JP2004281448A - 電波吸収体 - Google Patents

電波吸収体 Download PDF

Info

Publication number
JP2004281448A
JP2004281448A JP2003066834A JP2003066834A JP2004281448A JP 2004281448 A JP2004281448 A JP 2004281448A JP 2003066834 A JP2003066834 A JP 2003066834A JP 2003066834 A JP2003066834 A JP 2003066834A JP 2004281448 A JP2004281448 A JP 2004281448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
expanded graphite
radio wave
wave absorber
powder
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003066834A
Other languages
English (en)
Inventor
Akitsugu Tashiro
了嗣 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2003066834A priority Critical patent/JP2004281448A/ja
Publication of JP2004281448A publication Critical patent/JP2004281448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

【課題】電波吸収特性、特に、高周波領域の高周波吸収特性に優れ、かつ軽量で低コストの電波吸収体を提供する。
【解決手段】極性の小さなバインダー及び膨張黒鉛粉を含む混合物からなる電波吸収体。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電波吸収体に関し、詳しくは極性の小さな低誘電率バインダーと電波吸収特性、特に、高周波領域での高周波吸収特性に優れる膨張黒鉛粉を使用した電波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】
IT化社会の急速な発展及び普及に伴い、近年、携帯電話を代表とする移動型通信機器及びパーソナルコンピュターが一般的に普及し、電波の利用は拡大の一途を辿っている。
これに伴い上記機器から発生する電磁波も必然的に多くなり、電子機器の誤作動やテレビ、ラジオ等のノイズなどの電波障害を引き起こすばかりでなく、人体への悪影響も懸念されている。
【0003】
上記状況の中、今後急速に普及すると考えられるミリ波レーダ(車に取り付け、前方車との距離を正確に測定し運転者に伝える)は、76GHZレベルの高周波が使用されるが、電波の多重乱波によって、誤作動を引き起こす欠点を有しており、76GHZ領域の多重乱波を吸収する材料をレーダに装着し解決策とするため、盛んに検討されている。
【0004】
吸収体の性状は、使用するバインダーによってほぼ決定されるが、コスト、複合化の簡便さを考慮すると、弾性を有する薄いシート状のものが好ましい。一般的な電波吸収体シートは、溶剤に溶解した合成ゴム中に吸収体(磁性粉など)を配合し、シート状に加工し溶剤を除去して製造される。
【0005】
しかしながら、これらの配合及び製法によって製造されたシートは、高価な磁性体の使用によりコスト高となるばかりでなく、比重の重いシートとなり施工時に大きな問題となる。また高周波の吸収特性も小さく、レーダの電波による誤作動を完全に防ぐことはできない。
【0006】
また、使用する柔軟性を有するシート材料(バインダー)にも問題は多く、一般に使用される合成ゴムは、分子中に二重結合を有するため特性向上策として、硫黄、過酸化物等により加硫されるが、硫黄(加硫促進剤含む)による加硫の場合、臭気による環境汚染が大きな問題となる。また過酸化物を使用した場合、使用条件及び保管条件により火災を引き起こすので、十分過ぎる気配りをしなければならない。
さらに、特許文献1に示されるように低コストで比重の小さいカーボンを吸収体として使用したものは、カーボンの異方性が小さいため高周波領域の電波吸収特性が低いという問題点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−27986号公報(第1−5頁)
【0008】
電波吸収体の電波吸収特性は、一般的に吸収体の誘電率と大きな関係があり、誘電率が小さい方が特性が好ましいとされている。誘電率は、使用する吸収材料の性状と、バインダーとして使用する樹脂分子中に含まれる極性基が大きく影響する。例えば、イミド基、アミド基、カルボニル基、水酸基、エポキシ基等の分子を有するバインダーを用いた吸収材料は誘電率が高くなるという問題点も有している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、極性の小さなバインダーと膨張黒鉛粉とを併用することで、電波吸収特性、特に、高周波領域の高周波吸収特性に優れ、かつ軽量で低コストの電波吸収体を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
1. 極性の小さなバインダー及び膨張黒鉛粉を含む混合物からなる電波吸収体。
2. 膨張黒鉛粉が、異方性を有する膨張黒鉛粉である項1記載の電波吸収体。
3. 膨張黒鉛粉が、膨張黒鉛シート粉砕粉である項1又は2記載の電波吸収体。
4. 膨張黒鉛シート粉砕粉が、平均粒径が10μm〜350μmの範囲である項3記載の電波吸収体。
5. バインダーが、合成ゴム及び水添石油樹脂からなる項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体。
6. 最終性状が弾性体である項1〜5のいずれかに記載の電波吸収体。
【0011】
【発明の実態の形態】
本発明のバインダーの一部に用いられる合成ゴムは、硫黄、硫黄化合物及び過酸化物を含有したものでなければ特に制限はなく、ゴムを構成する分子に極性基を有しないものを用いることが好ましい。
使用可能な合成ゴムとしては、上記の観点からスチレンとブタジエンの共重合体(SBR)が好ましく、例えば、Nipol 1502、 Nipol 1778、 Nipol 9529、 Nipol 9550、 Nipol NS116、 Nipol NS210、 Nipol NS112 (以上、日本ゼオン(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0012】
前記合成ゴムと併用して使用する水添石油樹脂(以下単に樹脂とする)についても特に制限はないが、極性の小さな樹脂、使用ゴムの弾性を生かす、比較的高い融点を有し、かつ融点以下の温度では使用ゴムのバインダーとして機能する、使用ゴムとの相溶性が良好である等の効果を有する樹脂を用いることが好ましい。詳しくは、芳香族系石油樹脂を完全に水添化し、特性の向上及び極性を低下させた樹脂が好ましい。化1〔一般式(I)〕に上記樹脂の構造式を示す。
【0013】
【化1】
Figure 2004281448
【0014】
上記の一般式(I)で示される樹脂としては、アルコンP−70、アルコンP−90、アルコンP−100、アルコンP−115、アルコンP−125、アルコンP−140(以上、荒川化学工業(株)製、商品名)等が挙げられる。
上記の樹脂の軟化点は、70℃〜140℃で、耐熱性の指標となるTg(ガラス転移温度)は、48℃〜86℃で、併用するSBRの種類及び配合量は使用環境により、適宜選定される。
【0015】
例えば、比較的高温雰囲気で、電波吸収体が使用される場合、併用するゴムのTgは0℃以下であるのでTgの高い前記樹脂との組み合わせが必要となる。
また、前記合成ゴムと樹脂を混合する方法に特に制限はないが、溶媒混合法やニーダ混合法が好ましい。
【0016】
溶媒混合法は、合成ゴムと樹脂を溶解する溶媒を使用し、攪拌装置を有した密閉容器の中で混合する方法で、必要に応じて容器を加熱して混合される。使用する溶媒に制限はなく、短時間で両者を溶解できる溶媒が好ましく、例えば、トルエン、n−ヘキサン及びこれらの混合物が使用される。
【0017】
一方、ニーダ混合法は、溶媒を使用せずニーダの剪断力で前記材料を均一に混合する方法で、剪断力の大きさ、混練温度を最適にして混合する必要がある。不適当な条件で混合した場合、混合時の異常発熱、合成ゴムの分子鎖切断等が発生し、得られるバインダーの物性が低下する。
【0018】
合成ゴムと樹脂の配合比率については特に制限はなく、使用条件によって適宜選定されるが、合成ゴム/樹脂=10/90(重量%)〜90/10(重量%)の範囲が好ましく、合成ゴム/樹脂=20/80(重量%)〜80/20(重量%)の範囲がさらに好ましい。合成ゴムの配合量が10重量%未満の場合、得られる吸収体の弾性率が急激に低下し、シート化が困難になる傾向がある。また配合量が90重量%を超えると、耐熱性が急激に低下する傾向がある。
【0019】
一方、本発明に用いられる膨張黒鉛粉については特に制限はないが、コストを重視するならば、原料黒鉛として天然黒鉛、人造黒鉛を使用することが好ましい。異方性を有する膨張黒鉛粉を使用する場合、黒鉛の粒径に制限はなく、要求特性を考慮し粒径の異なる黒鉛を混合して使用することもできる。
【0020】
使用する膨張黒鉛粉の形態には制限はなく、得られた膨張黒鉛粉をそのまま使用してもよく、また膨張黒鉛粉をシート化状に加工し、粉砕した膨張黒鉛シート粉砕粉などが使用できる。使用する合成ゴムと樹脂との混合時における作業性及び混合時の膨張黒鉛の壊れにくさを考慮すると、膨張黒鉛シート粉砕粉を使用することが好ましい。
【0021】
膨張黒鉛は、例えば原料黒鉛を、酸性物質及び酸化剤を含む溶液中に浸漬して黒鉛層間化合物を生成させる工程及び前記黒鉛層間化合物を加熱して黒鉛結晶のC軸方向を膨張させて膨張黒鉛とする工程により製造することができる。これにより膨張した黒鉛が虫状形となり複雑に絡み合った形態となる。
膨張黒鉛の倍率は、特に制限はないが電波の吸収特性を考慮すると、150倍以上が好ましく、150倍〜300倍であることが更に好ましい。
【0022】
この膨張黒鉛を粉砕することにより膨張黒鉛粉とすることができるが、粉砕の前に、得られた膨張黒鉛に圧力を加えシート状に圧縮成形して膨張黒鉛シートとすることが好ましい。また必要に応じて、得られた粉砕粉に含まれる酸性根を低減させるための処理(高温処理)を施す。
【0023】
前記の原料黒鉛としては特に制限はないが、天然黒鉛、キッシユ黒鉛、熱分解黒鉛等の高度に結晶が発達した黒鉛が好ましいものとして挙げられる。得られる特性と経済性のバランスを考慮すると天然黒鉛が好ましい。用いる天然黒鉛としては、特に制限はなく、F48C(日本黒鉛(株)製、商品名)、H−50(中越黒鉛(株)製、商品名)等の市販品を用いることができる。これらは、鱗片状の粉末の形態で使用することが好ましい。
【0024】
原料黒鉛の処理に用いられる酸性物質は、一般的に硫酸などの黒鉛の層間に進入して十分な膨張能力を有する酸性根(陰イオン)を発生することができるものが使用される。酸性物質の使用量については特に制限はなく、目的とする膨張倍率で決定され、例えば、黒鉛100重量部に対して100重量部〜1000重量部使用することが好ましい。
【0025】
また、酸性物質と共に用いられる酸化剤は、過酸化水素、過塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム等の過酸化物、また硝酸などの酸化作用のある酸を用いることができ、良好な膨張黒鉛を得やすいという観点から過酸化水素が特に好ましい。酸化剤として過酸化水素を用いる場合、水溶液として用いることが好ましく、このとき、過酸化水素の濃度については特に制限はないが、20重量%〜40重量%が好ましい。その使用量についても特に制限はないが、黒鉛100重量部に対して過酸化水素水として5重量部〜60重量部配合することが好ましい。
【0026】
酸性物質及び酸化剤は、水溶液の形態で使用することが好ましい。
酸性物質としての硫酸は、適度の濃度で使用されるが、95重量%以上の濃度のものが好ましく、濃硫酸を使用することが特に好ましい。
【0027】
前記において、膨張黒鉛シートの製法についても特に制限はないが、一般的には上記で得た膨張黒鉛を、プレス、ロール等で圧力を加えてシート化することが好ましい。膨張黒鉛をシート化したときのシートの厚さ及び嵩密度については特に制限はないが、厚さが0.5mm〜1.5mmの範囲及び嵩密度が0.2g/cm〜1.7g/cmの範囲のものが好ましい。厚さが0.5mm未満であると粉砕工程での作業性の低下(ハンドリング中にシートが脆く崩れる)を招く傾向があり、1.5mmを超えると粉砕し難くなる傾向がある。また嵩密度が0.2g/cm未満であると得られる電波吸収体の電波吸収特性が低下する傾向があり、1.7g/cmを超えると電波吸収体の柔軟性が低下する傾向がある。
【0028】
なお、嵩密度の大きさは、加圧量、ロールギャップ等の調整により、調整することができる。また膨張黒鉛シートの粉砕は、粗粉砕及び微粉砕により行うことが好ましく、この後、必要に応じて分級を行う。
【0029】
本発明で好ましいものとして使用する膨張黒鉛シート粉砕粉の嵩密度については特に制限はないが、0.1g/cm〜0.4g/cmの範囲が好ましい。膨張黒鉛シート粉砕粉の嵩密度が小さすぎると、合成ゴムと樹脂との均一混合性が低下し、均一な電波吸収体が得られ難くなる傾向があり、また膨張黒鉛シート粉砕粉の嵩密度が大きすぎると目的とする、柔軟性や電波吸収特性の効果が低下する傾向がある。
【0030】
異方性を有する膨張黒鉛シート粉砕粉の平均粒径と電波吸収体の電波吸収特性には大きな関係があり、数平均粒径で10μm〜350μmの範囲が好ましく、30μm〜300μmの範囲がさらに好ましい。数平均粒径が10μm未満であると膨張黒鉛の絡み合いの効果が少なくなり、得られる高周波領域の電波吸収特性が低下し、また強度低下が起こり易くなる傾向があり、一方、数平均粒径が350μmを超えるとバインダーとの均一分散が困難となり、前記と同様に高周波吸収特性が低下する傾向がある。
【0031】
本発明で使用する膨張黒鉛粉とバインダー(合成ゴム、樹脂及び溶媒の混合物)との混合方法に制限はないが、ニーダ、ライカイ機等を使用して混合すれば、コスト及び混合性の点で好ましい。また混合する際は膨張黒鉛粉が微粉化しないように、最適な混合条件(混合時の剪断力、混合時間等)で混合するものとする。
【0032】
また、膨張黒鉛粉とバインダーの配合割合は、異方性を有する膨張黒鉛粉の粒径と吸収させたい電波の周波数により適宜選定される。例えば、76.5GHZレベルの高周波を吸収するシートの場合、膨張黒鉛粉とバインダー(固形分)の混合物に対し、平均粒径30μm〜100μmの膨張黒鉛粉を5重量%〜20重量%配合することが好ましい。配合量が5重量%未満の場合、吸収する電波の周波数が低領域に移行する傾向があり、また配合量が20重量%を超えると誘電率が大きくなり、吸収特性が低下する傾向がある。
【0033】
電波吸収体の最終性状であるシート状にする方法についても特に制限はなく、例えば、混合物貯蔵タンク、表面離型処理したベルトコンベア、ナイフコータ、乾燥機、巻き取り機等の部品から構成される設備を用い、貯蔵タンクから一定量の混合物供給し、ナイフコータで混合物の厚みを一定化させることで、コスト低減が可能で更に一定厚みを有し、残存溶剤の少ないシートを得ることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
(1)バインダー(合成ゴム、樹脂及び溶媒の混合物…極性の小さな混合物)の製造
攪拌機、冷却管及び温度計を備えた1リットルの三つ口フラスコに、細かく切ったスチレン・ブタジエン・ゴム(SBR)としてNipol 1502(日本ゼオン(株)製、商品名)98gと完全水添タイプの極性が小さな完全水添化石油樹脂としてアルコンP−100(荒川化学(株)製、商品名)42gを計り取り、これに溶媒としてn−ヘキサン504gとトルエン56gを加え、溶媒中の樹脂分濃度を20重量%に調整した。
【0035】
上記の状態で材料を1時間放置した後、攪拌しながら内容物の温度が80℃になるまで昇温し、内容物の温度が80℃になった時点でさらに3時間攪拌を続け、溶媒中に材料が均一に溶解したバインダー(合成ゴム、樹脂及び溶媒の混合物)を得た。
【0036】
(2)膨張黒鉛シート粉砕粉の製造
板厚が1.0mm及び嵩密度が1.0g/cmの膨張黒鉛シートとしてカーボフィットHGP−105(日立化成工業(株)製、商品名)を粗粉砕機及び微粉砕機で粉砕し、数平均粒径が80μmで嵩密度が0.3g/cmの膨張黒鉛シート粉砕粉1kgを得た。
【0037】
(3)電波吸収体(シート)の製造
(1)で得たバインダー(合成ゴム、樹脂及び溶媒の混合物)50g(合成ゴムと樹脂の混合物10g含有)と(2)で得た膨張黒鉛シート粉砕粉1.0g 〔膨張黒鉛シート粉砕粉とバインダー(固形分)の混合物に対し10重量%〕をライカイ機用乳鉢に計り取り、ライカイ機(ニットー工業(株)製、商品名ANM200WES型)を使用し、5分間混合し、バインダー(合成ゴムと樹脂の混合物)中に膨張黒鉛シート粉砕粉が均一に分散した混合物を得た。
【0038】
次に、厚さが0.1mm、縦及び横が150mmのアルミ板を予め、減圧吸着型のスクリーン印刷用ボード(ミノ社製)にセットし、ナイフコータを用いて上記で得た混合物を、アルミ板全体に塗工し110℃に昇温した防爆型乾燥機に入れ10分間処理を行い冷却後、塗工面に再度上記と同様の方法で混合物を塗工し、熱処理を行った。この後、前記熱処理物を130℃に加熱した平板作製用金型に入れ、20KPaの圧力で圧縮成形し、厚さが0.5mmのアルミ板複合シートからなる電波吸収体を得た。
【0039】
実施例2
膨張黒鉛シート粉砕粉の配合量を1.5g〔膨張黒鉛シート粉砕粉とバインダー(固形分)の混合物に対し15重量%〕とした以外は、実施例1と同様の工程を経て厚さが0.5mmのアルミ板複合シートからなる電波吸収体を得た。
【0040】
比較例1
膨張黒鉛シート粉砕粉に換えて、グラファイトKS(LONZA(株)製、商品名:数平均粒径約5μm)を実施例と同量配合した以外は、実施例1と同様の工程を経て厚さが0.5mmのアルミ板複合シートからなる電波吸収体を得た。
【0041】
比較例2
石油樹脂として部分水添タイプで比較的極性の大きなSM−10(荒川化学(株)製、商品名:軟化点100℃)を使用した以外は、実施例1と同様の工程を経て厚さが0.5mmのアルミ板複合シートからなる電波吸収体を得た。
【0042】
次に、各実施例及び比較例で得たアルミ板複合シートからなる電波吸収体の電波吸収特性を下記に示す方法及び条件で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2004281448
【0043】
【表1】
Figure 2004281448
【0044】
表1に示されるように、本発明になる実施例1及び実施例2の電波吸収体は、高周波領域における電波吸収特性が優れることが明らかである。これに対し、比較例1及び比較例2の電波吸収体は、電波吸収特性が実施例に比較して劣り、特に人造黒鉛を使用した比較例1は電波吸収特性が小さいことが確認された。
【0045】
【発明の効果】
本発明の電波吸収体は、電波吸収特性、特に高周波領域の高周波吸収特性に優れ、かつ軽量で低コストであり、工業的に極めて好適である。

Claims (6)

  1. 極性の小さなバインダー及び膨張黒鉛粉を含む混合物からなる電波吸収体。
  2. 膨張黒鉛粉が、異方性を有する膨張黒鉛粉である請求項1記載の電波吸収体。
  3. 膨張黒鉛粉が、膨張黒鉛シート粉砕粉である請求項1又は2記載の電波吸収体。
  4. 膨張黒鉛シート粉砕粉が、平均粒径が10μm〜350μmの範囲である請求項3記載の電波吸収体。
  5. バインダーが、合成ゴム及び水添石油樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載の電波吸収体。
  6. 最終性状が弾性体である請求項1〜5のいずれかに記載の電波吸収体。
JP2003066834A 2003-03-12 2003-03-12 電波吸収体 Pending JP2004281448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003066834A JP2004281448A (ja) 2003-03-12 2003-03-12 電波吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003066834A JP2004281448A (ja) 2003-03-12 2003-03-12 電波吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004281448A true JP2004281448A (ja) 2004-10-07

Family

ID=33284622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003066834A Pending JP2004281448A (ja) 2003-03-12 2003-03-12 電波吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004281448A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272852A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 水添石油樹脂を含む発泡壁紙
JP2015105286A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 日東電工株式会社 透明導電性フィルム用粘着剤層、粘着剤層付き透明導電性フィルム、及びタッチパネル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272852A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Dainippon Printing Co Ltd 水添石油樹脂を含む発泡壁紙
JP2015105286A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 日東電工株式会社 透明導電性フィルム用粘着剤層、粘着剤層付き透明導電性フィルム、及びタッチパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Luo et al. High-temperature stable and metal-free electromagnetic wave-absorbing SiBCN ceramics derived from carbon-rich hyperbranched polyborosilazanes
Feng et al. Microwave assisted sinter molding of polyetherimide/carbon nanotubes composites with segregated structure for high-performance EMI shielding applications
JP2007250823A (ja) 電波吸収体用磁性粉体および製造法並びに電波吸収体
Jaiswal et al. EMI and microwave absorbing efficiency of polyaniline-functionalized reduced graphene oxide/γ-Fe 2 O 3/epoxy nanocomposite
WO2020158758A1 (ja) 窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
JP2006245472A (ja) 電磁波吸収体
JP2003158395A (ja) 電磁波吸収材料
US20190351482A1 (en) Magnetic Flaky Powder and Magnetic Sheet Containing the Same
Gnanavel et al. Mechanical, thermal and dielectric behaviour of C-class fly-ash coarse and fine particles reinforced epoxy resin composite
Liu et al. Green segregated honeycomb biopolymer composites for electromagnetic interference shielding biomedical devices
CN111320165B (zh) 一种氧化石墨烯/羰基铁复合材料及其制备方法、石墨烯基吸波材料
Parvathi et al. High performance chlorinated natural rubber/zinc ferrite nanocomposite prepared through industrial compounding technique
KR102115751B1 (ko) 탄소나노튜브가 고르게 분산된 폼 소재 및 그 제조방법
JP2004281448A (ja) 電波吸収体
JP2007019287A (ja) 誘電損失材料とそれを用いた電磁波吸収体
CN107841125A (zh) 一种高性能噪音抑制片的制备方法
JP2006137860A (ja) 熱伝導シート
Wang et al. Preparation of Superelastic, Durable, and Lightweight Composite Foams Based on Multiple Cross-Linked Network Regulated Structures
JP5391414B2 (ja) 電波吸収体用磁性粉体
JP2012178469A (ja) 電波吸収体の製造方法、電波吸収体
Singh et al. Analysis of thermal and mechanical properties of annealed surface modified nanodiamond/epoxy nanocomposites
JP2006080352A (ja) 電波吸収シート
JP2004063578A (ja) 電波吸収体
JP2001035756A (ja) キャパシタ用分極性電極の製造方法
Kong et al. Properties enhancement in multiwalled carbon nanotube-magnetite hybrid-filled polypropylene natural rubber nanocomposites through functionalization and processing methods

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090618