JP2004283896A - アルミニウム合金鋳物製品とその歪み矯正方法および焼入れ方法 - Google Patents

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Shunsuke Ota
俊介 太田
Tadashi Uemura
忠司 植村
Takayuki Ohashi
孝行 大橋
Hidetoshi Shiga
英俊 志賀
Katsuhiro Kudo
勝弘 工藤
Masahiro Omori
雅弘 大森
Takeo Yoshida
剛男 吉田
Masayoshi Tsubokawa
正嘉 坪川
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Abstract

【課題】歪み矯正時に、製品形状部に圧痕等が残らないように考慮されたアルミニウム合金鋳物製品とその歪み矯正方法を提供する。
【解決手段】構造体1のうち製品形状部以外の部分に、複数の突起部2,3,4を予め一体に形成する。構造体1の熱処理後の歪み矯正時には、突起部2,3,4に矯正荷重を加えてその歪み取りを行う。歪み矯正後にその機能を失った各突起部2,3,4を切断除去し、溶解して再使用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム合金鋳物製品とその歪み矯正方法および焼入れ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金鋳物製品では、機械的性質の調整のためにT6処理(溶体化処理後に焼戻し処理を施して人工時硬硬化(焼戻し時硬もしくは高温時硬硬化)させること)等の熱処理が施されることがあるが、溶体化処理をもって焼入れを行うと、急激な冷却のために製品に歪み(変形)が発生し、特に薄肉の製品の場合にはその傾向が顕著となる。なお、溶体化処理とはアルミニウム合金の焼入れ処理技術で、合金配合成分の固溶温度以上の温度に加熱して十分に固溶させたあと、急冷させて過飽和の固溶状態を常温にもちきたす操作をいい、焼入れに相当する溶体化処理に続いて、適当な温度に加熱することで析出硬化を促進させて人工時硬硬化させることになる。
【0003】
上記のような焼入れに伴って発生した歪みは例えばハンマー等による叩き出しにより矯正されるが、近年では寸法精度の向上と省人化を目的として、特許文献1に記載のようにセンサーによる寸法測定と油圧シリンダ等の押圧手段との組み合わせによる自動寸法矯正も行われている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−59216号公報 (図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
油圧シリンダ等の押圧手段による歪み矯正は一般的に製品に直接荷重を負荷することで歪み取りが行われていることから、例えばシリンダの先端に装着された押圧ピンや当て駒のために製品表面に窪み等の圧痕が発生しやすく、外観品質や強度あるいは後工程での組立精度に支障をきたすことがある。
【0006】
また、製品側にチャックやクランプ等で保持可能な形状部分がある場合を除き、歪み矯正の動作は一つのシリンダでは押す方向の動作のみとなり、個々の製品のばらつき等のために押す方向の矯正と引く方向の矯正が必要な場合には、少なくとも二つのシリンダを対向して配置しなければならず、設備が複雑化することとなって好ましくない。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に歪み矯正の操作性を考慮して製品側にわずかな改良を加えるだけで上記のような不具合を解消したアルミニウム合金鋳物製品とその歪み矯正方法および焼入れ方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、鋳造後に熱処理とそれに続く歪み矯正とが施されるアルミニウム合金鋳物製品であって、歪み矯正時に矯正荷重が負荷される部分に相当する位置であって且つ製品形状部以外の部分に、矯正荷重の受圧部として機能する突起部を余肉部として予め一体に形成したことを特徴とする。
【0009】
ここで、歪み矯正を終えることにより突起部がその機能を失ったならば、製品形状部から切り離した上で溶解して再使用するものとする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、アルミニウム合金鋳物製品の歪み矯正方法として、鋳造段階で製品形状部以外の部分に余肉部として複数の突起部を予め一体に形成しておき、歪み矯正時には各突起部に矯正荷重を負荷することを特徴とする
この場合、歪み矯正は、請求項3に記載のようにアルミニウム合金鋳物製品の熱処理の後に行われるものとする。
【0011】
したがって、請求項1に記載のアルミニウム合金鋳物製品すなわち余肉部として突起部が付帯している製品の使用を前提として請求項2に記載の歪み矯正を行った場合、製品形状部には直接的には矯正荷重が負荷されないために圧痕等が発生する余地は全くないことになる。その上、矯正荷重を負荷するためのシリンダ等の矯正手段の先端にチャックやクランプ等を予め取り付けて上記突起部を把持することができるようにしておけば、一つの矯正手段にて押す方向の荷重負荷と引く方向の荷重負荷とのいずれにも対応できることになる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、アルミニウム合金鋳物製品の焼入れ方法として、鋳造段階でアルミニウム合金鋳物製品の製品形状部以外の部分に余肉部として複数の突起部を予め一体に形成しておき、各突起部を治具との当接部として熱処理用治具にてアルミニウム合金鋳物製品を拘束した状態で焼入れを施すことを特徴とする。
【0013】
焼入れ時の歪み発生を防止するために、鋳物製品を予め治具で拘束した上で焼入れ処理を行うことがあるが、その場合に治具が接触している部分とそうでない部分とで冷却速度が異なることで材料の機械的性質に差ができて、製品機能の上で支障となることがある。これに対して、請求項4に記載の発明では、製品形状部以外の部分に設定した突起部を当接部として治具で拘束した上で焼入れ処理を行えば、同一製品内で冷却速度に大きな差ができてしまうようなことはなくなる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1,2に記載の発明によれば、製品形状部以外の部分に余肉部として突起部を予め一体に形成し、この突起部を矯正荷重を負荷する部分として歪み矯正を行うようにしたことにより、製品形状部側に圧痕等が発生することが全くなくなって、製品本来の外観品質や強度等に支障をきたすことがなく、製品の品質が大幅に向上する。
【0015】
また、矯正荷重を負荷するためのシリンダ等の矯正手段の先端にチャックやクランプ等を予め取り付けて上記突起部を把持することができるようにしておけば、一つの矯正手段にて押す方向の荷重負荷と引く方向の荷重負荷とのいずれにも対応できることになり、設備の汎用性が高くなるとともに、設備構造の簡素化の上でも有利となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜4は本発明の好ましい実施の形態を示す図である。
【0017】
図1に示すように、アルミニウム合金鋳物製品としての構造体1は例えばアルミダイカスト鋳造法によっていわゆるハット型断面形状のものとして成形されたもので、構造体1本来の製品形状部以外の部分には舌片状もしくはタブ状の複数の突起部2,3,4が予め一体に成形されている。より具体的には、左右のフランジ部5には合計6個の突起部2,2…が上向きに形成されている一方、底壁6の裏面側にも同様に合計6個の突起部3,3…が下向き形成されていて、さらに長手方向両端にも突起部4,4が横向きに形成されている。なお、本実施の形態では各突起部2,3,4の形状は予め同一形状に同一されているものとする。ただし、その形状は特定の形状に限定されるものではなく、個々に異なった形状のものとしてもよい。
【0018】
こうして鋳造された構造体1は、その機械的性質の調整のために先に述べた熱処理としてT6処理が施され、さらにそのT6処理に伴い歪みの発生が不可避であるために、T6処理に続いて歪み矯正が行われる。
【0019】
この歪み矯正は、従来と同様に例えば反りあるいは曲がりといった歪み(変形)をセンサで測定しながら、その歪みを解消するのに最も有効な位置に同じくその歪みを解消するのに最も効果的な方向の矯正荷重を油圧シリンダあるいはエアシリンダ等の矯正手段にて負荷して寸法もしくは形状を矯正する。
【0020】
その際、本実施の形態では、矯正荷重を負荷すべき位置を製品形状部以外の部位に設定した突起部2,3,4としてその矯正を行う。すなわち、図2に示すように押す方向の矯正荷重を負荷する場合には、矯正手段である油圧シリンダ7の先端の駒部材8を例えば突起部2に直接当接させて所定の大きさの矯正荷重を負荷する。また、図3に示すように引く方向の矯正荷重を負荷する場合には、矯正手段である油圧シリンダ7の先端に開閉式のチャック9あるいはクランプ等の把持手段を装着しておき、その把持手段たるチャック9にて突起部2を把持した上でその突起部2を引っ張るようにして所定の大きさの矯正荷重を負荷する。
【0021】
この場合、押す方向の矯正荷重であるか引っ張る方向の矯正荷重であるかにかかわらず、その矯正荷重はあくまで製品形状部以外の突起部2(または突起部3もしくは突起部4)に直接的に負荷されるため、構造体1の製品形状部に圧痕等が発生することはない。また、チャック9あるいはクランプ等の把持手段を予め装着しておくことにより、一つの矯正手段たる油圧シリンダ7にて押す方向の矯正荷重のみならず引っ張る方向の矯正荷重をも負荷することができるから、その矯正手段の数を減らして設備の簡素化をも図れるようになる。
【0022】
こうして歪み矯正を終えたならば、突起部2,3,4はその機能を失うことから、後工程にてその突起部2,3,4を構造体1から切断除去して回収し、溶解して再度使用するものとする。
【0023】
ここで、上記のような熱処理(T6処理)の際には不可避とされる歪みを極力小さくするためには、その熱処理に際して構造体1全体を予め熱処理用治具(以下、単に治具という)にて拘束することが有効であるとされている。
【0024】
そこで、本実施の形態では、熱処理に先立って図4に示すような分割式の治具10を用いてその拘束を行うものとする。すなわち、上下の治具素片11,12にて突起部4を挟むようにして加圧拘束するとともに、残りの突起部2,2…および3,3…の内側面に各治具素片11,12の側面を当接させる。同時に、左右の治具素片13,14を突起部2,2…および3,3…の外側面に押し当てて、各突起部2,2…および3,3…を上下の治具素片11,12と左右の治具素片13,14とで挟むようにして加圧拘束する。そして、この状態のままで熱処理を行うものとする。
【0025】
このようにすることにより、各治具素片11〜14は構造体1の製品形状部以外の突起部2,2…や3,3…および4,4にのみ接触しているだけであるから、熱処理の急冷時に製品形状部のうち治具素片11,14が接触している部分とそうでない部分とで冷却速度が異なるようなことはなく、均一な熱処理が可能となる。
【0026】
ここで、本発明が対象とするアルミニウム合金鋳物製品は必ずしもダイカスト鋳造法によって鋳造したものに限定されないものであることは言うまでもないが、そのアルミニウム合金鋳物製品がダイカスト鋳造法によって鋳造される場合には突起部2,3,4が湯口方案におけるオーバーフローを兼ねていることが望ましい。
【0027】
すなわち、ダイカスト鋳造法によるアルミニウム合金鋳物製品の鋳造の際には、潤滑剤その他の異物を製品形状部内に残さないようにするためにいわゆるオーバーフロー(材料溜め)と称される余肉部を設けることが行われるが、突起部2,3,4がこのオーバーフローを兼ねることで金型形状の簡素化ならびに溶湯使用量の低減の上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態としてアルミニウム合金鋳物製品である構造体の全体構造を示す斜視図。
【図2】図1に示した構造体の歪み矯正時の説明図。
【図3】同じく図1に示した構造体の歪み矯正時の要部拡大説明図。
【図4】図1に示した構造体に熱処理を施す際に使用される熱処理用治具の分解説明図。
【符号の説明】
1…構造体(アルミニウム合金鋳物製品)
2,3,4…突起部
7…油圧シリンダ(矯正手段)
9…チャック(把持手段)
10…熱処理用治具
11,12,13,14…治具素片

Claims (4)

  1. 鋳造後に熱処理とそれに続く歪み矯正とが施されるアルミニウム合金鋳物製品であって、
    歪み矯正時に矯正荷重が負荷される部分に相当する位置であって且つ製品形状部以外の部分に、矯正荷重の受圧部として機能する突起部を余肉部として予め一体に形成したことを特徴とするアルミニウム合金鋳物製品。
  2. 鋳造段階で製品形状部以外の部分に余肉部として複数の突起部を予め一体に形成しておき、
    歪み矯正時には各突起部に矯正荷重を負荷することを特徴とするアルミニウム合金鋳物製品の歪み矯正方法。
  3. 歪み矯正は、アルミニウム合金鋳物製品の熱処理の後に行われるものであることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合金鋳物製品の歪み矯正方法。
  4. 鋳造段階でアルミニウム合金鋳物製品の製品形状部以外の部分に余肉部として複数の突起部を予め一体に形成しておき、
    各突起部を治具との当接部として熱処理用治具にてアルミニウム合金鋳物製品を拘束した状態で焼入れを施すことを特徴とするアルミニウム合金鋳物製品の焼入れ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012061490A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Bridgestone Corp 鋳物の寸法修正方法
CN102728665A (zh) * 2012-07-11 2012-10-17 重庆大学 一种镁、铝合金型材表面局部矫平装置
JP2013158801A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Toyota Motor Corp 鋳物の矯正方法

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