JP2004281672A - 熱処理装置及び基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来技術の問題点である形状や加工精度、強度などを解決した反応管を製作し1400℃以上の高温で熱処理ができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する反応管36と、反応管36内の基板を加熱するヒータ42とを有する熱処理装置において、前記反応管36のフランジ部36bをシリコンを含浸したポーラス状の炭化珪素で構成し、前記反応管36の本体部36aをポーラス状の炭化珪素で構成し、少なくとも前記反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの内表面に炭化珪素のCVD膜を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】基板を処理する反応管36と、反応管36内の基板を加熱するヒータ42とを有する熱処理装置において、前記反応管36のフランジ部36bをシリコンを含浸したポーラス状の炭化珪素で構成し、前記反応管36の本体部36aをポーラス状の炭化珪素で構成し、少なくとも前記反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの内表面に炭化珪素のCVD膜を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体基板に対してアニール処理等の熱処理を行なう熱処理装置及び基板の製造方法に係り、特に1400℃以上の高温で基板に対して熱処理を行なう熱処理装置及び基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、縦型熱処理装置を用いて複数枚の基板を熱処理する場合、石英製の反応管が使用されていたが、石英の場合は、1200℃程度以上の温度で熱処理する場合、変形する問題があった。そこで耐熱性材料として珪素を含浸した炭化珪素の反応管も使用していたが、珪素を含浸した炭化珪素の場合、1400℃以上の温度で熱処理をする場合、含浸した珪素(シリコン)が噴出する可能性があるという問題点があった。これらを解決するためには、反応管を炭化珪素膜単体で作る方法と、ポーラス状の炭化珪素と炭化珪素のCVD膜を合わせて作る方法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭化珪素膜単体で作る方法の場合、時間とコストまた厚さや形状などの制限などがある。またポーラス状の炭化珪素と炭化珪素のCVD膜を合わせて作る方法は加工する際の強度や砥石の目詰まり、加工精度などの製造が困難であるといった問題が発生していた。
【0004】
本発明の目的は、従来技術の問題点である形状や加工精度、強度などを解決した反応管を製作し1400℃以上の高温で熱処理ができる熱処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴とするところは、基板を処理する反応管と、反応管内の基板を加熱するヒータとを有する基板処理装置において、前記反応管のフランジ部をシリコンを含浸した炭化珪素で構成することにある。
【0006】
本発明の第2の特徴とするところは、第1の特徴において、前記炭化珪素をポーラス状にするところにある。
【0007】
本発明の第3の特徴とするところは、第2の特徴において、前記反応管の本体部をポーラス状の炭化珪素で構成したことにある。
【0008】
本発明の第4の特徴とするところは、第3の特徴において、前記反応管の本体部または/およびフランジ部の表面に炭化珪素のCVD膜を形成したことにある。
【0009】
本発明の第5の特徴とするところは、シリコンを含浸した炭化珪素で構成されたフランジ部を有する反応管内に基板を搬入する工程と、前記反応管内で前記基板を熱処理する工程と、前記反応管内から前記基板を搬出する工程と、を有する基板の製造方法にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1には、本発明の実施形態に係る熱処理装置10が示されている。この熱処理装置10は、例えば縦型であり、主要部が配置された筺体12を有する。この筺体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16は、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
【0012】
筺体12内において、ポッドステージ14に対向する位置には、ポッド搬送装置18が配置されている。また、このポッド搬送装置18の近傍には、ポッド棚20、ポッドオープナ22及び基板枚数検知器24が配置されている。ポッド搬送装置18は、ポッドステージ14とポッド棚20とポッドオープナ22との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ22は、ポッド16の蓋を開けるものであり、この蓋が開けられたポッド16内の基板枚数が基板枚数検知器24により検知される。
【0013】
さらに、筺体12内には、基板移載機26、ノッチアライナ28及び基板支持体としてのボート30が配置されている。基板移載機26は、例えば5枚の基板を取り出すことができるアーム32を有し、このアーム32を動かすことにより、ポッドオープナ22の位置に置かせたポッド、ノッチアライナ28及びボート30間で基板を搬送する。ノッチアライナ28は、基板に形成されたノッチまたはオリフラを検出して基板を揃えるものである。
【0014】
図2に本発明の熱処理炉34が示されている。この熱処理炉34は主に、基板1を加熱する加熱手段としての抵抗加熱ヒータ42と、ヒータ42の内側に設けられ基板1を処理する反応管36と、反応管36を支持する炉口フランジ51と、から構成されている。反応管36は、本体部36aとフランジ部36bとからなり、反応管36はフランジ部36bを介して炉口フランジ51に支持されている。熱処理炉34下方の炉口フランジ51等から構成される炉口部は、シールキャップ38により密閉されている。このシールキャップ38と反応管36と炉口フランジ51とで処理室が構成されている。シールキャップ38は熱処理炉34内で、複数枚の基板1を水平姿勢で垂直方向に中心を揃えて積層するよう保持するボート30を支持している。ボート30はヒータ42と対向する部分(基板保持領域)としない部分(断熱領域)とが組みたてられるように構成されている。炉口フランジ51には、反応管36内に基板を処理するガスを導入するガス導入管46と反応管36内のガスを排気するガス排気管48が接続されている。尚本実施形態では、炉口フランジ51とガス導入管46とガス排気管48は一体で構成されているが、一体型でなくても良い。また、ガス導入管46の先端には、反応管36内壁に沿って立設され反応管36内に配置される最上部の基板1より上方の反応管36上部にガスを供給する棒状のロングノズル46aが取付けられている。この構成によりガス導入管46から導入された処理ガスはノズル46aを通り、反応管36内に上方から供給される。反応管36上方に供給されたガスは反応管36内を流下し、ガス排気管48より排気される。また、反応管36とヒータ42の間には反応管36内の温度を検知する熱電対(図示しない)が保護管44の内部に配置され、この熱電対とヒータ42を制御することにより、反応管36内の温度を制御する温度制御手段(図示しない)が設けられている。
【0015】
次に上述したように構成された熱処理装置10の作用について説明する。まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収納したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
【0016】
次に、基板移載機26により、ポッドオープナ22の位置にあるポッド16から基板を取り出し、ノッチアライナ28に移載する。このノッチアライナ28においては、基板を回転させながら、ノッチを検出し、検出した情報に基づいて複数の基板を同じ位置に整列させる。次に、基板移載機26により、ノッチアライナ28から基板を取り出し、ボート30に移載する。
【0017】
このようにして、1バッチ分の基板をボート30に移載すると、例えば700℃程度の温度に設定された反応炉34内に複数枚の基板を装填したボート30を装入し、シールキャップ38により反応管36内を密閉する。次に、炉内温度を熱処理温度まで昇温させて、ガス導入管46からノズル46aを介して反応管36内に処理ガスを導入する。反応管36内に導入したガスは、反応管36内を流下して、ガス排気管48から排気される。処理ガスには、窒素、アルゴン、水素、酸素等が含まれる。この際、基板は例えば1400℃程度以上の温度に加熱される。なお、この間、保護管44内に配置された熱電対により反応管36内の温度をモニタしながら、予め設定された昇温、降温プログラムに従って基板の熱処理を実施する。
【0018】
基板の熱処理が終了すると、例えば炉内温度を700℃程度の温度に降温した後、ボート30を反応炉34からアンロードし、ボート30に支持された全ての基板が冷えるまで、ボート30を所定位置で待機させる。尚、炉内温度降温の際も、保護管44内に配置された熱電対により反応管36内の温度をモニタしながら、予め設定された降温プログラムにしたがって降温を実施する。次に、待機させたボート30の基板が所定温度まで冷却されると、基板移載機26により、ボート30から基板を取り出し、ポッドオープナ22にセットされている空のポッド16に搬送して収容する。次に、ポッド搬送装置18により、基板が収容されたポッド16をポッド棚20に搬送し、さらにポッドステージ14に搬送して完了する。
【0019】
次に、熱処理炉34を構成する部材の材質について詳述する。熱処理炉34内で1400℃以上の高温になるところは、全て炭化珪素で構成されている。例えば、熱電対の保護管44、ノズル46aは炭化珪素で構成されている。また、反応管36の本体部36aはポーラス状の炭化珪素で構成されており、ボート30のヒータ42と対向する部分は炭化珪素で構成されている。ここでポーラス状とは多孔体(多孔体とは、非常に多くの孔があいている物質)のことである。
【0020】
一方、熱処理炉34内で1400℃にまで温度が上がらない部分、例えば、反応管36のフランジ部36bはポーラス状の炭化珪素に珪素(シリコン)を含浸した材料で構成されている。これにより、加工がしやすくなり、また加工精度が上がり、強度も上がる。また、ボート30の下部(ヒータ42と対向しない部分)、ガス導入管46、ガス排気管48、炉口フランジ51は石英で構成されている。
【0021】
すなわち、温度が1400℃以上になる部分は、炭化珪素で構成され、温度が1400℃以上にならない部分であって、反応管36のフランジ部36bのように面の加工精度や強度が必要とされる部分は、シリコンをポーラス状の炭化珪素に含浸したものや石英で構成されている。
【0022】
また、反応管36は、ポーラス状の炭化珪素のままだと脆く、ガスの漏れが起こり汚染レベルも悪い。そこで、反応管36の本体部36aとフランジ部36bを結合した後、焼結し、ポーラス状になった反応管36のフランジ部36bにシリコンを含浸し、その後少なくとも反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの内表面に炭化珪素のCVD膜を形成するのが好ましい。これにより、ポーラス状の炭化珪素の強度が上がるだけでなく、汚染を低減することができ、ガスの漏れも抑えられる。尚、炭化珪素のCVD膜は、反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの表面全体に形成してもよい。
【0023】
本発明の熱処理装置は、基板の製造工程にも適用することもできる。
【0024】
SOI(Silicon On Insulator)ウェハの一種であるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用する例について説明する。
【0025】
先ずイオン注入装置等により単結晶シリコンウェハ内へ酸素イオンをイオン注入する。その後、酸素イオンが注入されたウェハを上記実施形態の熱処理装置を用いて、例えばAr、O2雰囲気のもと、1300〜1400℃、例えば1350℃以上の高温でアニールする。これらの処理により、ウェハ内部にSiO2層が形成された(SiO2が埋めこまれた)SIMOXウェハ作製される。
【0026】
また、SIMOXの他、水素アニールウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。この場合、ウェハを本発明の熱処理装置を用いて、水素雰囲気中で1200℃の高温アニールすることとなる。これによりICが作られるウェハ表面層の結晶欠陥を低減することができ、結晶の完全性を高めることができる。また、この他、エピタキシャルウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することが可能である。
【0027】
本発明の熱処理装置は、半導体デバイスの製造工程の一工程としての熱処理工程に適用することも可能である。
【0028】
特に、比較的高い温度で行なう熱処理工程、たとえば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCl酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように本発明では、熱処理炉内の温度が1400℃以上にならない部分であって、面の加工精度と強度が必要な部分はポーラス状の炭化珪素に珪素を含浸させた材料で構成したので、加工が容易になり、また加工精度が上がり、強度も上がる。また、比較的低温である為含浸したシリコンが噴出することもない。熱処理炉の1400℃以上の高温になる部分はポーラス状の炭化珪素で構成したので、シリコンを含浸した炭化珪素を用いる場合に、含浸したシリコンが噴出するという問題が解消でき、対策の心配も無くなる。更に、炭化珪素のCVD膜を少なくとも反応管の本体部または/およびフランジ部の内表面に形成することにより、ポーラス状の炭化珪素の強度が上がるだけでなく、ガスの漏れが抑えられ、汚染を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置を示す斜示図である。
【図2】本発明の処理炉を詳細に示す図である。
1 基板
10 熱処理装置
30 ボート
34 熱処理炉
36 反応管
36a 本体部
36b フランジ部
38 シールキャップ
42 ヒータ
46 ガス導入管
48 ガス排気管
51 炉口フランジ
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体基板に対してアニール処理等の熱処理を行なう熱処理装置及び基板の製造方法に係り、特に1400℃以上の高温で基板に対して熱処理を行なう熱処理装置及び基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、縦型熱処理装置を用いて複数枚の基板を熱処理する場合、石英製の反応管が使用されていたが、石英の場合は、1200℃程度以上の温度で熱処理する場合、変形する問題があった。そこで耐熱性材料として珪素を含浸した炭化珪素の反応管も使用していたが、珪素を含浸した炭化珪素の場合、1400℃以上の温度で熱処理をする場合、含浸した珪素(シリコン)が噴出する可能性があるという問題点があった。これらを解決するためには、反応管を炭化珪素膜単体で作る方法と、ポーラス状の炭化珪素と炭化珪素のCVD膜を合わせて作る方法などがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、炭化珪素膜単体で作る方法の場合、時間とコストまた厚さや形状などの制限などがある。またポーラス状の炭化珪素と炭化珪素のCVD膜を合わせて作る方法は加工する際の強度や砥石の目詰まり、加工精度などの製造が困難であるといった問題が発生していた。
【0004】
本発明の目的は、従来技術の問題点である形状や加工精度、強度などを解決した反応管を製作し1400℃以上の高温で熱処理ができる熱処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴とするところは、基板を処理する反応管と、反応管内の基板を加熱するヒータとを有する基板処理装置において、前記反応管のフランジ部をシリコンを含浸した炭化珪素で構成することにある。
【0006】
本発明の第2の特徴とするところは、第1の特徴において、前記炭化珪素をポーラス状にするところにある。
【0007】
本発明の第3の特徴とするところは、第2の特徴において、前記反応管の本体部をポーラス状の炭化珪素で構成したことにある。
【0008】
本発明の第4の特徴とするところは、第3の特徴において、前記反応管の本体部または/およびフランジ部の表面に炭化珪素のCVD膜を形成したことにある。
【0009】
本発明の第5の特徴とするところは、シリコンを含浸した炭化珪素で構成されたフランジ部を有する反応管内に基板を搬入する工程と、前記反応管内で前記基板を熱処理する工程と、前記反応管内から前記基板を搬出する工程と、を有する基板の製造方法にある。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1には、本発明の実施形態に係る熱処理装置10が示されている。この熱処理装置10は、例えば縦型であり、主要部が配置された筺体12を有する。この筺体12には、ポッドステージ14が接続されており、このポッドステージ14にポッド16が搬送される。ポッド16は、例えば25枚の基板が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ14にセットされる。
【0012】
筺体12内において、ポッドステージ14に対向する位置には、ポッド搬送装置18が配置されている。また、このポッド搬送装置18の近傍には、ポッド棚20、ポッドオープナ22及び基板枚数検知器24が配置されている。ポッド搬送装置18は、ポッドステージ14とポッド棚20とポッドオープナ22との間でポッド16を搬送する。ポッドオープナ22は、ポッド16の蓋を開けるものであり、この蓋が開けられたポッド16内の基板枚数が基板枚数検知器24により検知される。
【0013】
さらに、筺体12内には、基板移載機26、ノッチアライナ28及び基板支持体としてのボート30が配置されている。基板移載機26は、例えば5枚の基板を取り出すことができるアーム32を有し、このアーム32を動かすことにより、ポッドオープナ22の位置に置かせたポッド、ノッチアライナ28及びボート30間で基板を搬送する。ノッチアライナ28は、基板に形成されたノッチまたはオリフラを検出して基板を揃えるものである。
【0014】
図2に本発明の熱処理炉34が示されている。この熱処理炉34は主に、基板1を加熱する加熱手段としての抵抗加熱ヒータ42と、ヒータ42の内側に設けられ基板1を処理する反応管36と、反応管36を支持する炉口フランジ51と、から構成されている。反応管36は、本体部36aとフランジ部36bとからなり、反応管36はフランジ部36bを介して炉口フランジ51に支持されている。熱処理炉34下方の炉口フランジ51等から構成される炉口部は、シールキャップ38により密閉されている。このシールキャップ38と反応管36と炉口フランジ51とで処理室が構成されている。シールキャップ38は熱処理炉34内で、複数枚の基板1を水平姿勢で垂直方向に中心を揃えて積層するよう保持するボート30を支持している。ボート30はヒータ42と対向する部分(基板保持領域)としない部分(断熱領域)とが組みたてられるように構成されている。炉口フランジ51には、反応管36内に基板を処理するガスを導入するガス導入管46と反応管36内のガスを排気するガス排気管48が接続されている。尚本実施形態では、炉口フランジ51とガス導入管46とガス排気管48は一体で構成されているが、一体型でなくても良い。また、ガス導入管46の先端には、反応管36内壁に沿って立設され反応管36内に配置される最上部の基板1より上方の反応管36上部にガスを供給する棒状のロングノズル46aが取付けられている。この構成によりガス導入管46から導入された処理ガスはノズル46aを通り、反応管36内に上方から供給される。反応管36上方に供給されたガスは反応管36内を流下し、ガス排気管48より排気される。また、反応管36とヒータ42の間には反応管36内の温度を検知する熱電対(図示しない)が保護管44の内部に配置され、この熱電対とヒータ42を制御することにより、反応管36内の温度を制御する温度制御手段(図示しない)が設けられている。
【0015】
次に上述したように構成された熱処理装置10の作用について説明する。まず、ポッドステージ14に複数枚の基板を収納したポッド16がセットされると、ポッド搬送装置18によりポッド16をポッドステージ14からポッド棚20へ搬送し、このポッド棚20にストックする。次に、ポッド搬送装置18により、このポッド棚20にストックされたポッド16をポッドオープナ22に搬送してセットし、このポッドオープナ22によりポッド16の蓋を開き、基板枚数検知器24によりポッド16に収容されている基板の枚数を検知する。
【0016】
次に、基板移載機26により、ポッドオープナ22の位置にあるポッド16から基板を取り出し、ノッチアライナ28に移載する。このノッチアライナ28においては、基板を回転させながら、ノッチを検出し、検出した情報に基づいて複数の基板を同じ位置に整列させる。次に、基板移載機26により、ノッチアライナ28から基板を取り出し、ボート30に移載する。
【0017】
このようにして、1バッチ分の基板をボート30に移載すると、例えば700℃程度の温度に設定された反応炉34内に複数枚の基板を装填したボート30を装入し、シールキャップ38により反応管36内を密閉する。次に、炉内温度を熱処理温度まで昇温させて、ガス導入管46からノズル46aを介して反応管36内に処理ガスを導入する。反応管36内に導入したガスは、反応管36内を流下して、ガス排気管48から排気される。処理ガスには、窒素、アルゴン、水素、酸素等が含まれる。この際、基板は例えば1400℃程度以上の温度に加熱される。なお、この間、保護管44内に配置された熱電対により反応管36内の温度をモニタしながら、予め設定された昇温、降温プログラムに従って基板の熱処理を実施する。
【0018】
基板の熱処理が終了すると、例えば炉内温度を700℃程度の温度に降温した後、ボート30を反応炉34からアンロードし、ボート30に支持された全ての基板が冷えるまで、ボート30を所定位置で待機させる。尚、炉内温度降温の際も、保護管44内に配置された熱電対により反応管36内の温度をモニタしながら、予め設定された降温プログラムにしたがって降温を実施する。次に、待機させたボート30の基板が所定温度まで冷却されると、基板移載機26により、ボート30から基板を取り出し、ポッドオープナ22にセットされている空のポッド16に搬送して収容する。次に、ポッド搬送装置18により、基板が収容されたポッド16をポッド棚20に搬送し、さらにポッドステージ14に搬送して完了する。
【0019】
次に、熱処理炉34を構成する部材の材質について詳述する。熱処理炉34内で1400℃以上の高温になるところは、全て炭化珪素で構成されている。例えば、熱電対の保護管44、ノズル46aは炭化珪素で構成されている。また、反応管36の本体部36aはポーラス状の炭化珪素で構成されており、ボート30のヒータ42と対向する部分は炭化珪素で構成されている。ここでポーラス状とは多孔体(多孔体とは、非常に多くの孔があいている物質)のことである。
【0020】
一方、熱処理炉34内で1400℃にまで温度が上がらない部分、例えば、反応管36のフランジ部36bはポーラス状の炭化珪素に珪素(シリコン)を含浸した材料で構成されている。これにより、加工がしやすくなり、また加工精度が上がり、強度も上がる。また、ボート30の下部(ヒータ42と対向しない部分)、ガス導入管46、ガス排気管48、炉口フランジ51は石英で構成されている。
【0021】
すなわち、温度が1400℃以上になる部分は、炭化珪素で構成され、温度が1400℃以上にならない部分であって、反応管36のフランジ部36bのように面の加工精度や強度が必要とされる部分は、シリコンをポーラス状の炭化珪素に含浸したものや石英で構成されている。
【0022】
また、反応管36は、ポーラス状の炭化珪素のままだと脆く、ガスの漏れが起こり汚染レベルも悪い。そこで、反応管36の本体部36aとフランジ部36bを結合した後、焼結し、ポーラス状になった反応管36のフランジ部36bにシリコンを含浸し、その後少なくとも反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの内表面に炭化珪素のCVD膜を形成するのが好ましい。これにより、ポーラス状の炭化珪素の強度が上がるだけでなく、汚染を低減することができ、ガスの漏れも抑えられる。尚、炭化珪素のCVD膜は、反応管36の本体部36aまたは/およびフランジ部36bの表面全体に形成してもよい。
【0023】
本発明の熱処理装置は、基板の製造工程にも適用することもできる。
【0024】
SOI(Silicon On Insulator)ウェハの一種であるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)ウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用する例について説明する。
【0025】
先ずイオン注入装置等により単結晶シリコンウェハ内へ酸素イオンをイオン注入する。その後、酸素イオンが注入されたウェハを上記実施形態の熱処理装置を用いて、例えばAr、O2雰囲気のもと、1300〜1400℃、例えば1350℃以上の高温でアニールする。これらの処理により、ウェハ内部にSiO2層が形成された(SiO2が埋めこまれた)SIMOXウェハ作製される。
【0026】
また、SIMOXの他、水素アニールウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することも可能である。この場合、ウェハを本発明の熱処理装置を用いて、水素雰囲気中で1200℃の高温アニールすることとなる。これによりICが作られるウェハ表面層の結晶欠陥を低減することができ、結晶の完全性を高めることができる。また、この他、エピタキシャルウェハの製造工程の一工程に本発明の熱処理装置を適用することが可能である。
【0027】
本発明の熱処理装置は、半導体デバイスの製造工程の一工程としての熱処理工程に適用することも可能である。
【0028】
特に、比較的高い温度で行なう熱処理工程、たとえば、ウェット酸化、ドライ酸化、水素燃焼酸化(パイロジェニック酸化)、HCl酸化等の熱酸化工程や、硼素(B)、リン(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)等の不純物(ドーパント)を半導体薄膜に拡散する熱拡散工程等に適用するのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように本発明では、熱処理炉内の温度が1400℃以上にならない部分であって、面の加工精度と強度が必要な部分はポーラス状の炭化珪素に珪素を含浸させた材料で構成したので、加工が容易になり、また加工精度が上がり、強度も上がる。また、比較的低温である為含浸したシリコンが噴出することもない。熱処理炉の1400℃以上の高温になる部分はポーラス状の炭化珪素で構成したので、シリコンを含浸した炭化珪素を用いる場合に、含浸したシリコンが噴出するという問題が解消でき、対策の心配も無くなる。更に、炭化珪素のCVD膜を少なくとも反応管の本体部または/およびフランジ部の内表面に形成することにより、ポーラス状の炭化珪素の強度が上がるだけでなく、ガスの漏れが抑えられ、汚染を低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板処理装置を示す斜示図である。
【図2】本発明の処理炉を詳細に示す図である。
1 基板
10 熱処理装置
30 ボート
34 熱処理炉
36 反応管
36a 本体部
36b フランジ部
38 シールキャップ
42 ヒータ
46 ガス導入管
48 ガス排気管
51 炉口フランジ
Claims (5)
- 基板を処理する反応管と、反応管内の基板を加熱するヒータとを有する熱処理装置において、前記反応管のフランジ部をシリコンを含浸した炭化珪素で構成したことを特徴とする熱処理装置。
- 前記炭化珪素はポーラス状であることを特徴とする請求項1記載の熱処理装置。
- 前記反応管の本体部をポーラス状の炭化珪素で構成したことを特徴とする請求項2記載の熱処理装置。
- 前記反応管の本体部または/およびフランジ部の表面に炭化珪素のCVD膜を形成したことを特徴とする請求項3記載の熱処理装置。
- シリコンを含浸した炭化珪素で構成されたフランジ部を有する反応管内に基板を搬入する工程と、前記反応管内で前記基板を熱処理する工程と、前記反応管内から前記基板を搬出する工程と、を有することを特徴とする基板の製造方法。
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-
2003
- 2003-03-14 JP JP2003070325A patent/JP2004281672A/ja not_active Withdrawn
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US8536066B2 (en) | 2005-09-16 | 2013-09-17 | Cree, Inc. | Methods of forming SiC MOSFETs with high inversion layer mobility |
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