JP2004282623A - 送受信制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイソレーションの低下がなく、かつ送信時の送信損失を小さくすることができる送受信制御装置を提供する。
【解決手段】複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面に、アンテナ端子ANT、送信端子Tx、受信端子Rx、電圧制御端子Vc及びグランド端子GNDを設けるとともに、前記積層体の上面及び内部にアンテナ端子ANT−送信端子Tx間に接続される第1スイッチ回路SW1とアンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2とを設け、該第2スイッチ回路SW2を、送信信号の波長の1/4の線路長を有する伝送線路SL1と、スイッチングダイオードD2と、該スイッチングダイオードD2にRC並列回路を介して電気的に接続されるグランド端子とで構成し、前記RC並列回路を積層体内に埋設した異なるビアホール導体L3−2、L3−3を介してグランド端子GNDに接続する。
【選択図】図1
【解決手段】複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面に、アンテナ端子ANT、送信端子Tx、受信端子Rx、電圧制御端子Vc及びグランド端子GNDを設けるとともに、前記積層体の上面及び内部にアンテナ端子ANT−送信端子Tx間に接続される第1スイッチ回路SW1とアンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2とを設け、該第2スイッチ回路SW2を、送信信号の波長の1/4の線路長を有する伝送線路SL1と、スイッチングダイオードD2と、該スイッチングダイオードD2にRC並列回路を介して電気的に接続されるグランド端子とで構成し、前記RC並列回路を積層体内に埋設した異なるビアホール導体L3−2、L3−3を介してグランド端子GNDに接続する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の通信機器に組み込まれ、信号経路の切り替えを行うのに用いられる送受信制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、送受信制御装置は、通信機器等において送信信号及び受信信号の送受信を交互に切り替えるために用いられている。
【0003】
図7(a)(b)(c)は従来の送受信制御装置であり、図7(a)は送受信制御装置の上面の部品配置図、図7(b)は送受信制御装置の上面図であり、図7(c)は図7(b)のB−B´線断面図である。
【0004】
図8、図9は従来の送受信制御装置の一例を示す等価回路図である。図8、図9に示す送受信制御装置は、アンテナ端子ANT、送信端子Tx、受信端子Rxを備えており、前記送信端子Txとアンテナ端子ANTとの間にスイッチングダイオードD2を備える第1スイッチ回路SW1を、前記受信端子Rxとアンテナ端子ANTとの間に伝送線路SL1を接続するとともに、前記伝送線路SL1の受信端子Rx側端部とグランド端子GNDとの間にスイッチングダイオードD1を接続した第2スイッチ回路SW2を備えた構造となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
従来の送受信制御装置においては、図7(c)、図8に示すように、受信端子Rx側の第2スイッチ回路SW2において、スイッチングダイオードD1のカソードに接続されるコンデンサC5と抵抗R1を同一のビアホール導体L2でグランド端子GNDに接続していた。
【0006】
以下、上述した送受信制御装置を用いて送信信号と受信信号の送受信を切り替える際の回路動作について説明する。
【0007】
まず、送信信号の送信時には、電圧制御端子Vcから、スイッチングダイオードD1、D2に対して順バイアス(電圧制御端子Vcからの制御信号がハイレベル)をかけ、スイッチングダイオードD1、D2をオンにする。このときスイッチングダイオードD2がオンになることで、送信端子Txを介して入力された送信信号はアンテナ端子ANTに送出される。一方、スイッチングダイオードD1がオンになり、スイッチングダイオードD1のオン時のインダクタンス成分とアノードに接続されたコンデンサC5と抵抗R1による並列共振回路により送信信号の送信周波数で直列共振し、その結果、送信周波数のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1によりアンテナ端子ANTから受信端子Rx側をみた場合、高インピーダンスとなり、送信信号の受信端子Rx側への侵入を阻止することになる。
【0008】
また、受信信号の受信時には、電圧制御端子Vcに制御電圧が印加されず(電圧制御端子Vcからの制御信号がローレベル)、スイッチングダイオードD1、D2は共にオフとなる。従って、アンテナ端子ANTより入力された受信信号は送信端子Tx側には送出されずに伝送線路SL1を通過して受信端子Rx側へ送出される。
【0009】
このように、電圧制御端子Vcからの制御電圧によりスイッチングダイオードD1、D2のオン・オフを制御するとともに、伝送線路SL1をショートスタブ状態にすることにより送信信号と受信信号の送受信が切り替えられる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−33678号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の送受信制御装置においては、送信時においてアンテナ端子ANTから、受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションの低下によって受信端子Rxに不要信号が印加される為、携帯端末の誤動作の発生や、送信時のアンテナ端子−送信端子間の送信損失が大きくなることがあった。
【0012】
本発明は上述の問題点を鑑みて案出されたものであり、その目的は、送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションの低下がなく、かつ送信時のアンテナ端子−送信端子間の送信損失を小さくすることができる送受信制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の送受信制御装置は、複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面に、アンテナ端子、送信端子、受信端子、電圧制御端子及びグランド端子を設けるとともに、前記積層体の上面及び内部にアンテナ端子−送信端子間に接続される第1スイッチ回路とアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路とを設けてなり、前記第1スイッチ回路、第2スイッチ回路のオン・オフを制御し、アンテナ−送信回路間の接続とアンテナ−受信回路間の接続とを切り替えることによって送信信号・受信信号を交互に送受信する送受信制御装置であって、前記第2スイッチ回路は、前記積層体の内部もしくは表面に設けられ、送信信号の波長の1/4の線路長を有する伝送線路と、前記積層体の表面に搭載されるスイッチングダイオードと、前記スイッチングダイオード及び前記グランド端子間に電気的に接続されるRC並列回路とを含んで構成されており、前記RC並列回路を構成するコンデンサは、前記積層体の内部に配設された一対の内部電極層と該内部電極層間に介在される誘電体層とで形成されるとともに、前記内部電極層の一方が前記積層体の内部に埋設された第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、また前記内部電極層の他方が前記積層体の内部に埋設された第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続され、前記RC並列回路を構成する抵抗は、前記積層体の表面に設けられるとともに、その一端側が前記積層体表面の導体層を介して前記スイッチングダイオードに、他端側が前記積層体の内部に埋設された第3ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の送受信制御装置は、前記第1ビアホール導体と前記第3ビアホール導体との間の距離が、前記第1ビアホール導体と前記第2ビアホール導体との間の距離に比し大となしてあることを特徴とするものである。
【0015】
更に前記コンデンサが前記積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成されているとともに、該各誘電体層の厚み方向の両側に前記一対の内部電極層が配設されていることを特徴とするものである。
【0016】
また更に前記一対の内部電極層は、その一方が第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、他方が第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されており、かつ他方の内部電極層のうち少なくとも1層が、前記積層体上面の全面積に対し90%以上の面積でもって誘電体層間に介在されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の送受信制御装置によれば、受信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオフとし、アンテナ端子ANTから入力された受信信号は伝送線路SL1を介して受信端子Rxにほとんど損失なく伝送される。
【0018】
また、送信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオンとし、アンテナ端子から受信端子間の送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がショートスタブとして働き、送信信号は受信側に漏れないはずである。但し現実にはスイッチングダイオードD2からグランド端子GNDと受信端子Rx負荷側の合成インピーダンスが完全にはゼロにできず伝送線路SL1は完全なショートスタブとはならない。
【0019】
ここでスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成しているため、送信周波数において、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とコンデンサC5及び抵抗R1による並列共振回路による共振抵抗(受信端子Rx負荷側の合成インピーダンス(図3のB点))を小さくできる。特に、コンデンサC5、抵抗R1の一端は、従来回路基板上でスイッチングダイオードD1につながる導体層に接続され、他端は内部電極層に接続されたあと共通ビアホール導体L2を経由してグランド端子GNDに落としていたが、本発明では、コンデンサC5、抵抗R1の他端はそれぞれ相互に独立して第2ビアホール導体L3−2、第3ビアホール導体L3−3からグランド端子GNDに接続することにより共振抵抗を効果的にひき下げることができる。
【0020】
そのため、送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がいわゆるショートスタブとして機能することにより図3のA点から受信端子Rx側を見たとき高インピーダンスとなり受信端子Rxから切り離された状態になる。
【0021】
これにより送信時における送信信号のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションが極大になる。このため送信時のアンテナ端子ANT−送信端子Tx間の送信損失を小さくすることが可能となる。
【0022】
よって本発明の送受信制御装置は、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成することによって送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションを大きくでき、かつ送信時のアンテナ端子ANT−送信端子間Txの送信損失を小さくすることができる。
【0023】
また、スイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1と抵抗R1からグランド端子GND間にある第3ビアホール導体L3−3との距離をスイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1とコンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2間の距離より大きくすることで、抵抗R1は積層体表面の導体層DL2の長さを長くすることができ、抵抗R1からグランド端子GND間のインダクタンス成分を大きくとることができるため、スイッチングダイオードD1の高周波信号による誤動作を抑えることができる。
【0024】
更に、コンデンサC5は積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成できるので、容量値の形成範囲を大きくとることができる。
【0025】
また更に、コンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2に接続される内部電極層DC2のうち少なくとも1層を積層体上面の全面積に対し90%以上の面積とすることで、外乱ノイズに対するシールド性を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1(a)(b)(c)は、本発明の一実施形態に係る送受信制御装置であり、図1(a)は送受信制御装置の上面の部品配置図、図1(b)は送受信制御装置の上面図であり、図1(c)は図1(b)のB−B´線断面図である。
【0028】
図2は本発明の送受信制御装置のブロックダイヤグラム、図3は図1に示す送受信制御装置の等価回路図、図4は本発明の送受信制御装置の主要部分であるアンテナ端子ANT−受信端子Rx間の第2スイッチ回路SW2の等価回路図である。図3は本発明の送受信制御装置をDCS(Digital Communication System)通信方式(送信周波数帯域:1710〜1785MHz、受信周波数帯域:1805〜1880MHz)用の送受信制御装置に適用した実施形態を示す等価回路図であり、図3に示す送受信制御装置は、概略的に、アンテナ端子ANT−送信端子Tx間に接続される第1スイッチ回路SW1と、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2で構成されている。
【0029】
第1スイッチ回路SW1は、スイッチングダイオードD2から成り、そのアノードは二つに分岐し、その一方はローパスフィルタLPF、コンデンサC1を介して送信端子Txに、他方はコイルL1を介して分岐され一方は電圧制御端子Vcに接続され、他方はコンデンサC4を介してグランド端子GNDに接続されている。また、カソードはコンデンサC2を介してアンテナ端子ANTに接続される。
【0030】
この第1スイッチ回路SW1は、電圧制御端子Vcを介して入力される制御信号によってスイッチング動作が制御される。即ち、送信時に制御信号がハイレベルになると第1スイッチ回路SW1がオン状態となり、アンテナ端子ANTと送信端子Txとが電気的に接続される。また、受信時に制御信号がローレベルになると第1スイッチ回路SW1はオフ状態となり、アンテナ端子ANTと送信端子Txとを電気的に遮断する。
【0031】
一方、第2スイッチ回路SW2は、受信端子Rxとアンテナ端子ANTとの間に接続される伝送線路SL1及び該伝送線路SL1の受信端子Rx側端部とグランド端子GNDとの間に接続されるスイッチングダイオードD1を組み合わせて成り、スイッチングダイオードD1のアノードはコンデンサC3を介して受信端子Rxに接続され、そのカソードは2つに分岐され、一方はコンデンサC5、コイルL3−1(第1ビアホール導体)、L3−2(第2ビアホール導体)を介してグランド端子GNDに接続され、他方は抵抗R1、導体層DL2、コイルL3−3(第3ビアホール導体)を介してグランド端子GNDに接続される(スイッチングダイオードD1の端子間容量は例えば0.15pF、その高周波順抵抗は例えば1.2Ω、またコンデンサC5の容量は例えば4.7pF、抵抗R1は例えば150Ωに設定される。また、コイルL3−1とL3−2の和、コイルL3−3の値はビアホール導体の長さで決定され例えば0.8nH程度である。)。
【0032】
ここで、伝送線路SL1の長さは送信周波数のλ/4となるような長さに設定される。
【0033】
この第2スイッチ回路SW2は、先に述べた制御信号によって第1スイッチ回路SW1のオン・オフ状態とは逆の状態になるよう制御される。即ち、送信時に制御信号がハイレベルになると第2スイッチ回路SW2がオフ状態となり、アンテナ端子ANTと受信端子Rxとを電気的に遮断する。また、受信時に制御信号がローレベルになると第2スイッチ回路SW2がオン状態となり、アンテナ端子ANTと受信端子Rxとが電気的に接続される。
【0034】
このように、制御信号がハイレベルのときは第1スイッチ回路SW1がオン、第2スイッチ回路SW2がオフ状態となり、制御信号がローレベルのときは第1スイッチ回路SW1がオフ、第2スイッチ回路SW2がオン状態となる。
【0035】
このような送受信制御装置において、本発明の特徴的なところは図1に示すようにアンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2において、コンデンサC5と抵抗R1のグランド端子GNDへ接続するための第2ビアホール導体L3−2と第3ビアホール導体L3−3を相互に独立して形成していることである。即ち、コンデンサC5は第2ビアホール導体L3−2によりグランド端子GNDに接続され、抵抗R1は第3ビアホール導体L3−3によりグランド端子GNDに接続されている。ここで、コンデンサC5は積層体の内部に形成され、一対の内部電極層DC1、DC2と該内部電極層間に介在される誘電体層間で容量成分を形成し、前記内部電極層DC1が積層体の内部に埋設された第1ビアホール導体を介してスイッチングダイオードD1に接続され、前記内部電極層DC2が第2ビアホール導体L3−2を介してグランド端子GNDに接続されている。また、コンデンサC5は、図5に示すように求められる容量値により、積層体の積層体の厚み方向に複数個の誘電体層を含んで容量を形成している。さらに、図5に示すように、外乱ノイズによるシールド性を高めるために、グランド端子GNDに接続される第2ビアホール導体L3−2の一部の内部電極層DC2の面積を他の内部電極層DC2の面積よりも大きく形成している。
【0036】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
【0037】
図4には本発明のアンテナ端子ANT−受信端子Rx間の第2スイッチ回路SW2の等価回路図を示す。図4において、スイッチングダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1(実際には積層体表面の導体層DL2のインダクタンス成分も含まれるが計算上は無視している。)を150[Ω]、コンデンサC5を4.7[pF]、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.8[nH]とした場合、DCSの送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション、及び、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーション27.481[dB]、送信損失0.171[dB]となった。また、ビアホール導体の長さを2倍とし(L3−1+L3−2)及ぶL3−3を1.6[nH]とした場合、DCSの送信周波数(1710−1785MHz)に共振周波数をもつためのコンデンサC5の値は3.2[pF]となり、この場合の回路シュミレーション結果はP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーションが27.431[dB]であり、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は0.182[dB]となった。これより、ビアホール導体の長さをそれぞれ2倍(実質的にはL値をそれぞれ2倍)とした場合、アイソレーションが0.05[dB]、送信損失が0.011[dB]低下したことがわかる。
【0038】
また、比較例として従来の送受信制御装置の等価回路を図8、図9に示す。
【0039】
図7において、ダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1を150[Ω]、コンデンサC5を4.7[pF]、L2を0.8[nH]とした場合、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーションは23.104[dB]、送信損失は0.301[dB]だった。
【0040】
また、図7において、ダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1を150[Ω]、コンデンサC5を3.8[pF]、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.8[nH]、L2−1を0.4[nH]とした場合、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーションは25.202[dB]、送信損失は0.237[dB]だった。
【0041】
ここで図8において、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.4[nH]、L2−1を0.4[nH]とし、また共振周波数がDCS周波数帯にするためコンデンサC5を4.7[pF]にすると、DCS送信周波数(1710−1785MHz)のP1(ANT)からP3(Rx)のアイソレーションは25.365[dB]であり、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は0.229[dB]だった。
【0042】
以上、図7、図8の結果より、従来例においてもビアホール導体L2、L2−1の長さが短いほうがアイソレーション及び送信損失の低下が少ないことがわかる。
【0043】
上述の結果から本発明(図4)と従来例(図8)の比較では、P1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーションは従来例が23.104[dB]であるのに対して本発明では27.431[dB]であり、4.327[dB]の改善がみられている。また、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は従来例が0.301[dB]であるのに対して本発明は0.182[dB]であり0.119[dB]の改善がみられている。
【0044】
このことは従来例においては送信時において、受信端子への送信信号の漏洩のがありP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失の悪化につながっていることを意味している。具体的には本発明(図4)と従来例(図8)の第2スイッチ回路SW2を比較したときに従来例(図8)のコンデンサC5、抵抗R1、コイルL2による並列共振回路の共振抵抗の値よりも本発明(図4)のコンデンサC5、抵抗R1、コイルL3−1、L3−2、L3−3による並列共振回路の共振抵抗の値が小さくなるためである。即ちこのことは本発明(図4)の方が従来例(図8)より並列共振回路のQが大きいことを意味している。
【0045】
参考例として、本発明(図4)の回路において、L3−1、L3−2、L3−3のみ変更し理想状態である(L3−1+L3−2)=L3−3=0[nH](コンデンサC5及び抵抗R1がビアホール導体を介さず直接グランド端子GNDに接続された状態)とした場合は、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Rx)への送信損失をシュミレーションした結果はアイソレーション28.153[dB]、送信損失0.170[dB]であった。これより理想状態と本発明((L3−1+L3−2)=L3−3=0.8nHの時)を比較すると、本発明はアイソレーションで0.672[dB]、送信損失で0.001[dB]だけ低下している。
【0046】
また、上述の理想状態(L3−1+L3−2)=L3−3=0[nH](コンデンサC5及び抵抗R1がビアホール導体を介さず直接グランド端子GNDに接続された状態)と従来例(図8)とを比較すると、従来例においてはアイソレーションで5.049[dB]、送信損失で0.137[dB]低下している。
【0047】
以上、上述した回路シュミレーションの結果より、本発明(図4)においては、アイソレーション及び送信損失ともに理想状態に近い値であることがわかる。
【0048】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0049】
例えば図6(c)に示すように第1ビアホール導体L3−1の両側に内部電極層DC1を形成してもよい。これにより、さらに容量値の形成範囲を大きくとることがが可能となる。
【0050】
また、上述の実施形態においては、本発明の送受信制御装置をDCS通信方式の通信機器に用いられる回路の一例として説明したが、他の時分割接続の通信方式、例えばGSM(Global System for Mobile Communication)通信方式やPCS(Personal Communication System)通信方式の通信機器に用いられる回路として適用してもよいことは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明の送受信制御装置によれば、受信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオフとし、アンテナ端子ANTから入力された受信信号は伝送線路SL1を介して受信端子Rxにほとんど損失なく伝送される。
【0052】
また、送信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオンとし、アンテナ端子から受信端子間の送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がショートスタブとして働き、送信信号は受信側に漏れない。
【0053】
ここでスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成しているため、送信周波数において、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とコンデンサC5及び抵抗R1による並列共振回路による共振抵抗(受信端子Rx負荷側の合成インピーダンス(図3のB点))を小さくできる。特に、コンデンサC5、抵抗R1の一端は、従来回路基板上でスイッチングダイオードD1につながる導体層に接続され、他端は内部電極層に接続されたあと共通ビアホール導体L2を経由してグランド端子GNDに落としていたが、本発明では、コンデンサC5、抵抗R1の他端はそれぞれ相互に独立して第2ビアホール導体L3−2、第3ビアホール導体L3−3からグランド端子GNDに接続することにより共振抵抗を効果的にひき下げることができる。
【0054】
そのため、送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がいわゆるショートスタブとして機能することにより図3のA点から受信端子Rx側を見たとき高インピーダンスとなり受信端子Rxから切り離された状態になる。
【0055】
これにより送信時における送信信号のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションが極大になる。このため送信時のアンテナ端子ANT−送信端子Tx間の送信損失を小さくすることが可能となる。
【0056】
よって本発明の送受信制御装置は、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成することによって送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションを大きくでき、かつ送信時のアンテナ端子ANT−送信端子間Txの送信損失を小さくすることができる。
【0057】
また、スイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1と抵抗R1からグランド端子GND間にある第3ビアホール導体L3−3との距離をスイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1とコンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2間の距離より大きくすることで、抵抗R1は積層体表面の導体層DL2の長さを長くすることができ、抵抗R1からグランド端子GND間のインダクタンス成分を大きくとることができるため、スイッチングダイオードD1の高周波信号による誤動作を抑えることができる。
【0058】
更に、コンデンサC5は積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成できるので、容量値の形成範囲を大きくとることができる。
【0059】
また更に、コンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2に接続される内部電極層DC2のうち少なくとも1層を積層体上面の全面積に対し90%以上の面積とすることで、外乱ノイズに対するシールド性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のブロックダイアグラムである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の等価回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路の等価回路図である。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図6】(a)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図7】(a)は従来の送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は従来の送受信制御装置の上面図、(c)は従来の送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図8】従来の送受信制御装置の等価回路図である。
【図9】従来の送受信制御装置のアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路の変形例の等価回路図である。
【符号の説明】
ANT・・・アンテナ端子
Tx・・・送信端子
Rx・・・受信端子
SW1・・・第1スイッチ回路
SW2・・・第2スイッチ回路
Vc・・・電圧制御端子
GND・・・グランド端子
L3−1・・・第1ビアホール導体
L3−2・・・第2ビアホール導体
L3−3・・・第3ビアホール導体
SL1・・・伝送線路
LPF・・・ローパスフィルタ
C1〜C5・・・コンデンサ
D1、D2・・・スイッチングダイオード
R1・・・抵抗
DC1、DC2・・・内部電極層
DL1、DL2・・・導体層
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話等の通信機器に組み込まれ、信号経路の切り替えを行うのに用いられる送受信制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、送受信制御装置は、通信機器等において送信信号及び受信信号の送受信を交互に切り替えるために用いられている。
【0003】
図7(a)(b)(c)は従来の送受信制御装置であり、図7(a)は送受信制御装置の上面の部品配置図、図7(b)は送受信制御装置の上面図であり、図7(c)は図7(b)のB−B´線断面図である。
【0004】
図8、図9は従来の送受信制御装置の一例を示す等価回路図である。図8、図9に示す送受信制御装置は、アンテナ端子ANT、送信端子Tx、受信端子Rxを備えており、前記送信端子Txとアンテナ端子ANTとの間にスイッチングダイオードD2を備える第1スイッチ回路SW1を、前記受信端子Rxとアンテナ端子ANTとの間に伝送線路SL1を接続するとともに、前記伝送線路SL1の受信端子Rx側端部とグランド端子GNDとの間にスイッチングダイオードD1を接続した第2スイッチ回路SW2を備えた構造となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
従来の送受信制御装置においては、図7(c)、図8に示すように、受信端子Rx側の第2スイッチ回路SW2において、スイッチングダイオードD1のカソードに接続されるコンデンサC5と抵抗R1を同一のビアホール導体L2でグランド端子GNDに接続していた。
【0006】
以下、上述した送受信制御装置を用いて送信信号と受信信号の送受信を切り替える際の回路動作について説明する。
【0007】
まず、送信信号の送信時には、電圧制御端子Vcから、スイッチングダイオードD1、D2に対して順バイアス(電圧制御端子Vcからの制御信号がハイレベル)をかけ、スイッチングダイオードD1、D2をオンにする。このときスイッチングダイオードD2がオンになることで、送信端子Txを介して入力された送信信号はアンテナ端子ANTに送出される。一方、スイッチングダイオードD1がオンになり、スイッチングダイオードD1のオン時のインダクタンス成分とアノードに接続されたコンデンサC5と抵抗R1による並列共振回路により送信信号の送信周波数で直列共振し、その結果、送信周波数のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1によりアンテナ端子ANTから受信端子Rx側をみた場合、高インピーダンスとなり、送信信号の受信端子Rx側への侵入を阻止することになる。
【0008】
また、受信信号の受信時には、電圧制御端子Vcに制御電圧が印加されず(電圧制御端子Vcからの制御信号がローレベル)、スイッチングダイオードD1、D2は共にオフとなる。従って、アンテナ端子ANTより入力された受信信号は送信端子Tx側には送出されずに伝送線路SL1を通過して受信端子Rx側へ送出される。
【0009】
このように、電圧制御端子Vcからの制御電圧によりスイッチングダイオードD1、D2のオン・オフを制御するとともに、伝送線路SL1をショートスタブ状態にすることにより送信信号と受信信号の送受信が切り替えられる。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−33678号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の送受信制御装置においては、送信時においてアンテナ端子ANTから、受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションの低下によって受信端子Rxに不要信号が印加される為、携帯端末の誤動作の発生や、送信時のアンテナ端子−送信端子間の送信損失が大きくなることがあった。
【0012】
本発明は上述の問題点を鑑みて案出されたものであり、その目的は、送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションの低下がなく、かつ送信時のアンテナ端子−送信端子間の送信損失を小さくすることができる送受信制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の送受信制御装置は、複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面に、アンテナ端子、送信端子、受信端子、電圧制御端子及びグランド端子を設けるとともに、前記積層体の上面及び内部にアンテナ端子−送信端子間に接続される第1スイッチ回路とアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路とを設けてなり、前記第1スイッチ回路、第2スイッチ回路のオン・オフを制御し、アンテナ−送信回路間の接続とアンテナ−受信回路間の接続とを切り替えることによって送信信号・受信信号を交互に送受信する送受信制御装置であって、前記第2スイッチ回路は、前記積層体の内部もしくは表面に設けられ、送信信号の波長の1/4の線路長を有する伝送線路と、前記積層体の表面に搭載されるスイッチングダイオードと、前記スイッチングダイオード及び前記グランド端子間に電気的に接続されるRC並列回路とを含んで構成されており、前記RC並列回路を構成するコンデンサは、前記積層体の内部に配設された一対の内部電極層と該内部電極層間に介在される誘電体層とで形成されるとともに、前記内部電極層の一方が前記積層体の内部に埋設された第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、また前記内部電極層の他方が前記積層体の内部に埋設された第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続され、前記RC並列回路を構成する抵抗は、前記積層体の表面に設けられるとともに、その一端側が前記積層体表面の導体層を介して前記スイッチングダイオードに、他端側が前記積層体の内部に埋設された第3ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の送受信制御装置は、前記第1ビアホール導体と前記第3ビアホール導体との間の距離が、前記第1ビアホール導体と前記第2ビアホール導体との間の距離に比し大となしてあることを特徴とするものである。
【0015】
更に前記コンデンサが前記積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成されているとともに、該各誘電体層の厚み方向の両側に前記一対の内部電極層が配設されていることを特徴とするものである。
【0016】
また更に前記一対の内部電極層は、その一方が第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、他方が第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されており、かつ他方の内部電極層のうち少なくとも1層が、前記積層体上面の全面積に対し90%以上の面積でもって誘電体層間に介在されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の送受信制御装置によれば、受信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオフとし、アンテナ端子ANTから入力された受信信号は伝送線路SL1を介して受信端子Rxにほとんど損失なく伝送される。
【0018】
また、送信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオンとし、アンテナ端子から受信端子間の送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がショートスタブとして働き、送信信号は受信側に漏れないはずである。但し現実にはスイッチングダイオードD2からグランド端子GNDと受信端子Rx負荷側の合成インピーダンスが完全にはゼロにできず伝送線路SL1は完全なショートスタブとはならない。
【0019】
ここでスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成しているため、送信周波数において、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とコンデンサC5及び抵抗R1による並列共振回路による共振抵抗(受信端子Rx負荷側の合成インピーダンス(図3のB点))を小さくできる。特に、コンデンサC5、抵抗R1の一端は、従来回路基板上でスイッチングダイオードD1につながる導体層に接続され、他端は内部電極層に接続されたあと共通ビアホール導体L2を経由してグランド端子GNDに落としていたが、本発明では、コンデンサC5、抵抗R1の他端はそれぞれ相互に独立して第2ビアホール導体L3−2、第3ビアホール導体L3−3からグランド端子GNDに接続することにより共振抵抗を効果的にひき下げることができる。
【0020】
そのため、送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がいわゆるショートスタブとして機能することにより図3のA点から受信端子Rx側を見たとき高インピーダンスとなり受信端子Rxから切り離された状態になる。
【0021】
これにより送信時における送信信号のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションが極大になる。このため送信時のアンテナ端子ANT−送信端子Tx間の送信損失を小さくすることが可能となる。
【0022】
よって本発明の送受信制御装置は、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成することによって送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションを大きくでき、かつ送信時のアンテナ端子ANT−送信端子間Txの送信損失を小さくすることができる。
【0023】
また、スイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1と抵抗R1からグランド端子GND間にある第3ビアホール導体L3−3との距離をスイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1とコンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2間の距離より大きくすることで、抵抗R1は積層体表面の導体層DL2の長さを長くすることができ、抵抗R1からグランド端子GND間のインダクタンス成分を大きくとることができるため、スイッチングダイオードD1の高周波信号による誤動作を抑えることができる。
【0024】
更に、コンデンサC5は積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成できるので、容量値の形成範囲を大きくとることができる。
【0025】
また更に、コンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2に接続される内部電極層DC2のうち少なくとも1層を積層体上面の全面積に対し90%以上の面積とすることで、外乱ノイズに対するシールド性を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1(a)(b)(c)は、本発明の一実施形態に係る送受信制御装置であり、図1(a)は送受信制御装置の上面の部品配置図、図1(b)は送受信制御装置の上面図であり、図1(c)は図1(b)のB−B´線断面図である。
【0028】
図2は本発明の送受信制御装置のブロックダイヤグラム、図3は図1に示す送受信制御装置の等価回路図、図4は本発明の送受信制御装置の主要部分であるアンテナ端子ANT−受信端子Rx間の第2スイッチ回路SW2の等価回路図である。図3は本発明の送受信制御装置をDCS(Digital Communication System)通信方式(送信周波数帯域:1710〜1785MHz、受信周波数帯域:1805〜1880MHz)用の送受信制御装置に適用した実施形態を示す等価回路図であり、図3に示す送受信制御装置は、概略的に、アンテナ端子ANT−送信端子Tx間に接続される第1スイッチ回路SW1と、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2で構成されている。
【0029】
第1スイッチ回路SW1は、スイッチングダイオードD2から成り、そのアノードは二つに分岐し、その一方はローパスフィルタLPF、コンデンサC1を介して送信端子Txに、他方はコイルL1を介して分岐され一方は電圧制御端子Vcに接続され、他方はコンデンサC4を介してグランド端子GNDに接続されている。また、カソードはコンデンサC2を介してアンテナ端子ANTに接続される。
【0030】
この第1スイッチ回路SW1は、電圧制御端子Vcを介して入力される制御信号によってスイッチング動作が制御される。即ち、送信時に制御信号がハイレベルになると第1スイッチ回路SW1がオン状態となり、アンテナ端子ANTと送信端子Txとが電気的に接続される。また、受信時に制御信号がローレベルになると第1スイッチ回路SW1はオフ状態となり、アンテナ端子ANTと送信端子Txとを電気的に遮断する。
【0031】
一方、第2スイッチ回路SW2は、受信端子Rxとアンテナ端子ANTとの間に接続される伝送線路SL1及び該伝送線路SL1の受信端子Rx側端部とグランド端子GNDとの間に接続されるスイッチングダイオードD1を組み合わせて成り、スイッチングダイオードD1のアノードはコンデンサC3を介して受信端子Rxに接続され、そのカソードは2つに分岐され、一方はコンデンサC5、コイルL3−1(第1ビアホール導体)、L3−2(第2ビアホール導体)を介してグランド端子GNDに接続され、他方は抵抗R1、導体層DL2、コイルL3−3(第3ビアホール導体)を介してグランド端子GNDに接続される(スイッチングダイオードD1の端子間容量は例えば0.15pF、その高周波順抵抗は例えば1.2Ω、またコンデンサC5の容量は例えば4.7pF、抵抗R1は例えば150Ωに設定される。また、コイルL3−1とL3−2の和、コイルL3−3の値はビアホール導体の長さで決定され例えば0.8nH程度である。)。
【0032】
ここで、伝送線路SL1の長さは送信周波数のλ/4となるような長さに設定される。
【0033】
この第2スイッチ回路SW2は、先に述べた制御信号によって第1スイッチ回路SW1のオン・オフ状態とは逆の状態になるよう制御される。即ち、送信時に制御信号がハイレベルになると第2スイッチ回路SW2がオフ状態となり、アンテナ端子ANTと受信端子Rxとを電気的に遮断する。また、受信時に制御信号がローレベルになると第2スイッチ回路SW2がオン状態となり、アンテナ端子ANTと受信端子Rxとが電気的に接続される。
【0034】
このように、制御信号がハイレベルのときは第1スイッチ回路SW1がオン、第2スイッチ回路SW2がオフ状態となり、制御信号がローレベルのときは第1スイッチ回路SW1がオフ、第2スイッチ回路SW2がオン状態となる。
【0035】
このような送受信制御装置において、本発明の特徴的なところは図1に示すようにアンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2において、コンデンサC5と抵抗R1のグランド端子GNDへ接続するための第2ビアホール導体L3−2と第3ビアホール導体L3−3を相互に独立して形成していることである。即ち、コンデンサC5は第2ビアホール導体L3−2によりグランド端子GNDに接続され、抵抗R1は第3ビアホール導体L3−3によりグランド端子GNDに接続されている。ここで、コンデンサC5は積層体の内部に形成され、一対の内部電極層DC1、DC2と該内部電極層間に介在される誘電体層間で容量成分を形成し、前記内部電極層DC1が積層体の内部に埋設された第1ビアホール導体を介してスイッチングダイオードD1に接続され、前記内部電極層DC2が第2ビアホール導体L3−2を介してグランド端子GNDに接続されている。また、コンデンサC5は、図5に示すように求められる容量値により、積層体の積層体の厚み方向に複数個の誘電体層を含んで容量を形成している。さらに、図5に示すように、外乱ノイズによるシールド性を高めるために、グランド端子GNDに接続される第2ビアホール導体L3−2の一部の内部電極層DC2の面積を他の内部電極層DC2の面積よりも大きく形成している。
【0036】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
【0037】
図4には本発明のアンテナ端子ANT−受信端子Rx間の第2スイッチ回路SW2の等価回路図を示す。図4において、スイッチングダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1(実際には積層体表面の導体層DL2のインダクタンス成分も含まれるが計算上は無視している。)を150[Ω]、コンデンサC5を4.7[pF]、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.8[nH]とした場合、DCSの送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション、及び、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーション27.481[dB]、送信損失0.171[dB]となった。また、ビアホール導体の長さを2倍とし(L3−1+L3−2)及ぶL3−3を1.6[nH]とした場合、DCSの送信周波数(1710−1785MHz)に共振周波数をもつためのコンデンサC5の値は3.2[pF]となり、この場合の回路シュミレーション結果はP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーションが27.431[dB]であり、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は0.182[dB]となった。これより、ビアホール導体の長さをそれぞれ2倍(実質的にはL値をそれぞれ2倍)とした場合、アイソレーションが0.05[dB]、送信損失が0.011[dB]低下したことがわかる。
【0038】
また、比較例として従来の送受信制御装置の等価回路を図8、図9に示す。
【0039】
図7において、ダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1を150[Ω]、コンデンサC5を4.7[pF]、L2を0.8[nH]とした場合、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーションは23.104[dB]、送信損失は0.301[dB]だった。
【0040】
また、図7において、ダイオードD1のオン抵抗を1.2[Ω],オン時のインダクタンス値を1.0[nH]とし、また伝送線路SL1の特性インピーダンスを50[Ω]、抵抗R1を150[Ω]、コンデンサC5を3.8[pF]、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.8[nH]、L2−1を0.4[nH]とした場合、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失を回路シュミレーションした結果、アイソレーションは25.202[dB]、送信損失は0.237[dB]だった。
【0041】
ここで図8において、(L3−1+L3−2)およびL3−3を0.4[nH]、L2−1を0.4[nH]とし、また共振周波数がDCS周波数帯にするためコンデンサC5を4.7[pF]にすると、DCS送信周波数(1710−1785MHz)のP1(ANT)からP3(Rx)のアイソレーションは25.365[dB]であり、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は0.229[dB]だった。
【0042】
以上、図7、図8の結果より、従来例においてもビアホール導体L2、L2−1の長さが短いほうがアイソレーション及び送信損失の低下が少ないことがわかる。
【0043】
上述の結果から本発明(図4)と従来例(図8)の比較では、P1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーションは従来例が23.104[dB]であるのに対して本発明では27.431[dB]であり、4.327[dB]の改善がみられている。また、P1(ANT)からP2(Tx)への送信損失は従来例が0.301[dB]であるのに対して本発明は0.182[dB]であり0.119[dB]の改善がみられている。
【0044】
このことは従来例においては送信時において、受信端子への送信信号の漏洩のがありP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Tx)への送信損失の悪化につながっていることを意味している。具体的には本発明(図4)と従来例(図8)の第2スイッチ回路SW2を比較したときに従来例(図8)のコンデンサC5、抵抗R1、コイルL2による並列共振回路の共振抵抗の値よりも本発明(図4)のコンデンサC5、抵抗R1、コイルL3−1、L3−2、L3−3による並列共振回路の共振抵抗の値が小さくなるためである。即ちこのことは本発明(図4)の方が従来例(図8)より並列共振回路のQが大きいことを意味している。
【0045】
参考例として、本発明(図4)の回路において、L3−1、L3−2、L3−3のみ変更し理想状態である(L3−1+L3−2)=L3−3=0[nH](コンデンサC5及び抵抗R1がビアホール導体を介さず直接グランド端子GNDに接続された状態)とした場合は、DCS送信周波数(1710−1785MHz)でのP1(ANT)からP3(Rx)へのアイソレーション及びP1(ANT)からP2(Rx)への送信損失をシュミレーションした結果はアイソレーション28.153[dB]、送信損失0.170[dB]であった。これより理想状態と本発明((L3−1+L3−2)=L3−3=0.8nHの時)を比較すると、本発明はアイソレーションで0.672[dB]、送信損失で0.001[dB]だけ低下している。
【0046】
また、上述の理想状態(L3−1+L3−2)=L3−3=0[nH](コンデンサC5及び抵抗R1がビアホール導体を介さず直接グランド端子GNDに接続された状態)と従来例(図8)とを比較すると、従来例においてはアイソレーションで5.049[dB]、送信損失で0.137[dB]低下している。
【0047】
以上、上述した回路シュミレーションの結果より、本発明(図4)においては、アイソレーション及び送信損失ともに理想状態に近い値であることがわかる。
【0048】
尚、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
【0049】
例えば図6(c)に示すように第1ビアホール導体L3−1の両側に内部電極層DC1を形成してもよい。これにより、さらに容量値の形成範囲を大きくとることがが可能となる。
【0050】
また、上述の実施形態においては、本発明の送受信制御装置をDCS通信方式の通信機器に用いられる回路の一例として説明したが、他の時分割接続の通信方式、例えばGSM(Global System for Mobile Communication)通信方式やPCS(Personal Communication System)通信方式の通信機器に用いられる回路として適用してもよいことは言うまでもない。
【0051】
【発明の効果】
本発明の送受信制御装置によれば、受信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオフとし、アンテナ端子ANTから入力された受信信号は伝送線路SL1を介して受信端子Rxにほとんど損失なく伝送される。
【0052】
また、送信時においては、スイッチングダイオードD1、D2をオンとし、アンテナ端子から受信端子間の送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がショートスタブとして働き、送信信号は受信側に漏れない。
【0053】
ここでスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成しているため、送信周波数において、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とコンデンサC5及び抵抗R1による並列共振回路による共振抵抗(受信端子Rx負荷側の合成インピーダンス(図3のB点))を小さくできる。特に、コンデンサC5、抵抗R1の一端は、従来回路基板上でスイッチングダイオードD1につながる導体層に接続され、他端は内部電極層に接続されたあと共通ビアホール導体L2を経由してグランド端子GNDに落としていたが、本発明では、コンデンサC5、抵抗R1の他端はそれぞれ相互に独立して第2ビアホール導体L3−2、第3ビアホール導体L3−3からグランド端子GNDに接続することにより共振抵抗を効果的にひき下げることができる。
【0054】
そのため、送信信号のλ/4の線路長をもつ伝送線路SL1がいわゆるショートスタブとして機能することにより図3のA点から受信端子Rx側を見たとき高インピーダンスとなり受信端子Rxから切り離された状態になる。
【0055】
これにより送信時における送信信号のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションが極大になる。このため送信時のアンテナ端子ANT−送信端子Tx間の送信損失を小さくすることが可能となる。
【0056】
よって本発明の送受信制御装置は、アンテナ端子ANT−受信端子Rx間に接続される第2スイッチ回路SW2のスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にあるコンデンサC5からグランド端子GNDへの第2ビアホール導体L3−2とスイッチングダイオードD1とグランド端子GND間にある抵抗R1からグランド端子GNDへの第3ビアホール導体L3−3とを相互に独立して形成することによって送信時のアンテナ端子ANTから受信端子Rxへのアイソレーション及び送信端子Txから受信端子Rxへのアイソレーションを大きくでき、かつ送信時のアンテナ端子ANT−送信端子間Txの送信損失を小さくすることができる。
【0057】
また、スイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1と抵抗R1からグランド端子GND間にある第3ビアホール導体L3−3との距離をスイッチングダイオードD1とコンデンサC5間の第1ビアホール導体L3−1とコンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2間の距離より大きくすることで、抵抗R1は積層体表面の導体層DL2の長さを長くすることができ、抵抗R1からグランド端子GND間のインダクタンス成分を大きくとることができるため、スイッチングダイオードD1の高周波信号による誤動作を抑えることができる。
【0058】
更に、コンデンサC5は積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成できるので、容量値の形成範囲を大きくとることができる。
【0059】
また更に、コンデンサC5とグランド端子GND間にある第2ビアホール導体L3−2に接続される内部電極層DC2のうち少なくとも1層を積層体上面の全面積に対し90%以上の面積とすることで、外乱ノイズに対するシールド性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のブロックダイアグラムである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置の等価回路図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る送受信制御装置のアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路の等価回路図である。
【図5】(a)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第2の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図6】(a)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置の上面図、(c)は本発明の第3の実施形態に係る送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図7】(a)は従来の送受信制御装置の上面の部品配置図、(b)は従来の送受信制御装置の上面図、(c)は従来の送受信制御装置のB−B´線断面図である。
【図8】従来の送受信制御装置の等価回路図である。
【図9】従来の送受信制御装置のアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路の変形例の等価回路図である。
【符号の説明】
ANT・・・アンテナ端子
Tx・・・送信端子
Rx・・・受信端子
SW1・・・第1スイッチ回路
SW2・・・第2スイッチ回路
Vc・・・電圧制御端子
GND・・・グランド端子
L3−1・・・第1ビアホール導体
L3−2・・・第2ビアホール導体
L3−3・・・第3ビアホール導体
SL1・・・伝送線路
LPF・・・ローパスフィルタ
C1〜C5・・・コンデンサ
D1、D2・・・スイッチングダイオード
R1・・・抵抗
DC1、DC2・・・内部電極層
DL1、DL2・・・導体層
Claims (4)
- 複数の誘電体層を積層してなる積層体の表面に、アンテナ端子、送信端子、受信端子、電圧制御端子及びグランド端子を設けるとともに、前記積層体の上面及び内部にアンテナ端子−送信端子間に接続される第1スイッチ回路とアンテナ端子−受信端子間に接続される第2スイッチ回路とを設けてなり、前記第1スイッチ回路、第2スイッチ回路のオン・オフを制御し、アンテナ−送信回路間の接続とアンテナ−受信回路間の接続とを切り替えることによって送信信号・受信信号を交互に送受信する送受信制御装置であって、
前記第2スイッチ回路は、前記積層体の内部もしくは表面に設けられ、送信信号の波長の1/4の線路長を有する伝送線路と、前記積層体の表面に搭載されるスイッチングダイオードと、前記スイッチングダイオード及び前記グランド端子間に電気的に接続されるRC並列回路とを含んで構成されており、
前記RC並列回路を構成するコンデンサは、前記積層体の内部に配設された一対の内部電極層と該内部電極層間に介在される誘電体層とで形成されるとともに、前記内部電極層の一方が前記積層体の内部に埋設された第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、また前記内部電極層の他方が前記積層体の内部に埋設された第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続され、
前記RC並列回路を構成する抵抗は、前記積層体の表面に設けられるとともに、その一端側が前記積層体表面の導体層を介して前記スイッチングダイオードに、他端側が前記積層体の内部に埋設された第3ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されていることを特徴とする送受信制御装置。 - 前記第1ビアホール導体と前記第3ビアホール導体との間の距離が、前記第1ビアホール導体と前記第2ビアホール導体との間の距離に比し大となしてあることを特徴とする請求項1に記載の送受信制御装置。
- 前記コンデンサが前記積層体の厚み方向に連続する複数個の誘電体層を含んで形成されているとともに、該各誘電体層の厚み方向の両側に前記一対の内部電極層が配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送受信制御装置。
- 前記一対の内部電極層は、その一方が第1ビアホール導体を介して前記スイッチングダイオードに、他方が第2ビアホール導体を介して前記グランド端子に電気的に接続されており、かつ他方の内部電極層のうち少なくとも1層が、前記積層体上面の全面積に対し90%以上の面積でもって誘電体層間に介在されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の送受信制御装置。
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JP2003074248A JP2004282623A (ja) | 2003-03-18 | 2003-03-18 | 送受信制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101877599A (zh) * | 2009-04-30 | 2010-11-03 | 株式会社村田制作所 | 高频组合元器件 |
-
2003
- 2003-03-18 JP JP2003074248A patent/JP2004282623A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN101877599A (zh) * | 2009-04-30 | 2010-11-03 | 株式会社村田制作所 | 高频组合元器件 |
JP2010263311A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Murata Mfg Co Ltd | 高周波複合部品 |
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