令値T12で回転するように制御されている。この時点t1において、モータ120により回転駆動される巻芯チャック118a(118b)は、巻芯28を把持した状態でフイルム24b(24d)の巻き取り動作を開始している。このとき、フイルム24b(24d)には、一定の巻き取りテンション指令値T2に基づくテンションが付与されている。
【0158】
また、モータ120は、前記サクションドラム38の加速動作の間に(時点t2から時点t6)、時点t3から時点t5において、前記巻き取りテンション指令値T2から、巻芯28の長さに応じて設定された巻き取りテンション指令値T5まで徐々に増加する巻き取りテンション指令値T2〜T5に基づいて、前記巻き取りトルク指令値T12から巻き取りトルク指令値T15まで徐々に増加する巻き取りトルク指令値T12〜T15で回転するように制御されている。その結果、フイルム24b(24d)は、徐々に増加する巻き取りテンション指令値T2〜T5に基づくテンションが付与されながら巻芯28に巻き取られることになる。
【0159】
次いで、時点t5から時点t11において、モータ120は、前記巻き取りテンション指令値T5から巻き取りテンション指令値T4まで徐々に減少する巻き取りテンション指令値T5〜T4に基づく巻き取りトルク指令値T15〜T14で回転するように制御される。
【0160】
この間に、速度指令値V2で回転するように制御されているサクションドラム38が減速制御される。すなわち、時点t7から時点t8までの一定減速制御移行域、時点t8から時点t9までの一定減速制御域、および時点t9から時点t10までの立ち下がり制御域によって減速制御される。そして、時点t10において、一定速度指令値V1で回転するように制御された後、時点t11で速度0にされる。
【0161】
一方、モータ120は、時点t11において、一定の巻き取りテンション指令値T3に基づいて、一定の巻き取りトルク指令値T13で回転するように制御される。そして、時点t12において、モータ120は、前記巻き取りテンション指令値T1に基づく前記巻き取りトルク指令値T11で制御される。
【0162】
以上のようにしてフイルム24b(24d)にかかるテンションを調整しながら巻芯28に対する巻き取り動作を行うことにより、良好な巻回体30b(30d)を製造することができる。
【0163】
すなわち、作業者による巻芯28に対するフイルム24b(24d)の初期巻き付け作業中では、フイルム24b(24d)に付与される巻き取りテンション指令値T1がより低い状態に維持されている。また、モータ120による初期巻き付け動作中では、フイルム24b(24d)に付与される巻き取りテンション指令値T2が低い状態に維持されている。この場合、フイルム24b(24d)によって十分な剛性が付与されていない巻芯28に大きな外力が付与されることがないため、巻芯28が撓むことがなく、従って、フイルム24b(24d)は、良好な状態で巻芯28に巻き取られることになる。
【0164】
次いで、巻芯28に対して所定長のフイルム24b(24d)が巻き取られると、巻芯28に剛性が付与されて撓み難い状態となる。そこで、フイルム24b(24d)のテンションを高い巻き取りテンション指令値T5に切り換えることにより、巻き緩みによる不安定な状態となることなく、フイルム24b(24d)が高速に巻き取られることになる。
【0165】
この場合、比較的長い巻芯28に対しては、前記巻き取りテンション指令値T2で巻き取るフイルム24b(24d)の巻長を長く設定することにより、巻芯28を撓ませない状態でフイルム24b(24d)を巻き取ることができる。また、比較的短い巻芯28に対しては、予め十分な剛性があることから、前記巻き取りテンション指令値T2で巻き取るフイルム24b(24d)の巻長を短く設定し、且つ切り換え後の前記巻き取りテンション指令値T5を高く設定することにより、巻き取り動作中における巻きずれの発生が回避され、良好な巻き取り状態を得ることができる。
【0166】
さらに、本実施形態では、巻き取りテンション指令値T2を巻き取りテンション指令値T5まで増加させる際、急激なテンション変動を与えることなく、所定の増加率で徐々に増加させるようにしているため、フイルム24b(24d)を損傷させることなく巻芯28に巻き取ることができる。
【0167】
また、フイルム24b(24d)のテンションが巻き取りテンション指令値T3に到達した後は、そのテンションを徐々に減少させながら巻き取り動作を行うことにより、巻きずれや巻回体30b(30d)の端面に巻き乱れを生じさせるがなく、極めて良好な巻き取り状態の巻回体30b(30d)を得ることができる。
【0168】
なお、制御部402に入力あるいは記憶されている巻き取りテンション指令値T1〜T5は、各巻回体30b(30d)毎に個々に設定され、独立に制御できることは勿論である。
【0169】
また、本実施形態では、ウエブとしてフイルム原反16から裁断されるフイルム24a〜24eを例示して説明したが、これに限定されるものではなく、樹脂シートや紙等、種々のウエブに適用できることは勿論である。
【0170】
【発明の効果】
本発明に係るウエブ加工装置では、巻芯回転機構に備えられた複数対の可動ベースは、手動操作によって位置調整可能にしている。従って、位置調整を行うための複雑且つ高価な装置を不要としているので、ウエブ加工装置の製作コストを低減することができる。
【0171】
また、種々の幅寸法を有する複数の長尺ウエブが、第1巻き取り部と第2巻き取り部に対して交互に振り分けられて巻き取られる。その際、非稼動状態となる可動ベースが、前記各巻き取り部において待機位置に配置された状態で保持される。従って、例えば、長尺ウエブの種類替えの際に、巻芯回転機構の可動ベースを着脱する必要がないので、巻芯回転機構の位置調整の作業を容易に且つ効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフイルム加工裁断機の概略斜視構成説明図である。
【図2】前記フイルム加工裁断機の概略正面構成説明図である。
【図3】前記フイルム加工裁断機における裁断装置の斜視説明図である。
【図4】前記裁断装置における第1回転刃および第2回転刃の縦断面説明図である。
【図5】前記フイルム加工裁断機における刃物位置決め部の側面説明図である。
【図6】前記刃物位置決め部の正面説明図である。
【図7】前記フイルム加工裁断機におけるフイルム巻き付け装置の正面説明図である。
【図8】前記フイルム巻き付け装置における巻芯回転機構の斜視説明図である。
【図9】前記巻芯回転機構の平面説明図である。
【図10】前記巻芯回転機構における巻芯チャック(118a)の断面図である。
【図11】前記巻芯回転機構における巻芯チャック(118b)の断面図である。
【図12】図12Aは、図10に示す巻芯チャックの斜視図であり、図12Bは、図11に示す巻芯チャックの斜視図である。
【図13】前記フイルム巻き付け装置の正面拡大説明図である。
【図14】前記フイルム巻き付け装置における巻芯供給機構の側面説明図である。
【図15】前記フイルム加工裁断機におけるテープ貼付部の斜視説明図である。
【図16】前記テープ貼付部の側面説明図である。
【図17】前記テープ貼付部の縦断面説明図である。
【図18】前記フイルム加工裁断機における処理装置の正面説明図である。
【図19】前記フイルム加工裁断機の制御構成説明図である。
【図20】前記裁断装置における第1回転刃および第2回転刃を位置調整する際の動作説明図である。
【図21】前記刃物位置決め部により前記第2回転刃を位置調整する際の動作説明図である。
【図22】前記刃物位置決め部により前記第1回転刃を位置調整する際の動作説明図である。
【図23】巻芯にフイルムを巻き付ける際の動作説明図である。
【図24】前記巻芯にフイルムを巻き取る際の動作説明図である。
【図25】前記フイルムを切断するとともに、切断された前記フイルムの巻き終わり端部を巻き取って巻回体を得る際の動作説明図である。
【図26】前記巻回体が支持されるとともに、前記フイルムの巻き始め端部が送り出される際の動作説明図である。
【図27】前記巻回体が前記テープ貼付部に受け渡されるとともに、前記巻芯が巻き取り位置に配置される際の動作説明図である。
【図28】前記巻芯が巻き取り位置において把持されるとともに、前記フイルムの巻き始め端部が送り出される際の動作説明図である。
【図29】前記巻芯チャックの要部拡大断面説明図である。
【図30】前記フイルム加工裁断機における制御部でのフイルム送り出しの速度指令値と、巻き取りテンション指令値と、巻き取りトルク指令値との関係説明図である。
【符号の説明】
10…フイルム巻き付け装置 12…フイルム加工裁断機
13…テープ貼付部 16…フイルム原反
18…フイルム送出装置 20…搬送装置
24a〜24e…フイルム 26…裁断装置
28…巻芯 30a〜30e…巻回体
31a〜31e…フイルムロール 34…処理装置
37、39、59、88b、120、172、190、326、354…モータ
41…エンコーダ 48、50…回転刃
48a、50a…丸刃 48e、50e…端面
52、56…刃物軸
59b、152、154b、158…ピニオン
58c、160b…ラック部材 70…刃物位置決め部
72…位置決め本体 72a…切欠
72b、72c…当接面 74、272…昇降部
76…移動部
88a、114a、114b、212、242、256…ブラケット
98…巻芯回転機構 100…切断機構
102…受け取り機構 104…巻芯供給機構
110…巻芯回転部 112…移動操作部
116a、116b…可動ベース 118a、118b…巻芯チャック
122a、122b、192、328、352…ベルト・プーリ手段
124…クラッチ
126d、132、144、258…ボルト
135…傾斜部 136a、136b…巻芯把持部材
137b、364…検出器 139a、139b…把持面
139c…突起部 150a…ハンドル軸
150b…手動ハンドル 150c…歯車部
154a…ピニオン軸 196、276…コンベア
200…巻芯把持部 202…巻芯位置決め部
204a、204b…開閉チャック
226a、226b、248a、248b…ピン
228a、228b、250a、250b…孔
230、252…係合部材 240…規制プレート
254…補助プレート 270…本体ユニット
278a、278b…ローラ部材 280b…ワンウエイローラ
400…制御回路 402…制御部
404…操作・表示部 408…補助制御部

Claims (5)

  1. ウエブ原反から裁断される種々の幅寸法を有する複数の長尺ウエブを、種々の軸径および軸長を有する複数の巻芯に巻き取るウエブ加工装置であって、
    前記ウエブ加工装置は、前記ウエブ原反の送り出し方向に所定距離離間して配設されるとともに、前記長尺ウエブが交互に振り分けられて巻き取られる第1巻き取り部および第2巻き取り部を有し、
    前記第1および第2巻き取り部には、前記巻芯を回転可能に支持することによって前記長尺ウエブを巻き取る巻芯回転機構が備えられ、
    前記巻芯回転機構は、前記ウエブ原反の幅方向に配置されるとともに、前記長尺ウエブの幅寸法に対応させて手動で位置調整可能な複数対の可動ベースを有することを特徴とするウエブ加工装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記可動ベースは、前記第1および第2巻き取り部にそれぞれ振り分けられた前記長尺ウエブに対応させて、稼動位置または待機位置に適宜配置されることを特徴とするウエブ加工装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記巻芯回転機構は前記巻芯を供給する巻芯供給機構を備え、
    前記巻芯供給機構は、前記巻芯回転機構に対応させて位置調整を行う際に、所定の設定位置に位置決めする挿入部材と、前記設定位置に対応して孔が形成された係合部材と、を有することを特徴とするウエブ加工装置。
  4. 請求項3記載の装置において、
    前記係合部材には、前記挿入部材が所定の設定位置に係合されたかどうかを検出する検出器が備えられることを特徴とするウエブ加工装置。
  5. 請求項3記載の装置において、
    前記挿入部材を係合すべき前記所定の設定位置を、前記係合部材に対して指示する指示手段を有することを特徴とするウエブ加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011114936A1 (ja) * 2010-03-18 2011-09-22 住友化学株式会社 光学フィルム貼合装置及び貼合方法
CN107081810A (zh) * 2017-05-19 2017-08-22 瑞安市丰日机械有限公司 复合膜切机及其模切工艺

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