JP2004281138A - 熱応動スイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】バイメタル片が温度に応じて反転動作を行う時に、ゴミなどの異物が侵入しても可動接点と固定接点との接触状態を安定させ、信頼性の高い熱応動スイッチを提供する。
【解決手段】収納部1aに金属積層体6を第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、金属積層体6に第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個形成し、金属積層体6の非反転時には、複数の第1の可動接点7のうち少なくとも一つが第1の固定接点3と導通し、且つ複数の第2の可動接点8のうち少なくとも一つが第2の固定接点5と導通することにより、第1と第2の固定接点間3、5が金属積層体6を介して導通状態となるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】収納部1aに金属積層体6を第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、金属積層体6に第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個形成し、金属積層体6の非反転時には、複数の第1の可動接点7のうち少なくとも一つが第1の固定接点3と導通し、且つ複数の第2の可動接点8のうち少なくとも一つが第2の固定接点5と導通することにより、第1と第2の固定接点間3、5が金属積層体6を介して導通状態となるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱応動スイッチに係り、特にバイメタル片及びトリメタル片などの熱応動によって可動接点を反転させて電気接点を開閉させるスイッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱応動スイッチは、熱膨張係数の異なる金属を複数枚張り合わせた熱応動素子(バイメタル及びトリメタル)を可動片とする可動電極と、この可動電極と共に常時閉接点形の回路を構成する固定電極とが設けられており、電気機器の回路に接続されてその電気機器を保護している。
【0003】
すなわち、電気機器の回路に接続された熱応動スイッチは、その電気機器に過大な電流が流れたり、周囲温度が異常に高くなった時には、バイメタル及びトリメタルなどの湾曲反転作用でスイッチ接点を開く構造になっているため、電気機器への給電が遮断されるようになっている。そして、電気機器への給電が遮断されることにより周囲温度が低下することで、バイメタル及びトリメタルが自動復帰し、スイッチ接点は再び閉じ給電を再開することから、危険防止に役立つと共に電気機器を常に所定の温度範囲で動作させることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来の熱応動スイッチの構造を図に基づいて説明する。
図11は従来の熱応動スイッチの分解斜視図、図12は同じく断面図である。
【0005】
図において、絶縁ケース21は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された箱状に形成されている。この絶縁ケース21の内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記絶縁ケース21の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記絶縁ケース21の内底面の中央には、この内底面から半球状に突出した支持突起部21aが設けられている。
【0006】
第1の端子22は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子22の一端側には、銀酸化錫等からなる固定接点23が固着される取付孔22aが設けられており、この第1の端子22の他端側には、前記絶縁ケース21の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部22bが設けられている。
【0007】
第2の端子24は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子24の一端側には、プレスなどで偏肉させて突出部24aが形成されており、この突出部24aは後述するバイメタル片の一端部の固着孔に挿入されて固着される溶着部となっている。また、この第2の端子24の他端側には、前記絶縁ケース21の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部24bが設けられている。
【0008】
バイメタル片25は、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。このバイメタル片25の自由端となる一端側には、前記固定接点23と接離する、銀酸化錫等からなる可動接点26が電気スポット溶接等の方法で固着されており、一方、他端側は、前記第2の端子24に設けられた前記突出部24aに電気スポット溶接等の方法で固着されたものとなっている。
【0009】
また、前記バイメタル片25の中央部には、反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部25aが形成されており、この反転部25aを形成することで、前記バイメタル片25の、温度特性、すなわち、温度に応じた反転動作を確実に行えるようにしている。
【0010】
また、前記バイメタル片25には、前記可動接点26と前記反転部25aとの近傍に、反り防止手段であるリブ25bが設けられている。このリブ25bは、プレスなどで直線状に突き出し加工することにより、前記可動接点26と前記反転部25aとの間に位置する平板部25cに形成されている。また、前記リブ25bは前記平板部25cの側端側近傍に一対対向して形成されたものとなっている。前記リブ25bを前記平板部25cに設けることで、前記平板部25cの熱による反りの発生を防止することができる。
【0011】
カバー27は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されており、前記絶縁ケース21の開口部上に取り付けられ、前記絶縁ケース21の内部に配設された前記第1、第2の端子22、24、前記バイメタル片25、及び前記可動接点26、前記固定接点23等への塵埃やガスなどの影響を防止している。
【0012】
次に、上述した熱応動スイッチの動作について説明する。常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている前記可動接点26と前記固定接点23は、お互いに接触して接点がオン状態となっている。この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、前記可動接点26が固着されている前記バイメタル片25に設けられた前記反転部25aが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。この時、前記バイメタル片25に固着されている前記可動接点26は、前記バイメタル片25と共に駆動され、前記固定接点23から離間することとなり、接点がオフ状態となる。
【0013】
更に、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、前記バイメタル片25の前記反転部25aは温度の下降に応じて反転復帰し、前記固定接点23の方向とは反対の方向へ突出することから、前記可動接点26が前記固定接点23に接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−076600号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の熱応動スイッチの構造においては、前記バイメタル片25はその一端側が片持ち梁状に前記第2の端子24に固着されており、その他端側に設けられた前記可動接点26が、温度の変化に応じて反転する前記バイメタル片25の動作に伴って前記固定接点23と接離される構造となっていることから、もし何らかの原因によりゴミ等の異物が前記固定接点23と前記可動接点26との間に入ると、両接点間が非導通のままとなり、熱応動スイッチとしての機能が損なわれるという問題があった。
【0016】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、バイメタル片が温度に応じて反転動作を行う時に、ゴミなどの異物が侵入しても可動接点と固定接点との接触状態を安定させ、信頼性の高い熱応動スイッチを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、収納部を有するハウジングと、前記収納部に互いに離間した状態で配設された第1及び第2の固定接点と、前記第1及び第2の固定接点と接離可能なようにそれぞれ対向して配設された第1及び第2の可動接点を有し、温度に応じて反転可能な複数の熱膨張係数の異なる金属板を接合して形成された金属積層体とを備え、前記収納部に前記金属積層体を前記第1及び第2の固定接点とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、前記金属積層体に前記第1及び第2の可動接点をそれぞれ複数個形成し、前記金属積層体の非反転時には、複数の前記第1の可動接点のうち少なくとも一つが前記第1の固定接点と導通し、且つ複数の前記第2の可動接点のうち少なくとも一つが前記第2の固定接点と導通することにより、前記第1と第2の固定接点間が前記金属積層体を介して導通状態となるようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、第2の手段として、前記金属積層体の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の反転部を形成し、この反転部の外側に前記第1及び第2の可動接点を形成したことを特徴とする。
【0019】
また、第3の手段として、前記ハウジングの上面には、前記収納部を覆うカバーが嵌着されており、前記金属積層体の非反転時には、前記金属積層体の頂部が前記カバーの天面に当接して、前記第1及び第2の可動接点がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点側に付勢されていることを特徴とする。
【0020】
また、第4の手段として、前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成し、複数の前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする。
【0021】
また、第5の手段として、前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の同軸方向に対向して配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成し、前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図8に示す。図1は熱応動スイッチの分解斜視図、図2は同じく熱応動スイッチのカバーを外した状態の平面図、図3は同じく熱応動スイッチの断面図、図4は同じくハウジングの平面図、図5は同じくハウジングの断面図、図6は同じく金属積層体の平面図、図7は同じく金属積層体の正面図、図8は同じく熱応動スイッチの反転時の断面図である。
【0023】
図において、ハウジング1は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された収納部1aを有する箱状に形成されている。このハウジング1の収納部1aの内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記ハウジング1の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記収納部1aの内底面の中央には、この内底面から円柱状に突出した支持突起部1bが設けられている。また、前記収納部1aの内周面の四角部には、開口部から内底面に至る突状のガイド突部1cが形成されている。また、前記収納部1aの開口部上面には、後述するカバー9と係合される係合突起部1dが形成されている。
【0024】
第1の端子2は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子2は、前記収納部1aの一端側に配設された略方形状の基板部2aと、この基板部2aから細いくびれ部(幅狭部)を介して他端側に延設された突片部2bが設けられている。この細いくびれ部の中央に前記収納部1aの内底面に突出した前記支持突起部1bが設けられており、この支持突起部1bを挟んで両側に位置する前記基板部2aと前記突片部2bの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第1の固定接点3、3が固着されたものとなっている。
【0025】
また、前記第1の端子2の前記基板部2aの他端側は、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部2cが設けられている。また、前記第1の端子2には、前記第1の固定接点3が固着された前記基板部2aと前記接続端子部2cとの間で、前記第1の固定接点3の近傍に幅広状の開口部2dが設けられている。この開口部2dは、前記第1の端子2の長手方向の、前記第1の固定接点3を通る中心線上に形成されている。
【0026】
第2の端子4は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子4は、前記収納部1aに配設された一端側が二股状に分かれて形成されており、この二股状の各先端に設けられた接点板部4a、4aが、前記第1の端子2の前記基板部2aと突片部2bとの間に設けられた細いくびれ部(幅狭部)を挟んで対向配置されたものとなっている。また、前記接点板部4a、4aの上面側には、同じく銀酸化錫などからなる一対の第2の固定接点5、5が固着されたものとなっている。すなわち、前記第1の固定接点3、3及び第2の固定接点5、5は、前記収納部1aの内底面の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されたものとなっている。
【0027】
また、前記第2の端子4の他端側は、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部4bが設けられている。また、前記第2の端子4には、前記第1の固定接点3が固着された前記突片部2bと前記接続端子部4bとの間で、前記第1の固定接点3の近傍に幅広状の開口部4cが設けられている。この開口部4cは、前記第2の端子4の長手方向の、前記第1の固定接点3を通る中心線上に形成されている。
【0028】
金属積層体6は、略方形状の可撓性を有する板材からなり、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。この金属積層体6の四角部には、面取り部6a及び凹状部6bが設けられており、この凹状部6bが、前記ハウジング1の収納部1aに形成された前記ガイド突部1cに係合されて、横方向の移動が規制されると共に、前記金属積層体6が前記収納部1a内に上下方向に遊動可能に保持されるものとなっている。
【0029】
また、前記金属積層体6の中央部には、反転動作する場合に反転作用を助長するための上方に膨出したドーム状の反転部6cが形成されており、この反転部6cを形成することにより、前記金属積層体6の、温度特性、すなわち、温度に応じて反転する場合の反転動作が確実に行えるようになっている。
【0030】
また、前記金属積層体6の四辺部中央には、前記反転部6cの外側の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成した、銀酸化錫などからなる第1の可動接点7、7、及び第2の可動接点8、8が電気スポット溶接などの方法で固着されている。この金属積層体6が前記収納部1aに収容される際には、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8は、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5とそれぞれ対向した状態でお互いが接離可能に配設されるものとなっている。
【0031】
この場合、前記金属積層体6の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の前記反転部6cが形成されており、この反転部6cの外側に複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を形成するようにしてあるので、ドーム状の前記反転部6cが反転動作する際には、前記第1及び第2の可動接点7、8の影響を受けないため、適切な動作温度で前記金属積層体6を反転させることが可能となり、反転動作する場合の動作特性を阻害しないようになっている。
【0032】
このように、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5は、前記収納部1aの内底面の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されており、また、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を前記反転部6cの外側の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成すると共に、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5にそれぞれ対向させて、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を接離可能に配設するようにしているので、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入した場合には、ゴミの挟持側に対してこれと対向する反対側に位置する他の前記第1の可動接点7と第1の固定接点3側に付勢力が働くことになるので、可動接点と固定接点同士の接触が安定し確実な導通が図れるものとなっている。
【0033】
カバー9は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されている。このカバー9の四角部には、貫通状の係合孔9aが形成されており、この係合孔9aに、前記ハウジング1の収納部1aの開口部上面に形成された前記係合突起部1dが係合されて、前記ハウジング1の上面に取り付けられるものとなっている。
【0034】
また、前記カバー9の下面側の天面部には、下方に突出した押圧突部9bが形成されている。前記ハウジング1の収納部1aに前記金属積層体6が収容された時、前記金属積層体6の非反転時には、前記金属積層体6のドーム状の前記反転部6cの頂部が前記カバー9の天面部に形成された前記押圧突部9bに当接するようになっており、この当接によって、前記第1及び第2の可動接点7、8がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点3、5側に付勢されるものとなっている。
【0035】
このように、前記金属積層体6が前記ハウジング1の収納部1a内に収容された状態で初期状態である前記金属積層体6の非反転時には、前記反転部6cの頂部が前記カバー9の押圧突部9bに当接して、前記第1及び第2の可動接点7、8がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点3、5側に付勢されるようなっているので、前記第1及び第2の可動接点7、8と前記第1及び第2の固定接点3、5との導通が確実となり、初期状態である非反転時における安定した導通状態が得られるものとなっている。
【0036】
次に、図3及び図8で上述した実施例の熱応動スイッチの動作を説明する。
まず、図3に示す常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている前記第1及び第2の可動接点7、8と前記第1及び第2の固定接点3、5は、お互いに接触して接点がオン状態となっている。
【0037】
この時、前記金属積層体6の反転部6cの頂部が、前記カバー9の天面部の押圧突部9bで下側に付勢されており、また、前記第1及び第2の可動接点7、8と、前記第1及び第2の固定接点3、5がそれぞれ対向されて複数個形成されているので、例えゴミ等の異物が一つの接点部に入ったとしても、他の接点部の導通が確実となり、安定した導通状態が得られる。
【0038】
この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、前記第1及び第2の可動接点7、8が固着されている前記金属積層体6に設けられた前記反転部6cが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。この時、前記金属積層体6に固着されている前記第1及び第2の可動接点7、8は、前記金属積層体6と共に上方へ駆動され、前記第1及び第2の固定接点3、5から離間することとなり、接点がオフ状態となる。
【0039】
この場合、反転した前記金属積層体6の前記反転部6cは、その膨出部が反転し、前記第1及び第2の固定接点3、5の方向、即ち、前記ハウジング1の収納部1aの内底面の方向へ突出して前記収納部1aの中央に設けられた前記支持突起部1bに当接することにより、前記第1及び第2の可動接点7、8が前記第1及び第2の固定接点3、5から確実に離間して接点がオフ状態になるものとなっている。
【0040】
更に、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、前記金属積層体6の前記反転部6cは温度の下降に応じて反転復帰し、前記第1及び第2の固定接点3、5の方向とは反対の方向へ突出することから、前記第1及び第2の可動接点7、8が前記第1及び第2の固定接点3、5に接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。
【0041】
上述した、本発明の熱応動スイッチの構造においては、前記金属積層体6の中央部に、温度に応じて反転する際の、反転作用を助長するための膨出したドーム状の前記反転部6cが形成されていることから、反転動作が確実に行われるものとなる。
【0042】
上述した、本発明の実施例の構成によれば、前記ハウジング1の収納部1aに前記金属積層体6を、前記第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、前記金属積層体6には前記第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個形成して、前記金属積層体6の初期状態である非反転時には、複数の前記第1の可動接点7のうち少なくとも一つが前記第1の固定接点3と導通し、且つ複数の前記第2の可動接点8のうち少なくとも一つが前記第2の固定接点5と導通することにより、前記第1と第2の固定接点7、8間が前記金属積層体6を介して導通状態となるようにしているので、前記金属積層体6に前記第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個設けることにより、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入したとしても、他の第1の可動接点7と第1の固定接点3とで導通を図ることができ接触状態を安定させ、信頼性の向上が図れるものとなっている。
【0043】
また、前記金属積層体6は前記第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で前記収納部1aに嵌入されているので、リフロー半田付けして取付ける際には、前記収納部1a内の比較的狭い範囲で大きく変形することが可能なため、片持ち梁状に支持された時と比べて前記収納部1aの高さ寸法を大きくする必要がなく、前記収納部1aの薄型化が図れるものとなっている。
【0044】
尚、上記の実施例においては、前記金属積層体6に形成した前記第1及び第2の可動接点7、8は、銀酸化錫などを電気スポット溶接などの方法で固着して形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記金属積層体6にプレス加工などにより偏肉させて小突起部(張り出し部)を形成し、この小突起部に導電性ペースト(銀ペースト)等を塗布して形成するようにしても良い。また、前記第1及び第2の固定接点3、5においても、同様に形成することができる。
【0045】
図9及び図10は本発明の第2の実施例である熱応動スイッチの構造を示し、図9はカバーを外した状態の熱応動スイッチの平面図、図10は熱応動スイッチの断面図である。なお、図1乃至図8で説明した同一部品については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この場合、第1の実施例との相違点は、前記第1及び第2の固定接点3、5と、前記第1及び第2の可動接点7、8の構成が若干異なっている点である。即ち、本発明の第2の実施例である熱応動スイッチの構成は、前記第1及び第2の固定接点3、5と、前記第1及び第2の可動接点7、8は、十字位置にそれぞれ交互に対向した状態に形成されてはおらず、同軸方向(一方向)の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成した構成となっている。
【0047】
図において、ハウジング11は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された収納部11aを有する箱状に形成されている。このハウジング11の収納部11aの内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記ハウジング11の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記収納部11aの内底面の中央には、この内底面から円柱状に突出した支持突起部11bが設けられている。
【0048】
第1の端子12は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子12は、前記収納部11aの一端側に配設された略方形状の接点板部12aと、前記ハウジング11の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部12bが設けられている。また、前記接点板部12aの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第1の固定接点3、3が固着されたものとなっている。
【0049】
第2の端子14は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子14は、同じく前記収納部11aの他端側に配設された略方形状の接点板部14aと、前記ハウジング11の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部14bが設けられている。また、前記接点板部14aの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第2の固定接点5、5が固着されたものとなっている。
【0050】
すなわち、前記第1の固定接点3、3及び第2の固定接点5、5は、前記収納部11aの同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ2個並列した状態でそれぞれ対向されて配設されたものとなっている。
【0051】
金属積層体16は、略方形状の可撓性を有する板材からなり、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。
【0052】
また、前記金属積層体16の中央部には、反転動作する場合に反転作用を助長するための上方に膨出したドーム状の反転部16aが形成されており、この反転部6aを形成することにより、前記金属積層体16の、温度特性、すなわち、温度に応じて反転する場合の反転動作が確実に行えるようになっている。
【0053】
また、前記金属積層体16の四角部には、前記反転部16aの外側の位置で、同軸方向の一端側と他端側の位置に2個並列した状態でそれぞれ対向させて形成した、銀酸化錫などからなる第1の可動接点7、7、及び第2の可動接点8、8が電気スポット溶接などの方法で固着されている。
【0054】
前記金属積層体16が前記収納部11aに収容される際には、一対の前記第1及び第2の可動接点7、8は、一対の前記第1及び第2の固定接点3、5とそれぞれ対向した状態でお互いが接離可能に配設されるものとなっている。
【0055】
この場合、前記金属積層体16の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の前記反転部16aが形成されており、この反転部16aの外側に複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を形成するようにしてあるので、ドーム状の前記反転部16aが反転動作する際には、前記第1及び第2の可動接点7、8の影響を受けないため、適切な動作温度で前記金属積層体6を反転させることが可能となり、反転動作する場合の動作特性を阻害しないようになっている。
【0056】
カバー19は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されており、このカバー19の下面側の天面部には、同じく下方に突出した押圧突部19bが形成されている。
【0057】
尚、本実施例の熱応動スイッチの動作については、上述した本発明の第1の実施例で説明した熱応動スイッチの動作と略同一なためその説明を省略する。
【0058】
上記した本発明の第2の実施例の構成によれば、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5は、前記収納部11aの内底面に同軸方向に対向して配設されており、また、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を前記反転部16aの外側で同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成すると共に、複数の前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向させて、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を接離可能に配設するようにしているので、同様に、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入した場合においても、他の前記第1の可動接点7と第1の固定接点3が接触するので、接触が安定し確実な導通が図れると共に、更には、一対の端子、固定接点及び可動接点の構成が簡易となりローコスト化が図れるものとなっている。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱応動スイッチは、収納部を有するハウジングと、収納部に互いに離間した状態で配設された第1及び第2の固定接点と、第1及び第2の固定接点と接離可能なようにそれぞれ対向して配設された第1及び第2の可動接点を有し、温度に応じて反転可能な複数の熱膨張係数の異なる金属板を接合して形成された金属積層体とを備え、収納部に金属積層体を第1及び第2の固定接点とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、金属積層体に第1及び第2の可動接点をそれぞれ複数個形成し、金属積層体の非反転時には、複数の第1の可動接点のうち少なくとも一つが第1の固定接点と導通し、且つ複数の第2の可動接点のうち少なくとも一つが第2の固定接点と導通することにより、第1と第2の固定接点間が金属積層体を介して導通状態となるようにしたことから、金属積層体には第1及び第2の可動接点がそれぞれ複数個設けられているので、例え一つの可動接点と固定接点との間にゴミなどの異物が侵入したとしても、他の可動接点と固定接点とで導通を図ることができ接触状態を安定させ、信頼性の向上が図れる。また、金属積層体は第1及び第2の固定接点とは分離した状態で収納部に嵌入されているので、リフロー半田付けして取付ける際には、収納部内の比較的狭い範囲で大きく変形することが可能なため、片持ち梁状に支持された時と比べて収納部の高さ寸法を大きくする必要がなく、収納部の薄型化が図れる。
【0060】
また、金属積層体の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の反転部を形成し、この反転部の外側に第1及び第2の可動接点を形成したことから、ドーム状の反転部が反転動作する際には、第1及び第2の可動接点の影響を受けないため、適切な動作温度で金属積層体を反転させることが可能となる。
【0061】
また、ハウジングの上面には、収納部を覆うカバーが嵌着されており、金属積層体の非反転時には、金属積層体の頂部がカバーの天面に当接して、第1及び第2の可動接点がそれぞれ第1及び第2の固定接点側に付勢されていることから、第1及び第2の可動接点と第1及び第2の固定接点との導通が確実となり、非反転時における安定した導通状態が得られる。
【0062】
また、第1及び第2の固定接点は、収納部の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されると共に、第1及び第2の可動接点を金属積層体の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成し、複数の第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことから、例えば一つの第1の可動接点と第1の固定接点との間にゴミなどの異物が侵入した場合には、ゴミの挟持側に対してこれと対向する反対側に位置する他の第1の可動接点と第1の固定接点側に付勢力が働くことになるので、接触が安定し確実な導通が図れる。
【0063】
また、第1及び第2の固定接点は、収納部の同軸方向に対向して配設されると共に、第1及び第2の可動接点を金属積層体の同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成し、第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことから、接触が安定し確実な導通が図れると共に、固定接点及び可動接点等の構成が簡易となりローコスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である熱応動スイッチを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の同じく熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図3】本発明の同じく熱応動スイッチを示す断面図である。
【図4】本発明の同じくハウジングを示す平面図である。
【図5】本発明の同じくハウジングを示す断面図である。
【図6】本発明の同じく金属積層体を示す平面図である。
【図7】本発明の同じく金属積層体を示す正面図である。
【図8】本発明の同じく熱応動スイッチの反転時を示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例である熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施例である熱応動スイッチを示す断面図である。
【図11】従来の熱応動スイッチを示す分解斜視図である。
【図12】従来の熱応動スイッチを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b 支持突起部
1c ガイド突部
1d 係合突起部
2 第1の端子
2a 基板部
2b 突片部
2c 接続端子部
2d 開口部
3 第1の固定接点
4 第2の端子
4a 接点板部
4b 接続端子部
4c 開口部
5 第2の固定接点
6 金属積層体
6a 面取り部
6b 凹状部
6c 反転部
7 第1の可動接点
8 第2の可動接点
9 カバー
9a 係合孔
9b 押圧突部
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱応動スイッチに係り、特にバイメタル片及びトリメタル片などの熱応動によって可動接点を反転させて電気接点を開閉させるスイッチの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱応動スイッチは、熱膨張係数の異なる金属を複数枚張り合わせた熱応動素子(バイメタル及びトリメタル)を可動片とする可動電極と、この可動電極と共に常時閉接点形の回路を構成する固定電極とが設けられており、電気機器の回路に接続されてその電気機器を保護している。
【0003】
すなわち、電気機器の回路に接続された熱応動スイッチは、その電気機器に過大な電流が流れたり、周囲温度が異常に高くなった時には、バイメタル及びトリメタルなどの湾曲反転作用でスイッチ接点を開く構造になっているため、電気機器への給電が遮断されるようになっている。そして、電気機器への給電が遮断されることにより周囲温度が低下することで、バイメタル及びトリメタルが自動復帰し、スイッチ接点は再び閉じ給電を再開することから、危険防止に役立つと共に電気機器を常に所定の温度範囲で動作させることが可能となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
以下、従来の熱応動スイッチの構造を図に基づいて説明する。
図11は従来の熱応動スイッチの分解斜視図、図12は同じく断面図である。
【0005】
図において、絶縁ケース21は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された箱状に形成されている。この絶縁ケース21の内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記絶縁ケース21の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記絶縁ケース21の内底面の中央には、この内底面から半球状に突出した支持突起部21aが設けられている。
【0006】
第1の端子22は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子22の一端側には、銀酸化錫等からなる固定接点23が固着される取付孔22aが設けられており、この第1の端子22の他端側には、前記絶縁ケース21の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部22bが設けられている。
【0007】
第2の端子24は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子24の一端側には、プレスなどで偏肉させて突出部24aが形成されており、この突出部24aは後述するバイメタル片の一端部の固着孔に挿入されて固着される溶着部となっている。また、この第2の端子24の他端側には、前記絶縁ケース21の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部24bが設けられている。
【0008】
バイメタル片25は、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。このバイメタル片25の自由端となる一端側には、前記固定接点23と接離する、銀酸化錫等からなる可動接点26が電気スポット溶接等の方法で固着されており、一方、他端側は、前記第2の端子24に設けられた前記突出部24aに電気スポット溶接等の方法で固着されたものとなっている。
【0009】
また、前記バイメタル片25の中央部には、反転作用を助長するための膨出したドーム状の反転部25aが形成されており、この反転部25aを形成することで、前記バイメタル片25の、温度特性、すなわち、温度に応じた反転動作を確実に行えるようにしている。
【0010】
また、前記バイメタル片25には、前記可動接点26と前記反転部25aとの近傍に、反り防止手段であるリブ25bが設けられている。このリブ25bは、プレスなどで直線状に突き出し加工することにより、前記可動接点26と前記反転部25aとの間に位置する平板部25cに形成されている。また、前記リブ25bは前記平板部25cの側端側近傍に一対対向して形成されたものとなっている。前記リブ25bを前記平板部25cに設けることで、前記平板部25cの熱による反りの発生を防止することができる。
【0011】
カバー27は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されており、前記絶縁ケース21の開口部上に取り付けられ、前記絶縁ケース21の内部に配設された前記第1、第2の端子22、24、前記バイメタル片25、及び前記可動接点26、前記固定接点23等への塵埃やガスなどの影響を防止している。
【0012】
次に、上述した熱応動スイッチの動作について説明する。常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている前記可動接点26と前記固定接点23は、お互いに接触して接点がオン状態となっている。この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、前記可動接点26が固着されている前記バイメタル片25に設けられた前記反転部25aが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。この時、前記バイメタル片25に固着されている前記可動接点26は、前記バイメタル片25と共に駆動され、前記固定接点23から離間することとなり、接点がオフ状態となる。
【0013】
更に、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、前記バイメタル片25の前記反転部25aは温度の下降に応じて反転復帰し、前記固定接点23の方向とは反対の方向へ突出することから、前記可動接点26が前記固定接点23に接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。
【0014】
【特許文献1】
特開2001−076600号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の熱応動スイッチの構造においては、前記バイメタル片25はその一端側が片持ち梁状に前記第2の端子24に固着されており、その他端側に設けられた前記可動接点26が、温度の変化に応じて反転する前記バイメタル片25の動作に伴って前記固定接点23と接離される構造となっていることから、もし何らかの原因によりゴミ等の異物が前記固定接点23と前記可動接点26との間に入ると、両接点間が非導通のままとなり、熱応動スイッチとしての機能が損なわれるという問題があった。
【0016】
したがって、本発明では上述した問題点を解決し、バイメタル片が温度に応じて反転動作を行う時に、ゴミなどの異物が侵入しても可動接点と固定接点との接触状態を安定させ、信頼性の高い熱応動スイッチを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明では第1の手段として、収納部を有するハウジングと、前記収納部に互いに離間した状態で配設された第1及び第2の固定接点と、前記第1及び第2の固定接点と接離可能なようにそれぞれ対向して配設された第1及び第2の可動接点を有し、温度に応じて反転可能な複数の熱膨張係数の異なる金属板を接合して形成された金属積層体とを備え、前記収納部に前記金属積層体を前記第1及び第2の固定接点とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、前記金属積層体に前記第1及び第2の可動接点をそれぞれ複数個形成し、前記金属積層体の非反転時には、複数の前記第1の可動接点のうち少なくとも一つが前記第1の固定接点と導通し、且つ複数の前記第2の可動接点のうち少なくとも一つが前記第2の固定接点と導通することにより、前記第1と第2の固定接点間が前記金属積層体を介して導通状態となるようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、第2の手段として、前記金属積層体の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の反転部を形成し、この反転部の外側に前記第1及び第2の可動接点を形成したことを特徴とする。
【0019】
また、第3の手段として、前記ハウジングの上面には、前記収納部を覆うカバーが嵌着されており、前記金属積層体の非反転時には、前記金属積層体の頂部が前記カバーの天面に当接して、前記第1及び第2の可動接点がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点側に付勢されていることを特徴とする。
【0020】
また、第4の手段として、前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成し、複数の前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする。
【0021】
また、第5の手段として、前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の同軸方向に対向して配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成し、前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図8に示す。図1は熱応動スイッチの分解斜視図、図2は同じく熱応動スイッチのカバーを外した状態の平面図、図3は同じく熱応動スイッチの断面図、図4は同じくハウジングの平面図、図5は同じくハウジングの断面図、図6は同じく金属積層体の平面図、図7は同じく金属積層体の正面図、図8は同じく熱応動スイッチの反転時の断面図である。
【0023】
図において、ハウジング1は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された収納部1aを有する箱状に形成されている。このハウジング1の収納部1aの内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記ハウジング1の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記収納部1aの内底面の中央には、この内底面から円柱状に突出した支持突起部1bが設けられている。また、前記収納部1aの内周面の四角部には、開口部から内底面に至る突状のガイド突部1cが形成されている。また、前記収納部1aの開口部上面には、後述するカバー9と係合される係合突起部1dが形成されている。
【0024】
第1の端子2は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子2は、前記収納部1aの一端側に配設された略方形状の基板部2aと、この基板部2aから細いくびれ部(幅狭部)を介して他端側に延設された突片部2bが設けられている。この細いくびれ部の中央に前記収納部1aの内底面に突出した前記支持突起部1bが設けられており、この支持突起部1bを挟んで両側に位置する前記基板部2aと前記突片部2bの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第1の固定接点3、3が固着されたものとなっている。
【0025】
また、前記第1の端子2の前記基板部2aの他端側は、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部2cが設けられている。また、前記第1の端子2には、前記第1の固定接点3が固着された前記基板部2aと前記接続端子部2cとの間で、前記第1の固定接点3の近傍に幅広状の開口部2dが設けられている。この開口部2dは、前記第1の端子2の長手方向の、前記第1の固定接点3を通る中心線上に形成されている。
【0026】
第2の端子4は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子4は、前記収納部1aに配設された一端側が二股状に分かれて形成されており、この二股状の各先端に設けられた接点板部4a、4aが、前記第1の端子2の前記基板部2aと突片部2bとの間に設けられた細いくびれ部(幅狭部)を挟んで対向配置されたものとなっている。また、前記接点板部4a、4aの上面側には、同じく銀酸化錫などからなる一対の第2の固定接点5、5が固着されたものとなっている。すなわち、前記第1の固定接点3、3及び第2の固定接点5、5は、前記収納部1aの内底面の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されたものとなっている。
【0027】
また、前記第2の端子4の他端側は、前記ハウジング1の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部4bが設けられている。また、前記第2の端子4には、前記第1の固定接点3が固着された前記突片部2bと前記接続端子部4bとの間で、前記第1の固定接点3の近傍に幅広状の開口部4cが設けられている。この開口部4cは、前記第2の端子4の長手方向の、前記第1の固定接点3を通る中心線上に形成されている。
【0028】
金属積層体6は、略方形状の可撓性を有する板材からなり、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。この金属積層体6の四角部には、面取り部6a及び凹状部6bが設けられており、この凹状部6bが、前記ハウジング1の収納部1aに形成された前記ガイド突部1cに係合されて、横方向の移動が規制されると共に、前記金属積層体6が前記収納部1a内に上下方向に遊動可能に保持されるものとなっている。
【0029】
また、前記金属積層体6の中央部には、反転動作する場合に反転作用を助長するための上方に膨出したドーム状の反転部6cが形成されており、この反転部6cを形成することにより、前記金属積層体6の、温度特性、すなわち、温度に応じて反転する場合の反転動作が確実に行えるようになっている。
【0030】
また、前記金属積層体6の四辺部中央には、前記反転部6cの外側の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成した、銀酸化錫などからなる第1の可動接点7、7、及び第2の可動接点8、8が電気スポット溶接などの方法で固着されている。この金属積層体6が前記収納部1aに収容される際には、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8は、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5とそれぞれ対向した状態でお互いが接離可能に配設されるものとなっている。
【0031】
この場合、前記金属積層体6の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の前記反転部6cが形成されており、この反転部6cの外側に複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を形成するようにしてあるので、ドーム状の前記反転部6cが反転動作する際には、前記第1及び第2の可動接点7、8の影響を受けないため、適切な動作温度で前記金属積層体6を反転させることが可能となり、反転動作する場合の動作特性を阻害しないようになっている。
【0032】
このように、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5は、前記収納部1aの内底面の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されており、また、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を前記反転部6cの外側の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成すると共に、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5にそれぞれ対向させて、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を接離可能に配設するようにしているので、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入した場合には、ゴミの挟持側に対してこれと対向する反対側に位置する他の前記第1の可動接点7と第1の固定接点3側に付勢力が働くことになるので、可動接点と固定接点同士の接触が安定し確実な導通が図れるものとなっている。
【0033】
カバー9は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されている。このカバー9の四角部には、貫通状の係合孔9aが形成されており、この係合孔9aに、前記ハウジング1の収納部1aの開口部上面に形成された前記係合突起部1dが係合されて、前記ハウジング1の上面に取り付けられるものとなっている。
【0034】
また、前記カバー9の下面側の天面部には、下方に突出した押圧突部9bが形成されている。前記ハウジング1の収納部1aに前記金属積層体6が収容された時、前記金属積層体6の非反転時には、前記金属積層体6のドーム状の前記反転部6cの頂部が前記カバー9の天面部に形成された前記押圧突部9bに当接するようになっており、この当接によって、前記第1及び第2の可動接点7、8がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点3、5側に付勢されるものとなっている。
【0035】
このように、前記金属積層体6が前記ハウジング1の収納部1a内に収容された状態で初期状態である前記金属積層体6の非反転時には、前記反転部6cの頂部が前記カバー9の押圧突部9bに当接して、前記第1及び第2の可動接点7、8がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点3、5側に付勢されるようなっているので、前記第1及び第2の可動接点7、8と前記第1及び第2の固定接点3、5との導通が確実となり、初期状態である非反転時における安定した導通状態が得られるものとなっている。
【0036】
次に、図3及び図8で上述した実施例の熱応動スイッチの動作を説明する。
まず、図3に示す常温及び通常の使用温度においては、お互いに対向されて配置されている前記第1及び第2の可動接点7、8と前記第1及び第2の固定接点3、5は、お互いに接触して接点がオン状態となっている。
【0037】
この時、前記金属積層体6の反転部6cの頂部が、前記カバー9の天面部の押圧突部9bで下側に付勢されており、また、前記第1及び第2の可動接点7、8と、前記第1及び第2の固定接点3、5がそれぞれ対向されて複数個形成されているので、例えゴミ等の異物が一つの接点部に入ったとしても、他の接点部の導通が確実となり、安定した導通状態が得られる。
【0038】
この状態から何らかの原因で温度が上昇すると、前記第1及び第2の可動接点7、8が固着されている前記金属積層体6に設けられた前記反転部6cが、温度の上昇に応じて反転動作を行う。この時、前記金属積層体6に固着されている前記第1及び第2の可動接点7、8は、前記金属積層体6と共に上方へ駆動され、前記第1及び第2の固定接点3、5から離間することとなり、接点がオフ状態となる。
【0039】
この場合、反転した前記金属積層体6の前記反転部6cは、その膨出部が反転し、前記第1及び第2の固定接点3、5の方向、即ち、前記ハウジング1の収納部1aの内底面の方向へ突出して前記収納部1aの中央に設けられた前記支持突起部1bに当接することにより、前記第1及び第2の可動接点7、8が前記第1及び第2の固定接点3、5から確実に離間して接点がオフ状態になるものとなっている。
【0040】
更に、この状態から温度が下降して元の常温に戻ると、前記金属積層体6の前記反転部6cは温度の下降に応じて反転復帰し、前記第1及び第2の固定接点3、5の方向とは反対の方向へ突出することから、前記第1及び第2の可動接点7、8が前記第1及び第2の固定接点3、5に接触して接点がオン状態となり、初期の状態に復帰するものとなる。
【0041】
上述した、本発明の熱応動スイッチの構造においては、前記金属積層体6の中央部に、温度に応じて反転する際の、反転作用を助長するための膨出したドーム状の前記反転部6cが形成されていることから、反転動作が確実に行われるものとなる。
【0042】
上述した、本発明の実施例の構成によれば、前記ハウジング1の収納部1aに前記金属積層体6を、前記第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、前記金属積層体6には前記第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個形成して、前記金属積層体6の初期状態である非反転時には、複数の前記第1の可動接点7のうち少なくとも一つが前記第1の固定接点3と導通し、且つ複数の前記第2の可動接点8のうち少なくとも一つが前記第2の固定接点5と導通することにより、前記第1と第2の固定接点7、8間が前記金属積層体6を介して導通状態となるようにしているので、前記金属積層体6に前記第1及び第2の可動接点7、8をそれぞれ複数個設けることにより、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入したとしても、他の第1の可動接点7と第1の固定接点3とで導通を図ることができ接触状態を安定させ、信頼性の向上が図れるものとなっている。
【0043】
また、前記金属積層体6は前記第1及び第2の固定接点3、5とは分離した状態で前記収納部1aに嵌入されているので、リフロー半田付けして取付ける際には、前記収納部1a内の比較的狭い範囲で大きく変形することが可能なため、片持ち梁状に支持された時と比べて前記収納部1aの高さ寸法を大きくする必要がなく、前記収納部1aの薄型化が図れるものとなっている。
【0044】
尚、上記の実施例においては、前記金属積層体6に形成した前記第1及び第2の可動接点7、8は、銀酸化錫などを電気スポット溶接などの方法で固着して形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記金属積層体6にプレス加工などにより偏肉させて小突起部(張り出し部)を形成し、この小突起部に導電性ペースト(銀ペースト)等を塗布して形成するようにしても良い。また、前記第1及び第2の固定接点3、5においても、同様に形成することができる。
【0045】
図9及び図10は本発明の第2の実施例である熱応動スイッチの構造を示し、図9はカバーを外した状態の熱応動スイッチの平面図、図10は熱応動スイッチの断面図である。なお、図1乃至図8で説明した同一部品については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
この場合、第1の実施例との相違点は、前記第1及び第2の固定接点3、5と、前記第1及び第2の可動接点7、8の構成が若干異なっている点である。即ち、本発明の第2の実施例である熱応動スイッチの構成は、前記第1及び第2の固定接点3、5と、前記第1及び第2の可動接点7、8は、十字位置にそれぞれ交互に対向した状態に形成されてはおらず、同軸方向(一方向)の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成した構成となっている。
【0047】
図において、ハウジング11は、合成樹脂等の絶縁材で上面が開口された収納部11aを有する箱状に形成されている。このハウジング11の収納部11aの内底部には、後述する各端子が配設されており、この各端子の一端部は前記ハウジング11の両側面側から外方へ導出されたものとなっている。また、前記収納部11aの内底面の中央には、この内底面から円柱状に突出した支持突起部11bが設けられている。
【0048】
第1の端子12は、リン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第1の端子12は、前記収納部11aの一端側に配設された略方形状の接点板部12aと、前記ハウジング11の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部12bが設けられている。また、前記接点板部12aの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第1の固定接点3、3が固着されたものとなっている。
【0049】
第2の端子14は、同じくリン青銅等の導電性の金属材で平板状に形成されている。この第2の端子14は、同じく前記収納部11aの他端側に配設された略方形状の接点板部14aと、前記ハウジング11の側面部から外方へ導出されて他の電気機器の回路等に接続される接続端子部14bが設けられている。また、前記接点板部14aの上面側には、銀酸化錫などからなる一対の第2の固定接点5、5が固着されたものとなっている。
【0050】
すなわち、前記第1の固定接点3、3及び第2の固定接点5、5は、前記収納部11aの同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ2個並列した状態でそれぞれ対向されて配設されたものとなっている。
【0051】
金属積層体16は、略方形状の可撓性を有する板材からなり、例えば、熱膨張率の高い材料からなる高膨張材と、熱膨張率の低い材料からなる低膨張材との、熱膨張率の異なる少なくとも2種類の金属材料を平板状に積層接合して形成されている。
【0052】
また、前記金属積層体16の中央部には、反転動作する場合に反転作用を助長するための上方に膨出したドーム状の反転部16aが形成されており、この反転部6aを形成することにより、前記金属積層体16の、温度特性、すなわち、温度に応じて反転する場合の反転動作が確実に行えるようになっている。
【0053】
また、前記金属積層体16の四角部には、前記反転部16aの外側の位置で、同軸方向の一端側と他端側の位置に2個並列した状態でそれぞれ対向させて形成した、銀酸化錫などからなる第1の可動接点7、7、及び第2の可動接点8、8が電気スポット溶接などの方法で固着されている。
【0054】
前記金属積層体16が前記収納部11aに収容される際には、一対の前記第1及び第2の可動接点7、8は、一対の前記第1及び第2の固定接点3、5とそれぞれ対向した状態でお互いが接離可能に配設されるものとなっている。
【0055】
この場合、前記金属積層体16の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の前記反転部16aが形成されており、この反転部16aの外側に複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を形成するようにしてあるので、ドーム状の前記反転部16aが反転動作する際には、前記第1及び第2の可動接点7、8の影響を受けないため、適切な動作温度で前記金属積層体6を反転させることが可能となり、反転動作する場合の動作特性を阻害しないようになっている。
【0056】
カバー19は、合成樹脂などの絶縁材から略板状に形成されており、このカバー19の下面側の天面部には、同じく下方に突出した押圧突部19bが形成されている。
【0057】
尚、本実施例の熱応動スイッチの動作については、上述した本発明の第1の実施例で説明した熱応動スイッチの動作と略同一なためその説明を省略する。
【0058】
上記した本発明の第2の実施例の構成によれば、複数の前記第1及び第2の固定接点3、5は、前記収納部11aの内底面に同軸方向に対向して配設されており、また、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を前記反転部16aの外側で同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成すると共に、複数の前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向させて、複数の前記第1及び第2の可動接点7、8を接離可能に配設するようにしているので、同様に、例えば、一つの前記第1の可動接点7と第1の固定接点3との間にゴミなどの異物が侵入した場合においても、他の前記第1の可動接点7と第1の固定接点3が接触するので、接触が安定し確実な導通が図れると共に、更には、一対の端子、固定接点及び可動接点の構成が簡易となりローコスト化が図れるものとなっている。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の熱応動スイッチは、収納部を有するハウジングと、収納部に互いに離間した状態で配設された第1及び第2の固定接点と、第1及び第2の固定接点と接離可能なようにそれぞれ対向して配設された第1及び第2の可動接点を有し、温度に応じて反転可能な複数の熱膨張係数の異なる金属板を接合して形成された金属積層体とを備え、収納部に金属積層体を第1及び第2の固定接点とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、金属積層体に第1及び第2の可動接点をそれぞれ複数個形成し、金属積層体の非反転時には、複数の第1の可動接点のうち少なくとも一つが第1の固定接点と導通し、且つ複数の第2の可動接点のうち少なくとも一つが第2の固定接点と導通することにより、第1と第2の固定接点間が金属積層体を介して導通状態となるようにしたことから、金属積層体には第1及び第2の可動接点がそれぞれ複数個設けられているので、例え一つの可動接点と固定接点との間にゴミなどの異物が侵入したとしても、他の可動接点と固定接点とで導通を図ることができ接触状態を安定させ、信頼性の向上が図れる。また、金属積層体は第1及び第2の固定接点とは分離した状態で収納部に嵌入されているので、リフロー半田付けして取付ける際には、収納部内の比較的狭い範囲で大きく変形することが可能なため、片持ち梁状に支持された時と比べて収納部の高さ寸法を大きくする必要がなく、収納部の薄型化が図れる。
【0060】
また、金属積層体の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の反転部を形成し、この反転部の外側に第1及び第2の可動接点を形成したことから、ドーム状の反転部が反転動作する際には、第1及び第2の可動接点の影響を受けないため、適切な動作温度で金属積層体を反転させることが可能となる。
【0061】
また、ハウジングの上面には、収納部を覆うカバーが嵌着されており、金属積層体の非反転時には、金属積層体の頂部がカバーの天面に当接して、第1及び第2の可動接点がそれぞれ第1及び第2の固定接点側に付勢されていることから、第1及び第2の可動接点と第1及び第2の固定接点との導通が確実となり、非反転時における安定した導通状態が得られる。
【0062】
また、第1及び第2の固定接点は、収納部の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されると共に、第1及び第2の可動接点を金属積層体の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成し、複数の第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことから、例えば一つの第1の可動接点と第1の固定接点との間にゴミなどの異物が侵入した場合には、ゴミの挟持側に対してこれと対向する反対側に位置する他の第1の可動接点と第1の固定接点側に付勢力が働くことになるので、接触が安定し確実な導通が図れる。
【0063】
また、第1及び第2の固定接点は、収納部の同軸方向に対向して配設されると共に、第1及び第2の可動接点を金属積層体の同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成し、第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことから、接触が安定し確実な導通が図れると共に、固定接点及び可動接点等の構成が簡易となりローコスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である熱応動スイッチを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の同じく熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図3】本発明の同じく熱応動スイッチを示す断面図である。
【図4】本発明の同じくハウジングを示す平面図である。
【図5】本発明の同じくハウジングを示す断面図である。
【図6】本発明の同じく金属積層体を示す平面図である。
【図7】本発明の同じく金属積層体を示す正面図である。
【図8】本発明の同じく熱応動スイッチの反転時を示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施例である熱応動スイッチのカバーを外した状態を示す平面図である。
【図10】本発明の第2の実施例である熱応動スイッチを示す断面図である。
【図11】従来の熱応動スイッチを示す分解斜視図である。
【図12】従来の熱応動スイッチを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1b 支持突起部
1c ガイド突部
1d 係合突起部
2 第1の端子
2a 基板部
2b 突片部
2c 接続端子部
2d 開口部
3 第1の固定接点
4 第2の端子
4a 接点板部
4b 接続端子部
4c 開口部
5 第2の固定接点
6 金属積層体
6a 面取り部
6b 凹状部
6c 反転部
7 第1の可動接点
8 第2の可動接点
9 カバー
9a 係合孔
9b 押圧突部
Claims (5)
- 収納部を有するハウジングと、前記収納部に互いに離間した状態で配設された第1及び第2の固定接点と、前記第1及び第2の固定接点と接離可能なようにそれぞれ対向して配設された第1及び第2の可動接点を有し、温度に応じて反転可能な複数の熱膨張係数の異なる金属板を接合して形成された金属積層体とを備え、前記収納部に前記金属積層体を前記第1及び第2の固定接点とは分離した状態で遊動可能に嵌入すると共に、前記金属積層体に前記第1及び第2の可動接点をそれぞれ複数個形成し、前記金属積層体の非反転時には、複数の前記第1の可動接点のうち少なくとも一つが前記第1の固定接点と導通し、且つ複数の前記第2の可動接点のうち少なくとも一つが前記第2の固定接点と導通することにより、前記第1と第2の固定接点間が前記金属積層体を介して導通状態となるようにしたことを特徴とする熱応動スイッチ。
- 前記金属積層体の中央には、温度に応じて反転可能なドーム状の反転部を形成し、この反転部の外側に前記第1及び第2の可動接点を形成したことを特徴とする請求項1記載の熱応動スイッチ。
- 前記ハウジングの上面には、前記収納部を覆うカバーが嵌着されており、前記金属積層体の非反転時には、前記金属積層体の頂部が前記カバーの天面に当接して、前記第1及び第2の可動接点がそれぞれ前記第1及び第2の固定接点側に付勢されていることを特徴とする請求項1又は2記載の熱応動スイッチ。
- 前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の十字位置にそれぞれ交互に対向した状態で配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の十字位置にそれぞれ交互に対向させて形成し、複数の前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の熱応動スイッチ。
- 前記第1及び第2の固定接点は、前記収納部の同軸方向に対向して配設されると共に、前記第1及び第2の可動接点を前記金属積層体の同軸方向の一端側と他端側の位置にそれぞれ複数個並べて形成し、前記第1及び第2の固定接点にそれぞれ対向して複数の前記第1及び第2の可動接点を接離可能に配設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の熱応動スイッチ。
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