JP2004220944A - サーマルプロテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができるサーマルプロテクタを提供すること。
【解決手段】固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させる可動片と、所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子とを、本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケース内に封入し、固定片と連続し前記ケースの外部に現われた電極と、可動片と接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状でその一面は前記ケースの一面から外面に現われていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させる可動片と、所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子とを、本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケース内に封入し、固定片と連続し前記ケースの外部に現われた電極と、可動片と接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状でその一面は前記ケースの一面から外面に現われていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の作動温度に達したときの熱応動素子の反転作用により、可動接点を固定接点から離反させて回路を遮断する構造のサーマルプロテクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−307607号公報
この種のサーマルプロテクタは、一般に各種モータ、機器類に用いられている二次電池などの過電流や過熱に対して、回路を遮断する保護部品として使用される。例えば携帯電話機やノート型パソコン等の二次電池用のサーマルプロテクタ、小型モータ用のサーマルプロテクタ、自動車用モータ,充電器保護の直流回路用のサーマルプロテクタ、あるいは、エアコンのファン,電気洗濯機その他に用いられている汎用モータ保護の交流回路用のサーマルプロテクタなどの用途である。
【0003】
近年の電気機器類の小型,高性能化に伴い、これらに使用されるサーマルプロテクタについても、より小型で高性能なものが要請されている。
このような要請に応えるものとして、前記特許文献1には図8で示すようなサーマルプロテクタが提案されている。図8のサーマルプロテクタは、携帯電話機用の小型電池パックに適するものとされ、方形で偏平なケース1aは、本体10aと当該本体10aへ密に接合された蓋体11aとから構成され、蓋体11aは絶縁性樹脂からなる縁枠11bとその縁枠と一体に形成した薄い金属製のカバー天板11cとから構成されている。
本体10aには、内底部の一端部に固定接点2aを有する固定片20aが一体にインサート成形され、この固定片20aと一体に連続する電極21aがケース1aの外部へ延び出している。
本体10aの支持部10bの上面には保持突起10cが一体に形成され、この保持突起10cには先端部下面に可動接点3aを有する可動片30aがカシメ止めされ、当該可動片30aと一体に連続する電極31aがケース1aの外部へ延び出している。
可動片30aの可動接点3a近傍の位置と前記保持突起10c近傍の位置に
は、係止片30b,30cが切り起こしにより形成されており、これらの係止片30b,30cには、凸球面状に加工されたバイメタル板からなる熱応動素子4aの両端子が係止されている。
蓋体11aのカバー天板11cには、熱応動素子4aの方向へ僅かに突出した凸部11dが形成されており、この凸部11dは熱応動素子4aの中央部を下方へ押圧している。
【0004】
このサーマルプロテクタは、電極21a,31aを例えば図示されていない回路基板等における配線電極と接続させた状態で機器類の所要箇所に設置される。設置状態において、過電流や過熱によりケース内の温度が上昇し、当該温度が熱応動素子4aの作動温度以上に達すると、当該熱応動素子4aが上方へ反るように反転作動し、そのスナップ作用により可動接点3aを固定接点2aから離反させるように可動片30aを反転させ、電流を遮断するように作動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のサーマルプロテクタは、前記の構成により小型(薄型)に製造することができるほか、接点接触圧が高くなるものとされている。
ところで、最近、二次電池の保護システムの構成、部品点数の削減、製造工程の簡素化要求等から、サーマルプロテクタの小型化のみでなく、二次電池と一体化して電池パックを構成した場合に、機器類への接続設置の簡略化・迅速化が強く要請されている。このような要請から考察すると、特許文献1のサーマルプロテクタは、これを例えばインサート成形等により二次電池と一体化して電池パックを構成する場合、機器類にセットした(組み込んだ)とき電極21a又は31aがそのまま当該機器類の必要な電極と接触接続できる状態にするのが難しく、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請には応え難いものである。
本発明の目的は、二次電池等と一体化して小型電池パックを構成した場合、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができるサーマルプロテクタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサーマルプロテクタは、前記の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載のサーマルプロテクタは、固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させる可動片と、所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片,固定接点,可動接点,可動片及び熱応動素子を収容し、かつ本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出し、かつ所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載のサーマルプロテクタは、固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させ、かつ所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように反転する熱応動素子からなる可動片と、前記固定片,固定接点,可動接点及び可動片を収容し、かつ、本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出し、かつ所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載のサーマルプロテクタは、請求項1のサーマルプロテクタにおいて、前記可動片は、前記熱応動素子側に突出して当該熱応動素子を前記ケース内の一部に押し付ける突片を有することを特徴とする、請求項1に記載のサーマルプロテクタ。
【0009】
請求項4に記載のサーマルプロテクタは、請求項1又は3のサーマルプロテクタにおいて、前記ケース内には、前記固定片と接続しかつ前記可動接点が固定接点から離反したときに前記熱応動素子を介して前記可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載のサーマルプロテクタは、請求項2のサーマルプロテクタにおいて、前記ケース内には、前記固定片及び可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜5のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記突出部は、ケースの前記一方の面の周縁部の大半を占める状態に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
【0012】
請求項7に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜6のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記本体と蓋体の相対する部分の一方には複数のガイド穴が、他方には前記ガイド穴に挿入され又は嵌め合わされるガイド突起がそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜7のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、ケースの前記一方の面には、一面の少なくとも一部が当該ケースの外部に現われる状態に板状の外部電極が取り付けられ、当該外部電極の前記ケースの外部に現われた面は、前記一方の電極の前記一方の面とほぼ同じレベルであることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜8のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記一方の電極の前記ケースの一面に現われた面には溝又は穴(孔)が形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜9のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記一方の電極の前記一面は、金,銀,銅,パラジウム,ニッケルの中の一又は二以上の元素であることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜10のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記ケースの平行な両面の中の他方の面には溝又は穴が形成されていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図7を参照しながら、本発明に係るサーマルプロテクタの好ましい実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態のサーマルプロテクタの分解斜視図、図2は図1のサーマルプロテクタにおける蓋体を裏返した状態の斜視図、図3は第1実施形態のサーマルプロテクタの組立状態の断面図、図4は図3のサーマルプロテクタの熱応動素子が反転した状態の断面図である。
【0018】
第1実施形態のサーマルプロテクタは、請求項1,6〜11と対応している。長方形で偏平な絶縁性のケース1は、本体10と当該本体10へ密閉状に接合された蓋体11とから構成されている。
ケース1内には、一端部上面に固定接点2が接続又はクラッドされている固定片20と、先端部に前記固定接点2と接触する可動接点3を有するバネ性をもった可動片30と、所定の作動温度で反転作動する熱応動素子4とが封入されている。
固定接点2と可動接点3は、可動片30のバネ作用により所定の圧力で接触しており、熱応動素子4が反転作動することにより離反するように構成されている。
板状の固定片20には、ケース1の一端部から延び出した電極21が一体に形成され、前記可動片30の基端部上面には板状の電極31が電気的に接続されている。この電極31は、蓋体11の天面壁に沿って固定された状態でその一面(上面)のほとんどが蓋体11の上面から外側に臨んで(現われて)おり、当該電極31の上面には一又は複数の溝34(又は穴ないし孔)が形成されている。
【0019】
バイメタルからなる熱応動素子4は、やや凸球面状又は凸円弧状になるように成形され、反転作動時に他の部材と緩衝しない限度ででき得る限り広い平面積を有するように設計されている。
この熱応動素子4は、そのほぼ中央部が本体10の内底面に形成されている凸状座部104に載置され、一端部が前記可動片30の可動接点3寄り位置に形成された下向きの突起32のほぼ直下に位置し、他端部が蓋体11の対応する端部内面に突出した凸部111の直下に案内された状態で、可動片30と本体10の内底面との間に収容されている。
【0020】
ケース1は扁平であるので平行な二つの面を有しており、この実施形態では本体10の底面と蓋体11の上面とがケース1の平行な面を形成している。
ケース1の平行な面の一方を形成している蓋体11の天面壁には、当該蓋体11の長さ方向に沿って前記電極31と並びかつほぼ同じレベルとなる状態の板状の外部電極5が、外側に臨んで蓋体11の端部から延び出す状態に固定されている。この外部電極5は、この実施形態のサーマルプロテクタが一体化された図示しない電池パックが組み込まれる機器の他の用途のための電極が接触するようになっており、サーマルプロテクタの作動には関与しない。
【0021】
可動片30側の電極31と前記外部電極5は、その一面(上面)が蓋体11の上面に対してやや沈む状態で固定されており、蓋体11の上面には、前記各電極31,5の上面(露出面)に対してほぼ均一に突出しかつ所定広さの面を有するように突出部112が形成されている。この実施形態では、蓋体11の上面の三つの辺の周縁部分に連続する状態に前記突出部112が形成されている。
【0022】
前記突出部112は、後述のように本体10と蓋体11とを超音波接合法によって接合する際に、超音波接合装置のアンビルと相対する図示しない加圧工具をその上面に接触させ、当該加圧工具が電極31,5の上面に接触するのを防止するために形成されている。すなわち、超音波接合装置の加圧工具が電極31,5の上面に接触振動すると、当該上面を傷付けこれらの電極31,5の上面に機器の対応する電極が接触したとき、接触抵抗が増大して通電性が低下するのでこれを防止するためである。
したがって、電極31,5の上面からの突出部112の突出量d(図1、沈み量)は、本体10と蓋体11との超音波接合が終了したときに、前記加圧工具がなお電極31,5の上面(露出面)に接触していない状態が得られる程度の突出量を最低限度とする。
突出部112の目的及び作用は以上のとおりであるから、当該突出部112に前記加圧工具が接触して蓋体11を本体10に対して加圧したときに、その加圧力が本体10と蓋体11の接合面の全面に作用する状態に形成されていれば、図示(図1)のように蓋体11の上面の周縁部に形成されていることは必須ではない。
すなわち、前記突出部112の形態や前記突出量dを含むサイズは、本体10と蓋体11との十分な接合と、使用される超音波接合装置の加圧工具の形態とのかねあいにより自由に選択される。
【0023】
図1及び図2で示すように、ケースの本体10と蓋体11との接合面の一方(この実施形態では本体10の接合面)には位置決めのための複数のガイド穴100が形成され、前記接合面の他方(この実施形態では蓋体11の接合面)には、前記ガイド穴100に挿入ないし嵌合される(ガイド穴100と対応する)ガイド突起110が形成されている。
ケース1の平行な面の他方、すなわち本体10の底面には、溝(又は穴)103,105が形成されている。
本体1の内底面には、前記凸状座部104のほかに固定接点2の両側部に位置するように突起部102が形成され、固定接点2よりもやや中央寄り位置に低い突起部101が形成されている。
【0024】
この実施形態において、固定接点2を含む固定片20は、絶縁性樹脂からなる本体10の内底面側へ埋め込み状になるようにインサート成形することにより、当該本体10と一体化されている。
他方、可動接点3を有する可動辺30と当該可動片30の電極31及び外部電極5は、絶縁性樹脂からなる蓋体11とインサート成形することにより、当該蓋体11と一体化されている。
サーマルプロテクタは、前述のようにそれぞれの部品が一体化されるように本体10と蓋体11とを成形した後、本体10の内部へ前述のように熱応動素子4を収容し、次いで本体10の上に蓋体11を超音波接合により密に接合して製造される。
本体10と蓋体11との接合時には、前記ガイド穴100とガイド突起110が位置決めに役立ち、正確にかつ迅速に両者の位置決めをすることができる。
また、本体10と蓋体11を接合した状態では、本体10の内底部の突起部102,102が蓋体11の内壁面113に接触した状態で、可動電極3の両側から蓋体11内に入り込み、低い突起部101は可動片30の可動接点3寄り部分に近接する。
【0025】
ケース1の本体10と蓋体11は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)その他の耐熱性に優れた樹脂を材質として成形される。特にインサート成形等により二次電池と一体化して電池パックを製造する場合には、200℃以上の耐熱性を有する液晶ポリマーを使用するのが好ましい。
固定片20及び電極21の材質は、銅が好ましいが、リン青銅,Cu−Ti合金,Cu−Be合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性材料を用いることができる。
可動片30の材質は、Cu−Be合金が好ましいが、リン青銅,Cu−Ti合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性を有するバネ材料を用いることができる。
固定接点2及び可動接点3の材質は、ニッケル−銀合金であるのが好ましく、例えばニッケル10mass%を含む銀合金であるのが特に好ましい。しかし、これらの部品には、銅−銀合金、金−銀合金、炭素−銀合金、タングステン−銀合金等の接点材料を用いることができる。これらの接点2,3の固定片20や可動片30への接合は、クラッド,めっき,カシメその他具体的手段は問わない。熱応動素子4には、例えばCu−Ni−Mn合金による高熱膨張金属材料と、Ni−Fe合金による低熱膨張金属材料とを積層させたものが使用される。
【0026】
機器の対応する電極と接触させる電極31の露出面(上面)には、接触状態における電気抵抗を小さくするため、湿式メッキや適当な蒸着手段などにより金が被覆されている。被覆金属には金のほか、銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一又は二以上の元素を用いることができる。
【0027】
この実施形態のサーマルプロテクタは、二次電池と一体化して電池パックを構成するのに適している。電池パックを製造するには、一方の電極31と外部電極5が表面に現われる状態でサーマルプロテクタを二次電池の表面に配置し、各電極が外部に露出するように、インサート成形により両者を一体化する。
この電池パックをたとえば携帯電話機等の機器に所定の要領で組み込み、可動片30と接続した電極31を当該機器の対応する電極と接触させ、電池パックの二次電池と機器の電気回路とを電気的に接続させる。
このような機器へのセット状態で、正常に電流が流れているときは、図3のように可動片30の弾性により可動接点3が固定接点2へ押し付けられた状態で接触している。
接点間に異常な電流が流れるかあるいは他の原因によりケース1内の温度が上昇し、ケース1内の温度が熱応動素子4の作動温度以上に達すると、当該熱応動素子4がスナップ作用により凸状座部12に突っ張って上方へ凹球面状(皿状)に反るように反転する。熱応動素子4がこのように反転作動することにより、図4のように可動接点3を固定接点2から離反させ、接点間の電流を遮断する。
このとき、熱応動素子4の一端部が蓋体11の内部に形成された凸部111へ押し付けられるので、当該熱応動素子4の他端部が上方へよりす早く反転する。また、熱応動素子4は反転のとき端部が可動片30の突起32にいち早く接触するので、その反転は一層迅速である。
【0028】
第1実施形態のサーマルプロテクタは、第1に、一方の電極31がケース1の一方の面に沿って外部に現われているので、二次電池とともに電池パックを構成し、機器類に組み込んだ場合電極31に対応する電極を接触させ易い。したがって、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができる。
第2に、ケース1の電極31が現われている面には、所定の広さの面を持つ突出部112が形成されているので、本体10に蓋体11を重ねて超音波接合する際に、機器類の対応する電極と接触接続される電極31の接触面の損傷により電気抵抗が大きくなるのを防止することができる。
第3に、前記突出部112は蓋体11の上面の周縁部分の大半を占めるように形成されているので、本体10と蓋体11との超音波接合の際に、超音波接合装置の加圧工具による加圧力が接合面に対し全体的により均一に作用する。
第4に、本体10と蓋体11との接合面の一方にはガイド穴100が形成され、他方にはそれに対応するガイド突起が形成されているので、両者の接合時の位置決めが正確かつ迅速に行われる。
第5に、ケース1の一面には外部電極5が当該一面に現われるように設けられているので、機器の電極等の一部としてこれを使用することができる。
第6に、ケース1の一方の面に現われている電極31には、溝34(又は穴ないし孔)が形成されているので、電池と一体化して電池パックを構成するとき、前記溝34等を冶具の差込ガイドとして利用することができるほか、インサート成形により電池パック化する場合には溝34等内に樹脂が流れ込み、電池に対するサーマルプロテクタの固定強度が増大する。
第7に、ケース1の一面から現われている一方の電極31の接触面は、金,銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一種以上の元素により構成されているので、機器類の対応する電極と接触接続させたときに電気抵抗が小さい。
第8に、ケース1の底面には溝又は穴103が形成されているので、インサート成形により電池パック化する場合に、電池側にそれらと対応する突起を形成することにより、電池に対する固定工程が効率化しかつ固定強度が増大する。
第9に、可動片30の先端部寄り位置には下向きに突起32が形成されているので、凸状台座104及び蓋体11の凸部111の存在と相俟って、熱応動素子4の姿勢が安定し、その反転作動もより迅速になる。
第10に、作動の繰り返しにより固定接点2が所定量以上磨耗すると、作動時に可動片30の可動接点近傍部が突起部101に当たり、固定接点2のそれ以上の磨耗を防止し接点寿命が改善される。
【0029】
第2実施形態
図5には、本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタが示されている。
この実施形態のサーマルプロテクタは、請求項3,4,6〜11と対応しており、ケース1の本体10内には、固定片20と熱応動素子4とに接触してそれらと電気的に接続するように、正特性サーミスタ6が内底部へ埋め込み状に設置されている。
可動片30には、図6で示すように切り起こしに下方へ先下がり傾斜した突片33が形成されており、この突片33は熱応動素子4を下方へ押え付けている。
【0030】
第2実施形態のサーマルプロテクタは、機器類に組み込まれた状態で周囲温度が熱応動素子4の作動温度以上に上昇すると、当該熱応動素子4が反転して可動接点3と固定接点2とが遮断される。この遮断状態においては、固定片20,サーミスタ6が熱応動素子4及び可動片30を介して電極31と接続するので、正特性サーミスタ6はほぼ一定の温度を維持するように発熱し、前記遮断状態を維持することができる。
また、熱応動素子4は突片33により下方に押し付けられた状態を保っているので、熱応動素子4の振動が防止され、当該振動によるノイズの発生を抑制することができる。
第2実施形態のサーマルプロテクタの他の構成や作用・効果は、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様であるので、それらの説明は省略する。
【0031】
図7には、本発明に係る第3実施形態のサーマルプロテクタが示されている。
この実施形態のサーマルプロテクタは、請求項5,6〜11と対応しており、ケース1の本体10内には、固定片20と可動片30とに接触してそれらと電気的に接続するように、正特性サーミスタ6が内底部へ埋め込み状に設置されている。
可動片30は、第1実施形態のサーマルプロテクタにおける熱応動素子4と同様な材質であって、先端部には当該可動片30の弾性により固定接点2と接触する可動接点3を有し、その基端部は電極31と溶接その他の手段により接合されている。
【0032】
第3実施形態のサーマルプロテクタは、機器類に組み込まれた状態で周囲温度が可動片30の作動温度以上に上昇すると、当該可動片30が反転して可動接点3と固定接点2とが遮断される。この遮断状態においては、固定片20,サーミスタ6が可動片30を介して電極31と接続するので、正特性サーミスタ6はほぼ一定の温度を維持するように発熱し、前記遮断状態を維持することができる。また、可動片30が熱応動素子を兼ねているので、部品点数が少なく構成がより簡略になるほか、可動片30自体が反転するので作動がより迅速である。
第3実施形態のサーマルプロテクタは、図7の正特性サーミスタ6を省略することができる。このように、図7の正特性サーミスタ6を省略したサーマルプロテクタは、請求項2,6〜11と対応する。
第3実施形態のサーマルプロテクタにおいて、可動片30が熱応動素子を兼ねる点以外の構成については、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様であり、その作用・効果も同様であるので、それらの説明は省略する。
【0033】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明に係るサーマルプロテクタは、一方の電極31がケース1の一方の面に沿って外部に現われているので、二次電池とともに電池パックを構成し、機器類に組み込んだ場合当該電極31に対応する電極を接触させ易い。したがって、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができる。
ケース1の一方の電極31の一面が現われている面には、所定の広さの面を持つ突出部112が形成されているので、本体10に蓋体11を重ねて超音波接合する際に、機器類の対応する電極と接触接続される電極31の接触面の損傷により電気抵抗が大きくなるのを防止することができる。
【0034】
請求項3の発明に係るサーマルプロテクタは、熱応動素子4は突片33により下方に押し付けられた状態を保っているので、熱応動素子4の振動が防止され、当該振動によるノイズの発生を抑制することができる。
【0035】
請求項4及び5の発明に係るサーマルプロテクタは、接点間で電流が遮断しても、正特性サーミスタ6が所定温度を維持するように発熱するので、接点間の遮断状態を維持することができる。
【0036】
請求項6の発明に係るサーマルプロテクタは、突出部112がケース1の一方の面の周縁部分の大半を占めるように形成されているので、本体10と蓋体11との超音波接合の際に、超音波接合装置の加圧工具による加圧力が接合面に対し全体的により均一に作用する。
【0037】
請求項7の発明に係るサーマルプロテクタは、本体10と蓋体11との接合面の一方にはガイド穴100が形成され、他方にはそれに対応するガイド突起が形成されているので、両者の接合時の位置決めが正確かつ迅速に行われる。
【0038】
請求項8の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一面には外部電極5が当該一面に現われるように設けられているので、機器の電極等の一部としてこれを使用することができる。
【0039】
請求項9の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一方の面に現われている電極31には、溝34(又は穴ないし孔)が形成されているので、電池と一体化して電池パックを構成するとき、前記溝34等を冶具の差込ガイドとして利用することができるほか、インサート成形により電池パック化する場合には溝34等内に樹脂が流れ込み、電池に対するサーマルプロテクタの固定強度が増大する。
【0040】
請求項10の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一面から現われている一方の電極31の接触面は、金,銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一種以上の元素により構成されているので、機器類の対応する電極と接触接続させたときに電気抵抗が小さい。
【0041】
請求項11の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の底面には溝又は穴103が形成されているので、インサート成形により電池パック化する場合に、電池側にそれらと対応する突起を形成することにより、電池に対する固定工程が効率化しかつ固定強度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のサーマルプロテクタの分解斜視図である。
【図2】図1のサーマルプロテクタにおける蓋体を裏返した状態の斜視図である。
【図3】第1実施形態のサーマルプロテクタの組立状態の断面図である。
【図4】図3のサーマルプロテクタの熱応動素子が反転した状態の断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタの断面図である。
【図6】図5のサーマルプロテクタにおける可動片の斜視図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタの断面図である。
【図8】特開2001−307607号公報に開示されているサーマルプロテクタの一形態の断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
10 本体
11 蓋体
100ガイド穴
111 ガイド突起
111 凸部
101,102 突起部
103 溝又は穴
104 凸状座部
112 突出部
2 固定接点
20 固定片
21,31 電極
3 可動接点
30 可動片
32 突起
33 突片
34 溝,穴ないし孔
4 熱応動素子
5 外部電極
6 正特性サーミスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の作動温度に達したときの熱応動素子の反転作用により、可動接点を固定接点から離反させて回路を遮断する構造のサーマルプロテクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2001−307607号公報
この種のサーマルプロテクタは、一般に各種モータ、機器類に用いられている二次電池などの過電流や過熱に対して、回路を遮断する保護部品として使用される。例えば携帯電話機やノート型パソコン等の二次電池用のサーマルプロテクタ、小型モータ用のサーマルプロテクタ、自動車用モータ,充電器保護の直流回路用のサーマルプロテクタ、あるいは、エアコンのファン,電気洗濯機その他に用いられている汎用モータ保護の交流回路用のサーマルプロテクタなどの用途である。
【0003】
近年の電気機器類の小型,高性能化に伴い、これらに使用されるサーマルプロテクタについても、より小型で高性能なものが要請されている。
このような要請に応えるものとして、前記特許文献1には図8で示すようなサーマルプロテクタが提案されている。図8のサーマルプロテクタは、携帯電話機用の小型電池パックに適するものとされ、方形で偏平なケース1aは、本体10aと当該本体10aへ密に接合された蓋体11aとから構成され、蓋体11aは絶縁性樹脂からなる縁枠11bとその縁枠と一体に形成した薄い金属製のカバー天板11cとから構成されている。
本体10aには、内底部の一端部に固定接点2aを有する固定片20aが一体にインサート成形され、この固定片20aと一体に連続する電極21aがケース1aの外部へ延び出している。
本体10aの支持部10bの上面には保持突起10cが一体に形成され、この保持突起10cには先端部下面に可動接点3aを有する可動片30aがカシメ止めされ、当該可動片30aと一体に連続する電極31aがケース1aの外部へ延び出している。
可動片30aの可動接点3a近傍の位置と前記保持突起10c近傍の位置に
は、係止片30b,30cが切り起こしにより形成されており、これらの係止片30b,30cには、凸球面状に加工されたバイメタル板からなる熱応動素子4aの両端子が係止されている。
蓋体11aのカバー天板11cには、熱応動素子4aの方向へ僅かに突出した凸部11dが形成されており、この凸部11dは熱応動素子4aの中央部を下方へ押圧している。
【0004】
このサーマルプロテクタは、電極21a,31aを例えば図示されていない回路基板等における配線電極と接続させた状態で機器類の所要箇所に設置される。設置状態において、過電流や過熱によりケース内の温度が上昇し、当該温度が熱応動素子4aの作動温度以上に達すると、当該熱応動素子4aが上方へ反るように反転作動し、そのスナップ作用により可動接点3aを固定接点2aから離反させるように可動片30aを反転させ、電流を遮断するように作動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のサーマルプロテクタは、前記の構成により小型(薄型)に製造することができるほか、接点接触圧が高くなるものとされている。
ところで、最近、二次電池の保護システムの構成、部品点数の削減、製造工程の簡素化要求等から、サーマルプロテクタの小型化のみでなく、二次電池と一体化して電池パックを構成した場合に、機器類への接続設置の簡略化・迅速化が強く要請されている。このような要請から考察すると、特許文献1のサーマルプロテクタは、これを例えばインサート成形等により二次電池と一体化して電池パックを構成する場合、機器類にセットした(組み込んだ)とき電極21a又は31aがそのまま当該機器類の必要な電極と接触接続できる状態にするのが難しく、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請には応え難いものである。
本発明の目的は、二次電池等と一体化して小型電池パックを構成した場合、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができるサーマルプロテクタを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るサーマルプロテクタは、前記の課題を解決するため以下のように構成したものである。
すなわち、請求項1に記載のサーマルプロテクタは、固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させる可動片と、所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片,固定接点,可動接点,可動片及び熱応動素子を収容し、かつ本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出し、かつ所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載のサーマルプロテクタは、固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させ、かつ所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように反転する熱応動素子からなる可動片と、前記固定片,固定接点,可動接点及び可動片を収容し、かつ、本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出し、かつ所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載のサーマルプロテクタは、請求項1のサーマルプロテクタにおいて、前記可動片は、前記熱応動素子側に突出して当該熱応動素子を前記ケース内の一部に押し付ける突片を有することを特徴とする、請求項1に記載のサーマルプロテクタ。
【0009】
請求項4に記載のサーマルプロテクタは、請求項1又は3のサーマルプロテクタにおいて、前記ケース内には、前記固定片と接続しかつ前記可動接点が固定接点から離反したときに前記熱応動素子を介して前記可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載のサーマルプロテクタは、請求項2のサーマルプロテクタにおいて、前記ケース内には、前記固定片及び可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜5のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記突出部は、ケースの前記一方の面の周縁部の大半を占める状態に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
【0012】
請求項7に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜6のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記本体と蓋体の相対する部分の一方には複数のガイド穴が、他方には前記ガイド穴に挿入され又は嵌め合わされるガイド突起がそれぞれ形成されていることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜7のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、ケースの前記一方の面には、一面の少なくとも一部が当該ケースの外部に現われる状態に板状の外部電極が取り付けられ、当該外部電極の前記ケースの外部に現われた面は、前記一方の電極の前記一方の面とほぼ同じレベルであることを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜8のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記一方の電極の前記ケースの一面に現われた面には溝又は穴(孔)が形成されていることを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜9のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記一方の電極の前記一面は、金,銀,銅,パラジウム,ニッケルの中の一又は二以上の元素であることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載のサーマルプロテクタは、請求項1〜10のいずれかのサーマルプロテクタにおいて、前記ケースの平行な両面の中の他方の面には溝又は穴が形成されていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1〜図7を参照しながら、本発明に係るサーマルプロテクタの好ましい実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は本発明に係る第1実施形態のサーマルプロテクタの分解斜視図、図2は図1のサーマルプロテクタにおける蓋体を裏返した状態の斜視図、図3は第1実施形態のサーマルプロテクタの組立状態の断面図、図4は図3のサーマルプロテクタの熱応動素子が反転した状態の断面図である。
【0018】
第1実施形態のサーマルプロテクタは、請求項1,6〜11と対応している。長方形で偏平な絶縁性のケース1は、本体10と当該本体10へ密閉状に接合された蓋体11とから構成されている。
ケース1内には、一端部上面に固定接点2が接続又はクラッドされている固定片20と、先端部に前記固定接点2と接触する可動接点3を有するバネ性をもった可動片30と、所定の作動温度で反転作動する熱応動素子4とが封入されている。
固定接点2と可動接点3は、可動片30のバネ作用により所定の圧力で接触しており、熱応動素子4が反転作動することにより離反するように構成されている。
板状の固定片20には、ケース1の一端部から延び出した電極21が一体に形成され、前記可動片30の基端部上面には板状の電極31が電気的に接続されている。この電極31は、蓋体11の天面壁に沿って固定された状態でその一面(上面)のほとんどが蓋体11の上面から外側に臨んで(現われて)おり、当該電極31の上面には一又は複数の溝34(又は穴ないし孔)が形成されている。
【0019】
バイメタルからなる熱応動素子4は、やや凸球面状又は凸円弧状になるように成形され、反転作動時に他の部材と緩衝しない限度ででき得る限り広い平面積を有するように設計されている。
この熱応動素子4は、そのほぼ中央部が本体10の内底面に形成されている凸状座部104に載置され、一端部が前記可動片30の可動接点3寄り位置に形成された下向きの突起32のほぼ直下に位置し、他端部が蓋体11の対応する端部内面に突出した凸部111の直下に案内された状態で、可動片30と本体10の内底面との間に収容されている。
【0020】
ケース1は扁平であるので平行な二つの面を有しており、この実施形態では本体10の底面と蓋体11の上面とがケース1の平行な面を形成している。
ケース1の平行な面の一方を形成している蓋体11の天面壁には、当該蓋体11の長さ方向に沿って前記電極31と並びかつほぼ同じレベルとなる状態の板状の外部電極5が、外側に臨んで蓋体11の端部から延び出す状態に固定されている。この外部電極5は、この実施形態のサーマルプロテクタが一体化された図示しない電池パックが組み込まれる機器の他の用途のための電極が接触するようになっており、サーマルプロテクタの作動には関与しない。
【0021】
可動片30側の電極31と前記外部電極5は、その一面(上面)が蓋体11の上面に対してやや沈む状態で固定されており、蓋体11の上面には、前記各電極31,5の上面(露出面)に対してほぼ均一に突出しかつ所定広さの面を有するように突出部112が形成されている。この実施形態では、蓋体11の上面の三つの辺の周縁部分に連続する状態に前記突出部112が形成されている。
【0022】
前記突出部112は、後述のように本体10と蓋体11とを超音波接合法によって接合する際に、超音波接合装置のアンビルと相対する図示しない加圧工具をその上面に接触させ、当該加圧工具が電極31,5の上面に接触するのを防止するために形成されている。すなわち、超音波接合装置の加圧工具が電極31,5の上面に接触振動すると、当該上面を傷付けこれらの電極31,5の上面に機器の対応する電極が接触したとき、接触抵抗が増大して通電性が低下するのでこれを防止するためである。
したがって、電極31,5の上面からの突出部112の突出量d(図1、沈み量)は、本体10と蓋体11との超音波接合が終了したときに、前記加圧工具がなお電極31,5の上面(露出面)に接触していない状態が得られる程度の突出量を最低限度とする。
突出部112の目的及び作用は以上のとおりであるから、当該突出部112に前記加圧工具が接触して蓋体11を本体10に対して加圧したときに、その加圧力が本体10と蓋体11の接合面の全面に作用する状態に形成されていれば、図示(図1)のように蓋体11の上面の周縁部に形成されていることは必須ではない。
すなわち、前記突出部112の形態や前記突出量dを含むサイズは、本体10と蓋体11との十分な接合と、使用される超音波接合装置の加圧工具の形態とのかねあいにより自由に選択される。
【0023】
図1及び図2で示すように、ケースの本体10と蓋体11との接合面の一方(この実施形態では本体10の接合面)には位置決めのための複数のガイド穴100が形成され、前記接合面の他方(この実施形態では蓋体11の接合面)には、前記ガイド穴100に挿入ないし嵌合される(ガイド穴100と対応する)ガイド突起110が形成されている。
ケース1の平行な面の他方、すなわち本体10の底面には、溝(又は穴)103,105が形成されている。
本体1の内底面には、前記凸状座部104のほかに固定接点2の両側部に位置するように突起部102が形成され、固定接点2よりもやや中央寄り位置に低い突起部101が形成されている。
【0024】
この実施形態において、固定接点2を含む固定片20は、絶縁性樹脂からなる本体10の内底面側へ埋め込み状になるようにインサート成形することにより、当該本体10と一体化されている。
他方、可動接点3を有する可動辺30と当該可動片30の電極31及び外部電極5は、絶縁性樹脂からなる蓋体11とインサート成形することにより、当該蓋体11と一体化されている。
サーマルプロテクタは、前述のようにそれぞれの部品が一体化されるように本体10と蓋体11とを成形した後、本体10の内部へ前述のように熱応動素子4を収容し、次いで本体10の上に蓋体11を超音波接合により密に接合して製造される。
本体10と蓋体11との接合時には、前記ガイド穴100とガイド突起110が位置決めに役立ち、正確にかつ迅速に両者の位置決めをすることができる。
また、本体10と蓋体11を接合した状態では、本体10の内底部の突起部102,102が蓋体11の内壁面113に接触した状態で、可動電極3の両側から蓋体11内に入り込み、低い突起部101は可動片30の可動接点3寄り部分に近接する。
【0025】
ケース1の本体10と蓋体11は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)その他の耐熱性に優れた樹脂を材質として成形される。特にインサート成形等により二次電池と一体化して電池パックを製造する場合には、200℃以上の耐熱性を有する液晶ポリマーを使用するのが好ましい。
固定片20及び電極21の材質は、銅が好ましいが、リン青銅,Cu−Ti合金,Cu−Be合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性材料を用いることができる。
可動片30の材質は、Cu−Be合金が好ましいが、リン青銅,Cu−Ti合金,洋白,黄銅,Cu−Ni−Si合金等の導電性を有するバネ材料を用いることができる。
固定接点2及び可動接点3の材質は、ニッケル−銀合金であるのが好ましく、例えばニッケル10mass%を含む銀合金であるのが特に好ましい。しかし、これらの部品には、銅−銀合金、金−銀合金、炭素−銀合金、タングステン−銀合金等の接点材料を用いることができる。これらの接点2,3の固定片20や可動片30への接合は、クラッド,めっき,カシメその他具体的手段は問わない。熱応動素子4には、例えばCu−Ni−Mn合金による高熱膨張金属材料と、Ni−Fe合金による低熱膨張金属材料とを積層させたものが使用される。
【0026】
機器の対応する電極と接触させる電極31の露出面(上面)には、接触状態における電気抵抗を小さくするため、湿式メッキや適当な蒸着手段などにより金が被覆されている。被覆金属には金のほか、銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一又は二以上の元素を用いることができる。
【0027】
この実施形態のサーマルプロテクタは、二次電池と一体化して電池パックを構成するのに適している。電池パックを製造するには、一方の電極31と外部電極5が表面に現われる状態でサーマルプロテクタを二次電池の表面に配置し、各電極が外部に露出するように、インサート成形により両者を一体化する。
この電池パックをたとえば携帯電話機等の機器に所定の要領で組み込み、可動片30と接続した電極31を当該機器の対応する電極と接触させ、電池パックの二次電池と機器の電気回路とを電気的に接続させる。
このような機器へのセット状態で、正常に電流が流れているときは、図3のように可動片30の弾性により可動接点3が固定接点2へ押し付けられた状態で接触している。
接点間に異常な電流が流れるかあるいは他の原因によりケース1内の温度が上昇し、ケース1内の温度が熱応動素子4の作動温度以上に達すると、当該熱応動素子4がスナップ作用により凸状座部12に突っ張って上方へ凹球面状(皿状)に反るように反転する。熱応動素子4がこのように反転作動することにより、図4のように可動接点3を固定接点2から離反させ、接点間の電流を遮断する。
このとき、熱応動素子4の一端部が蓋体11の内部に形成された凸部111へ押し付けられるので、当該熱応動素子4の他端部が上方へよりす早く反転する。また、熱応動素子4は反転のとき端部が可動片30の突起32にいち早く接触するので、その反転は一層迅速である。
【0028】
第1実施形態のサーマルプロテクタは、第1に、一方の電極31がケース1の一方の面に沿って外部に現われているので、二次電池とともに電池パックを構成し、機器類に組み込んだ場合電極31に対応する電極を接触させ易い。したがって、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができる。
第2に、ケース1の電極31が現われている面には、所定の広さの面を持つ突出部112が形成されているので、本体10に蓋体11を重ねて超音波接合する際に、機器類の対応する電極と接触接続される電極31の接触面の損傷により電気抵抗が大きくなるのを防止することができる。
第3に、前記突出部112は蓋体11の上面の周縁部分の大半を占めるように形成されているので、本体10と蓋体11との超音波接合の際に、超音波接合装置の加圧工具による加圧力が接合面に対し全体的により均一に作用する。
第4に、本体10と蓋体11との接合面の一方にはガイド穴100が形成され、他方にはそれに対応するガイド突起が形成されているので、両者の接合時の位置決めが正確かつ迅速に行われる。
第5に、ケース1の一面には外部電極5が当該一面に現われるように設けられているので、機器の電極等の一部としてこれを使用することができる。
第6に、ケース1の一方の面に現われている電極31には、溝34(又は穴ないし孔)が形成されているので、電池と一体化して電池パックを構成するとき、前記溝34等を冶具の差込ガイドとして利用することができるほか、インサート成形により電池パック化する場合には溝34等内に樹脂が流れ込み、電池に対するサーマルプロテクタの固定強度が増大する。
第7に、ケース1の一面から現われている一方の電極31の接触面は、金,銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一種以上の元素により構成されているので、機器類の対応する電極と接触接続させたときに電気抵抗が小さい。
第8に、ケース1の底面には溝又は穴103が形成されているので、インサート成形により電池パック化する場合に、電池側にそれらと対応する突起を形成することにより、電池に対する固定工程が効率化しかつ固定強度が増大する。
第9に、可動片30の先端部寄り位置には下向きに突起32が形成されているので、凸状台座104及び蓋体11の凸部111の存在と相俟って、熱応動素子4の姿勢が安定し、その反転作動もより迅速になる。
第10に、作動の繰り返しにより固定接点2が所定量以上磨耗すると、作動時に可動片30の可動接点近傍部が突起部101に当たり、固定接点2のそれ以上の磨耗を防止し接点寿命が改善される。
【0029】
第2実施形態
図5には、本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタが示されている。
この実施形態のサーマルプロテクタは、請求項3,4,6〜11と対応しており、ケース1の本体10内には、固定片20と熱応動素子4とに接触してそれらと電気的に接続するように、正特性サーミスタ6が内底部へ埋め込み状に設置されている。
可動片30には、図6で示すように切り起こしに下方へ先下がり傾斜した突片33が形成されており、この突片33は熱応動素子4を下方へ押え付けている。
【0030】
第2実施形態のサーマルプロテクタは、機器類に組み込まれた状態で周囲温度が熱応動素子4の作動温度以上に上昇すると、当該熱応動素子4が反転して可動接点3と固定接点2とが遮断される。この遮断状態においては、固定片20,サーミスタ6が熱応動素子4及び可動片30を介して電極31と接続するので、正特性サーミスタ6はほぼ一定の温度を維持するように発熱し、前記遮断状態を維持することができる。
また、熱応動素子4は突片33により下方に押し付けられた状態を保っているので、熱応動素子4の振動が防止され、当該振動によるノイズの発生を抑制することができる。
第2実施形態のサーマルプロテクタの他の構成や作用・効果は、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様であるので、それらの説明は省略する。
【0031】
図7には、本発明に係る第3実施形態のサーマルプロテクタが示されている。
この実施形態のサーマルプロテクタは、請求項5,6〜11と対応しており、ケース1の本体10内には、固定片20と可動片30とに接触してそれらと電気的に接続するように、正特性サーミスタ6が内底部へ埋め込み状に設置されている。
可動片30は、第1実施形態のサーマルプロテクタにおける熱応動素子4と同様な材質であって、先端部には当該可動片30の弾性により固定接点2と接触する可動接点3を有し、その基端部は電極31と溶接その他の手段により接合されている。
【0032】
第3実施形態のサーマルプロテクタは、機器類に組み込まれた状態で周囲温度が可動片30の作動温度以上に上昇すると、当該可動片30が反転して可動接点3と固定接点2とが遮断される。この遮断状態においては、固定片20,サーミスタ6が可動片30を介して電極31と接続するので、正特性サーミスタ6はほぼ一定の温度を維持するように発熱し、前記遮断状態を維持することができる。また、可動片30が熱応動素子を兼ねているので、部品点数が少なく構成がより簡略になるほか、可動片30自体が反転するので作動がより迅速である。
第3実施形態のサーマルプロテクタは、図7の正特性サーミスタ6を省略することができる。このように、図7の正特性サーミスタ6を省略したサーマルプロテクタは、請求項2,6〜11と対応する。
第3実施形態のサーマルプロテクタにおいて、可動片30が熱応動素子を兼ねる点以外の構成については、第1実施形態のサーマルプロテクタとほぼ同様であり、その作用・効果も同様であるので、それらの説明は省略する。
【0033】
【発明の効果】
請求項1及び2の発明に係るサーマルプロテクタは、一方の電極31がケース1の一方の面に沿って外部に現われているので、二次電池とともに電池パックを構成し、機器類に組み込んだ場合当該電極31に対応する電極を接触させ易い。したがって、機器類への接続設置の簡略化・迅速化の要請に容易に応えることができる。
ケース1の一方の電極31の一面が現われている面には、所定の広さの面を持つ突出部112が形成されているので、本体10に蓋体11を重ねて超音波接合する際に、機器類の対応する電極と接触接続される電極31の接触面の損傷により電気抵抗が大きくなるのを防止することができる。
【0034】
請求項3の発明に係るサーマルプロテクタは、熱応動素子4は突片33により下方に押し付けられた状態を保っているので、熱応動素子4の振動が防止され、当該振動によるノイズの発生を抑制することができる。
【0035】
請求項4及び5の発明に係るサーマルプロテクタは、接点間で電流が遮断しても、正特性サーミスタ6が所定温度を維持するように発熱するので、接点間の遮断状態を維持することができる。
【0036】
請求項6の発明に係るサーマルプロテクタは、突出部112がケース1の一方の面の周縁部分の大半を占めるように形成されているので、本体10と蓋体11との超音波接合の際に、超音波接合装置の加圧工具による加圧力が接合面に対し全体的により均一に作用する。
【0037】
請求項7の発明に係るサーマルプロテクタは、本体10と蓋体11との接合面の一方にはガイド穴100が形成され、他方にはそれに対応するガイド突起が形成されているので、両者の接合時の位置決めが正確かつ迅速に行われる。
【0038】
請求項8の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一面には外部電極5が当該一面に現われるように設けられているので、機器の電極等の一部としてこれを使用することができる。
【0039】
請求項9の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一方の面に現われている電極31には、溝34(又は穴ないし孔)が形成されているので、電池と一体化して電池パックを構成するとき、前記溝34等を冶具の差込ガイドとして利用することができるほか、インサート成形により電池パック化する場合には溝34等内に樹脂が流れ込み、電池に対するサーマルプロテクタの固定強度が増大する。
【0040】
請求項10の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の一面から現われている一方の電極31の接触面は、金,銀,銅,パラジウム及びニッケルの中の一種以上の元素により構成されているので、機器類の対応する電極と接触接続させたときに電気抵抗が小さい。
【0041】
請求項11の発明に係るサーマルプロテクタは、ケース1の底面には溝又は穴103が形成されているので、インサート成形により電池パック化する場合に、電池側にそれらと対応する突起を形成することにより、電池に対する固定工程が効率化しかつ固定強度が増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のサーマルプロテクタの分解斜視図である。
【図2】図1のサーマルプロテクタにおける蓋体を裏返した状態の斜視図である。
【図3】第1実施形態のサーマルプロテクタの組立状態の断面図である。
【図4】図3のサーマルプロテクタの熱応動素子が反転した状態の断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタの断面図である。
【図6】図5のサーマルプロテクタにおける可動片の斜視図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態のサーマルプロテクタの断面図である。
【図8】特開2001−307607号公報に開示されているサーマルプロテクタの一形態の断面図である。
【符号の説明】
1 ケース
10 本体
11 蓋体
100ガイド穴
111 ガイド突起
111 凸部
101,102 突起部
103 溝又は穴
104 凸状座部
112 突出部
2 固定接点
20 固定片
21,31 電極
3 可動接点
30 可動片
32 突起
33 突片
34 溝,穴ないし孔
4 熱応動素子
5 外部電極
6 正特性サーミスタ
Claims (11)
- 固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させる可動片と、所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように前記可動片を作動させる熱応動素子と、前記固定片,固定接点,可動接点,可動片及び熱応動素子を収容し、かつ本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出し所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴とする、サーマルプロテクタ。
- 固定接点を有する固定片と、先端部に有する可動接点をバネ作用により前記固定接点へ接触させ、かつ所定の作動温度で前記可動接点が前記固定接点から離反するように反転する熱応動素子からなる可動片と、前記固定片,固定接点,可動接点及び可動片を収容し、かつ、本体と当該本体へ接合された蓋体とからなる絶縁性の偏平なケースと、前記固定片と一体に連続し又は接続され前記ケースの外部に現われた電極と、前記可動片と接続され前記ケースの外部に現われた電極と、を備え、前記電極中の少なくとも一方の電極は板状であり、当該一方の電極の一面の少なくとも一部は前記ケースの平行な両面の中の一方の面に現われており、当該ケースの前記一方の面には前記一方の電極の前記一面からほぼ均一に突出した所定広さの面を有する突出部が形成されていることを特徴とする、サーマルプロテクタ。
- 前記可動片は、前記熱応動素子側に突出して当該熱応動素子を前記ケース内の一部に押し付ける突片を有することを特徴とする、請求項1に記載のサーマルプロテクタ。
- 前記ケース内には、前記固定片と接続しかつ前記可動接点が固定接点から離反したときに前記熱応動素子を介して前記可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴とする、請求項1又は3に記載のサーマルプロテクタ。
- 前記ケース内には、前記固定片及び可動片と電気的に接続する状態に正特性サーミスタを設けたことを特徴とする、請求項2に記載のサーマルプロテクタ。
- 前記突出部は、ケースの前記一方の面の周縁部の大半を占める状態に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
- 前記本体と蓋体の相対する部分の一方には複数のガイド穴が、他方には前記ガイド穴に挿入され又は嵌め合わされるガイド突起がそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
- ケースの前記一方の面には、一面の少なくとも一部が当該ケースの外部に現われる状態に板状の外部電極が取り付けられ、当該外部電極の前記ケースの外部に現われた面は、前記一方の電極の前記一方の面とほぼ同じレベルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
- 前記一方の電極の前記ケースの一面に現われた面には溝,穴ないし孔が形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
- 前記一方の電極の前記一面は、金,銀,銅,パラジウム,ニッケルの中の一又は二以上の元素で構成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
- 前記ケースの平行な両面の中の他方の面には溝又は穴が形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のサーマルプロテクタ。
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