JP2004281806A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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徹志 樋原
Toshinobu Morioka
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Abstract

【課題】基板上でつなぎ合わせ露光する際に、露光順序を容易に確認する。
【解決手段】第1パターンAと第2パターンBとを基板Pのショット領域につなぎ合わせて露光する露光装置1において、ショット領域へのつなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示する表示装置13を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクのパターンを基板上に露光する露光装置および露光方法に関し、特に、複数のパターンを基板上でつなぎ合わせて露光する際に用いて好適な露光装置および露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板に対して所定の処理を施す基板処理装置としては、ウエハやガラスプレート等の基板に対して露光処理を施してマスクやレチクル(以下、レチクルと称する)に形成されたパターンを転写し、半導体素子や液晶ディスプレイを製造する露光装置が知られている。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)を製造する露光装置においては、いわゆるステップ・アンド・リピート方式(以下、ステッパーと称する)が数多く使用されている。このステッパにおいては、レチクル上に形成されたLCDのパターンをガラスプレートの所定の領域に露光した後、ガラスプレートが載置されているステージを一定距離だけステッピング移動させて、ガラスプレートの別の領域に再び露光を行っている。そして、このような動作を基板上の全ての領域に対して繰り返し行うことにより、ガラスプレート全体の露光が完了する。
【0003】
従来、例えば液晶表示素子用のLCDパターンをステッパーで形成する際には、通常画面合成法が用いられている。この画面合成法は、図10に示すように、単一のLCDパターン(合成パターン)LPを例えば2行3列の6つのパターンA〜Fに分割し、各分割パターンA〜Fにそれぞれ対応する複数のレチクルを用い、一枚のレチクルに対応するガラスプレートPのショット領域(露光領域)PAに該レチクルのパターンAを露光した後に、ガラスプレートPをステップさせるとともにレチクルを別のものに交換し、このレチクルに対応するショット領域PBに該レチクルのパターンBをつなぎ合わせて露光することを順次繰り返すことにより、ガラスプレートP上のショット領域PA〜PFに複数の分割パターンA〜Fが合成されたLCDパターンLPを形成するものである(特許文献1参照)。
【0004】
これら複数のショット領域PA〜PFの位置、露光順序、あるいは露光順序の最適化に関する露光データは、予めオペレータがコントローラが持つ画面上にて設定、編集することで作成されている。そして、これらの露光データを基に、ガラスプレートPを保持する基板ステージが駆動されることで、所定のショット領域PA〜PFに上記パターンA〜Fが順次露光される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−109161号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の露光装置には、以下のような問題が存在する。
上記ショット領域の位置情報は、ガラスプレートPを模写したショット領域のレイアウトを画面上に描画することで視覚的に容易に確認できたが、露光順序に関する情報の確認は容易ではなかった。すなわち、露光データとして設定された露光順序は、図11に示すようなデータ編集画面で、羅列された数値を確認するしかなく、視覚的な認識が困難であった。
【0007】
また、ショット領域の位置とその露光順序との相関関係を確認するには、上記レイアウト画面とデータ編集画面とを切り替える必要があり、視覚的な認識の困難に拍車をかけるだけではなく、作業が繁雑になるという問題があった。特に、露光順序を最適化して編集した際には、変更後の露光データを確実、且つ迅速に確認するという要望が強かった。
【0008】
しかも、複数のレチクルを用いて一枚のガラスプレートP上にLCDパターンを複数形成する場合は、同じレチクルを用いるショット領域を連続して露光することが多く露光経路も多岐に亙るため、露光順序の確認が一層困難になり、より視覚的に容易に確認する必要性があった。
【0009】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、基板上でつなぎ合わせ露光する際に、露光順序を容易に確認できる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。また、本発明の別の目的は、複数のレチクルを用いたり、基板上に複数の合成パターンをつなぎ合わせ露光する際にも、露光順序を容易に確認できる露光装置および露光方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は、実施の形態を示す図1ないし図8に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置は、第1パターン(A)と第2パターン(B)とを基板(P)のショット領域(PA、PB)につなぎ合わせて露光する露光装置(1)において、ショット領域(PA、PB)へのつなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示する表示装置(13)を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の露光方法は、第1パターン(A)と第2パターン(B)とを基板(P)のショット領域(PA、PB)につなぎ合わせて露光する露光方法において、ショット領域(PA、PB)へのつなぎ合わせ露光順序を設定した際に、該つなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示することを特徴とするものである。
【0012】
従って、本発明の露光装置および露光方法では、基板(P)上に第1パターン(A)と第2パターン(B)とをつなぎ合わせるように露光データを設定、編集した際に、表示装置(13)に露光順序に関する情報が表示されるので、設定、編集した露光順序を容易、且つ迅速に確認できる。このとき、表示装置(13)に、ショット領域(PA、PB)の配列とこの配列における露光順序を示す記号(Y、YA〜YD)とを表示させたり、露光順序に対応した色で区分されたショット領域(PA、PB)の配列を表示させることで、視覚的に露光順序を認識でき、より露光順序の確認が容易になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置の第1の実施の形態を、図1ないし図4を参照して説明する。ここでは、例えば、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置において、図1に示すように、6枚のレチクル(マスク)RA、RB、RC、RD、RE、RF(これらの符号RA〜RFを適宜Rと総称する)を搭載するレチクルチェンジャー用い、図10に示したように、各レチクルRA〜RFに形成された分割パターンA〜Fによりガラスプレート(基板)P上に、液晶表示デバイスのパターンLPを画面合成する場合の例を用いて説明する。これらの図において、従来例として示した図10および図11と同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
図1は、露光装置1の概略構成図である。露光装置1は、露光光によりレチクルRに形成されたパターンをガラスプレートPに投影露光するものであって、照明光学系2と、露光ステージ3と、レチクルステージとしてのレチクルチェンジャー4と、投影光学系PLと、ガラスプレートPを保持して移動するプレートステージ5と、制御部6とを主体として構成されている。なお、投影光学系PLの光軸AX方向をZ方向とし、このZ方向に直交してレチクルRA〜RFが配列される方向をX方向とし、これらZ方向、X方向に直交する方向をY方向とする。
【0015】
照明光学系2は、超高圧水銀ランプ等の光源(不図示)から出射した露光光から、露光に必要な波長(g線やi線)を選択するとともに、照度が均一化された露光光によりレチクルRを重畳的に照明するものである。なお、照明光学系2には、露光光の照明領域を設定するための、例えばL字形状をなす一対のブラインド(不図示)が含まれており、これらのブラインドの開口によって上記照明領域が設定される。これらのブラインドの駆動は、制御部6によって制御されている。
【0016】
露光ステージ3は、投影光学系PLの光軸AXとほぼその中心が一致する矩形開口を有しており、不図示の駆動機構を介してX、Y、θ(Z軸周りの回転)方向に駆動されるようになっている。この駆動機構は、制御部6に制御されている。また、露光ステージ3の下方には、矩形開口の真下に移動してきたレチクルRを真空吸着により保持する保持機構(不図示)が設けられており、この保持機構も制御部6に制御される。
【0017】
レチクルチェンジャー4は、露光ステージ3の下方に配置されZ方向およびX方向に移動自在になっており、駆動機構11を介して制御装置6によってZ方向およびX方向に駆動される。レチクルチェンジャー4としては、X方向に沿って6枚のレチクルRA〜RFを搭載可能なものが使用されている。
【0018】
投影光学系PLは、レチクルRの照明領域に存在するパターンの像をガラスプレートP上に結像させる。そして、ガラスプレートP上に塗布された感光剤が感光することで、ガラスプレートP上にパターン像が転写される。
【0019】
プレートステージ5は、ガラスプレートPを保持するものであって、駆動機構7によってXY座標系上を二次元に移動可能に構成されている。このプレートステージ5上には、不図示の移動鏡がX方向およびY方向に沿ってそれぞれ設置されている。そして、プレートステージ5の位置(ひいてはガラスプレートPの位置)は、レーザ干渉計8a、8bからそれぞれ出射されたレーザ光が移動鏡で反射してレーザ干渉計8a、8bに入射し、その反射光と入射光との干渉に基づいて正確に計測されるようになっている。
【0020】
また、この露光装置1には、レチクルRをアライメントする一対のレチクルアライメント系9と、ガラスプレートPをアライメントするオフアクシス方式のプレートアライメント系10とが備えられている(なお、プレートアライメント系10は、図1中、投影光学系PLの−X側にのみ配置されているが、実際には投影光学系PLの+X側にも2つ配置されている)。これらアライメント系9、10のアライメント方式としては、He−Neレーザ等を使用するLSA方式およびLIA方式や画像処理を行うFIA方式または露光光を使用する露光光アライメント方式が採用される。
【0021】
制御部6には、露光処理に用いる露光データ(レシピデータ)を設定、編集するための入力部(設定部)12と、データ編集画面や露光順序表示画面等を切替可能に表示する表示装置13とが設けられている。そして、入力部12から入力されたデータは、制御部6に保持・記憶され、制御部6が表示装置13に適宜表示させる構成になっている。露光データとしては、ガラスプレートP上に分割パターンA〜Fが露光されるショット領域PA〜PFの位置、大きさ、露光順序、露光量等の設計データが設定される。
【0022】
上記の構成の露光装置1により、レチクルRA〜RFの分割パターンA〜FをガラスプレートP上につなぎ合わせてLCDパターンLPを画面合成する手順を説明する。
【0023】
まず、予め入力部12からガラスプレートP上でのショット領域PA〜PFの位置や露光順序等の露光データを入力する。ここでは、ガラスプレートP上で分割パターン(第1パターン)Aを最初に露光した後に分割パターン(第2パターン)B〜分割パターンFを順次露光する順序を図11に示したデータ編集画面で設定したものとする。入力が完了すると表示装置13は、制御部6の指示により、図2に示すように、露光順序表示画面においてショット領域PA〜PFの配列レイアウトとレイアウト中での露光順序を示す矢印記号(記号)Yとを表示する。このとき、最初に露光を行うショット領域PAのみを他のショット領域と色を変えて表示することで、露光順序に対する視覚的認識をより容易にしてもよい。
【0024】
露光データ入力後、ショット領域PA〜PFのX方向の配列ピッチがY方向の配列ピッチよりも小さく、Y方向のステップ移動を多くした方がプレートステージ5の移動距離が短い等、露光順序の最適化により露光順序を分割パターンA→F→E→B→C→Dに変更する場合は、データ編集画面における露光順序(ショット順序)を編集する。これにより、図3に示すように、画面上で露光順序に対応する位置(行、列)が切り替わる。そして、編集が終了すると露光順序表示画面では、図4に示すように、ショット領域のレイアウト中での矢印記号が切り替えられて表示される。
【0025】
このように、画面表示でショット領域PA〜PFの位置、分割パターンA〜Fの露光順序を確認すると、設定・編集した露光データに基づいて露光処理を実行する。具体的には、まず、制御部6が、駆動機構11を介してレチクルチェンジャー4をX方向およびZ方向に駆動して、図1に示されるように、露光ステージ3の位置にレチクル(第1のマスク)RAを概略的に位置決めした後、レチクルRAを露光ステージ3に保持させる。そして、制御部6は、レチクルアライメント系9が検出可能な領域にレチクルRAのアライメントマークが位置するように駆動機構を用いて速やかに露光ステージ3のX、Y、θ微動(プリアライメント)を行う。
【0026】
そして、レチクルアライメント系9によってアライメントマークの位置検出が実行されると、制御部6は検出されたアライメントマークの位置に基づいて駆動機構を介してレチクルRAの位置決めを行う。この後、プレートアライメント系10と投影光学系PLとの距離(ベースライン量)に基づいて、レチクルRAに対応するガラスプレートP上のショット領域PAが投影光学系PLの直下に位置するようにプレートステージ5を駆動して位置決めするとともに、投影光学系PLの結像特性等を調整した後、レチクルRAの分割パターンAをガラスプレートP上に露光する。
【0027】
続いて、レチクルチェンジャー4を駆動して露光ステージ3の位置にレチクル(第2のマスク)RBを位置決めするとともにショット領域PBが投影光学系PLの直下に位置するようにプレートステージ5を位置決めした後、上記と同様に、レチクルRBの分割パターンBをガラスプレートP上に露光する。このように、レチクルチェンジャー4とプレートステージ5とを駆動することにより、上記で設定・編集した露光順序によりレチクルRA〜RFのパターンが順次ガラスプレートPに露光されてLCDパターンLPが画面合成される。
【0028】
本実施の形態の露光装置および露光方法では、つなぎ合わせ露光に関する情報が表示装置13の露光順序表示画面で表示されるので、露光データ設定後や編集後に、パターンA〜Fのショット領域PA〜PFの位置と露光順序との相関関係を容易に確認することができる。しかも、本実施の形態では、ショット領域PA〜PFの配列レイアウトに矢印記号Yとを表示することで、数字の羅列に基づいて確認する場合と比較して上記相関関係を視覚的に一目で容易に確認することができる。
【0029】
図5は、本発明の露光装置および露光方法の第2の実施の形態を示す図である。この図において、図1ないし図4に示す第1の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、表示装置13の露光順序表示画面の表示である。
【0030】
すなわち、図5に示すように、露光データの設定・編集が完了すると、露光順序表示画面には、ショット領域PA〜PF毎に区分して塗色された配列レイアウトが表示される。この場合、各ショット領域は同色で、且つ露光順序に従って濃い色から漸次淡い色になるように濃淡を付して塗色される。
【0031】
本実施の形態の露光装置および露光方法では、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られることに加えて、ショット領域PA〜PFの位置およびその露光順序を色で区分しているので、矢印記号よりも塗色領域の方が表示面積が大きくなり、設定・編集した露光順序を一層明瞭、且つ迅速に視覚的に認識することができる。
【0032】
なお、上記実施の形態のように、ショット領域の位置および露光順序を色で区分して表示する方法としては、図6に示すように、各ショット領域が順次塗色・消色されて露光順序に従って塗色部が進行する方法や、図7に示すように、露光順序に従ってショット領域の塗色が順次進行する方法でもよい。この場合、露光順序が動的に表示されることになり、視覚的な認識が一層向上する。(なお、図6、図7に示す矢印は、塗色部が進行する様子を示すもので、画面上には表示されない。ただし、塗色進行と矢印記号の双方とを表示してもよい。)
【0033】
図8は、本発明の露光装置および露光方法の第3の実施の形態を示す図である。この図において、図1ないし図4に示す第1の実施の形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。第2の実施の形態と上記の第1の実施の形態とが異なる点は、ガラスプレートP上のLCDパターンLPの構成および個数である。
【0034】
すなわち、図8に示すように、本実施の形態では、LCDパターンLPは、4つの分割パターンA〜Dがつなぎ合わされて合成される。また、LCDパターンLPは、ガラスプレートP上に複数(ここでは4つ)互いに間隔をあけて矩形配置で形成される。なお、各LCDパターンLP間で分割パターンA〜Dは同一であるが、ここでは、便宜上、各LCDパターンLPが分割パターンA1〜D1、A2〜D2、A3〜D3、A4〜D4でそれぞれ画面合成されるものとして説明する。
【0035】
この場合、レチクル交換に要する時間を短縮するため、レチクルRAで分割パターンA1を露光した後、同じレチクルRAで分割パターンA2〜A4を露光する。同様に、レチクルRBを使用する場合は分割パターンB1〜B4を、レチクルRCを使用する場合は分割パターンC1〜C4を、レチクルRDを使用する場合は分割パターンD1〜D4をそれぞれ連続して露光する。なお、このとき、レチクルチェンジャー4には、レチクルRA〜RDが順次配置される。
【0036】
そして、露光データには、分割パターンA1〜A4を順次露光した後に、レチクルRBを用いた分割パターンB1〜B4の中、プレートステージ5の移動距離が短いことから、同じLCDパターンLP内の分割パターンB4を最初に露光した後に、分割パターンB1〜B3を順次露光するように設定する。同様にレチクルRCを用いる場合は、露光順序として分割パターンC3、C4、C1、C2の順に、レチクルRDを用いる場合は露光順序として分割パターンD2、D3、D4、D1の順に露光するものとして設定する。
【0037】
そして、露光データの設定が完了すると、露光順序表示画面には、露光ショットの配列レイアウト中での露光順序を示す矢印記号YA〜YDが表示される。ここで、矢印記号YA〜YDは、レチクルRA〜RDをそれぞれ用いて露光する際の露光順序を示すものである。なお、矢印記号YA〜YDは、画面上では色で区分されているが、ここでは便宜上、レチクルRAに対応する矢印記号YAを実線で示し、レチクルRBに対応する矢印記号YBを破線で示し、レチクルRCに対応する矢印記号YCを一点鎖線で示し、レチクルRDに対応する矢印記号YDを二点鎖線で示している。
【0038】
本実施の形態の露光装置および露光方法では、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られることに加えて、複数枚のレチクルRA〜RDを用いて合成されるLCDパターンLPをガラスプレートP上に複数形成する場合で、露光経路が多岐に亙っても、露光順序を視覚的に容易に確認することができる。また、本実施の形態では、矢印記号YA〜YDをレチクル毎に区分表示しているので、露光順序のみならず、露光データ中にレチクル交換が設定されたかどうかも容易に確認することができる。
【0039】
なお、上記第2の実施の形態では、露光順序を矢印記号YA〜YDで区分表示する構成としたが、これに限られず、第1の実施の形態のように、ショット領域の配列レイアウトに濃淡を付して塗色してもよい。この場合、レチクル毎に色分けし、且つ各色毎に露光順序に従って濃淡を付せばよい。さらに、上述したように、各ショット領域を順次塗色・消色させたり、露光順序に従ってショット領域の塗色を順次進行させたりする方法も適用可能である。このように、視覚的な認識を容易にすることで、数字の羅列により確認する場合に比較して、データ作成・編集等の作業効率が向上する。
【0040】
なお、上記実施の形態において、複数のレチクルRA〜RF、またはRA〜RDで画面合成を行うものとして説明したが、一枚のレチクルを用い、当該レチクルに対する照明領域を調整することで画面合成を行うものとしてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、露光順序を示す記号として、配列レイアウト上に矢印記号を表示させる構成としたが、他の記号を用いてもよい。さらに、露光順序に従ってショット領域に濃淡を付す構成に限られず、例えばショット領域毎に露光順序やレチクルに対応するように、ハッチングやスマッジングを付して表示させてもよい。
【0042】
なお、本実施の形態の基板としては、液晶ディスプレイデバイス用のガラスプレートPのみならず、半導体デバイス用の半導体ウエハや、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
【0043】
露光装置1としては、レチクルR(RA〜RF)とガラスプレートPとを静止した状態でガラスプレートPのパターンを露光し、ガラスプレートPを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)の他に、レチクルRとガラスプレートPとを同期移動してレチクルRのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニング・ステッパー;USP5,473,410)にも適用することができる。
【0044】
露光装置1の種類としては、ガラスプレートPに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限られず、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)あるいはレチクルRなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
【0045】
また、照明光学系2の光源としては、超高圧水銀ランプから発生する輝線(g線(436nm)、h線(404.nm)、i線(365nm))、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、Fレーザ(157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることができる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができる。また、YAGレーザや半導体レーザ等の高周波などを用いてもよい。
【0046】
投影光学系PLの倍率は、等倍系のみならず縮小系および拡大系のいずれでもよい。また、投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、FレーザやX線を用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にし(レチクルRも反射型タイプのものを用いる)、また電子線を用いる場合には光学系として電子レンズおよび偏向器からなる電子光学系を用いればよい。なお、電子線が通過する光路は、真空状態にすることはいうまでもない。また、投影光学系PLを用いることなく、レチクルRとガラスプレートPとを密接させてレチクルRのパターンを露光するプロキシミティ露光装置にも適用可能である。
【0047】
プレートステージ5やレチクルステージ4にリニアモータ(USP5,623,853またはUSP5,528,118参照)を用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもよい。また、各ステージ4、5は、ガイドに沿って移動するタイプでもよく、ガイドを設けないガイドレスタイプであってもよい。
【0048】
各ステージ4、5の駆動機構としては、二次元に磁石を配置した磁石ユニットと、二次元にコイルを配置した電機子ユニットとを対向させ電磁力により各ステージ4、5を駆動する平面モータを用いてもよい。この場合、磁石ユニットと電機子ユニットとのいずれか一方をステージ4、5に接続し、磁石ユニットと電機子ユニットとの他方をステージ4、5の移動面側に設ければよい。
【0049】
プレートステージ5の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−166475号公報(USP5,528,118)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
レチクルステージ4の移動により発生する反力は、投影光学系PLに伝わらないように、特開平8−330224号公報(US S/N 08/416,558)に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。
【0050】
以上のように、本願実施形態の露光装置1は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0051】
液晶表示デバイスや半導体デバイス等のデバイスは、図9に示すように、液晶表示デバイス等の機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたレチクルR(マスク)を製作するステップ202、石英等からガラスプレート(ガラス基板)P、またはシリコン材料からウエハを製作するステップ203、前述した実施の形態の露光装置1によりレチクルRのパターンをガラスプレートP(またはウエハ)に露光するステップ204、液晶表示デバイス等を組み立てるステップ(ウエハの場合、ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る露光装置は、表示装置がショット領域へのつなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示する構成となっている。
これにより、この露光装置では、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を容易に確認することができ、データ作成・編集等の作業効率が向上するという効果が得られる。
【0053】
請求項2に係る露光装置は、表示装置がショット領域の配列と、この配列における露光順序を示す記号とを表示する構成となっている。
これにより、この露光装置では、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を、記号により視覚的に容易に確認できるという効果が得られる。
【0054】
請求項3に係る露光装置は、表示装置が露光順序に対応した色で区分されたショット領域の配列を表示する構成となっている。
これにより、この露光装置では、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を、区分された色により明瞭且つ迅速に視覚的に容易に確認できるという効果が得られる。
【0055】
請求項4に係る露光装置は、つなぎ合わされた合成パターンが基板上に複数形成される構成となっている。
これにより、この露光装置では、露光経路が多岐に亙っても、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を容易に確認することができるという効果が得られる。
【0056】
請求項5に係る露光装置は、第1パターンが第1のマスクに形成され、第2パターンが第2のマスクに形成される構成となっている。
これにより、この露光装置では、マスクを複数用いる場合、露光順序のみならず、レチクル交換が行われるかどうかも容易に確認できるという効果が得られる。
【0057】
請求項6に係る露光装置は、設定部が露光順序に関する情報を設定し、制御部が設定部で設定された情報を表示装置に表示させる構成となっている。
これにより、この露光装置では、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を容易に確認することができ、データ作成・編集等の作業効率が向上するという効果が得られる。
【0058】
請求項7に係る露光方法は、ショット領域へのつなぎ合わせ露光順序を設定した際に、つなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示する手順となっている。
これにより、この露光方法では、露光データ設定後や編集後に、ショット領域の位置と露光順序との相関関係を容易に確認することができ、データ作成・編集等の作業効率が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す図であって、制御部に入力部および表示装置が設けられた露光装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す図であって、露光順序に従って配列レイアウトに矢印記号が付された表示図である。
【図3】表示装置に表示されたデータ編集画面の図である。
【図4】データ編集された露光順序に従って配列レイアウトに矢印記号が付された表示図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す図であって、露光順序に従ってショット領域が濃淡を付して色区分された表示図である。
【図6】別の表示例を示す図であって、露光順序に従ってショット領域の塗色・消色が進行する表示図である。
【図7】別の表示例を示す図であって、露光順序に従ってショット領域が順次塗色される表示図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示す図であって、一枚のガラスプレート上に複数のLCDパターンが形成された配列レイアウトに矢印記号が付された表示図である。
【図9】液晶表示デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【図10】複数の分割パターンによりつなぎ合わされて画面合成されるLCDパターンを有するガラスプレートの外観斜視図である。
【図11】表示装置に表示されたデータ編集画面の図である。
【符号の説明】
A 分割パターン(第1パターン)
B 分割パターン(第2パターン)
LP LCDパターン(合成パターン)
P ガラスプレート(基板)
R、RC、RD、RE、RF レチクル(マスク)
RA レチクル(マスク、第1のマスク)
RB レチクル(マスク、第2のマスク)
Y、YA〜YD 矢印記号(記号)
1 露光装置
6 制御部
12 入力部(設定部)
13 表示装置

Claims (7)

  1. 第1パターンと第2パターンとを基板のショット領域につなぎ合わせて露光する露光装置において、
    前記ショット領域へのつなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示する表示装置を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 請求項1記載の露光装置において、
    前記表示装置は、前記ショット領域の配列と、該配列における露光順序を示す記号とを表示することを特徴とする露光装置。
  3. 請求項1記載の露光装置において、
    前記表示装置は、前記露光順序に対応した色で区分された前記ショット領域の配列を表示することを特徴とする露光装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の露光装置において、
    前記つなぎ合わせ露光で合成された合成パターンが前記基板上に複数形成されることを特徴とする露光装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の露光装置において、
    前記第1パターンは第1のマスクに形成され、前記第2パターンは前記第1のマスクとは異なる第2のマスクに形成されていることを特徴とする露光装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の露光装置において、
    前記露光順序に関する情報を設定する設定部と、
    該設定部で設定された情報を前記表示装置に表示させる制御部とを備えることを特徴とする露光装置。
  7. 第1パターンと第2パターンとを基板のショット領域につなぎ合わせて露光する露光方法において、
    前記ショット領域へのつなぎ合わせ露光順序を設定した際に、該つなぎ合わせ露光順序に関する情報を表示することを特徴とする露光方法。
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