JP2004283764A - 高圧オゾン洗浄方法及び装置 - Google Patents
高圧オゾン洗浄方法及び装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004283764A JP2004283764A JP2003080741A JP2003080741A JP2004283764A JP 2004283764 A JP2004283764 A JP 2004283764A JP 2003080741 A JP2003080741 A JP 2003080741A JP 2003080741 A JP2003080741 A JP 2003080741A JP 2004283764 A JP2004283764 A JP 2004283764A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ozone
- pressure
- spray
- nozzle
- containing air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Nozzles (AREA)
Abstract
【課題】高圧水の持つエネルギでノズルから高速の噴霧流れを生じさせてその噴霧流れの圧力で対象物を洗浄する能力を保持し、かつオゾンを含有するエアーを高速噴霧流れに混合して対象物まで運びオゾンの酸化作用を対象物に及ぼし得る高圧オゾン洗浄方法及び装置を得る。
【解決手段】高圧水供給源10Aからの高圧水と気体供給源10Bからのオゾン含有エアーを噴霧ノズル銃4G の給水管4とエアーホース5からノズル1へ送り、ノズル本体2の噴霧孔から2つの高圧水の噴霧流れと、オゾン含有エアーの噴霧流れとしてそれぞれ独立に噴射する。高圧水の噴霧流れはノズル本体の外で合流し、その合流位置で発生する負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを吸収した混合噴霧流れとなり、対象物まで運ばれて激しく噴射される。高圧水の噴霧流れのエネルギとオゾンの酸化力で強力な洗浄作用が働く。
【選択図】 図1
【解決手段】高圧水供給源10Aからの高圧水と気体供給源10Bからのオゾン含有エアーを噴霧ノズル銃4G の給水管4とエアーホース5からノズル1へ送り、ノズル本体2の噴霧孔から2つの高圧水の噴霧流れと、オゾン含有エアーの噴霧流れとしてそれぞれ独立に噴射する。高圧水の噴霧流れはノズル本体の外で合流し、その合流位置で発生する負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを吸収した混合噴霧流れとなり、対象物まで運ばれて激しく噴射される。高圧水の噴霧流れのエネルギとオゾンの酸化力で強力な洗浄作用が働く。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高圧水とオゾンを含むオゾン含有エアーを噴霧してオゾン含有高圧噴霧流を対象物に噴射し、洗浄・殺菌する高圧オゾン洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホテルやレストラン等の業務用の厨房設備、営業用又は旅館の大浴場、あるいは鉄道の駅舎等の公衆トイレ、自動車等の洗車設備等では、それぞれの対象物を擦っても落ちない汚れやカビの除去、除菌、床洗浄、消臭、ぬめり取り等が要求され、種々の対策が施されている。このような対策の最も一般的な方法は、洗浄剤又は液を散布し、水を流しながらブラシなどで擦って落すという手法であるが、このような人手による洗浄作業は重労働であり、効率が悪く、時間と手間が掛かるため、噴射ノズルから数10kgf/cm2 以上の高圧水を噴射して汚れを落とす方法が採用されることもある。
【0003】
一方、殺菌、脱臭、減菌、脱色、鮮度保持などに広く利用されているオゾンを水に溶解させたオゾン水を噴霧して対象物を殺菌、洗浄する方式、あるいはオゾンを含むエアーと水を噴霧ノズルで混合させ、ノズル孔から噴霧して散布し、殺菌、洗浄する方式などが知られている。オゾン水を噴霧する方式の例として、例えば特許文献1の「オゾン水による殺菌方法及びオゾン水殺菌用スプレーノズル」が提案されている。この殺菌方法には、給液管の先端に回転ノズルを回転自在に設け、回転ノズルには軸方向、斜め方向、大口径、小口径の各種オリフィス孔が形成され、オゾン水の液圧で回転ノズルを回転させてオゾン水を散布する形式のスプレーノズルが用いられている。
【0004】
オゾン含有エアーを水と混合して噴霧する方式の例として、本発明者が提案した「オゾンスプレ装置」が特許文献2により公知である。このオゾンスプレ装置は、オゾンを含む空気を流通させる導通路と液体供給源からの液体を流通させる導通路とをそれぞれ独立に平行して設け、各導通路の流出端を噴出口位置で同心状に設け、同心状の流出端は噴出口に対し気体のエネルギにより液体を吸引するエゼクタ手段を形成するようにした噴霧ノズルと、液体を貯留する容器とを備えている。
【0005】
上述したオゾンスプレ装置の噴霧ノズルは、実際の例では、中心位置を通る気体の導通路に対し、液を吸い上げて気体の導通路と平行に流通させる導通路を交差しないように中心位置から外して設け、液の導通路は大気へ連通するための導通路部分をノズル本体を上下に貫通して設け、又ノズル本体の端は突出形状に形成され、ノズル本体に接続されるノズルキャップとの間に形成された円錐状隙間の中央端に気体の導通路端が突出端として設けられ、この突出端がキャップ中央の噴出口端より少し奥側に位置するように設けられている。
【0006】
又、上記公報には上記オゾンスプレ装置を備えた小型可搬式のオゾン殺菌装置についても記載されている。このオゾン殺菌装置は、エアーを圧縮して送り出すエアーポンプからのエアーから無声放電によりオゾンO3 を発生するオゾン発生器でオゾンを含むエアーを送り出し、そのエアーをオゾンスプレ装置の噴霧ノズルへ送ってオゾンを含むエアーを水と混合し、噴霧液滴として噴霧するというものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−254522号公報
【特許文献2】
特開2000−316956号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した高圧水を用いて洗浄する方法は、落ち難い又は擦っても落ちないような汚れやカビの除去にはある程度有効であり、高圧水の水流エネルギで汚れを剥ぎ取るようにして洗浄できる。しかし、洗浄部位の完全な除菌、殺菌までの効果はなく、又ぬめりまで取り除くことはできない。高圧水による洗浄には殺菌作用はなく、又ぬめりのような汚れは分解しなければ完全に除去することができないからである。そして、このような汚れの除去に特許文献1の「スプレーノズル」を用いることはできない。オゾン水を高圧水として供給しても回転式のノズルから噴射される噴霧流れは、噴霧後急速に流体圧力を失って高圧水としてのエネルギがなくなり、又オゾン水に含まれるオゾンはノズルから噴射された直後に外周へ霧化発散し、対象部位には全く届かないからである。
【0009】
特許文献2の「オゾンスプレ装置」の噴霧ノズルは、駆動流体が圧縮エアーであり、そのままでは高圧水洗浄そのものができない。この場合、駆動流体を高圧水とし、オゾン含有エアーをエゼクタ効果で吸引して噴霧することが考えられるが、このような態様で噴霧ノズルを用いても、やはり特許文献1の場合と同様にノズルから噴霧された直後にオゾン含有エアーは外周へ霧化発散し、対象部位まで届かない。
【0010】
特許文献2の噴霧ノズル以外に、一般に高圧水を噴霧するノズルの噴霧口の手前で高圧水の流れに直角に気体吸入孔を設け、高圧水の流れによる負圧で外部からオゾン含有エアーをこの気体吸入孔から吸引して混合し、噴霧口から噴霧する形式のノズルを用いることも考えられる。しかし、この場合もその作用は特許文献2の場合と同様であり、オゾン等の気体を噴霧到達点まで高圧噴霧流れに乗せて運ぶことはできない。
【0011】
この発明は、上記の問題に留意して、高圧水の持つエネルギでノズルから高速の噴霧流れを生じさせてその噴霧流れの圧力で対象物を洗浄する能力を保持し、かつオゾンを含有するエアーを高速噴霧流れに混合して対象物まで運びオゾンの酸化作用を対象物に及ぼし得る高圧オゾン洗浄方法及び装置を提供することを課題とする。
【0012】
又、上記高圧オゾン洗浄装置に用いることのできる高圧オゾン噴霧ノズルを提供することをもう1つの課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、高圧水とオゾン含有エアーをノズルへ送り、ノズルから複数条の高圧噴霧流れとオゾン含有エアーの噴霧流れをそれぞれ独立に噴霧し、ノズル外で高圧噴霧流れを互いに合流させると共に、その合流点に生じる高圧噴霧流れの負圧によりオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引してこれを合流高圧噴霧流れに混合し、この合流高圧噴霧流れを対象物に噴射して洗浄・殺菌するようにした高圧オゾン洗浄方法としたのである。
【0014】
上記方法を実施する装置として、高圧水を発生させる高圧水供給源と、オゾンを含有するエアーを供給する気体供給源と、高圧水の噴霧流れにオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引、混合して対象物に噴射する高圧オゾン噴霧ノズルとを備え、高圧オゾン噴霧ノズルはノズル本体の中心にオゾン含有エアーの噴霧孔と、これを挟んで又は囲むようにそれぞれ互いに平行に複数の高圧水の噴霧孔とを備え、複数の高圧水の噴霧孔をそれぞれの噴霧流れの拡がりが相互に干渉して合流可能で、かつその合流位置での負圧による吸引力でオゾン含有エアーを吸引し得る寸法に互いに離隔して形成した高圧オゾン洗浄装置とすることができる。
【0015】
上記の高圧オゾン洗浄方法及び装置では、ノズルから高圧水の噴霧流れが複数条噴霧され、かつオゾン含有エアーの噴霧流れも噴霧される。これら噴霧流れは、それぞれ独立にノズルから噴霧され、かつ高圧水の噴霧流れはノズル外で互いに合流し、その合流位置では負圧が生じる。従って、この合流位置をオゾン含有エアーの噴霧流れが拡散する前に高圧水の噴霧流れに吸収し得る所定の距離位置に設定することによりオゾン含有エアーの噴霧流れを吸収させることができる。
【0016】
オゾン含有エアーの噴霧流れを吸収した混合噴霧流れは、高圧の噴霧流れのエネルギで対象物に激しく噴射され、これにより対象物を洗浄するが、その際オゾン含有エアーの霧滴が含まれているためオゾンの強い酸化力が作用する。従って、対象物の隅部に固形化したカビや床面上のぬめりなど単に高圧水の噴霧流れを噴射しただけでは除去できない汚れをオゾンの酸化力で分解して完全に除去し、洗浄、殺菌まで行なうことができる。
【0017】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の高圧オゾン洗浄装置の概略構成図、図2はその外観斜視図、図3はこの洗浄装置に用いられる高圧オゾン噴霧ノズルの外観斜視図、及び主断面図である。高圧オゾン洗浄装置は、高圧水を発生させる高圧水供給源10Aと、オゾンを含有するエアーを供給する気体供給源10Bとを内蔵する洗浄装置本体10と高圧水の噴霧流れにオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引し、混合して対象物に噴射する高圧オゾン噴霧ノズル1とを備えている。
【0018】
高圧水供給源10Aは、給水された水を貯留する給水タンク11と、この給水タンクから送られる水を高圧にする高圧ポンプ12と、供給される高圧水の圧力を調整する調圧弁13から成り、図示の装置では高圧水の圧力は30kgf/cm2 に設定される。12M は駆動モータである。なお、給水タンク11へ送られる水は、図示の例ではバーナ22により温水を発生させる温水ボイラ21を経て水源20から供給されるが、温水ボイラ21は必ずしも設けなくてもよい。水量は9l/minである。
【0019】
気体供給源10Bは、外気取入口14aから吸入されるエアーをトランスTrで高周波電圧を送り出す高周波電源16による高電圧の電極内でプラズマ放電によりその一部を解離させてオゾンO3 を発生させるオゾナイザ15とを備えている。電源は商用電源25から接続端子26を経て送られる。図示の例では、エアー圧縮機14で圧力0.2kgf/cm2 、流量5l/minのエアーが生成され、高周波電源16は、高周波20,000Hz、17,000Vの高電圧(860W)を送り出す。
【0020】
なお、洗浄装置本体10は、可搬式とするためケーシング10cの下底に移動用のキャスタ10R が取付けられ、ハンドル10H の手押しで移動自在である。
又、この洗浄装置本体10から供給される高圧水は可撓性の高圧ホース4ahから噴霧ノズル銃4G の銃床4H に取付けた給水管4へ送られ、オゾン含有エアーはこの給水管4の先端に設けた高圧オゾン噴霧ノズル1のノズル本体2へ可撓性のエアーホース5からノズル本体2に取付けられるエアーヘッダ3を経由して送られる。4L は噴霧レバーであり、図示省略しているが、銃床4H 内に設けられた開閉弁を噴霧レバー4L により開閉して高圧水を噴射又は停止させるようになっている。洗浄装置本体10内の給水管は高圧用鋼管が固定設置され、噴霧ノズル銃4G の給水管4にも高圧用鋼管が用いられている。
【0021】
高圧オゾン噴霧ノズル1は、ノズル本体2とエアーヘッダ3とから成り、ノズル本体2にはその中心にオゾン含有エアーの噴霧孔7、これを挟んで2つの高圧水噴霧孔6、6がそれぞれ互いに平行に設けられており、又ノズル本体2の背面側には連結孔4aに給水管4が接続され、エアーヘッダ3にはエアーホース5が接続されている。エアーヘッダ3はノズル本体2に対し半径方向に螺着され、エアーヘッダ3の突出端3aに接続金具5aを介してエアーホース5が接続されている。
【0022】
エアーヘッダ3の内部には連通孔3R が穿設され、その一端がエアーホース5の内径に連通している。3ORはオーリングであり、エアーホース5はテフロン(登録商標)又はシリコン製の耐オゾン可撓製ホースが用いられている。ノズル本体2に接続されている給水管4の先端は、連結孔4a内に挿入され、止めねじ4bにより固定されている。4ORはオーリングであり、このオーリング4ORで形成されるスペース4sに2つの高圧水噴霧孔6、6の奥側を通過させて給水管4の内径に接続される。
【0023】
ノズル本体2に設けられている高圧水噴霧孔6、6とオゾン含有エアー噴霧孔7の配置は、上記の設定圧(30kgf/cm2 )で噴霧孔6、6から射出される高圧水の噴霧流れがそれぞれの噴霧流れの拡散によって、図4に示すように所定距離L(図示の例では約15cm)の位置で互いに合流可能であり、かつ2条の高圧水の噴霧流れが合流することにより生起される負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引し、混合し得る間隔に2つの高圧水噴霧孔6、6の互いの間隔を設定してある。
【0024】
なお、図示の噴霧孔6、6と噴霧孔7は同一直線上に配置されているが、噴霧孔6、6は2つに限らず、例えば噴霧孔7を中心として3つ又は4つ、あるいはそれ以上の複数個設けてもよい。但し、いずれの場合も上述した噴霧流れが合流、吸引、混合される機能の条件に適合するように設けることが必要である。又、ノズル本体2の直径は20mmφ、噴霧孔6、6は直径1.5mmφ、噴霧孔7は直径1.2mmφ、噴霧孔6と6の中心間距離は5.5mm、給水管4の内径5mm、エアーホース5の内径4mmである。
【0025】
以上のように構成した実施形態の高圧オゾン洗浄装置では、次のようにオゾン含有エアーが高圧水に混合されて噴射され、洗浄作業が行なわれる。洗浄装置を作動させるため、給水ライン、エアーラインのストップ弁を開き、図示しない電源スイッチを投入して高周波電源16を起動させるとその旨の表示がなされ、異常がなければ準備が終わる。なお、高圧水に温水を使用するときは予め温水ボイラ21のバーナ22で温水を温水ボイラ21から給水タンク11へ送って貯水しておくものとする。噴霧ノズル銃4G をケーシング10cの保持部材から持上げ、その高圧オゾン噴霧ノズル1を対象物へ向けて噴霧レバー4L を引くと高圧オゾン噴霧流れが噴射される。
【0026】
噴霧レバー4L を引くと銃床内の開閉弁が開かれ、その作動スイッチの信号により高圧ポンプ12のモータ12M 及びエアー圧縮機14のモータ(図示せず)が起動され、給水ラインから高圧水が送られ、エアーラインからオゾン含有エアーが送られると、高圧オゾン噴霧ノズル1からそれぞれの噴霧流れが噴霧され、これを短時間(数秒)保持すると高圧オゾン噴霧ノズル1の噴霧状態は安定した定常状態となり、洗浄可能の状態となる。高圧オゾン噴霧ノズル1から噴射される高圧水及びオゾン含有エアーの噴霧流れは、それぞれの噴霧孔6、6、7が互いに独立に設けられているため、噴霧孔から噴霧される前にノズル1内で混合されることはない。
【0027】
又、各噴霧孔6、6、7は互いに平行に設けられているから、それぞれの噴霧流れも噴霧孔6、6、7から直進する方向に噴射される。しかし、2つの高圧水の噴霧流れJ1 、J2 は、その圧力に応じた放射角を以て拡がりながら進み(図中のj1 、j2 は拡散噴霧流れを示す)、かつ2つの噴霧孔6と6の間隔が小さいため、所定距離L進むと互いに合流して1つの噴霧流れJwとなる。しかも、所定距離Lの合流点(位置)では、2つの噴霧流れの合流により負圧域が生じ、このため噴霧孔7からのオゾン含有エアーの噴霧流れJairを吸引して混合し、この混合された噴霧流れが対象物に噴射されることとなる。
【0028】
従って、上記のように混合されて1つとなった噴霧流れJwにはオゾン含有エアーの霧滴が含まれて対象物に噴射されるため、高圧水のエネルギで高速流れとして噴霧された激しい噴霧流れにより対象物を強く洗浄すると共に、オゾンの強力な酸化作用が働く。このオゾンの酸化作用は、単に高圧水の噴霧流れのみで噴射しただけでは洗浄できないような汚れを溶解、又は分解して高圧水の噴霧流れの圧力の作用と協働して除去することができることとなる。
【0029】
上記オゾンの酸化作用は、従来の高圧水の噴霧ノズルによる噴霧流れでは除去できない次のような場合に有効である。例えば図5に示すような自動車の洗車装置として実施形態の洗浄装置を使用する場合では、自動車ボディの表面に付着した泥を高圧水の噴霧流れで除去出来るとしても、隅部に長期間放置されたカビが固形化して付着している場合、これをオゾンの酸化作用で溶解、分解することにより短時間に効率よく除去できる。又、図示以外の例として、業務用厨房の床面、公衆浴場の床面等に付着するぬめりと呼ばれる分解し難い汚れ等、酸化作用により分解しなければ除去できないような汚れを完全に除去することができる。
【0030】
なお、実施形態の装置では高圧水として用いられる水は予め温水ボイラ21で温水として給水タンク11へ送られており、このためこの温水を用いた高圧温水は、湯温を高く保持することにより対象物のぬめり等に対する溶解力を大きくし、洗浄力を高めることができてより一層効果的である。これは水のクラスタを小さくし、表面張力を小さくすることで洗浄力を高めるからである。又、対象物への噴射後は、オゾンO3 は数秒で安定な酸素O2 へ戻り、従って周囲の環境に影響を及ぼすことなく高圧洗浄ができることとなる。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の高圧オゾン洗浄方法及び装置では複数条の高圧水の噴霧流れとオゾン含有エアーの噴霧流れをノズルからそれぞれ独立に噴射し、複数条の高圧水の噴霧流れをノズル外で互いに合流するようにし、その合流位置で生じる負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを混合してオゾンを対象物まで運ぶようにしたから、高圧水の噴霧流れのエネルギで対象物を洗浄するだけでなく、オゾンの強い酸化力で分解又は溶解しなければ落ちないような落ち難い汚れも短時間に効率よく洗浄することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の高圧オゾン洗浄装置の概略構成図
【図2】同上洗浄装置の外観斜視図
【図3】高圧オゾン噴霧ノズルの(a)外観斜視図、(b)主断面図
【図4】作用の説明図
【図5】洗浄対象への使用例の説明図
【符号の説明】
1 高圧オゾン噴霧ノズル
2 ノズル本体
3 エアーヘッダ
4 給水管
4G 噴霧ノズル銃
5 エアーホース
6 高圧水噴霧孔
7 オゾン含有エアー噴霧孔
10 洗浄装置本体
10A 高圧水供給源
10B 気体供給源
11 給水タンク
12 高圧ポンプ
13 調圧弁
14 エアー圧縮機
15 オゾナイザ
16 高周波電源
【発明の属する技術分野】
この発明は、高圧水とオゾンを含むオゾン含有エアーを噴霧してオゾン含有高圧噴霧流を対象物に噴射し、洗浄・殺菌する高圧オゾン洗浄方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホテルやレストラン等の業務用の厨房設備、営業用又は旅館の大浴場、あるいは鉄道の駅舎等の公衆トイレ、自動車等の洗車設備等では、それぞれの対象物を擦っても落ちない汚れやカビの除去、除菌、床洗浄、消臭、ぬめり取り等が要求され、種々の対策が施されている。このような対策の最も一般的な方法は、洗浄剤又は液を散布し、水を流しながらブラシなどで擦って落すという手法であるが、このような人手による洗浄作業は重労働であり、効率が悪く、時間と手間が掛かるため、噴射ノズルから数10kgf/cm2 以上の高圧水を噴射して汚れを落とす方法が採用されることもある。
【0003】
一方、殺菌、脱臭、減菌、脱色、鮮度保持などに広く利用されているオゾンを水に溶解させたオゾン水を噴霧して対象物を殺菌、洗浄する方式、あるいはオゾンを含むエアーと水を噴霧ノズルで混合させ、ノズル孔から噴霧して散布し、殺菌、洗浄する方式などが知られている。オゾン水を噴霧する方式の例として、例えば特許文献1の「オゾン水による殺菌方法及びオゾン水殺菌用スプレーノズル」が提案されている。この殺菌方法には、給液管の先端に回転ノズルを回転自在に設け、回転ノズルには軸方向、斜め方向、大口径、小口径の各種オリフィス孔が形成され、オゾン水の液圧で回転ノズルを回転させてオゾン水を散布する形式のスプレーノズルが用いられている。
【0004】
オゾン含有エアーを水と混合して噴霧する方式の例として、本発明者が提案した「オゾンスプレ装置」が特許文献2により公知である。このオゾンスプレ装置は、オゾンを含む空気を流通させる導通路と液体供給源からの液体を流通させる導通路とをそれぞれ独立に平行して設け、各導通路の流出端を噴出口位置で同心状に設け、同心状の流出端は噴出口に対し気体のエネルギにより液体を吸引するエゼクタ手段を形成するようにした噴霧ノズルと、液体を貯留する容器とを備えている。
【0005】
上述したオゾンスプレ装置の噴霧ノズルは、実際の例では、中心位置を通る気体の導通路に対し、液を吸い上げて気体の導通路と平行に流通させる導通路を交差しないように中心位置から外して設け、液の導通路は大気へ連通するための導通路部分をノズル本体を上下に貫通して設け、又ノズル本体の端は突出形状に形成され、ノズル本体に接続されるノズルキャップとの間に形成された円錐状隙間の中央端に気体の導通路端が突出端として設けられ、この突出端がキャップ中央の噴出口端より少し奥側に位置するように設けられている。
【0006】
又、上記公報には上記オゾンスプレ装置を備えた小型可搬式のオゾン殺菌装置についても記載されている。このオゾン殺菌装置は、エアーを圧縮して送り出すエアーポンプからのエアーから無声放電によりオゾンO3 を発生するオゾン発生器でオゾンを含むエアーを送り出し、そのエアーをオゾンスプレ装置の噴霧ノズルへ送ってオゾンを含むエアーを水と混合し、噴霧液滴として噴霧するというものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−254522号公報
【特許文献2】
特開2000−316956号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した高圧水を用いて洗浄する方法は、落ち難い又は擦っても落ちないような汚れやカビの除去にはある程度有効であり、高圧水の水流エネルギで汚れを剥ぎ取るようにして洗浄できる。しかし、洗浄部位の完全な除菌、殺菌までの効果はなく、又ぬめりまで取り除くことはできない。高圧水による洗浄には殺菌作用はなく、又ぬめりのような汚れは分解しなければ完全に除去することができないからである。そして、このような汚れの除去に特許文献1の「スプレーノズル」を用いることはできない。オゾン水を高圧水として供給しても回転式のノズルから噴射される噴霧流れは、噴霧後急速に流体圧力を失って高圧水としてのエネルギがなくなり、又オゾン水に含まれるオゾンはノズルから噴射された直後に外周へ霧化発散し、対象部位には全く届かないからである。
【0009】
特許文献2の「オゾンスプレ装置」の噴霧ノズルは、駆動流体が圧縮エアーであり、そのままでは高圧水洗浄そのものができない。この場合、駆動流体を高圧水とし、オゾン含有エアーをエゼクタ効果で吸引して噴霧することが考えられるが、このような態様で噴霧ノズルを用いても、やはり特許文献1の場合と同様にノズルから噴霧された直後にオゾン含有エアーは外周へ霧化発散し、対象部位まで届かない。
【0010】
特許文献2の噴霧ノズル以外に、一般に高圧水を噴霧するノズルの噴霧口の手前で高圧水の流れに直角に気体吸入孔を設け、高圧水の流れによる負圧で外部からオゾン含有エアーをこの気体吸入孔から吸引して混合し、噴霧口から噴霧する形式のノズルを用いることも考えられる。しかし、この場合もその作用は特許文献2の場合と同様であり、オゾン等の気体を噴霧到達点まで高圧噴霧流れに乗せて運ぶことはできない。
【0011】
この発明は、上記の問題に留意して、高圧水の持つエネルギでノズルから高速の噴霧流れを生じさせてその噴霧流れの圧力で対象物を洗浄する能力を保持し、かつオゾンを含有するエアーを高速噴霧流れに混合して対象物まで運びオゾンの酸化作用を対象物に及ぼし得る高圧オゾン洗浄方法及び装置を提供することを課題とする。
【0012】
又、上記高圧オゾン洗浄装置に用いることのできる高圧オゾン噴霧ノズルを提供することをもう1つの課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、高圧水とオゾン含有エアーをノズルへ送り、ノズルから複数条の高圧噴霧流れとオゾン含有エアーの噴霧流れをそれぞれ独立に噴霧し、ノズル外で高圧噴霧流れを互いに合流させると共に、その合流点に生じる高圧噴霧流れの負圧によりオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引してこれを合流高圧噴霧流れに混合し、この合流高圧噴霧流れを対象物に噴射して洗浄・殺菌するようにした高圧オゾン洗浄方法としたのである。
【0014】
上記方法を実施する装置として、高圧水を発生させる高圧水供給源と、オゾンを含有するエアーを供給する気体供給源と、高圧水の噴霧流れにオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引、混合して対象物に噴射する高圧オゾン噴霧ノズルとを備え、高圧オゾン噴霧ノズルはノズル本体の中心にオゾン含有エアーの噴霧孔と、これを挟んで又は囲むようにそれぞれ互いに平行に複数の高圧水の噴霧孔とを備え、複数の高圧水の噴霧孔をそれぞれの噴霧流れの拡がりが相互に干渉して合流可能で、かつその合流位置での負圧による吸引力でオゾン含有エアーを吸引し得る寸法に互いに離隔して形成した高圧オゾン洗浄装置とすることができる。
【0015】
上記の高圧オゾン洗浄方法及び装置では、ノズルから高圧水の噴霧流れが複数条噴霧され、かつオゾン含有エアーの噴霧流れも噴霧される。これら噴霧流れは、それぞれ独立にノズルから噴霧され、かつ高圧水の噴霧流れはノズル外で互いに合流し、その合流位置では負圧が生じる。従って、この合流位置をオゾン含有エアーの噴霧流れが拡散する前に高圧水の噴霧流れに吸収し得る所定の距離位置に設定することによりオゾン含有エアーの噴霧流れを吸収させることができる。
【0016】
オゾン含有エアーの噴霧流れを吸収した混合噴霧流れは、高圧の噴霧流れのエネルギで対象物に激しく噴射され、これにより対象物を洗浄するが、その際オゾン含有エアーの霧滴が含まれているためオゾンの強い酸化力が作用する。従って、対象物の隅部に固形化したカビや床面上のぬめりなど単に高圧水の噴霧流れを噴射しただけでは除去できない汚れをオゾンの酸化力で分解して完全に除去し、洗浄、殺菌まで行なうことができる。
【0017】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の高圧オゾン洗浄装置の概略構成図、図2はその外観斜視図、図3はこの洗浄装置に用いられる高圧オゾン噴霧ノズルの外観斜視図、及び主断面図である。高圧オゾン洗浄装置は、高圧水を発生させる高圧水供給源10Aと、オゾンを含有するエアーを供給する気体供給源10Bとを内蔵する洗浄装置本体10と高圧水の噴霧流れにオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引し、混合して対象物に噴射する高圧オゾン噴霧ノズル1とを備えている。
【0018】
高圧水供給源10Aは、給水された水を貯留する給水タンク11と、この給水タンクから送られる水を高圧にする高圧ポンプ12と、供給される高圧水の圧力を調整する調圧弁13から成り、図示の装置では高圧水の圧力は30kgf/cm2 に設定される。12M は駆動モータである。なお、給水タンク11へ送られる水は、図示の例ではバーナ22により温水を発生させる温水ボイラ21を経て水源20から供給されるが、温水ボイラ21は必ずしも設けなくてもよい。水量は9l/minである。
【0019】
気体供給源10Bは、外気取入口14aから吸入されるエアーをトランスTrで高周波電圧を送り出す高周波電源16による高電圧の電極内でプラズマ放電によりその一部を解離させてオゾンO3 を発生させるオゾナイザ15とを備えている。電源は商用電源25から接続端子26を経て送られる。図示の例では、エアー圧縮機14で圧力0.2kgf/cm2 、流量5l/minのエアーが生成され、高周波電源16は、高周波20,000Hz、17,000Vの高電圧(860W)を送り出す。
【0020】
なお、洗浄装置本体10は、可搬式とするためケーシング10cの下底に移動用のキャスタ10R が取付けられ、ハンドル10H の手押しで移動自在である。
又、この洗浄装置本体10から供給される高圧水は可撓性の高圧ホース4ahから噴霧ノズル銃4G の銃床4H に取付けた給水管4へ送られ、オゾン含有エアーはこの給水管4の先端に設けた高圧オゾン噴霧ノズル1のノズル本体2へ可撓性のエアーホース5からノズル本体2に取付けられるエアーヘッダ3を経由して送られる。4L は噴霧レバーであり、図示省略しているが、銃床4H 内に設けられた開閉弁を噴霧レバー4L により開閉して高圧水を噴射又は停止させるようになっている。洗浄装置本体10内の給水管は高圧用鋼管が固定設置され、噴霧ノズル銃4G の給水管4にも高圧用鋼管が用いられている。
【0021】
高圧オゾン噴霧ノズル1は、ノズル本体2とエアーヘッダ3とから成り、ノズル本体2にはその中心にオゾン含有エアーの噴霧孔7、これを挟んで2つの高圧水噴霧孔6、6がそれぞれ互いに平行に設けられており、又ノズル本体2の背面側には連結孔4aに給水管4が接続され、エアーヘッダ3にはエアーホース5が接続されている。エアーヘッダ3はノズル本体2に対し半径方向に螺着され、エアーヘッダ3の突出端3aに接続金具5aを介してエアーホース5が接続されている。
【0022】
エアーヘッダ3の内部には連通孔3R が穿設され、その一端がエアーホース5の内径に連通している。3ORはオーリングであり、エアーホース5はテフロン(登録商標)又はシリコン製の耐オゾン可撓製ホースが用いられている。ノズル本体2に接続されている給水管4の先端は、連結孔4a内に挿入され、止めねじ4bにより固定されている。4ORはオーリングであり、このオーリング4ORで形成されるスペース4sに2つの高圧水噴霧孔6、6の奥側を通過させて給水管4の内径に接続される。
【0023】
ノズル本体2に設けられている高圧水噴霧孔6、6とオゾン含有エアー噴霧孔7の配置は、上記の設定圧(30kgf/cm2 )で噴霧孔6、6から射出される高圧水の噴霧流れがそれぞれの噴霧流れの拡散によって、図4に示すように所定距離L(図示の例では約15cm)の位置で互いに合流可能であり、かつ2条の高圧水の噴霧流れが合流することにより生起される負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引し、混合し得る間隔に2つの高圧水噴霧孔6、6の互いの間隔を設定してある。
【0024】
なお、図示の噴霧孔6、6と噴霧孔7は同一直線上に配置されているが、噴霧孔6、6は2つに限らず、例えば噴霧孔7を中心として3つ又は4つ、あるいはそれ以上の複数個設けてもよい。但し、いずれの場合も上述した噴霧流れが合流、吸引、混合される機能の条件に適合するように設けることが必要である。又、ノズル本体2の直径は20mmφ、噴霧孔6、6は直径1.5mmφ、噴霧孔7は直径1.2mmφ、噴霧孔6と6の中心間距離は5.5mm、給水管4の内径5mm、エアーホース5の内径4mmである。
【0025】
以上のように構成した実施形態の高圧オゾン洗浄装置では、次のようにオゾン含有エアーが高圧水に混合されて噴射され、洗浄作業が行なわれる。洗浄装置を作動させるため、給水ライン、エアーラインのストップ弁を開き、図示しない電源スイッチを投入して高周波電源16を起動させるとその旨の表示がなされ、異常がなければ準備が終わる。なお、高圧水に温水を使用するときは予め温水ボイラ21のバーナ22で温水を温水ボイラ21から給水タンク11へ送って貯水しておくものとする。噴霧ノズル銃4G をケーシング10cの保持部材から持上げ、その高圧オゾン噴霧ノズル1を対象物へ向けて噴霧レバー4L を引くと高圧オゾン噴霧流れが噴射される。
【0026】
噴霧レバー4L を引くと銃床内の開閉弁が開かれ、その作動スイッチの信号により高圧ポンプ12のモータ12M 及びエアー圧縮機14のモータ(図示せず)が起動され、給水ラインから高圧水が送られ、エアーラインからオゾン含有エアーが送られると、高圧オゾン噴霧ノズル1からそれぞれの噴霧流れが噴霧され、これを短時間(数秒)保持すると高圧オゾン噴霧ノズル1の噴霧状態は安定した定常状態となり、洗浄可能の状態となる。高圧オゾン噴霧ノズル1から噴射される高圧水及びオゾン含有エアーの噴霧流れは、それぞれの噴霧孔6、6、7が互いに独立に設けられているため、噴霧孔から噴霧される前にノズル1内で混合されることはない。
【0027】
又、各噴霧孔6、6、7は互いに平行に設けられているから、それぞれの噴霧流れも噴霧孔6、6、7から直進する方向に噴射される。しかし、2つの高圧水の噴霧流れJ1 、J2 は、その圧力に応じた放射角を以て拡がりながら進み(図中のj1 、j2 は拡散噴霧流れを示す)、かつ2つの噴霧孔6と6の間隔が小さいため、所定距離L進むと互いに合流して1つの噴霧流れJwとなる。しかも、所定距離Lの合流点(位置)では、2つの噴霧流れの合流により負圧域が生じ、このため噴霧孔7からのオゾン含有エアーの噴霧流れJairを吸引して混合し、この混合された噴霧流れが対象物に噴射されることとなる。
【0028】
従って、上記のように混合されて1つとなった噴霧流れJwにはオゾン含有エアーの霧滴が含まれて対象物に噴射されるため、高圧水のエネルギで高速流れとして噴霧された激しい噴霧流れにより対象物を強く洗浄すると共に、オゾンの強力な酸化作用が働く。このオゾンの酸化作用は、単に高圧水の噴霧流れのみで噴射しただけでは洗浄できないような汚れを溶解、又は分解して高圧水の噴霧流れの圧力の作用と協働して除去することができることとなる。
【0029】
上記オゾンの酸化作用は、従来の高圧水の噴霧ノズルによる噴霧流れでは除去できない次のような場合に有効である。例えば図5に示すような自動車の洗車装置として実施形態の洗浄装置を使用する場合では、自動車ボディの表面に付着した泥を高圧水の噴霧流れで除去出来るとしても、隅部に長期間放置されたカビが固形化して付着している場合、これをオゾンの酸化作用で溶解、分解することにより短時間に効率よく除去できる。又、図示以外の例として、業務用厨房の床面、公衆浴場の床面等に付着するぬめりと呼ばれる分解し難い汚れ等、酸化作用により分解しなければ除去できないような汚れを完全に除去することができる。
【0030】
なお、実施形態の装置では高圧水として用いられる水は予め温水ボイラ21で温水として給水タンク11へ送られており、このためこの温水を用いた高圧温水は、湯温を高く保持することにより対象物のぬめり等に対する溶解力を大きくし、洗浄力を高めることができてより一層効果的である。これは水のクラスタを小さくし、表面張力を小さくすることで洗浄力を高めるからである。又、対象物への噴射後は、オゾンO3 は数秒で安定な酸素O2 へ戻り、従って周囲の環境に影響を及ぼすことなく高圧洗浄ができることとなる。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、この発明の高圧オゾン洗浄方法及び装置では複数条の高圧水の噴霧流れとオゾン含有エアーの噴霧流れをノズルからそれぞれ独立に噴射し、複数条の高圧水の噴霧流れをノズル外で互いに合流するようにし、その合流位置で生じる負圧でオゾン含有エアーの噴霧流れを混合してオゾンを対象物まで運ぶようにしたから、高圧水の噴霧流れのエネルギで対象物を洗浄するだけでなく、オゾンの強い酸化力で分解又は溶解しなければ落ちないような落ち難い汚れも短時間に効率よく洗浄することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の高圧オゾン洗浄装置の概略構成図
【図2】同上洗浄装置の外観斜視図
【図3】高圧オゾン噴霧ノズルの(a)外観斜視図、(b)主断面図
【図4】作用の説明図
【図5】洗浄対象への使用例の説明図
【符号の説明】
1 高圧オゾン噴霧ノズル
2 ノズル本体
3 エアーヘッダ
4 給水管
4G 噴霧ノズル銃
5 エアーホース
6 高圧水噴霧孔
7 オゾン含有エアー噴霧孔
10 洗浄装置本体
10A 高圧水供給源
10B 気体供給源
11 給水タンク
12 高圧ポンプ
13 調圧弁
14 エアー圧縮機
15 オゾナイザ
16 高周波電源
Claims (5)
- 高圧水とオゾン含有エアーをノズルへ送り、ノズルから複数条の高圧噴霧流れとオゾン含有エアーの噴霧流れをそれぞれ独立に噴霧し、ノズル外で高圧噴霧流れを互いに合流させると共に、その合流点に生じる高圧噴霧流れの負圧によりオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引してこれを合流高圧噴霧流れに混合し、この合流高圧噴霧流れを対象物に噴射して洗浄・殺菌するようにした高圧オゾン洗浄方法。
- 高圧水を発生させる高圧水供給源と、オゾンを含有するエアーを供給する気体供給源と、高圧水の噴霧流れにオゾン含有エアーの噴霧流れを吸引、混合して対象物に噴射する高圧オゾン噴霧ノズルとを備え、高圧オゾン噴霧ノズルはノズル本体の中心にオゾン含有エアーの噴霧孔と、これを挟んで又は囲むようにそれぞれ互いに平行に複数の高圧水の噴霧孔とを備え、複数の高圧水の噴霧孔をそれぞれの噴霧流れの拡がりが相互に干渉して合流可能で、かつその合流位置での負圧による吸引力でオゾン含有エアーを吸引し得る寸法に互いに離隔して形成した高圧オゾン洗浄装置。
- ノズル本体の中心にオゾン含有エアーの噴霧孔と、これを挟んで又は囲むように複数の高圧水の噴霧孔をそれぞれ互いに平行に設け、複数の高圧水噴霧孔をそれぞれの噴霧流れの拡がりが相互に干渉して合流可能で、かつその合流位置での負圧による吸引力でオゾン含有エアーを吸引し得る寸法に互いに離隔して設けた高圧オゾン噴霧ノズル。
- 前記ノズル本体に接続される給水管から高圧水をノズル本体内で複数の高圧水の噴霧孔に分配して噴霧するように形成したことを特徴とする請求項3に記載の高圧オゾン噴霧ノズル。
- 前記複数の高圧水の噴霧孔を2つとしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の高圧オゾン噴霧ノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003080741A JP2004283764A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 高圧オゾン洗浄方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003080741A JP2004283764A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 高圧オゾン洗浄方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004283764A true JP2004283764A (ja) | 2004-10-14 |
Family
ID=33294515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003080741A Pending JP2004283764A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | 高圧オゾン洗浄方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004283764A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2081604A1 (en) * | 2006-10-25 | 2009-07-29 | AJT&Associates, Inc. | Ozone disinfection apparatus |
JP2013502306A (ja) * | 2009-08-19 | 2013-01-24 | ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ | 硬質表面を洗浄する方法 |
WO2018181771A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 公立大学法人大阪府立大学 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
KR20200001295A (ko) * | 2018-06-27 | 2020-01-06 | 이상기 | 석면 분진 제거용 분무장치 |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003080741A patent/JP2004283764A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2081604A1 (en) * | 2006-10-25 | 2009-07-29 | AJT&Associates, Inc. | Ozone disinfection apparatus |
EP2081604A4 (en) * | 2006-10-25 | 2010-12-15 | Agrimond Usa Corp | OZONE DISINFECTION APPARATUS |
JP2013502306A (ja) * | 2009-08-19 | 2013-01-24 | ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ | 硬質表面を洗浄する方法 |
WO2018181771A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 公立大学法人大阪府立大学 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
JP2018171584A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 公立大学法人大阪府立大学 | 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 |
KR20190131524A (ko) * | 2017-03-31 | 2019-11-26 | 코우리츠 다이가꾸 호우진 오사카 | 배기가스 처리장치 및 배기가스 처리방법 |
KR102524186B1 (ko) | 2017-03-31 | 2023-04-20 | 코우리츠 다이가꾸 호우진 오사카 | 배기가스 처리장치 및 배기가스 처리방법 |
KR20200001295A (ko) * | 2018-06-27 | 2020-01-06 | 이상기 | 석면 분진 제거용 분무장치 |
KR102094162B1 (ko) * | 2018-06-27 | 2020-03-27 | 이상기 | 석면 분진 제거용 분무장치 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5588582B2 (ja) | 洗浄装置 | |
JP2010203756A (ja) | 除塵・除菌装置 | |
JP2006346611A (ja) | 洗浄液噴射装置 | |
JP4215450B2 (ja) | オゾン水噴霧ノズル装置 | |
JP2004283764A (ja) | 高圧オゾン洗浄方法及び装置 | |
JP2007111689A (ja) | 吐水口設置型気液混合装置。 | |
JP3600475B2 (ja) | オゾン殺菌装置及びオゾンスプレ装置 | |
JPH10230229A (ja) | オゾン混入装置及び洗浄装置 | |
JP4379520B2 (ja) | 洗浄装置及び洗浄方法 | |
JP2013146719A (ja) | 洗浄装置および洗浄方法 | |
KR20220128046A (ko) | 마이크로버블 발생 노즐 유닛 | |
KR100442314B1 (ko) | 오존수와 오존 수증기 생성 방법 및 장치 그리고 이를이용한 세정장치 | |
JP2006334552A (ja) | オゾン水製造装置、オゾン水製造装置を用いた洗浄装置及びオゾン水製造装置を用いた水質改善装置 | |
JP4788800B2 (ja) | 洗浄方法及び洗浄装置 | |
JP2004066050A (ja) | オゾン混合水発生方法及び装置 | |
JP4509763B2 (ja) | 気液混合流噴射装置 | |
JP2003284765A (ja) | オゾンスプレ装置 | |
JP2022181731A (ja) | 頭皮の洗浄方法および洗浄装置 | |
JP7199747B2 (ja) | 配管洗浄方法 | |
JP5521869B2 (ja) | 洗車機 | |
KR20180115933A (ko) | 탄산 버블 제조 장치를 구비한 정수기, 및 탄산 버블 미스트 분사를 겸용하는 탄산 버블 샤워기 | |
JP2540172Y2 (ja) | 塗料経路の洗浄装置 | |
JP2023160204A (ja) | 液体噴射装置 | |
WO2006119670A1 (fr) | Sterilisateur a ions negatifs/ozone | |
JPH061270Y2 (ja) | 洗浄装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060110 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060905 |