JP2004281335A - 陰極線管装置及び偏向ヨーク - Google Patents
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Abstract
【課題】耐気圧性能を向上しつつ、偏向電力を低減することができ、且つ表示画面が良好で、ゲッタの取付けや内部導電膜の形成が容易な陰極線管を提供する。
【解決手段】陰極線管装置は、パネル1とファンネル2とネック3とを含む真空外囲器4を備えており、ファンネル2の外側には偏向ヨーク7が取り付けられている。偏向ヨーク7は、セパレータ72により互いに隔てられた水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73と、これらを囲む筒状コア70とを有している。筒状コア70の外面及び内面のうち少なくとも外面は、ネック3側からパネル1側に進むにつれて、円形状から、少なくとも水平軸方向又は垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【選択図】 図3
【解決手段】陰極線管装置は、パネル1とファンネル2とネック3とを含む真空外囲器4を備えており、ファンネル2の外側には偏向ヨーク7が取り付けられている。偏向ヨーク7は、セパレータ72により互いに隔てられた水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73と、これらを囲む筒状コア70とを有している。筒状コア70の外面及び内面のうち少なくとも外面は、ネック3側からパネル1側に進むにつれて、円形状から、少なくとも水平軸方向又は垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンやコンピュータ用のディスプレイ等に用いられる陰極線管装置、及び陰極線管装置において電子ビームを水平軸方向及び垂直軸方向に偏向するために用いられる偏向ヨークに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョンやコンピュータ用のディスプレイ等に用いられる陰極線管装置は、電子銃から射出された電子ビームをスクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する偏向ヨークを有している。偏向ヨークは、漏斗状のファンネルの小径部の外側に取り付けられた水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、これらの少なくとも一方を囲む筒状コアとを有している。近年、偏向周波数の高周波数化に伴い、偏向電力(すなわち、偏向ヨークにおける消費電力)の抑制が求められている。そこで、偏向電力を低減するために、筒状コア及びファンネル小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて円形状から矩形状に変化するよう構成した陰極線管装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−265666号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−294165公報(第3頁、第1図)
【特許文献3】
特開2001−135260公報(第3−4頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の陰極線管装置では、筒状コア及びファンネル小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて徐々に円形状から矩形状に変化させることによって、電子ビームのファンネル内面への衝突を回避し、また水平偏向コイル及び垂直偏向コイルを電子ビーム通過領域に接近させることで偏向電力を低減している。
【0005】
しかしながら、上述した従来の陰極線管装置では、ファンネル内を真空にする際に、ファンネルの小径部の矩形状部分の各側壁が内側に変形し、これにより矩形状部分の角部から亀裂が生じ易くなり、耐気圧性能が低下するという問題がある。そのため、ファンネルの小径部を全体に丸みを帯びた形状にしなければならず、偏向ヨークを電子ビームの通過領域に十分接近させることができないという問題がある。
【0006】
偏向電力を低減するためには、ファンネルの小径部の断面積を小さくすることも可能であるが、この場合、スクリーンの角部に向かう電子ビームが小径部の内面に衝突する、いわゆるBSN(Beams Strike Neck)現象が発生し、良好な画像が得られないという問題がある。
【0007】
さらに、ファンネルの内壁には、陰極線管内の電位を一定に保つための黒鉛等よりなる内部導電膜が形成されるのが一般的であるが、この内部導電膜は、ファンネルを回転させながら、ファンネルのパネル接合部側からネック側に黒鉛スラリーを流し込むいわゆるフローコート法により形成される。そのため、ファンネルの小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて円形状から矩形状に変化するように構成すると、矩形状部分の角部(隅)に液溜まりが生じて塗布むらとなり易く、乾燥後に剥がれて色選別電極に付着するという問題がある。
【0008】
加えて、ファンネルの内側には、陰極線管内の高真空を保つためのゲッタが設けられるのが一般的であるが、このゲッタは、ファンネルの小径部の内壁に沿って設けられた帯状のゲッタ支持部材の先端に取り付けられる。小径部の一部を矩形状にすると、その矩形状部分では電子ビーム通過領域の外側の有効スペースが少なくなるため、ゲッタ支持部材を電子ビーム通過領域に接近させて配置しなければならない。そのため、ゲッタ支持部材の影がスクリーン上に投影され、あるいはスクリーンにおけるコンバーゼンスが低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、耐気圧性能を向上しつつ、偏向電力を低減することができ、且つ良好な表示画面が得られ、ゲッタの取付けや内部導電膜の形成が容易な陰極線管装置及び偏向ヨークを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る陰極線管装置は、水平軸及び垂直軸が規定される略矩形状のスクリーンを備えたパネルと、前記パネルに接合された略漏斗状のファンネルと、前記ファンネルの前記パネルとは反対の側に接合された略円筒状のネックとを有し、前記ファンネルが前記ネックに隣接してヨーク取付け部を有する真空外囲器と、前記ファンネルの前記ヨーク取付け部の外側に取り付けられた偏向ヨークと、前記ネックに装着された電子銃とを備えて構成されている。前記偏向ヨークは、前記電子銃から射出された電子ビームを前記スクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイルと垂直偏向コイルとの間に介在するセパレータと、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルの少なくとも一方を囲む高透磁率の筒状コアとを有する。前記筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面は、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、少なくとも前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成されている。前記ヨーク取付け部の外面及び内面のうち少なくとも外面は、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、前記筒状コアと略同一方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1及び図2は、実施の形態1に係る陰極線管装置を示す斜視図及び側断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る陰極線管装置は、矩形状のパネル1と、このパネル1に接合された漏斗状のファンネル2と、ファンネル2の小径部に接合された円筒状のネック3とからなる真空外囲器4と、ファンネル2の外側に装着される偏向ヨーク7とを有している。偏向ヨーク7は、ファンネル2においてネック3に隣接する部分に形成された小径部であるヨーク取付け部5の外面に固定されている。以下の説明では、ファンネル2の中心軸線の方向を、管軸(Z軸)方向とする。また、ファンネル2のパネル1側を「前方」とし、ネック3側を「後方」とする。
【0012】
図2に示すように、パネル1の内面には、青、緑及び赤に発光する蛍光体層からなるスクリーン1aが設けられている。スクリーン1aは、水平軸(H軸)方向に長軸を有し、これに直交する垂直軸(V軸)方向に短軸を有する矩形状であり、そのアスペクト比、すなわちH軸方向の寸法MとV軸方向の寸法Nとの比は、4:3もしくは16:9である。また、パネル1の内側には、スクリーン1aに対向するように、色選別電極としてのシャドウマスク11が設けられており、このシャドウマスク11には、内部磁気シールド12が取り付けられている。ネック3の内側には、電子銃30を含む電子銃構体31が取り付けられている。この電子銃30は、H軸方向に一列に配列された3つの電子ビームを射出する、いわゆるインライン型電子銃である。
【0013】
図3は、偏向ヨーク7及びファンネル2のヨーク取付け部5を拡大して示す側断面図である。偏向ヨーク7は、ファンネル2のヨーク取付け部5の外面に沿って巻かれた水平偏向コイル71と、この水平偏向コイル71よりも更に外側に巻かれた垂直偏向コイル73と、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73の間に設けられたセパレータ72と、これらを囲む筒状コア70とを有している。水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73は、電子銃30(図2)から射出された電子ビームをH軸方向及びV軸方向にそれぞれ偏向するための水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を発生するものである。セパレータ72は、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73を互いに接触させないようにするための合成樹脂よりなる略漏斗状の部材である。筒状コア70は、高透磁率材料からなり、偏向磁界に対する磁心又は帰磁路を構成している。
【0014】
図4(A)及び(B)は、偏向ヨーク7の筒状コア70及び水平偏向コイル71の形状をそれぞれ説明するための斜視図である。図4(B)に示すように、水平偏向コイル71は、サドル状(鞍状)に巻かれた上下一対のコイル部71aからなり、各コイル部71aは、ファンネル2(図3)の外周面に沿って略Z軸方向に延在する左右一対の延在部71bと、一対の延在部71bの後端部を互いに連結する渡り線部71cと、一対の延在部71bの前端部を互いに連結する渡り線部71dとを含んでいる。垂直偏向コイル73(図3)は、水平偏向コイル71の外側に巻かれている。セパレータ72(図3)は、水平偏向コイル71と垂直偏向コイル73との間に、両者が接触しないように介在している。
【0015】
このように水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73をサドル状に巻線した構成は、サドル−サドル型と呼ばれ、漏洩磁界が少ないという特徴を持つものである。尚、本実施の形態は、水平偏向コイル71をサドル状に巻線し、垂直偏向コイル73をトロイダル状に巻線したサドル−トロイダル型の偏向ヨークにも適用することが可能である。この場合、筒状コア70は、トロイダルコイルのコアとなる。
【0016】
筒状コア70は、上述した水平偏向コイル71、セパレータ72(図3)及び垂直偏向コイル73(図3)を囲むように設けられている。図4(A)に示すように、筒状コア70のZ軸に直交する断面形状(以下、単に断面形状とする)は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0017】
より詳細には、筒状コア70の外面70aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、V軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした円弧状の2辺とからなる。同様に、筒状コア70の内面70bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0018】
図5は、ヨーク取付け部5の前端z2における断面形状を4分割した第1象限を示す図(いわゆる1/4象限図)である。ヨーク取付け部5の断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化し、この略樽形状の部分において、V軸方向に延在する左右一対の側壁51と、Z軸を中心とした円弧状の上下一対の側壁52とを有する。側壁51,52の間の角部53の角度γ1は、鈍角である。
【0019】
より詳細には、ヨーク取付け部5の外面5aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、V軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした半径Rdの円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部5の内面5bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0020】
次に、実施の形態1による耐気圧性能の向上効果について、比較例と対比して説明する。図6は、実施の形態1との比較のため、従来の矩形状部分を有するヨーク取付け部の断面形状を示す図である。図6に示すヨーク取付け部では、真空外囲器内を真空にした際に大気圧荷重Fにより矩形状部分の各側壁100が図中破線のように変形し、各側壁100の外面において圧縮応力σh、σvが生じる。各側壁100の変形により、角部101の角度γ3が鋭角になるため、角部101の外面に大きな引張応力σdが発生し、この角部101が起点となって亀裂が入り易い。
【0021】
これに対し、実施の形態1のヨーク取付け部5は、図5に示すように、真空外囲器4(図1)内を真空にした際に大気圧荷重Fにより側壁51,52が図中破線のように変形した場合でも、側壁51,52の間の角部53の角度γ1が鈍角であるため、角部53の外面に亀裂の原因となる大きな引張応力σdが発生しにくい。加えて、上下の側壁52がZ軸を中心とした円弧状であるため、大気圧荷重Fによる側壁52の変形量を小さく抑えることができる。その結果、角部53からの亀裂の発生を抑制することができる。
【0022】
さらに、図4に示す筒状コア70の断面形状が、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するため、筒状コア70の内側に設けられる水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73(図3)を、ファンネル2内の電子ビーム通過領域に対してH軸方向に接近させることができる。従って、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を電子ビームに効率よく作用させることができ、偏向電力を低減することができる。
【0023】
次に、実施の形態1におけるゲッタの取付け及び内部導電膜の形成の簡単化について説明する。図2に示したように、ファンネル2の内側には、陰極線管装置の製造工程において高周波加熱により加熱されて蒸発するゲッタ物質(図示せず)を支持するゲッタ支持部材15が設けられている。ゲッタ支持部材15は、ネック3内の電子銃構体31に一端が固定された帯状の部材であり、ファンネル2の内面にほぼ沿って延在している。また、ゲッタ支持部材15は、その先端部(パネル1側の端部)に、ゲッタ物質を保持するゲッタ容器15aを有している。このゲッタ支持部材15は、ゲッタ物質が蒸発した後も、ファンネル2内に残るものである。
【0024】
実施の形態1における陰極線管装置では、ヨーク取付け部5の内面5bが、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸に最大寸法を有する略樽形状に変化しているため、ヨーク取付け部5の内側においてビーム通過領域の上側又は下側に、ゲッタ支持部材15を取り付けるための十分なスペースが形成される。従って、ゲッタ支持部材15の影がスクリーン1a上に投影され、あるいはコンバーゼンスが低下するといった問題が生じないように、電子ビーム通過領域から離れた位置にゲッタ支持部材15を取り付けることができる。これにより、ゲッタ支持部材15を図示しないアノード部等に取り付けるといった設計変更を行う必要がなくなり、その結果、大幅な製造条件の変更や製造ラインの改良が不要になる。
【0025】
また、ファンネル2の内面には、真空外囲器4内の電位を一定に保つ導電膜として、黒鉛等よりなる内部導電膜16が形成されている。この内部導電膜16は、外部より高電圧が加えられる図示しないアノード部とスクリーン1a及び電子銃30の電極とをそれぞれ接続する導通膜としても機能する。また、内部導電膜16は、ファンネル2の外面に塗布される外部導電膜17との間でコンデンサを形成し、カラー受像管駆動回路の一部としても機能する。この内部導電膜16は、ファンネル2にパネル1を接合する前に、ファンネル2を回転させながら、ファンネル2の前端(パネル1側)からネック3側に黒鉛スラリーを流し込むという方法で形成される。実施の形態1に係る陰極線管では、ヨーク取付け部5の角部53(図5)の角度が鈍角であるため、この角部53に黒鉛スラリーの液溜まりが生じにくい。従って、黒鉛スラリーの塗布むらの発生を防止し、乾燥後の異物の発生やシャドウマスク11への付着を防止することができる。尚、この内部導電膜16は、図3では省略されている。
【0026】
以上説明したように、実施の形態1に係る陰極線管装置によれば、耐気圧性能を向上すると共に、偏向電力を低減することができる。また、ヨーク取付け部5の内面への電子ビームの衝突を防止することにより、良好な表示画面を得ることができる。加えて、ゲッタ支持部材15の表示画面への影響を抑制し、また内部導電膜16の形成を容易に行うことが可能になる。
【0027】
尚、この実施の形態1では、筒状コア70の外面70a及び内面70bの両方が、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するようにしたが、筒状コア70の外面70aのみが円形状から略樽形状に変化する構成も可能である。同様に、この実施の形態1では、ヨーク取付け部5の外面5a及び内面5bの両方が、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するようにしたが、ヨーク取付け部5の外面5aのみが円形状から略樽形状に変化する構成も可能である。
【0028】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る陰極線管装置を示す斜視図である。図8(A)及び(B)は、実施の形態2に係る陰極線管装置の偏向ヨーク8の筒状コア80及び水平偏向コイル71を示す斜視図である。図8(A)に示すように、筒状コア80の断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0029】
より詳細には、筒状コア80の外面80aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、H軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部5の内面5bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0030】
筒状コア80の内側には、実施の形態1と同様、水平偏向コイル71、セパレータ72及び垂直偏向コイル73(図3)が設けられている。これらの構成は、実施の形態1と同様である。
【0031】
図9は、ヨーク取付け部6の前端z2における断面形状を4分割した第1象限を示す図(いわゆる1/4象限図)である。ヨーク取付け部6の断面形状は、後端z1では円形状であり、後端z1から前端z2に進むにつれて、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化し、この略樽形状の部分において、H軸に平行な略直線状の2つの側壁61と、Z軸を中心とした円弧状の2つの側壁62とを有する。これら側壁61,62の間の角部63の角度γ2は、鈍角である。
【0032】
より詳細には、ヨーク取付け部6の外面6aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、H軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした半径Rdの円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部6の内面6bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0033】
実施の形態2のヨーク取付け部6は、真空外囲器4(図1)内を真空にした際に大気圧荷重Fにより側壁61,62が破線で示すように変形した場合でも、側壁61,62の間の角部63の角度γ2が鈍角であるため、角部63の外面に亀裂の原因となる大きな引張応力σdが発生しにくい。加えて、左右の側壁62がZ軸を中心とした円弧状であるため、大気圧荷重Fによる側壁62の変形量を小さく抑えることができる。従って、角部63からの亀裂の発生を抑制し、耐気圧性能を向上することができる。
【0034】
さらに、図8に示す筒状コア80の断面形状が、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するため、筒状コア80の内側に設けられる水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73(図3)を、ファンネル2内の電子ビーム通過領域に対してV軸方向に接近させることができる。従って、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を電子ビームに効率よく作用させることができ、偏向電力を低減することができる。
【0035】
加えて、実施の形態2に係る陰極線管では、ヨーク取付け部6内の右側又は左側に、ゲッタ支持部材15(図2)を配置する十分なスペースを確保できるため、ゲッタ支持部材15の影がスクリーン上に投影され、あるいはコンバーゼンスが低下するという問題を解消することができる。さらに、フローコートにより内部導電膜16(図2)を形成する際に、黒鉛スラリーの液流れを向上することができ、黒鉛スラリーの液溜りの発生を防止することができる。従って、黒鉛スラリーの塗布むらによる内部導電膜16の剥がれに伴う問題を解消することができる。
【0036】
以上説明したように、実施の形態2に係る陰極線管装置によれば、耐気圧性能を向上すると共に、偏向電力を低減することができる。また、ヨーク取付け部6の内面への電子ビームの衝突を防止することにより、良好な表示画面を得ることができる。加えて、ゲッタ支持部材15の表示画面への影響を抑制し、また内部導電膜16の形成を容易に行うことが可能になる。
【0037】
尚、実施の形態1と同様、この実施の形態2においても、筒状コア80の外面80aのみが、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するよう構成してもよい。同様に、ヨーク取付け部6の外面6aのみが、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するよう構成してもよい。
【0038】
次に、上述した実施の形態1及び2に係る陰極線管において、偏向感度を向上しつつ、ヨーク取付け部5,6の内面への電子ビームの衝突(BSN現象)を確実に回避するための構成について説明する。尚、偏向ヨーク7,8及びその内側のヨーク取付け部5,6の形状は、上述した実施の形態1及び2において説明したとおりである。
【0039】
実施の形態1に係る偏向ヨーク7の筒状コア70の任意の断面(ネック3の近傍領域を除く)において、Z軸から筒状コア70の外面70aへのH軸方向における距離をYhcとし、V軸方向における距離をYvcとし、スクリーン1aのアスペクト比(水平:垂直)をM:Nとして、これらが満足すべき関係式を、電子銃30から射出された電子ビームの軌道解析及び偏向ヨーク7の発する磁界の解析(偏向磁界シミュレーション解析)により求めた。
【0040】
また、実施の形態2に係る偏向ヨーク8の筒状コア80の任意の断面(ネック3の近傍領域を除く)において、Z軸から筒状コア80の外面80aへのH軸方向における距離をYhcとし、V軸方向における距離をYvcとし、スクリーン1aのアスペクト比(水平:垂直)をM:Nとして、これらが満足すべき関係式を求めた。
【0041】
その結果、実施の形態1の陰極線管(Yhc<Yvc)については、筒状コア70の外面70aが以下の関係式(1)を満足する場合に、偏向感度を向上しつつ電子ビームへの内面への衝突を防止できることが分かった。また、実施の形態2の陰極線管(Yhc>Yvc)については、筒状コア70の外面70aが以下の関係式(2)を満足する場合に、偏向感度を向上しつつ電子ビームへの内面への衝突を防止できることが分かった。
【0042】
0.6×(N/M)≦(Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc≦1.2×(N/M) ・・・(1)
1.2×(N/M)≦Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2≦1.8×(N/M) ・・・(2)
【0043】
尚、上記の関係式(1)及び(2)を求めるに当たっては、以下の式(3)及び(4)の条件のもとに解析を行った。すなわち、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73の発生する磁界はそれぞれピンクッション形及びバレル形であり、垂直偏向磁界の中心は水平偏向磁界の中心よりもネック3側に形成されることから、スクリーン1aの角部に到達する電子ビームは、最初にV軸方向に強く偏向され、その後次第にH軸方向及びV軸方向に偏向される。そのため、筒状コア70,80の内側のヨーク取付け部5,6内における電子ビーム通過領域をアスペクト比で表すと、スクリーン1aのアスペクト比とは異なる値になる。言い換えると、Yhc<Yvcの場合には以下の式(3)が成立し、Yhc>Yvcの場合には以下の式(4)が成立する。この式(3)及び(4)を用いて上記の関係式(1)及び(2)を求めた。
N/M ≠ (Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc・・・(3)
N/M ≠ Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2・・・(4)
【0044】
上述したように、筒状コア70の外面70aが関係式(1)を満足し、また筒状コア80の外面80aが関係式(2)を満足する構成により、偏向感度を向上し、その結果、偏向電力を低減することができる。加えて、電子ビームがファンネル2のヨーク取付け部5,6の内面に衝突することに起因する表示画面の不良の発生を防止することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る陰極線管は、偏向ヨークの筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面、及びファンネルのヨーク取付け部の外面及び内面のうち少なくとも外面を、管軸に直交する断面形状が、ネック側の端部からパネル側の端部に進むにつれて、円形状から、少なくとも水平軸方向又は垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成したので、耐気圧性能を向上しつつ、偏向電力を低減し、且つ表示画面の不良を防止することができる。さらに、ファンネル内側の導電膜の形成が容易になり、且つ、ファンネル内におけるゲッタ支持部材の取付けスペースの確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る陰極線管装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る陰極線管装置の内部構造を示す側断面図である。
【図3】実施の形態1に係る陰極線管装置における偏向ヨークの断面構造を示す側断面図である。
【図4】実施の形態1に係る陰極線管装置における偏向ヨークの筒状コア(A)及び水平偏向コイル(B)の各斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る陰極線管装置におけるヨーク取付け部の断面形状を4分割した第1象限を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る陰極線管装置の作用効果を説明するための比較例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る陰極線管装置を示す斜視図である。
【図8】実施の形態2に係る陰極線管装置における偏向ヨークの筒状コアの斜視図である。
【図9】実施の形態2に係る陰極線管装置におけるヨーク取付け部の断面形状を4分割した第1象限を示す図である。
【符号の説明】
1 パネル、 1a スクリーン、 2 ファンネル、 3 ネック、 4 真空外囲器、 5,6 ヨーク取付け部、 7,8 偏向ヨーク、 15 ゲッタ支持部材、 16 内部導電膜、 30 電子銃、 31 電子銃構体、 70,80 筒状コア、 70a,80a 外面、 70b,80b 内面、 71 水平偏向コイル、 72 セパレータ、 73 垂直偏向コイル。
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンやコンピュータ用のディスプレイ等に用いられる陰極線管装置、及び陰極線管装置において電子ビームを水平軸方向及び垂直軸方向に偏向するために用いられる偏向ヨークに関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョンやコンピュータ用のディスプレイ等に用いられる陰極線管装置は、電子銃から射出された電子ビームをスクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する偏向ヨークを有している。偏向ヨークは、漏斗状のファンネルの小径部の外側に取り付けられた水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、これらの少なくとも一方を囲む筒状コアとを有している。近年、偏向周波数の高周波数化に伴い、偏向電力(すなわち、偏向ヨークにおける消費電力)の抑制が求められている。そこで、偏向電力を低減するために、筒状コア及びファンネル小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて円形状から矩形状に変化するよう構成した陰極線管装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−265666号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−294165公報(第3頁、第1図)
【特許文献3】
特開2001−135260公報(第3−4頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の陰極線管装置では、筒状コア及びファンネル小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて徐々に円形状から矩形状に変化させることによって、電子ビームのファンネル内面への衝突を回避し、また水平偏向コイル及び垂直偏向コイルを電子ビーム通過領域に接近させることで偏向電力を低減している。
【0005】
しかしながら、上述した従来の陰極線管装置では、ファンネル内を真空にする際に、ファンネルの小径部の矩形状部分の各側壁が内側に変形し、これにより矩形状部分の角部から亀裂が生じ易くなり、耐気圧性能が低下するという問題がある。そのため、ファンネルの小径部を全体に丸みを帯びた形状にしなければならず、偏向ヨークを電子ビームの通過領域に十分接近させることができないという問題がある。
【0006】
偏向電力を低減するためには、ファンネルの小径部の断面積を小さくすることも可能であるが、この場合、スクリーンの角部に向かう電子ビームが小径部の内面に衝突する、いわゆるBSN(Beams Strike Neck)現象が発生し、良好な画像が得られないという問題がある。
【0007】
さらに、ファンネルの内壁には、陰極線管内の電位を一定に保つための黒鉛等よりなる内部導電膜が形成されるのが一般的であるが、この内部導電膜は、ファンネルを回転させながら、ファンネルのパネル接合部側からネック側に黒鉛スラリーを流し込むいわゆるフローコート法により形成される。そのため、ファンネルの小径部の断面形状を、ネック側からパネル側に進むにつれて円形状から矩形状に変化するように構成すると、矩形状部分の角部(隅)に液溜まりが生じて塗布むらとなり易く、乾燥後に剥がれて色選別電極に付着するという問題がある。
【0008】
加えて、ファンネルの内側には、陰極線管内の高真空を保つためのゲッタが設けられるのが一般的であるが、このゲッタは、ファンネルの小径部の内壁に沿って設けられた帯状のゲッタ支持部材の先端に取り付けられる。小径部の一部を矩形状にすると、その矩形状部分では電子ビーム通過領域の外側の有効スペースが少なくなるため、ゲッタ支持部材を電子ビーム通過領域に接近させて配置しなければならない。そのため、ゲッタ支持部材の影がスクリーン上に投影され、あるいはスクリーンにおけるコンバーゼンスが低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、耐気圧性能を向上しつつ、偏向電力を低減することができ、且つ良好な表示画面が得られ、ゲッタの取付けや内部導電膜の形成が容易な陰極線管装置及び偏向ヨークを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る陰極線管装置は、水平軸及び垂直軸が規定される略矩形状のスクリーンを備えたパネルと、前記パネルに接合された略漏斗状のファンネルと、前記ファンネルの前記パネルとは反対の側に接合された略円筒状のネックとを有し、前記ファンネルが前記ネックに隣接してヨーク取付け部を有する真空外囲器と、前記ファンネルの前記ヨーク取付け部の外側に取り付けられた偏向ヨークと、前記ネックに装着された電子銃とを備えて構成されている。前記偏向ヨークは、前記電子銃から射出された電子ビームを前記スクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイルと垂直偏向コイルとの間に介在するセパレータと、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルの少なくとも一方を囲む高透磁率の筒状コアとを有する。前記筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面は、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、少なくとも前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成されている。前記ヨーク取付け部の外面及び内面のうち少なくとも外面は、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、前記筒状コアと略同一方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1及び図2は、実施の形態1に係る陰極線管装置を示す斜視図及び側断面図である。図1に示すように、実施の形態1に係る陰極線管装置は、矩形状のパネル1と、このパネル1に接合された漏斗状のファンネル2と、ファンネル2の小径部に接合された円筒状のネック3とからなる真空外囲器4と、ファンネル2の外側に装着される偏向ヨーク7とを有している。偏向ヨーク7は、ファンネル2においてネック3に隣接する部分に形成された小径部であるヨーク取付け部5の外面に固定されている。以下の説明では、ファンネル2の中心軸線の方向を、管軸(Z軸)方向とする。また、ファンネル2のパネル1側を「前方」とし、ネック3側を「後方」とする。
【0012】
図2に示すように、パネル1の内面には、青、緑及び赤に発光する蛍光体層からなるスクリーン1aが設けられている。スクリーン1aは、水平軸(H軸)方向に長軸を有し、これに直交する垂直軸(V軸)方向に短軸を有する矩形状であり、そのアスペクト比、すなわちH軸方向の寸法MとV軸方向の寸法Nとの比は、4:3もしくは16:9である。また、パネル1の内側には、スクリーン1aに対向するように、色選別電極としてのシャドウマスク11が設けられており、このシャドウマスク11には、内部磁気シールド12が取り付けられている。ネック3の内側には、電子銃30を含む電子銃構体31が取り付けられている。この電子銃30は、H軸方向に一列に配列された3つの電子ビームを射出する、いわゆるインライン型電子銃である。
【0013】
図3は、偏向ヨーク7及びファンネル2のヨーク取付け部5を拡大して示す側断面図である。偏向ヨーク7は、ファンネル2のヨーク取付け部5の外面に沿って巻かれた水平偏向コイル71と、この水平偏向コイル71よりも更に外側に巻かれた垂直偏向コイル73と、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73の間に設けられたセパレータ72と、これらを囲む筒状コア70とを有している。水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73は、電子銃30(図2)から射出された電子ビームをH軸方向及びV軸方向にそれぞれ偏向するための水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を発生するものである。セパレータ72は、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73を互いに接触させないようにするための合成樹脂よりなる略漏斗状の部材である。筒状コア70は、高透磁率材料からなり、偏向磁界に対する磁心又は帰磁路を構成している。
【0014】
図4(A)及び(B)は、偏向ヨーク7の筒状コア70及び水平偏向コイル71の形状をそれぞれ説明するための斜視図である。図4(B)に示すように、水平偏向コイル71は、サドル状(鞍状)に巻かれた上下一対のコイル部71aからなり、各コイル部71aは、ファンネル2(図3)の外周面に沿って略Z軸方向に延在する左右一対の延在部71bと、一対の延在部71bの後端部を互いに連結する渡り線部71cと、一対の延在部71bの前端部を互いに連結する渡り線部71dとを含んでいる。垂直偏向コイル73(図3)は、水平偏向コイル71の外側に巻かれている。セパレータ72(図3)は、水平偏向コイル71と垂直偏向コイル73との間に、両者が接触しないように介在している。
【0015】
このように水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73をサドル状に巻線した構成は、サドル−サドル型と呼ばれ、漏洩磁界が少ないという特徴を持つものである。尚、本実施の形態は、水平偏向コイル71をサドル状に巻線し、垂直偏向コイル73をトロイダル状に巻線したサドル−トロイダル型の偏向ヨークにも適用することが可能である。この場合、筒状コア70は、トロイダルコイルのコアとなる。
【0016】
筒状コア70は、上述した水平偏向コイル71、セパレータ72(図3)及び垂直偏向コイル73(図3)を囲むように設けられている。図4(A)に示すように、筒状コア70のZ軸に直交する断面形状(以下、単に断面形状とする)は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0017】
より詳細には、筒状コア70の外面70aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、V軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした円弧状の2辺とからなる。同様に、筒状コア70の内面70bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0018】
図5は、ヨーク取付け部5の前端z2における断面形状を4分割した第1象限を示す図(いわゆる1/4象限図)である。ヨーク取付け部5の断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化し、この略樽形状の部分において、V軸方向に延在する左右一対の側壁51と、Z軸を中心とした円弧状の上下一対の側壁52とを有する。側壁51,52の間の角部53の角度γ1は、鈍角である。
【0019】
より詳細には、ヨーク取付け部5の外面5aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、V軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした半径Rdの円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部5の内面5bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0020】
次に、実施の形態1による耐気圧性能の向上効果について、比較例と対比して説明する。図6は、実施の形態1との比較のため、従来の矩形状部分を有するヨーク取付け部の断面形状を示す図である。図6に示すヨーク取付け部では、真空外囲器内を真空にした際に大気圧荷重Fにより矩形状部分の各側壁100が図中破線のように変形し、各側壁100の外面において圧縮応力σh、σvが生じる。各側壁100の変形により、角部101の角度γ3が鋭角になるため、角部101の外面に大きな引張応力σdが発生し、この角部101が起点となって亀裂が入り易い。
【0021】
これに対し、実施の形態1のヨーク取付け部5は、図5に示すように、真空外囲器4(図1)内を真空にした際に大気圧荷重Fにより側壁51,52が図中破線のように変形した場合でも、側壁51,52の間の角部53の角度γ1が鈍角であるため、角部53の外面に亀裂の原因となる大きな引張応力σdが発生しにくい。加えて、上下の側壁52がZ軸を中心とした円弧状であるため、大気圧荷重Fによる側壁52の変形量を小さく抑えることができる。その結果、角部53からの亀裂の発生を抑制することができる。
【0022】
さらに、図4に示す筒状コア70の断面形状が、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から少なくともV軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するため、筒状コア70の内側に設けられる水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73(図3)を、ファンネル2内の電子ビーム通過領域に対してH軸方向に接近させることができる。従って、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を電子ビームに効率よく作用させることができ、偏向電力を低減することができる。
【0023】
次に、実施の形態1におけるゲッタの取付け及び内部導電膜の形成の簡単化について説明する。図2に示したように、ファンネル2の内側には、陰極線管装置の製造工程において高周波加熱により加熱されて蒸発するゲッタ物質(図示せず)を支持するゲッタ支持部材15が設けられている。ゲッタ支持部材15は、ネック3内の電子銃構体31に一端が固定された帯状の部材であり、ファンネル2の内面にほぼ沿って延在している。また、ゲッタ支持部材15は、その先端部(パネル1側の端部)に、ゲッタ物質を保持するゲッタ容器15aを有している。このゲッタ支持部材15は、ゲッタ物質が蒸発した後も、ファンネル2内に残るものである。
【0024】
実施の形態1における陰極線管装置では、ヨーク取付け部5の内面5bが、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともV軸に最大寸法を有する略樽形状に変化しているため、ヨーク取付け部5の内側においてビーム通過領域の上側又は下側に、ゲッタ支持部材15を取り付けるための十分なスペースが形成される。従って、ゲッタ支持部材15の影がスクリーン1a上に投影され、あるいはコンバーゼンスが低下するといった問題が生じないように、電子ビーム通過領域から離れた位置にゲッタ支持部材15を取り付けることができる。これにより、ゲッタ支持部材15を図示しないアノード部等に取り付けるといった設計変更を行う必要がなくなり、その結果、大幅な製造条件の変更や製造ラインの改良が不要になる。
【0025】
また、ファンネル2の内面には、真空外囲器4内の電位を一定に保つ導電膜として、黒鉛等よりなる内部導電膜16が形成されている。この内部導電膜16は、外部より高電圧が加えられる図示しないアノード部とスクリーン1a及び電子銃30の電極とをそれぞれ接続する導通膜としても機能する。また、内部導電膜16は、ファンネル2の外面に塗布される外部導電膜17との間でコンデンサを形成し、カラー受像管駆動回路の一部としても機能する。この内部導電膜16は、ファンネル2にパネル1を接合する前に、ファンネル2を回転させながら、ファンネル2の前端(パネル1側)からネック3側に黒鉛スラリーを流し込むという方法で形成される。実施の形態1に係る陰極線管では、ヨーク取付け部5の角部53(図5)の角度が鈍角であるため、この角部53に黒鉛スラリーの液溜まりが生じにくい。従って、黒鉛スラリーの塗布むらの発生を防止し、乾燥後の異物の発生やシャドウマスク11への付着を防止することができる。尚、この内部導電膜16は、図3では省略されている。
【0026】
以上説明したように、実施の形態1に係る陰極線管装置によれば、耐気圧性能を向上すると共に、偏向電力を低減することができる。また、ヨーク取付け部5の内面への電子ビームの衝突を防止することにより、良好な表示画面を得ることができる。加えて、ゲッタ支持部材15の表示画面への影響を抑制し、また内部導電膜16の形成を容易に行うことが可能になる。
【0027】
尚、この実施の形態1では、筒状コア70の外面70a及び内面70bの両方が、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するようにしたが、筒状コア70の外面70aのみが円形状から略樽形状に変化する構成も可能である。同様に、この実施の形態1では、ヨーク取付け部5の外面5a及び内面5bの両方が、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するようにしたが、ヨーク取付け部5の外面5aのみが円形状から略樽形状に変化する構成も可能である。
【0028】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2に係る陰極線管装置を示す斜視図である。図8(A)及び(B)は、実施の形態2に係る陰極線管装置の偏向ヨーク8の筒状コア80及び水平偏向コイル71を示す斜視図である。図8(A)に示すように、筒状コア80の断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0029】
より詳細には、筒状コア80の外面80aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、H軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部5の内面5bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0030】
筒状コア80の内側には、実施の形態1と同様、水平偏向コイル71、セパレータ72及び垂直偏向コイル73(図3)が設けられている。これらの構成は、実施の形態1と同様である。
【0031】
図9は、ヨーク取付け部6の前端z2における断面形状を4分割した第1象限を示す図(いわゆる1/4象限図)である。ヨーク取付け部6の断面形状は、後端z1では円形状であり、後端z1から前端z2に進むにつれて、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化し、この略樽形状の部分において、H軸に平行な略直線状の2つの側壁61と、Z軸を中心とした円弧状の2つの側壁62とを有する。これら側壁61,62の間の角部63の角度γ2は、鈍角である。
【0032】
より詳細には、ヨーク取付け部6の外面6aの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。略樽形状の部分は、H軸に平行な略直線状の2辺とZ軸を中心とした半径Rdの円弧状の2辺とからなる。同様に、ヨーク取付け部6の内面6bの断面形状は、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から、少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化する。
【0033】
実施の形態2のヨーク取付け部6は、真空外囲器4(図1)内を真空にした際に大気圧荷重Fにより側壁61,62が破線で示すように変形した場合でも、側壁61,62の間の角部63の角度γ2が鈍角であるため、角部63の外面に亀裂の原因となる大きな引張応力σdが発生しにくい。加えて、左右の側壁62がZ軸を中心とした円弧状であるため、大気圧荷重Fによる側壁62の変形量を小さく抑えることができる。従って、角部63からの亀裂の発生を抑制し、耐気圧性能を向上することができる。
【0034】
さらに、図8に示す筒状コア80の断面形状が、後端z1から前端z2に進むにつれて、円形状から少なくともH軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するため、筒状コア80の内側に設けられる水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73(図3)を、ファンネル2内の電子ビーム通過領域に対してV軸方向に接近させることができる。従って、水平偏向磁界及び垂直偏向磁界を電子ビームに効率よく作用させることができ、偏向電力を低減することができる。
【0035】
加えて、実施の形態2に係る陰極線管では、ヨーク取付け部6内の右側又は左側に、ゲッタ支持部材15(図2)を配置する十分なスペースを確保できるため、ゲッタ支持部材15の影がスクリーン上に投影され、あるいはコンバーゼンスが低下するという問題を解消することができる。さらに、フローコートにより内部導電膜16(図2)を形成する際に、黒鉛スラリーの液流れを向上することができ、黒鉛スラリーの液溜りの発生を防止することができる。従って、黒鉛スラリーの塗布むらによる内部導電膜16の剥がれに伴う問題を解消することができる。
【0036】
以上説明したように、実施の形態2に係る陰極線管装置によれば、耐気圧性能を向上すると共に、偏向電力を低減することができる。また、ヨーク取付け部6の内面への電子ビームの衝突を防止することにより、良好な表示画面を得ることができる。加えて、ゲッタ支持部材15の表示画面への影響を抑制し、また内部導電膜16の形成を容易に行うことが可能になる。
【0037】
尚、実施の形態1と同様、この実施の形態2においても、筒状コア80の外面80aのみが、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するよう構成してもよい。同様に、ヨーク取付け部6の外面6aのみが、後端z1から前端z2に進むにつれて円形状から略樽形状に変化するよう構成してもよい。
【0038】
次に、上述した実施の形態1及び2に係る陰極線管において、偏向感度を向上しつつ、ヨーク取付け部5,6の内面への電子ビームの衝突(BSN現象)を確実に回避するための構成について説明する。尚、偏向ヨーク7,8及びその内側のヨーク取付け部5,6の形状は、上述した実施の形態1及び2において説明したとおりである。
【0039】
実施の形態1に係る偏向ヨーク7の筒状コア70の任意の断面(ネック3の近傍領域を除く)において、Z軸から筒状コア70の外面70aへのH軸方向における距離をYhcとし、V軸方向における距離をYvcとし、スクリーン1aのアスペクト比(水平:垂直)をM:Nとして、これらが満足すべき関係式を、電子銃30から射出された電子ビームの軌道解析及び偏向ヨーク7の発する磁界の解析(偏向磁界シミュレーション解析)により求めた。
【0040】
また、実施の形態2に係る偏向ヨーク8の筒状コア80の任意の断面(ネック3の近傍領域を除く)において、Z軸から筒状コア80の外面80aへのH軸方向における距離をYhcとし、V軸方向における距離をYvcとし、スクリーン1aのアスペクト比(水平:垂直)をM:Nとして、これらが満足すべき関係式を求めた。
【0041】
その結果、実施の形態1の陰極線管(Yhc<Yvc)については、筒状コア70の外面70aが以下の関係式(1)を満足する場合に、偏向感度を向上しつつ電子ビームへの内面への衝突を防止できることが分かった。また、実施の形態2の陰極線管(Yhc>Yvc)については、筒状コア70の外面70aが以下の関係式(2)を満足する場合に、偏向感度を向上しつつ電子ビームへの内面への衝突を防止できることが分かった。
【0042】
0.6×(N/M)≦(Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc≦1.2×(N/M) ・・・(1)
1.2×(N/M)≦Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2≦1.8×(N/M) ・・・(2)
【0043】
尚、上記の関係式(1)及び(2)を求めるに当たっては、以下の式(3)及び(4)の条件のもとに解析を行った。すなわち、水平偏向コイル71及び垂直偏向コイル73の発生する磁界はそれぞれピンクッション形及びバレル形であり、垂直偏向磁界の中心は水平偏向磁界の中心よりもネック3側に形成されることから、スクリーン1aの角部に到達する電子ビームは、最初にV軸方向に強く偏向され、その後次第にH軸方向及びV軸方向に偏向される。そのため、筒状コア70,80の内側のヨーク取付け部5,6内における電子ビーム通過領域をアスペクト比で表すと、スクリーン1aのアスペクト比とは異なる値になる。言い換えると、Yhc<Yvcの場合には以下の式(3)が成立し、Yhc>Yvcの場合には以下の式(4)が成立する。この式(3)及び(4)を用いて上記の関係式(1)及び(2)を求めた。
N/M ≠ (Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc・・・(3)
N/M ≠ Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2・・・(4)
【0044】
上述したように、筒状コア70の外面70aが関係式(1)を満足し、また筒状コア80の外面80aが関係式(2)を満足する構成により、偏向感度を向上し、その結果、偏向電力を低減することができる。加えて、電子ビームがファンネル2のヨーク取付け部5,6の内面に衝突することに起因する表示画面の不良の発生を防止することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る陰極線管は、偏向ヨークの筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面、及びファンネルのヨーク取付け部の外面及び内面のうち少なくとも外面を、管軸に直交する断面形状が、ネック側の端部からパネル側の端部に進むにつれて、円形状から、少なくとも水平軸方向又は垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成したので、耐気圧性能を向上しつつ、偏向電力を低減し、且つ表示画面の不良を防止することができる。さらに、ファンネル内側の導電膜の形成が容易になり、且つ、ファンネル内におけるゲッタ支持部材の取付けスペースの確保が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る陰極線管装置を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る陰極線管装置の内部構造を示す側断面図である。
【図3】実施の形態1に係る陰極線管装置における偏向ヨークの断面構造を示す側断面図である。
【図4】実施の形態1に係る陰極線管装置における偏向ヨークの筒状コア(A)及び水平偏向コイル(B)の各斜視図である。
【図5】実施の形態1に係る陰極線管装置におけるヨーク取付け部の断面形状を4分割した第1象限を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る陰極線管装置の作用効果を説明するための比較例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る陰極線管装置を示す斜視図である。
【図8】実施の形態2に係る陰極線管装置における偏向ヨークの筒状コアの斜視図である。
【図9】実施の形態2に係る陰極線管装置におけるヨーク取付け部の断面形状を4分割した第1象限を示す図である。
【符号の説明】
1 パネル、 1a スクリーン、 2 ファンネル、 3 ネック、 4 真空外囲器、 5,6 ヨーク取付け部、 7,8 偏向ヨーク、 15 ゲッタ支持部材、 16 内部導電膜、 30 電子銃、 31 電子銃構体、 70,80 筒状コア、 70a,80a 外面、 70b,80b 内面、 71 水平偏向コイル、 72 セパレータ、 73 垂直偏向コイル。
Claims (6)
- 水平軸及び垂直軸が規定される略矩形状のスクリーンを備えたパネルと、前記パネルに接合された略漏斗状のファンネルと、前記ファンネルの前記パネルとは反対の側に接合された略円筒状のネックとを有し、前記ファンネルが前記ネックに隣接してヨーク取付け部を有する真空外囲器と、
前記ファンネルの前記ヨーク取付け部の外側に取り付けられた偏向ヨークと、
前記ネックに装着された電子銃とを備え、
前記偏向ヨークが、前記電子銃から射出された電子ビームを前記スクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、前記水平偏向コイルと垂直偏向コイルとの間に介在するセパレータと、前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルの少なくとも一方を囲む高透磁率の筒状コアとを有し、
前記筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面を、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、少なくとも前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成し、
前記ヨーク取付け部の外面及び内面のうち少なくとも外面を、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、前記筒状コアと略同一方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成したことを特徴とする陰極線管装置。 - 前記略樽形状は、前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に平行な略直線状の2辺と、前記管軸を中心とした円弧状の2辺とにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管装置。
- 前記筒状コアの前記外面及び前記内面のうち少なくとも外面を、前記ネックの近傍領域を除き、前記管軸に直交する任意の断面における前記管軸からの前記水平軸方向及び前記垂直軸方向の距離をそれぞれYhc及びYvcとし、前記スクリーンの前記水平軸方向及び前記垂直軸方向の寸法をそれぞれM及びNとしたときに、
YhcがYvcよりも小さい場合には、
0.6×(N/M)≦(Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc≦1.2×(N/M)
という関係式が成立し、
YhcがYvcよりも大きい場合には、
1.2×(N/M)≦Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2≦1.8×(N/M)
という関係式が成立するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の陰極線管装置。 - 水平軸及び垂直軸が規定される略矩形状のスクリーンを備えたパネルと、前記パネルに接合された略漏斗状のファンネルと、前記ファンネルの前記パネルとは反対の側に接合された略円筒状のネックとを有する陰極線管装置において、前記ファンネルの前記ネックに隣接する部分の外側に取り付けられる偏向ヨークであって、
前記ネックに装着された電子銃から射出された電子ビームを前記スクリーンの水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する水平偏向コイル及び垂直偏向コイルと、
前記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルとの間に介在するセパレータと、
前記水平偏向コイル及び前記垂直偏向コイルの少なくとも一方を囲む高透磁率の筒状コアとを備え、
前記筒状コアの外面及び内面のうち少なくとも外面を、前記ファンネルの管軸に直交する断面形状が、前記ネック側の端部から前記パネル側の端部に進むにつれて、略円形状から、少なくとも前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に最大寸法を有する略樽形状に変化するよう構成したことを特徴とする偏向ヨーク。 - 前記略樽形状は、前記水平軸方向又は前記垂直軸方向に平行な略直線状の2辺と、前記管軸を中心とした円弧状の2辺とにより構成されることを特徴とする請求項4に記載の偏向ヨーク。
- 前記筒状コアの前記外面及び前記内面のうち少なくとも外面を、前記ネックの近傍領域を除き、前記管軸に直交する任意の断面における前記管軸からの前記水平軸方向及び前記垂直軸方向の距離をそれぞれYhc及びYvcとし、前記スクリーンの前記水平軸方向及び前記垂直軸方向の寸法をそれぞれM及びNとしたときに、
YhcがYvcよりも小さい場合には、
0.6×(N/M)≦(Yvc2−Yhc2)1/2/Yhc≦1.2×(N/M)
という関係式が成立し、
YhcがYvcよりも大きい場合には、
1.2×(N/M)≦Yvc/(Yhc2−Yvc2)1/2≦1.8×(N/M)
という関係式が成立するよう構成したことを特徴とする請求項4又は5に記載の偏向ヨーク。
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