JP2004283127A - 下水汚泥からのエタノール生産方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最初沈殿池汚泥に豊富に含まれている繊維分を利用してエタノールを効率的に生産することができる下水汚泥からのエタノール生産方法を提供すること。
【解決手段】下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥から繊維分を選択的に取り出し、糖化処理、生物変換処理の後、エタノール蒸留を行い、エタノールを生産する。
【選択図】 図2
【解決手段】下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥から繊維分を選択的に取り出し、糖化処理、生物変換処理の後、エタノール蒸留を行い、エタノールを生産する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥からのエタノール生産方法に関し、特に、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥(本明細書において、包括して「最初沈殿池汚泥」という場合がある。)に含まれる固形分から繊維分を選択的に取り出し、エタノールを生産すること、さらには、嫌気性消化槽での嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時の熱を利用するようにした下水汚泥からのエタノール生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最初沈殿池汚泥には繊維分が豊富に含まれていることが既に文献等で明らかにされており、この繊維分のバイオマス資源としての有用性が示唆されている。
しかしながら、この最初沈殿池汚泥は、繊維分以外の有機成分も多種含まれているため、繊維分を単独で活用することが困難であった。すなわち、従来は、この繊維分について選択的に取り出すことが行われていなかったため、有効な資源化が困難であった。
【0003】
一方、エタノールの生産については、近年、産業廃棄物を利用した方法が開発されつつある。例えば、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物からのエタノール生産設備は、木質系産業廃棄物の運搬費用及びこれらの広大な貯留場所を要し、また、熱の発生のない独立した施設でエタノール生産を行うため、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程での加温に別途熱源を供給する必要がある。また、糖化処理や生物変換処理で発生する残留物についても処理を行うのに必要な施設や費用を要している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、最初沈殿池汚泥には繊維分が他の有機成分と混合された状態で存在するため、従来の技術では、エタノール等の有用物を生産するのが困難であるという問題があった。
一方、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物からのエタノール生産設備は、木質系産業廃棄物の運搬費用及びこれらの広大な貯留場所を要し、また、熱の発生のない独立した施設でエタノール生産を行うため、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程での加温に別途熱源を供給する必要がある等の問題がある。また、糖化処理や生物変換処理で発生する残留物についても処理を行うのに必要な施設や費用を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の下水汚泥等の産業廃棄物からのエタノール生産方法の有する問題点に鑑み、最初沈殿池汚泥に豊富に含まれている繊維分を利用してエタノールを効率的に生産することができる下水汚泥からのエタノール生産方法を提供することを第1の目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、エタノールの生産に、嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用することができる下水汚泥からのエタノール生産方法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法は、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する繊維分を豊富に含む最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥から繊維分取り出し用スクリーンを用いて繊維分を選択的に取り出し、糖化処理槽にて繊維分中のセルロースをグルコース化(糖化処理)し、このグルコースを生物変換槽にてエタノールに変換し、後段の蒸留槽にてエタノール蒸留を行い、エタノールを分離、生産することを特徴とする。
【0008】
ここで、糖化処理、生物変換処理、エタノール蒸留の各工程に要する熱源は、嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用し、さらに、糖化処理、生物変換処理後の残留物についても、既存の汚泥脱水設備を用い脱水ケーキとし、焼却又は埋立又は各種資材として処理できる。
【0009】
この下水汚泥からのエタノール生産方法は、以下のように下水汚泥に含まれる繊維分を利用して行われる。
下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設内で回収する汚泥は、無生物主体で有機物を豊富に含む生物処理槽前段の最初沈殿池で系外に引き抜かれる最初沈殿池汚泥と、生物処理槽後段の沈殿槽で系外に引き抜かれる微生物主体の余剰汚泥の2種に大別される。
この最初沈殿池から発生する最初沈殿池汚泥の固形物には、呼び寸法0.074mmの標準ふるいで取り出される繊維分が、40から85%程度含まれる。さらに、この繊維分はセルロース分を15から40%含有する。
【0010】
この繊維分は目幅0.05mmから3.00mmのスクリーンを有する装置で取り出すことができ、取り出した繊維分は、処理水等で簡単に洗浄してもよいが、直接糖化処理を行ってもよい。糖化処理工程では硫酸を用いる方法又はセルラーゼ系の酵素剤を用いる方法があるが、特に限定されるものではない。
この糖化処理により、繊維分中のセルロース分がグルコースへ糖化される。硫酸を用いた糖化方法では、槽を加熱及び/又は加圧する必要があり、セルラーゼ系の酵素剤を用いた場合、使用する酵素剤の至適温度にする必要がある。このグルコースを含んだ糖化処理後の溶液は加熱、紫外線又はオゾン処理といった滅菌又は減菌処理がなされるが、硫酸を添加した後、加熱及び/又は加圧した場合は、滅菌又は減菌処理を省略することもできる。また、糖化処理前に滅菌又は減菌処理を行う方法も有効である。
【0011】
滅菌又は減菌処理されたグルコース含有溶液は酵母菌等を用いた生物変換工程でエタノールに変換される。
また、生物変換処理工程でのアルコール醗酵は、酵母菌を用いた場合、槽内温度を30℃程度に保持するのが望ましい。
アルコール醗酵では、酵母菌を用いてもよいが、アルコール耐性を強めた又はエタノール変換能力を高められたミュータント又は遺伝子組替え菌を使用するのも有効な手段である。
ここで、糖化処理工程、生物変換処理工程、エタノール蒸留の各工程では加温を要する。これらの熱源には嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用するのが望ましい。
【0012】
また、糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換処理後の有機物を含んだ残留物を既存の嫌気性消化槽を用いて嫌気性消化を行い、メタンガス等の形でエネルギを回収し、最終的な残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。嫌気性消化槽を有しない施設では、嫌気性消化を行わず、そのまま残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。このようにエタノール生産時に発生する残留物は、下水処理場の既設の設備、システムを利用して処理できるメリットがある。
【0013】
さらに、最初沈殿池汚泥から選択的に取り出した繊維分に微細粉末化した建築・古紙・剪定・稲わら等の木質系産業廃棄物といった下水処理場の汚泥以外の物質から取り出される繊維分を混合し、エタノールの生産量を増大させることも可能である。建築資材・古紙・剪定樹木・稲わら等の木質系産業廃棄物を下水処理場でエタノールに変換する場合は、嫌気性消化ガスからのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用することができ、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程で外部からの熱源を要しないか、又は最小に抑えることができる。
【0014】
また、従来の技術では糖化処理等で発生する残留物についても処分施設の新設、処分費用を要していたが、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する施設では嫌気性消化、脱水、焼却、処分又は建設資材等へのリサイクルといった施設を既に備えており、新設する必要がなく、処理システムが完成している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1に、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する大規模下水処理場の一般的な汚泥処理のフローの1例(従来例)を示す。
最終沈殿池から引き抜かれた余剰汚泥Aと最初沈殿池汚泥Bは混合され、濃縮機1で、固形物濃度を高める。この時、濃縮機1は設置されていることが望ましいが、機械濃縮を行わず重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。濃縮機1で濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2で嫌気分解される。ここで発生したメタンガスは、ガス発電及び/又はボイラ用の燃料として使用され、ガス発電からは電気エネルギCとメタンガス燃焼に伴う熱D、ボイラからもメタンガス燃焼に伴う熱Dが発生する。これらの熱は嫌気性消化槽2や施設暖房4等に加温利用される。
濃縮機1により濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2が存在する場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は濃縮機1で固形分濃度を高められた後、薬注・脱水5され、さらに、焼却6される。同様に、嫌気性消化を行う場合も残留固形物は薬注・脱水5された後、焼却6される。汚泥焼却時に発生する熱Eはメタンガス燃焼に伴う熱D同様に嫌気性消化槽2や施設暖房4等に加温利用することができる。
【0017】
図2に、汚泥処理過程にエタノール生産工程を設けた、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法のフローの1実施例を示す。
最初沈殿池汚泥Bから繊維分取り出し用スクリーン7により繊維分を選択的に取り出し、糖化処理槽8で糖化処理を行い、生じたグルコースを生物変換槽9でエタノール溶液に変換する。変換されたエタノール溶液はさらに、蒸留槽10で蒸留され、エタノールFが生成される。ここで、糖化処理槽8へは、建築資材・剪定樹木・食品廃棄物G等を微細粉末化等の前処理11を行い糖化処理槽8に投入し、エタノールFの発生量を増大させることも可能である。
【0018】
糖化処理槽8及び生物変換槽9で発生した有機物を含んだ残留物は、余剰汚泥Aと混合され濃縮機1で濃縮された後、嫌気性消化槽2で嫌気分解され、残った固形分は薬注・脱水5され、焼却6される。また、嫌気性消化槽2が施設内にない場合、濃縮機1で濃縮後、薬注・脱水5され、焼却6することもできる。
【0019】
濃縮機1は設置されていることが望ましいが、機械濃縮を行わず、重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。濃縮機1より濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2が設置されている場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は薬注・脱水5された後、焼却6される。同様に、嫌気性消化後の残留固形物も薬注・脱水5された後、焼却6される。汚泥焼却時に発生する熱Eはメタンガス燃焼に伴う熱D同様に嫌気性消化槽2や施設暖房他4、のみならず糖化処理槽8や生物変換槽9、蒸留槽10等に加温利用される。
【0020】
次に作用について述べる。
図2より、最初沈殿池より発生する繊維分を豊富に含む最初沈殿池汚泥Bを目幅0.05mmから3.00mmのスクリーンを有する装置であれば取り出し方法は特に問わないが、より望ましくは、目幅0.05mmから1.00mmのスクリーンを有する。
スクリーン面の形状は、メッシュ状、パンチングメタル等、所定の目幅のものであれば特に限定されるものではない。
【0021】
ここで取り出した繊維分は、処理水等で洗浄してから糖化処理してもよいが、直接糖化処理を行ってもよい。
糖化処理槽8では硫酸を用いる方法又はセルラーゼ系の酵素剤を用いる方法があるが、特に限定するものではない。
硫酸を用いた糖化方法では、糖化処理槽8を加熱及び/又は加圧する必要があり、セルラーゼ系の酵素剤を用いた場合、使用する酵素剤の至適温度及び至適pHにする必要がある。
この糖化処理により、繊維分中のセルロース分がグルコースヘ糖化される。この糖化処理後の溶液は加熱、紫外線又はオゾン処理といった滅菌又は減菌処理がなされるが、硫酸を添加し、加熱処理を行った場合は滅菌又は減菌処理を省略することもできる。また、糖化処理前に滅菌又は減菌処理を行う方法も有効である。
【0022】
滅菌又は減菌処理されたグルコース含有溶液は酵母菌等が主な生物相である生物変換槽9に移送され、エタノールに変換される。このエタノール変換に酵母菌を用いた場合、槽内温度を30℃程度に保持するのが望ましいが、アルコール耐性を強めた又はエタノール変換能力高めたミュータント又は遺伝子組替え菌を使用するのも有効な手段である。一定時間エタノール変換が行われ、エタノールを含有する溶液は、蒸留槽10でエタノールFが生成される。エタノールを含有する溶液からのエタノールの回収は、蒸留を行うのが一般的であるが、この方法に限定されるものではない。
【0023】
ここで、糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10の各工程では加温を要する。これらの熱源には嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時又はボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や汚泥焼却に伴い発生する熱Eを利用する。
エタノールF生産時に主に糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換処理後の有機物を含んだ残留物を余剰汚泥Aと混合、濃縮機1で濃縮し既存の嫌気性消化槽2を用い嫌気性消化を行いメタンガス等の形でエネルギとして回収し、最終的な残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等ヘリサイクルされる。
【0024】
嫌気性消化槽2を有しない施設では、残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又はリサイクルされる。
このようにエタノール生産時に発生する残留物は、下水処理場の既設の設備、システムを利用できるメリットがある。
【0025】
さらに、最初沈殿池汚泥Bから繊維分取り出し用スクリーン7で選択的に取り出された繊維分と、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物Gを微細粉末化等の前処理11したものを、糖化処理槽8で混合し、エタノールFの生産量を増大させることも可能である。糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10の各工程での熱源には嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時又はボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱D及び/又は汚泥焼却に伴い発生する熱Eを利用することができ、糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10といった各工程で外部からのエネルギの投入を要しないか、又は最小に抑えることができる。
【0026】
また、エタノール生産時、主に糖化処理槽8での糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換槽9での有機物を含んだ残留物は、余剰汚泥Aと混合し、濃縮機1により濃縮されるが、機械濃縮を行わず、重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。余剰汚泥Aと糖化処理槽8と生物変換槽9より発生する濃縮機1より濃縮された汚泥は、嫌気性消化槽2が設置されている場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は薬注・脱水5された後、焼却6される。
嫌気性消化後の残留固形物は、薬注・脱水5された後、脱水、焼却6、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。
【0027】
生物変換槽9でエタノール生産菌を用いた場合、エタノールFが回収されるが、本発明を用いれば生分解性プラスチックの原料となる乳酸を生産する乳酸生産菌を用い、乳酸を生産することも他有用物生産菌を用い、例えば、酵素などといった有用物質を生産することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、スクリーンを有する装置を用いて大規模下水処理場から発生する最初沈殿池汚泥から繊維分を選択的に取り出し、糖化処理の後、エタノールを生産することが可能となった。
また、処理施設内で嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時及びボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留の熱源に利用することにより、従来の独立した施設で建築資材・古紙・剪定樹木・稲わら等の木質系廃棄物からエタノールを生産する場合と比較した場合、加温用の外部から熱源を必要としなくなり、より安価にエタノール生産を行うことができる。
また、糖化処理及び、生物変換処理で発生する残留物を既存の嫌気性消化槽を用い嫌気性消化を行いメタンガス等の形でエネルギを回収した後、既存の汚泥脱水設備を用い脱水ケーキとし、焼却又は埋立又は建設資材等としてリサイクルをすることができる。
さらに、最初沈殿池汚泥から選択的に取り出した繊維分に微細粉末化した木質系の建築資材・剪定樹木・古紙等の産業廃棄物といった下水処理場の汚泥以外のセルロースを含有する物質を混合し、エタノールの生産量を増大することも可能である。
ここで、その生産過程で要する熱を、嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時及びボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用し、外部からの熱源を要しないか、又は最小に抑えることができ、安価にエタノールを生産することも可能である。
また、従来技術では糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程で残留物が発生するが、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する施設では嫌気性消化、脱水、焼却、処分又はリサイクルといった施設を既に有しており、これらの施設を新設する必要がなく、また処理システムが完成されているため、より安価なエタノールの生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】大規模下水処理場の一般的な汚泥処理のフローの1例である。
【図2】汚泥処理過程でエタノール生産工程を設けた下水汚泥からのエタノール生産方法のフローの1例である。
【符号の説明】
A 余剰汚泥
B 最初沈殿池汚泥
C 電気エネルギ
D メタンガス燃焼に伴い発生する熱
E 汚泥燃焼に伴い発生する熱
F エタノール
G 建築・剪定・食品廃棄物
1 濃縮機
2 嫌気性消化槽
3 ガス発電・ボイラ
4 施設暖房他
5 薬注・脱水
6 焼却
7 繊維分回収用スクリーン
8 糖化処理槽
9 生物変換槽
10 蒸留槽
11 前処理
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水汚泥からのエタノール生産方法に関し、特に、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥(本明細書において、包括して「最初沈殿池汚泥」という場合がある。)に含まれる固形分から繊維分を選択的に取り出し、エタノールを生産すること、さらには、嫌気性消化槽での嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時の熱を利用するようにした下水汚泥からのエタノール生産方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最初沈殿池汚泥には繊維分が豊富に含まれていることが既に文献等で明らかにされており、この繊維分のバイオマス資源としての有用性が示唆されている。
しかしながら、この最初沈殿池汚泥は、繊維分以外の有機成分も多種含まれているため、繊維分を単独で活用することが困難であった。すなわち、従来は、この繊維分について選択的に取り出すことが行われていなかったため、有効な資源化が困難であった。
【0003】
一方、エタノールの生産については、近年、産業廃棄物を利用した方法が開発されつつある。例えば、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物からのエタノール生産設備は、木質系産業廃棄物の運搬費用及びこれらの広大な貯留場所を要し、また、熱の発生のない独立した施設でエタノール生産を行うため、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程での加温に別途熱源を供給する必要がある。また、糖化処理や生物変換処理で発生する残留物についても処理を行うのに必要な施設や費用を要している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、最初沈殿池汚泥には繊維分が他の有機成分と混合された状態で存在するため、従来の技術では、エタノール等の有用物を生産するのが困難であるという問題があった。
一方、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物からのエタノール生産設備は、木質系産業廃棄物の運搬費用及びこれらの広大な貯留場所を要し、また、熱の発生のない独立した施設でエタノール生産を行うため、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程での加温に別途熱源を供給する必要がある等の問題がある。また、糖化処理や生物変換処理で発生する残留物についても処理を行うのに必要な施設や費用を要するという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の下水汚泥等の産業廃棄物からのエタノール生産方法の有する問題点に鑑み、最初沈殿池汚泥に豊富に含まれている繊維分を利用してエタノールを効率的に生産することができる下水汚泥からのエタノール生産方法を提供することを第1の目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、エタノールの生産に、嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用することができる下水汚泥からのエタノール生産方法を提供することを第2の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法は、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する繊維分を豊富に含む最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥から繊維分取り出し用スクリーンを用いて繊維分を選択的に取り出し、糖化処理槽にて繊維分中のセルロースをグルコース化(糖化処理)し、このグルコースを生物変換槽にてエタノールに変換し、後段の蒸留槽にてエタノール蒸留を行い、エタノールを分離、生産することを特徴とする。
【0008】
ここで、糖化処理、生物変換処理、エタノール蒸留の各工程に要する熱源は、嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用し、さらに、糖化処理、生物変換処理後の残留物についても、既存の汚泥脱水設備を用い脱水ケーキとし、焼却又は埋立又は各種資材として処理できる。
【0009】
この下水汚泥からのエタノール生産方法は、以下のように下水汚泥に含まれる繊維分を利用して行われる。
下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設内で回収する汚泥は、無生物主体で有機物を豊富に含む生物処理槽前段の最初沈殿池で系外に引き抜かれる最初沈殿池汚泥と、生物処理槽後段の沈殿槽で系外に引き抜かれる微生物主体の余剰汚泥の2種に大別される。
この最初沈殿池から発生する最初沈殿池汚泥の固形物には、呼び寸法0.074mmの標準ふるいで取り出される繊維分が、40から85%程度含まれる。さらに、この繊維分はセルロース分を15から40%含有する。
【0010】
この繊維分は目幅0.05mmから3.00mmのスクリーンを有する装置で取り出すことができ、取り出した繊維分は、処理水等で簡単に洗浄してもよいが、直接糖化処理を行ってもよい。糖化処理工程では硫酸を用いる方法又はセルラーゼ系の酵素剤を用いる方法があるが、特に限定されるものではない。
この糖化処理により、繊維分中のセルロース分がグルコースへ糖化される。硫酸を用いた糖化方法では、槽を加熱及び/又は加圧する必要があり、セルラーゼ系の酵素剤を用いた場合、使用する酵素剤の至適温度にする必要がある。このグルコースを含んだ糖化処理後の溶液は加熱、紫外線又はオゾン処理といった滅菌又は減菌処理がなされるが、硫酸を添加した後、加熱及び/又は加圧した場合は、滅菌又は減菌処理を省略することもできる。また、糖化処理前に滅菌又は減菌処理を行う方法も有効である。
【0011】
滅菌又は減菌処理されたグルコース含有溶液は酵母菌等を用いた生物変換工程でエタノールに変換される。
また、生物変換処理工程でのアルコール醗酵は、酵母菌を用いた場合、槽内温度を30℃程度に保持するのが望ましい。
アルコール醗酵では、酵母菌を用いてもよいが、アルコール耐性を強めた又はエタノール変換能力を高められたミュータント又は遺伝子組替え菌を使用するのも有効な手段である。
ここで、糖化処理工程、生物変換処理工程、エタノール蒸留の各工程では加温を要する。これらの熱源には嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用するのが望ましい。
【0012】
また、糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換処理後の有機物を含んだ残留物を既存の嫌気性消化槽を用いて嫌気性消化を行い、メタンガス等の形でエネルギを回収し、最終的な残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。嫌気性消化槽を有しない施設では、嫌気性消化を行わず、そのまま残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。このようにエタノール生産時に発生する残留物は、下水処理場の既設の設備、システムを利用して処理できるメリットがある。
【0013】
さらに、最初沈殿池汚泥から選択的に取り出した繊維分に微細粉末化した建築・古紙・剪定・稲わら等の木質系産業廃棄物といった下水処理場の汚泥以外の物質から取り出される繊維分を混合し、エタノールの生産量を増大させることも可能である。建築資材・古紙・剪定樹木・稲わら等の木質系産業廃棄物を下水処理場でエタノールに変換する場合は、嫌気性消化ガスからのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用することができ、糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程で外部からの熱源を要しないか、又は最小に抑えることができる。
【0014】
また、従来の技術では糖化処理等で発生する残留物についても処分施設の新設、処分費用を要していたが、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する施設では嫌気性消化、脱水、焼却、処分又は建設資材等へのリサイクルといった施設を既に備えており、新設する必要がなく、処理システムが完成している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1に、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する大規模下水処理場の一般的な汚泥処理のフローの1例(従来例)を示す。
最終沈殿池から引き抜かれた余剰汚泥Aと最初沈殿池汚泥Bは混合され、濃縮機1で、固形物濃度を高める。この時、濃縮機1は設置されていることが望ましいが、機械濃縮を行わず重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。濃縮機1で濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2で嫌気分解される。ここで発生したメタンガスは、ガス発電及び/又はボイラ用の燃料として使用され、ガス発電からは電気エネルギCとメタンガス燃焼に伴う熱D、ボイラからもメタンガス燃焼に伴う熱Dが発生する。これらの熱は嫌気性消化槽2や施設暖房4等に加温利用される。
濃縮機1により濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2が存在する場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は濃縮機1で固形分濃度を高められた後、薬注・脱水5され、さらに、焼却6される。同様に、嫌気性消化を行う場合も残留固形物は薬注・脱水5された後、焼却6される。汚泥焼却時に発生する熱Eはメタンガス燃焼に伴う熱D同様に嫌気性消化槽2や施設暖房4等に加温利用することができる。
【0017】
図2に、汚泥処理過程にエタノール生産工程を設けた、本発明の下水汚泥からのエタノール生産方法のフローの1実施例を示す。
最初沈殿池汚泥Bから繊維分取り出し用スクリーン7により繊維分を選択的に取り出し、糖化処理槽8で糖化処理を行い、生じたグルコースを生物変換槽9でエタノール溶液に変換する。変換されたエタノール溶液はさらに、蒸留槽10で蒸留され、エタノールFが生成される。ここで、糖化処理槽8へは、建築資材・剪定樹木・食品廃棄物G等を微細粉末化等の前処理11を行い糖化処理槽8に投入し、エタノールFの発生量を増大させることも可能である。
【0018】
糖化処理槽8及び生物変換槽9で発生した有機物を含んだ残留物は、余剰汚泥Aと混合され濃縮機1で濃縮された後、嫌気性消化槽2で嫌気分解され、残った固形分は薬注・脱水5され、焼却6される。また、嫌気性消化槽2が施設内にない場合、濃縮機1で濃縮後、薬注・脱水5され、焼却6することもできる。
【0019】
濃縮機1は設置されていることが望ましいが、機械濃縮を行わず、重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。濃縮機1より濃縮された汚泥は嫌気性消化槽2が設置されている場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は薬注・脱水5された後、焼却6される。同様に、嫌気性消化後の残留固形物も薬注・脱水5された後、焼却6される。汚泥焼却時に発生する熱Eはメタンガス燃焼に伴う熱D同様に嫌気性消化槽2や施設暖房他4、のみならず糖化処理槽8や生物変換槽9、蒸留槽10等に加温利用される。
【0020】
次に作用について述べる。
図2より、最初沈殿池より発生する繊維分を豊富に含む最初沈殿池汚泥Bを目幅0.05mmから3.00mmのスクリーンを有する装置であれば取り出し方法は特に問わないが、より望ましくは、目幅0.05mmから1.00mmのスクリーンを有する。
スクリーン面の形状は、メッシュ状、パンチングメタル等、所定の目幅のものであれば特に限定されるものではない。
【0021】
ここで取り出した繊維分は、処理水等で洗浄してから糖化処理してもよいが、直接糖化処理を行ってもよい。
糖化処理槽8では硫酸を用いる方法又はセルラーゼ系の酵素剤を用いる方法があるが、特に限定するものではない。
硫酸を用いた糖化方法では、糖化処理槽8を加熱及び/又は加圧する必要があり、セルラーゼ系の酵素剤を用いた場合、使用する酵素剤の至適温度及び至適pHにする必要がある。
この糖化処理により、繊維分中のセルロース分がグルコースヘ糖化される。この糖化処理後の溶液は加熱、紫外線又はオゾン処理といった滅菌又は減菌処理がなされるが、硫酸を添加し、加熱処理を行った場合は滅菌又は減菌処理を省略することもできる。また、糖化処理前に滅菌又は減菌処理を行う方法も有効である。
【0022】
滅菌又は減菌処理されたグルコース含有溶液は酵母菌等が主な生物相である生物変換槽9に移送され、エタノールに変換される。このエタノール変換に酵母菌を用いた場合、槽内温度を30℃程度に保持するのが望ましいが、アルコール耐性を強めた又はエタノール変換能力高めたミュータント又は遺伝子組替え菌を使用するのも有効な手段である。一定時間エタノール変換が行われ、エタノールを含有する溶液は、蒸留槽10でエタノールFが生成される。エタノールを含有する溶液からのエタノールの回収は、蒸留を行うのが一般的であるが、この方法に限定されるものではない。
【0023】
ここで、糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10の各工程では加温を要する。これらの熱源には嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時又はボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や汚泥焼却に伴い発生する熱Eを利用する。
エタノールF生産時に主に糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換処理後の有機物を含んだ残留物を余剰汚泥Aと混合、濃縮機1で濃縮し既存の嫌気性消化槽2を用い嫌気性消化を行いメタンガス等の形でエネルギとして回収し、最終的な残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又は建設資材等ヘリサイクルされる。
【0024】
嫌気性消化槽2を有しない施設では、残留固形分は脱水、焼却、埋立等の処分又はリサイクルされる。
このようにエタノール生産時に発生する残留物は、下水処理場の既設の設備、システムを利用できるメリットがある。
【0025】
さらに、最初沈殿池汚泥Bから繊維分取り出し用スクリーン7で選択的に取り出された繊維分と、建築資材・剪定樹木・古紙等の木質系産業廃棄物Gを微細粉末化等の前処理11したものを、糖化処理槽8で混合し、エタノールFの生産量を増大させることも可能である。糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10の各工程での熱源には嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時又はボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱D及び/又は汚泥焼却に伴い発生する熱Eを利用することができ、糖化処理槽8、生物変換槽9、蒸留槽10といった各工程で外部からのエネルギの投入を要しないか、又は最小に抑えることができる。
【0026】
また、エタノール生産時、主に糖化処理槽8での糖化処理後に発生する有機物を含んだ残留物や、生物変換槽9での有機物を含んだ残留物は、余剰汚泥Aと混合し、濃縮機1により濃縮されるが、機械濃縮を行わず、重力濃縮のみで後段に送泥することもできる。余剰汚泥Aと糖化処理槽8と生物変換槽9より発生する濃縮機1より濃縮された汚泥は、嫌気性消化槽2が設置されている場合には嫌気性消化槽2に送泥されるが、嫌気性消化槽2が施設内にない場合は薬注・脱水5された後、焼却6される。
嫌気性消化後の残留固形物は、薬注・脱水5された後、脱水、焼却6、埋立等の処分又は建設資材等にリサイクルされる。
【0027】
生物変換槽9でエタノール生産菌を用いた場合、エタノールFが回収されるが、本発明を用いれば生分解性プラスチックの原料となる乳酸を生産する乳酸生産菌を用い、乳酸を生産することも他有用物生産菌を用い、例えば、酵素などといった有用物質を生産することも可能である。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、スクリーンを有する装置を用いて大規模下水処理場から発生する最初沈殿池汚泥から繊維分を選択的に取り出し、糖化処理の後、エタノールを生産することが可能となった。
また、処理施設内で嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時及びボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留の熱源に利用することにより、従来の独立した施設で建築資材・古紙・剪定樹木・稲わら等の木質系廃棄物からエタノールを生産する場合と比較した場合、加温用の外部から熱源を必要としなくなり、より安価にエタノール生産を行うことができる。
また、糖化処理及び、生物変換処理で発生する残留物を既存の嫌気性消化槽を用い嫌気性消化を行いメタンガス等の形でエネルギを回収した後、既存の汚泥脱水設備を用い脱水ケーキとし、焼却又は埋立又は建設資材等としてリサイクルをすることができる。
さらに、最初沈殿池汚泥から選択的に取り出した繊維分に微細粉末化した木質系の建築資材・剪定樹木・古紙等の産業廃棄物といった下水処理場の汚泥以外のセルロースを含有する物質を混合し、エタノールの生産量を増大することも可能である。
ここで、その生産過程で要する熱を、嫌気性消化ガスの電気エネルギ変換時及びボイラでのメタンガス燃焼に伴う熱や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用し、外部からの熱源を要しないか、又は最小に抑えることができ、安価にエタノールを生産することも可能である。
また、従来技術では糖化処理及び生物変換処理及びエタノール蒸留といった各工程で残留物が発生するが、下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物変換処理する施設では嫌気性消化、脱水、焼却、処分又はリサイクルといった施設を既に有しており、これらの施設を新設する必要がなく、また処理システムが完成されているため、より安価なエタノールの生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】大規模下水処理場の一般的な汚泥処理のフローの1例である。
【図2】汚泥処理過程でエタノール生産工程を設けた下水汚泥からのエタノール生産方法のフローの1例である。
【符号の説明】
A 余剰汚泥
B 最初沈殿池汚泥
C 電気エネルギ
D メタンガス燃焼に伴い発生する熱
E 汚泥燃焼に伴い発生する熱
F エタノール
G 建築・剪定・食品廃棄物
1 濃縮機
2 嫌気性消化槽
3 ガス発電・ボイラ
4 施設暖房他
5 薬注・脱水
6 焼却
7 繊維分回収用スクリーン
8 糖化処理槽
9 生物変換槽
10 蒸留槽
11 前処理
Claims (5)
- 下水等の有機性汚水を活性汚泥により生物処理する施設から発生する最初沈殿池汚泥若しくはそれに相当する生物処理工程の前工程で重力分離される汚泥から繊維分を選択的に取り出し、糖化処理、生物処理の後、エタノール蒸留を行い、エタノールを生産することを特徴とする下水汚泥からのエタノール生産方法。
- 目幅0.05mmから3.00mmのスクリーンを用いて繊維分を取り出すことを特徴とする請求項1記載の下水汚泥からのエタノール生産方法。
- 糖化処理、生物変換処理及び/又はエタノール蒸留の熱源に、嫌気性消化ガスのエネルギ変換時や脱水ケーキ焼却時に発生する熱を利用することを特徴とする請求項1又は2記載の下水汚泥からのエタノール生産方法。
- 生物変換処理後の残留物を既存の嫌気性消化槽を用いて嫌気性消化を行いメタンガス等の形でエネルギを回収した後、既存の汚泥脱水設備を用い脱水ケーキとして回収することを特徴とする請求項1、2又は3記載の下水汚泥からのエタノール生産方法。
- 最初沈殿池汚泥から選択的に取り出した繊維分に微細粉末化した木質系産業廃棄物等の下水処理場の汚泥以外の物質から取り出される繊維分を混合することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の下水汚泥からのエタノール生産方法。
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JP2003081746A JP2004283127A (ja) | 2003-03-25 | 2003-03-25 | 下水汚泥からのエタノール生産方法 |
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CN102910777A (zh) * | 2011-08-01 | 2013-02-06 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种纤维乙醇废水的处理方法 |
CN103102036A (zh) * | 2011-11-10 | 2013-05-15 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种纤维乙醇生产废水的处理方法 |
US8617281B2 (en) | 2007-08-13 | 2013-12-31 | Applied Cleantech, Inc | Methods and systems for feedstock production from sewage and product manufacturing therefrom |
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2003
- 2003-03-25 JP JP2003081746A patent/JP2004283127A/ja active Pending
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