JP2004281750A - 固体電解コンデンサアレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のコンデンサ素子4からなるコンデンサ素子群5と、このコンデンサ素子群5のコンデンサ素子の1又は2以上の陽極導出線6のそれぞれに接続されて引き出された1又は2以上の陽極端子81〜86、101〜106と、コンデンサ素子の陰極層24に接続されて引き出された1又は2以上の陰極端子14、16と、コンデンサ素子を被覆する外装樹脂層26とを備え、陽極端子及び陰極端子を外部端子として構成している。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解コンデンサを用いた固体電解コンデンサアレイに関し、詳しくは、陽極体に弁金属粉末の焼結体を用いた固体電解コンデンサを使用し、低ESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)化、低ESL(Equivalent Series Inductance:等価直列インダクタンス)化を図った固体電解コンデンサアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、表面実装デバイスの小型化技術の飛躍的進歩により、携帯電話機、パソコン、デジタルカメラ等の電子機器では、配線基板に対する電子部品の実装は高密度化している。タンタル電解コンデンサは、小型大容量化が図れるという優れた特性を備えており、弁作用金属にはタンタル金属の他、アルミニウム、ニオブ、チタン等の金属類があるが、耐熱性、誘電体皮膜形成性の点でタンタル金属が優れている。
【0003】
ところで、このようなタンタル電解コンデンサにおいて、CPU(Central Processing Unit )の高周波に伴い、低ESR化、低ESL化が求められており、このような要請に応えるために、近年ではポリピロールやポリチオフェン、又はそれらの誘導体を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが実用化されてきている。
【0004】
このような固体電解コンデンサにおいても、CPUの高周波化に対する性能としては充分とは言えず、低ESR化、低ESL化が要請されているところである。
【0005】
このような固体電解コンデンサに関する技術には、次のような特許文献が存在している。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−125603号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平6−267802号公報
【0008】
特許文献1にはチップ型固体電解コンデンサの4端子化構造が開示され、特許文献2には固体電解コンデンサの低インピーダンス化構造が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のチップ型固体電解コンデンサの4端子化構造や固体電解コンデンサの低インピーダンス化構造では、低ESR化、低ESL化が進められてはいるものの、CPUの高周波化に対する性能としては充分とは言えず、その要請に対応することができないものである。
【0010】
そこで、本発明にあっては、固体電解コンデンサアレイに関し、素子構成により低ESR化、低ESL化の改善を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体電解コンデンサアレイは、上記目的を達成するため、複数のコンデンサ素子4からなるコンデンサ素子群5と、このコンデンサ素子群5の前記コンデンサ素子の1又は2以上の陽極導出線6のそれぞれに接続されて引き出された1又は2以上の陽極端子81〜86、101〜106と、前記コンデンサ素子の陰極層24に接続されて引き出された1又は2以上の陰極端子14、16と、前記コンデンサ素子を被覆する外装樹脂層26とを備え、前記陽極端子及び前記陰極端子を外部端子として構成したものである。
【0012】
係る構成とすれば、陽極導出線をコンデンサ素子から導出したことにより、陽極体から外部端子が形成され、固体電解コンデンサが搭載された回路に対する電流経路を増加させることができ、その結果、ESR及びESLを低下させ、高周波特性に優れた固体電解コンデンサアレイを構成できる。また、陰極端子も固体電解コンデンサが搭載された回路に対する電流経路を増加させ、この結果、ESR及びESLを低下させることができるので、高周波特性を改善することができる。
【0013】
上記目的を達成するためには、前記コンデンサ素子は、弁金属粉末を焼結してなる陽極体18を貫通し、該陽極体の対向端面から導出された陽極導出線6を有し、前記陽極体の表面に誘電体酸化皮膜層20、固体電解質層22及び陰極層24が積層された構成としてもよい。
【0014】
上記目的を達成するためには、前記コンデンサ素子群は、複数の前記コンデンサ素子をマトリクス状に配列させてなる構成としてもよい。
【0015】
上記目的を達成するためには、前記陽極導出線は、前記コンデンサ素子の陽極体に貫通して導出させた構成としてもよい。係る構成とすれば、陽極体を貫通する陽極導出線をコンデンサ素子の両端面から導出させることができ、固体電解コンデンサアレイのESRの低下と高周波特性の改善に寄与する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサアレイを示している。
【0017】
この固体電解コンデンサアレイ2には複数のコンデンサ素子4が用いられ、各コンデンサ素子4はマトリクス状に配列させ、この実施の形態では18個のコンデンサ素子4を6行、3列に配置してコンデンサ素子群5が構成されている。この固体電解コンデンサアレイ2において、各行のコンデンサ素子4を陽極導出線6により直列に接続し、3組ずつの6行の素子行とし、各端部のコンデンサ素子4の陽極導出線6に共通に複数の第1の陽極端子81、82、83・・・86、複数の第2の陽極端子101、102、103・・・106が接続されている。この場合、3組ずつのコンデンサ素子4からなる素子行に共通の陽極端子81、82、83・・・86、101、102、103・・・106が形成されている。
【0018】
また、各列のコンデンサ素子4を以て素子列が構成され、列毎に陰極端子板12を共通に接続し、各陰極端子板12の端部に共通の陰極端子14、16を接続したものである。この場合、6組ずつの3列のコンデンサ素子4からなる素子列の陰極側が並列化されている。各陰極端子板12には例えば、一枚の金属板をプレス加工等により所定形状に加工したものを用いれば良い。
【0019】
また、図2に示すように、各コンデンサ素子4には陽極体18が用いられ、この陽極体18は例えば、タンタル粉末等の弁金属粉末の焼結体であって、その内部を貫通させて両側端面に陽極導出線6が引き出されており、陽極体18の表面に誘電体酸化皮膜層20が形成され、その表面に固体電解質層22が形成され、この固体電解質層22の上にカーボン層、銀層よりなる陰極層24が形成されたものである。
【0020】
このコンデンサ素子4の形成方法は、この場合、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状又は薄片状成形体に弁作用金属からなる陽極導出線6を挟んで重ね合わせ、加圧して接合体としての成形体を形成する。例えば、成形型にタンタル粉末等の弁金属粉末を充填させて所定形状として例えば、角柱状に加圧成形し、その加圧成形の際、タンタルリード等の陽極導出線6を弁金属粉末中に貫通させて埋設し、角柱状の成形体を形成し、この成形体を焼結して焼結体からなる陽極体18に変化させる。この陽極体18に陽極酸化処理により、弁金属からなる陽極体18の表面に誘電体酸化皮膜層20を形成し、その表面に導電性高分子層を形成して固体電解質層22とする。この固体電解質層22の上にカーボン層、銀層よりなる陰極層24を形成し、コンデンサ素子4が形成されている。
【0021】
そして、以上のように構成したコンデンサ素子群5は、例えば、図3の(A)及び(B)に示すように、外装樹脂層26で被覆すれば、複数のコンデンサ素子4を直並列化してコンデンサ素子群5を備えた固体電解コンデンサアレイ2が構成でき、この固体電解コンデンサアレイ2の4面部から陽極端子81、82、83・・・86、101、102、103・・・106及び陰極端子14、16が導出されている。そして、外装樹脂層26の側面及び底面に沿って陽極端子81、82、83・・・86、101、102、103・・・106及び陰極端子14、16を折り曲げて外部端子として構成すれば、例えば、図4に示すような等価回路を持つ表面実装型の固体電解コンデンサアレイ2を実現することができる。そして、この固体電解コンデンサアレイ2では、複数のコンデンサ素子4の直並列化を行うことができ、図5に示すように、静電容量C1 〜C6 として複合化するとともに、複数の陽極端子81、82、83・・・86、101、102、103・・・106及び複数の陰極端子14、16を構成することもできる。
【0022】
このような固体電解コンデンサアレイ2によれば、複数のコンデンサ素子4を用いることができるとともに、その並列化接続が行われているので、静電容量の拡大とともにESR及びESLの低減化を図ることができる。このような固体電解コンデンサアレイ2ではコンデンサ素子4の静電容量を同一に設定する必要はなく、静電容量の異なるコンデンサ素子4の組合せにより、コンデンサ全体の合成静電容量の設定も容易に行うことができる。
【0023】
また、この場合、静電容量の異なるコンデンサ素子4を組み合せてコンデンサ素子群5を構成すれば、所望の合成静電容量値を容易に調節、設定することができる。
【0024】
なお、コンデンサ素子4は、図6に示すように、陽極体18として弁金属粉末を焼結した板状又はシート状の2枚の陽極体18A、18Bを形成し、各陽極体18A、18Bの間に陽極導出線としてリード箔28を挟み込んで形成してもよい。この場合、陽極体18A、18Bは、弁作用金属粉末とバインダー樹脂と溶剤とを混合して得られる金属粉末分散液を基体上に塗布し、又は印刷して塗布物或いは印刷物とし、その基体より塗布層或いは印刷層を剥離して形成してもよい。
【0025】
リード箔28を用いた場合、その厚さは製造する陽極体18A、18Bの厚み、その強度を勘案して適宜選定でき、例えば、陽極体18の厚さの5〜50%、より好ましくは10〜35%の厚さとすればよい。また、そのリード箔28の幅は、陽極体18A、18Bの幅の35%以上、より好ましくは45%以上とすれば、リード箔28と陽極体18A、18Bとの接触面積が十分大きくなるため、等価直列抵抗(ESR)を下げることができ、良好な高周波特性を得ることができる。
【0026】
次に、本発明の固体電解コンデンサアレイの変形例を図7を参照して説明する。
【0027】
上記実施形態では、コンデンサ素子4の幅より狭く陰極端子板12を形成したが、例えば、図7に示すように、コンデンサ素子4と同一幅に形成された2枚の陰極端子板121、122でコンデンサ素子4の上下面部を挟み込むように形成し、端部側のコンデンサ素子4にあっては、その側面部側で各陰極端子板121、122を当接させる構成とすれば、等価直列インダクタンスを低減できるとともに、コンデンサ素子群5を構成する各コンデンサ素子4の保持強度を高めることができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数のコンデンサ素子の直並列化によってESR及びESLを低下させ、高周波特性に優れた固体電解コンデンサアレイを構成することができ、高速化されるCPU等の各種の電子機器に対応でき、しかも、低ESR及び低ESLを実現し、かつ高周波特性に優れた固体電解コンデンサアレイを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサアレイの概要を示す斜視図である。
【図2】一部を切り欠いて表したコンデンサ素子を示す側面図である。
【図3】固体電解コンデンサアレイを示し、(A)はその側面図、(B)はその平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサアレイの等価回路を示す回路図である。
【図5】本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサアレイの他の等価回路を示す回路図である。
【図6】他の実施形態に係るコンデンサ素子を示す斜視図である。
【図7】本発明の固体電解コンデンサアレイの他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 固体電解コンデンサアレイ
4 コンデンサ素子
5 コンデンサ素子群
6 陽極導出線
81〜86、101〜106 陽極端子
14、16 陰極端子
18 陽極体
20 誘電体酸化皮膜層
22 固体電解質層
24 陰極層
26 外装樹脂層
Claims (4)
- 複数のコンデンサ素子からなるコンデンサ素子群と、
このコンデンサ素子群の前記コンデンサ素子の1又は2以上の陽極導出線のそれぞれに接続されて引き出された1又は2以上の陽極端子と、
前記コンデンサ素子の陰極層に接続されて引き出された1又は2以上の陰極端子と、
前記コンデンサ素子を被覆する外装樹脂層と、
を備え、前記陽極端子及び前記陰極端子を外部端子として構成したことを特徴とする固体電解コンデンサアレイ。 - 前記コンデンサ素子は、弁金属粉末を焼結してなる陽極体を貫通し、該陽極体の対向端面から導出された陽極導出線を有し、前記陽極体の表面に誘電体酸化皮膜層、固体電解質層及び陰極層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサアレイ。
- 前記コンデンサ素子群は、複数の前記コンデンサ素子をマトリクス状に配列させてなることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサアレイ。
- 前記陽極導出線は、前記コンデンサ素子の陽極体に貫通して導出させたことを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサアレイ。
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