JP2004284430A - 車両の状態制御方法および車両の状態制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】実行結果を取得した後、所定の制御を開始する車両の状態制御方法およびそのシステムを提供すること。
【解決手段】状態制御システム10を構成する第1制御手段としての装置ECU11と第2制御手段としてのメータECU12とは、LANによって、双方向通信可能に接続されている。装置ECU11は、装置13の作動状態を各種センサー群14から取得して、装置13の作動制御する。そして、装置13に異常が発生すると、メータECU12に対して、警告灯装置15の所定の警告灯を点灯するように要求する。メータECU12は、同要求をLANを介して取得し、警告灯装置15の所定の警告灯を点灯制御するとともに、点灯制御が完了したことを表す点灯情報を装置ECU11に供給する。これにより、装置ECU11は、点灯情報を取得した後、所定の異常対処制御を装置13に実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】状態制御システム10を構成する第1制御手段としての装置ECU11と第2制御手段としてのメータECU12とは、LANによって、双方向通信可能に接続されている。装置ECU11は、装置13の作動状態を各種センサー群14から取得して、装置13の作動制御する。そして、装置13に異常が発生すると、メータECU12に対して、警告灯装置15の所定の警告灯を点灯するように要求する。メータECU12は、同要求をLANを介して取得し、警告灯装置15の所定の警告灯を点灯制御するとともに、点灯制御が完了したことを表す点灯情報を装置ECU11に供給する。これにより、装置ECU11は、点灯情報を取得した後、所定の異常対処制御を装置13に実行する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に発生した状態に応じて、車両の状態を制御する車両の状態制御方法および車両の状態制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、以下の特許文献1ないし特許文献3に示すように、車両に搭載された電子機器に異常が発生したときの制御方法はよく知られている。特許文献1に示す従来の制御方法においては、車両に搭載された電子機器のうち、一の電子機器が故障したときに、同電子機器の作動を制御する制御コンピュータは、メインコンピュータに対して、故障情報を供給する。そして、メインコンピュータは、他の電子機器を制御する制御コンピュータに供給された故障情報を供給する。これにより、他の制御コンピュータは、故障した電子機器に代わって、発生した故障を運転者に知らせるようになっている。
【0003】
また、特許文献2に示す従来の制御方法においては、電子機器に異常が発生したときに、同電子装置を制御する制御コンピュータは、発生した異常を表す異常情報をメインコンピュータに送信するとともに、発生した異常に対処した制御を電子機器に対して実行する。このとき、メインコンピュータは、送信された異常情報に基づいて、乗員に対して、発生した異常を知らせるようになっている。
【0004】
さらに、特許文献3に示す従来の制御方法においては、車両に搭載された複数の制御コンピュータ間で、互いに制御コンピュータの診断を行い、制御コンピュータに故障が発生しているか否かを検出するようになっている。これにより、制御コンピュータに故障が発生していれば、故障信号が出力され、故障の発生している制御コンピュータが特定されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−80944号公報
【特許文献2】
特開昭58−133935号公報
【特許文献3】
特開平7−69093号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の制御方法においては、制御コンピュータが発生した異常に対処する制御を実行するタイミングと、メインコンピュータや他の制御コンピュータが乗員に異常を知らせるタイミングとが整合しない場合がある。すなわち、制御コンピュータは、運転者に異常が提示されたか否かに関わらず、電子機器の異常に対処した制御を実行する場合がある。この場合、乗員が電子機器に発生した異常を認識しないうちに制御コンピュータが電子機器を制御するため、乗員は的確に発生した異常に対処できない可能性がある。このように、電子機器に異常が発生したときには、まず、乗員に異常が提示された後に、電子機器の異常に対する制御が実行されることが望まれている。
【0007】
【発明の概略】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車両の状態を制御する際、特に、車両に発生した異常状態を制御する際には、乗員に発生した異常を通知してから、装置の作動制御を開始する車両の状態制御方法および車両の状態制御システムを提供することにある。
【0008】
本発明の特徴は、車両に搭載された装置をそれぞれ作動制御する第1制御手段と第2制御手段が互いに通信し、前記装置の作動状態に応じて、前記第1制御手段と第2制御手段が車両の状態を制御する車両の状態制御方法において、前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して、同第2制御手段が制御する装置の作動制御の実行開始を要求し、前記第2制御手段は、前記要求された装置の作動制御を実行するとともに同実行した作動制御の実行結果を前記第1制御手段に供給し、前記第1制御手段は、前記第2制御手段から供給された実行結果を取得した後、前記第1制御手段が制御する装置の作動制御の実行を開始することにある。
【0009】
この場合、前記第1制御手段と前記第2制御手段は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行するとよい。また、前記第2制御手段が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、前記第2制御手段が前記第1制御手段に供給する実行結果は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報であるとよい。
【0010】
また、本発明の特徴を別の観点から捉えると、車両に搭載された複数の装置のそれぞれを作動制御する第1制御装置および第2制御装置が、互いに通信回線を介して通信し、前記車両の搭載された装置の作動状態に応じて、車両の状態を制御する車両の状態制御システムにおいて、前記第1制御装置および第2制御装置は、前記車両に搭載された装置の作動を制御する制御手段と、前記制御手段によって作動制御された前記装置の作動状態を取得する状態取得手段と、前記状態取得手段によって取得された前記装置の作動状態を表す作動状態情報を他の制御装置に供給する作動状態情報供給手段と、前記他の制御装置に対して、所定の作動制御の実行の要求を表す要求情報を供給する要求供給手段と、前記他の制御装置の要求供給手段によって供給された要求情報を取得する要求情報取得手段とを備え、前記通信回線は、前記第1制御装置および第2制御装置間で双方向の通信を可能とする双方向通信手段を備えたことにある。
【0011】
この場合、前記第1制御装置と前記第2制御装置は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行するとよい。また、前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が前記他の制御装置に供給する作動状態情報は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報であるとよい。
【0012】
これらの特徴によれば、第1制御手段は第2制御手段に対して、作動制御の実行開始を要求することができる。一方、第2制御手段は、要求された作動制御の実行結果を第1制御手段に供給することができる。そして、第1制御手段は、供給された実行結果を取得した後、作動制御の実行を開始することができる。このため、第1制御手段と第2制御手段とが協働して車両の状態を制御する際には、第2制御手段の実行結果に基づいて、第1制御手段が作動制御することができる。したがって、第1制御手段の作動制御と第2制御手段の作動制御とが相反する制御を効果的に防止することができる。
【0013】
また、車両の状態が車両に発生した異常状態である場合には、まず、第2制御手段によって異常警告灯が点灯され、第1制御手段は、点灯状態を表す情報を取得した後に、作動制御することができる。このため、第2制御手段の作動制御による乗員に異常を知らせるタイミングと、第1制御手段によって装置が制御されるタイミングとを整合させることができる。したがって、乗員は、第1制御手段による作動制御(例えば、異常対処制御など)が実行される前に、車両に発生した異常を認識することができて、的確に発生した異常に対処することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係り、車両の搭載された状態制御システム10を概略的に示した概略ブロック図である。この状態制御システム10は、第1制御手段としての装置電子制御ユニット11(以下、単に装置ECU11という)と、第2制御手段としてのメータ電子制御ユニット12(以下、単にメータECU12という)とを備えている。
【0015】
装置ECU11は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、車両に搭載された複数の装置13(例えば、エンジン、ブレーキなど)のそれぞれの作動を制御する。なお、これら複数の装置13の作動をそれぞれ制御する装置ECU11は、互いに連携して車両の状態を制御するが、その詳細な作動制御については、本発明に直接関係しないため説明を省略する。また、装置ECU11は、装置13に組み付けられた各種センサー群14から供給される検出値に基づいて、装置13の作動状態を管理する。そして、装置ECU11は、後述するように、装置13の作動に異常が発生すると、図2に示す装置ECU側プログラムを実行して、発生した異常に対処するための処理を実行する。
【0016】
メータECU12は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、車速などを表す各種メータの作動を制御するとともに、車両に発生した異常を乗員に知らせるための警告灯装置15を統括的に制御する。そして、メータECU12は、装置ECU11からの要求に応答して、図2に示すメータECU側プログラムを実行し、警告灯装置15に設けられた警告灯の点灯を制御する。このように、装置ECU11からの要求を取得するため、メータECU12は、車両に構築された通信回線としてのLAN(Local Area Network)を介して、装置ECU11と双方向通信可能に接続されている。
【0017】
次に、このように構成された車両の状態制御システムの作動について、以下に詳細に説明する。図示しないイグニッションスイッチの投入により、装置ECU11は、図2の異常処理プログラムの実行を開始する。この異常処理プログラムは、ステップS10にて開始され、ステップS12にて、車両に搭載された装置13に異常が発生したか否かを判定する。
【0018】
具体的に説明すると、装置ECU11は、作動を制御している装置13に組み付けられた各種センサー群14から供給された作動状態を表す作動状態情報を取得する。ここで作動状態情報とは、例えば、装置ECU11がエンジンを制御するエンジンECUである場合には水温を表す水温情報や、ブレーキ装置を制御するブレーキECUである場合にはブレーキ油圧を表すブレーキ油圧情報などである。
【0019】
そして、装置ECU11は、取得した作動状態情報と図示しないROMに予め記憶されている異常を判定するための判定基準とを比較することにより、装置13に異常が発生しているか否かを判定する。ここで判定基準とは、上記例の場合には、適正な水温や適正なブレーキ油圧などである。この比較により、装置13に異常が発生していなければ、装置ECU11は「No」と判定し、装置13に異常が発生して「Yes」と判定されるまで繰り返し実行する。
【0020】
一方、ステップS12にて、装置13に異常が発生しており「Yes」と判定すると、ステップS14に進む。ステップS14においては、装置ECU11は、メータECU12に対して、警告灯装置15の警告灯を点灯するように要求する。すなわち、装置ECU11は、LANを介して、メータECU12に異常が発生した装置13に対応する警告灯装置15の警告灯を点灯するように点灯要求を供給する。
【0021】
メータECU12は、ステップM10において、前記ステップS14にて装置ECU11から供給された点灯要求を、LANを介して取得して、ステップM12に進む。ステップM12においては、メータECU12は、警告灯装置15に設けられた種々の警告灯のうち、装置ECU11によって点灯を要求された警告灯を点灯するように制御する。これにより、警告灯装置15に設けられた警告灯が点灯し、乗員(運転者)に対して、装置13に発生した異常が通知される。
【0022】
具体的には、例えば、エンジンの水温が適正な水温を超えている場合には、水温の異常を表す警告灯が点灯し、ブレーキの油圧が適正な油圧以下である場合には、ブレーキ油圧の異常を表す警告灯が点灯する。これにより、乗員(運転者)は、エンジンの水温やブレーキの油圧に異常が発生していることを知ることができる。前記ステップM12の処理後、ステップM14に進み、メータECU12は、LANを介して、装置ECU11に要求された警告灯装置15の点灯制御が完了したことを表す点灯情報を供給する。
【0023】
装置ECU11は、ステップS16において、前記ステップM14にてメータECU12から供給された点灯情報を、LANを介して取得して、ステップS18に進む。ステップS18においては、装置ECU11は、装置13に発生した異常に対処するための制御を実行する。すなわち、装置ECU11は、装置13に発生した異常状態に応じて、図示しないROMに予め設定されて記憶されている異常対処制御を実行する。なお、この異常対処制御については、様々な制御が考えられるため、その詳細な説明は省略するが、例えば、車両の車速を減速するためにスロットルバルブを閉じる制御や、他の車両に対して自車両が停車することを知らせるハザード点滅制御などが考えられる。そして、このような異常対処制御を実行することにより、乗員の安全を確保する。この異常対処制御が実行されると、装置ECU11は、ステップS20に進み、プログラムの実行を終了する。
【0024】
以上の説明からも理解することができるように、本実施形態の状態制御システム10によれば、装置ECU11は、メータECU12と通信して、警告灯装置15の点灯制御が完了したことを表す点灯情報を取得することができる。そして、装置ECU11は、点灯情報を取得した後に、異常対処制御することができる。このため、メータECU12の作動制御により警告灯装置15の警告灯が点灯して乗員に異常を知らせるタイミングと、装置ECU11によって装置が制御されるタイミングとを整合させることができる。
【0025】
これにより、乗員(運転者)は、異常対処制御が実行される前に、車両に搭載された装置13すなわち車両に異常が発生したことを認識することができる。したがって、乗員(運転者)は、的確に発生した異常に対処することができる。
【0026】
上記実施形態においては、車両に搭載された装置13に異常が発生した場合の車両の状態制御に、本発明の状態制御システム10を適用して実施した。しかしながら、装置ECU11が装置13の通常の作動制御すなわち装置13に異常が発生しておらず車両を走行させるために必要な作動制御を実行する場合に、本発明の状態制御システム10を適用して実施可能であることはいうまでもない。
【0027】
具体的に、車両のブレーキ装置を制御するブレーキECUと車両のエンジンを制御するエンジンECUとが協働してそれぞれの装置の作動を制御する場合を例示して説明する。この場合、ブレーキECUがブレーキ装置の作動制御(すなわち車速を減速制御)する際には、ブレーキECUは、エンジンECUに対して、エンジンに組み付けられたスロットルバルブを閉じるように、LANを介して要求する。エンジンECUは、要求に基づいて、スロットルバルブを閉じるとともに、同バルブを閉じたことを表す情報を、LANを介してブレーキECUに供給する。ブレーキECUは、供給された情報を取得した後、ブレーキ装置の作動を制御する。これにより、車両の車速を確実に減速することができる。
【0028】
このように、異常発生時以外の通常の作動制御においても、状態制御システム10を適用することにより、例えば、一方で減速制御を実行し他方で加速制御を実行するように、相反する制御を効果的に防止することができて、車両の走行状態を好適に制御することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施に当たっては、上記各実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の状態制御システムの全体を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の装置ECUおよびメータECUにて実行される異常処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…状態制御システム、11…装置ECU、12…メータECU、13…装置、14…各種センサー群、15…警告灯装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に発生した状態に応じて、車両の状態を制御する車両の状態制御方法および車両の状態制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、以下の特許文献1ないし特許文献3に示すように、車両に搭載された電子機器に異常が発生したときの制御方法はよく知られている。特許文献1に示す従来の制御方法においては、車両に搭載された電子機器のうち、一の電子機器が故障したときに、同電子機器の作動を制御する制御コンピュータは、メインコンピュータに対して、故障情報を供給する。そして、メインコンピュータは、他の電子機器を制御する制御コンピュータに供給された故障情報を供給する。これにより、他の制御コンピュータは、故障した電子機器に代わって、発生した故障を運転者に知らせるようになっている。
【0003】
また、特許文献2に示す従来の制御方法においては、電子機器に異常が発生したときに、同電子装置を制御する制御コンピュータは、発生した異常を表す異常情報をメインコンピュータに送信するとともに、発生した異常に対処した制御を電子機器に対して実行する。このとき、メインコンピュータは、送信された異常情報に基づいて、乗員に対して、発生した異常を知らせるようになっている。
【0004】
さらに、特許文献3に示す従来の制御方法においては、車両に搭載された複数の制御コンピュータ間で、互いに制御コンピュータの診断を行い、制御コンピュータに故障が発生しているか否かを検出するようになっている。これにより、制御コンピュータに故障が発生していれば、故障信号が出力され、故障の発生している制御コンピュータが特定されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−80944号公報
【特許文献2】
特開昭58−133935号公報
【特許文献3】
特開平7−69093号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の制御方法においては、制御コンピュータが発生した異常に対処する制御を実行するタイミングと、メインコンピュータや他の制御コンピュータが乗員に異常を知らせるタイミングとが整合しない場合がある。すなわち、制御コンピュータは、運転者に異常が提示されたか否かに関わらず、電子機器の異常に対処した制御を実行する場合がある。この場合、乗員が電子機器に発生した異常を認識しないうちに制御コンピュータが電子機器を制御するため、乗員は的確に発生した異常に対処できない可能性がある。このように、電子機器に異常が発生したときには、まず、乗員に異常が提示された後に、電子機器の異常に対する制御が実行されることが望まれている。
【0007】
【発明の概略】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、車両の状態を制御する際、特に、車両に発生した異常状態を制御する際には、乗員に発生した異常を通知してから、装置の作動制御を開始する車両の状態制御方法および車両の状態制御システムを提供することにある。
【0008】
本発明の特徴は、車両に搭載された装置をそれぞれ作動制御する第1制御手段と第2制御手段が互いに通信し、前記装置の作動状態に応じて、前記第1制御手段と第2制御手段が車両の状態を制御する車両の状態制御方法において、前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して、同第2制御手段が制御する装置の作動制御の実行開始を要求し、前記第2制御手段は、前記要求された装置の作動制御を実行するとともに同実行した作動制御の実行結果を前記第1制御手段に供給し、前記第1制御手段は、前記第2制御手段から供給された実行結果を取得した後、前記第1制御手段が制御する装置の作動制御の実行を開始することにある。
【0009】
この場合、前記第1制御手段と前記第2制御手段は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行するとよい。また、前記第2制御手段が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、前記第2制御手段が前記第1制御手段に供給する実行結果は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報であるとよい。
【0010】
また、本発明の特徴を別の観点から捉えると、車両に搭載された複数の装置のそれぞれを作動制御する第1制御装置および第2制御装置が、互いに通信回線を介して通信し、前記車両の搭載された装置の作動状態に応じて、車両の状態を制御する車両の状態制御システムにおいて、前記第1制御装置および第2制御装置は、前記車両に搭載された装置の作動を制御する制御手段と、前記制御手段によって作動制御された前記装置の作動状態を取得する状態取得手段と、前記状態取得手段によって取得された前記装置の作動状態を表す作動状態情報を他の制御装置に供給する作動状態情報供給手段と、前記他の制御装置に対して、所定の作動制御の実行の要求を表す要求情報を供給する要求供給手段と、前記他の制御装置の要求供給手段によって供給された要求情報を取得する要求情報取得手段とを備え、前記通信回線は、前記第1制御装置および第2制御装置間で双方向の通信を可能とする双方向通信手段を備えたことにある。
【0011】
この場合、前記第1制御装置と前記第2制御装置は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行するとよい。また、前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が前記他の制御装置に供給する作動状態情報は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報であるとよい。
【0012】
これらの特徴によれば、第1制御手段は第2制御手段に対して、作動制御の実行開始を要求することができる。一方、第2制御手段は、要求された作動制御の実行結果を第1制御手段に供給することができる。そして、第1制御手段は、供給された実行結果を取得した後、作動制御の実行を開始することができる。このため、第1制御手段と第2制御手段とが協働して車両の状態を制御する際には、第2制御手段の実行結果に基づいて、第1制御手段が作動制御することができる。したがって、第1制御手段の作動制御と第2制御手段の作動制御とが相反する制御を効果的に防止することができる。
【0013】
また、車両の状態が車両に発生した異常状態である場合には、まず、第2制御手段によって異常警告灯が点灯され、第1制御手段は、点灯状態を表す情報を取得した後に、作動制御することができる。このため、第2制御手段の作動制御による乗員に異常を知らせるタイミングと、第1制御手段によって装置が制御されるタイミングとを整合させることができる。したがって、乗員は、第1制御手段による作動制御(例えば、異常対処制御など)が実行される前に、車両に発生した異常を認識することができて、的確に発生した異常に対処することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係り、車両の搭載された状態制御システム10を概略的に示した概略ブロック図である。この状態制御システム10は、第1制御手段としての装置電子制御ユニット11(以下、単に装置ECU11という)と、第2制御手段としてのメータ電子制御ユニット12(以下、単にメータECU12という)とを備えている。
【0015】
装置ECU11は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、車両に搭載された複数の装置13(例えば、エンジン、ブレーキなど)のそれぞれの作動を制御する。なお、これら複数の装置13の作動をそれぞれ制御する装置ECU11は、互いに連携して車両の状態を制御するが、その詳細な作動制御については、本発明に直接関係しないため説明を省略する。また、装置ECU11は、装置13に組み付けられた各種センサー群14から供給される検出値に基づいて、装置13の作動状態を管理する。そして、装置ECU11は、後述するように、装置13の作動に異常が発生すると、図2に示す装置ECU側プログラムを実行して、発生した異常に対処するための処理を実行する。
【0016】
メータECU12は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品としており、車速などを表す各種メータの作動を制御するとともに、車両に発生した異常を乗員に知らせるための警告灯装置15を統括的に制御する。そして、メータECU12は、装置ECU11からの要求に応答して、図2に示すメータECU側プログラムを実行し、警告灯装置15に設けられた警告灯の点灯を制御する。このように、装置ECU11からの要求を取得するため、メータECU12は、車両に構築された通信回線としてのLAN(Local Area Network)を介して、装置ECU11と双方向通信可能に接続されている。
【0017】
次に、このように構成された車両の状態制御システムの作動について、以下に詳細に説明する。図示しないイグニッションスイッチの投入により、装置ECU11は、図2の異常処理プログラムの実行を開始する。この異常処理プログラムは、ステップS10にて開始され、ステップS12にて、車両に搭載された装置13に異常が発生したか否かを判定する。
【0018】
具体的に説明すると、装置ECU11は、作動を制御している装置13に組み付けられた各種センサー群14から供給された作動状態を表す作動状態情報を取得する。ここで作動状態情報とは、例えば、装置ECU11がエンジンを制御するエンジンECUである場合には水温を表す水温情報や、ブレーキ装置を制御するブレーキECUである場合にはブレーキ油圧を表すブレーキ油圧情報などである。
【0019】
そして、装置ECU11は、取得した作動状態情報と図示しないROMに予め記憶されている異常を判定するための判定基準とを比較することにより、装置13に異常が発生しているか否かを判定する。ここで判定基準とは、上記例の場合には、適正な水温や適正なブレーキ油圧などである。この比較により、装置13に異常が発生していなければ、装置ECU11は「No」と判定し、装置13に異常が発生して「Yes」と判定されるまで繰り返し実行する。
【0020】
一方、ステップS12にて、装置13に異常が発生しており「Yes」と判定すると、ステップS14に進む。ステップS14においては、装置ECU11は、メータECU12に対して、警告灯装置15の警告灯を点灯するように要求する。すなわち、装置ECU11は、LANを介して、メータECU12に異常が発生した装置13に対応する警告灯装置15の警告灯を点灯するように点灯要求を供給する。
【0021】
メータECU12は、ステップM10において、前記ステップS14にて装置ECU11から供給された点灯要求を、LANを介して取得して、ステップM12に進む。ステップM12においては、メータECU12は、警告灯装置15に設けられた種々の警告灯のうち、装置ECU11によって点灯を要求された警告灯を点灯するように制御する。これにより、警告灯装置15に設けられた警告灯が点灯し、乗員(運転者)に対して、装置13に発生した異常が通知される。
【0022】
具体的には、例えば、エンジンの水温が適正な水温を超えている場合には、水温の異常を表す警告灯が点灯し、ブレーキの油圧が適正な油圧以下である場合には、ブレーキ油圧の異常を表す警告灯が点灯する。これにより、乗員(運転者)は、エンジンの水温やブレーキの油圧に異常が発生していることを知ることができる。前記ステップM12の処理後、ステップM14に進み、メータECU12は、LANを介して、装置ECU11に要求された警告灯装置15の点灯制御が完了したことを表す点灯情報を供給する。
【0023】
装置ECU11は、ステップS16において、前記ステップM14にてメータECU12から供給された点灯情報を、LANを介して取得して、ステップS18に進む。ステップS18においては、装置ECU11は、装置13に発生した異常に対処するための制御を実行する。すなわち、装置ECU11は、装置13に発生した異常状態に応じて、図示しないROMに予め設定されて記憶されている異常対処制御を実行する。なお、この異常対処制御については、様々な制御が考えられるため、その詳細な説明は省略するが、例えば、車両の車速を減速するためにスロットルバルブを閉じる制御や、他の車両に対して自車両が停車することを知らせるハザード点滅制御などが考えられる。そして、このような異常対処制御を実行することにより、乗員の安全を確保する。この異常対処制御が実行されると、装置ECU11は、ステップS20に進み、プログラムの実行を終了する。
【0024】
以上の説明からも理解することができるように、本実施形態の状態制御システム10によれば、装置ECU11は、メータECU12と通信して、警告灯装置15の点灯制御が完了したことを表す点灯情報を取得することができる。そして、装置ECU11は、点灯情報を取得した後に、異常対処制御することができる。このため、メータECU12の作動制御により警告灯装置15の警告灯が点灯して乗員に異常を知らせるタイミングと、装置ECU11によって装置が制御されるタイミングとを整合させることができる。
【0025】
これにより、乗員(運転者)は、異常対処制御が実行される前に、車両に搭載された装置13すなわち車両に異常が発生したことを認識することができる。したがって、乗員(運転者)は、的確に発生した異常に対処することができる。
【0026】
上記実施形態においては、車両に搭載された装置13に異常が発生した場合の車両の状態制御に、本発明の状態制御システム10を適用して実施した。しかしながら、装置ECU11が装置13の通常の作動制御すなわち装置13に異常が発生しておらず車両を走行させるために必要な作動制御を実行する場合に、本発明の状態制御システム10を適用して実施可能であることはいうまでもない。
【0027】
具体的に、車両のブレーキ装置を制御するブレーキECUと車両のエンジンを制御するエンジンECUとが協働してそれぞれの装置の作動を制御する場合を例示して説明する。この場合、ブレーキECUがブレーキ装置の作動制御(すなわち車速を減速制御)する際には、ブレーキECUは、エンジンECUに対して、エンジンに組み付けられたスロットルバルブを閉じるように、LANを介して要求する。エンジンECUは、要求に基づいて、スロットルバルブを閉じるとともに、同バルブを閉じたことを表す情報を、LANを介してブレーキECUに供給する。ブレーキECUは、供給された情報を取得した後、ブレーキ装置の作動を制御する。これにより、車両の車速を確実に減速することができる。
【0028】
このように、異常発生時以外の通常の作動制御においても、状態制御システム10を適用することにより、例えば、一方で減速制御を実行し他方で加速制御を実行するように、相反する制御を効果的に防止することができて、車両の走行状態を好適に制御することができる。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施に当たっては、上記各実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の状態制御システムの全体を示す概略ブロック図である。
【図2】図1の装置ECUおよびメータECUにて実行される異常処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…状態制御システム、11…装置ECU、12…メータECU、13…装置、14…各種センサー群、15…警告灯装置
Claims (6)
- 車両に搭載された装置をそれぞれ作動制御する第1制御手段と第2制御手段が互いに通信し、前記装置の作動状態に応じて、前記第1制御手段と第2制御手段が車両の状態を制御する車両の状態制御方法において、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段に対して、同第2制御手段が制御する装置の作動制御の実行開始を要求し、
前記第2制御手段は、前記要求された装置の作動制御を実行するとともに同実行した作動制御の実行結果を前記第1制御手段に供給し、
前記第1制御手段は、前記第2制御手段から供給された実行結果を取得した後、前記第1制御手段が制御する装置の作動制御の実行を開始することを特徴とする車両の状態制御方法。 - 前記第1制御手段と前記第2制御手段は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行する請求項1に記載した車両の状態制御方法。
- 前記第2制御手段が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、
前記第2制御手段が前記第1制御手段に供給する実行結果は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報である請求項1または請求項2に記載した車両の状態制御方法。 - 車両に搭載された複数の装置のそれぞれを作動制御する第1制御装置および第2制御装置が、互いに通信回線を介して通信し、前記車両の搭載された装置の作動状態に応じて、車両の状態を制御する車両の状態制御システムにおいて、
前記第1制御装置および第2制御装置は、
前記車両に搭載された装置の作動を制御する制御手段と、
前記制御手段によって作動制御された前記装置の作動状態を取得する状態取得手段と、
前記状態取得手段によって取得された前記装置の作動状態を表す作動状態情報を他の制御装置に供給する作動状態情報供給手段と、
前記他の制御装置に対して、所定の作動制御の実行の要求を表す要求情報を供給する要求供給手段と、
前記他の制御装置の要求供給手段によって供給された要求情報を取得する要求情報取得手段とを備え、
前記通信回線は、
前記前記第1制御装置および第2制御装置間で双方向の通信を可能とする双方向通信手段を備えたことを特徴とする車両の状態制御システム。 - 前記第1制御装置と前記第2制御装置は、車両に発生した異常に応じて、異なる作動制御を実行する請求項4に記載した車両の状態制御システム。
- 前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が制御する装置は、車両に搭載されて同車両に発生した異常を乗員に知らせる異常警告灯装置であって、
前記第1制御装置または前記第2制御装置のうちの一方の制御装置が前記他の制御装置に供給する作動状態情報は、前記異常警告灯装置の点灯状態を表す情報である請求項4または請求項5に記載した車両の状態制御システム。
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JP2003076827A JP2004284430A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 車両の状態制御方法および車両の状態制御システム |
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JP2003076827A JP2004284430A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 車両の状態制御方法および車両の状態制御システム |
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JP2004284430A true JP2004284430A (ja) | 2004-10-14 |
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Family Applications (1)
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JP2003076827A Pending JP2004284430A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | 車両の状態制御方法および車両の状態制御システム |
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JP (1) | JP2004284430A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8791803B2 (en) | 2008-01-11 | 2014-07-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Abnormality detection apparatus |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003076827A patent/JP2004284430A/ja active Pending
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