JP2004282400A - 探索位置確認システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信費の安い探索システムを構築する。
【解決手段】携帯電話サービス網と地上波デジタル放送とを利用した探索位置確認システムである。地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部を対象物に取り付ける。地上基地局のサービスエリア内で個別識別情報を捕捉する。この情報を携帯電話サービス網を介して放送局に送り、地上波デジタル放送信号の一部であるデータ信号に重畳して送信する。テレビ受像機ではデータ信号を分離した位置情報をテレビ画面に表示する。個別識別情報を捕捉した地上基地局の位置情報によって送信部の位置を特定できる。対象物を探索するときは携帯電話を使用してサービス網のサービスセンタをコールするだけで自動的に探索が開始され、結果が画面に表示される。通信費はセンタをコールするだけの短い時間だけであるので安く、送信部をICタグで構成すると、送信部のコストが低廉となる。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯電話サービス網と地上波デジタル放送とを利用した探索位置確認システムである。地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部を対象物に取り付ける。地上基地局のサービスエリア内で個別識別情報を捕捉する。この情報を携帯電話サービス網を介して放送局に送り、地上波デジタル放送信号の一部であるデータ信号に重畳して送信する。テレビ受像機ではデータ信号を分離した位置情報をテレビ画面に表示する。個別識別情報を捕捉した地上基地局の位置情報によって送信部の位置を特定できる。対象物を探索するときは携帯電話を使用してサービス網のサービスセンタをコールするだけで自動的に探索が開始され、結果が画面に表示される。通信費はセンタをコールするだけの短い時間だけであるので安く、送信部をICタグで構成すると、送信部のコストが低廉となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やPHS電話などの携帯電話サービス網と、地上波デジタル放送やデータ放送などのテレビジョン帯域信号を利用した探索位置確認システムに関する。詳しくは、地上基地局と交信できる送信部に個別識別情報を割り振り、地上基地局で把握(捕捉)しているこの個別識別情報をテレビジョン帯域信号を用いて送信し、テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置でこの個別識別情報を分離し、解析することで、送信部が取り付けられた探索対象物の位置を端末装置側で確認できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば老人が徘徊すると、老人の居場所を探すのが大変である。また、広い駐車場に車を駐車させたとき、その車を探すのに一苦労したりすることがしばしば生ずる。
【0003】
このような場合、人や車、さらには多種多様な物(個人の所有物や商品や製品の類)のうち、特に人や車を比較的簡単に探索できるシステムとして、PHS(Personal Handy Phone system)電話などを使用した探索システムが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この探索システムは探索すべき対象物(相手方)に後述するGPS(Global Positioning System)機能や無線電話機能の付いた送信部(端末装置)を所有させ、一対一の通信を行うことによって、対象物の位置情報を探索して確認しようとするものである。
【0005】
この場合に問題となるのは、通信費や端末費(送信部のコスト)である。対象物を安価な手段で確認できないときには通信費も高額となる。また対象物に付けられる送信部が高価であったり、重量が重かったりする問題もある。
【0006】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、伝送媒体として比較的安価に利用できるテレビジョン帯域信号を利用して探索対象物の位置情報を取得するようにした探索位置確認システムを提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る探索位置確認システムでは、地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部が取り付けられた対象物を探索する探索位置確認システムであって、
無線電話サービス網のサービスエリア内に存在する上記対象物の位置情報をテレビジョン帯域信号の一部として送信することにより、
上記テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置で、上記対象物の位置情報を確認できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
この発明では、無線電話サービス網(例えばPHS電話サービス網)と、テレビジョン帯域信号(例えば地上波デジタル放送用テレビジョン信号)とを利用して探索位置確認システムを構築する。地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部を対象物に取り付けておく。送信部は電源が入っていれば常に地上基地局と交信状態にあり、その地上基地局のサービスエリア内に送信部が位置しているときには、その特定の地上基地局が個別識別情報を捕捉することで、送信部は待ち受け状態(通信可能状態)となっている。したがってこの待ち受け状態にあるときは、特定の地上基地局では送信部の個別識別情報を把握している。
【0009】
そこで、探索依頼者は無線電話機(例えばPHS電話機)を用いてサービスセンタ(無線電話サービス網であるPHS電話サービス網内に設置されたサービスセンタ)をコールして、特定の対象物に対する探索の指示を行う。このとき、探索すべき個別識別情報を同時に送信する。サービスセンタではこの個別識別情報を付加した探索照会情報を各地上基地局に送る。地上基地局では上述した照合処理が行われ、同一の個別識別情報が捕捉され、既に登録されているときには、その地上基地局を識別するための情報あるいはその地上基地局そのものの位置を位置情報として地上基地局のサービスセンタに送る(探索応答信号の送出)。
【0010】
サービスセンタでは、個別識別情報と地上基地局の位置情報を含めた探索情報挿入信号を放送局に送信する。放送局では、対象物の位置情報を個別識別情報と共に、このテレビジョン帯域信号の一部(例えば地上波デジタル放送用テレビジョン信号に含まれるデータ信号)に重畳して送信する。
【0011】
テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置では、個別識別情報との照合処理を行い、一致したときは受信した位置情報を画面などに表示する。このとき地図データバンクなどを利用して地図情報に重畳して探索位置情報を表示したり、文字で探索位置情報を表示したり、これらに音声を加えた探索位置情報を流したりすることによって、探索対象物の探索位置情報を確認できる。
【0012】
探索依頼者が使用した無線電話機は、サービスセンタと通信が確立した後であれば、それで通信を切断しても差し支えないので、無線通信コストが高い現状では探索依頼者側が負担する通信費は格安となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る探索位置確認システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
この発明では無線電話サービス網(携帯電話サービス網やPHS電話サービス網など)内に設置された地上基地局と交信できる送信部を、探索すべき対象物に取り付けておく。探索すべき対象物は人であったり、特定の所有物であったりする。人とは主として家族である。特に老人や子供が対象となる。所有物とは、個人の所有物が主であり、個人所有の車を始めとして、家族が共有している自転車、旅行用のバックなどであり、例えば女性のハンドバックなどが考えられる。時として鍵が対象物となることも考えられる。
【0014】
送信部は地上基地局と交信する必要があるので、通常は無線電話機(携帯電話機やPHS電話機など)と同様な機能を持っている。そのため、無線電話サービス網のサービスセンタに登録された個別の電話番号、若しくはこれに類似する送受信番号を保有する。
【0015】
以下この番号を個別識別情報(IDx)と呼称すれば、この個別識別情報IDxは図2のように構成することができる。この例では、個人の無線電話番号にn桁の数字で構成される。n桁の数字は検索対象となる個別付与番号であって、この検索対象と個別識別情報IDxとの関係を図3に示す。図3の例では、家族の所有物に対し2桁(n=2)の個別付与番号を付けたもので、「私のおじいちゃん」は「03」、「私の車」は「01」という2桁の個別付与番号が付されている。
【0016】
携帯電話番号などの無線電話番号はその家族を代表する共通の個別識別番号といえるもので、例えば父や息子あるいは娘が所有する無線電話機の無線電話番号が、その家庭の代表番号として用いられる。
【0017】
個別識別情報IDxは送信部内に保存され、電源が入っている間は常にこの個別識別情報IDxを用いて地上基地局との間で交信が行われ、ある地上基地局との間で交信ができるサービスエリアに送信部が入ったときには、その地上基地局にその送信部が捕捉され、認知されていることになるから、その送信部は待ち受け状態となって交信待機状態となる。送信部の登録情報としては無線電話番号に個別付与番号加えられたものが使用される。したがって、この例では個別識別情報IDxが地上基地局に登録される。別のサービスエリアに移れば、そのサービスエリアの地上基地局に認知される、いわゆるローミング機能によって、通信が継続することになる。
【0018】
このことから、送信部が通信可能な状態にあるときは、地上基地局ではその送信部の個別識別情報IDxを保有することになるから、送信部を呼び出さなくても地上基地局への照会処理だけでその送信部の存在を把握できる。この発明はこのことを利用して探索システムを構築したものである。
【0019】
図1はこの発明に係る探索位置確認システム10の実施の形態を示す。この探索位置確認システム10は通信機能を有し、それ自体個別識別情報IDxをもつ送信部20と、この送信部20との電話サービスを提供する無線電話サービス網(この例では携帯電話サービス網)30と、この無線電話サービス網30で受信した個別識別情報IDxを含む送信信号をテレビジョン帯域信号の一部に重畳して伝送する放送局40と、放送局からのテレビジョン帯域信号を受信して、受信した個別識別情報IDxを確認する端末装置50とで構成される。
【0020】
送信部20は、上述したように無線電話サービス網30と通信できるそれ自体個別識別情報IDxを有するもので、携帯電話機やPHS電話機と同様な通信機能を持っている。したがって、機能的にはこの送信部20は図4に示すように格納メモリ(RAM等)201と、送受信部202と、電源部203と、さらに送受信部202に接続された内蔵の送受信アンテナ204とで構成される。
【0021】
格納メモリ201には、上述した個別識別情報IDxがストアされている。例えば図2のように無線電話番号(図では携帯電話番号)に個別付与番号「03」が付加された個別識別情報IDxがストアされている。
【0022】
この個別識別情報IDxは事前に書き込まれたものでもよければ、送受信機能を利用してこの格納メモリ201に書き込まれたものでもよい。送信部20個有の情報として事前に書き込まれている場合には、送受信部202は送信機能のみでよいが、実際にはユーザ側で個別識別情報IDxを自由に設定する使用例が多いと考えられるので、送受信機能を備えたものの方が好ましい。
【0023】
この送信部20は内蔵された電源部203から送受信部202に電源が供給されると、直ちに直近の地上基地局と交信が行われ、交信できる地上基地局が存在するときには、その地上基地局に送信部20を識別する情報、例えばその無線電話番号が捕捉されて、これが認知される。この例では個別識別情報IDxそのものが認知されて登録される。この登録によって送信部20は地上基地局を介して無線電話サービス網30と接続される。送信部20が無線電話機であるときはこの状態が持ち受け状態となり、何時でも通信できる状態となっている。
【0024】
このような送信部20として好適な例は、いわゆるICタグである。このICタグは数mm角以下のICチップ内に図4のような機能を内蔵したものであり、電源部203を追加することによって自ら、自身の個別識別情報IDxを送信することができる。ICタグは探索対象となる例えばおじいちゃんの下着などに貼着されることで探索すべき対象者と一体化される。送信部20としてこのようなICタグを利用すると、送信部20の大量生産によるコストの削減と、小型軽量化を図れる。
【0025】
無線電話サービス網30は現存する無線電話サービス網が利用され、一部この発明に関する機能が付与される。この無線電話サービス網30としては、携帯電話サービス網やPHS電話サービス網などが考えられ、したがってこの無線電話サービス網は、その中核をなすサービスセンタ34と、このサービスセンタ34に接続された複数の地上基地局32,36とで構成される。サービスセンタ34とこれら地上基地局32,36とは専用回線で直接又は中継基地局などを介して接続されるか、同様に電波などの伝送路によって結ばれている。
【0026】
地上基地局としてこの例では、送信部20に近接した地域に設置された複数の地上基地局32と、探索しようとする者の無線電話機(図では携帯電話機)38に近接した地域に設置されている複数の地上基地局36のみを便宜的に図示してある。
【0027】
図5は地上基地局32の構成例を示す。地上基地局32(32A)は送受信部321と必要に応じて設けられた送受信アンテナ322と、受信した個別識別情報IDxの照会部324及びサービスセンタ34に対する送信信号(探索照会信号)の生成部325とで構成される。
【0028】
送受信部321は地上基地局32(例えば32A)全体の制御を司るCPUなどからなる制御部が内蔵されており、サービスエリア内の無線電話機(図示せず)や送信部20との交信を行う。無線電話機や送信部20からの電波を受信すると、その電波を発信した無線電話機や送信部20の電話番号等を捕捉して照会部324内のメモリ(図示はしない)に登録し、待ち受け状態とする。無線電話機であればこれで通信が可能になる。このときの地上基地局32は、通常最も送信部20に近接した地上基地局である。
【0029】
送信部20との通信が確立したときには図2に示すような個別識別情報IDxが登録されることになる。サービスセンタ34からは通常の電話サービスの他に探索照会信号が送信される。探索照会信号は図6に示すように、探索用ヘッダに探索照会番号である個別識別情報IDxが付加されたものであって、この探索照会信号を送受信部321が受信すると、照会部324に登録されている個別識別情報IDxとの照会処理が行われる。
【0030】
照会の結果、同じ個別識別情報IDxが登録されていないときにはそのまま何の処理もなされない。同一の個別識別情報IDxが登録されているときには探索応答信号生成部325での処理が行われる。探索応答信号生成部325では図7に示すような構造をなす送信信号(探索応答信号)が生成される。
【0031】
図7に示すように、この探索応答信号は探索用ヘッダに対し、地上基地局32Aに付与された地上基地局個有の識別情報(ID)と、照会の対象となった個別識別情報IDxが付加されたものである。地上基地局個有の識別情報は、その地上基地局32Aが設置された位置を示す情報として利用できるので、図7の構成とすることによって、探索しようとしている個別識別情報IDxがどの地上基地局32Aで捕捉されたかが判る。つまり、この地上基地局32A個有の識別情報によって送信部20の位置をほぼ特定できる。
【0032】
図7に示す地上基地局個有の識別情報に代えて、この地上基地局32Aの設置場所を示す位置情報(緯度及び経度又は住所など)を利用することもできる。生成された探索応答信号は送受信部321及び必要に応じて送受信アンテナ322を介してサービスセンタ34側に送信される。
【0033】
ここで、地上基地局の構成は、送信部20側のサービスも行う地上基地局32でも、この例のように無線電話機38自体のサービスを行っている地上基地局36でもその構成は全く同じである。何れの地上基地局32,36でも同じサービスを享受できるからである。
【0034】
次に、この発明で使用される無線電話機38の機能を説明する。この無線電話機38は、無線電話機が有する本来の機能(相手機との通信機能、電話帳機能など)の他に、特定の対象物を探索する探索機能が付加されている。
【0035】
探索機能は送信部20が取り付けられた対象物を探索するときに使用する機能であって、その探索番号としてその送信部20に割り振られた特定の番号(個別付与番号)が使用される。上述したようにこの個別識別情報IDxとしては、図2あるいは図3に示すようにその無線電話機の電話番号(例えば11桁の番号)が使用されると共に、これにn桁、以下の例では2桁の個別付与番号が付加されたものである。無線電話機38には図3のような個別識別情報IDxをその電子電話帳にメモリしておけば、探索時のキー操作が簡略化される。
【0036】
特定の対象物を探索するときは、通常の通話とは若干異なり、まず無線電話サービス網である携帯電話サービス網40のサービスセンタ34を地上基地局36を介してコールする。このとき、サービスセンタ34の呼び出し番号に続けて、この例ではこの個別識別情報IDxを探索指示信号として入力する。サービスセンタ34へのコールによってサービスセンタ34では後続の個別識別情報IDxと、予め登録されている個別識別情報IDxとを照合し、一致していれば、通常の通話ではなく対象物の探索指示(探索依頼)であるものと認識する。探索指示であることが認識されると、全ての地上基地局32あるいは36に対して上述したように探索情報を含んだ探索照会信号(図6)を発信する。
【0037】
サービスセンタ34での機能としては、このように通常の電話サービス機能の他に、上述した対象物の探索機能を担う。そのため、対象物に対する探索機能を実現するため、上述した探索指示に対する判別処理の他に、探索指示であることが確認されると、全ての地上基地局32,36に対して探索照会信号を生成する生成処理が行われる。さらに、探索照会信号に応答した探索応答信号に基づいて、放送局40に対し探索情報挿入信号を送信する送信処理が実行される。
【0038】
そのため、サービスセンタ34は図8のように構成される。図8はサービスセンタ34側の概念図である。
このサービスセンタ34は、地上基地局32,36との信号授受を行うための送受信部341を有する。この送受信部341には地上基地局32,36からの信号入力部342を有する。送受信部341はサービスセンタ全体の制御を司るCPUなどの制御部が内臓されている。
【0039】
送受信部341は、無線電話機38からの探索指示信号および地上基地局32,36からの探索応答信号を受信し、地上基地局32,36に対して探索照会信号と放送局40(図12)に対して探索情報挿入信号をそれぞれ送信する。
【0040】
そのため、まず送受信部341には無線電話番号のデータベース343が設けられ、無線電話サービス網30に加入した無線電話機の無線電話番号が登録されている。この登録によって付随する各種のサービスを享受できる。
【0041】
さらに、送受信部341には探索指示判別部344が設けられ、探索指示があったとき、その内部記憶手段(図示はしない)に予め登録されている個別識別情報IDxを利用した照合処理が実行される。対象物の探索を依頼するには、予めこのような個別識別情報IDxの登録が必要となる。ただし、その登録は有償、無償を問わない。照合結果が一致したときに探索処理が開始される。
【0042】
探索処理が開始されると、地上基地局用探索照会信号の生成部345において探索照会信号が生成される。既に説明したようにこの探索照会信号は図6のように、少なくとも探索照会信号であることを示す探索用ヘッダと、対象物に取り付けられた送信部20を特定するための個別識別情報IDxとで構成される。
【0043】
全ての地上基地局32,36に対する探索照会の結果、特定の地上基地局例えば32のうち32Aが、その個別識別情報IDxを持った送信部20を捕捉しているときは、この地上基地局32Aからは図7に示すような探索応答信号が返信される。探索応答信号の情報には、少なくとも地上基地局32Aの位置を示す情報と、捕捉している個別識別情報IDxが含まれていることについては、既に説明した。
【0044】
この探索応答信号が送受信部341で受信されると、送受信部341からの指令に基づいて放送局用(TV局用)の探索情報挿入信号生成部346が動作して、探索情報挿入信号の生成処理が行われる。
【0045】
探索情報挿入信号生成部346では、例えば図9に示すようなデータフォーマットとなされた探索情報挿入信号が生成される。この例では、検索情報であることを示すため検索用ヘッダがその先頭に位置し、後続には特定のサービスセンタ34からの送信信号であることを示すサービスセンタ用識別情報(ID)が付加され、さらにその後に送信部20を捕捉している地上基地局の位置情報(探索位置情報)と、その送信部20の個別識別情報IDxが付加されて構成される。
【0046】
地上基地局の探索位置情報は、上述したように地上基地局の識別情報IDそのものでもよいが、好ましくは地上基地局の緯度と経度情報あるいはその住所を示す情報がよい。
【0047】
放送局40では、受信信号が探索情報挿入信号であることを判別し、そうであるときにはテレビジョン帯域信号の一部に重畳する探索位置信号を生成する。重畳するテレビジョン信号としては、衛星デジタル放送用テレビジョン信号、地上波デジタル放送用テレビジョン信号(地上デジタルテレビジョン信号)あるいはこれらとは帯域を異にするデータ放送用信号などが考えられる。現在のところでは、探索システムに対する設備投資および格安で運用できる関係から、テレビジョン帯域信号としては地上波デジタル放送用である地上デジタルテレビジョン信号を利用した方が好適である。
【0048】
地上デジタルテレビジョン信号は映像信号、音声信号の他に、データ信号があり、実施の形態ではこのデータ信号の一部に上述した探索位置信号がパケット化されて挿入されている。このデータ信号に対する挿入データの余裕度は高く、現在のところデータ信号中には数多くのパケットデータを挿入することができる。
【0049】
探索位置信号は図10にその一例を示すように、探索用の特殊なデータ信号であることを識別するために、この例では送信部20の個別識別情報IDxそのものが利用され、その後に探索位置情報(図9参照)が挿入されたものである。このような探索位置信号が必要に応じて暗号化や、スクランブル処理などの秘匿処理が施されて、データ信号の一部に挿入される。
【0050】
そのため、放送局40では図11に示すような構成が付加される。通常のテレビ放送に必要な諸機材はテレビジョン帯域信号である地上デジタルテレビジョン信号の送信部403として一括して図示する。この発明では、探索情報挿入信号の受信部401が設けられる。サービスセンタ34と放送局40との間は専用回線で接続してもよければ、公衆回線を利用することもできる。受信した探索情報挿入信号はデータ信号生成部402に供給されて図10に示すようなデータ信号に挿入すべき探索位置信号が生成される。
【0051】
秘匿処理が施され、特定の位置に探索位置信号に挿入されたデータ信号は、地上デジタルテレビジョン信号送信部403に供給されて、映像信号や音声信号などの地上デジタルテレビジョン信号と共に、送信アンテナ404を介して発信される。
【0052】
地上デジタルテレビジョン信号は端末装置50によって受信される。端末装置50は地上デジタルテレビジョン信号を受信できるテレビチューナを有する端末装置であれば、テレビ受像機であっても、携帯電話機であっても、あるいは簡易端末装置(PDA)などであってもよい。以下にはテレビ受像機を例示する。
【0053】
図12はこの地上デジタルテレビジョン信号を受信できるテレビ受像機50の概念構成図を示す。
地上デジタルテレビジョン信号は受信アンテナ(UHFアンテナ等)501によつて受信されたのち、地上デジタルテレビジョン信号の受信部502に供給される。この受信部502は地上デジタルテレビジョン信号に対するテレビチューナを有する他、テレビ受像機全体の制御を司るCPUからなる制御部(いずれも図示せず)を有する。
【0054】
受信部502では受信した地上デジタルテレビジョン信号をデジタル映像信号、デジタル音声信号及びデータ信号に分離した後、これらの信号をそれぞれ、伸長したり、復号したり、ありはデスクランブルしたり、さらには復調したり、多種の処理が行われる。復調された映像信号は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)等よりなる表示部503に供給されて映像内容が表示される。同時に復調された音声信号はスピーカ504に供給されて音声出力される。またデータ信号は必要に応じて内蔵された記録手段(半導体メモリやハードディスク等である。図示はしない)にて保存され、必要なとき表示部503上に表示することができる。
【0055】
復調されたデータ信号のうち、探索位置信号が抽出分離されたのち、この探索位置信号が個別識別情報IDxの判別部505に供給される。判別部505には図3に示すような電話帳データが内蔵メモリ(図示はしない)に保存され、受信部502内の制御部の指示に基づいて探索位置信号中に含まれる個別識別情報IDxと電話帳データとの照合処理が行われる。
【0056】
具体的には、個別識別情報IDxを構成する無線電話番号と、これに付加されたn桁の個別付与番号とを用いて、それぞれの照合処理が行われる。照合の結果、電話帳データと一致したときには、探索を依頼した者の保有する無線電話番号と個別識別情報IDxとが同一であることが確認されたことになるから、この場合には探索位置信号中に含まれる位置情報が記憶部506に記憶される。位置情報は上述したように地上基地局32,36が設置されている場所の位置を示す緯度、経度情報や住所を示す情報である。記憶部506は判別部505内の内蔵メモリと兼用することができる。
【0057】
受信部502にはさらにリモコン信号受信部507からの操作信号が供給される。リモコン本体(図示せず)を操作することで生成されたリモコン信号がリモコン信号受信部507で受信され、その受信信号に対応した操作信号が生成される。
【0058】
操作信号の代表例はチャネルセレクト信号であるが、この他に探索メニュー信号などが生成される。
【0059】
探索メニュー信号は後述するように探索位置情報が到着しているか否かを調べるためのメニューモードである。
【0060】
探索メニューがセレクトされると、記憶部506内が検索され、記憶部506内に探索位置情報が保存されているときには、この探索位置情報が読み出され、読み出された探索位置情報が、リモコン本体側で指定された態様で表示及び又は音声出力される。
【0061】
例えば地図情報を用い、この地図情報に探索位置情報を重ねられて表示する映像表示モードが選択されているときには、図12の地図情報源508をアクセスして探索該当地域の地図情報を読み出し、これに探索位置情報を重ねた状態で表示部503上に表示される。地図情報源508としてはDVD(デジタル多用途ディスク)などを使用することができ、その表示例を図13、図14に示す。
【0062】
図13は画面Sの全面に、この地図情報と探索位置情報とを拡大表示するようにした場合である。図14は親画面Spの一部に子画面Scとして地図情報と探索位置情報とを縮小表示するようにした場合である。このようにすることで送信部20が取り付けられた対象物の現在位置を地図上で明確に把握し、確認することができる。
【0063】
探索位置情報は地上基地局の設置場所そのものであるから、対象物はこの設置位置(ピンポイント)に存在するわけでではない。地上基地局のサービスエリア内に送信部20が位置しているときには、その居場所を問わず、送信部20の個別識別情報IDxを認識できるからである。したがって、探索の位置は最大サービスエリア圏内の幅を持った誤差をもつ。サービスエリア圏は現在では、半径約100〜200m位である。
【0064】
探索メニューが文字表示モードであるときには、例えば図15に示すように画面Sの一部(例えば下部)に探索位置が表示される。そのため、受信部502内にはDSP(Digital Signal Processor)やOSD(On Screen Display)などの処理手段が設けられているものとする。
【0065】
探索メニューとして音声ガイドがセレクトされたときには、スピーカ504より探索位置が音声によってガイドされる。そのため、受信部502内には音声合成手段が内蔵されている。目が不自由な探索依頼者にとって好都合である。これらメニューの複合型も考えられる。つまり映像又は文字表示と音声ガイドの双方を同時にセレクトする探索メニューなども可能である。
【0066】
図12に示す実施の形態では、判別部505の内蔵メモリに個別識別情報IDxを記憶しておき、受信した探索位置信号と照合することで探索位置情報を取得するようにしたが、リモコン本体にこの個別識別情報IDxを入力することで探索位置信号との照合処理を行うようにしてもよい。この場合には電話帳がメモリされた特定のテレビ受像機のみならず、個別識別情報IDxを共有する全ての人が、それぞれのテレビ受像機を用いて探索位置情報を入手できる。
【0067】
リモコン本体では、上述したように通常のテレビ操作機能の他に、探索メニューを選択する機能があり、この探索メニューを選択できるようにするため、リモコン本体に設けられたメインメニューを選択すると、図16に示すようなメニュー画面がリモコン本体の画面上あるいは表示部503上に表示される。
【0068】
このメニュー画面に表示された探索メニュー(探索モードメニュー)を選択すると、図17に示すような探索メニューが表示される。探索メニューによって、探索位置をどのような形態で表示したり、音声によるガイダンスをしたりするかが選択される。上述したようにこの例では地図表示(映像表示)の他に、文字表示、文字表示と音声ガイドおよび音声ガイドのみを選択することができる。
【0069】
図17には示されていないが、地図表示はさらに拡大表示と縮小表示の2種類を選択することができる。図17の選択処理(設定処理)が終了すると図18の表示形態に遷移し、ここで探索表示か、探索停止かの何れかを選択する。
【0070】
探索表示を選択することで、前述したような探索位置の映像表示、文字表示などが実行される。
【0071】
上述した端末装置であるテレビ受像機50は、探索依頼者若しくはその家族が所有するものであるから、通常の場合、探索依頼者は無線電話機38を操作しながら、リモコン本体を操作して、テレビ受像機50の探索メニューをセットすることになる。
【0072】
したがって、例えば送信部20をおじいちゃんの肌着や下着などその身から離れない物に取り付けておけば、おじいちゃんが買い物に出かけたりした場合でも、自宅から無線電話機38を操作して探索依頼をすれば、買い物場所の近くに設置された地上基地局32、36で送信部20が捕捉されているときには、買い物場所の近辺の地図に、地上基地局32,36の設置位置が星印などでテレビ画面上に表示される。これによっておじいちゃんの買い物場所(居場所)をほぼ確実に特定でき、その居場所を確認できる。居場所が特定できないときは、地上基地局32,36によって送信部20を捕捉できない場所に居るときであるが、やがては捕捉できる場所(サービスエリア)に移動するであろうから、そのときになると居場所を特定し、確認できるようになる。盗難品や盗難に遭った鍵を探索したりする場合にも有効な探索システムと言える。
【0073】
図4に示す送信部20の実施の形態では、送信部自体の位置を示す情報を発信する機能は搭載されていない。そのため、送信部20の位置は、この送信部20を捕捉した地上基地局の設置場所か、その近辺(サービスエリア内)にあるものと、推測する。そのため、送信部20の位置の特定精度が悪い。
【0074】
この問題を解決するには、送信部20の位置情報そのものを地上基地局32,36に送信できるようにすればよい。図19はそのような機能を有した送信部20の実施の形態である。
【0075】
図19は図4の構成を踏襲しているので、詳細な説明は割愛するが、この実施の形態のように送信部20にはGPS受信アンテナ205が設けられる。GPSとは全方位位置決定システム(Global Positioning System)のことであり、その位置決定精度は数10m以下である。GPS受信アンテナ205で受信したその位置の緯度および経度情報は、送受信機能を有する位置情報変換部206に供給されて検出した緯度と経度情報に基づいて現在地の住所情報に変換される。
【0076】
位置情報変換部206では格納メモリ201から読み出した個別識別情報IDxにこの現在地の住所情報を付加して送信する。地上基地局32,36との交信状態を捕捉できたときには、地上基地局32,36では個別識別情報IDxの他に、現在地の住所情報も同時に捕捉されることになる。
【0077】
地上基地局32,36では、地上基地局からの探索応答信号として図7に示す地上基地局の識別情報に代えて、現在地の住所情報が付加されて送信される。その結果、テレビ受像機50に表示される探索位置としては、送信部20の現在地そのものの住所情報が表示されたり、音声ガイドされる。したがって、探索精度が格段に向上する。
【0078】
図19に示すGPS受信アンテナ205に代えて、DGPS受信アンテナとすることもできる。ここに、DGPSとは、(Differential Global Positioning System)の略称であり、位置決定精度は数10cmの誤差となる。送信部20の位置情報は地上における位置情報に限らず、空中での3次元位置情報でもよい。
【0079】
図12に示すテレビ受像機50の実施の形態では、探索位置情報が位置情報記憶部506に記憶されているにも拘わらず、探索メニューを選択しない限り、探索位置情報を知ることができない。この問題を解決する手法の1つとして、探索位置情報を位置情報記憶部506に記憶したときは、直ちにテレビ画面S上にその旨が表示されたり、別の手段例えばブザーや、発光素子などを用いて報知するようにすればよい。こうすれば、テレビ視聴者や探索依頼者は、間違いなく探索位置情報を、タイムラグなく入手できるからである。
【0080】
上述した実施の形態では、探索位置信号を伝送する媒体として、テレビジョン帯域信号、特に実施例では地上デジタルテレビジョン信号を構成するデータ信号にパケットデータとして挿入する場合を例示したが、この他にも衛星を利用した衛星デジタル放送用テレビジョン信号やデータ放送信号などを利用することもできる。衛星を利用することで、地球上のどこからでも対象物を探索し、認識することができるようになる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、無線電話サービス網とテレビジョン帯域信号という伝送媒体を利用して探索位置確認システムを構築したものである。これによれば、通信費を節約しながら探索対象情報を確実に入手できる実益を有する。特に、送信部としてICタグを利用すると、送信部の大量生産によるコストの削減と、小型軽量化を図れる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る探索位置確認システムの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図2】探索に使用する個別識別情報IDxの構成例を示す図である。
【図3】個別識別情報の割り振り例を示す図である。
【図4】送信部としてICタグを使用したときの一例を示す要部の系統図である。
【図5】地上基地局の構成例を示す要部の系統図である。
【図6】地上基地局に送信する探索照会信号の構成例を示す図である。
【図7】地上基地局から送信する探索応答信号の構成例を示す図である。
【図8】サービスセンタの構成例を示す系統図である。
【図9】放送局に送信する探索情報挿入信号の構成例を示す図である。
【図10】探索位置信号の構成例を示す図である。
【図11】放送局内の構成例を示す要部の系統図である。
【図12】端末装置としてのテレビ受像機の構成例を示す要部の系統図である。
【図13】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その1)。
【図14】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その2)。
【図15】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その3)。
【図16】メニュー画面例を示す図である。
【図17】探索メニュー画面例を示す図である(その1)。
【図18】探索メニュー画面例を示す図である(その2)。
【図19】送信部の他の構成例を示す要部の系統図である。
【符号の説明】
10 探索位置確認システム
20 送信部(ICタグ)
30 無線電話サービス網(携帯電話サービス網)
32,36 地上基地局
34 サービスセンタ
38 無線電話機(携帯電話機)
40 放送局
50 端末装置(テレビ受像機)
【発明の属する技術分野】
この発明は、携帯電話やPHS電話などの携帯電話サービス網と、地上波デジタル放送やデータ放送などのテレビジョン帯域信号を利用した探索位置確認システムに関する。詳しくは、地上基地局と交信できる送信部に個別識別情報を割り振り、地上基地局で把握(捕捉)しているこの個別識別情報をテレビジョン帯域信号を用いて送信し、テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置でこの個別識別情報を分離し、解析することで、送信部が取り付けられた探索対象物の位置を端末装置側で確認できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば老人が徘徊すると、老人の居場所を探すのが大変である。また、広い駐車場に車を駐車させたとき、その車を探すのに一苦労したりすることがしばしば生ずる。
【0003】
このような場合、人や車、さらには多種多様な物(個人の所有物や商品や製品の類)のうち、特に人や車を比較的簡単に探索できるシステムとして、PHS(Personal Handy Phone system)電話などを使用した探索システムが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この探索システムは探索すべき対象物(相手方)に後述するGPS(Global Positioning System)機能や無線電話機能の付いた送信部(端末装置)を所有させ、一対一の通信を行うことによって、対象物の位置情報を探索して確認しようとするものである。
【0005】
この場合に問題となるのは、通信費や端末費(送信部のコスト)である。対象物を安価な手段で確認できないときには通信費も高額となる。また対象物に付けられる送信部が高価であったり、重量が重かったりする問題もある。
【0006】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、伝送媒体として比較的安価に利用できるテレビジョン帯域信号を利用して探索対象物の位置情報を取得するようにした探索位置確認システムを提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る探索位置確認システムでは、地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部が取り付けられた対象物を探索する探索位置確認システムであって、
無線電話サービス網のサービスエリア内に存在する上記対象物の位置情報をテレビジョン帯域信号の一部として送信することにより、
上記テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置で、上記対象物の位置情報を確認できるようにしたことを特徴とする。
【0008】
この発明では、無線電話サービス網(例えばPHS電話サービス網)と、テレビジョン帯域信号(例えば地上波デジタル放送用テレビジョン信号)とを利用して探索位置確認システムを構築する。地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部を対象物に取り付けておく。送信部は電源が入っていれば常に地上基地局と交信状態にあり、その地上基地局のサービスエリア内に送信部が位置しているときには、その特定の地上基地局が個別識別情報を捕捉することで、送信部は待ち受け状態(通信可能状態)となっている。したがってこの待ち受け状態にあるときは、特定の地上基地局では送信部の個別識別情報を把握している。
【0009】
そこで、探索依頼者は無線電話機(例えばPHS電話機)を用いてサービスセンタ(無線電話サービス網であるPHS電話サービス網内に設置されたサービスセンタ)をコールして、特定の対象物に対する探索の指示を行う。このとき、探索すべき個別識別情報を同時に送信する。サービスセンタではこの個別識別情報を付加した探索照会情報を各地上基地局に送る。地上基地局では上述した照合処理が行われ、同一の個別識別情報が捕捉され、既に登録されているときには、その地上基地局を識別するための情報あるいはその地上基地局そのものの位置を位置情報として地上基地局のサービスセンタに送る(探索応答信号の送出)。
【0010】
サービスセンタでは、個別識別情報と地上基地局の位置情報を含めた探索情報挿入信号を放送局に送信する。放送局では、対象物の位置情報を個別識別情報と共に、このテレビジョン帯域信号の一部(例えば地上波デジタル放送用テレビジョン信号に含まれるデータ信号)に重畳して送信する。
【0011】
テレビジョン帯域信号を受信できる端末装置では、個別識別情報との照合処理を行い、一致したときは受信した位置情報を画面などに表示する。このとき地図データバンクなどを利用して地図情報に重畳して探索位置情報を表示したり、文字で探索位置情報を表示したり、これらに音声を加えた探索位置情報を流したりすることによって、探索対象物の探索位置情報を確認できる。
【0012】
探索依頼者が使用した無線電話機は、サービスセンタと通信が確立した後であれば、それで通信を切断しても差し支えないので、無線通信コストが高い現状では探索依頼者側が負担する通信費は格安となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
続いて、この発明に係る探索位置確認システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
この発明では無線電話サービス網(携帯電話サービス網やPHS電話サービス網など)内に設置された地上基地局と交信できる送信部を、探索すべき対象物に取り付けておく。探索すべき対象物は人であったり、特定の所有物であったりする。人とは主として家族である。特に老人や子供が対象となる。所有物とは、個人の所有物が主であり、個人所有の車を始めとして、家族が共有している自転車、旅行用のバックなどであり、例えば女性のハンドバックなどが考えられる。時として鍵が対象物となることも考えられる。
【0014】
送信部は地上基地局と交信する必要があるので、通常は無線電話機(携帯電話機やPHS電話機など)と同様な機能を持っている。そのため、無線電話サービス網のサービスセンタに登録された個別の電話番号、若しくはこれに類似する送受信番号を保有する。
【0015】
以下この番号を個別識別情報(IDx)と呼称すれば、この個別識別情報IDxは図2のように構成することができる。この例では、個人の無線電話番号にn桁の数字で構成される。n桁の数字は検索対象となる個別付与番号であって、この検索対象と個別識別情報IDxとの関係を図3に示す。図3の例では、家族の所有物に対し2桁(n=2)の個別付与番号を付けたもので、「私のおじいちゃん」は「03」、「私の車」は「01」という2桁の個別付与番号が付されている。
【0016】
携帯電話番号などの無線電話番号はその家族を代表する共通の個別識別番号といえるもので、例えば父や息子あるいは娘が所有する無線電話機の無線電話番号が、その家庭の代表番号として用いられる。
【0017】
個別識別情報IDxは送信部内に保存され、電源が入っている間は常にこの個別識別情報IDxを用いて地上基地局との間で交信が行われ、ある地上基地局との間で交信ができるサービスエリアに送信部が入ったときには、その地上基地局にその送信部が捕捉され、認知されていることになるから、その送信部は待ち受け状態となって交信待機状態となる。送信部の登録情報としては無線電話番号に個別付与番号加えられたものが使用される。したがって、この例では個別識別情報IDxが地上基地局に登録される。別のサービスエリアに移れば、そのサービスエリアの地上基地局に認知される、いわゆるローミング機能によって、通信が継続することになる。
【0018】
このことから、送信部が通信可能な状態にあるときは、地上基地局ではその送信部の個別識別情報IDxを保有することになるから、送信部を呼び出さなくても地上基地局への照会処理だけでその送信部の存在を把握できる。この発明はこのことを利用して探索システムを構築したものである。
【0019】
図1はこの発明に係る探索位置確認システム10の実施の形態を示す。この探索位置確認システム10は通信機能を有し、それ自体個別識別情報IDxをもつ送信部20と、この送信部20との電話サービスを提供する無線電話サービス網(この例では携帯電話サービス網)30と、この無線電話サービス網30で受信した個別識別情報IDxを含む送信信号をテレビジョン帯域信号の一部に重畳して伝送する放送局40と、放送局からのテレビジョン帯域信号を受信して、受信した個別識別情報IDxを確認する端末装置50とで構成される。
【0020】
送信部20は、上述したように無線電話サービス網30と通信できるそれ自体個別識別情報IDxを有するもので、携帯電話機やPHS電話機と同様な通信機能を持っている。したがって、機能的にはこの送信部20は図4に示すように格納メモリ(RAM等)201と、送受信部202と、電源部203と、さらに送受信部202に接続された内蔵の送受信アンテナ204とで構成される。
【0021】
格納メモリ201には、上述した個別識別情報IDxがストアされている。例えば図2のように無線電話番号(図では携帯電話番号)に個別付与番号「03」が付加された個別識別情報IDxがストアされている。
【0022】
この個別識別情報IDxは事前に書き込まれたものでもよければ、送受信機能を利用してこの格納メモリ201に書き込まれたものでもよい。送信部20個有の情報として事前に書き込まれている場合には、送受信部202は送信機能のみでよいが、実際にはユーザ側で個別識別情報IDxを自由に設定する使用例が多いと考えられるので、送受信機能を備えたものの方が好ましい。
【0023】
この送信部20は内蔵された電源部203から送受信部202に電源が供給されると、直ちに直近の地上基地局と交信が行われ、交信できる地上基地局が存在するときには、その地上基地局に送信部20を識別する情報、例えばその無線電話番号が捕捉されて、これが認知される。この例では個別識別情報IDxそのものが認知されて登録される。この登録によって送信部20は地上基地局を介して無線電話サービス網30と接続される。送信部20が無線電話機であるときはこの状態が持ち受け状態となり、何時でも通信できる状態となっている。
【0024】
このような送信部20として好適な例は、いわゆるICタグである。このICタグは数mm角以下のICチップ内に図4のような機能を内蔵したものであり、電源部203を追加することによって自ら、自身の個別識別情報IDxを送信することができる。ICタグは探索対象となる例えばおじいちゃんの下着などに貼着されることで探索すべき対象者と一体化される。送信部20としてこのようなICタグを利用すると、送信部20の大量生産によるコストの削減と、小型軽量化を図れる。
【0025】
無線電話サービス網30は現存する無線電話サービス網が利用され、一部この発明に関する機能が付与される。この無線電話サービス網30としては、携帯電話サービス網やPHS電話サービス網などが考えられ、したがってこの無線電話サービス網は、その中核をなすサービスセンタ34と、このサービスセンタ34に接続された複数の地上基地局32,36とで構成される。サービスセンタ34とこれら地上基地局32,36とは専用回線で直接又は中継基地局などを介して接続されるか、同様に電波などの伝送路によって結ばれている。
【0026】
地上基地局としてこの例では、送信部20に近接した地域に設置された複数の地上基地局32と、探索しようとする者の無線電話機(図では携帯電話機)38に近接した地域に設置されている複数の地上基地局36のみを便宜的に図示してある。
【0027】
図5は地上基地局32の構成例を示す。地上基地局32(32A)は送受信部321と必要に応じて設けられた送受信アンテナ322と、受信した個別識別情報IDxの照会部324及びサービスセンタ34に対する送信信号(探索照会信号)の生成部325とで構成される。
【0028】
送受信部321は地上基地局32(例えば32A)全体の制御を司るCPUなどからなる制御部が内蔵されており、サービスエリア内の無線電話機(図示せず)や送信部20との交信を行う。無線電話機や送信部20からの電波を受信すると、その電波を発信した無線電話機や送信部20の電話番号等を捕捉して照会部324内のメモリ(図示はしない)に登録し、待ち受け状態とする。無線電話機であればこれで通信が可能になる。このときの地上基地局32は、通常最も送信部20に近接した地上基地局である。
【0029】
送信部20との通信が確立したときには図2に示すような個別識別情報IDxが登録されることになる。サービスセンタ34からは通常の電話サービスの他に探索照会信号が送信される。探索照会信号は図6に示すように、探索用ヘッダに探索照会番号である個別識別情報IDxが付加されたものであって、この探索照会信号を送受信部321が受信すると、照会部324に登録されている個別識別情報IDxとの照会処理が行われる。
【0030】
照会の結果、同じ個別識別情報IDxが登録されていないときにはそのまま何の処理もなされない。同一の個別識別情報IDxが登録されているときには探索応答信号生成部325での処理が行われる。探索応答信号生成部325では図7に示すような構造をなす送信信号(探索応答信号)が生成される。
【0031】
図7に示すように、この探索応答信号は探索用ヘッダに対し、地上基地局32Aに付与された地上基地局個有の識別情報(ID)と、照会の対象となった個別識別情報IDxが付加されたものである。地上基地局個有の識別情報は、その地上基地局32Aが設置された位置を示す情報として利用できるので、図7の構成とすることによって、探索しようとしている個別識別情報IDxがどの地上基地局32Aで捕捉されたかが判る。つまり、この地上基地局32A個有の識別情報によって送信部20の位置をほぼ特定できる。
【0032】
図7に示す地上基地局個有の識別情報に代えて、この地上基地局32Aの設置場所を示す位置情報(緯度及び経度又は住所など)を利用することもできる。生成された探索応答信号は送受信部321及び必要に応じて送受信アンテナ322を介してサービスセンタ34側に送信される。
【0033】
ここで、地上基地局の構成は、送信部20側のサービスも行う地上基地局32でも、この例のように無線電話機38自体のサービスを行っている地上基地局36でもその構成は全く同じである。何れの地上基地局32,36でも同じサービスを享受できるからである。
【0034】
次に、この発明で使用される無線電話機38の機能を説明する。この無線電話機38は、無線電話機が有する本来の機能(相手機との通信機能、電話帳機能など)の他に、特定の対象物を探索する探索機能が付加されている。
【0035】
探索機能は送信部20が取り付けられた対象物を探索するときに使用する機能であって、その探索番号としてその送信部20に割り振られた特定の番号(個別付与番号)が使用される。上述したようにこの個別識別情報IDxとしては、図2あるいは図3に示すようにその無線電話機の電話番号(例えば11桁の番号)が使用されると共に、これにn桁、以下の例では2桁の個別付与番号が付加されたものである。無線電話機38には図3のような個別識別情報IDxをその電子電話帳にメモリしておけば、探索時のキー操作が簡略化される。
【0036】
特定の対象物を探索するときは、通常の通話とは若干異なり、まず無線電話サービス網である携帯電話サービス網40のサービスセンタ34を地上基地局36を介してコールする。このとき、サービスセンタ34の呼び出し番号に続けて、この例ではこの個別識別情報IDxを探索指示信号として入力する。サービスセンタ34へのコールによってサービスセンタ34では後続の個別識別情報IDxと、予め登録されている個別識別情報IDxとを照合し、一致していれば、通常の通話ではなく対象物の探索指示(探索依頼)であるものと認識する。探索指示であることが認識されると、全ての地上基地局32あるいは36に対して上述したように探索情報を含んだ探索照会信号(図6)を発信する。
【0037】
サービスセンタ34での機能としては、このように通常の電話サービス機能の他に、上述した対象物の探索機能を担う。そのため、対象物に対する探索機能を実現するため、上述した探索指示に対する判別処理の他に、探索指示であることが確認されると、全ての地上基地局32,36に対して探索照会信号を生成する生成処理が行われる。さらに、探索照会信号に応答した探索応答信号に基づいて、放送局40に対し探索情報挿入信号を送信する送信処理が実行される。
【0038】
そのため、サービスセンタ34は図8のように構成される。図8はサービスセンタ34側の概念図である。
このサービスセンタ34は、地上基地局32,36との信号授受を行うための送受信部341を有する。この送受信部341には地上基地局32,36からの信号入力部342を有する。送受信部341はサービスセンタ全体の制御を司るCPUなどの制御部が内臓されている。
【0039】
送受信部341は、無線電話機38からの探索指示信号および地上基地局32,36からの探索応答信号を受信し、地上基地局32,36に対して探索照会信号と放送局40(図12)に対して探索情報挿入信号をそれぞれ送信する。
【0040】
そのため、まず送受信部341には無線電話番号のデータベース343が設けられ、無線電話サービス網30に加入した無線電話機の無線電話番号が登録されている。この登録によって付随する各種のサービスを享受できる。
【0041】
さらに、送受信部341には探索指示判別部344が設けられ、探索指示があったとき、その内部記憶手段(図示はしない)に予め登録されている個別識別情報IDxを利用した照合処理が実行される。対象物の探索を依頼するには、予めこのような個別識別情報IDxの登録が必要となる。ただし、その登録は有償、無償を問わない。照合結果が一致したときに探索処理が開始される。
【0042】
探索処理が開始されると、地上基地局用探索照会信号の生成部345において探索照会信号が生成される。既に説明したようにこの探索照会信号は図6のように、少なくとも探索照会信号であることを示す探索用ヘッダと、対象物に取り付けられた送信部20を特定するための個別識別情報IDxとで構成される。
【0043】
全ての地上基地局32,36に対する探索照会の結果、特定の地上基地局例えば32のうち32Aが、その個別識別情報IDxを持った送信部20を捕捉しているときは、この地上基地局32Aからは図7に示すような探索応答信号が返信される。探索応答信号の情報には、少なくとも地上基地局32Aの位置を示す情報と、捕捉している個別識別情報IDxが含まれていることについては、既に説明した。
【0044】
この探索応答信号が送受信部341で受信されると、送受信部341からの指令に基づいて放送局用(TV局用)の探索情報挿入信号生成部346が動作して、探索情報挿入信号の生成処理が行われる。
【0045】
探索情報挿入信号生成部346では、例えば図9に示すようなデータフォーマットとなされた探索情報挿入信号が生成される。この例では、検索情報であることを示すため検索用ヘッダがその先頭に位置し、後続には特定のサービスセンタ34からの送信信号であることを示すサービスセンタ用識別情報(ID)が付加され、さらにその後に送信部20を捕捉している地上基地局の位置情報(探索位置情報)と、その送信部20の個別識別情報IDxが付加されて構成される。
【0046】
地上基地局の探索位置情報は、上述したように地上基地局の識別情報IDそのものでもよいが、好ましくは地上基地局の緯度と経度情報あるいはその住所を示す情報がよい。
【0047】
放送局40では、受信信号が探索情報挿入信号であることを判別し、そうであるときにはテレビジョン帯域信号の一部に重畳する探索位置信号を生成する。重畳するテレビジョン信号としては、衛星デジタル放送用テレビジョン信号、地上波デジタル放送用テレビジョン信号(地上デジタルテレビジョン信号)あるいはこれらとは帯域を異にするデータ放送用信号などが考えられる。現在のところでは、探索システムに対する設備投資および格安で運用できる関係から、テレビジョン帯域信号としては地上波デジタル放送用である地上デジタルテレビジョン信号を利用した方が好適である。
【0048】
地上デジタルテレビジョン信号は映像信号、音声信号の他に、データ信号があり、実施の形態ではこのデータ信号の一部に上述した探索位置信号がパケット化されて挿入されている。このデータ信号に対する挿入データの余裕度は高く、現在のところデータ信号中には数多くのパケットデータを挿入することができる。
【0049】
探索位置信号は図10にその一例を示すように、探索用の特殊なデータ信号であることを識別するために、この例では送信部20の個別識別情報IDxそのものが利用され、その後に探索位置情報(図9参照)が挿入されたものである。このような探索位置信号が必要に応じて暗号化や、スクランブル処理などの秘匿処理が施されて、データ信号の一部に挿入される。
【0050】
そのため、放送局40では図11に示すような構成が付加される。通常のテレビ放送に必要な諸機材はテレビジョン帯域信号である地上デジタルテレビジョン信号の送信部403として一括して図示する。この発明では、探索情報挿入信号の受信部401が設けられる。サービスセンタ34と放送局40との間は専用回線で接続してもよければ、公衆回線を利用することもできる。受信した探索情報挿入信号はデータ信号生成部402に供給されて図10に示すようなデータ信号に挿入すべき探索位置信号が生成される。
【0051】
秘匿処理が施され、特定の位置に探索位置信号に挿入されたデータ信号は、地上デジタルテレビジョン信号送信部403に供給されて、映像信号や音声信号などの地上デジタルテレビジョン信号と共に、送信アンテナ404を介して発信される。
【0052】
地上デジタルテレビジョン信号は端末装置50によって受信される。端末装置50は地上デジタルテレビジョン信号を受信できるテレビチューナを有する端末装置であれば、テレビ受像機であっても、携帯電話機であっても、あるいは簡易端末装置(PDA)などであってもよい。以下にはテレビ受像機を例示する。
【0053】
図12はこの地上デジタルテレビジョン信号を受信できるテレビ受像機50の概念構成図を示す。
地上デジタルテレビジョン信号は受信アンテナ(UHFアンテナ等)501によつて受信されたのち、地上デジタルテレビジョン信号の受信部502に供給される。この受信部502は地上デジタルテレビジョン信号に対するテレビチューナを有する他、テレビ受像機全体の制御を司るCPUからなる制御部(いずれも図示せず)を有する。
【0054】
受信部502では受信した地上デジタルテレビジョン信号をデジタル映像信号、デジタル音声信号及びデータ信号に分離した後、これらの信号をそれぞれ、伸長したり、復号したり、ありはデスクランブルしたり、さらには復調したり、多種の処理が行われる。復調された映像信号は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)等よりなる表示部503に供給されて映像内容が表示される。同時に復調された音声信号はスピーカ504に供給されて音声出力される。またデータ信号は必要に応じて内蔵された記録手段(半導体メモリやハードディスク等である。図示はしない)にて保存され、必要なとき表示部503上に表示することができる。
【0055】
復調されたデータ信号のうち、探索位置信号が抽出分離されたのち、この探索位置信号が個別識別情報IDxの判別部505に供給される。判別部505には図3に示すような電話帳データが内蔵メモリ(図示はしない)に保存され、受信部502内の制御部の指示に基づいて探索位置信号中に含まれる個別識別情報IDxと電話帳データとの照合処理が行われる。
【0056】
具体的には、個別識別情報IDxを構成する無線電話番号と、これに付加されたn桁の個別付与番号とを用いて、それぞれの照合処理が行われる。照合の結果、電話帳データと一致したときには、探索を依頼した者の保有する無線電話番号と個別識別情報IDxとが同一であることが確認されたことになるから、この場合には探索位置信号中に含まれる位置情報が記憶部506に記憶される。位置情報は上述したように地上基地局32,36が設置されている場所の位置を示す緯度、経度情報や住所を示す情報である。記憶部506は判別部505内の内蔵メモリと兼用することができる。
【0057】
受信部502にはさらにリモコン信号受信部507からの操作信号が供給される。リモコン本体(図示せず)を操作することで生成されたリモコン信号がリモコン信号受信部507で受信され、その受信信号に対応した操作信号が生成される。
【0058】
操作信号の代表例はチャネルセレクト信号であるが、この他に探索メニュー信号などが生成される。
【0059】
探索メニュー信号は後述するように探索位置情報が到着しているか否かを調べるためのメニューモードである。
【0060】
探索メニューがセレクトされると、記憶部506内が検索され、記憶部506内に探索位置情報が保存されているときには、この探索位置情報が読み出され、読み出された探索位置情報が、リモコン本体側で指定された態様で表示及び又は音声出力される。
【0061】
例えば地図情報を用い、この地図情報に探索位置情報を重ねられて表示する映像表示モードが選択されているときには、図12の地図情報源508をアクセスして探索該当地域の地図情報を読み出し、これに探索位置情報を重ねた状態で表示部503上に表示される。地図情報源508としてはDVD(デジタル多用途ディスク)などを使用することができ、その表示例を図13、図14に示す。
【0062】
図13は画面Sの全面に、この地図情報と探索位置情報とを拡大表示するようにした場合である。図14は親画面Spの一部に子画面Scとして地図情報と探索位置情報とを縮小表示するようにした場合である。このようにすることで送信部20が取り付けられた対象物の現在位置を地図上で明確に把握し、確認することができる。
【0063】
探索位置情報は地上基地局の設置場所そのものであるから、対象物はこの設置位置(ピンポイント)に存在するわけでではない。地上基地局のサービスエリア内に送信部20が位置しているときには、その居場所を問わず、送信部20の個別識別情報IDxを認識できるからである。したがって、探索の位置は最大サービスエリア圏内の幅を持った誤差をもつ。サービスエリア圏は現在では、半径約100〜200m位である。
【0064】
探索メニューが文字表示モードであるときには、例えば図15に示すように画面Sの一部(例えば下部)に探索位置が表示される。そのため、受信部502内にはDSP(Digital Signal Processor)やOSD(On Screen Display)などの処理手段が設けられているものとする。
【0065】
探索メニューとして音声ガイドがセレクトされたときには、スピーカ504より探索位置が音声によってガイドされる。そのため、受信部502内には音声合成手段が内蔵されている。目が不自由な探索依頼者にとって好都合である。これらメニューの複合型も考えられる。つまり映像又は文字表示と音声ガイドの双方を同時にセレクトする探索メニューなども可能である。
【0066】
図12に示す実施の形態では、判別部505の内蔵メモリに個別識別情報IDxを記憶しておき、受信した探索位置信号と照合することで探索位置情報を取得するようにしたが、リモコン本体にこの個別識別情報IDxを入力することで探索位置信号との照合処理を行うようにしてもよい。この場合には電話帳がメモリされた特定のテレビ受像機のみならず、個別識別情報IDxを共有する全ての人が、それぞれのテレビ受像機を用いて探索位置情報を入手できる。
【0067】
リモコン本体では、上述したように通常のテレビ操作機能の他に、探索メニューを選択する機能があり、この探索メニューを選択できるようにするため、リモコン本体に設けられたメインメニューを選択すると、図16に示すようなメニュー画面がリモコン本体の画面上あるいは表示部503上に表示される。
【0068】
このメニュー画面に表示された探索メニュー(探索モードメニュー)を選択すると、図17に示すような探索メニューが表示される。探索メニューによって、探索位置をどのような形態で表示したり、音声によるガイダンスをしたりするかが選択される。上述したようにこの例では地図表示(映像表示)の他に、文字表示、文字表示と音声ガイドおよび音声ガイドのみを選択することができる。
【0069】
図17には示されていないが、地図表示はさらに拡大表示と縮小表示の2種類を選択することができる。図17の選択処理(設定処理)が終了すると図18の表示形態に遷移し、ここで探索表示か、探索停止かの何れかを選択する。
【0070】
探索表示を選択することで、前述したような探索位置の映像表示、文字表示などが実行される。
【0071】
上述した端末装置であるテレビ受像機50は、探索依頼者若しくはその家族が所有するものであるから、通常の場合、探索依頼者は無線電話機38を操作しながら、リモコン本体を操作して、テレビ受像機50の探索メニューをセットすることになる。
【0072】
したがって、例えば送信部20をおじいちゃんの肌着や下着などその身から離れない物に取り付けておけば、おじいちゃんが買い物に出かけたりした場合でも、自宅から無線電話機38を操作して探索依頼をすれば、買い物場所の近くに設置された地上基地局32、36で送信部20が捕捉されているときには、買い物場所の近辺の地図に、地上基地局32,36の設置位置が星印などでテレビ画面上に表示される。これによっておじいちゃんの買い物場所(居場所)をほぼ確実に特定でき、その居場所を確認できる。居場所が特定できないときは、地上基地局32,36によって送信部20を捕捉できない場所に居るときであるが、やがては捕捉できる場所(サービスエリア)に移動するであろうから、そのときになると居場所を特定し、確認できるようになる。盗難品や盗難に遭った鍵を探索したりする場合にも有効な探索システムと言える。
【0073】
図4に示す送信部20の実施の形態では、送信部自体の位置を示す情報を発信する機能は搭載されていない。そのため、送信部20の位置は、この送信部20を捕捉した地上基地局の設置場所か、その近辺(サービスエリア内)にあるものと、推測する。そのため、送信部20の位置の特定精度が悪い。
【0074】
この問題を解決するには、送信部20の位置情報そのものを地上基地局32,36に送信できるようにすればよい。図19はそのような機能を有した送信部20の実施の形態である。
【0075】
図19は図4の構成を踏襲しているので、詳細な説明は割愛するが、この実施の形態のように送信部20にはGPS受信アンテナ205が設けられる。GPSとは全方位位置決定システム(Global Positioning System)のことであり、その位置決定精度は数10m以下である。GPS受信アンテナ205で受信したその位置の緯度および経度情報は、送受信機能を有する位置情報変換部206に供給されて検出した緯度と経度情報に基づいて現在地の住所情報に変換される。
【0076】
位置情報変換部206では格納メモリ201から読み出した個別識別情報IDxにこの現在地の住所情報を付加して送信する。地上基地局32,36との交信状態を捕捉できたときには、地上基地局32,36では個別識別情報IDxの他に、現在地の住所情報も同時に捕捉されることになる。
【0077】
地上基地局32,36では、地上基地局からの探索応答信号として図7に示す地上基地局の識別情報に代えて、現在地の住所情報が付加されて送信される。その結果、テレビ受像機50に表示される探索位置としては、送信部20の現在地そのものの住所情報が表示されたり、音声ガイドされる。したがって、探索精度が格段に向上する。
【0078】
図19に示すGPS受信アンテナ205に代えて、DGPS受信アンテナとすることもできる。ここに、DGPSとは、(Differential Global Positioning System)の略称であり、位置決定精度は数10cmの誤差となる。送信部20の位置情報は地上における位置情報に限らず、空中での3次元位置情報でもよい。
【0079】
図12に示すテレビ受像機50の実施の形態では、探索位置情報が位置情報記憶部506に記憶されているにも拘わらず、探索メニューを選択しない限り、探索位置情報を知ることができない。この問題を解決する手法の1つとして、探索位置情報を位置情報記憶部506に記憶したときは、直ちにテレビ画面S上にその旨が表示されたり、別の手段例えばブザーや、発光素子などを用いて報知するようにすればよい。こうすれば、テレビ視聴者や探索依頼者は、間違いなく探索位置情報を、タイムラグなく入手できるからである。
【0080】
上述した実施の形態では、探索位置信号を伝送する媒体として、テレビジョン帯域信号、特に実施例では地上デジタルテレビジョン信号を構成するデータ信号にパケットデータとして挿入する場合を例示したが、この他にも衛星を利用した衛星デジタル放送用テレビジョン信号やデータ放送信号などを利用することもできる。衛星を利用することで、地球上のどこからでも対象物を探索し、認識することができるようになる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明では、無線電話サービス網とテレビジョン帯域信号という伝送媒体を利用して探索位置確認システムを構築したものである。これによれば、通信費を節約しながら探索対象情報を確実に入手できる実益を有する。特に、送信部としてICタグを利用すると、送信部の大量生産によるコストの削減と、小型軽量化を図れる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る探索位置確認システムの実施の形態を示す要部の系統図である。
【図2】探索に使用する個別識別情報IDxの構成例を示す図である。
【図3】個別識別情報の割り振り例を示す図である。
【図4】送信部としてICタグを使用したときの一例を示す要部の系統図である。
【図5】地上基地局の構成例を示す要部の系統図である。
【図6】地上基地局に送信する探索照会信号の構成例を示す図である。
【図7】地上基地局から送信する探索応答信号の構成例を示す図である。
【図8】サービスセンタの構成例を示す系統図である。
【図9】放送局に送信する探索情報挿入信号の構成例を示す図である。
【図10】探索位置信号の構成例を示す図である。
【図11】放送局内の構成例を示す要部の系統図である。
【図12】端末装置としてのテレビ受像機の構成例を示す要部の系統図である。
【図13】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その1)。
【図14】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その2)。
【図15】探索位置情報の画面上への表示例を示す図である(その3)。
【図16】メニュー画面例を示す図である。
【図17】探索メニュー画面例を示す図である(その1)。
【図18】探索メニュー画面例を示す図である(その2)。
【図19】送信部の他の構成例を示す要部の系統図である。
【符号の説明】
10 探索位置確認システム
20 送信部(ICタグ)
30 無線電話サービス網(携帯電話サービス網)
32,36 地上基地局
34 サービスセンタ
38 無線電話機(携帯電話機)
40 放送局
50 端末装置(テレビ受像機)
Claims (10)
- 地上基地局と交信できる個別識別情報の付いた送信部が取り付けられた対象物を探索する探索位置確認システムであって、
無線電話サービス網のサービスエリア内に存在する上記対象物の位置情報をテレビジョン帯域信号の一部として送信することにより、
上記テレビジョン信号を受信できる端末装置で、上記対象物の位置情報を確認できるようにしたことを特徴とする探索位置確認システム。 - 上記送信部は、送信機能を有したICタグであることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記送信部は、GPS機能の付いたICタグであることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記テレビジョン帯域信号は、地上波デジタル放送用のテレビジョン信号であることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記対象物の位置情報は、上記地上基地局の設置位置情報であることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記対象物の位置情報は、GPS情報であることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記GPS情報は、DGPS情報であることを特徴とする請求項6記載の探索位置確認システム。
- 上記対象物の位置情報は、地上波デジタル放送用テレビジョン信号に含まれるデータ信号の一部に挿入されることを特徴とする請求項4記載の探索位置確認システム。
- 上記個別識別情報は、無線電話番号に特定の番号を付加されたものであることを特徴とする請求項1記載の探索位置確認システム。
- 上記特定の番号は、上記対象物を識別できる番号であることを特徴とする請求項9記載の探索位置確認システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003070882A JP2004282400A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 探索位置確認システム |
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JP2003070882A JP2004282400A (ja) | 2003-03-14 | 2003-03-14 | 探索位置確認システム |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004282400A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006297068A (ja) * | 2005-03-25 | 2006-11-02 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 監視装置、被介護者監視装置、介護管理装置、介護者端末装置、および、それらを用いた介護支援システム、ならびに、介護支援方法 |
JP2008175913A (ja) * | 2007-01-16 | 2008-07-31 | Denso Corp | 無線icタグ、タグ情報遠隔取得システム、地図配信システム |
JP2015184873A (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-22 | 大日本印刷株式会社 | 探索システム及び探索装置 |
-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003070882A patent/JP2004282400A/ja active Pending
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