JP2004282420A - 地上波ディジタル放送用受信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電力演算器5による演算によって求められた、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値は、ゲインコントロール回路6に入力される。ゲインコントロール回路6は、電力演算器5によって算出された周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1よりも大きい場合は1.0未満のゲインを、小さい場合は1.0よりも大きいゲインを、等しい場合はゲイン1.0を、各OFDMシンボル期間ごとに、フーリエ変換部4から入力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)に乗算する。これにより、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1に近付くようにゲイン補正された、データI1,Q1が得られる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ARIB STD B−31の“地上波ディジタルテレビジョン放送の伝送方式”で示されているディジタル放送(以下「地上波ディジタル放送」と称する)用の受信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の地上波ディジタル放送用受信機は、チューナーから出力された受信信号をA/D変換部で標本化及び量子化して時間ドメインデータを生成し、各種の処理を行った後、フーリエ変換部によって、時間ドメインデータを周波数ドメインデータに変換する。周波数ドメインデータは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)伝送方式における副搬送波ごとの成分を表し、データ再生部が、周波数ドメインデータに基づいて、各副搬送波の変調方式に応じた復調を行うことによって、送信データが再生される(例として、テレビジョン学会技術報告、vol.20、no.53、pp61−66、OCT.1996に紹介されている、木村他“OFDM復調における周波数同期の検討”参照)。
【0003】
また、従来の地上波ディジタル放送用受信機は、時間ドメインデータに基づいて算出した電力値を利用して、チューナーのオートゲインコントロール(AGC)を行う。AGCによって、チューナーから出力される受信信号の平均電力が一定になるように制御される(例えば、下記の特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−218341号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の地上波ディジタル放送用受信機では、受信側が固定しており遅延波がない直接波を受信している場合や、受信側が固定しており遅延波があるマルチパス環境下では、AGCのフィードバックループによって、受信信号の平均電力が一定に制御された最適な状態で復調動作を行うことが可能となる。
【0006】
しかしながら、受信側及び送信側の一方又は双方が移動している時など、時間的に高速に変動する遅延波が受信される環境下(以下「レイリーフェージング」と称する)では、変動する受信信号の変化に対して、AGCのフィードバックループの応答が追いつけない。そのために、受信信号の平均電力を一定に制御することができず、復調動作が最適な状態で行えないという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するために成されたものであり、レイリーフェージング環境下においても最適な状態での復調動作が可能な地上波ディジタル放送用受信機を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、地上波ディジタル放送用受信機は、時間ドメインデータをフーリエ変換することにより周波数ドメインデータを生成するフーリエ変換部と、所定数のシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値の演算を行う演算部と、演算部による演算の結果に基づいて、シンボル期間ごとに周波数ドメインデータのゲインコントロールを行うゲインコントロール部とを備える。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機は、チューナー1の出力に接続されたA/Dコンバータ2と、A/Dコンバータ2の出力に接続された時間ドメインデータ処理部3と、時間ドメインデータ処理部3の出力に接続されたフーリエ変換部4と、フーリエ変換部4の出力に接続された周波数ドメインデータ処理部8とを備えている。周波数ドメインデータ処理部8は、フーリエ変換部4の出力に接続された電力演算器5と、フーリエ変換部4及び電力演算器5の各出力に接続されたゲインコントロール回路6と、ゲインコントロール回路6の出力に接続されたデータ再生部7とを備えている。
【0010】
以下、本実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機の動作について説明する。チューナー1から出力された受信信号は、A/Dコンバータ2によって標本化及び量子化された後、時間ドメインデータ処理部3に入力される。時間ドメインデータ処理部3は、時間ドメインデータI(t),Q(t)を生成して出力する。ここで、「t」は時間を意味する。時間ドメインデータ処理部3は、時間ドメインデータI(t),Q(t)の電力値を算出して、AGC信号としてチューナー1にフィードバック入力する。これにより、チューナー1から出力される受信信号は、平均電力が一定になるようにオートゲインコントロールされる。
【0011】
地上波ディジタル放送はOFDM伝送方式であるため、時間ドメインデータに対してフーリエ変換を行うことで、周波数ドメインデータ(「副搬送波」「有効キャリア」と同義)を得る。具体的に、時間ドメインデータ処理部3から出力された時間ドメインデータI(t),Q(t)はフーリエ変換部4に入力され、フーリエ変換部4は、時間ドメインデータI(t),Q(t)をフーリエ変換することにより、周波数ドメインデータI(f),Q(f)を生成して出力する。ここで、「f」は周波数を意味する。
【0012】
図2〜4は、OFDMシンボル期間と、周波数ドメインデータの電力値との関係をそれぞれ示す図である。受信側が固定しており遅延波がない直接波を受信している場合には、フーリエ変換部4から出力される周波数ドメインデータI(f),Q(f)の電力値は、図2に示すような一定した電力値(平均電力値P1)となる。また、受信側が固定しており遅延波があるマルチパス環境下で受信した場合には、図3に示すように、各周波数ドメインデータ単位で見ると平均電力値P1に対して増減があるものの、チューナー1のAGCによって、OFDMシンボル期間TS1〜TS4単位で見ると平均電力値P1と等しくなっている。
【0013】
図1に示した周波数ドメインデータ処理部8は、周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1である場合に、最も正しく復調動作を行うように設定されている。そのため、フーリエ変換部4から出力される周波数ドメインデータI(f),Q(f)の各電力値が平均電力値P1を保つように、制御する必要がある。
【0014】
しかしながら、受信側及び送信側の一方又は双方が移動している場合など、上記したレイリーフェージング環境下では、図4に示すように、OFDMシンボル期間TS1〜TS4単位で見ても、周波数ドメインデータの電力値Ps1〜Ps4が平均電力値P1に対して増減を持つようになってしまう。これは、チューナー1へのフィードバックループが高速に変動する遅延波の影響に追いつけないために発生するものであり、その結果、周波数ドメインデータ処理部8の復調動作に悪影響を及ぼし、誤った復調動作を行う原因になっている。
【0015】
チューナー1へのフィードバックループの応答を速くすると、外乱に対する過度の応答や発振の問題という別の要因が発生する可能性がある。そのため、本実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機では、フィードバックループの応答は従来のまま変更せずに、以下に述べる制御を行う。
【0016】
図1を参照して、フーリエ変換部4から出力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)は、電力演算器5及びゲインコントロール回路6に入力される。電力演算器5は、各周波数ドメインデータI(f),Q(f)に関してI(f)×I(f)+Q(f)×Q(f)なる演算を行い、その演算結果をOFDMシンボル期間単位で積算して、その積算値を、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの個数で除算することにより、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値(平均値)を算出する。電力演算器5による演算によって求められた、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値は、ゲインコントロール回路6に入力される。
【0017】
図5は、ゲインコントロール回路6のゲイン特性を示す図である。横軸は、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値であり、縦軸は、ゲインコントロール回路6のゲインである。ゲインコントロール回路6は、図5に示したゲイン特性に従い、電力演算器5によって算出された周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1よりも大きい場合は1.0未満のゲイン(マイナスゲイン)を、小さい場合は1.0よりも大きいゲイン(プラスゲイン)を、等しい場合はゲイン1.0を、各OFDMシンボル期間ごとに、フーリエ変換部4から入力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)に乗算する。これにより、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1に近付くようにゲイン補正された、データI1,Q1が得られる。なお、平均電力値P1は、製造段階において、直接波しかない状態(AWGN)で受信しているときの電力値を算出して、予め装置に設定されている。
【0018】
ゲインコントロール回路6から出力されたデータI1,Q1は、データ再生部7に入力され、データ再生部7は、復調(再生)データIs,Qsを生成して出力する。
【0019】
このように本実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、電力演算器5は、周波数ドメインデータI(f),Q(f)を用いて、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出する。そして、ゲインコントロール回路6は、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1に近付くように、各OFDMシンボル期間ごとに周波数ドメインデータI(f),Q(f)のゲインコントロールを行う。これにより、少ないハードウェア追加で、移動受信等に起因するレイリーフェージングの悪影響(即ち電力値の増減)を補正することができる。その結果、周波数ドメインデータ処理部8は、レイリーフェージング環境下においても最適な状態で復調動作を行うことが可能となり、誤った復調動作が行われることを回避できる。
【0020】
実施の形態2.
地上波ディジタル放送の伝送路は、地形等の周辺環境によって変化し、また何らかの外乱によっても変化すると予想される。従って、一般の環境下では、たとえ受信側及び送信側の双方が固定されている場合であっても、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値は、ある微小範囲内で変化し続けていると考えられる。上記実施の形態1では、図5に示したようにゲイン特性が単純な一直線状であるため、このような微小範囲内での変化によっても、ゲインコントロール回路6によって周波数ドメインデータI(f),Q(f)のゲインコントロールが行われることになる。即ち、受信側及び送信側の双方が固定されている場合であっても、移動受信と判断されてゲインコントロールが行われることになる。本実施の形態2では、これを回避し得る地上波ディジタル放送用受信機について説明する。
【0021】
図6は、本発明の実施の形態2に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。上記実施の形態1を基礎として、電力演算器5とゲインコントロール回路6との間に、不感帯判別回路10が追加されている。
【0022】
以下、本実施の形態2に係る地上波ディジタル放送用受信機の動作について説明する。上記実施の形態1と同様に、フーリエ変換部4から出力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)は電力演算器5に入力され、電力演算器5は、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出する。
【0023】
電力演算器5による演算によって求められた、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値は、不感帯判別回路10に入力される。不感帯判別回路10は、電力演算器5から入力された各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が、予め設定された不感帯に属するか否かを判別する。例えば平均電力値P1±1の範囲が不感帯として設定されており、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値がこの範囲に属している場合には、その電力値を平均電力値P1に補正して、ゲインコントロール回路6に入力する。一方、電力演算器5から入力された各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が不感帯に属していない場合には、その電力値をそのままゲインコントロール回路6に入力する。
【0024】
図7は、ゲインコントロール回路6のゲイン特性を示す図である。不感帯判別回路10による上記の処理の結果、ゲインコントロール回路6のゲイン特性は、不感帯に対応する範囲内では全てゲインが1.0となっている。
【0025】
このように本実施の形態2に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、不感帯判別回路10は、電力演算器5による演算によって求められた、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が、予め設定された不感帯に属するか否かを判別する。そして、不感帯判別回路10による判別の結果、その電力値が不感帯に属する場合、ゲインコントロール回路6はゲインコントロールを行わない(即ちゲインを1.0とする)。従って、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が、周辺環境や外乱によって微妙に変化している場合に、ゲインコントロール回路6によってゲインコントロールが行われることを回避できる。即ち、受信側及び送信側の双方が固定されている場合に、移動受信と判断されてゲインコントロールが行われることを回避でき、安定した復調動作を実現できる。
【0026】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。上記実施の形態1を基礎として、電力演算器5とゲインコントロール回路6との間に、ROM15が追加されている。
【0027】
上記実施の形態1では、ゲインコントロール回路6は、図5に示した一直線状のゲイン特性に従って、周波数ドメインデータI(f),Q(f)のゲインコントロールを行っていた。ROM15には、このゲイン特性を所望に変化させるための変換テーブルが記憶されている。ゲインコントロール回路6は、ROM15内に記憶されている変換テーブルに従って、ゲイン特性を変化させる。
【0028】
図9は、変換テーブルを用いて変換された後の、ゲインコントロール回路6のゲイン特性を示す図である。周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1よりも極端に小さいデータは、チューナー1からの受信信号そのものがレイリーフェージングの悪影響を受けた、信頼性の低いデータであると考えられる。このようなデータは、ゲインコントロール回路6によってプラスゲインコントロールする必要性に乏しいため、電力値Pa以下の領域ではプラスゲインを一定値としている。また、周波数ドメインデータの電力値が平均電力値P1よりも極端に大きいデータは、データの信頼性が高いため、後段が使用する有効データに対してオーバーフローさせない程度にマイナスゲインコントロールすれば足りる。よって、電力値Pb以上の領域ではマイナスゲインを一定値としている。このように、プラスマイナスのゲインを一定値に制限することにより、ゲインコントロール回路6内でゲインを乗算するためのハードウェア構成を小さくできるという効果が得られる。
【0029】
さらに、上記実施の形態2と同様の考えに基づき、平均電力値P1の近傍の領域では、微小範囲内での変化に応じたゲインコントロールを回避すべく、ゲインを1.0としている。図8に示したゲインコントロール回路6は、図9に示した非線形のゲイン特性に従って、OFDMシンボル期間ごとに周波数ドメインデータI(f),Q(f)のゲインコントロールを行う。
【0030】
なお、高速移動受信時の変換テーブルや低速移動受信時の変換テーブル等、複数種類の変換テーブルをROM15に記憶しておき、使用状況に応じて、複数の変換テーブルの中から適切な変換テーブルを選択し、その選択された変換テーブルによってゲイン特性を変換する構成としても良い。これにより、多様な移動受信に対応することが可能となる。
【0031】
また、以上の説明では、上記実施の形態1を基礎として本実施の形態3に係る発明について述べたが、本実施の形態3に係る発明は、上記実施の形態2にも適用することができる。
【0032】
このように本実施の形態3に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、コントロール回路6のゲイン特性を、ROM15内に記憶されている変換テーブルによって、所望の特性に変換することができる。そのため、多様な移動方法が想定される移動受信において、それぞれの移動方法に応じた最適なゲイン特性を実現でき、周波数ドメインデータI(f),Q(f)のゲインコントロールを適切に行うことが可能となる。
【0033】
実施の形態4.
地上波ディジタル放送では、地上波ディジタル放送の規格に応じて、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数が異なる。例えば、地上波ディジタル放送の規格にあるモードやセグメント受信方式(1セグメント受信、13セグメント受信)に応じて、周波数ドメインデータの数が異なる。本実施の形態4では、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数が異なっても、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を適切に算出し得る地上波ディジタル放送用受信機について説明する。
【0034】
図10は、本発明の実施の形態4に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。上記実施の形態3を基礎として、電力演算器5の代わりに電力演算器20が設けられている。電力演算器20には、モードを示す信号S1と、セグメント受信方式を示す信号S2とが入力される。なお、モードやセグメント数を示す情報は、送信側から送られてくるデータの中に、TMCCデータとして挿入されている。
【0035】
図11は、規格に応じて一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数を示す図である。一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数は、例えば、モード1で1セグメント受信の場合は96個、モード3で13セグメント受信の場合は4992個であり、規格によってかなりの差があることが分かる。
【0036】
各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を正確に求めるためには、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる全ての周波数ドメインデータに関して、それぞれ電力値の演算を実行する必要がある。
【0037】
図10に示した電力演算器20は、電力演算器5と同様に、各周波数ドメインデータI(f),Q(f)に関してI(f)×I(f)+Q(f)×Q(f)なる演算を行い、その演算結果をOFDMシンボル期間単位で積算して、その積算値を、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの個数で除算することにより、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出する。このとき、電力演算器20は、信号S1,S2に基づいて、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数を割り出し、その割り出された数と同じ回数だけ、I(f)×I(f)+Q(f)×Q(f)なる演算を、各OFDMシンボル期間ごとに実行する。一つのOFDMシンボル期間に関して電力演算器20で行われる上記演算の回数は、信号S1,S2に応じて可変となる。
【0038】
なお、以上の説明では、上記実施の形態3を基礎として本実施の形態4に係る発明について述べたが、本実施の形態4に係る発明は、上記実施の形態1,2にも適用することができる。
【0039】
このように本実施の形態4に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、地上波ディジタル放送の規格にあるモードやセグメント受信方式に応じて、一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数が変化した場合であっても、電力演算器20は、各OFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を正確に算出することができる。その結果、移動受信による電力値の変化を正しく反映でき、後段の復調動作に対して適切なゲインコントロールができるため、より正確な復調動作を実行することが可能となる。
【0040】
実施の形態5.
一概に移動受信といっても、移動速度は様々であり、また、通常の環境下では伝送路も様々な場合が想定され、多様な受信状態が発生することが十分に考えられる。上記実施の形態1〜4では、一つのOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出していたが、移動の方法によっては、一つのOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が、フェージングの影響を正しく反映していない可能性がある。本実施の形態5では、複数のOFDMシンボル期間を一単位として、複数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出し得る地上波ディジタル放送用受信機について説明する。
【0041】
図12は、本発明の実施の形態5に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。上記実施の形態4を基礎として、電力演算器20の代わりに電力演算器21が設けられている。電力演算器21には、上記実施の形態4で説明した信号S1,S2と、OFDMシンボル期間の数を示す信号S3とが入力される。
【0042】
電力演算器21は、各周波数ドメインデータI(f),Q(f)に関してI(f)×I(f)+Q(f)×Q(f)なる演算を行い、その演算結果を、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間単位で積算する。そして、その積算値を、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの個数で除算することにより、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出する。積算の一単位となるOFDMシンボル期間の数は、信号S3に応じて可変となる。
【0043】
ゲインコントロール回路6は、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値と、平均電力値P1との比較において、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間ごとにゲイン補正を行う。
【0044】
なお、以上の説明では、上記実施の形態4を基礎として本実施の形態5に係る発明について述べたが、本実施の形態5に係る発明は、上記実施の形態1〜3にも適用することができる。
【0045】
このように本実施の形態5に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、信号S3によって設定された任意の数のOFDMシンボル期間を一単位として、その数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値が算出される。従って、移動方法等に応じて最適な積算期間を設定でき、フェージングの影響を積算電力値に正しく反映させることができる。その結果、様々な条件下での移動受信時のゲインコントロールを適切に行え、より正確な復調動作を実行することが可能となる。
【0046】
実施の形態6.
図13は、本発明の実施の形態6に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。上記実施の形態5を基礎として、フーリエ変換部4とゲインコントロール回路6との間に、OFDMシンボル期間単位で周波数ドメインデータを遅延させるための遅延用メモリ30が追加されている。遅延用メモリ30には、上記実施の形態5で説明した信号S3が入力される。遅延用メモリ30は、フーリエ変換部4から出力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)を、信号S3で設定された数のOFDMシンボル期間だけ遅延して、ゲインコントロール回路6に入力する。
【0047】
なお、以上の説明では、上記実施の形態5を基礎として本実施の形態6に係る発明について述べたが、本実施の形態6に係る発明は、上記実施の形態1〜4にも適用することができる。
【0048】
本実施の形態6に係る地上波ディジタル放送用受信機によれば、以下の効果を得ることができる。電力演算器21は、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値を算出するが、この電力値の算出のためには、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間の経過を要する。その一方で、フーリエ変換部4から出力された周波数ドメインデータI(f),Q(f)は、信号S3で設定された数のOFDMシンボル期間だけ遅延用メモリ30によって遅延されて、ゲインコントロール回路6に入力される。よって、信号S3で設定されている数のOFDMシンボル期間ごとの周波数ドメインデータの電力値に基づいて、そのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータI(f),Q(f)に関するゲインコントロールを行うことができる。即ち、積算電力値を算出するための所要時間と同じ時間だけ周波数ドメインデータを遅延させることにより、補正するゲインと周波数ドメインデータとの時間的なずれをなくすことができる。その結果、ゲインコントロールが正確に行われることで、さらに正確な復調動作を実行することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
この発明のよれば、レイリーフェージング環境下においても最適な状態で復調動作を行うことが可能となり、誤った復調動作が行われることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【図2】OFDMシンボル期間と、周波数ドメインデータの電力値との関係を示す図である。
【図3】OFDMシンボル期間と、周波数ドメインデータの電力値との関係を示す図である。
【図4】OFDMシンボル期間と、周波数ドメインデータの電力値との関係を示す図である。
【図5】ゲインコントロール回路のゲイン特性を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【図7】ゲインコントロール回路のゲイン特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【図9】変換テーブルを用いて変換された後の、ゲインコントロール回路のゲイン特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【図11】規格に応じて一つのOFDMシンボル期間内に含まれる周波数ドメインデータの数を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態6に係る地上波ディジタル放送用受信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
4 フーリエ変換部、5,20,21 電力演算器、6 ゲインコントロール回路、10 不感帯判別回路、15 ROM、30 遅延用メモリ。
Claims (6)
- 時間ドメインデータをフーリエ変換することにより周波数ドメインデータを生成するフーリエ変換部と、
所定数のシンボル期間ごとの前記周波数ドメインデータの電力値の演算を行う演算部と、
前記演算部による前記演算の結果に基づいて、前記シンボル期間ごとに前記周波数ドメインデータのゲインコントロールを行うゲインコントロール部と
を備える、地上波ディジタル放送用受信機。 - 前記演算部による前記演算によって求められた前記電力値が、予め設定された不感帯に属するか否かを判別する判別部をさらに備え、
前記判別部による判別の結果、前記電力値が前記不感帯に属する場合、前記ゲインコントロール部は前記ゲインコントロールを行わない、請求項1に記載の地上波ディジタル放送用受信機。 - 前記ゲインコントロール部は、前記電力値と前記ゲインコントロール部のゲインとの関係が記述されたゲイン特性に従って、前記ゲインコントロールを行い、
前記ゲイン特性を所望に変化させるための変換テーブルが記憶された記憶部をさらに備える、請求項1又は2に記載の地上波ディジタル放送用受信機。 - 一つの前記シンボル期間内には、規格に応じて数が異なる、複数の前記周波数ドメインデータが含まれており、
前記演算部は、複数の前記周波数ドメインデータの各々について前記周波数ドメインデータの前記電力値の前記演算を行い、
一つの前記シンボル期間に関して前記演算部で行われる前記演算の回数は、前記規格に対応して可変である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の地上波ディジタル放送用受信機。 - 前記シンボル期間の前記所定数は可変である、請求項1〜4のいずれか一つに記載の地上波ディジタル放送用受信機。
- 前記フーリエ変換部から出力された前記周波数ドメインデータを遅延させて前記ゲインコントロール部に入力する遅延部をさらに備え、
前記演算が行われた前記シンボル期間と、その結果に基づいて前記ゲインコントロールが行われる前記シンボル期間とは同一である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の地上波ディジタル放送用受信機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003071310A JP2004282420A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 地上波ディジタル放送用受信機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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2003
- 2003-03-17 JP JP2003071310A patent/JP2004282420A/ja active Pending
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