JP2006080352A - 電波吸収シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 電波周波数GHz帯の電波入射角度に係わらず、また電波入射方向に関係なく、電波吸収量が大きく、安定した電波を吸収する、軽量で薄型の電波吸収シートを提供する。
【解決手段】 異方性黒鉛及びバインダーを含む薄型シートを、H方向及びY方向に交互に積層し、その厚さを調整して、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させるようにした電波吸収シートであり、上記に示す異方性黒鉛として膨張黒鉛シート粉砕粉を、バインダーとして弾性を有する高分子材料を用いることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 異方性黒鉛及びバインダーを含む薄型シートを、H方向及びY方向に交互に積層し、その厚さを調整して、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させるようにした電波吸収シートであり、上記に示す異方性黒鉛として膨張黒鉛シート粉砕粉を、バインダーとして弾性を有する高分子材料を用いることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、狭域通信で使用される電波周波数GHz帯で機能する装置(例えばETC:自動料金支払いシステム:起動周波数;5.8GHz)の誤作動防止用電波吸収シートに関し、さらに詳しくは電波入射方向に関係なく安定した吸収特性を有する、経済性及び軽量で施工性に優れる電波吸収シートに関する。
近年、5.8GHz帯及び76.5GHz帯の電波を利用した狭域通信(DSRC)システムの用途開発が盛んに行われ、その応用例の一つとしてETC(ノンストップ自動料金支払いシステム、起動周波数:5.8GHz)、ミリ波レーダー(起動周波数:76.5GHz)等が実用化され、ドライバーの快適な運転や安全に貢献している。
今後、上記システムは、一般駐車場、ドライブスルー、ガソリンスタンド等の民生分野に応用拡大することが予想されるが、ETCを含むDSRCシステムは、送受信アンテナ間における多重乱波によるシステムの誤作動が大きな問題となっており、アンテナ精度改良が進む中、多重乱波を正確に吸収する電波吸収体の開発も盛んに行われている。
電波吸収体の性状は、使用される場所の多様化に伴い、パネルタイプ、シートタイプ、塗料タイプ等に大別できるが、現在の所ETC通過ゲート付近に設置されるパネルタイプが一般的で、一部シートが使用されている。
また、ミリ波レーダー装着タイプの吸収体はシート状が多く使用されている。
また、ミリ波レーダー装着タイプの吸収体はシート状が多く使用されている。
特に、現在使用されているETC用パネル型電波吸収体は、軽量化を確保するため、特許文献1に示すように、バインダーとしてウレタン樹脂を代表とする発泡型樹脂に、電波吸収材(黒鉛、磁性粉及び無機粉混合物)を混合し、軽量化と電波吸収の両立を図っている。しかしパネル型電波吸収体は、体積が大きく施工効率を著しく低下させること及び湾曲部の施工が困難であること、また強靭なカバーにより内部を保護するため、コスト高になるなどの問題を抱えている。
特開2002−348987号公報
また、施工性を向上させるためシートタイプの電波吸収体も開発され一部使用されているが、コスト高の磁性粉をバインダーに含有させるため、重量が重く厚くなり、斜め入射の電波に対する吸収量が小さいため、性能の異なるシートを何枚も重ねる必要があり、経済性及び施工性の面で完全なものはない。
上記の問題を解決するために本発明者らは、電波周波数GHz帯に対応する狭域通信システムに使用する電波吸収シートについて、弾性バインダー中に電波吸収材として、軽量でかつ異方性を有する短繊維の複雑な絡み合いを有する膨張黒鉛を分散させた、電波入射角度に係らず電波吸収特性に優れ、低コストで軽量な肉薄の電波吸収シートを作製した。
しかしながら、作製した電波吸収シートは、電波入射方向〔X方向又はY方向(X方向を90°回転させた方向)〕により、電波吸収領域や吸収量に差が生じるという問題があった。
これは、電波吸収材として使用している黒鉛粉が有する異方性が原因であり、バインダー中に分散した異方性黒鉛が、シート製造時に一方向性を示すものと推定される。
これは、電波吸収材として使用している黒鉛粉が有する異方性が原因であり、バインダー中に分散した異方性黒鉛が、シート製造時に一方向性を示すものと推定される。
本発明は、電波周波数GHz帯の電波入射角度に係わらず、また電波入射方向に関係なく、電波吸収量が大きく、安定した電波を吸収する、軽量で薄型であり、かつ安価な電波吸収シートを提供するものである。
本発明は、次のものに関する。
1.異方性黒鉛及びバインダーを含む塗工吸収シートを、X方向及びY方向に交互に積層し、それを一定厚さに調整して、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させた電波吸収シート。
2.異方性黒鉛が、膨張黒鉛粉である項1又は2記載の電波吸収シート。
3.膨張黒鉛粉が、膨張黒鉛シート粉砕粉である項1又は2記載の電波吸収シート。
4.バインダーが、弾性を有する高分子材料である項1記載の電波吸収シート。
5.塗工吸収シートが、塗工機、乾燥装置及び製品巻取り装置を含む連続シート製造装置で得たものである項1〜4記載の電波吸収シート。
1.異方性黒鉛及びバインダーを含む塗工吸収シートを、X方向及びY方向に交互に積層し、それを一定厚さに調整して、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させた電波吸収シート。
2.異方性黒鉛が、膨張黒鉛粉である項1又は2記載の電波吸収シート。
3.膨張黒鉛粉が、膨張黒鉛シート粉砕粉である項1又は2記載の電波吸収シート。
4.バインダーが、弾性を有する高分子材料である項1記載の電波吸収シート。
5.塗工吸収シートが、塗工機、乾燥装置及び製品巻取り装置を含む連続シート製造装置で得たものである項1〜4記載の電波吸収シート。
本発明の電波吸収シートは、電波周波数GHz帯の入射角度に係わらず、また電波入射方向に関係なく、電波吸収量が大きく、安定した電波を吸収し、軽量で薄型であり、かつ安価な電波吸収シートであり、工業的に極めて好適である。
本発明は、バインダー、特に弾性バインダー中に異方性黒鉛を均一に混合して、該異方性黒鉛を弾性バインダー中に分散させることにより、適度に分散した異方性黒鉛が入射角度の異なる電波をそれぞれ吸収する機能分担を形成することになる。
本発明においては、さらに電波入射方向に関係なく電波吸収量が大きく、安定した電波を吸収する電波吸収シートを得るものである。
なお、本発明において、異方性黒鉛としては膨張黒鉛粉を用いることが好ましい。
本発明においては、さらに電波入射方向に関係なく電波吸収量が大きく、安定した電波を吸収する電波吸収シートを得るものである。
なお、本発明において、異方性黒鉛としては膨張黒鉛粉を用いることが好ましい。
本発明に使用する膨張黒鉛粉については特に制限はないが、コストを重視するならば、原料黒鉛として天然黒鉛、人造黒鉛を使用することが好ましい。使用する黒鉛の粒径についても制限はないが、要求特性を考慮し粒径の異なる黒鉛を混合して使用することもできる。また使用する膨張黒鉛粉の形態も制限はなく、得られた膨張黒鉛粉をそのまま使用してもよく、膨張黒鉛をシート状に加工し、それを粉砕した膨張黒鉛シート粉砕粉が使用できる。
なお、バインダー中に、好ましいものとして使用する膨張黒鉛粉を分散させる方法として、混錬機、混合機等を使用する場合、混合時の膨張黒鉛粉破壊による電波吸収量の変化を考慮すると、強度的に優れた膨張黒鉛シート粉砕粉を使用することが好ましい。
膨張黒鉛の製法については特に制限はなく、例えば原料黒鉛を、酸性物質及び酸化剤を含む溶液中に浸漬して黒鉛層間化合物を生成させる工程及び前記黒鉛層間化合物を加熱して黒鉛結晶のC軸方向を膨張させて膨張黒鉛とする工程により製造することができる。これにより膨張した黒鉛が虫状形となり複雑に絡み合った形態となる。
膨張黒鉛の倍率は、特に制限はないが電波吸収特性を考慮すると、100倍以上が好ましく、100倍〜500倍であることがさらに好ましい。膨張倍率が100倍未満及び500倍以上の膨張黒鉛を使用すると、電波の吸収領域が変動し易くなる傾向がある。
必要に応じて、上記膨張黒鉛をさらに高い温度で熱処理し、膨張黒鉛中に含まれる不純物を除去して使用される。この膨張黒鉛粉を粉砕、分級し、所望の膨張黒鉛を分別して使用することが好ましい。
なお、膨張黒鉛粉の純度を上げて使用する場合は、高温処理などを行い使用される。
なお、膨張黒鉛粉の純度を上げて使用する場合は、高温処理などを行い使用される。
前記の原料としては特に制限はないが、天然黒鉛、キツシユ黒鉛、熱分解黒鉛等の高度に結晶が発達した黒鉛が好ましいものとして挙げられる。得られる特性と経済性のバランスを考慮すると天然黒鉛が好ましい。
用いる天然黒鉛としては、特に制限はなく、F48C(日本黒鉛(株)製の商品名)、H―50(中越黒鉛(株)製の商品名)等の市販品を用いることができる。これらは、鱗片状の粉末の形態で使用することが好ましい。
用いる天然黒鉛としては、特に制限はなく、F48C(日本黒鉛(株)製の商品名)、H―50(中越黒鉛(株)製の商品名)等の市販品を用いることができる。これらは、鱗片状の粉末の形態で使用することが好ましい。
原料黒鉛の処理に用いられる酸性物質は、一般的に硫酸などの黒鉛の層間に進入して十分な膨張能力を有する酸性根(陰イオン)を発生することができるものが使用される。酸性物質の使用量については特に制限はなく、目的とする膨張倍率で決定され、例えば、黒鉛100重量部に対して100重量部〜1000重量部使用するのが好ましい。
酸性物質と共に用いられる酸化剤としては、過酸化水素、過塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム等の過酸化物、また硝酸などの酸化作用のある酸を用いることができ、良好な膨張黒鉛を得やすいという観点から過酸化水素が特に好ましい。
酸化剤として過酸化水素を用いる場合、水溶液として用いることが好ましく、このとき、過酸化水素の濃度については特に制限はないが、20重量%〜40重量%の範囲が好ましい。その使用量についても特に制限はないが、黒鉛100重量部に対して過酸化水素として5重量部〜60重量部の範囲で配合することが好ましい。
酸性物質及び酸化剤は、水溶液の形態で使用することが好ましい。
酸性物質としての硫酸は、適度の濃度で使用されるが、95重量%以上の濃度のものが好ましく、濃硫酸を使用することが特に好ましい。
酸性物質としての硫酸は、適度の濃度で使用されるが、95重量%以上の濃度のものが好ましく、濃硫酸を使用することが特に好ましい。
上記に示す方法で得られた酸処理黒鉛を、大量の水で洗浄して余分な酸性物質を除去し、この後、乾燥して水分を取り除くことにより、膨張黒鉛の原料である酸処理黒鉛が得られ、次いで酸処理黒鉛を、1000℃以上の温度で加熱し膨張黒鉛が得られる。
上記の方法で得られる膨張黒鉛も本発明の電波吸収材として使用可能であるが、バインダーの混合性、混合時の黒鉛の破壊などを考慮すると、膨張黒鉛を一度シート(高密度)化して、粉砕したものを使用するのが好ましい。
膨張黒鉛をシート化する方法に特に制限はないが、一般的には上記で得た膨張黒鉛を、プレス、ロール等で圧力を加えてシート化することが好ましい。膨張黒鉛をシート化したときのシートの厚さ及び嵩密度については特に制限はないが、厚さが0.5mm〜1.5mmの範囲及び嵩密度が0.2g/cm3〜1.7g/cm3の範囲のものが好ましい。厚さが0.5mm未満であると粉砕工程での作業低下(ハンドリング中にシートが脆く崩れる)を招く傾向があり、1.5mmを超えると粉砕が難しくなる傾向がある。
また、嵩密度が0.2g/cm3未満であると得られる電波吸収シートの電波吸収特性が低下する傾向があり、1.7g/cm3を超えると電波吸収シートの柔軟性が低下する傾向がある。
嵩密度の大きさは、加圧量、ロールギャップ等の調整により、調整することができる。また、膨張黒鉛シートの粉砕は、粗粉砕及び微粉砕により行うことが好ましく、この後、必要に応じて分級を行う。
嵩密度の大きさは、加圧量、ロールギャップ等の調整により、調整することができる。また、膨張黒鉛シートの粉砕は、粗粉砕及び微粉砕により行うことが好ましく、この後、必要に応じて分級を行う。
膨張黒鉛シート粉砕粉の平均粒径についても特に制限はないが、得られる電波吸収シートの厚さ及び電波吸収量を考慮すると、数平均粒径で20μm〜100μmの範囲が好ましく、30μm〜80μmの範囲がさらに好ましい。数平均粒径が20μm未満であると、膨張黒鉛シート粉砕粉の異方性小さくなり、目的とする電波吸収量を得ることができなくなる傾向があり、100μmを超えると場所による吸収量のバラツキが生じる傾向がある。
一方、電波吸収材として機能する異方性黒鉛と併用して使用されるバインダーの種類については特に制限はなく、液状合成ゴム(固形ゴムを有機溶媒に溶解した物も含む)、変性高分子材料等が使用されるが、このうち合成ゴムを使用する場合、強度、耐熱性、耐候性等の諸特性を満足させるには、ほとんどの場合、加硫することが必要で、加硫剤の添加が必要となる。
加硫剤としては、硫黄及び硫黄変性物が使用される
加硫剤としては、硫黄及び硫黄変性物が使用される
また、過酸化物による合成ゴムの物性向上も行なわれるが、発火し易い過酸化物の取り扱い及び保管に十分な注意が必要であり、作製時熟練した作業者に頼らざるを得ない。
上記問題を考慮すると、本発明で使用するバインダーとしては、安全で誰でも取り取り扱うことのできる変性高分子材料を用いることが好ましい。なお、必要に応じて難燃剤を添加し、電波吸収シートを難燃化することもできる。
上記問題を考慮すると、本発明で使用するバインダーとしては、安全で誰でも取り取り扱うことのできる変性高分子材料を用いることが好ましい。なお、必要に応じて難燃剤を添加し、電波吸収シートを難燃化することもできる。
前記した異方性黒鉛とバインダーは、混合して均一に分散されペースト状(電波吸収ペースト)に加工して使用される。混合する方法については特に制限はなく、一般的ならいかい機、高粘度物質混合機等が使用できる。また混合時に巻き込んだ空気を排除できる装置を有した混合機を使用すれば、特性の安定化、ロット間のバラツキを低減する点で好ましい。
混合して得られたペーストをシート状に加工する方法についても特に制限はないが、塗工フィルムを送り出す塗工フィルム送出し装置、ペーストを塗工するためのペースト塗工装置、溶媒を乾燥するための溶媒乾燥装置、シートを巻取るためのシート巻取り装置等が一体となった連続シート製造装置を使用すれば、得られる塗工吸収シートの精度(厚み、吸収特性)が安定で、かつ低コストで電波吸収シートを製造することができるので好ましい。
なお、前記に示す連続製造装置を備えていれば、各機構の形状、寸法、熱源等に制約を受けることはない。
なお、前記に示す連続製造装置を備えていれば、各機構の形状、寸法、熱源等に制約を受けることはない。
最終的な電波吸収シートの形態は、前記して得られた塗工吸収シートを各電波吸収領域に合わせた厚みに積層し、その厚さを調整する(電波吸収シートの片面は、電波反射板となる)。
塗工吸収シートの積層方法については特に制限はなく、X方向とY方向(X方向を90°回転させた方向)を交互に積層できればよい。
また、使用するX方向の塗工吸収シート枚数と使用するY方向の塗工吸収シート枚数の総数が同じであることが好ましい。
塗工吸収シートの積層方法については特に制限はなく、X方向とY方向(X方向を90°回転させた方向)を交互に積層できればよい。
また、使用するX方向の塗工吸収シート枚数と使用するY方向の塗工吸収シート枚数の総数が同じであることが好ましい。
上記で得られた積層シートは、ギャップ調整した熱ロールを使用する方法や積層した塗工吸収シート上部に均一に荷重を掛け、加熱して一体化する方法などがある。
積層シートは、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させることができれば、その厚さに制限はないが、例えば、吸収領域が5.8GHzの場合は、1.8mm〜2.2mmの範囲が好ましく、2.0mmであることが最も好ましい。また吸収領域が76.5GHzの場合は、0.20mm〜0.24mmの範囲が好ましく、0.22mmであることが最も好ましい。
積層シートは、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させることができれば、その厚さに制限はないが、例えば、吸収領域が5.8GHzの場合は、1.8mm〜2.2mmの範囲が好ましく、2.0mmであることが最も好ましい。また吸収領域が76.5GHzの場合は、0.20mm〜0.24mmの範囲が好ましく、0.22mmであることが最も好ましい。
また、必要に応じ電波吸収面に耐候性を有し、かつ電波吸収を妨げないフィルム構造と、接着剤(フィルムを電波吸収層と密着させる働き)から、構成されるフィルムを使用することができる。
使用するカラーフィルムとしては、例えば屋外タイプのファンタックFDフィルム(カンペファンタック(株)製の商品名:厚さ0.8mm)などの市販品から、例えば、道路公団殿ETC指定色(マンセル値:10B5/10)を選択して使用できる。
使用するカラーフィルムとしては、例えば屋外タイプのファンタックFDフィルム(カンペファンタック(株)製の商品名:厚さ0.8mm)などの市販品から、例えば、道路公団殿ETC指定色(マンセル値:10B5/10)を選択して使用できる。
以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1
(1)弾性バインダー(変性ポリアミドイミド樹脂)の選定
溶媒としてγ−ブチロラクトンを使用した樹脂分が46重量%の弾性バインダー(日立化成工業(株)製、商品名SN−9000CSEN)を選定した。
実施例1
(1)弾性バインダー(変性ポリアミドイミド樹脂)の選定
溶媒としてγ−ブチロラクトンを使用した樹脂分が46重量%の弾性バインダー(日立化成工業(株)製、商品名SN−9000CSEN)を選定した。
(2)電波吸収粉(膨張黒鉛シート粉砕粉)の製造
板厚が1.0mm及び嵩密度が1.0g/cm3の膨張黒鉛シート(日立化成工業(株)製、商品名カーボフィットHGP−105)を粗粉砕及び微粉砕機で粉砕し、得られた粉砕粉を分級し、数平均粒径が100μmの膨張黒鉛シート粉砕粉を得た。
板厚が1.0mm及び嵩密度が1.0g/cm3の膨張黒鉛シート(日立化成工業(株)製、商品名カーボフィットHGP−105)を粗粉砕及び微粉砕機で粉砕し、得られた粉砕粉を分級し、数平均粒径が100μmの膨張黒鉛シート粉砕粉を得た。
(3)混合ペーストの製造
(1)の弾性バインダー1000g、エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名YH434L)33g、(2)で得た数平均粒径が100μmの膨張黒鉛シート粉砕粉110g及びγ−ブチロラクトン200gと少量の消泡剤を混合用乳鉢に計り取り、乳棒で軽く混ぜ合わせた。このものをさらに二軸自動混合機(石川攪拌機(株)製、型式24型)を使用し、40分間混合した。得られた混合ペーストを70℃に加熱した真空乾燥機に入れ、20分間減圧し混合時に巻き込んだ空気を除去し、電波吸収シート用混合ペーストを得た。
(1)の弾性バインダー1000g、エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名YH434L)33g、(2)で得た数平均粒径が100μmの膨張黒鉛シート粉砕粉110g及びγ−ブチロラクトン200gと少量の消泡剤を混合用乳鉢に計り取り、乳棒で軽く混ぜ合わせた。このものをさらに二軸自動混合機(石川攪拌機(株)製、型式24型)を使用し、40分間混合した。得られた混合ペーストを70℃に加熱した真空乾燥機に入れ、20分間減圧し混合時に巻き込んだ空気を除去し、電波吸収シート用混合ペーストを得た。
次に、上記で得た電波吸収シート用混合ペーストを、塗工フィルム送出し装置、塗工幅が32cmのペースト塗工装置(ギャップロール)、長さが2mの溶媒燃焼機構を備えたトンネル型乾燥装置及び巻き取りロールを用いた製品巻取り装置を有する連続シート製造装置を使用して、ポリエチレンフィルム上に塗工して乾燥させた塗工連続吸収シートを作製した。
(4)電波吸収シートの作製
(3)で得た塗工連続吸収シートを30cm×30cmの寸法に切断した後、塗工フィルムを剥がし、塗工方向を上部として切断した塗工吸収シート1枚を厚さが0.1mmのアルミ板に貼り、次にその上面に上記と同様に塗工方向を上部とした塗工吸収シートを90°回転させて重ねた。この作業を繰り返し行い、塗工吸収シートを合計10枚重ねて、温度150℃及びギャップを2.1mmに調整した熱ロール中を、0.5mm/分のスピードで通過させ、電波吸収層の厚さが2mmの一体化した電波吸収シートを得た。
(3)で得た塗工連続吸収シートを30cm×30cmの寸法に切断した後、塗工フィルムを剥がし、塗工方向を上部として切断した塗工吸収シート1枚を厚さが0.1mmのアルミ板に貼り、次にその上面に上記と同様に塗工方向を上部とした塗工吸収シートを90°回転させて重ねた。この作業を繰り返し行い、塗工吸収シートを合計10枚重ねて、温度150℃及びギャップを2.1mmに調整した熱ロール中を、0.5mm/分のスピードで通過させ、電波吸収層の厚さが2mmの一体化した電波吸収シートを得た。
実施例2
数平均粒径が50μmの膨張黒鉛シート粉砕粉を使用した以外は、実施例1と同様の材料及び実施例1と同様の工程を経て電波吸収シート用混合ペーストを得た。
以下、実施例1と同様の工程を経て塗工連続吸収シートを作製した。
数平均粒径が50μmの膨張黒鉛シート粉砕粉を使用した以外は、実施例1と同様の材料及び実施例1と同様の工程を経て電波吸収シート用混合ペーストを得た。
以下、実施例1と同様の工程を経て塗工連続吸収シートを作製した。
次に、上記で得られた塗工連続吸収シートを実施例1と同様に30cm×30cmの寸法に切断した後、塗工フィルムを剥がし、塗工方向を上部として切断した塗工連続吸収シート1枚を厚さが0.1mmのアルミ板に貼り、次にその上面に上記と同様に塗工方向を上部とした塗工連続吸収シートを90°回転させて重ねた。このものを、温度150℃及びギャップを0.25mmに調整した熱ロール中を、0.5mm/分のスピードで通過させ、電波吸収層の厚さが0.22mmの一体化した電波吸収シートを得た。
比較例1
実施例1で得た塗工連続吸収シートを30cm×30cmの寸法に切断した後、塗工フィルムを剥がし、塗工方向を上部として切断した塗工連続吸収シート1枚を厚さが0.1mmのアルミ板に貼り、さらにその上面に塗工方向を上部とした塗工連続吸収シートを1枚目の塗工連続吸収シートと同一方向に実施例1と同じ枚数重ね、実施例1と同様の工程を経て電波吸収シートを作製した。この後、電波吸収シートを150℃で30分追加加熱した。
なお、実施例1、2及び比較例1における塗工連続吸着シートを得るための作製条件を表1に示す。
実施例1で得た塗工連続吸収シートを30cm×30cmの寸法に切断した後、塗工フィルムを剥がし、塗工方向を上部として切断した塗工連続吸収シート1枚を厚さが0.1mmのアルミ板に貼り、さらにその上面に塗工方向を上部とした塗工連続吸収シートを1枚目の塗工連続吸収シートと同一方向に実施例1と同じ枚数重ね、実施例1と同様の工程を経て電波吸収シートを作製した。この後、電波吸収シートを150℃で30分追加加熱した。
なお、実施例1、2及び比較例1における塗工連続吸着シートを得るための作製条件を表1に示す。
次に、上記で得られた、電波吸収シートの吸収層表面に、マンセル値が10B5/10(水色)の厚さが0.08mmのファンタックFDフィルム(カンペファンタック(株)製の商品名)を貼り、ファンタックFDフィルム上を、コットンを用い軽く全体を擦り、空気を逃がし電波吸収層にファンタックFDフィルムを密着させた。
上記で得られた、ファンタックFDフィルムを密着させた実施例1及び比較例1の電波吸収シートを用い、吸収領域が5.8GHzでの電波吸収量を測定した。またファンタックFDフィルムを密着させた実施例2の電波吸収シートを用い、吸収領域が76.5GHzでの電波吸収量を測定した。これらの測定結果を表2に示す。なお、電波吸収量の測定方法は、下記の通りである。
※(吸収領域:5.8GHz)…実施例1、比較例1
測定器:キーコム(株)製、電波吸収材料測定システム(レンズアンテナタイプフリースペース法)
ホーンアンテナ:同軸導波管変換器付WR159タイプ
測定波:円偏波
測定範囲:45MHz〜20GHz (ベクトルネットワークアナライザ)
測定周波数:5.8GHz (リターンロス)
※(吸収領域:76.5GHz)…実施例2
測定器:ミリ波レンズアンテナ方式反射減衰量測定装置
アンテナ:RH−12 60〜90GHz用
測定波:TM波
測定器:キーコム(株)製、電波吸収材料測定システム(レンズアンテナタイプフリースペース法)
ホーンアンテナ:同軸導波管変換器付WR159タイプ
測定波:円偏波
測定範囲:45MHz〜20GHz (ベクトルネットワークアナライザ)
測定周波数:5.8GHz (リターンロス)
※(吸収領域:76.5GHz)…実施例2
測定器:ミリ波レンズアンテナ方式反射減衰量測定装置
アンテナ:RH−12 60〜90GHz用
測定波:TM波
表2に示されるように、実施例1で得た電波吸収シートは、電波入射方向X、Yとも、最大電波吸収領域が5.9GHzであった。また、実施例2で得た電波吸収シートにおいてもX、Yとも76.5GHz付近に最大吸収量が認められた。しかし、比較例1で得た電波吸収シートは、電波入射方向がX方向とY方向とでは、得られる最大電波吸収領域周波数領域が異なっていることが明らかである。
上記の結果から、本発明になる電波吸シートは、電波入射方向による、最大吸収領域及び吸収量の変動が少なく優れていることが明らかである。
上記の結果から、本発明になる電波吸シートは、電波入射方向による、最大吸収領域及び吸収量の変動が少なく優れていることが明らかである。
Claims (5)
- 異方性黒鉛及びバインダーを含む塗工吸収シートを、X方向及びY方向に交互に積層し、その厚さを調整して、電波入射方向に関係なく、電波吸収特性を安定させるようにした電波吸収シート。
- 異方性黒鉛が、膨張黒鉛粉である請求項1又は2記載の電波吸収シート。
- 膨張黒鉛粉が、膨張黒鉛シート粉砕粉である請求項1又は2記載の電波吸収シート。
- バインダーが、弾性を有する高分子材料である請求項1記載の電波吸収シート。
- 塗工吸収シートが、塗工機、乾燥装置及び製品巻取り装置を含む連続シート製造装置で得たものである電波吸収シート。
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