JP2004283512A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【課題】如何に不運な状態でも、メダルの消費が著しく多くなることはないスロットマシンを提供する。
【解決手段】スタート操作に起因して複数個の回転リール1を回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンSLにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームST9に移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームST6では、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する一方、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合には、特別当選状態を通常時より高い当選確率で決定するようにしている。
【選択図】 図8
【解決手段】スタート操作に起因して複数個の回転リール1を回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンSLにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームST9に移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームST6では、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する一方、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合には、特別当選状態を通常時より高い当選確率で決定するようにしている。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、また、運が悪い場合でも極端にメダルを消費することのないスロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、メダル投入後、スタートレバーの操作により複数の回転リールを回転させ、その後、ストップボタンを操作して各回転リールを停止させる遊技機である。各回転リールには多数の図柄が描かれており、停止状態において有効な停止ライン上に同一図柄が揃うと、揃った図柄に応じて1枚〜15枚程度のメダルが払出されるようになっている。
【0003】
ここで、ボーナス図柄と呼ばれる特定の図柄が揃うと、その後は、ビッグボーナスゲーム(BB)やレギュラーボーナスゲーム(RB)と呼ばれるボーナスゲームが開始され、多量のメダル獲得が可能になっている。但し、揃えることができる図柄は、機器内部の抽選処理によって予め決定されており、その当選図柄に限って停止ライン上に揃うように停止制御がされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスロットマシンでは、毎回のゲームで乱数抽選によって当否を決定するだけであるので、場合によっては、確率的に予定されている範囲を超えたゲームとなることがあった。例えば、ボーナスゲームの発生頻度が高いために極端に多くのメダルを獲得できることがある反面、ボーナスゲームの発生頻度が、確率的には考えられないほどに低く、メダルの消費が著しいこともあった。
【0005】
そこで、メダルの投入枚数と払出枚数の差を累積して、この累積値が所定の基準値を超えると、強制的にボーナスゲームを開始させることが考えられる。このようなスロットマシンでは、ボーナスゲームの終了後に改めて抽選処理を行い、前記の基準値を変更することが考えられる。
【0006】
しかしながら、如何に抽選によって基準値を変更するとは言っても、一旦基準値が決まると、ボーナスゲームの開始時期が一意的に決定されてしまうことに変わりはなく、その意味ではゲーム進行に迫力が欠けるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、またメダルの消費が著しく多くなることもないスロットマシンを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合に機能して、特別当選状態を決定する第二手段とを備え、前記第一手段と第二手段の何れかの決定に基づいて前記特別ゲームを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明において、第一手段と第二手段の決定は、その何れを優先しても良いが、図8に例示した実施態様では、第一手段(こでは乱数抽選1)の決定を優先している。何れにしても、第一手段か第二手段の何れかで特別当選状態となれば、他方の処理をスキップするのが好適である。図8の実施態様では、破線部に示すように、第一手段で特別当選状態となると第二手段の処理をスキップしている。
【0010】
また、本発明において、第二手段は、無条件で特別当選状態を決定しても良いし、図8の実施態様のように、抽選処理によって特別当選状態を決定しても良い。但し、好ましくは、遊技媒体の投入個数と払出個数の差の累積値が、所定の基準値を超えた場合に抽選処理によって特別当選状態を決定している。この場合、好適には、当選確率を第一手段における当選確率より格段に向上させるべきである。
【0011】
請求項2に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、前記第一手段が前記特別当選状態を決定しなかった場合に機能して、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えたことを条件に特別当選状態を決定する第三手段とを備えている。
【0012】
本発明において、第三手段は、無条件で特別当選状態を決定しても良いし、抽選処理によって特別当選状態を決定しても良い。但し、抽選処理によって特別当選状態を決定するのが好ましく、この場合、特別当選状態の抽選に外れた場合には、前記基準値を変更すると更に好ましい。この場合も抽選処理によって基準値を変更するのが好適である。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、特別当選状態の当否を抽選する手段として、第一手段及び第三手段を併用したものである。この請求項2では、通常ゲームの毎回ゲームにおいて、第一手段で特別当選状態の当否を決定し、第一手段で特別当選状態に当選しないとき、第三手段で所定の累積値が所定の基準値を超えている条件を満たすことで、特別当選状態の当否を決定する。
【0014】
このように、第一手段と第三手段を併用したのは、第三手段のみで特別当選状態の当否を決定すると、所定の累積値が所定の基準値を超えるまで特別当選状態の当否を決定しないものとなるからである。遊技者からすれば、上記累積値が基準値を超えるまでの毎回ゲームにおいては、特別当選状態の当否を得られないことになる。
【0015】
また、遊技開始時の累積値の如何によっては、遊技者の間で特別当選状態を得られる機会に差がでる。例えば、基準値を400としたとき、累積値が50のときに遊技を開始したときと、累積値が390のときに遊技を開始したときでは、累積値が390のときのほうが消費する遊技媒体が少なくて済むことなる。従って、遊技者間において、特別当選状態を得る機会を出来るだけ均等にするべく、第三手段と第一手段を併用し、毎回のゲームで特別当選状態の当否の決定を実行することにしたものである。
【0016】
請求項1又は請求項2の発明は、好ましくは、前記累積値が所定の基準値を超えるまでは、毎回のゲームにおいて基準値を変更するか否かを抽選によって決定しても良い。基準値を変更可能にすることで、毎回のゲームで基準値が変動することになり、このことによって、遊技の開始時に関係なく、遊技者間において特別当選状態を得る機会の均等を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームでは、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する一方、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合には、特別当選状態を((好ましくは、通常時より高い当選確率で)決定するようにしている。
【0018】
前記基準値は、初期処理時及び/又はその後に、抽選処理によって決定されるのが好適である。また、前記累積値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出されるのが好適である。これに合わせて、前記基準値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出される数値に関する値であるのが好適である。但し、前記累積値は、遊技媒体の個数(OUT)を問題にせず、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)のみに基づいて算出されるのも好適である。なお、請求項1〜3に記載の各発明において、遊技媒体とは、典型的には実施例で説明するメダルであるが、それ以外のパチンコ玉などでも良い。
【0019】
請求項1〜3に記載の各発明において、特別ゲームとは、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い全てのゲームを含む。したがって、実施例で説明するビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームだけでなく、比較的多くのメダルを獲得できる各種のサービスゲーム[遊技機業界ではAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)、CT(チャレンジタイム)などと称される]が含まれる。ここで、ATとは、3つのストップボタンの何れを押圧すべきかの情報や、その押圧タイミングを機器が報知し、この報知にしたがうと多量のメダル獲得が期待できる一連のゲームである。
【0020】
一方、通常ゲームは、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ないゲームであり、上記した各種の特別ゲームの範疇に入らないものである。この通常ゲーム中は、例えば、上記特別ゲームに移行させるか否かの抽選の他に、1〜15枚程度のメダルの払出しが抽選によって決定されるのが一般的である。また、メダルの投入を要することなく次回のゲームを開始できるリプレイゲームの当否抽選も行われるのが一般的である。
【0021】
上記した各発明において、累積値が基準値を超える態様には、実施例のように、累積値が増加することによって基準値を上回る場合だけでなく、累積値が減少することによって基準値を下回る場合も含まれる。なお、実施例のように、累積値≧基準値の条件下で動作する機器も、累積値が基準値を超える動作態様に含まれるのは勿論である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図9は、本発明の基本概念を図示したものであり、基準値を変更する条件を例示している。まず、スロットマシンの構成等について説明する。スロットマシンは、図9に示すステップS1、ステップS2において、乱数抽選1を実行する第一手段と、乱数抽選2を実行する第二手段(又は第三手段)を備えている。なお、図9のステップS0、ステップS3における乱数抽選4及び乱数抽選3は、第一手段から第3手段のいずれかで実行すれば良い。
【0023】
また、乱数抽選1の抽選態様としては、特別当選状態、小役当選状態、ハズレを抽選する。小役当選状態には、実施例でも説明するが、複数の小役からなるもので、リプレイを含んでも良い。更に、特別当選状態とは、実施例でも説明するが、当選状態を示すフラグを成立させて、回転リールを特別ゲームに対応する図柄で停止可能にすることである。小役当選状態も同様である。
【0024】
次に、図9のフローチャートについて説明する。図9において、第1手段は所定の条件を満たすかを判断し、該条件を満たすとき、基準値THを抽選する(S0)。所定の条件とは、(1)実施例で説明する設定変更時、(2)ステップS2の乱数抽選2でハズレた時、(3)ステップS3の乱数抽選3で当選した時、(4)特別ゲームを実行した後のいずれかである。また、基準値THとは、ステップS2で特別当選状態の抽選を実行する、条件となる値である。例えば、遊技媒体の個数又はゲーム回数で規定され、所定範囲の中から任意の値を抽選で決定する。
【0025】
ステップS0の後、遊技者により通常ゲームが開始されると、第一手段は乱数抽選1を実行する。また、累積値NUMを算出する(S1)。この累積値NUMとは、遊技媒体の総投入個数−遊技媒体の総払出個数の差、又は総ゲーム回数である。ステップS1の乱数抽選1で、特別当選状態に当選すると、特別ゲームに移行可能とし、該特別ゲームを実行する。この特別ゲームを実行した後、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。
【0026】
ステップS1の乱数抽選1で、特別当選状態に当選しないと、第二手段(又は第三手段)は累積値NUMと基準値THの比較処理を実行する。上記比較処理の結果、累積値NUM≧基準値THであると、乱数抽選2を実行する。乱数抽選2では、特別当選状態、ハズレの抽選を行ない、特別当選状態に当選すると、特別ゲームに移行可能とし、該特別ゲームを実行する。この特別ゲームを実行した後、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。また、特別当選状態に当選しないと、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。
【0027】
一方、上記比較処理の結果、累積値NUM<基準値THであると、乱数抽選3を実行する。乱数抽選3で基準値THの変更抽選に当選すると、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。乱数抽選3に当選しないと、基準値THを維持しつつ次の通常ゲームに移行する。
【0028】
このように、本発明の実施形態では、毎回の通常ゲームにおいて、乱数抽選1により特別当選状態、小役当選状態、ハズレを抽選する。これにより、毎回の通常ゲームにおいて、遊技者には特別当選状態を抽選する機会を与えている。そして、毎回の通常ゲームにおいて、上記乱数抽選1で特別当選状態に当選しないときに、はじめて累積値NUMと基準値THの比較処理を実行するものである。
【0029】
また、乱数抽選4を設けることで、乱数抽選1で特別当選状態に当選することなく、累積値NUM≧基準値THとなる以前の通常ゲームにおいて、基準値THが変更(抽選)される可能性をもたせる。したがって、遊技の開始時期に拘わらず、遊技者には特別当選状態の当否(抽選)の機会を均等に与えることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、この発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るスロットマシンSLについて、その前面パネル部の一例を示す正面図である。この前面パネルには、その左端にヒンジ部Hが設けられ、係員が施錠部LOCKを解錠した場合には、ヒンジ部Hを回転中心にして前面パネルを開放できるようになっている。
【0031】
このような前面パネルの背面には、複数種類の図柄を描いた3個の回転リール1a〜1cが回転自在に設けられており、表示窓2には、各回転リール1a〜1cの図柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっている。表示窓2には、水平方向に3本(L1〜L3)、斜め方向に2本(L4,L5)の停止ラインが設けられていて、メダル投入口3からのメダル投入枚数に応じて有効な停止ラインの本数が変わるようになっている。
【0032】
メダル投入後、スタートレバー4を操作すると、スタートランプが消灯すると共に、3個の回転リール1a〜1cが一斉または順次に回転を開始し、ストップボタン5a〜5cが押されるごとに、該当する回転リール1a〜1cが停止する。そして、停止ライン上に当選図柄が揃った場合には、受け皿6に所定枚数のメダルが払い出されるようになっている。なお、ストップボタン5a〜5cが操作可能であることは、ストップボタンの点灯によって示される。
【0033】
図2(a)は、実施例に係るスロットマシンSLの概略構成図である。図示の通り、このスロットマシンSLは、一連の遊技動作を統括して制御する主制御基板Mと、主制御基板Mから遊技コマンドを受けて各演出部材を駆動するサブ制御基板Sとを中心に構成されている。ここで演出部材とは、具体的には、予告ランプLPを含む各種の演出用LED群、回転リール1a〜1cを内側から照明するバックライト部、演出用の冷陰極蛍光放電管、及びスピーカなどが該当する。
【0034】
遊技コマンドの一例は、図2(b)に示す通りであり、例えば、(1)遊技者による遊技メダルの投入を主制御基板Mが検知したこと、(2)遊技者のスタートレバー操作に対応して主制御基板Mが回転リールの回転を開始させたこと、(3)遊技者のストップボタン操作に対応して該当する回転リールを主制御基板Mが停止させたこと、(4)主制御基板Mが遊技メダルの払出を開始したこと、(5)主制御基板Mが遊技メダルの払出を停止したこと、(6)主制御基板Mは新たなメダル投入が不要の再ゲームを開始させたこと、(7)ボーナスゲームが開始されたこと、(8)ボーナスゲームが終了されたことなどを含む遊技進行の各段階をサブ制御基板Sに通知するようになっている。
【0035】
一方、サブ制御基板Sでは、このような遊技コマンドによって遊技進行の現状を把握して、適当な演出動作を実行するようになっている。このように、このスロットマシンSLでは、主制御基板Mは、遊技進行の現状をサブ制御基板Sに対して一方向に通知するだけであるから、(サブ制御基板Sの制御によって)複雑高度な演出を実行している場合にも、主制御基板Mの制御負担が極めて軽い。
【0036】
図3は、主制御基板Mの内部構成を概略的に図示したものである。主制御基板Mには、ROM21、RAM22、CPU23などを内蔵するワンチップマイコン20が搭載され、このワンチップマイコン20と、乱数発生部30や出力ポート31などによって一連の遊技制御が実現されている。ここで、出力ポート31は、サブ制御基板Sに対して遊技コマンドや、割込み用の制御信号CTLを出力する部分である。乱数発生部30は、各種の抽選処理において使用される乱数列を生成する部分であり、この実施例の場合には、CPU23のシステムクロックとは同期しないクロック信号Φを発振する発振器30aと、前記クロック信号Φを一定の数値範囲内で循環的にカウントするカウンタ30bとで構成されている。但し、この構成に限定されるものではない。
【0037】
また、主制御基板Mには、各回転リール1a〜1cをステッピングモータM1〜M3によって回転させるモータ駆動部24と、通過センサの出力に基づいて各回転リール1a〜1cの回転位置を検出する位置検出部25と、メダル投入口3からのメダル投入動作を検知するメダル検知部26と、スタートボタン4の操作を検出するスタート信号入力部27と、ストップボタン5a〜5cの操作を検出するストップ信号入力部28と、受け皿6にメダルを払い出すメダル払出部29とを備えている。
【0038】
図4は、第1実施例の遊技機の動作内容を説明するフローチャートであり、主として、主制御基板M(第一手段、第二手段及び第三手段に相当する)によって実現される一連の遊技動作を示している。図示の通り、この遊技機では、ボーナスゲームを開始させる一条件となる差枚数の基準値THを、初期動作時やボーナスゲーム終了時に乱数抽選処理によって決定している。なお、決定された差枚数の基準値THは、通常ゲーム中に再抽選されて変更されることもある。
【0039】
この実施例の場合、ボーナスゲームは、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)とに区分されている。そして、BBゲームとは、通常ゲームより格段に多量のメダル取得(例えば350枚以上)を望めるゲームであり、典型的には、図6(a)のように実行される。また、RBゲームとは、前記BBゲームに準じる個数のメダルの取得(例えば110枚以上)を望めるゲームであり、典型的には、図6(b)のように実行される。
【0040】
先に説明したように、本実施例では、初期動作時やボーナスゲーム終了時に差枚数の基準値THを決定しているが、ここで差枚数とは、遊技者の投入したメダルの個数INと、遊技機から払出されたメダルの個数OUTの差(=IN−OUT)を意味する。この差枚数は、ゲーム進行に応じてランダムに変化するが、ボーナスゲーム以外では、(IN−OUT)の値が確率的に正になるように設定されており、通常、OUT=0.4×INとなるような払出し数OUTに制御される。
【0041】
そして、この差枚数NUMの累積値(ΣIN−ΣOUT)が、通常ゲームにおいて基準値THを超えると、非常に高い確率でBBゲームか又はRBゲームの当選可能になっている。一方、通常ゲームでは、従来の機器と同様の抽選処理も行われておりハズレ状態でなければ、BBゲーム、RBゲーム、リプレイ(RP)ゲーム、或いは、何れかの小役ゲーム(配当メダル数が14枚、12枚、10枚、2枚の何れか)に当選するようになっている。
【0042】
このように本実施例では、ボーナスゲーム(BB,RB)に関する当否抽選は、通常ゲーム中の乱数抽選(以下、乱数抽選1という)の他に、累積差枚数NUMが基準値THを超えたときに実施される乱数抽選(以下、乱数抽選2という)でも実行される。ここで、乱数抽選2では極めて高い確率でボーナスゲームに当選するのに対して、乱数抽選1では極めて低い確率でしかボーナスゲームに当選しないよう設定されている。なお、乱数抽選1、2のボーナスゲーム当選確率は、これに限定されるものでない。
【0043】
以上を踏まえて、図4のフローチャートを説明する。実施例のスロットマシンは、営業終了における電源遮断時には、RAMのデータやCPUのレジスタ値がバックアップされている。したがって、営業開始に当たって電源が投入されると、前日のゲームが再開されることになるが、遊技ホールの係員が当該機器の設定値を再設定したり、或いは、機器内部のリセットボタンを押すと、図4のステップST1の処理が開始されることになる。ここで設定値とは、各遊技機における抽選処理の当選確率などを設定するものであり、例えば、6段階の何れかの設定値に設定される。
【0044】
電源投入後、例えば、設定値が再設定されたような場合には、最初に、差枚数の基準値THを決定する上でのランク抽選が行われる(ST1)。ランクには遊技者に最も有利なAランクから、最も不利なCランクまで用意されており、どのランク(A〜C)に当選しやすいかは、機器毎の設定値によって変わることになる。
【0045】
ステップST1のランク抽選の結果、遊技者に最も有利なAランクに当選した場合には、次に、差枚数累積値の基準値THが乱数抽選によって決定される。Aランクに当選している場合には、選択される基準値THが一般に低くなっており(例えば1〜400枚の何れか)、少ないゲーム回数の消化の後に、乱数抽選2の権利を得ることになる。
【0046】
ステップST1の抽選結果がBランクやCランクの場合も、差枚数累積値の基準値THを乱数抽選によって決定する点は同じであるが(ST4,ST5)、Cランクに当選している場合には、選択される基準値THが一般に高くなっており(例えば801〜1700枚の何れか)、数多くのゲーム回数を消化しない限り乱数抽選2の権利が得られない。なお、Bランクに当選している場合には、選択される基準値THが中間の値であり(例えば351〜850枚の何れか)、普通のゲーム回数を消化した後に乱数抽選2の権利が得られる。
【0047】
以上の準備作業(ST1〜ST5)が終わると、通常ゲームが開始される(ST6)。ここで、通常ゲームとは、ボーナスゲーム以外のスランプゲームであって、払出し枚数OUTが投入枚数INより確率的に低く設定されたゲームを意味する。この通常ゲームでは、図5に示すように、実際のメダル投入動作か又はベットボタン(bet button)による擬似的なメダル投入動作の後(ST20)、IN←IN+nの演算によって、投入したメダルの累積枚数INが更新され(ST21)、スタートレバーが操作されるのを待つ(ST22)。なお、実際の投入動作ではメダルが1個ずつ投入されるのでn=1であるが、擬似的な投入動作の場合には一気に擬似投入されるメダル枚数nは、1〜3枚の何れかである。
【0048】
その後、スタートレバーが操作されると、先ず、差枚数NUMが算出される(ST23)。具体的には、前回の通常ゲーム終了時までに累積された払出し枚数OUTと、今回のゲーム開始時に累積された投入枚数INとに応じて、NUM←IN−OUTの演算が実行される。
【0049】
そして、今回の通常ゲームについて、図7のような抽選テーブルに基づいて、乱数抽選1が実行される(ST24)。先に説明したように、乱数抽選1ではボーナスゲームへの当選確率は極めて低いが、BBゲームに当選すれば当選フラグFLGに01Hがセットされ、RBゲームに当選すれば当選フラグFLGに02Hがセットされるようになっている。なお、Hは16進数を意味しており、ボーナスゲームに当選すれば、当選フラグFLGの下位2ビットの何れかがセットされることになる。
【0050】
また、この実施例では、小役として、払出し枚数が2枚、10枚、12枚、14枚のフルーツ図柄とリプレイ図柄とが用意されており、その何れに当選したかは、当選フラグFLGの該当ビットがセットされて特定される。なお、リプレイ図柄とは、何らメダル投入を伴うことなく次回ゲームを開始できるリプレイゲームの当選図柄を意味する。また、乱数抽選処理は、乱数発生器30から取得した乱数値を、図7に示すような当選テーブルの数値範囲と比較して行われ、当否及び当選図柄が決定される。
【0051】
また、この実施例では、通常ゲームにおけるペイアウト率(OUT/IN)が所定値に維持できるよう、当選確率の異なる3つの抽選テーブル(HML)が設けられており、ペイアウト率が所定値(例えば40%)より低い場合には、当選確率の高い抽選テーブル(H)が選択され、ペイアウト率が所定値(例えば80%)より高い場合には、当選確率の低い抽選テーブル(L)が選択される(図7参照)。乱数抽選1による抽選は、上記の3つの抽選テーブル(H、M、L)を用いなくても良く、例えば、H、L2つの抽選テーブルを用いること、Mの抽選テーブルのみ用いることも採用できる。
【0052】
このような抽選テーブル(H,M,L)に基づいて、乱数抽選1が実行された後、当選フラグFLGの下位2ビットの値がチェックされる(ST25)。ここで、ボーナスゲームに当選していた場合には、FLG=01H又はFLG=02Hとなっており、ステップST29の処理においてボーナス図柄が揃うように停止制御がされる。一方、ステップST24の処理においてボーナスゲームに当選していなければ、FLGの下位2ビットは00Hである。
【0053】
そこで、FLG=00Hの場合には、次に、ステップST23の処理で更新された差枚数NUMと基準値THとが比較される(ST26)。そして、NUM≧THであれば乱数抽選2の処理が実行され、BBゲームに当選か、RBゲームに当選か、それともハズレ状態かが決定される(ST27)。
【0054】
先に説明したように、乱数抽選2は、乱数抽選1に比べ格段に当選確率が高く設定されており、非常に高い確率でBBゲームかRBゲームの何れかに当選する。そして、その当選状態は当選フラグFLGの下位2ビットに記憶されるようになっており、BB当選ならFLG=01H、RB当選ならFLG=02Hとなる。なお、ハズレ状態の場合には当選フラグFLGの下位2ビットが0となる。
【0055】
一方、ステップST26の判定でNUM<THと判定された場合には、差枚数の基準値THの再抽選が行われる(ST28)。そのため、運が良ければ、基準値が小さい値に変更されて、乱数抽選2の権利を素早く獲得することになる。但し、基準値が再決定される確率は極めて低く設定されており(例えば1/1000)、通常は、基準値THが変更されることはない。なお、基準値を再決定する確率はこれに限定されるものでない。
【0056】
以上のような処理の後、3つの回転リールを順次又は一斉に回転させ、ストップボタンが押されるのを待つことになる(ST29)。そして、ストップボタンが押されると、ステップST24やステップST27の当否結果に合うように回転リールを停止させる(ST29)。なお、停止制御動作の不自然さを解消するため、ストップボタンが押されたから所定コマ数(例えば4コマ)内に該当図柄が存在しない場合には、他の入賞の組合せにならないように停止制御を行う。
【0057】
何れにしても、全ての回転リールが停止した状態で、先ず、ボーナス図柄が揃っているか否かが判定され(ST30)、ボーナス図柄が揃っている場合には必要な枚数のメダルを払出した後、ボーナスゲームへの突入条件が成立したとして、図4のステップST8の処理に移行する。但し、ボーナス図柄は、各回転リールに少数個しか配置されていないので、BBゲームやRBゲームに当選していても、ボーナス図柄を揃えることができるとは限らない。
【0058】
そこで、ボーナス図柄を揃えることができない場合には、ステップST30の判定がNOとなり、次に、小役図柄(フルーツ図柄)が揃っているか否かが判定される(ST31)。ここで、リプレイ図柄が揃っている場合には、ステップST20〜ST21の処理がスキップされてステップST22の処理に移行する。一方、ハズレ状態を含むその他の場合には、当選図柄が揃っているか否かに応じて必要な枚数N(ゼロを含む)のメダルが払出され(ST32)、[OUT←OUT+N]の演算によって総払出し枚数OUTを累積した後、ステップST20の処理に戻る(ST33)。
【0059】
なお、上記したステップST31の処理に先立って、当選フラグFLGの値は、下位2ビットを除きゼロクリアされる。このように、当選フラグFLGの下位ビットの値は、次回ゲーム以降も持ち越されるので、一旦、ボーナスゲーム(BB,RB)に当選すると、当該ボーナス図柄を揃えることができるまで、当選フラグFLGの下位ビットの値が維持されることになる。
【0060】
そのため、一旦ボーナスゲーム(BB,RB)に当選すれば、通常ゲームを繰り返すことによって、やがて、当該ボーナス図柄が停止ライン上に揃うことになる(ボーナスゲーム突入条件の成立)。そして、その後は、図5の処理から抜け出すので(EXIT)、図4のステップST7の判定がYesとなり、ステップST8の処理に移行する。ステップST8では、当選フラグFLGが完全にゼロクリアされると共に、変数INと変数OUTがクリアされる。そして、図6に示すような、ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームが実行される。
【0061】
その後、ボーナスゲームが終了すると、次に、連チャン抽選が行われる(ST10)。ここで、連チャンとは、メダルを余り減少させない段階で、次回のボーナスゲームが開始されることを言い、この実施例では、100枚以内のメダル消費でボーナスゲームが開始可能になる場合を言う。
【0062】
このように、本実施例では、ボーナスゲームが終了すると、必ず連チャン抽選を行い、連チャン抽選に外れた場合には、ステップST1に戻り、動作開始時の初期処理と同様、差枚数のランク抽選を実行する。一方、連チャン抽選に当選した場合には、乱数抽選によって、差枚数の基準値THを決定している(ST12)。
【0063】
この段階で決定される差枚数の基準値THは、遊技者に極めて有利な値であり、例えば、1〜100枚の範囲内での抽選により、差枚数の基準値THが決定されて通常ゲームが開始される。したがって、その後の通常ゲームにおいて、差枚数NUMが、素早く基準値THを超えることになり、遊技者が大きな利益を得ることになる。
【0064】
このように、この実施例では、連チャン遊技が実現されるか否かをボーナスゲーム後の抽選により決定しているので、運が良い場合には、繰り返し連チャン遊技を楽しむこともでき、遊技者に大きな喜びを与えることができる。また、この実施例では、遊技動作を決定するパラメータとして、各機器に付与される6段階の設定値だけではなく、差枚数のランク抽選確率、A〜Cランクにおける差枚数の基準値TH、連チャン抽選の当選率、遊技者に極めて有利な差枚数の基準値THなど多数の要素があり、しかも、それぞれを独立して設定可能であるので、任意のペイアウト曲線を設計することができ、バラエティ豊かなゲームを任意に設計できる。
【0065】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、上記の実施例では、初期段階で差枚数のランク抽選(ST1)や連チャン抽選(ST10)を行っているが、これらを全て省略して、図8のようなシンプルな構成にするのも好適である。
【0066】
また、ステップST27では、ボーナスゲームに関する抽選を行っているが、BBゲームにもRBゲームにも当選しなかった場合には、差枚数の基準値THについて再抽選するのも好適である。また、実施例では、ステップST28のタイミングで基準値THの再抽選を行っているが、通常ゲーム終了後で次回ゲーム開始前に行っても良い。
【0067】
なお、各実施例では、差枚数を管理して遊技動作を制御したが、差枚数の基準値を乱数抽選により決定することに代えて、スランプゲーム(通常ゲーム)の上限回数Mを乱数抽選により決定したのでも良い。但し、この場合には、1ゲームにメダル1個しか使用しない遊技者に過大な利益を与えてしまうことになるので、M×3個のメダルを投入し終わったか否かの判定をするのが好適であり、この場合には差枚数の基準値に代えて、投入枚数の基準値THが適用される。
【0068】
また、上記の実施例では、実際に(物理的に)回転する回転リールを備えるスロットマシンについて説明したが、このような回転リールに代え、或いは、このような回転リールに加えて、液晶ディスプレイなどの表示画面によって実現する回転リールを使用しても良い。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、また、運が悪い場合でも極端にメダルを消費することのないスロットマシンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの全体構成を概略ブロック図である。
【図3】主制御基板の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施例に係るスロットマシンの動作を説明するフローチャートである。
【図5】通常ゲームを説明するフローチャートである。
【図6】ボーナスゲームを説明するフローチャートである。
【図7】通常ゲーム中の当選テーブルを図示したものである。
【図8】本発明の一実施態様を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施態様を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
SL スロットマシン
1a〜1c 回転リール
ST9 特別ゲーム(ボーナスゲーム)
ST6 通常ゲーム
【発明の属する技術分野】
本発明は、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、また、運が悪い場合でも極端にメダルを消費することのないスロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンは、メダル投入後、スタートレバーの操作により複数の回転リールを回転させ、その後、ストップボタンを操作して各回転リールを停止させる遊技機である。各回転リールには多数の図柄が描かれており、停止状態において有効な停止ライン上に同一図柄が揃うと、揃った図柄に応じて1枚〜15枚程度のメダルが払出されるようになっている。
【0003】
ここで、ボーナス図柄と呼ばれる特定の図柄が揃うと、その後は、ビッグボーナスゲーム(BB)やレギュラーボーナスゲーム(RB)と呼ばれるボーナスゲームが開始され、多量のメダル獲得が可能になっている。但し、揃えることができる図柄は、機器内部の抽選処理によって予め決定されており、その当選図柄に限って停止ライン上に揃うように停止制御がされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスロットマシンでは、毎回のゲームで乱数抽選によって当否を決定するだけであるので、場合によっては、確率的に予定されている範囲を超えたゲームとなることがあった。例えば、ボーナスゲームの発生頻度が高いために極端に多くのメダルを獲得できることがある反面、ボーナスゲームの発生頻度が、確率的には考えられないほどに低く、メダルの消費が著しいこともあった。
【0005】
そこで、メダルの投入枚数と払出枚数の差を累積して、この累積値が所定の基準値を超えると、強制的にボーナスゲームを開始させることが考えられる。このようなスロットマシンでは、ボーナスゲームの終了後に改めて抽選処理を行い、前記の基準値を変更することが考えられる。
【0006】
しかしながら、如何に抽選によって基準値を変更するとは言っても、一旦基準値が決まると、ボーナスゲームの開始時期が一意的に決定されてしまうことに変わりはなく、その意味ではゲーム進行に迫力が欠けるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、またメダルの消費が著しく多くなることもないスロットマシンを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合に機能して、特別当選状態を決定する第二手段とを備え、前記第一手段と第二手段の何れかの決定に基づいて前記特別ゲームを実行することを特徴とする。
【0009】
本発明において、第一手段と第二手段の決定は、その何れを優先しても良いが、図8に例示した実施態様では、第一手段(こでは乱数抽選1)の決定を優先している。何れにしても、第一手段か第二手段の何れかで特別当選状態となれば、他方の処理をスキップするのが好適である。図8の実施態様では、破線部に示すように、第一手段で特別当選状態となると第二手段の処理をスキップしている。
【0010】
また、本発明において、第二手段は、無条件で特別当選状態を決定しても良いし、図8の実施態様のように、抽選処理によって特別当選状態を決定しても良い。但し、好ましくは、遊技媒体の投入個数と払出個数の差の累積値が、所定の基準値を超えた場合に抽選処理によって特別当選状態を決定している。この場合、好適には、当選確率を第一手段における当選確率より格段に向上させるべきである。
【0011】
請求項2に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、前記第一手段が前記特別当選状態を決定しなかった場合に機能して、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えたことを条件に特別当選状態を決定する第三手段とを備えている。
【0012】
本発明において、第三手段は、無条件で特別当選状態を決定しても良いし、抽選処理によって特別当選状態を決定しても良い。但し、抽選処理によって特別当選状態を決定するのが好ましく、この場合、特別当選状態の抽選に外れた場合には、前記基準値を変更すると更に好ましい。この場合も抽選処理によって基準値を変更するのが好適である。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、特別当選状態の当否を抽選する手段として、第一手段及び第三手段を併用したものである。この請求項2では、通常ゲームの毎回ゲームにおいて、第一手段で特別当選状態の当否を決定し、第一手段で特別当選状態に当選しないとき、第三手段で所定の累積値が所定の基準値を超えている条件を満たすことで、特別当選状態の当否を決定する。
【0014】
このように、第一手段と第三手段を併用したのは、第三手段のみで特別当選状態の当否を決定すると、所定の累積値が所定の基準値を超えるまで特別当選状態の当否を決定しないものとなるからである。遊技者からすれば、上記累積値が基準値を超えるまでの毎回ゲームにおいては、特別当選状態の当否を得られないことになる。
【0015】
また、遊技開始時の累積値の如何によっては、遊技者の間で特別当選状態を得られる機会に差がでる。例えば、基準値を400としたとき、累積値が50のときに遊技を開始したときと、累積値が390のときに遊技を開始したときでは、累積値が390のときのほうが消費する遊技媒体が少なくて済むことなる。従って、遊技者間において、特別当選状態を得る機会を出来るだけ均等にするべく、第三手段と第一手段を併用し、毎回のゲームで特別当選状態の当否の決定を実行することにしたものである。
【0016】
請求項1又は請求項2の発明は、好ましくは、前記累積値が所定の基準値を超えるまでは、毎回のゲームにおいて基準値を変更するか否かを抽選によって決定しても良い。基準値を変更可能にすることで、毎回のゲームで基準値が変動することになり、このことによって、遊技の開始時に関係なく、遊技者間において特別当選状態を得る機会の均等を図ることができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームでは、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する一方、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合には、特別当選状態を((好ましくは、通常時より高い当選確率で)決定するようにしている。
【0018】
前記基準値は、初期処理時及び/又はその後に、抽選処理によって決定されるのが好適である。また、前記累積値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出されるのが好適である。これに合わせて、前記基準値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出される数値に関する値であるのが好適である。但し、前記累積値は、遊技媒体の個数(OUT)を問題にせず、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)のみに基づいて算出されるのも好適である。なお、請求項1〜3に記載の各発明において、遊技媒体とは、典型的には実施例で説明するメダルであるが、それ以外のパチンコ玉などでも良い。
【0019】
請求項1〜3に記載の各発明において、特別ゲームとは、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い全てのゲームを含む。したがって、実施例で説明するビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームだけでなく、比較的多くのメダルを獲得できる各種のサービスゲーム[遊技機業界ではAT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)、CT(チャレンジタイム)などと称される]が含まれる。ここで、ATとは、3つのストップボタンの何れを押圧すべきかの情報や、その押圧タイミングを機器が報知し、この報知にしたがうと多量のメダル獲得が期待できる一連のゲームである。
【0020】
一方、通常ゲームは、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ないゲームであり、上記した各種の特別ゲームの範疇に入らないものである。この通常ゲーム中は、例えば、上記特別ゲームに移行させるか否かの抽選の他に、1〜15枚程度のメダルの払出しが抽選によって決定されるのが一般的である。また、メダルの投入を要することなく次回のゲームを開始できるリプレイゲームの当否抽選も行われるのが一般的である。
【0021】
上記した各発明において、累積値が基準値を超える態様には、実施例のように、累積値が増加することによって基準値を上回る場合だけでなく、累積値が減少することによって基準値を下回る場合も含まれる。なお、実施例のように、累積値≧基準値の条件下で動作する機器も、累積値が基準値を超える動作態様に含まれるのは勿論である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図9は、本発明の基本概念を図示したものであり、基準値を変更する条件を例示している。まず、スロットマシンの構成等について説明する。スロットマシンは、図9に示すステップS1、ステップS2において、乱数抽選1を実行する第一手段と、乱数抽選2を実行する第二手段(又は第三手段)を備えている。なお、図9のステップS0、ステップS3における乱数抽選4及び乱数抽選3は、第一手段から第3手段のいずれかで実行すれば良い。
【0023】
また、乱数抽選1の抽選態様としては、特別当選状態、小役当選状態、ハズレを抽選する。小役当選状態には、実施例でも説明するが、複数の小役からなるもので、リプレイを含んでも良い。更に、特別当選状態とは、実施例でも説明するが、当選状態を示すフラグを成立させて、回転リールを特別ゲームに対応する図柄で停止可能にすることである。小役当選状態も同様である。
【0024】
次に、図9のフローチャートについて説明する。図9において、第1手段は所定の条件を満たすかを判断し、該条件を満たすとき、基準値THを抽選する(S0)。所定の条件とは、(1)実施例で説明する設定変更時、(2)ステップS2の乱数抽選2でハズレた時、(3)ステップS3の乱数抽選3で当選した時、(4)特別ゲームを実行した後のいずれかである。また、基準値THとは、ステップS2で特別当選状態の抽選を実行する、条件となる値である。例えば、遊技媒体の個数又はゲーム回数で規定され、所定範囲の中から任意の値を抽選で決定する。
【0025】
ステップS0の後、遊技者により通常ゲームが開始されると、第一手段は乱数抽選1を実行する。また、累積値NUMを算出する(S1)。この累積値NUMとは、遊技媒体の総投入個数−遊技媒体の総払出個数の差、又は総ゲーム回数である。ステップS1の乱数抽選1で、特別当選状態に当選すると、特別ゲームに移行可能とし、該特別ゲームを実行する。この特別ゲームを実行した後、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。
【0026】
ステップS1の乱数抽選1で、特別当選状態に当選しないと、第二手段(又は第三手段)は累積値NUMと基準値THの比較処理を実行する。上記比較処理の結果、累積値NUM≧基準値THであると、乱数抽選2を実行する。乱数抽選2では、特別当選状態、ハズレの抽選を行ない、特別当選状態に当選すると、特別ゲームに移行可能とし、該特別ゲームを実行する。この特別ゲームを実行した後、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。また、特別当選状態に当選しないと、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。
【0027】
一方、上記比較処理の結果、累積値NUM<基準値THであると、乱数抽選3を実行する。乱数抽選3で基準値THの変更抽選に当選すると、ステップS0に移行し、乱数抽選4により基準値THの抽選を実行する。乱数抽選3に当選しないと、基準値THを維持しつつ次の通常ゲームに移行する。
【0028】
このように、本発明の実施形態では、毎回の通常ゲームにおいて、乱数抽選1により特別当選状態、小役当選状態、ハズレを抽選する。これにより、毎回の通常ゲームにおいて、遊技者には特別当選状態を抽選する機会を与えている。そして、毎回の通常ゲームにおいて、上記乱数抽選1で特別当選状態に当選しないときに、はじめて累積値NUMと基準値THの比較処理を実行するものである。
【0029】
また、乱数抽選4を設けることで、乱数抽選1で特別当選状態に当選することなく、累積値NUM≧基準値THとなる以前の通常ゲームにおいて、基準値THが変更(抽選)される可能性をもたせる。したがって、遊技の開始時期に拘わらず、遊技者には特別当選状態の当否(抽選)の機会を均等に与えることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、この発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るスロットマシンSLについて、その前面パネル部の一例を示す正面図である。この前面パネルには、その左端にヒンジ部Hが設けられ、係員が施錠部LOCKを解錠した場合には、ヒンジ部Hを回転中心にして前面パネルを開放できるようになっている。
【0031】
このような前面パネルの背面には、複数種類の図柄を描いた3個の回転リール1a〜1cが回転自在に設けられており、表示窓2には、各回転リール1a〜1cの図柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっている。表示窓2には、水平方向に3本(L1〜L3)、斜め方向に2本(L4,L5)の停止ラインが設けられていて、メダル投入口3からのメダル投入枚数に応じて有効な停止ラインの本数が変わるようになっている。
【0032】
メダル投入後、スタートレバー4を操作すると、スタートランプが消灯すると共に、3個の回転リール1a〜1cが一斉または順次に回転を開始し、ストップボタン5a〜5cが押されるごとに、該当する回転リール1a〜1cが停止する。そして、停止ライン上に当選図柄が揃った場合には、受け皿6に所定枚数のメダルが払い出されるようになっている。なお、ストップボタン5a〜5cが操作可能であることは、ストップボタンの点灯によって示される。
【0033】
図2(a)は、実施例に係るスロットマシンSLの概略構成図である。図示の通り、このスロットマシンSLは、一連の遊技動作を統括して制御する主制御基板Mと、主制御基板Mから遊技コマンドを受けて各演出部材を駆動するサブ制御基板Sとを中心に構成されている。ここで演出部材とは、具体的には、予告ランプLPを含む各種の演出用LED群、回転リール1a〜1cを内側から照明するバックライト部、演出用の冷陰極蛍光放電管、及びスピーカなどが該当する。
【0034】
遊技コマンドの一例は、図2(b)に示す通りであり、例えば、(1)遊技者による遊技メダルの投入を主制御基板Mが検知したこと、(2)遊技者のスタートレバー操作に対応して主制御基板Mが回転リールの回転を開始させたこと、(3)遊技者のストップボタン操作に対応して該当する回転リールを主制御基板Mが停止させたこと、(4)主制御基板Mが遊技メダルの払出を開始したこと、(5)主制御基板Mが遊技メダルの払出を停止したこと、(6)主制御基板Mは新たなメダル投入が不要の再ゲームを開始させたこと、(7)ボーナスゲームが開始されたこと、(8)ボーナスゲームが終了されたことなどを含む遊技進行の各段階をサブ制御基板Sに通知するようになっている。
【0035】
一方、サブ制御基板Sでは、このような遊技コマンドによって遊技進行の現状を把握して、適当な演出動作を実行するようになっている。このように、このスロットマシンSLでは、主制御基板Mは、遊技進行の現状をサブ制御基板Sに対して一方向に通知するだけであるから、(サブ制御基板Sの制御によって)複雑高度な演出を実行している場合にも、主制御基板Mの制御負担が極めて軽い。
【0036】
図3は、主制御基板Mの内部構成を概略的に図示したものである。主制御基板Mには、ROM21、RAM22、CPU23などを内蔵するワンチップマイコン20が搭載され、このワンチップマイコン20と、乱数発生部30や出力ポート31などによって一連の遊技制御が実現されている。ここで、出力ポート31は、サブ制御基板Sに対して遊技コマンドや、割込み用の制御信号CTLを出力する部分である。乱数発生部30は、各種の抽選処理において使用される乱数列を生成する部分であり、この実施例の場合には、CPU23のシステムクロックとは同期しないクロック信号Φを発振する発振器30aと、前記クロック信号Φを一定の数値範囲内で循環的にカウントするカウンタ30bとで構成されている。但し、この構成に限定されるものではない。
【0037】
また、主制御基板Mには、各回転リール1a〜1cをステッピングモータM1〜M3によって回転させるモータ駆動部24と、通過センサの出力に基づいて各回転リール1a〜1cの回転位置を検出する位置検出部25と、メダル投入口3からのメダル投入動作を検知するメダル検知部26と、スタートボタン4の操作を検出するスタート信号入力部27と、ストップボタン5a〜5cの操作を検出するストップ信号入力部28と、受け皿6にメダルを払い出すメダル払出部29とを備えている。
【0038】
図4は、第1実施例の遊技機の動作内容を説明するフローチャートであり、主として、主制御基板M(第一手段、第二手段及び第三手段に相当する)によって実現される一連の遊技動作を示している。図示の通り、この遊技機では、ボーナスゲームを開始させる一条件となる差枚数の基準値THを、初期動作時やボーナスゲーム終了時に乱数抽選処理によって決定している。なお、決定された差枚数の基準値THは、通常ゲーム中に再抽選されて変更されることもある。
【0039】
この実施例の場合、ボーナスゲームは、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)と、レギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)とに区分されている。そして、BBゲームとは、通常ゲームより格段に多量のメダル取得(例えば350枚以上)を望めるゲームであり、典型的には、図6(a)のように実行される。また、RBゲームとは、前記BBゲームに準じる個数のメダルの取得(例えば110枚以上)を望めるゲームであり、典型的には、図6(b)のように実行される。
【0040】
先に説明したように、本実施例では、初期動作時やボーナスゲーム終了時に差枚数の基準値THを決定しているが、ここで差枚数とは、遊技者の投入したメダルの個数INと、遊技機から払出されたメダルの個数OUTの差(=IN−OUT)を意味する。この差枚数は、ゲーム進行に応じてランダムに変化するが、ボーナスゲーム以外では、(IN−OUT)の値が確率的に正になるように設定されており、通常、OUT=0.4×INとなるような払出し数OUTに制御される。
【0041】
そして、この差枚数NUMの累積値(ΣIN−ΣOUT)が、通常ゲームにおいて基準値THを超えると、非常に高い確率でBBゲームか又はRBゲームの当選可能になっている。一方、通常ゲームでは、従来の機器と同様の抽選処理も行われておりハズレ状態でなければ、BBゲーム、RBゲーム、リプレイ(RP)ゲーム、或いは、何れかの小役ゲーム(配当メダル数が14枚、12枚、10枚、2枚の何れか)に当選するようになっている。
【0042】
このように本実施例では、ボーナスゲーム(BB,RB)に関する当否抽選は、通常ゲーム中の乱数抽選(以下、乱数抽選1という)の他に、累積差枚数NUMが基準値THを超えたときに実施される乱数抽選(以下、乱数抽選2という)でも実行される。ここで、乱数抽選2では極めて高い確率でボーナスゲームに当選するのに対して、乱数抽選1では極めて低い確率でしかボーナスゲームに当選しないよう設定されている。なお、乱数抽選1、2のボーナスゲーム当選確率は、これに限定されるものでない。
【0043】
以上を踏まえて、図4のフローチャートを説明する。実施例のスロットマシンは、営業終了における電源遮断時には、RAMのデータやCPUのレジスタ値がバックアップされている。したがって、営業開始に当たって電源が投入されると、前日のゲームが再開されることになるが、遊技ホールの係員が当該機器の設定値を再設定したり、或いは、機器内部のリセットボタンを押すと、図4のステップST1の処理が開始されることになる。ここで設定値とは、各遊技機における抽選処理の当選確率などを設定するものであり、例えば、6段階の何れかの設定値に設定される。
【0044】
電源投入後、例えば、設定値が再設定されたような場合には、最初に、差枚数の基準値THを決定する上でのランク抽選が行われる(ST1)。ランクには遊技者に最も有利なAランクから、最も不利なCランクまで用意されており、どのランク(A〜C)に当選しやすいかは、機器毎の設定値によって変わることになる。
【0045】
ステップST1のランク抽選の結果、遊技者に最も有利なAランクに当選した場合には、次に、差枚数累積値の基準値THが乱数抽選によって決定される。Aランクに当選している場合には、選択される基準値THが一般に低くなっており(例えば1〜400枚の何れか)、少ないゲーム回数の消化の後に、乱数抽選2の権利を得ることになる。
【0046】
ステップST1の抽選結果がBランクやCランクの場合も、差枚数累積値の基準値THを乱数抽選によって決定する点は同じであるが(ST4,ST5)、Cランクに当選している場合には、選択される基準値THが一般に高くなっており(例えば801〜1700枚の何れか)、数多くのゲーム回数を消化しない限り乱数抽選2の権利が得られない。なお、Bランクに当選している場合には、選択される基準値THが中間の値であり(例えば351〜850枚の何れか)、普通のゲーム回数を消化した後に乱数抽選2の権利が得られる。
【0047】
以上の準備作業(ST1〜ST5)が終わると、通常ゲームが開始される(ST6)。ここで、通常ゲームとは、ボーナスゲーム以外のスランプゲームであって、払出し枚数OUTが投入枚数INより確率的に低く設定されたゲームを意味する。この通常ゲームでは、図5に示すように、実際のメダル投入動作か又はベットボタン(bet button)による擬似的なメダル投入動作の後(ST20)、IN←IN+nの演算によって、投入したメダルの累積枚数INが更新され(ST21)、スタートレバーが操作されるのを待つ(ST22)。なお、実際の投入動作ではメダルが1個ずつ投入されるのでn=1であるが、擬似的な投入動作の場合には一気に擬似投入されるメダル枚数nは、1〜3枚の何れかである。
【0048】
その後、スタートレバーが操作されると、先ず、差枚数NUMが算出される(ST23)。具体的には、前回の通常ゲーム終了時までに累積された払出し枚数OUTと、今回のゲーム開始時に累積された投入枚数INとに応じて、NUM←IN−OUTの演算が実行される。
【0049】
そして、今回の通常ゲームについて、図7のような抽選テーブルに基づいて、乱数抽選1が実行される(ST24)。先に説明したように、乱数抽選1ではボーナスゲームへの当選確率は極めて低いが、BBゲームに当選すれば当選フラグFLGに01Hがセットされ、RBゲームに当選すれば当選フラグFLGに02Hがセットされるようになっている。なお、Hは16進数を意味しており、ボーナスゲームに当選すれば、当選フラグFLGの下位2ビットの何れかがセットされることになる。
【0050】
また、この実施例では、小役として、払出し枚数が2枚、10枚、12枚、14枚のフルーツ図柄とリプレイ図柄とが用意されており、その何れに当選したかは、当選フラグFLGの該当ビットがセットされて特定される。なお、リプレイ図柄とは、何らメダル投入を伴うことなく次回ゲームを開始できるリプレイゲームの当選図柄を意味する。また、乱数抽選処理は、乱数発生器30から取得した乱数値を、図7に示すような当選テーブルの数値範囲と比較して行われ、当否及び当選図柄が決定される。
【0051】
また、この実施例では、通常ゲームにおけるペイアウト率(OUT/IN)が所定値に維持できるよう、当選確率の異なる3つの抽選テーブル(HML)が設けられており、ペイアウト率が所定値(例えば40%)より低い場合には、当選確率の高い抽選テーブル(H)が選択され、ペイアウト率が所定値(例えば80%)より高い場合には、当選確率の低い抽選テーブル(L)が選択される(図7参照)。乱数抽選1による抽選は、上記の3つの抽選テーブル(H、M、L)を用いなくても良く、例えば、H、L2つの抽選テーブルを用いること、Mの抽選テーブルのみ用いることも採用できる。
【0052】
このような抽選テーブル(H,M,L)に基づいて、乱数抽選1が実行された後、当選フラグFLGの下位2ビットの値がチェックされる(ST25)。ここで、ボーナスゲームに当選していた場合には、FLG=01H又はFLG=02Hとなっており、ステップST29の処理においてボーナス図柄が揃うように停止制御がされる。一方、ステップST24の処理においてボーナスゲームに当選していなければ、FLGの下位2ビットは00Hである。
【0053】
そこで、FLG=00Hの場合には、次に、ステップST23の処理で更新された差枚数NUMと基準値THとが比較される(ST26)。そして、NUM≧THであれば乱数抽選2の処理が実行され、BBゲームに当選か、RBゲームに当選か、それともハズレ状態かが決定される(ST27)。
【0054】
先に説明したように、乱数抽選2は、乱数抽選1に比べ格段に当選確率が高く設定されており、非常に高い確率でBBゲームかRBゲームの何れかに当選する。そして、その当選状態は当選フラグFLGの下位2ビットに記憶されるようになっており、BB当選ならFLG=01H、RB当選ならFLG=02Hとなる。なお、ハズレ状態の場合には当選フラグFLGの下位2ビットが0となる。
【0055】
一方、ステップST26の判定でNUM<THと判定された場合には、差枚数の基準値THの再抽選が行われる(ST28)。そのため、運が良ければ、基準値が小さい値に変更されて、乱数抽選2の権利を素早く獲得することになる。但し、基準値が再決定される確率は極めて低く設定されており(例えば1/1000)、通常は、基準値THが変更されることはない。なお、基準値を再決定する確率はこれに限定されるものでない。
【0056】
以上のような処理の後、3つの回転リールを順次又は一斉に回転させ、ストップボタンが押されるのを待つことになる(ST29)。そして、ストップボタンが押されると、ステップST24やステップST27の当否結果に合うように回転リールを停止させる(ST29)。なお、停止制御動作の不自然さを解消するため、ストップボタンが押されたから所定コマ数(例えば4コマ)内に該当図柄が存在しない場合には、他の入賞の組合せにならないように停止制御を行う。
【0057】
何れにしても、全ての回転リールが停止した状態で、先ず、ボーナス図柄が揃っているか否かが判定され(ST30)、ボーナス図柄が揃っている場合には必要な枚数のメダルを払出した後、ボーナスゲームへの突入条件が成立したとして、図4のステップST8の処理に移行する。但し、ボーナス図柄は、各回転リールに少数個しか配置されていないので、BBゲームやRBゲームに当選していても、ボーナス図柄を揃えることができるとは限らない。
【0058】
そこで、ボーナス図柄を揃えることができない場合には、ステップST30の判定がNOとなり、次に、小役図柄(フルーツ図柄)が揃っているか否かが判定される(ST31)。ここで、リプレイ図柄が揃っている場合には、ステップST20〜ST21の処理がスキップされてステップST22の処理に移行する。一方、ハズレ状態を含むその他の場合には、当選図柄が揃っているか否かに応じて必要な枚数N(ゼロを含む)のメダルが払出され(ST32)、[OUT←OUT+N]の演算によって総払出し枚数OUTを累積した後、ステップST20の処理に戻る(ST33)。
【0059】
なお、上記したステップST31の処理に先立って、当選フラグFLGの値は、下位2ビットを除きゼロクリアされる。このように、当選フラグFLGの下位ビットの値は、次回ゲーム以降も持ち越されるので、一旦、ボーナスゲーム(BB,RB)に当選すると、当該ボーナス図柄を揃えることができるまで、当選フラグFLGの下位ビットの値が維持されることになる。
【0060】
そのため、一旦ボーナスゲーム(BB,RB)に当選すれば、通常ゲームを繰り返すことによって、やがて、当該ボーナス図柄が停止ライン上に揃うことになる(ボーナスゲーム突入条件の成立)。そして、その後は、図5の処理から抜け出すので(EXIT)、図4のステップST7の判定がYesとなり、ステップST8の処理に移行する。ステップST8では、当選フラグFLGが完全にゼロクリアされると共に、変数INと変数OUTがクリアされる。そして、図6に示すような、ビッグボーナスゲーム又はレギュラーボーナスゲームが実行される。
【0061】
その後、ボーナスゲームが終了すると、次に、連チャン抽選が行われる(ST10)。ここで、連チャンとは、メダルを余り減少させない段階で、次回のボーナスゲームが開始されることを言い、この実施例では、100枚以内のメダル消費でボーナスゲームが開始可能になる場合を言う。
【0062】
このように、本実施例では、ボーナスゲームが終了すると、必ず連チャン抽選を行い、連チャン抽選に外れた場合には、ステップST1に戻り、動作開始時の初期処理と同様、差枚数のランク抽選を実行する。一方、連チャン抽選に当選した場合には、乱数抽選によって、差枚数の基準値THを決定している(ST12)。
【0063】
この段階で決定される差枚数の基準値THは、遊技者に極めて有利な値であり、例えば、1〜100枚の範囲内での抽選により、差枚数の基準値THが決定されて通常ゲームが開始される。したがって、その後の通常ゲームにおいて、差枚数NUMが、素早く基準値THを超えることになり、遊技者が大きな利益を得ることになる。
【0064】
このように、この実施例では、連チャン遊技が実現されるか否かをボーナスゲーム後の抽選により決定しているので、運が良い場合には、繰り返し連チャン遊技を楽しむこともでき、遊技者に大きな喜びを与えることができる。また、この実施例では、遊技動作を決定するパラメータとして、各機器に付与される6段階の設定値だけではなく、差枚数のランク抽選確率、A〜Cランクにおける差枚数の基準値TH、連チャン抽選の当選率、遊技者に極めて有利な差枚数の基準値THなど多数の要素があり、しかも、それぞれを独立して設定可能であるので、任意のペイアウト曲線を設計することができ、バラエティ豊かなゲームを任意に設計できる。
【0065】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。例えば、上記の実施例では、初期段階で差枚数のランク抽選(ST1)や連チャン抽選(ST10)を行っているが、これらを全て省略して、図8のようなシンプルな構成にするのも好適である。
【0066】
また、ステップST27では、ボーナスゲームに関する抽選を行っているが、BBゲームにもRBゲームにも当選しなかった場合には、差枚数の基準値THについて再抽選するのも好適である。また、実施例では、ステップST28のタイミングで基準値THの再抽選を行っているが、通常ゲーム終了後で次回ゲーム開始前に行っても良い。
【0067】
なお、各実施例では、差枚数を管理して遊技動作を制御したが、差枚数の基準値を乱数抽選により決定することに代えて、スランプゲーム(通常ゲーム)の上限回数Mを乱数抽選により決定したのでも良い。但し、この場合には、1ゲームにメダル1個しか使用しない遊技者に過大な利益を与えてしまうことになるので、M×3個のメダルを投入し終わったか否かの判定をするのが好適であり、この場合には差枚数の基準値に代えて、投入枚数の基準値THが適用される。
【0068】
また、上記の実施例では、実際に(物理的に)回転する回転リールを備えるスロットマシンについて説明したが、このような回転リールに代え、或いは、このような回転リールに加えて、液晶ディスプレイなどの表示画面によって実現する回転リールを使用しても良い。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、期待感を持って毎回のゲームに望むことができ、また、運が悪い場合でも極端にメダルを消費することのないスロットマシンを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るスロットマシンの正面図である。
【図2】図1のスロットマシンの全体構成を概略ブロック図である。
【図3】主制御基板の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施例に係るスロットマシンの動作を説明するフローチャートである。
【図5】通常ゲームを説明するフローチャートである。
【図6】ボーナスゲームを説明するフローチャートである。
【図7】通常ゲーム中の当選テーブルを図示したものである。
【図8】本発明の一実施態様を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の一実施態様を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
SL スロットマシン
1a〜1c 回転リール
ST9 特別ゲーム(ボーナスゲーム)
ST6 通常ゲーム
Claims (6)
- スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、
抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、
遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、
遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合に機能して、特別当選状態を決定する第二手段とを備え、
前記第一手段と第二手段の何れかの決定に基づいて前記特別ゲームを実行することを特徴とするスロットマシン。 - スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、
抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、
遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームにおいて、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する第一手段と、
前記第一手段が前記特別当選状態を決定しなかった場合に機能して、遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えたことを条件に特別当選状態を決定する第三手段とを備えることを特徴とするスロットマシン。 - スタート操作に起因して複数個の回転リールを回転させ、遊技者のストップ操作に基づいて、可能な場合には回転リールを目的状態に停止させるスロットマシンにおいて、
抽選処理による当選態様として、遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に多い特別ゲームに移行可能な特別当選状態と、遊技媒体の払出個数が異なる複数の小役当選状態とを備えると共に、
遊技媒体の投入個数より払出個数が確率的に少ない通常ゲームでは、前記当選態様に関する当否を毎回のゲームで決定する一方、
遊技媒体の個数又はゲーム回数に基づいて算出される通常ゲーム中の所定の累積値が、所定の基準値を超えた場合には、特別当選状態を決定するようにしていることを特徴とするスロットマシン。 - 前記基準値は、初期処理時及び/又はその後に、抽選処理によって決定している請求項1〜3の何れかに記載のスロットマシン。
- 前記累積値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出される請求項1〜4の何れかに記載のスロットマシン。
- 前記基準値は、遊技者の投入した遊技媒体の個数(IN)と、遊技機から払出された遊技媒体の個数(OUT)とに基づいて算出される数値に関する値である請求項1〜5の何れかに記載のスロットマシン。
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Cited By (2)
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JP2006297066A (ja) * | 2005-03-24 | 2006-11-02 | Kpe Inc | スロットマシン |
JP2020058885A (ja) * | 2020-01-21 | 2020-04-16 | 株式会社ユニバーサルエンターテインメント | 遊技機 |
-
2003
- 2003-03-25 JP JP2003082312A patent/JP2004283512A/ja active Pending
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