JP2004282037A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】チップの抗折強度の低下を抑制でき、組み立て工程や信頼性試験などで半導体チップが割れるのを防止できる半導体装置の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】半導体ウェーハ21中に半導体素子を形成し、この半導体ウェーハをダイシングライン24に沿ってダイシングする。その後、半導体ウェーハのダイシング領域26にレーザー光線28を照射し、ダイシングによって形成された切削条痕を溶融または気化することを特徴としている。半導体ウェーハを分割するためのダイシング工程の後に、半導体チップ25−1,25−2,25−3,…の上辺及び側面に対してレーザー光線を照射することによって、切断面を溶融または気化して切削条痕による歪みやチッピングを除去するので、半導体チップの抗折強度を強くできる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置に関するもので、特に半導体ウェーハを分割して半導体チップを形成するためのダイシング工程及びダイシング装置に係るものである。
従来、半導体装置の製造工程におけるダイシング工程は、例えば図10(a),(b),(c)に示すように行っている。すなわち、図10(a),(b)に示すように、素子形成の終了した半導体ウェーハ11をダイシングライン12−1,12−2,…の一方向に沿って、ダイヤモンドブレード(砥石)13を用いて切削する。次に、ウェーハ11を90°回転させ、図10(c)に示すように、ダイシングした方向と直交する方向に更にダイシングすることにより、個々の半導体チップ14−1,14−2,14−3,…に分割する。
上記ダイシング工程には、ウェーハ11を完全に切断するフルカット法と、ウェーハ11の厚さの1/2程度までダイシングまたはウェーハ11が30μm程度残る深さまでダイシングを行うハーフカット法とがある。
上記ハーフカット法では、ダイシングの後に分割作業が必要とされ、ウェーハ11を柔軟性のあるフィルムなどに挟み、ローラーで外力を加えて分割する。ダイシング前に粘着シートに貼り付けた場合には、このシート越しにやはりローラーその他で外力を加えて分割する。
分割されたウェーハ11は、ダイボンディング工程によりチップ14−1,14−2,14−3,…毎にリードフレームにマウントされる。この際、ピックアップニードルによってチップ14−1,14−2,14−3,…毎に粘着シートの裏面を突き上げ、この粘着シートを貫通してチップの裏面にニードル(針)を直接接触させ、更に持ち上げて各々のチップを粘着シートから引き離す。引き離したチップは、コレットと呼ばれるツールでチップ表面を吸着して搬送し、リードフレームのアイランドにマウントする。
続いて、ワイヤボンディング工程を行ってチップ14−1,14−2,14−3,…の各パッドとリードフレームのインナーリード部とを電気的に接続する。チップをTABテープに実装する場合には、加熱したボンディングツールを用いてチップの各パッドとTABテープのリード部とを電気的に接合する。
その後、パッケージング工程を行い、樹脂製やセラミック製のパッケージに封止して半導体装置を完成する。
しかしながら、上記のような製造方法では、ダイシング工程において、半導体チップの側面に、切削条痕により歪みやチッピングと呼ばれる欠けが発生し、チップの抗折強度が低下する。このため、リードフレームやTABテープへのマウント工程に先立って行われるピックアップ工程で加わる圧力、あるいはパッケージ材料とチップとの熱膨張特性の相違により発生する応力が加わると、歪みやチッピングへの応力集中によって、この歪みやチッピングを起点としてチップが割れてしまう。
近年では、半導体チップを例えばカード状の薄いパッケージに内蔵するために、半導体ウェーハを切断する際に、ウェーハのパターン形成面(半導体素子の形成面)の裏面を砥石による研削及び遊離砥粒による研磨などにより薄くし、その後ダイシングして切断する製造方法が採用されている。また、より薄いチップを形成するために、先ダイシング(DBGとも呼ぶ、Dicing Before Grindingの略)法と呼ばれる技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。先ダイシング法では、ウェーハの素子形成面側から所定の深さに切り込み(ハーフカット)を入れた後、ウェーハの裏面を研削することにより個片化と薄厚化を同時に行う。
このような技術では、半導体ウェーハの裏面を研磨することによって、チップの裏面、あるいは側面と裏面とのエッジ部に発生するチッピングを除去できるが、半導体チップの側面に形成される切削条痕による歪みやチッピングを除去することはできない。このため、チップの薄厚化による抗折強度の低下は避けられず、半導体チップをパッケージングするまでの組み立て工程や信頼性試験などで半導体チップが割れてしまい不良品が発生するという問題を完全に解決することはできない。
そこで、最近では、上述したような機械的な切削によるダイシングに代えて、レーザー光線の照射により半導体ウェーハを切断する技術が注目されている(例えば特許文献2参照)。レーザー光線の照射による切断では、機械的切削による条痕やチッピングをなくすことができる。しかし、レーザー光線には大きな出力が必要であり、チップの側面に溶融後の再結晶化によるダメージが入ったり、凹凸面が形成されたりして抗折強度の低下は避けられない。また、レーザー光線の照射によって溶融した物質が飛散し、チップの表面を汚染する。更に、粘着シート越しに半導体ウェーハを切断する場合には、レーザー光線の焦点位置(ウェーハの深さ方法)を変えて2回照射する必要があり、ダイシング工程が複雑化するという問題がある。
特開昭61−112345号公報 特開2001−144037
上記のように従来の半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置では、半導体チップの裏面や側面に、切削条痕による歪みやチッピングが発生し、チップの抗折強度が低下する、という問題があった。
また、半導体ウェーハにおける裏面研削や研磨を行うことにより、裏面側の切削条痕を除去できるが、チップの側面に発生する切削条痕は除去できないためチップの抗折強度の向上には限界がある、という問題があった。
更に、レーザー光線を照射して半導体ウェーハを切断することにより、切削条痕の問題を解決できるが、大出力のレーザー光線を照射する必要があり、蒸発物の付着によるチップ表面の汚染、ダメージや凹凸面の形成による抗折強度の低下は避けられない、という問題があった。
この発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、チップの抗折強度の低下を抑制でき、組み立て工程や信頼性試験などで半導体チップが割れるのを防止できる半導体装置の製造方法を提供することにある。
また、ダイシングによるチップの抗折強度の低下を抑制できる半導体装置の製造装置を提供することにある。
この発明の一態様によれば、半導体ウェーハ中に半導体素子を形成する工程と、前記半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成する工程と、前記半導体ウェーハのダイシング領域にレーザー光線を照射し、ダイシングによって形成された切削条痕を溶融または気化する工程と、前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付ける工程と、前記半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記溝に達する深さまで研削する工程とを具備する半導体装置の製造方法が提供される。
また、この発明の一態様によれば、半導体ウェーハ中に半導体素子を形成する工程と、前記半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成する工程と、前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付ける工程と、前記半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記溝に達する深さまで研削する工程と、前記研削工程で前記半導体ウェーハが分割されて形成された半導体チップの前記ダイシング領域にレーザー光線を照射し、ダイシングによって形成された切削条痕を溶融または気化する工程とを具備する半導体装置の製造方法が提供される。
上記のような製造方法によれば、ダイシングの後で、ダイシング領域にレーザー光線を照射して溶融または気化して側面を処理するので、半導体チップの側面に形成された切削条痕による歪みやチッピングを除去でき、抗折強度の低下を抑制できる。よって、組み立て工程や信頼性試験などで半導体チップが割れるのを防止できる。
更に、この発明の一態様によれば、半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成するダイサーと、前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付けるテープ貼り付け装置と、前記半導体ウェーハにおける半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記ハーフカットによって形成された溝に達する深さまで研削する研削装置と、前記ダイサーによるダイシング位置に対応してレーザー光線の照射位置を移動し、前記半導体ウェーハのダイシング領域に形成された切削条痕を溶融または気化するレーザー照射装置とを具備する半導体装置の製造装置が提供される。
上記のような製造装置によれば、ダイサーによるダイシング領域とレーザー光線の照射位置のアライメント調整することなく、ダイシングに続いてレーザー光線の照射によるチップ側面の処理を連続的に行うことができる。この結果、ダイシング工程を複雑化することなく、チップの抗折強度の低下を抑制できる。
この発明によれば、チップの抗折強度の低下を抑制でき、組み立て工程や信頼性試験などで半導体チップが割れるのを防止できる半導体装置の製造方法が得られる。
また、ダイシングによるチップの抗折強度の低下を抑制できる半導体装置の製造装置が得られる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1及び図2はそれぞれ、この発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置について説明するためのもので、図1はダイシング工程、図2はダイシング領域へのレーザー光線の照射によるダイシング領域の処理工程を示している。
まず、周知の製造工程により、半導体ウェーハ中に種々の半導体素子を形成する。
次に、シート貼り付け装置により、上記素子形成が終了した半導体ウェーハ21の素子形成面の裏面に、粘着シート22を貼り付け、この粘着シート22をダイシングテーブルに吸着して固定する。そして、半導体ウェーハ21の主表面側から、ダイサー(例えばダイヤモンドブレード23)を用いてダイシングライン24に沿ってダイシングして個々の半導体チップ25−1,25−2,25−3,…に切断する。
その後、図2に示すように、上記ダイヤモンドブレード22によるダイシング領域26にレーザー照射装置27からレーザー光線28を照射し、ダイシング領域26におけるチップ側面の表面部を溶融または気化する処理を行う。上記レーザー照射装置27は図示矢印方向に移動し、上記ダイシング領域26に沿ってレーザー光線28を照射して行く。
上記レーザー照射装置27には、YAG−THGレーザー、YVO4レーザー及びCOレーザーなどが使用できる。YAG−THGレーザー(波長355nm)を用い、Qsw周波数を50kHz、平均出力を約1.5W、溶融径を約15μm、走査速度(移動速度)5mm/secに設定して行った実験によると、切断面を溶融または気化して切削条痕による歪みやチッピングを十分に除去できることが確認できた。条件を変えて行った実験では、レーザー光線28の波長が266nm〜1064nm、平均出力が0.8〜4.5W、走査速度1〜400mm/secの範囲で効果が得られた。レーザー光線の出力が小さく、走査速度が速い場合には、切断面が溶融して再結晶化する。一方、レーザー光線の出力が大きく、走査速度が遅い場合には、切断面が気化する。また、レーザー光線の波長が短いと切れ味がシャープになり、ダメージを与え難い。レーザー光線28の波長、平均出力及び走査速度などの条件を、半導体ウェーハやチップのサイズ、厚さなどに応じて設定することにより、表面の状態を最適化できる。
以降は、周知の半導体装置の製造方法と同様であり、ダイボンディング工程を行って、チップ25−1,25−2,25−3,…をリードフレームにマウントする。この際、ピックアップニードルによってチップ25−1,25−2,25−3,…毎に粘着シート22の裏面を突き上げ、この粘着シート22を貫通して(必ずしも貫通しなくても良い)チップ裏面にニードルを直接接触させ、更に持ち上げて各々のチップを粘着シート22から引き離す。引き離したチップは、コレットでチップ表面を吸着して搬送し、リードフレームのアイランドにマウントする。
引き続き、ワイヤボンディング工程を行ってチップの各パッドとリードフレームのインナーリード部とを電気的に接続する。チップ25−1,25−2,25−3,…をTABテープに実装する場合には、加熱したボンディングツールを用いてチップの各パッドとTABテープのリード部とを電気的に接合すれば良い。
その後、パッケージング工程を行い、樹脂製やセラミック製のパッケージに封止して半導体装置を完成する。
このような製造方法によれば、半導体チップ25−1,25−2,25−3…のダイシング領域26にレーザー光線28を照射して溶融処理または気化処理するので、半導体チップの側面に形成された切削時の条痕による歪みやチッピングを除去でき、チップの抗折強度を向上できる。よって、半導体チップをパッケージングするまでの組み立て工程(ピックアップ工程や樹脂封止工程)や信頼性試験などで半導体チップが割れて不良品が発生するのを防止できる。更に、レーザー光線の照射によるダイシングに比べて、蒸発物の付着によるチップ表面の汚染も少なくできる。
図3(a)は従来の製造方法及び製造装置で形成した半導体チップの側面の顕微鏡写真であり、図3(b)は本実施の形態の製造方法及び製造装置で形成した半導体チップの側面の顕微鏡写真である。図3(a),(b)を比較すれば明らかなように、従来の製造方法及び製造装置で形成された半導体チップの側面にはダイシングの際の多数の切削条痕が存在しているのに対し、レーザー光線で表面処理した半導体チップの側面は滑らかである。よって、応力の集中が起こり難く、チップの抗折強度を向上できる。この結果、ピックアップ工程や樹脂封止工程、信頼性試験などにおける半導体チップのクラックなどの不良の発生を抑制できる。また、ダイシングによるチップの抗折強度の低下を抑制できる。
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、ダイシング時に半導体ウェーハ21をフルカットする場合を例に取って説明した。しかし、半導体ウェーハ21をハーフカットして溝を形成し、裏面研削して分割する製造工程(先ダイシング法)にも同様に適用できる。
すなわち、周知の製造工程により、半導体ウェーハ中に種々の半導体素子を形成した後、半導体ウェーハ21の主表面側からダイシングラインやチップ分割ラインに沿ってダイシングし、ハーフカット溝を形成する。このハーフカット溝の形成には、例えば図1に示したようなダイヤモンドブレード23を用いる。切り込みの深さは、チップの最終仕上げ厚さよりも、およそ10〜30μm(少なくとも5μm)だけ深くする。どれだけ多めにするかは、ダイサーとグラインダーの精度により決まる。
その後、図2に示したように、上記ダイヤモンドブレード22によるダイシング領域26にレーザー照射装置27からレーザー光線28を照射し、ダイシング領域26におけるチップ側面の表面部を溶融または気化する処理を行う。レーザー照射装置27は図示矢印方向に移動し、上記ダイシング領域26に沿ってレーザー光線28を照射する。
引き続き、上記ハーフカット・ダイシングとレーザー光線による表面処理済みの半導体ウェーハ21の素子形成面に、シート貼り付け装置により、粘着シート(表面保護テープ)を貼り付け、ウェーハリングに装着する。この表面保護テープは、ウェーハの裏面を削り取り、薄くする過程で素子にダメージを与えないようにするものである。
次に、上記ウェーハ21の裏面研削を行う。裏面研削工程では、砥石のついたホイールを4000〜7000rpmの高速で回転させながらウェーハの裏面を所定の厚さに研削する。上記砥石は、人工ダイヤモンドをフェノール樹脂で固めて成形したものである。この裏面研削工程は、2軸で行うことが多い。また、予め1軸で320〜600番の砥石で荒削りした後、2軸で1500〜2000番の砥石で仕上げる方法もある。さらには、3軸で研削する方法でも良い。そして、研削が溝に達すると、半導体ウェーハ21は個々の半導体チップ25−1,25−2,25−3,…に個片化される。半導体ウェーハ21が個片化されてからも裏面研削を続けて所定の厚さにすることにより、半導体チップ21の側面と裏面とが交わる位置に形成されたチッピングを除去することができる。
引き続き、ウェットエッチング装置を用いたウェットエッチング、プラズマエッチング装置を用いたプラズマエッチング、ポリッシング装置を用いたポリッシング、バフ研磨装置を用いたバフ研磨、あるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置を用いたCMPなどにより、半導体チップの裏面に鏡面加工を施して平坦化する。これによって、裏面研削の研削条痕を除去できるので、より抗折強度を高めることができる。
以降は、周知の半導体装置の製造方法と同様であり、半導体チップのピックアップ工程、リードフレームやTABテープへのマウント工程、パッケージへの封止工程等の実装工程を経て半導体装置を完成する。
このような製造方法によれば、半導体チップ25−1,25−2,25−3…のダイシング領域26にレーザー光線28を照射して溶融処理または気化処理するので、半導体チップの側面に形成された切削時の条痕による歪みやチッピングを除去でき、チップの抗折強度を向上できる。よって、半導体チップをパッケージングするまでの組み立て工程(ピックアップ工程や樹脂封止工程)や信頼性試験などで半導体チップが割れて不良品が発生するのを防止できる。また、ダイシングによるチップの抗折強度の低下を抑制できる。更に、レーザー光線の照射によるダイシングに比べて、蒸発物の付着によるチップ表面の汚染も少なくできる。
なお、上記第2の実施の形態では、裏面研削工程の前にレーザー光線を照射してダイシング領域の処理を行ったが、裏面研削工程の後で半導体ウェーハが分割されて形成された半導体チップの側面(ダイシング領域)にレーザー光線を照射しても良い。
図4は、従来の製造方法及び製造装置とこの発明の第1,第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を比較して示すもので、チップの抗折強度[MPa]と不良発生率[%]との関係を示している。○印は従来の製造方法、□印はこの発明の第2の実施の形態に係る製造方法、△印はこの発明の第1の実施の形態に係る製造方法におけるチップの抗折強度[MPa]と不良発生率[%]をそれぞれプロットしたものである。
この発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、抗折強度は大幅に上昇し、これに伴って不良発生率が低下している。また、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法では、チップが薄いため抗折強度が低下するにも拘わらず、従来の製造方法に比べて抗折強度を高くでき、不良発生率も低くなる。従って、半導体チップをパッケージングするまでの組み立て工程(ピックアップ工程や樹脂封止工程)や信頼性試験などで半導体チップが割れて不良品が発生するのを防止できる。
上記第1,第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置は、層間絶縁膜にLow−K膜と呼ばれる低誘電率膜を用いた場合の剥離防止にも効果がある。すなわち、層間絶縁膜にLow−K膜を用いると、ブレードダイシング時にフルカット法、ハーフカット法にかかわらずクラックが発生し、温度サイクル試験(TCT:Temperature Cycling Test)時に剥離が発生する。図5(a)はブレードダイシングした半導体チップの側面の顕微鏡写真であり、図5(b)はTCTを500回繰り返したときの半導体チップの側面の顕微鏡写真である。図5(a)に示すようにダイシング時には比較的良好な切断面であっても、Low−K膜を用いると熱ストレスによって基板やLow−K膜間に微小なクラックが形成されていることがわかる。このクラックは、Low−K膜の剥離の要因となる。
一方、レーザーダイシングでは、図6(a)に示すように切断面は良好であり、TCTを500回繰り返した後でも図6(b)に示すように大きな異常は見られなかった。また、SAT(Scanning Acoustic Topography)による測定でも特に異常は検出されなかった。しかし、FIB(Focused Ion Beam)法を用いた測定では、図7に示すようなLow−K膜の破壊による剥離が確認された。図7において、左下のコーナー部から中央部付近にいたる白色の部分に剥離が発生している。
すなわち、Low−K膜を層間絶縁膜に用いると、ブレードダイシングとレーザーダイシングのいずれでもTCT時に剥離の問題を回避できないが、上述した第1,第2の実施の形態のようにブレードダイシング後に切断面にレーザー照射を行うことにより、Low−K膜の露出面を溶融または気化して固着させ、図8に示すように剥離を防止できる。図8は、ブレードダイシング後に切断面にレーザー照射を行った時のFIB(Focused Ion Beam)法による測定結果を示している。図8と図7を対比すれば明らかなように、図8には剥離を示す白色の部分は存在せず、チップ表面のパターンが表れている。
なお、本発明は上記第1,第2の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
[変形例1]
半導体ウェーハを水中に収容する処理槽を設け、レーザー光線を水中で照射することにより、温度制御が容易になり、レーザー光線の照射によるチップ温度の上昇を抑制できる。
[変形例2]
また、半導体ウェーハを収容する真空チャンバーを設け、レーザー光線を真空中で照射することにより、レーザー光線の照射によって気化した物質を付着し難くでき、半導体チップの汚染を低減できる。
[変形例3]
上記第1,第2の実施の形態では、ダイシング工程とレーザー光線の照射工程を別の工程で行う場合を例に取って説明した。しかし、図9に示すように、ダイヤモンドブレード23のダイシング方向と、レーザー照射装置27から照射されるレーザー光線28の照射位置を予めセンター合わせして治具29に固定しておけば、ダイシング領域26とレーザー光線28の照射位置とのアライメント調整することなく、ダイシングに続いてレーザー光線の照射によるダイシング領域の処理を連続的に行うことができる。
この図9に示す変形例は、半導体ウェーハをフルカットする第1の実施の形態とハーフカットする第2の実施の形態の両方に適用できる。
以上第1,第2の実施の形態と変形例1乃至3を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施の形態やその変形例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば各実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
この発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置について説明するためのもので、ダイシング工程を示す斜視図。 この発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置について説明するためのもので、レーザー光線の照射によるチップの側面の処理工程を示す斜視図。 従来及びこの発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置で形成した半導体チップの側面を比較して示す顕微鏡写真。 従来及びこの発明の第1,第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置で形成した半導体チップを比較して示すもので、チップの抗折強度と不良発生率との関係を示す図。 ブレードダイシングした半導体チップの側面、及びTCTを500回繰り返したときの半導体チップの側面の顕微鏡写真。 レーザーダイシングした半導体チップの側面の顕微鏡写真、及びTCTを500回繰り返したときの半導体チップの側面の顕微鏡写真。 レーザーダイシングした半導体チップのFIB法による測定結果を示す写真。 本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法で形成した半導体チップのFIB法による測定結果を示す写真。 この発明の第1,第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置の変形例について説明するための斜視図。 従来の半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置について説明するためのもので、半導体ウェーハを分割して個々の半導体チップを形成するためのダイシング工程及びダイシング装置を示す斜視図。
符号の説明
21…半導体ウェーハ、22…粘着シート、23…ダイヤモンドブレード、24…ダイシングライン、25−1,25−2,25−3…半導体チップ、26…ダイシング領域、27…レーザー照射装置、28…レーザー光線、29…治具。

Claims (5)

  1. 半導体ウェーハ中に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成する工程と、
    前記半導体ウェーハのダイシング領域にレーザー光線を照射し、ダイシングによって形成された切削条痕を溶融または気化する工程と、
    前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付ける工程と、
    前記半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記溝に達する深さまで研削する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 半導体ウェーハ中に半導体素子を形成する工程と、
    前記半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成する工程と、
    前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付ける工程と、
    前記半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記溝に達する深さまで研削する工程と、
    前記研削工程で前記半導体ウェーハが分割されて形成された半導体チップの前記ダイシング領域にレーザー光線を照射し、ダイシングによって形成された切削条痕を溶融または気化する工程と
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 前記レーザー光線の波長は266nm〜1064nmであり、出力は0.8W〜4.5Wであり、照射位置の移動速度は1mm/sec〜400mm/secであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記レーザー光線の照射で、前記ダイシング領域に露出された低誘電率膜を溶融または気化して固着することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1つの項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体ウェーハをダイシングラインに沿ってハーフカット・ダイシングして溝を形成するダイサーと、
    前記半導体ウェーハにおける前記半導体素子の形成面に粘着テープを貼り付けるテープ貼り付け装置と、
    前記半導体ウェーハにおける半導体素子の形成面の裏面を、少なくとも前記ハーフカットによって形成された溝に達する深さまで研削する研削装置と、
    前記ダイサーによるダイシング位置に対応してレーザー光線の照射位置を移動し、前記半導体ウェーハのダイシング領域に形成された切削条痕を溶融または気化するレーザー照射装置と
    を具備することを特徴とする半導体装置の製造装置。
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