JP2009272356A - 基板処理方法 - Google Patents

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Kanekazu Mizuno
謙和 水野
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Abstract

【課題】HF系溶液に対するエッチングレートが少ないシリコン窒化膜を形成することが可能な基板処理方法を提供する。
【解決手段】加熱された基板200を収容した処理室201内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により基板上にシリコン窒化膜304を形成し、シリコン窒化膜が形成された基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板上にシリコン窒化膜を形成する基板処理方法に関する。
DRAM等の半導体デバイスは、例えば、シリコン基板上に形成されたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、ゲート電極の表面および側壁を被覆するように形成されたサイドウォール膜と、サイドウォール膜の上層を覆うように形成された層間絶縁膜と、を備えている。ゲート電極は例えば多結晶シリコン膜から、サイドウォール膜は例えばシリコン窒化膜から、層間絶縁膜は例えばシリコン酸化膜からそれぞれ形成される。
層間絶縁膜(シリコン酸化膜)に例えばコンタクトホール等を形成するには、シリコン酸化膜の表面にレジストパターンを形成した後、フッ化水素系溶液をエッチング液として用いたエッチング処理を行う。フッ化水素(HF)系溶液に対するシリコン窒化膜のエッチングレートは、HF系溶液に対するシリコン酸化膜のエッチングレートよりも小さいため、サイドウォール膜を構成するシリコン窒化膜のエッチング量は、シリコン酸化膜のエッチング量よりも少なくなる。いわば、シリコン窒化膜は、コンタクトホールを形成する際にエッチングストップ膜として機能する。
シリコン窒化膜を形成する方法としては、例えば760℃程度に加熱された基板の表面に、ジクロロシラン(SiHCl、略称DCS)ガスとアンモニア(NH)ガスとを供給してLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)反応を生じさせる方法が知られている。かかる方法により形成されるシリコン窒化膜をDCS−SiN膜と呼ぶ。また。例えば450〜580℃程度に加熱された基板の表面に、ビスターシャリーブチルアミノシラン(Bis(Tertiary−butylamino)Silane、SiH[NH(C)]、略称BTBAS)ガスとアンモニアガスとを供給してLPCVD反応を生じさせる方法が知られている。かかる方法により形成されるシリコン窒化膜をBTBAS−SiN膜と呼ぶ(例えば特許文献1参照)。
特開2001−230248号公報
しかしながら、HF系溶液を用いてシリコン酸化膜のみを選択的にエッチングしようとしても、シリコン窒化膜も微量にエッチングされてしまう。半導体デバイスの微細化をさらに進めるには、また、半導体デバイスの信頼性をさらに向上させるには、シリコン窒化膜のエッチング量は少ないほど好ましい。本発明は、HF系溶液に対するエッチングレートが少ないシリコン窒化膜を形成することが可能な基板処理方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、加熱された基板を収容した処理室内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により前記基板上にシリコン窒化膜を形成し、前記シリコン窒化膜が形成された前記基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理する基板処理方法が提供される。
本発明にかかる基板処理方法によれば、HF系溶液に対するエッチングレートが少ないシリコン窒化膜を形成することが可能となる。
上述したように、HF系溶液を用いてシリコン酸化膜のみを選択的にエッチングしようとしても、シリコン窒化膜も微量にエッチングされてしまう。例えば、エッチング液として、HF濃度が1%であるHF系溶液を用いた場合、従来方法により形成したDCS−SiN膜のエッチングレートは、シリコン酸化膜のエッチングレートの13〜14%程度である。また、従来方法により形成したBTBAS−SiN膜のエッチングレートは、シリコン酸化膜のエッチングレートの11%程度である。
発明者は、HF系溶液に対するエッチングレートが少ないシリコン窒化膜の形成方法について、鋭意研究を行った。その結果、シリコン窒化膜を形成した後のシリコン基板を所定の温度で加熱処理(アニール処理)することにより、かかるエッチングレートを低下させることが可能であるとの知見を得た。すなわち、シリコン窒化膜を所定の温度で加熱処理(アニール処理)することにより、シリコン窒化膜中から水素を脱離させて、シリコン窒化膜を収縮させることにより、かかるエッチングレートを低下させることが可能であるとの知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。以下に、本発明の一実施形態について説明する。
(1)基板処理装置の構成
まず、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置101の構成例について、図1を用いて説明する。なお、本実施形態にかかる基板処理装置は、縦型CVD装置として構成されている。
図1に示すように、本実施形態にかかる基板処理装置101は、筐体111を備えている。シリコン等からなるウエハ(基板)200を筐体111内外へ搬送するには、複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収納容器)としてのカセット110が使用される。筐体111内側の前方(図中の右側)には、カセットステージ(基板収納容器受渡し台)114が設けられている。カセット110は、図示しない工程内搬送装置によってカセットステージ114上に載置され、また、カセットステージ114上から筐体111外へ搬出されるように構成されている。
カセット110は、工程内搬送装置によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に向けて縦方向に90°回転させ、カセット110内のウエハ200を水平姿勢とさせ、カセット110のウエハ出し入れ口を筐体111内の後方を向かせることが可能なように構成されている。
筐体111内の前後方向の略中央部には、カセット棚(基板収納容器載置棚)105が設置されている。カセット棚105は、複数段、複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105には、後述するウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。また、カセットステージ114の上方には、予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置(基板収納容器搬送装置)118が設けられている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aと、カセ
ット110を保持したまま水平移動可能な搬送機構としてのカセット搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bと、を備えている。これらカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連続動作により、カセットステージ114、カセット棚105、予備カセット棚107、移載棚123の間で、カセット110を搬送するように構成されている。
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構(基板移載機構)125が設けられている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bと、を備えている。なお、ウエハ移載装置125aは、ウエハ200を水平姿勢で保持するツイーザ(基板移載用治具)125cを備えている。これらウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作により、ウエハ200を移載棚123上のカセット110内からピックアップして後述するボート(基板支持部材)217へ装填(チャージング)したり、ウエハ200をボート217から脱装(ディスチャージング)して移載棚123上のカセット110内へ収納したりするように構成されている。
筐体111の後部上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部には開口が設けられ、かかる開口は炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成されている。なお、処理炉202の構成については後述する。
処理炉202の下方には、ボート217を昇降させて処理炉202内外へ搬入搬出させる昇降機構としてのボートエレベータ(基板支持部材昇降機構)115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台には、連結具としてのアーム128が設けられている。アーム128上には、ボート217を垂直に支持するとともに、ボートエレベータ115によりボート217が上昇したときに処理炉202の下端部を気密に閉塞する蓋体としてのシールキャップ219が水平姿勢で設けられている。
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜150枚程度)のウエハ200を、水平姿勢で、かつその中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に保持するように構成されている。ボート217の詳細な構成については後述する。
カセット棚105の上方には、供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット134aが設けられている。クリーンユニット134aは、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
また、ウエハ移載装置エレベータ125bおよびボートエレベータ115側と反対側である筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するよう供給フアンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニット(図示せず)が設置されている。図示しない前記クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ウエハ移載装置125a及びボート217の周囲を流通した後に、図示しない排気装置に吸い込まれて、筐体111の外部に排気されるように構成されている。
(2)基板処理装置の動作
次に、本実施形態にかかる基板処理装置101の動作について説明する。
まず、カセット110が、図示しない工程内搬送装置によって、ウエハ200が垂直姿勢となりカセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように、カセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、筐体111の後方に向けて縦方向に90°回転させられる。その結果、カセット110内の
ウエハ200は水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口は筐体111内の後方を向く。
次に、カセット110は、カセット搬送装置118によって、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へ自動的に搬送されて受け渡されて一時的に保管された後、カセット棚105又は予備カセット棚107から移載棚123に移載されるか、もしくは直接移載棚123に搬送される。
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200は、ウエハ移載装置125aのツイーザ125cによって、ウエハ出し入れ口を通じてカセット110からピックアップされ、ウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連続動作によって移載室124の後方にあるボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載機構125は、カセット110に戻り、次のウエハ200をボート217に装填する。
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって開放される。続いて、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、ウエハ200群を保持したボート217が処理炉202内へ搬入(ローディング)される。ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に任意の処理が実施される。かかる処理については後述する。処理後は、ウエハ200およびカセット110は、上述の手順とは逆の手順で筐体111の外部へ払出される。
(3)処理炉の構成
以下に、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置101が備える処理炉202の構成について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置が備える処理炉の概略構成図である。図3は、本発明の一実施形態にかかる処理炉が備えるガス供給ラインの概略構成図である。
(処理室)
図1に示すように、本実施形態にかかる処理炉202は、プロセスチューブ203とマニホールド209とを備えている。プロセスチューブ203とマニホールド209とによって反応容器が構成される。
プロセスチューブ203は、内部反応管としてのインナーチューブ204と、インナーチューブ204の外側に同心円状に設けられた外部反応管としてのアウターチューブ205と、を備えている。インナーチューブ204及びアウターチューブ205は、垂直に据え付けられている。インナーチューブ204は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端および下端が開口した円筒形状として形成されている。インナーチューブ204の筒中空部には、加熱された基板としてのウエハ200を収容する処理室201が形成されている。また、アウターチューブ205は、例えば石英または炭化シリコン等の耐熱性材料からなり、内径がインナーチューブ204の外径よりも大きく、上端が閉塞し、下端が開口した円筒形状として形成されている。
マニホールド209は、アウターチューブ205の下方に同心円状に設けられている。マニホールド209は、例えばステンレス等からなり、上端および下端が開口した円筒形状として形成されている。マニホールド209は、インナーチューブ204の下端と、アウターチューブ205の下端とにそれぞれ係合しており、インナーチューブ204及びアウターチューブ205をそれぞれ支持するように構成されている。なお、マニホールド209とアウターチューブ205との間には、シール部材としてのOリング220aが設け
られている。
処理室201内には、基板の支持具としてのボート217を、マニホールド209の下端開口の下方側から搬入することが出来るように構成されている。ボート217は、複数枚の基板としてのウエハ200を、水平姿勢であって互いに中心を揃えた状態で整列させ、多段に支持するように構成されている。ボート217は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料から構成されている。ボート217の下部には、円板形状をした断熱部材としての断熱板216が、水平姿勢で多段に複数枚配置されている。断熱板216は、例えば石英や炭化珪素等の耐熱性材料から構成されており、ヒータ206からマニホールド209への熱伝導を抑制する。
マニホールド209の下端開口には、反応容器を気密に閉塞することが可能なシャッタ(炉口蓋体)としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、マニホールド209の下端に、反応容器の垂直方向下側から接合されるように構成されている。シールキャップ219は、例えばステンレス等の金属から構成されており、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と接合するシール部材としてのOリング220bが設けられている。
シールキャップ219の下方(すなわち処理室201側とは反対側)には、ボート217を回転させる回転機構254が設置されている。回転機構254が備える回転軸255は、シールキャップ219を貫通するように設けられている。回転軸255の上端部は、ボート217を下方から支持している。したがって、回転機構254を作動(回転)させることにより、ボート217を回転させ、処理室201内でウエハ200を回転させることが可能である。
また、シールキャップ219は、プロセスチューブ203の外部に垂直に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって、垂直方向に昇降されるように構成されている。よって、ボートエレベータ115を作動(昇降)させることにより、ボート217を処理室201内外へ搬入(ボートローディング)させ、搬出(ボートアンローディング)させることが可能である。
回転機構254及びボートエレベータ115には、駆動制御部237が電気的に接続されている。駆動制御部237は、回転機構254及びボートエレベータ115が、所望のタイミングで所望の動作をするように制御する。
(ヒータ)
プロセスチューブ203の外側には、同心円状に、処理室201内を加熱する加熱機構としてのヒータ206が設けられている。ヒータ206は円筒形状であり、保持板としてのヒータベース251に支持されている。ヒータベース251は、マニホールド209を支持するように構成されている。
プロセスチューブ203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。ヒータ206と温度センサ263とには、温度制御部238が電気的に接続されている。温度制御部238は、温度センサ263により検出された温度情報に基づいて、処理室201内の温度が所望のタイミングで所望の温度分布となるように、ヒータ206への通電具合を制御する。
(ガス供給ライン)
マニホールド209の側面部には、シールキャップ219により閉塞された反応容器内に処理ガス及び不活性ガスを供給するガス供給ライン230が、マニホールド209の側
面部を貫通するように設けられている。
ガス供給ライン230は、処理ガスとしてのビスターシャリーブチルアミノシランガス(以下、BTBASガスと呼ぶ)を供給するBTBAS供給ライン230aと、処理ガスとしてのアンモニア(NH)ガスを供給するNHガス供給ライン230bと、を備えている。BTBASガスとは、常温では液体であるBTBAS(Bis(Tertiary−butylamino)Silane、SiH[NH(C)])を気化させたガスである。BTBAS供給ライン230aおよびNHガス供給ライン230bは、マニホールド209の側面部を貫通するように設けられている。BTBAS供給ライン230aとマニホールド209との接続口、及びNHガス供給ライン230bとマニホールド209との接続口は、それぞれノズル状に形成されており、処理室201内にBTBASガス、アンモニアガスを供給することが出来るように構成されている。
BTBAS供給ライン230a、及びNHガス供給ライン230bの概略構成について、図3を用いて説明する。
BTBAS供給ライン230aには、常温では液体であるBTBASを供給するBTBAS供給源50と、BTBASの流量制御手段としてのマスフローコントローラ51と、BTBASを気化させてBTBASガスを発生させる気化器52とが、上流側から順に直列に接続されている。
BTBAS供給源50は、内部を一定温度に保持することが可能な恒温槽50aを備えている。恒温槽50aは、その内部に常温では液体であるBTBASを溜めることが可能であるとともに、気密構造にも構成されている。恒温槽50aの天井部には、押し出しガスとしてのNガスやHeガスを恒温槽50a内に供給する押し出しガス供給ライン50bと、恒温槽50aから押し出されるBTBASをマスフローコントローラ51へと供給するBTBAS供給ライン230aとが、天井壁を貫通するように設けられている。押し出しガス供給ライン50bの下流側端部50dは、恒温槽50a内の上部付近(すなわちBTBASの喫水線よりも上方)に開口部を有し、BTBAS供給ライン230aの上流側端部50eは、恒温槽50a内の底部付近(すなわちBTBASの喫水線よりも下方)に開口部を備えている。なお、押し出しガス供給ライン50bには、押し出しガスの供給を制御する開閉バルブ50cが設けられている。従って、開閉バルブ50cを開放することにより、恒温槽50a内に押し出しガスが供給されるとともに恒温槽50aからマスフローコントローラ51へとBTBASが押し出される。
恒温槽50aから押し出されたBTBASは、マスフローコントローラ51によって流量制御されながら気化器52内に供給される。気化器52は、BTBASを加熱昇温することにより気化させて、処理ガスとしてのBTBASガスを発生させるように構成されている。気化器52の下流側は、マニホールド209の側面部を貫通するように設けられたBTBAS供給ライン230aにより、処理室201内へと連通している。気化器52とマニホールド209との間には、開閉バルブ53が設けられている。また、開閉バルブ53の上流側(すなわち気化器52と開閉バルブ53との間)のBTBAS供給ライン230aには、開閉バルブ54を介して、後述するガス排気ライン231aのAPCバルブ242の下流側が接続されている。
従って、開閉バルブ53を開け、開閉バルブ54を閉めることにより、気化器52で発生させたBTBASを気化させたガスを、処理室201内へ供給することが出来るように構成されている。また、開閉バルブ53を閉め、開閉バルブ54を開けることにより、処理室201内へBTBASを気化させたガスを供給することなく、ガス排気ライン231aを介して処理室201の外部へ排気させることが出来るように構成されている。気化器
52にてBTBASガスを安定して発生させるには長時間を要するが、上述のように、気化器52におけるBTBASの気化を継続させたまま開閉バルブ53、54を切り替えることにより、処理室201内への処理ガスのガス供給を迅速に再開することが出来る。
NHガス供給ライン230bには、処理ガスとしてのアンモニア(NH)ガスを供給するNHガス供給源60と、NHガスの流量制御手段としてのマスフローコントローラ61とが、直列に接続されている。NHガス供給源60とマスフローコントローラ61との間には開閉バルブ62が、マスフローコントローラ61とマニホールド209との間には開閉バルブ63が、それぞれ設けられている。
従って、開閉バルブ62,63を開放することにより、マスフローコントローラ61によって流量制御しながら、処理室201内へ、処理ガスとしてのアンモニア(NH)ガスを供給することが出来る。
また、BTBAS供給ライン230aおよびNHガス供給ライン230bには、不活性ガスとしての窒素(N)ガスを供給するNガス供給ライン230cが接続されている。Nガス供給ライン230cは、BTBAS供給ライン230aおよびNHガス供給ライン230bを介して、処理室201内にNガスを供給することが出来るように構成されている。
ガス供給ラインには、不活性ガスとしての窒素(N)ガスを供給するNガス供給源70と、Nガスの流量制御手段としてのマスフローコントローラ71とが、直列に接続されている。なお、Nガス供給源70とマスフローコントローラ71との間には、開閉バルブ72が設けられている。また、Nガス供給ラインのマスフローコントローラ71の下流側は、開閉バルブ73aを介して、BTBAS供給ライン230aの開閉バルブ53の下流側(すなわち開閉バルブ53とマニホールド209との間)に接続されている。さらに、Nガス供給ラインのマスフローコントローラ71の下流側は、開閉バルブ73bを介して、NHガス供給ラインの開閉バルブ63の下流側(すなわち開閉バルブ53とマニホールド209との間)にも接続されている。
したがって、開閉バルブ53,63を閉めて、処理室201内への処理ガス(BTBASガス及びNHガス)の供給を停止した状態で、開閉バルブ73aを開けることにより、BTBAS供給ライン230aから処理室201内へNガスを供給することが出来る。また、同様に、開閉バルブ73bを開けることにより、NHガス供給ライン230bから処理室201内へNガスを供給することも出来る。さらには、開閉バルブ73a,73bの両方を開けることにより、BTBAS供給ライン230a及びNHガス供給ライン230bの両方から処理室201内へNガスを供給することも出来る。
ガス供給ライン230の各構成部品には、ガス流量制御部235が電気的に接続されている。ガス流量制御部235は、ガス供給ライン230の各構成部品が、所望のタイミングで所望の動作をするよう制御する。
(ガス排気ライン)
ガス供給ライン230とは反対側のマニホールド209の側面部には、処理室201内を排気するガス排気ライン231aが設けられている。ガス排気ライン231aは、マニホールド209の側面部を貫通しており、インナーチューブ204とアウターチューブ205との隙間によって形成される筒状空間250の下端部に連通している。
ガス排気ライン231aの下流側(マニホールド209との接続側と反対側)には、圧力調整装置としてのAPC(Auto Pressure Contoroller)バ
ルブ242と、真空ポンプ246とが直列に接続されている。従って、APCバルブ242を開けて真空ポンプ246を作動させることによって、処理室201内を排気することが可能である。また、ガス排気ライン231aのうちAPCバルブ242よりも上流側には、圧力検出器としての圧力センサ245が設けられている。
APCバルブ242及び圧力センサ245には、圧力制御部236が電気的に接続されている。圧力制御部236は、圧力センサ245により検知した圧力情報に基づいて、処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力(真空度)となるように、APCバルブ242の開度を制御する。
(コントローラ)
ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、及び温度制御部238は、基板処理装置全体を制御する主制御部239に電気的に接続されている。ガス流量制御部235、圧力制御部236、駆動制御部237、温度制御部238、及び主制御部239は、基板処理装置のコントローラ240として構成されている。
(4)基板処理方法
続いて、本発明の一実施形態にかかる基板処理方法について、図4を用いて説明する。本実施形態にかかる基板処理方法は、半導体装置の製造方法の一工程として、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によりウエハ200上にシリコン窒化膜を形成する方法であり、上述の基板処理装置によって実施される。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ240により制御される。
(基板搬入工程(S1))
まず、処理対象の複数枚のウエハ200を、ボート217に装填(ウエハチャージ)する。そして、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降させ、マニホールド209の下端を開口させる。そして、複数枚のウエハ200を支持したボート217を、ボートエレベータ115によって上昇させて、処理室201に搬入(ボートローディング)する。そして、マニホールド209の下端開口部を、Oリング220bを介してシールキャップ219によりシールする。その結果、図2に示す状態となる。
(減圧工程及び昇温工程(S2))
続いて、処理室201内が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246を作動させ、APCバルブ242を開けることにより、ガス排気ライン231aにより処理室201内を真空排気する。この際、処理室201内の圧力を圧力センサ245で検知(測定)し、この検知(測定)した圧力情報に基づいてAPCバルブ242の開度をフィードバック制御する。
また、ウエハ200の表面温度が所望の温度となるように、ヒータ206を通電加熱する。この際、各ウエハ200の表面が例えば450℃から580℃になるように、ヒータ206への通電量を制御する。
なお、減圧工程及び昇温工程(S2)が完了したら、回転機構254を作動させ、ボート217とともにウエハ200を回転させておく。
(処理ガスの供給工程(S3))
続いて、開閉バルブ50cを開け、恒温槽50a内に押し出しガスを供給し、恒温槽50aからマスフローコントローラ51へとBTBASを押し出し、押し出したBTBASをマスフローコントローラ51によって流量制御しながら気化器52へと供給し、気化器
52にてBTBASを加熱昇温することにより気化させて、BTBASガスを発生させる。なお、BTBASガスは、減圧工程及び昇温工程(S2)の完了までに発生させておくことが好ましい。その際、発生させたBTBASガスは、開閉バルブ53を閉め、開閉バルブ54を開けることにより、処理室201内へ供給することなく、ガス排気ライン231aを介して排気しておくことが好ましい。
続いて、開閉バルブ62,63を開け、マスフローコントローラ61により流量制御しながら、減圧された処理室201内へNHガスを供給する。導入されたNHガスは、処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250へと流通して、ガス排気ライン231aから排気される。なお、この際、開閉バルブ72,73bを開けて、処理室201内へNHガスと同時にNガスも供給してもよい。NHガスをNガスで希釈して供給することにより、処理室201内への処理ガスの供給速度を向上させることができる。
続いて、NHガスの供給を継続したまま、開閉バルブ54を閉め、開閉バルブ53を開けることにより、減圧された処理室201内へBTBASガスを供給する。導入されたBTBASガスは、先に供給されているNHガスと混合し、処理室201内を上昇し、インナーチューブ204の上端開口から筒状空間250へと流通して、ガス排気ライン231aから排気される。なお、この際、開閉バルブ72,73aを開けて、処理室201内へBTBASガスと同時にNガスも供給してもよい。BTBASガスをNガスで希釈して供給することにより、処理室201内への処理ガスの供給速度を向上させることができる。
処理室201内に導入されたNHガスとBTBASガスとの混合ガスは、処理室201内を通過する際にウエハ200の表面と接触する。この際、熱によるCVD反応が発生し、ウエハ200の表面上にシリコン窒化膜であるBTBAS−SiN膜が形成(堆積)される。
所定の処理時間が経過して、ウエハ200の表面上に所望の膜厚のBTBAS−SiN膜が形成されたら、まず、開閉バルブ54を開け、開閉バルブ53を閉めることにより、BTBASガスの供給を停止する。続いて、開閉バルブ62,63を閉めることにより、及びNHガスの処理室201内への供給を停止する。
(熱処理工程(S4))
続いて、ウエハ200の表面温度が800℃以上、例えば850℃の温度となるように、ヒータ206への通電量を調整し、BTBAS−SiN膜が形成されたウエハ200を熱処理(アニール処理)する。その結果、形成されたBTBAS−SiN膜から水素(H)が脱離してBTBAS−SiN膜が収縮する。その結果、HF系溶液に対するBTBAS−SiN膜のエッチングレートが低下する。
なお、処理ガスの供給工程(S3)及び熱処理工程(S4)を実施中は、真空ポンプ246による真空排気を継続させたまま、APCバルブ242によって処理室201内の圧力が所定の圧力(処理圧力)になるように制御する。
(昇圧工程(S5))
続いて、開閉バルブ73a,73bを開けることにより、処理室201内へNガスを供給して処理室201内の雰囲気をNガスに置換するとともに、APCバルブ242を調整することにより、処理室201内の圧力を大気圧まで昇圧する。なお、昇圧工程(S5)においても、真空ポンプ246による真空排気は継続させたままとし、処理室201内の圧力はAPCバルブ242によって制御する。また、この際、ヒータ206への通電
は停止しておくことが好ましい。
(基板搬出工程(S6))
続いて、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降させて、マニホールド209の下端を開口させるとともに、処理済のウエハ200を保持したボート217を下降させて、処理室201から引き出す(ボートアンローディング)。この際、開閉バルブ73a,73bは開けたままとし、反応容器内にNガスを常に流しておくことが好ましい。また、基板搬出工程(S6)においても、真空ポンプ246による真空排気は継続させたままとし、APCバルブ242の開度を調整して処理室201内の圧力を制御することが好ましい。そして、搬出したボート217から、処理済のウエハ200を取り出して(ウエハディスチャージ)、本実施形態にかかる基板処理工程を終了する。
(5)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、処理ガスの供給工程(S3)にて形成したBTBAS−SiN膜を、熱処理工程(S4)にて所定の温度(800℃以上、例えば850℃)で熱処理(アニール処理)している。その結果、HF系溶液に対するBTBAS−SiN膜のエッチングレートを低下させることができる。
図5に、熱処理前後のシリコン窒化膜のエッチングレートの測定結果を示す。図5においては、ウエハ200上にBTBAS−SiN膜とDCS−SiN膜とを形成し、それぞれの膜について、熱処理前のエッチングレートと熱処理後のエッチングレートとを測定した。エッチング液としてはHF系溶液を用いた。また、熱処理の温度は850℃とし、熱処理時間は30分とした。図5の縦軸は、エッチングレート比(=(シリコン窒化膜のエッチングレート)/(熱酸化により形成したシリコン酸化膜(SiO膜)のエッチングレート)を示している。つまり、縦軸の値が小さいほど、シリコン酸化膜(SiO膜)のエッチングレートと比較してシリコン窒化膜のエッチングレートが低下していることを示している。
図5によれば、熱処理前のBTBAS−SiN膜のエッチングレート比が0.11であったのに対し、熱処理後のBTBAS−SiN膜のエッチングレート比は0.05に低下していることが分かる。また、熱処理前のDCS−SiN膜のエッチングレート比が0.14であったのに対し、熱処理後のDCS−SiN膜のエッチングレート比は0.12に低下していることが分かる。図5によれば、熱処理後のBTBAS−SiN膜のエッチングレート(本実施形態にかかるシリコン窒化膜)は、熱処理前のDCS−SiN膜(従来のシリコン窒化膜)のエッチングレートと比較して、1/3程度にまで低下していることが分かる。すなわち、熱処理により、BTBAS−SiN膜のエッチングレートを大きく低下させ、シリコン酸化膜との選択比が大きく確保できていることが分かる。
また、図5によれば、BTBAS−SiN膜及びDCS−SiN膜のいずれにおいても、熱処理を行うことによりHF系溶液に対するエッチングレートを低下させることが可能であることが分かる。しかしながら、BTBAS−SiN膜の方がより顕著に効果が表れていることが分かる。すなわち、BTBAS−SiN膜のエッチングレート比が55%の減少(0.11から0.05に低下)であるのに対し、DCS−SiN膜のエッチングレート比は15%の減少(0.14から0.12に低下)に止まっており、熱処理によるエッチングレートの低下は、BTBAS−SiN膜の方が効果的に表れていることが分かる。
これは、BTBAS−SiN膜とDCS−SiN膜とに対して同条件で熱処理を行った場合に、BTBAS−SiN膜中からの水素(H)の脱離量の方が、DCS−SiN膜中からの水素の脱離量よりも大きいことが一要因であるものと考えられる。すなわち、熱処
理を行うことにより、BTBAS−SiN膜中及びDCS−SiN膜中から水素が脱離するが、BTBAS−SiN膜はその変化の度合いが大きく、これに伴ってBTBAS−SiN膜がより緻密になり、エッチングレートがより大きく低下しているものと考えられる。
BTBAS−SiN膜中からの水素の脱離に関する評価結果を、図6から図8に示す。
図6は、シリコン窒化膜の熱処理による膜収縮率の評価結果を示すグラフ図である。図6では、ウエハ200上にBTBAS−SiN膜とDCS−SiN膜とを形成し、それぞれの膜について、熱処理前の膜の体積と熱処理後の膜の体積とを測定した。熱処理の温度は850℃とし、熱処理時間は30分とした。図6の縦軸は、膜収縮率(%)(=(熱処理前の膜の体積)/(熱処理後の膜の体積)×100)を示している。つまり、縦軸の値が大きいほど膜が大きく収縮していることを示している。
図6によれば、BTBAS−SiN膜の膜収縮率は7.24%であって、DCS−SiN膜の膜収縮率は0.43%であった。すなわち、BTBAS−SiN膜の膜収縮率は、DCS−SiN膜の膜収縮率と比較して大きい(例えば16倍以上)ことが分かる。
図7は、シリコン窒化膜中の水素結合の密度の測定結果を示すグラフ図である。図7では、ウエハ200上にBTBAS−SiN膜とDCS−SiN膜とを形成し、それぞれの膜について、Si−H結合及びN−H結合の密度(atoms/cm)を、熱処理の前後においてそれぞれ測定した。熱処理の温度は850℃とし、熱処理時間は30分とした。図7の縦軸は、Si−H結合及びN−H結合の密度(atoms/cm)を対数で表示している。つまり、縦軸の減少幅が大きいほど、より多くの水素(H)が膜中から脱離していることを示している。なお、図中では、Si−H結合の密度を白抜きの柱状グラフで示し、N−H結合の密度を斜線の柱状グラフにて示している。
図7によれば、BTBAS−SiN膜(図中左側)の方が、DCS−SiN膜(図中右側)よりも、Si−H結合及びN−H結合の密度が熱処理によって大きく変化している(減少している)ことが分かる。すなわち、BTBAS−SiN膜の方が、DCS−SiN膜よりも、熱処理による水素の脱離量が多いことが分かる。
図8は、シリコン窒化膜からの放出物資の観察結果を示すグラフ図である。図8では、ウエハ200上に形成したBTBAS−SiN膜からの脱離物質の種別を、昇温脱離法(TDS法)により測定した結果である。図8によれば、BTBAS−SiN膜を600℃以上に加熱することによって、質量数2の物質(すなわちH)が膜中から多く脱離していることが分かる。
以上、図6から図8に示すとおり、同一の条件で熱処理を行った場合に、BTBAS−SiN膜中からの水素(H)の脱離量の方が、DCS−SiN膜中からの水素の脱離量よりも大きいことが分かる。すなわち、BTBAS−SiN膜の方が、DCS−SiN膜よりも、熱処理によって緻密化され易く、HF系溶液に対するエッチングレートが低下し易いことが分かる。参考までに、熱処理前のBTBAS−SiN膜の特性と、熱処理前のDCS−SiN膜の特性との比較表を、図10に示す。
<本実施形態の適用例>
続いて、図9に、本実施形態にかかるBTBAS−SiN膜の適用例として、半導体デバイスとしてのDRAMの製造工程の一工程を示す。図9は、層間絶縁膜305にコンタクトホール307を形成する工程を示す概略図であり、(a)はエッチング開始前、(b)はエッチング中、(c)はエッチング終了時の様子をそれぞれ示している。
まず、基板としてのウエハ200の表面にゲート絶縁膜301を形成し、ゲート絶縁膜301上に多結晶シリコン膜からなるゲート電極303を形成する。そして、上述した方法により、所定の温度で熱処理を施したBTBAS−SiN膜をゲート電極303の表面および側壁に堆積させて、ゲート電極303を絶縁するサイドウォール膜304を形成する。その後、ゲート電極303をマスクとして拡散を行って、ソース・ドレイン領域となる拡散層15をウエハ200表面に形成する。そして、サイドウォール膜304及び拡散層15の上層にシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜305を形成し、層間絶縁膜305の上面にレジストパターン306を形成する。その結果、図9(a)に示す断面構成となる。
続いて、層間絶縁膜305の上面に形成したレジストパターン306をマスクとして、HF系溶液を用いてエッチング処理(ウエットエッチング)を行い、層間絶縁膜305を貫通するコンタクトホール307を形成する。層間絶縁膜305の上面にHF系溶液を供給すると、HF系溶液に対するエッチングレートが比較的高い層間絶縁膜305(シリコン酸化膜)が選択的にエッチングされ、図9(b)に示す断面構成となる。この際、HF系溶液に対するエッチングレートが低いサイドウォール膜304(BTBAS−SiN膜)はエッチングストップ膜として機能する。その結果、ゲート電極303が露出したり、エッチングされたりすることが抑制される。エッチング終了後には、図9(c)に示す断面構成となる。
HF系溶液に対するシリコン窒化膜のエッチングレートはゼロではないため、シリコン酸化膜のみを選択的にエッチングしようとしても、サイドウォール膜304も微量にエッチングされてしまう。HF濃度が1%であるHF系溶液をエッチング液として用いた場合、熱処理を行わない従来方法により形成したDCS−SiN膜のエッチングレートは、シリコン窒化膜のエッチングレートの13〜14%程度であった。また、熱処理を行わない従来方法により形成したBTBAS−SiN膜のエッチングレートは、シリコン窒化膜のエッチングレートの11%程度である。
これに対し、本実施形態にかかるBTBAS−SiN膜は、熱処理を行うことによりHF系溶液に対するエッチングレートが例えば5%にまで抑制される。そして、サイドウォール膜304のエッチング量が抑制されることにより、サイドウォール膜304を予め薄く形成することが可能となり、DRAMの微細化を促進させ、あるいはDRAMの信頼性を向上させたりすることが可能となる。
<本発明の好ましい態様>
以下に本発明の望ましい態様について付記する。
本発明の第1の態様によれば、
加熱された基板を収容した処理室内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により前記基板上にシリコン窒化膜を形成し、
前記シリコン窒化膜が形成された前記基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理する
基板処理方法が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
加熱された基板を収容した処理室内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により前記基板上にシリコン窒化膜を形成し、
前記シリコン窒化膜が形成された前記基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理して前記シリコン窒化膜を収縮させ、HF系エッチング液に対する前記シリコン窒化膜のエッチング速度を低下させる
基板処理方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
加熱された基板を収容した処理室内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により前記基板上にシリコン窒化膜を形成し、
前記シリコン窒化膜が形成された前記基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理し、前記シリコン窒化膜中の水素濃度を低下させて前記シリコン窒化膜を収縮させ、HF系エッチング液に対する前記シリコン窒化膜のエッチング速度を低下させる
基板処理方法が提供される。
本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の斜透視図である。 本発明の一実施形態にかかる基板処理装置が備える処理炉の概略構成図である。 本発明の一実施形態にかかる処理炉が備えるガス供給ラインの概略構成図である。 本発明の一実施形態にかかる基板処理工程のフロー図である。 熱処理前後のシリコン窒化膜のエッチングレートの測定結果を示すグラフ図である。 シリコン窒化膜の膜収縮率の測定結果を示すグラフ図である。 シリコン窒化膜中の水素結合の密度の測定結果を示すグラフ図である。 シリコン窒化膜からの放出物資の観察結果を示すグラフ図である。 層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程を示す概略図であり、(a)はエッチング開始前、(b)はエッチング中、(c)はエッチング終了時の様子をそれぞれ示している。 熱処理前のBTBAS−SiN膜の特性と熱処理前のDCS−SiN膜の特性とを比較する表図である。
符号の説明
200 ウエハ(基板)
201 処理室
301 ゲート絶縁膜
303 ゲート電極
304 サイドウォール膜(シリコン窒化膜)
305 層間絶縁膜(シリコン酸化膜)

Claims (1)

  1. 加熱された基板を収容した処理室内に、ビスターシャリーブチルアミノシランガスとアンモニアガスとを供給して、CVD法により前記基板上にシリコン窒化膜を形成し、
    前記シリコン窒化膜が形成された前記基板を800℃以上の雰囲気で加熱処理する
    ことを特徴とする基板処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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