JP2004284162A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】オリフィスプレートの耐久性を向上させる。
【解決手段】インクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するインク流路溝9および各インク流路に対応する吐出口8が設けられたオリフィスプレート7が形成された天板2と、天板2に接合されて天板2との間に複数のインク流路を構成し、各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて各吐出口8からインクを吐出させる電気熱変換体5が設けられた素子基板3とを有する。天板2の素子基板3が接合される面(インク流路面10)は、オリフィスプレート7に対して垂直な方向から傾けられている。オリフィスプレート7の裏面に対向する位置には、オリフィスプレート7と平行をなし、オリフィスプレート7を支持する平面部13が形成されたベースプレート3aが備えられている。
【選択図】 図1
【解決手段】インクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するインク流路溝9および各インク流路に対応する吐出口8が設けられたオリフィスプレート7が形成された天板2と、天板2に接合されて天板2との間に複数のインク流路を構成し、各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて各吐出口8からインクを吐出させる電気熱変換体5が設けられた素子基板3とを有する。天板2の素子基板3が接合される面(インク流路面10)は、オリフィスプレート7に対して垂直な方向から傾けられている。オリフィスプレート7の裏面に対向する位置には、オリフィスプレート7と平行をなし、オリフィスプレート7を支持する平面部13が形成されたベースプレート3aが備えられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オリフィスプレートに形成された吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録ヘッドとしては、複数のインク流路を形成するためのインク流路溝および各インク流路に対応する吐出口を有するオリフィスプレートが形成された天板に、インク吐出のために利用される熱エネルギーを発生する複数の素子が各インク流路に対応して配列され、ベースプレート上に固定された素子基板を、弾性部材等からなる押圧部材を用いて接合したものが知られている。
【0003】
このような、素子基板に溝付き天板が接合されることによってインク流路が形成されるインクジェット記録ヘッドは、天板の吐出口が形成されているオリフィスプレートが、天板の素子基板が接合される面であるインク流路面に対してほぼ垂直になっている。そのため、従来の記録ヘッドは、素子基板を固定している厚さ数mmの平板であるベースプレートの端面でオリフィスプレートを補強する構造になっている。
【0004】
しかし、上記の構成の場合には、オリフィスプレートからのインク吐出方向が、オリフィスプレートに対して垂直な方向とならない。そのため、例えば、一つのオリフィスプレートに二列の吐出口列を設ける場合には、二つの吐出口列からのインク吐出方向が「ハの字状」または「逆ハの字状」になり、オリフィスプレートと紙等の印字面との間の距離のばらつきによって記録品位が大きく変わってしまう。そこで、上記のような記録品位の変化を低減させるために、オリフィスプレートに対して垂直な方向にインク吐出を行うことができるインクジェット記録ヘッドが考えられている。
【0005】
図3は従来のインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図、図4は図3に示したインクジェット記録ヘッドの部分断面図である。
【0006】
従来のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するインク流路溝109および各インク流路に対応する吐出口108が設けられたオリフィスプレート107が形成された天板102と、天板102に接合されて天板102との間に複数のインク流路を構成し、各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて各吐出口108からインクを吐出させる熱発生素子である電気熱変換体105が設けられた素子基板103とを有する。素子基板103はベースプレート103aに固定されており、ベースプレート103aは押圧部材101によって天板102側に付勢されている。そのため、素子基板103は、押圧部材101によって天板102に押圧されることにより、天板102に接合されている。なお、天板102のインク流路面110(天板102の素子基板103が接合される面)は、オリフィスプレート107に対して垂直な方向から約20°傾けられている。
【0007】
また、本従来例では、一つの天板102に対して二つの素子基板103が互いに対向された状態に対称に配置されており、二列のインク吐出口からのインク吐出方向を同じにするために、各オリフィスプレート107の吐出口108はオリフィスプレート107に対して垂直な方向に開口されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示すような、天板102のインク流路面110がオリフィスプレート107に対して垂直となるように構成されていない従来のインクジェット記録ヘッドでは、天板102のインク流路面110に接合される素子基板103およびベースプレート103aとオリフィスプレート107との間に、ある程度の空間111が生じてしまう。
【0009】
したがって、オリフィスプレート107がベースプレート103aによって支持されないので、オリフィスプレート107を補強することができない。また、その代わりとして、例えば押圧部材101の先端部でオリフィスプレート107を支持する構成とした場合であっても、オリフィスプレート107に対する支持面積を未だ十分に確保することができず、十分な補強強度を得ることができない。さらに、その不足している補強強度を補うために、空間111にシリコーン等の高分子材料を充填した場合であっても、高分子材料自身が剛性を有さないために十分な支持強度を得ることができない。そのため、オリフィスプレート107の耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性が不十分になるおそれがある。
【0010】
そこで本発明は、天板のインク流路面(天板の素子基板が接合される面)がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレートの耐久性を向上させることができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するための複数のインク流路溝および前記各インク流路に対応する複数の吐出口が列をなして設けられたオリフィスプレートが形成された天板と、該天板に接合されて前記天板との間に前記複数のインク流路を構成し、前記各インク流路溝に対向する位置には前記各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて前記各吐出口から前記インクを吐出させる熱発生素子が設けられた素子基板とを有し、前記天板の前記素子基板が接合される面が前記オリフィスプレートに対して垂直な方向から傾けられているインクジェット記録ヘッドにおいて、前記オリフィスプレートの裏面に対向する位置には、前記オリフィスプレートと平行をなす平面部であって、前記オリフィスプレートを支持する平面部が形成された支持部材が備えられていることを特徴とする。
【0012】
上記本発明によれば、天板の素子基板が接合される面がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、十分な支持面積を備えた平面部によってオリフィスプレートが支持されることにより、オリフィスプレートの耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能となる。
【0013】
さらに、前記支持部材には前記素子基板が熱伝導性接着剤によって固定されている構成とすることにより、素子基板から発生するインク吐出熱の余熱を支持部材を介して放熱させることが可能となる。
【0014】
さらには、前記支持部材は金属材料からなる構成とすることにより、支持部材に剛性を持たせるとともに、素子基板から伝導される熱の放熱特性を向上させることが可能となる。
【0015】
また、前記平面部に溝が形成されている構成とすることにより、オリフィスプレートと平面部との間の隙間にシリコーン等の高分子材料を流入させる際に、空気溜まり等をつくらずに隙間の隅々まで高分子材料を充填することが可能となる。
【0016】
さらに、前記溝は、前記平面部の中央に、前記吐出口の列に対して垂直な方向に延びるように形成されている構成とすることが好ましい。
【0017】
また、前記平面部が、前記天板の前記素子基板が接合される面に対して100°から115°の角度をなすように構成されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施形態を示す部分断面図、図2は図1に示したインクジェット記録ヘッドにおけるベースプレートを示す斜視図である。ここで、図1に示すインクジェット記録ヘッドの押圧部材1、天板2、素子基板3、配線基板4、熱発生素子である電気熱変換体5、オリフィスプレート7、吐出口8、インク流路溝9およびインク流路面10の各構成は、図3および図4を参照して説明した従来のインクジェット記録ヘッドと同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0020】
図1および図2に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドにおいては、素子基板3が固定されるベースプレート3aの、オリフィスプレート7の裏面に対向する部分に、オリフィスプレート7を支持するための平面部13が形成されている。そのため、本実施形態のベースプレート3aは、オリフィスプレート7を支持するための支持部材としても機能するものである。
【0021】
さらに、平面部13の中央には、ベースプレート3aの一方の端面から他方の端面にかけて形成された溝12が、吐出口8の列に対して垂直な方向に延びるように設けられている。また、平面部13は、インク流路面10(天板2の素子基板3が接合される面)に対する角度θが、100°から115°となるように設けられている。
【0022】
インクジェット記録ヘッドの内部において、ベースプレート3aの平面部13をオリフィスプレート7の近傍に配置させることにより、オリフィスプレート7がこの平面部13に支持されることとなる。そのため、オリフィスプレート7が平面部13で支持されることによって、オリフィスプレート7に対する支持面積が十分に確保される。さらに、本実施形態のベースプレート3aは金属材料で構成されており、シリコーン等の高分子材料とは異なって剛性を有するので、オリフィスプレート7に対する十分な支持強度を得ることができる。
【0023】
このように、本実施形態によれば、天板2のインク流路面10がオリフィスプレート7に対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレート7が平面部13によって支持されるので、オリフィスプレート7の耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、図1に示すように、オリフィスプレート7と平面部13との間に隙間11が生じている場合であっても、隙間11における容積が微小であれば、その隙間11にシリコーン等の高分子材料を充填することにより、平面部13によるオリフィスプレート7の支持強度が増強される。さらに、高分子材料を平面部13に形成された溝12から隙間11内に流し込むことにより、空気溜まり等をつくらずに隙間11の隅々まで高分子材料を充填することができる。
【0025】
また、電気熱交換体5が設けられた素子基板3とベースプレート3aとを高い熱伝導性を有する接着剤によって固定すれば、素子基板3から発生するインク吐出熱の余熱をベースプレート3aを介して放熱させることが可能となる。さらに、上記のようにベースプレート3aを金属材料で構成することにより、素子基板3から伝導される熱の放熱特性を向上させることが可能となる。
【0026】
なお、本実施形態では、オリフィスプレート7を支持する平面部13をベースプレート3aに設けた例を説明したが、この平面部13は他の部材(例えば押圧部材1等)に設けてもよく、あるいは平面部13を有する別の部品を設けて、その部品をオリフィスプレート7の裏面に対向する位置に配設する構成としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録ヘッドは、オリフィスプレートの裏面に対向する位置に、オリフィスプレートと平行をなす平面部であって、オリフィスプレートを支持する平面部が形成された支持部材が備えられているので、天板の素子基板が接合される面がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレートの耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドにおけるベースプレートを示す斜視図である。
【図3】従来のインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図4】図3に示したインクジェット記録ヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 押圧部材
2 天板
3 素子基板
3a ベースプレート
4 配線基板
5 電気熱変換体
7 オリフィスプレート
8 吐出口
9 インク流路溝
10 インク流路面
11 隙間
12 溝
13 平面部
【発明の属する技術分野】
本発明は、オリフィスプレートに形成された吐出口からインクを吐出するインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録ヘッドとしては、複数のインク流路を形成するためのインク流路溝および各インク流路に対応する吐出口を有するオリフィスプレートが形成された天板に、インク吐出のために利用される熱エネルギーを発生する複数の素子が各インク流路に対応して配列され、ベースプレート上に固定された素子基板を、弾性部材等からなる押圧部材を用いて接合したものが知られている。
【0003】
このような、素子基板に溝付き天板が接合されることによってインク流路が形成されるインクジェット記録ヘッドは、天板の吐出口が形成されているオリフィスプレートが、天板の素子基板が接合される面であるインク流路面に対してほぼ垂直になっている。そのため、従来の記録ヘッドは、素子基板を固定している厚さ数mmの平板であるベースプレートの端面でオリフィスプレートを補強する構造になっている。
【0004】
しかし、上記の構成の場合には、オリフィスプレートからのインク吐出方向が、オリフィスプレートに対して垂直な方向とならない。そのため、例えば、一つのオリフィスプレートに二列の吐出口列を設ける場合には、二つの吐出口列からのインク吐出方向が「ハの字状」または「逆ハの字状」になり、オリフィスプレートと紙等の印字面との間の距離のばらつきによって記録品位が大きく変わってしまう。そこで、上記のような記録品位の変化を低減させるために、オリフィスプレートに対して垂直な方向にインク吐出を行うことができるインクジェット記録ヘッドが考えられている。
【0005】
図3は従来のインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図、図4は図3に示したインクジェット記録ヘッドの部分断面図である。
【0006】
従来のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するインク流路溝109および各インク流路に対応する吐出口108が設けられたオリフィスプレート107が形成された天板102と、天板102に接合されて天板102との間に複数のインク流路を構成し、各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて各吐出口108からインクを吐出させる熱発生素子である電気熱変換体105が設けられた素子基板103とを有する。素子基板103はベースプレート103aに固定されており、ベースプレート103aは押圧部材101によって天板102側に付勢されている。そのため、素子基板103は、押圧部材101によって天板102に押圧されることにより、天板102に接合されている。なお、天板102のインク流路面110(天板102の素子基板103が接合される面)は、オリフィスプレート107に対して垂直な方向から約20°傾けられている。
【0007】
また、本従来例では、一つの天板102に対して二つの素子基板103が互いに対向された状態に対称に配置されており、二列のインク吐出口からのインク吐出方向を同じにするために、各オリフィスプレート107の吐出口108はオリフィスプレート107に対して垂直な方向に開口されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示すような、天板102のインク流路面110がオリフィスプレート107に対して垂直となるように構成されていない従来のインクジェット記録ヘッドでは、天板102のインク流路面110に接合される素子基板103およびベースプレート103aとオリフィスプレート107との間に、ある程度の空間111が生じてしまう。
【0009】
したがって、オリフィスプレート107がベースプレート103aによって支持されないので、オリフィスプレート107を補強することができない。また、その代わりとして、例えば押圧部材101の先端部でオリフィスプレート107を支持する構成とした場合であっても、オリフィスプレート107に対する支持面積を未だ十分に確保することができず、十分な補強強度を得ることができない。さらに、その不足している補強強度を補うために、空間111にシリコーン等の高分子材料を充填した場合であっても、高分子材料自身が剛性を有さないために十分な支持強度を得ることができない。そのため、オリフィスプレート107の耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性が不十分になるおそれがある。
【0010】
そこで本発明は、天板のインク流路面(天板の素子基板が接合される面)がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレートの耐久性を向上させることができるインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、複数のインク流路を構成するための複数のインク流路溝および前記各インク流路に対応する複数の吐出口が列をなして設けられたオリフィスプレートが形成された天板と、該天板に接合されて前記天板との間に前記複数のインク流路を構成し、前記各インク流路溝に対向する位置には前記各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて前記各吐出口から前記インクを吐出させる熱発生素子が設けられた素子基板とを有し、前記天板の前記素子基板が接合される面が前記オリフィスプレートに対して垂直な方向から傾けられているインクジェット記録ヘッドにおいて、前記オリフィスプレートの裏面に対向する位置には、前記オリフィスプレートと平行をなす平面部であって、前記オリフィスプレートを支持する平面部が形成された支持部材が備えられていることを特徴とする。
【0012】
上記本発明によれば、天板の素子基板が接合される面がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、十分な支持面積を備えた平面部によってオリフィスプレートが支持されることにより、オリフィスプレートの耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能となる。
【0013】
さらに、前記支持部材には前記素子基板が熱伝導性接着剤によって固定されている構成とすることにより、素子基板から発生するインク吐出熱の余熱を支持部材を介して放熱させることが可能となる。
【0014】
さらには、前記支持部材は金属材料からなる構成とすることにより、支持部材に剛性を持たせるとともに、素子基板から伝導される熱の放熱特性を向上させることが可能となる。
【0015】
また、前記平面部に溝が形成されている構成とすることにより、オリフィスプレートと平面部との間の隙間にシリコーン等の高分子材料を流入させる際に、空気溜まり等をつくらずに隙間の隅々まで高分子材料を充填することが可能となる。
【0016】
さらに、前記溝は、前記平面部の中央に、前記吐出口の列に対して垂直な方向に延びるように形成されている構成とすることが好ましい。
【0017】
また、前記平面部が、前記天板の前記素子基板が接合される面に対して100°から115°の角度をなすように構成されていることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施形態を示す部分断面図、図2は図1に示したインクジェット記録ヘッドにおけるベースプレートを示す斜視図である。ここで、図1に示すインクジェット記録ヘッドの押圧部材1、天板2、素子基板3、配線基板4、熱発生素子である電気熱変換体5、オリフィスプレート7、吐出口8、インク流路溝9およびインク流路面10の各構成は、図3および図4を参照して説明した従来のインクジェット記録ヘッドと同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0020】
図1および図2に示すように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドにおいては、素子基板3が固定されるベースプレート3aの、オリフィスプレート7の裏面に対向する部分に、オリフィスプレート7を支持するための平面部13が形成されている。そのため、本実施形態のベースプレート3aは、オリフィスプレート7を支持するための支持部材としても機能するものである。
【0021】
さらに、平面部13の中央には、ベースプレート3aの一方の端面から他方の端面にかけて形成された溝12が、吐出口8の列に対して垂直な方向に延びるように設けられている。また、平面部13は、インク流路面10(天板2の素子基板3が接合される面)に対する角度θが、100°から115°となるように設けられている。
【0022】
インクジェット記録ヘッドの内部において、ベースプレート3aの平面部13をオリフィスプレート7の近傍に配置させることにより、オリフィスプレート7がこの平面部13に支持されることとなる。そのため、オリフィスプレート7が平面部13で支持されることによって、オリフィスプレート7に対する支持面積が十分に確保される。さらに、本実施形態のベースプレート3aは金属材料で構成されており、シリコーン等の高分子材料とは異なって剛性を有するので、オリフィスプレート7に対する十分な支持強度を得ることができる。
【0023】
このように、本実施形態によれば、天板2のインク流路面10がオリフィスプレート7に対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレート7が平面部13によって支持されるので、オリフィスプレート7の耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることが可能となる。
【0024】
また、図1に示すように、オリフィスプレート7と平面部13との間に隙間11が生じている場合であっても、隙間11における容積が微小であれば、その隙間11にシリコーン等の高分子材料を充填することにより、平面部13によるオリフィスプレート7の支持強度が増強される。さらに、高分子材料を平面部13に形成された溝12から隙間11内に流し込むことにより、空気溜まり等をつくらずに隙間11の隅々まで高分子材料を充填することができる。
【0025】
また、電気熱交換体5が設けられた素子基板3とベースプレート3aとを高い熱伝導性を有する接着剤によって固定すれば、素子基板3から発生するインク吐出熱の余熱をベースプレート3aを介して放熱させることが可能となる。さらに、上記のようにベースプレート3aを金属材料で構成することにより、素子基板3から伝導される熱の放熱特性を向上させることが可能となる。
【0026】
なお、本実施形態では、オリフィスプレート7を支持する平面部13をベースプレート3aに設けた例を説明したが、この平面部13は他の部材(例えば押圧部材1等)に設けてもよく、あるいは平面部13を有する別の部品を設けて、その部品をオリフィスプレート7の裏面に対向する位置に配設する構成としてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインクジェット記録ヘッドは、オリフィスプレートの裏面に対向する位置に、オリフィスプレートと平行をなす平面部であって、オリフィスプレートを支持する平面部が形成された支持部材が備えられているので、天板の素子基板が接合される面がオリフィスプレートに対して垂直となるように構成されていなくても、オリフィスプレートの耐久性、ひいては記録ヘッドの耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施形態を示す部分断面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドにおけるベースプレートを示す斜視図である。
【図3】従来のインクジェット記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【図4】図3に示したインクジェット記録ヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 押圧部材
2 天板
3 素子基板
3a ベースプレート
4 配線基板
5 電気熱変換体
7 オリフィスプレート
8 吐出口
9 インク流路溝
10 インク流路面
11 隙間
12 溝
13 平面部
Claims (6)
- 複数のインク流路を構成するための複数のインク流路溝および前記各インク流路に対応する複数の吐出口が列をなして設けられたオリフィスプレートが形成された天板と、該天板に接合されて前記天板との間に前記複数のインク流路を構成し、前記各インク流路溝に対向する位置には前記各インク流路に供給されたインクに気泡を発生させて前記各吐出口から前記インクを吐出させる熱発生素子が設けられた素子基板とを有し、前記天板の前記素子基板が接合される面が前記オリフィスプレートに対して垂直な方向から傾けられているインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記オリフィスプレートの裏面に対向する位置には、前記オリフィスプレートと平行をなす平面部であって、前記オリフィスプレートを支持する平面部が形成された支持部材が備えられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。 - 前記支持部材には前記素子基板が熱伝導性接着剤によって固定されている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記支持部材は金属材料からなる請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記平面部に溝が形成されている請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記溝は、前記平面部の中央に、前記吐出口の列に対して垂直な方向に延びるように形成されている請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
- 前記平面部が、前記天板の前記素子基板が接合される面に対して100°から115°の角度をなすように構成されている請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078120A JP2004284162A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003078120A JP2004284162A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004284162A true JP2004284162A (ja) | 2004-10-14 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003078120A Pending JP2004284162A (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004284162A (ja) |
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2003
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