JP2004281127A - 巻回電極体形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の巻回終了側を絶縁体に巻きずれさせずに巻回電極体を形成する。
【解決手段】本発明は、正回転させた巻芯35に第1及び第2の負極材14及び18と第1及び第2のセパレータ材80及び83とを巻回した状態で活物質境界検出センサ66により他端側境界KY10が検出されると、切断具67により第1及び第2の負極材14及び18の負極切離位置FS10を切断し、正回転させた巻芯35に負極材接合部分23と第1及び第2のセパレータ材80及び83とを巻回した状態で活物質境界検出センサ66により一端側境界KY11が検出されると、巻芯35を逆回転させて切断具67により第2の負極材18の接合部分切離位置FS11を切断することにより、負極材供給部42を活物質境界検出センサ66と切断具67とを近づけて小型化して巻芯35に近づけて配置でき、電極の巻回終了側を絶縁体に巻きずれさせずに巻回電極体を形成できる。
【選択図】 図7
【解決手段】本発明は、正回転させた巻芯35に第1及び第2の負極材14及び18と第1及び第2のセパレータ材80及び83とを巻回した状態で活物質境界検出センサ66により他端側境界KY10が検出されると、切断具67により第1及び第2の負極材14及び18の負極切離位置FS10を切断し、正回転させた巻芯35に負極材接合部分23と第1及び第2のセパレータ材80及び83とを巻回した状態で活物質境界検出センサ66により一端側境界KY11が検出されると、巻芯35を逆回転させて切断具67により第2の負極材18の接合部分切離位置FS11を切断することにより、負極材供給部42を活物質境界検出センサ66と切断具67とを近づけて小型化して巻芯35に近づけて配置でき、電極の巻回終了側を絶縁体に巻きずれさせずに巻回電極体を形成できる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は巻回電極体形成装置に関し、例えば短冊状の負極及び正極を重ねて巻回することによりポリマ電解質二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリマ電解質二次電池として、図9乃至図12に示すように偏平状に形成されたものがある。
【0003】
かかるポリマ電解質二次電池1は、短冊状の銅箔等でなる負極用集電体2の両面に負極用活物質3が被膜状に塗布されて形成された負極4と、短冊状のアルミニウム箔等でなる正極用集電体5の両面に正極用活物質6が被膜状に塗布されて形成された正極7とを短冊状の微多孔性ポリプロピレンでなる2枚の第1及び第2のセパレータを介して互いに絶縁した状態で巻回して形成された偏平状の巻回電極体8を有し、負極4の巻回開始側に負極リード9が溶接されると共に、正極7の巻回開始側に正極リード10が溶接されている。
【0004】
またポリマ電解質二次電池1は、例えばポリエチレンテレフタレート、アルミニウム膜及び無延伸ポリプロピレンの3層構造でなる袋状のラミネートフィルム11内に巻回電極体8が収納され、当該ラミネートフィルム11の開口部が負極リード9及び正極リード10を外部に突出させた状態で封止されて構成されている。
【0005】
この場合、ポリマ電解質二次電池1は、負極用活物質3としてリチウムやリチウムイオン合金、炭素素材等のようなリチウムイオンのドープ及び脱ドープの可能な物質が用いられ、正極用活物質6としてリチウムコバルト複合酸化物等のようなリチウム複合酸化物が用いられている。
【0006】
またポリマ電解質二次電池1は、ポリアクリロニトリル等でなるゲル状のポリマ電解質が負極4及び正極7の負極用活物質3及び正極用活物質6に含浸されると共に、第1及び第2のセパレータにも含浸されている。
【0007】
これによりポリマ電解質二次電池1は、負極用活物質3と正極用活物質6とをポリマ電解質を介して電気化学的に反応させてリチウムイオンを利用した電池として機能し、比較的高い電池電圧を負極リード9及び正極リード10を介して外部に出力し得ると共に、比較的高いエネルギー密度を有し、充放電のサイクル特性にも優れている等の多数の利点を有していることにより、近年、広く使用されている。
【0008】
ここで、ポリマ電解質二次電池1の巻回電極体8を形成する従来の巻回電極体形成装置は、負極材リール及び正極材リール、第1のセパレータ材リール及び第2のセパレータ材リールが装着されている。
【0009】
そして巻回電極体形成装置は、負極材リールから図13に示すように短冊状の負極用集電体2の両面に負極用活物質3が塗布され、当該負極用集電体2の長手方向の巻回開始側となる一端側の活物質未塗布領域(以下、これを一端側未塗布領域と呼ぶ)12が巻回終了側となる他端側の活物質未塗布領域(以下、これを他端側未塗布領域と呼ぶ)13よりも長い負極4が多数連続するように形成された負極材14を引き出して巻芯まで走行させる。
【0010】
また巻回電極体形成装置は、正極材リールから図14に示すように短冊状の正極用集電体5の両面に正極用活物質6が塗布され、当該正極用集電体5の長手方向の巻回開始側となる一端側の一端側未塗布領域15が巻回終了側となる他端側の他端側未塗布領域16よりも長い正極7が多数連続するように形成された正極材17を引き出して巻芯まで走行させる。
【0011】
さらに巻回電極体形成装置は、第1のセパレータ材リール及び第2のセパレータ材リールから第1のセパレータが多数連続するように形成された第1のセパレータ材及び第2のセパレータが多数連続するように形成された第2のセパレータ材もそれぞれ引き出して巻芯に走行させる。
【0012】
これにより巻回電極体形成装置は、負極材14、正極材17、第1及び第2のセパレータ材を第1のセパレータ材、負極材14、第2のセパレータ材及び正極材17の順に重ねながら巻芯に巻回し、当該負極材14、正極材17、第1及び第2のセパレータ材から巻芯に巻回した負極4、正極7、第1及び第2のセパレータを切り離すことにより巻回電極体8を順次形成している。
【0013】
これに加えて巻回電極体形成装置は、1つ目の負極材リールから負極材(以下、これを特に第1の負極材と呼ぶ)14を後尾部分まで引き出すと、図15に示すように第1の負極材14の最後尾部分と2つ目の負極材リールから引き出した新たな負極材(以下、これを特に第2の負極材と呼び、図13について上述した第1の負極材14と同様に構成されている)18の最先頭部分とを接合テープ20を介して接合することにより当該第1の負極材14の後尾部分の最後の負極4と第2の負極材18の先頭部分の最初の負極4との間に少なくとも1個の負極4の長さとほぼ同じ長さを有する活物質未塗布領域(以下、これを負極材接合部分と呼ぶ)21を形成する。
【0014】
また巻回電極体形成装置は、1つ目の正極材リールから正極材(以下、これを特に第1の正極材と呼ぶ)17を後尾部分まで引き出すと、図16に示すように第1の正極材17の最後尾部分と2つ目の正極材リールから引き出した新たな正極材(以下、これを特に第2の正極材と呼び、図14について上述した第1の正極材17と同様に構成されている)19の最先頭部分とを接合テープ22を介して接合することにより当該第1の正極材17の後尾部分の最後の正極7と第2の正極材19の先頭部分の最初の正極7との間に少なくとも1個の正極7の長さとほぼ同じ長さを有する活物質未塗布領域(以下、これを正極材接合部分と呼ぶ)23を形成する。
【0015】
そして巻回電極体形成装置は、第1の負極材14及び第1の正極材17の負極4及び正極6を第1及び第2のセパレータと共に順次巻回して巻回電極体8を形成した後、負極材接合部分及び正極材接合部分を第1及び第2のセパレータと共に巻回して廃棄用巻回体を形成し、引き続き第2の負極材18及び第2の正極材19の負極4及び正極7を第1及び第2のセパレータと共に順次巻回して巻回電極体8を形成することにより、第1及び第2の負極材14及び18に存在する全ての負極4と第1及び第2の正極材17及び19に存在する全ての正極7とを有効に用いて多数の巻回電極体8を連続して形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−25600公報(第15頁、第16頁、第17頁、第18頁、図5、図6、図7、図8)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の巻回電極体形成装置には、第1及び第2の負極材14及び18を巻芯に供給する負極材供給部が配置され、当該負極材供給部に第1及び第2の負極材14及び18の負極4に対して、巻回の際に下方向を向く一面の活物質塗布領域3PA(図13)と他端側未塗布領域13及び一端側未塗布領域12との境界を検出する活物質境界検出センサと、当該第1及び第2の負極材14及び18を切断する切断具とが設けられている。
【0018】
そして巻回電極体形成装置は、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯に巻回し始めると、活物質境界検出センサにより、巻芯に巻回中の負極4において活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13との他端側境界KY1(図13)を検出する。
【0019】
そして巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサによって検出した他端側境界KY1を基準にして、巻芯に巻回中の負極4を引き続き所定長さ巻回することにより切断具による負極材切断位置に、他端側境界KY1に隣接する他端側未塗布領域13と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、巻芯に巻回中の負極4の他端となる)負極切離位置FS1(図13)を対向させる。
【0020】
これにより巻回電極体形成装置は、切断具により第1及び第2の負極材14及び18を負極切離位置FS1で切断し、かくして第1及び第2の負極材14及び18から巻芯に巻回した負極4を分離する。
【0021】
また巻回電極体形成装置は、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21に活物質塗布領域3PAが存在しないことにより、当該負極材接合部分21を巻芯に巻回し始めたときだけは、活物質境界検出センサにより、負極材接合部分21と隣接して次に巻回を待ち受けている負極4(すなわち、負極材接合部分21に続く第2の負極材18の最初の負極4)において活物質塗布領域3PAと一端側未塗布領域12との一端側境界KY2(図15)を検出する。
【0022】
そして巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサによって検出した一端側境界KY2を基準にして、巻芯に巻回中の負極材接合部分21を引き続き所定長さ巻回することにより切断具による負極材切断位置に、負極材接合部分21と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、負極材接合部分21に続く負極4の一端となる)負極切離位置(以下、これを特に接合部分切離位置と呼ぶ)FS2(図15)を対向させる。
【0023】
これにより巻回電極体形成装置は、切断具により第2の負極材18を接合部分切離位置FS2で切断し、かくして第2の負極材18から巻芯に巻回した負極材接合部分21を分離する。
【0024】
ところが巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサにより他端側境界KY1を検出したときには、負極材切断位置に他端側境界KY1よりも後側の負極切離位置FS1を対向させるものの、当該活物質境界検出センサにより一端側境界KY2を検出したときには、負極材切断位置に一端側境界KY2よりも前側で、かつ当該一端側境界KY2から一端側未塗布領域の長さだけ離れた接合部分切離位置FS2を対向させている。
【0025】
このため負極材供給部には、活物質境界検出センサと切断具とが他端側未塗布領域の長さよりも長い、少なくとも一端側未塗布領域の長さだけ離間させて設けられ、第1及び第2の負極材14及び18に対して負極切離位置FS1のみを切断する場合に比べて当該負極材供給部全体が大型化すると共に、その設置スペースも大きくなる。
【0026】
従って巻回電極体形成装置では、巻芯と負極材供給部とが比較的離されて配置され、当該負極材供給部で第1及び第2の負極材14及び18から負極4を切り離したときに、その負極4の巻回終了側をこれに何ら張力を付加せずに負極材供給部から巻芯までの比較的長い距離を走行させていることにより、当該負極4の巻回終了側が正極7や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれした状態で巻芯に巻回される場合があった。
【0027】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電極の巻回終了側を絶縁体に対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を提案しようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材の当該電極と、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材の当該絶縁体とを重ねて巻回することにより巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置において、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて当該電極の一端側から巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して電極材から巻芯に巻回した電極を切り離す電極切離手段の当該境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させた後、切断手段により電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させた後、切断手段により電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断するようにした。
【0029】
従って、電極材に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界を検出したときに巻芯側にすでに近づいていた一端側未塗布領域の一端を巻芯の逆回転によって切断手段側に戻すことができ、この結果、電極切離手段を境界検出手段と切断手段とを極力近づけて小型化し、かつ配置スペースも小さくして巻芯に極力近づけて配置することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する
【0031】
図1において、25は全体として本発明による巻回電極体形成装置を示し、装置筐体26の筐体側壁26Aに負極材リール27、正極材リール28、第1のセパレータ材リール29及び第2のセパレータ材リール30が交換可能な状態に装着されている。
【0032】
そして負極材リール27には図13について上述した第1の負極材14が予め巻き取られており、当該負極材リール27から引き出された第1の負極材14は、負極材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該負極材リール27及び巻芯35間に配置された第1の負極材ガイドローラ36、負極材接合部37、負極材張力調整部38、第2の負極材ガイドローラ39、第3の負極材ガイドローラ40、負極材走行位置調整部41及び負極材供給部42を順に通る。
【0033】
ここで負極材張力調整部38は、図2に示すように、W字の各角部に位置する互いに平行な5本のローラ43乃至47を有し、このうちW字の上側の角部で直線的に並ぶ3本のローラ(以下、これを位置固定ローラと呼ぶ)43乃至45が筐体側壁26Aに回動自在に枢支されている。
【0034】
また筐体側壁26Aにおいて、位置固定ローラ43乃至45を除く残りの2本のローラ(以下、これを張力調整ローラと呼ぶ)46及び47の位置するW字の下側の角部に相当する箇所には、矢印Aに示すように位置固定ローラ43乃至45から離れる方向(以下、これを張力増加方向と呼ぶ)及びこれとは逆の位置固定ローラ43乃至45に近づく方向(以下、これを張力減少方向と呼ぶ)に移動可能なローラ移動板48が配置され、当該ローラ移動板48上に2本の張力調整ローラ46及び47が回動自在に枢支されている。
【0035】
さらにローラ移動板48は、装置筐体26内部に設けられたシリンダ(図示せず)に取り付けられると共に、所定の張力検出センサ(図示せず)も取り付けられている。
【0036】
そして負極材張力調整部42は、位置固定ローラ43乃至45及び張力調整ローラ46及び47に対して走行中の第1の負極材14が略W字状に掛け渡され、この状態でシリンダによりローラ移動板48と共に2本の張力調整ローラ46及び47を張力増加方向及び張力減少方向に移動させることにより当該走行中の第1の負極材14に対して弛んだり又は張りすぎたりしないように所定の張力を付加すると共に、その張力を常に維持するように調整している。
【0037】
負極材走行位置調整部41は、図3及び図4に示すように、平行な2本の位置固定ローラ55及び56が筐体側壁26Aに回動自在に枢支されている。
【0038】
また負極材走行位置調整部41は、筐体側壁26Aに固定されたモータ57を有し、モータ57の出力軸がコ字状のローラ保持部58の底板58Aに接続され、当該ローラ保持部58に互いに平行な2本の走行位置調整ローラ59及び60が回動自在に保持されている。
【0039】
さらに第1の負極材14の送出側に配置された一方の位置固定ローラ56及び走行位置調整ローラ60間には、走行中の第1の負極材14に対して幅方向の一端の走行位置を検出するための走行位置検出センサ61が配置されている。
【0040】
因みに走行位置検出センサ61は、光ビームを発射する複数の発光素子が並設された発光部61Aと、当該光ビームを受光する複数の受光素子が並設された受光部61Bとを有している。
【0041】
そして走行位置検出センサ61は、発光部61A及び受光部61Bの各発光素子と各受光素子とを順番に対向させ、かつ例えば互いの対向する中央部から同一方向側の一端までの間に、規定通りに走行している第1の負極材14の幅方向の一端部が介在するように配置されていることにより、当該第1の負極材14の走行位置の変化に応じて各発光素子から発射した光ビームの遮り方(すなわち、光ビームを受光する受光素子の数)を変化させ得るようになされている。
【0042】
この場合、負極材走行位置調整部41は、走行中の第1の負極材14を一方の位置固定ローラ55から2本の走行位置調整ローラ59及び60を介して他方の位置固定ローラ56に凹字状に掛け渡している。
【0043】
そして負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を2本の位置固定ローラ55及び56と平行にした状態からモータ57によりローラ保持部58と共に矢印Bに示すように走行位置調整ローラ59及び60の一端側を、第1の負極材14の取り込み側に配置された位置固定ローラ55の一端から離す方向(以下、これを走行位置外側移動方向と呼ぶ)及びこれとは逆の当該一端側をその位置固定ローラ55の一端に近づける方向(以下、これを走行位置内側移動方向と呼ぶ)に回転させ得るようになされている。
【0044】
これにより負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を2本の位置固定ローラ55及び56と平行にした状態では第1の負極材14の走行位置を替えずにそのまま維持する。
【0045】
また負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を走行位置外側移動方向に回転させたときにはその回転角度に応じて第1の負極材14を矢印Cに示すように筐体側壁26Aから離す方向に滑らせ、当該2本の走行位置調整ローラ59及び60を走行位置内側移動方向に回転させたときにはその回転角度に応じて第1の負極材14を矢印Dに示すように筐体側壁26Aに近づける方向に滑らせることにより、第1の負極材14の走行位置を調整し得るようになされている。
【0046】
負極材供給部42は、図5に示すように、筐体側壁26Aに配置されたガイドレール63に移動ブロック64が矢印Eに示すように巻芯35に近づく方向(以下、これを巻芯接近方向と呼ぶ)及びこれとは逆の巻心35から離れる方向(以下、これを巻芯離隔方向と呼ぶ)に移動自在に取り付けられ、当該移動ブロック64に、第1の負極材14をその厚み方向から挟持し、又はその挟持を解除する一対の挟持板65A及び65Bからなる挟持部65が取り付けられている。
【0047】
またガイドレール63の巻芯35側には、第1の負極材14の一面と対向させて活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13及び一端側未塗布領域12との境界を検出するための複数の発光素子及び複数の受光素子を2列に併設して有する活物質境界検出センサ66が配置されると共に、当該活物質境界検出センサ64よりも巻芯35側に、第1の負極材14をその厚み方向から上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する切断具67が配置されている。
【0048】
そして負極材供給部42は、巻芯35に第1の負極材14の負極4が巻回される間は、巻芯離隔方向側の所定の待機位置に待機させた移動ブロック64上で一対の挟持板65A及び65Bを離間させることによりその隙間に第1の負極材14を通し、当該第1の負極材14から巻芯35に巻回されている負極4を切断具67によって切り離すときには一対の挟持板65A及び65Bによって第1の負極材14を挟持することにより負極4の切り離しの際に第1の負極材14が負極材走行路から外れることを防止している。
【0049】
また負極材供給部42は、第1の負極材14から負極4を切り離すと、一対の挟持板65A及び65Bによって第1の負極材14を挟持したまま移動ブロック64を巻芯近接方向に移動させることにより、再び第1の負極材14を巻芯35に供給して巻回させ得るようになされている。
【0050】
一方、正極材リール28には図14について上述した第1の正極材17が予め巻き取られており、当該正極材リール28から引き出された第1の正極材17は正極材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該正極材リール28及び巻芯35間に配置された第1の正極材ガイドローラ70、正極材接合部71、第2の正極材ガイドローラ72、正極材張力調整部73、正極材走行位置調整部74、第3の正極材ガイドローラ75及び正極材供給部76を順に通る。
【0051】
ここで正極材張力調整部73は、図2について上述した負極材張力調整部38と同様に構成され、走行中の第1の正極材17に対して弛んだり又は張りすぎたりしないように所定の張力を付加すると共に、その張力を常に維持するように調整している。
【0052】
また正極材走行位置調整部74は、図3及び図4について上述した負極材走行位置調整部41と同様に構成され、第1の正極材17の走行位置を調整している。
【0053】
さらに正極材供給部76は、活物質境界検出センサ66の替わりに、第1の正極材17に対して巻回の際に上方向を向く他面と対向させて活物質塗布領域と一端側未塗布領域15及び他端側未塗布領域16との境界を検出する活物質境界検出センサ77が配置されていることを除いて図5について上述した負極材供給部42と同様に構成されている。
【0054】
これにより正極材供給部76は、第1の正極材17から巻芯35に巻回されている正極7を切り離す際に当該第1の正極材17を挟持部65によって挟持して正極材走行路から外れることを防止し得ると共に、その後、移動ブロック64を移動させて第1の正極材17を巻芯35に供給して巻回させ得るようになされている。
【0055】
また第1のセパレータ材リール29から引き出された第1のセパレータ材80は、第1のセパレータ材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該第1のセパレータ材リール29及び巻芯35間に配置された第1のセパレータ材張力調整部81及び第1のセパレータ材ガイドローラ82を順に通る。
【0056】
さらに第2のセパレータ材リール30から引き出された第2のセパレータ材83は、第2のセパレータ材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該第2のセパレータ材リール30及び巻芯35間に配置された第2のセパレータ材張力調整部84及び第2のセパレータ材ガイドローラ85を順に通る。
【0057】
そして第1のセパレータ材張力調整部82及び第2のセパレータ材張力調整部84は、図2について上述した負極材張力調整部38と同様に構成されており、走行中の第1のセパレータ80及び第2のセパレータ材83に所定の張力を付加すると共に、その張力を維持するように調整している。
【0058】
巻芯35は、断面楕円形の柱材に楕円の短軸を通り当該巻芯35の長手方向と平行なスリットが形成されて構成されており、筐体側壁26Aに正回転及び逆回転自在に枢支され、かつ当該筐体側壁26Aに対して外側に突出及び内部に引き込まれるようになされている。
【0059】
また巻芯35の近傍には、巻芯35が筐体側壁26Aの内側に引き込まれた際に第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を重ねた状態で挟持して当該巻芯35の配置箇所を横切るように搬送することにより、この後巻芯35が筐体側壁26Aの外側に突出した際に当該巻芯35のスリットに第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を挟持させるセパレータ搬送部(図示せず)が配置されている。
【0060】
さらに巻芯35の近傍には、第1及び第2のセパレータ材80及び83から巻芯35に巻回された第1及び第2のセパレータを切り離すセパレータ切断部(図示せず)が配置されている。
【0061】
これに加えて巻芯35の近傍には、当該巻芯35に巻回された負極4、正極7、第1及び第2のセパレータが第1の負極材14、第1の正極材17、第1及び第2のセパレータ材80及び83からそれぞれ切り離されたときに、巻芯35に巻回している負極4、正極7、第1及び第2のセパレータのうち最も外側に位置する第1のセパレータの巻回終了部分に巻止テープを貼着する巻止テープ貼着部が配置されている。
【0062】
そして巻芯35の近傍には電極体搬送部90が配置され、当該電極体搬送部90には、筐体側壁26Aに配置されたガイドレール91と、当該ガイドレール91に移動自在に保持された電極体保持アーム92とが設けられている。
【0063】
電極体搬送部90は、巻芯35に負極4、正極7、第1及び第2のセパレータが巻回されて巻回電極体が形成された際、当該巻回電極体を電極体保持アームで挟み込んで保持し、この状態で巻芯35が筐体側壁26Aの内側に引き込まれることによりその巻回電極体から巻芯35が引き抜かれると、当該電極体保持アーム92と共にこれに保持している巻回電極体をガイドレール91を介して移動させて後段の工程に搬送するための電極体搬送ベルト(図示せず)に載上し得るようになされている。
【0064】
また巻回電極体形成装置25は、1つ目の負極材リール27から第1の負極材14の最後尾部分を引き出すと、当該1つ目の負極材リール27が図13に上述した第2の負極材18を予め巻き取っている2つ目の負極材リール27に交換され、負極材接合部37において図15について上述した場合と同様に第1の負極材14と第2の負極材18とが接合される。
【0065】
さらに巻回電極体形成装置25は、1つ目の正極材リール28から第1の正極材17の最後尾部分を引き出すと、当該1つ目の正極材リール28が図14について上述した第2の正極材19を予め巻き取っている2つ目の正極材リール28に交換され、正極材接合部71において図16について上述した場合と同様に第1の正極材17と第2の正極材19とが接合される。
【0066】
これにより巻回電極体形成装置25は、第1の負極材14及び第1の正極材17に連続させて第2の負極材18及び第2の正極材19も巻芯35まで走行させ得るようになされている。
【0067】
実際上巻回電極体形成装置25は、図6に示すように、装置筐体26内部に当該巻回電極体形成装置25の各部を制御する制御部100が設けられている。
【0068】
制御部100は、巻回電極体の形成を開始すると、負極材張力調整部38の張力調整センサにより常時、張力調整ローラ46及び47にかかる第1及び第2の負極材14及び18の張力を検出し、当該検出した張力に応じて負極材張力調整部38に対してシリンダを駆動してローラ移動板48と共に張力調整ローラ46及び47を張力増加方向及び張力減少方向に移動させることにより、走行中の第1及び第2の負極材14及び18に対して予め選定された所定の張力を付加する。
【0069】
また制御部100は、正極材張力調整部73、第1のセパレータ材張力調整部81及び第2のセパレータ材張力調整部84についても負極材張力調整部38の場合と同様に制御することにより、常時、第1及び第2の正極材17及び19、第1のセパレータ材80及び第2のセパレータ材83に対して予め選定された所定の張力を付加する。
【0070】
この状態で制御部100は、巻芯35のスリットに第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を挟持させた後、装置筐体26の内部に設けられた巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を巻回開始用の比較的低速な第1の回転速度で正回転させる。
【0071】
そして制御部100は、負極材供給部42及び正極材供給部76の挟持部65にそれぞれ第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を挟持させた状態で移動ブロック64を待機位置から巻芯接近方向に移動させる。
【0072】
これにより制御部100は、巻芯35に巻回し始めた第1及び第2のセパレータ材80及び83の間に第1及び第2の負極材14及び18を所定のタイミングで介在させると共に、当該第2のセパレータ材83上に第1及び第2の正極材17及び19を所定のタイミングで沿わせる。
【0073】
このようにして制御部100は、巻芯35に第1及び第2のセパレータ材80及び83と共に第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19も合わせて巻回し始めると、巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を第1の回転速度よりも高速な第2の回転速度で正回転させて引き続き当該第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19、第1及び第2のセパレータ材80及び83を高速に巻回する。
【0074】
そして制御部100は、負極4及び正極7の長さに応じて予め選定された所定回数だけ巻芯35を第2の回転速度で正回転させると、巻芯駆動モータ101を駆動して当該巻芯35の回転速度を第1の回転速度に減速することにより第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19、第1及び第2のセパレータ材80及び83の走行速度を遅くする。
【0075】
この状態で制御部100は、負極材供給部42の活物質境界検出センサ66により第1及び第2の負極材14及び18に対して活物質塗布領域3PAの境界を検出すると共に、正極材供給部76の活物質境界検出センサ77により第1及び第2の正極材17及び19に対して活物質塗布領域の境界を検出し、これら検出結果に応じて引き続き巻芯35を所定角度正回転させて当該第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を所定長さ巻芯35側に走行させた後、当該巻芯35の正回転を停止させる。
【0076】
このとき制御部100は、負極材供給部42及び正極材供給部76の挟持部65にそれぞれ第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を待機位置で挟持させ、この状態で第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19をそれぞれ切断具67の上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する。
【0077】
そして制御部100は、再び巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を正回転させることにより、第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19から切り離した負極4及び正極7の巻回終了側を巻芯35に巻回すると共に、その際に第1及び第2のセパレータ材80及び83から第1及び第2のセパレータを切り離してその巻回終了側も合わせて巻芯35に巻回することにより巻回電極体を形成する。
【0078】
因みに制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18を巻芯35による巻回等に応じて走行させている間は、負極材走行位置調整部41の走行位置検出センサ61により走行中の第1及び第2の負極材14及び18の走行位置(すなわち、走行中の第1及び第2の負極材14及び18の幅方向の一端が通過する位置)を検出する。
【0079】
そして制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の走行位置の検出結果に応じて、負極材走行位置調整部41に対してモータ57を駆動してローラ保持部58を所定角度回転させることにより、走行中の第1及び第2の負極材14及び18の幅方向の一端が予め選定された所定位置を通過するように当該第1及び第2の負極材14及び18の走行位置を調整する。
【0080】
また制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18と共に走行している第1及び第2の正極材17及び19についても、正極材走行位置調整部74を負極材走行位置調整部41の場合と同様に制御することにより、走行中の第1及び第2の正極材17及び19の幅方向の一端が予め選定された所定位置を通過するように当該第1及び第2の正極材17及び19の走行位置を調整する。
【0081】
ここで制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を一端側から巻芯35に巻回すると、図7(A)に示すように、巻芯35に巻回中の負極4の一面において、負極材供給部42の活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13との他端側境界KY10を検出する。
【0082】
そして制御部100は、図7(B)に示すように、活物質境界検出センサ66によって検出した他端側境界KY10を基準にして巻芯35に巻回中の負極4を引き続き所定長さ巻回することにより切断具67による負極材切断位置MK1に、他端側境界KY10に隣接する他端側未塗布領域13と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の負極4の他端となる)負極切離位置FS10を対向させる。
【0083】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1及び第2の負極材14及び18の負極切離位置FS10を挟み込むようにして切断し、かくして第1及び第2の負極材14及び18から巻芯35に巻回した負極4を分離する。
【0084】
また制御部100は、図7(C)に示すように、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回すると、当該負極材接合部分21と隣接して次に巻回を待ち受けている負極4(すなわち、負極材接合部分21に続く第2の負極材18の最初の負極4)の一面に対し、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAと一端側未塗布領域12との一端側境界KY11を検出する。
【0085】
そして制御部100は、図7(D)に示すように、活物質境界検出センサ66によって検出した一端側境界KY11を基準にして巻芯駆動モータ101を駆動することにより巻芯35を所定角度逆回転させると共に、当該巻芯35の逆回転に合わせて負極材張力調整部38により第2の負極材18に対する張力を調整することにより巻芯35から負極材張力調整部38までの間で当該第2の負極材18を弛ませることなく所定の張力を付加したままで負極材リール27側に所定長さ逆走させる。
【0086】
これにより制御部100は、切断具67による負極材切断位置MK1に、負極材接合部分21と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、負極材接合部分21に続く負極4の一端となる)負極切離位置(以下、これを特に接合部分切離位置と呼ぶ)FS11を対向させる。
【0087】
そして制御部100は、図7(E)に示すように、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第2の負極材18の接合部分切離位置FS11を挟み込むようにして切断し、かくして第2の負極材18から巻芯35に巻回した負極材接合部分21を分離する。
【0088】
このようにして制御部100は、負極材接合部分21を巻芯35に巻回した際に当該負極材接合部分21に続く負極4において他端側未塗布領域13の長さよりも長い一端側未塗布領域12の一端となる接合部分切離位置FS12が一端側境界KY11の検出時点にこれより巻芯35側に走行していても、当該一端側境界KY11の検出に応じて巻芯35を逆回転させることにより、他端側境界KY10を基準として負極切離位置FS10を切断するように活物質境界検出センサ66及び切断具67の位置を固定したままで、その接合部分切離位置FS12を適確に切断し得るようになされている。
【0089】
因みに制御部100は、第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させると、そのとき正極材張力調整部73により第2の正極材19に対する張力も合わせて調整することにより巻芯35から正極材張力調整部73までの間で当該第2の正極材19も弛ませることなく所定の張力を付加したままで正極材リール28側に所定長さ逆走させる。
【0090】
また制御部100は、巻芯35に第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻回する場合には、当該負極4の巻回開始時点から巻芯35を正回転させた角度に応じて当該負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を含む前後の所定探索領域で当該他端側境界KY10を探索して検出している。
【0091】
さらに制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18が接合されたときに負極材接合部37からその接合が通知されると共に、その時点から巻回電極体をいくつ形成した時点で巻芯35に負極材接合部分21が到達するかの情報を予め保持している。
【0092】
これにより制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の接合が通知された時点から巻回電極体を形成する毎にその形成数をカウントし、当該カウントした形成数に従って、第2の負極材18の最初の負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY11を探索することによりその一端側境界KY11を適確に検出している。
【0093】
また制御部100は、第2の負極材18の最初の負極4において一端側境界KY11を検出した後には、引き続き当該負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を含む所定探索領域で当該他端側境界KY10を探索して検出する。
【0094】
なおこの実施の形態の場合、制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19の正極7を巻芯35に巻回すると、図8(A)に示すように、巻芯35に巻回中の正極7に続く正極7の他面において、正極材供給部76の活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAと一端側未塗布領域15との一端側境界KY20を検出する。
【0095】
そして制御部100は、図8(B)に示すように、活物質境界検出センサ77によって検出した一端側境界KY20を基準にして巻芯35に巻回中の正極7を引き続き所定長さ巻回することにより切断具67による正極材切断位置MK2に、一端側境界KY20に隣接する一端側未塗布領域15と、巻芯35に巻回中の正極7の他端側未塗布領域16との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の正極7の他端となる)正極切離位置FS20を対向させる。
【0096】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1及び第2の正極材17及び19の正極切離位置FS20を挟み込むようにして切断し、かくして第1及び第2の正極材17及び19から巻芯35に巻回した正極7を分離する。
【0097】
ここで制御部100は、巻芯35に第1及び第2の正極材17及び19の正極7を巻回する場合には、当該正極7の巻回開始時点から巻芯35を正回転させた角度に応じて当該正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY20を探索して検出する。
【0098】
また制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19が接合されたときには正極材接合部71からその接合が通知されると共に、その時点から巻回電極体をいくつ形成した時点で巻芯35に正極材接合部分23が到達するかの情報を予め保持している。
【0099】
さらに制御部100は、図8(C)に示すように、第1及び第2の正極材17及び19の正極7を第1及び第2の負極材14及び18の負極4や第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に巻芯35に巻回するときには、巻芯35を第1の回転速度で正回転させて巻回開始部分を巻回した後に第2の回転速度に増速し、当該巻芯35に巻回終了部分近くまでを巻回したときにその第2の回転速度を第1の回転速度まで減速している。
【0100】
従って制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19の接合が通知された時点から巻回電極体を形成する毎にカウントした形成数に従って、活物質境界検出センサ77により第1及び第2の正極材17及び19間の正極材接合部分23において、正極7に対して活物質塗布領域6PAの他端側境界KY20を検出する場合と同様に所定探索範囲で一端側境界KY20を探索する。
【0101】
これにより制御部100は、正極材接合部分23の一端側に隣接する(すなわち、正極材接合部分23の前側の)正極7と、他の正極7とに対して巻芯35の回転速度を同様の手順及びタイミングで増減させることができ、かくして巻芯35に巻回する正極7の違いによって巻芯駆動モータ101の制御が煩雑になることを防止している。
【0102】
そして制御部100は、正極材接合部分23に対して活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を探索した結果、当該正極材接合部分23には活物質塗布領域6PAが存在しないことにより一端側境界KY20に対して検出エラーが生じると、その時点で巻芯35に巻回中の正極7に続く正極材接合部分23が正極材供給部76に到達したことを認識する。
【0103】
そして制御部100は、正極材接合部分23に対する一端側境界KY20の検出を中止し、当該正極材接合部分23の一端側で巻芯35に巻回中の正極7の他面において、活物質境界検出サンセ77により活物質塗布領域6PAと他端側未塗布領域16との境界となる他端側境界KY21を検出するように検出対象を活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20から他端側境界KY21に切り替える。
【0104】
ところが、このとき巻芯35に巻回中の正極7の他端側境界KY21は、一端側境界KY20の探索に応じて活物質境界検出センサ77を通り過ぎて巻芯35側に走行している。
【0105】
従って制御部100は、図8(D)に示すように、巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を所定角度逆回転させると共に、これに合わせて正極材張力調整部73により第1及び第2の正極材17及び19に対する張力を調整することにより巻芯35から正極材張力調整部73までの間で当該第1及び第2の正極材17及び19を所定の張力を付加したままで正極材リール28側に所定長さ逆走させる。
【0106】
これにより制御部100は、巻芯35に巻回している正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21を検出する。
【0107】
そして制御部100は、図8(E)に示すように、活物質境界検出センサ77によって検出した他端側境界KY21を基準にして巻芯35に巻回中の正極7を引き続き所定長さ巻回することにより、切断具67による正極材切断位置MK2に、当該巻芯35に巻回中の正極7の他端側未塗布領域16と、正極材接合部分23との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の正極7の他端となる)正極切離位置FS21を対向させる。
【0108】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1の正極材17の正極切離位置FS21を挟み込むようにして切断し、かくして第1の正極材17及び19から最後尾部分の最後の正極7を分離する。
【0109】
因みに制御部100は、第1の正極材17から最後尾部分の最後の正極7を切り離す際に巻芯35を逆回転させると、そのとき負極材張力調整部38により第1及び第2の負極材14及び18に対する張力も合わせて調整することにより巻芯35から負極材張力調整部38までの間で当該第1及び第2の負極材14及び18を弛ませることなく所定の張力を付加したままで負極材リール27側に所定長さ逆走させる。
【0110】
また制御部100は、巻芯35に第1及び第2の正極材17及び19の正極材接合部分23を巻回する場合には、当該正極材接合部分23の巻回を開始した時点から巻芯35を正回転した角度に応じて、当該正極材接合部分23に続く正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY20を探索して検出する。
【0111】
またこの実施の形態の場合、巻芯35の近傍には、押付ローラが移動自在に配置され、当該巻芯35を逆回転させる際にその押付ローラを巻回中の負極4、正極7、第1及び第2のセパレータのうち最も外側に位置する第1のセパレータに押し付けることにより、その巻芯35の逆回転により、負極4、正極7、第1及び第2のセパレータの巻回が緩むことを防止し、かつ当該負極4、正極7、第1及び第2のセパレータを適確に逆走させる得るようになされている。
【0112】
以上の構成において、巻回電極体形成装置25は、第1及び第2の正極材17及び19の正極7並びに第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯35に巻回したときには、巻芯35に巻回中の負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を検出し(図7(A))、当該検出した他端側境界KY10を基準にして巻芯35に巻回中の当該負極4を所定長さ巻回して切断具67により第1及び第2の負極材14及び18に対して負極4の他端となる負極切離位置FS10を切断する(図7(B))。
【0113】
また巻回電極体形成装置25は、第1及び第2の正極材17及び19間の正極材接合部分23並びに第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回したときには、当該負極材接合部分21に続く負極4の一面において活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を検出する(図7(C))。
【0114】
そして巻回電極体形成装置25は、一端側境界KY11を基準にして巻芯35を逆回転させることで、当該巻芯35に巻回中の負極材接合部分21をわずかに巻ほどいて(図7(D))、切断具67により第2の負極材18に対して巻回中の負極材接合部分21に続く負極4の一端となる接合部分切離位置FS11を切断する(図7(E))。
【0115】
従って巻回電極体形成装置25は、負極材接合部分21の切り離しの際に巻芯35を逆回転させることで、その直前に切断具67を過ぎて巻芯35側に走行していた接合部分切離位置FS11を当該切断具67側に戻して切断するため、活物質境界検出センサ66及び切断具67を第1及び第2の負極材14及び18からの負極4の切り離し用に最適化して当該一端側未塗布領域12の長さよりも格段的に短い間隔で配置することができる。
【0116】
この結果、巻回電極体形成装置25は、活物質境界検出センサ66及び切断具67の配置間隔を短くし得る分、負極材供給部42を小型化してその配置スペースも小さくすることができ、かくして負極材供給部42を巻芯35に極力近づけて配置することで、第1及び第2の負極材14及び18から切り離した負極4の巻回終了側が何ら張力を付加しなくても切断具67から巻芯35まで走行する間に走行位置が変化することを極力低減させることができる。
【0117】
以上の構成によれば、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯35に巻回したときに活物質境界検出センサ66により当該負極4の活物質塗布領域の他端側境界KY10を検出して切断具67により当該第1及び第2の負極材14及び18からその負極4を切り離し、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回したときに活物質境界検出センサ66により、その負極材接合部分21に続く負極4の活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を検出して巻芯35を逆回転させることで切断具67により第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離すようにしたことにより、活物質境界検出センサ66及び切断具67を格段的に短い間隔で配置して負極材供給部42を小型化し得る分、当該負極材供給部42を巻芯35に極力近づけて配置することができ、かくして負極4の巻回終了側を正極7や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を実現することができる。
【0118】
また負極材張力調整部38により、第1及び第2の負極材14及び18に付加する張力を常時調整していることにより、第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させても、当該第2の負極材18が弛むことを防止することができ、かくして巻芯35の逆回転後に第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に負極材切断位置MK1に接合部分切離位置FS11を適確に位置決めして当該第2の負極材18を切断することができる。
【0119】
さらに第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させても、引き続き巻芯35を正回転させる際に負極材走行位置調整部41により当該第2の負極材18の走行位置を調整することにより、負極材接合部分21の後に連なる負極4が正極、第1及び第2のセパレータに対して巻きずれした状態で巻芯35に巻回されることをほぼ確実に防止することができる。
【0120】
なお上述の実施の形態においては、第1及び第2の正極材17及び19に対して活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20に対する検出結果を基準として正極切離位置FS20を切断し、活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21に対する検出結果を基準として接合部分切離位置FS21を切断するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の正極材17及び19に対して第1及び第2の負極材14及び18と同様に活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21に対する検出結果を基準として正極切離位置を切断し、活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20に対する検出結果を基準として接合部分切離位置を切断するようにしても良い。
【0121】
そして第1及び第2の正極材17及び19についても図7(A)乃至(E)について上述した場合と同様に切断すれば、正極材供給部76を活物質境界検出センサ77及び切断具67を格段的に短い間隔で配置して小型化することができ、この結果、正極材供給部76を巻芯35に極力近づけて配置することができので、かくして正極7の巻回終了側についても負極4や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成することができる。
【0122】
これに加えて負極材供給部42と共に正極材供給部76も合わせて小型化すれば、その分、巻回電極体形成装置25を小型化することもできる。
【0123】
また上述の実施の形態においては、巻芯35を逆回転させるときに負極材張力調整部38により第1及び第2の負極材14に対する張力を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14がある程度の剛性を有していれば、巻芯35を逆回転させるときに負極材張力調整部38により当該第1及び第2の負極材14及び18に対する張力を調整しなくてもこれを弛ませずに逆走させることができる。
【0124】
さらに上述の実施の形態においては、本発明による巻回電極体形成装置を図1〜図16について上述したポリマ電解質二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置25に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、非水電解液二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置等のように、この他種々の電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置に広く適用することができる。
【0125】
さらに上述の実施の形態においては、短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材として、図1乃至図16について上述した第1及び第2の負極材14及び18を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14及び18に替えて第1及び第2の正極材17及び19を適用し、又は第1及び第2の負極材14及び18と共に第1及び第2の正極材17及び19を適用するようにしても良い。
【0126】
さらに上述の実施の形態においては、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材として、図1乃至図16について上述した微多孔性ポリプロピレンでなる第1及び第2のセパレータが多数連続するように形成された第1及び第2のセパレータ材80及び83を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の材質でなる絶縁体材を広く適用することができる。
【0127】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて当該電極の一端側から巻回する巻芯として、図1乃至図16について上述した断面楕円形の柱材に楕円の短軸を通り当該巻芯35の長手方向と平行なスリットが形成されて構成された巻芯35を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、断面円形や断面菱形等の棒材のように、この他種々の断面形状を有する棒状の巻芯を広く適用することができる。
【0128】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯を正回転及び逆回転させる巻芯回転手段として、図1乃至図16について上述した巻芯駆動モータ101を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯を正回転及び逆回転させることができれば、この他種々の巻芯回転手段を広く適用することができる。
【0129】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して電極材から巻芯に巻回した電極を切り離す電極切離手段として、図1乃至図16について上述した負極材供給部42を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極材供給部76や、活物質境界検出センサ66又は77と切断具67とのみを有する電極切離部等のように、この他種々の構成でなる電極切離手段を広く適用することができる。
【0130】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段として、図1乃至図16について上述した複数の発光素子及び複数の受光素子を2列に併設して有する活物質境界検出センサ66を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電極材を撮像し、得られた撮像画像を画像処理して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段等のように、この他種々の構成でなる境界検出手段を広く適用することができる。
【0131】
さらに上述の実施の形態においては、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段として、図1乃至図16について上述した第1及び第2の負極材14及び18をその厚み方向から上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する切断具67を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14及び18をその幅方向の一端から他端に渡って1枚刃によって切断する切断具等のように、この他種々の構成でなる切断手段を広く適用することができる。
【0132】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させるように巻芯回転手段を制御した状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させるように巻芯回転手段を制御した後、電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断させるように切断手段を制御し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させるように巻芯回転手段を制御した状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させるように巻芯回転手段を制御した後、電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断させるように切断手段を制御する制御手段として、図1乃至図16について上述した制御部100を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ等のように、この他種々の制御手段を広く適用することができる。
【0133】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯が逆回転した際に、電極材に所定の張力を付加する張力付加手段として、図1乃至図16について上述した負極材張力調整部38を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯が逆回転した際に、電極材に所定の張力を付加することができれば、この他種々の構成でなる張力付加手段を広く適用することができる。
【0134】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯が逆回転した後、再び電極材の電極を巻回するために正回転した際に、電極材の幅方向の一端が所定位置を通過するように当該電極材の走行位置を調整する走行位置調整手段として、図1乃至図16について上述した負極材走行位置調整部41を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯が逆回転した後、再び電極材の電極を巻回するために正回転した際に、電極材の幅方向の一端が所定位置を通過するように当該電極材の走行位置を調整することができれば、この他種々の構成でなる走行位置調整手段を広く適用することができる。
【0135】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させた後、切断手段により電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させた後、切断手段により電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断するようにしたことにより、電極材に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界を検出したときに切断手段よりも巻芯側にすでに近づいていた一端側未塗布領域の一端を巻芯の逆回転によって切断手段側に戻す分、電極切離手段を境界検出手段と切断手段とを極力近づけて小型化し、巻芯に極力近づけて配置することができ、かくして電極の巻回終了側を絶縁体に対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による巻回電極体形成装置の構成の一実施の形態を示す略線的外観図である。
【図2】負極材張力調整部の構成を示す略線図である。
【図3】負極材走行位置調整部の構成を示す略線的斜視図である。
【図4】負極材走行位置調整部の構成を示す略線的正面図である。
【図5】負極材供給部の構成を示す略線的斜視図である。
【図6】巻回電極体形成装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】第1及び第2の負極材からの負極及び負極材接合部分の切り離しの説明に供する略線的下面図である。
【図8】第1及び第2の正極材からの正極及び正極材接合部分の切り離しの説明に供する略線的上面図である。
【図9】ポリマ電解質二次電池の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図10】負極の構成を示す略線的上面図及び略線的側面図である。
【図11】正極の構成を示す略線的上面図及び略線的側面図である。
【図12】巻回電極体の構成を示す略線的斜視図である。
【図13】第1及び第2の負極材の構成を示す略線的側面図である。
【図14】第1及び第2の正極材の構成を示す略線的側面図である。
【図15】第1及び第2の負極材の接合の説明に供する略線的側面図である。
【図16】第1及び第2の正極材の接合の説明に供する略線的側面図である。
【符号の説明】
2……負極用集電体、3……負極用活物質、3PA……活物質塗布領域、4……負極、8……巻回電極体、12……一端側未塗布領域、13……他端側未塗布領域、14……第1の負極材、18……第2の負極材、21……負極材接合部分、25……巻回電極体形成装置、35……巻芯、38……負極材張力調整部、41……負極材走行位置調整部、42……負極材供給部、66……活物質境界検出センサ、67……切断具、80……第1のセパレータ材、83……第2のセパレータ材、100……制御部、101……巻芯駆動モータ、KY10……他端側境界、KY11一端側境界、FS10……負極切離位置、FS11……接合部分切離位置。
【発明の属する技術分野】
本発明は巻回電極体形成装置に関し、例えば短冊状の負極及び正極を重ねて巻回することによりポリマ電解質二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリマ電解質二次電池として、図9乃至図12に示すように偏平状に形成されたものがある。
【0003】
かかるポリマ電解質二次電池1は、短冊状の銅箔等でなる負極用集電体2の両面に負極用活物質3が被膜状に塗布されて形成された負極4と、短冊状のアルミニウム箔等でなる正極用集電体5の両面に正極用活物質6が被膜状に塗布されて形成された正極7とを短冊状の微多孔性ポリプロピレンでなる2枚の第1及び第2のセパレータを介して互いに絶縁した状態で巻回して形成された偏平状の巻回電極体8を有し、負極4の巻回開始側に負極リード9が溶接されると共に、正極7の巻回開始側に正極リード10が溶接されている。
【0004】
またポリマ電解質二次電池1は、例えばポリエチレンテレフタレート、アルミニウム膜及び無延伸ポリプロピレンの3層構造でなる袋状のラミネートフィルム11内に巻回電極体8が収納され、当該ラミネートフィルム11の開口部が負極リード9及び正極リード10を外部に突出させた状態で封止されて構成されている。
【0005】
この場合、ポリマ電解質二次電池1は、負極用活物質3としてリチウムやリチウムイオン合金、炭素素材等のようなリチウムイオンのドープ及び脱ドープの可能な物質が用いられ、正極用活物質6としてリチウムコバルト複合酸化物等のようなリチウム複合酸化物が用いられている。
【0006】
またポリマ電解質二次電池1は、ポリアクリロニトリル等でなるゲル状のポリマ電解質が負極4及び正極7の負極用活物質3及び正極用活物質6に含浸されると共に、第1及び第2のセパレータにも含浸されている。
【0007】
これによりポリマ電解質二次電池1は、負極用活物質3と正極用活物質6とをポリマ電解質を介して電気化学的に反応させてリチウムイオンを利用した電池として機能し、比較的高い電池電圧を負極リード9及び正極リード10を介して外部に出力し得ると共に、比較的高いエネルギー密度を有し、充放電のサイクル特性にも優れている等の多数の利点を有していることにより、近年、広く使用されている。
【0008】
ここで、ポリマ電解質二次電池1の巻回電極体8を形成する従来の巻回電極体形成装置は、負極材リール及び正極材リール、第1のセパレータ材リール及び第2のセパレータ材リールが装着されている。
【0009】
そして巻回電極体形成装置は、負極材リールから図13に示すように短冊状の負極用集電体2の両面に負極用活物質3が塗布され、当該負極用集電体2の長手方向の巻回開始側となる一端側の活物質未塗布領域(以下、これを一端側未塗布領域と呼ぶ)12が巻回終了側となる他端側の活物質未塗布領域(以下、これを他端側未塗布領域と呼ぶ)13よりも長い負極4が多数連続するように形成された負極材14を引き出して巻芯まで走行させる。
【0010】
また巻回電極体形成装置は、正極材リールから図14に示すように短冊状の正極用集電体5の両面に正極用活物質6が塗布され、当該正極用集電体5の長手方向の巻回開始側となる一端側の一端側未塗布領域15が巻回終了側となる他端側の他端側未塗布領域16よりも長い正極7が多数連続するように形成された正極材17を引き出して巻芯まで走行させる。
【0011】
さらに巻回電極体形成装置は、第1のセパレータ材リール及び第2のセパレータ材リールから第1のセパレータが多数連続するように形成された第1のセパレータ材及び第2のセパレータが多数連続するように形成された第2のセパレータ材もそれぞれ引き出して巻芯に走行させる。
【0012】
これにより巻回電極体形成装置は、負極材14、正極材17、第1及び第2のセパレータ材を第1のセパレータ材、負極材14、第2のセパレータ材及び正極材17の順に重ねながら巻芯に巻回し、当該負極材14、正極材17、第1及び第2のセパレータ材から巻芯に巻回した負極4、正極7、第1及び第2のセパレータを切り離すことにより巻回電極体8を順次形成している。
【0013】
これに加えて巻回電極体形成装置は、1つ目の負極材リールから負極材(以下、これを特に第1の負極材と呼ぶ)14を後尾部分まで引き出すと、図15に示すように第1の負極材14の最後尾部分と2つ目の負極材リールから引き出した新たな負極材(以下、これを特に第2の負極材と呼び、図13について上述した第1の負極材14と同様に構成されている)18の最先頭部分とを接合テープ20を介して接合することにより当該第1の負極材14の後尾部分の最後の負極4と第2の負極材18の先頭部分の最初の負極4との間に少なくとも1個の負極4の長さとほぼ同じ長さを有する活物質未塗布領域(以下、これを負極材接合部分と呼ぶ)21を形成する。
【0014】
また巻回電極体形成装置は、1つ目の正極材リールから正極材(以下、これを特に第1の正極材と呼ぶ)17を後尾部分まで引き出すと、図16に示すように第1の正極材17の最後尾部分と2つ目の正極材リールから引き出した新たな正極材(以下、これを特に第2の正極材と呼び、図14について上述した第1の正極材17と同様に構成されている)19の最先頭部分とを接合テープ22を介して接合することにより当該第1の正極材17の後尾部分の最後の正極7と第2の正極材19の先頭部分の最初の正極7との間に少なくとも1個の正極7の長さとほぼ同じ長さを有する活物質未塗布領域(以下、これを正極材接合部分と呼ぶ)23を形成する。
【0015】
そして巻回電極体形成装置は、第1の負極材14及び第1の正極材17の負極4及び正極6を第1及び第2のセパレータと共に順次巻回して巻回電極体8を形成した後、負極材接合部分及び正極材接合部分を第1及び第2のセパレータと共に巻回して廃棄用巻回体を形成し、引き続き第2の負極材18及び第2の正極材19の負極4及び正極7を第1及び第2のセパレータと共に順次巻回して巻回電極体8を形成することにより、第1及び第2の負極材14及び18に存在する全ての負極4と第1及び第2の正極材17及び19に存在する全ての正極7とを有効に用いて多数の巻回電極体8を連続して形成している(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
【特許文献1】
特開2002−25600公報(第15頁、第16頁、第17頁、第18頁、図5、図6、図7、図8)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の巻回電極体形成装置には、第1及び第2の負極材14及び18を巻芯に供給する負極材供給部が配置され、当該負極材供給部に第1及び第2の負極材14及び18の負極4に対して、巻回の際に下方向を向く一面の活物質塗布領域3PA(図13)と他端側未塗布領域13及び一端側未塗布領域12との境界を検出する活物質境界検出センサと、当該第1及び第2の負極材14及び18を切断する切断具とが設けられている。
【0018】
そして巻回電極体形成装置は、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯に巻回し始めると、活物質境界検出センサにより、巻芯に巻回中の負極4において活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13との他端側境界KY1(図13)を検出する。
【0019】
そして巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサによって検出した他端側境界KY1を基準にして、巻芯に巻回中の負極4を引き続き所定長さ巻回することにより切断具による負極材切断位置に、他端側境界KY1に隣接する他端側未塗布領域13と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、巻芯に巻回中の負極4の他端となる)負極切離位置FS1(図13)を対向させる。
【0020】
これにより巻回電極体形成装置は、切断具により第1及び第2の負極材14及び18を負極切離位置FS1で切断し、かくして第1及び第2の負極材14及び18から巻芯に巻回した負極4を分離する。
【0021】
また巻回電極体形成装置は、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21に活物質塗布領域3PAが存在しないことにより、当該負極材接合部分21を巻芯に巻回し始めたときだけは、活物質境界検出センサにより、負極材接合部分21と隣接して次に巻回を待ち受けている負極4(すなわち、負極材接合部分21に続く第2の負極材18の最初の負極4)において活物質塗布領域3PAと一端側未塗布領域12との一端側境界KY2(図15)を検出する。
【0022】
そして巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサによって検出した一端側境界KY2を基準にして、巻芯に巻回中の負極材接合部分21を引き続き所定長さ巻回することにより切断具による負極材切断位置に、負極材接合部分21と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、負極材接合部分21に続く負極4の一端となる)負極切離位置(以下、これを特に接合部分切離位置と呼ぶ)FS2(図15)を対向させる。
【0023】
これにより巻回電極体形成装置は、切断具により第2の負極材18を接合部分切離位置FS2で切断し、かくして第2の負極材18から巻芯に巻回した負極材接合部分21を分離する。
【0024】
ところが巻回電極体形成装置は、活物質境界検出センサにより他端側境界KY1を検出したときには、負極材切断位置に他端側境界KY1よりも後側の負極切離位置FS1を対向させるものの、当該活物質境界検出センサにより一端側境界KY2を検出したときには、負極材切断位置に一端側境界KY2よりも前側で、かつ当該一端側境界KY2から一端側未塗布領域の長さだけ離れた接合部分切離位置FS2を対向させている。
【0025】
このため負極材供給部には、活物質境界検出センサと切断具とが他端側未塗布領域の長さよりも長い、少なくとも一端側未塗布領域の長さだけ離間させて設けられ、第1及び第2の負極材14及び18に対して負極切離位置FS1のみを切断する場合に比べて当該負極材供給部全体が大型化すると共に、その設置スペースも大きくなる。
【0026】
従って巻回電極体形成装置では、巻芯と負極材供給部とが比較的離されて配置され、当該負極材供給部で第1及び第2の負極材14及び18から負極4を切り離したときに、その負極4の巻回終了側をこれに何ら張力を付加せずに負極材供給部から巻芯までの比較的長い距離を走行させていることにより、当該負極4の巻回終了側が正極7や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれした状態で巻芯に巻回される場合があった。
【0027】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、電極の巻回終了側を絶縁体に対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を提案しようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材の当該電極と、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材の当該絶縁体とを重ねて巻回することにより巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置において、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて当該電極の一端側から巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して電極材から巻芯に巻回した電極を切り離す電極切離手段の当該境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させた後、切断手段により電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させた後、切断手段により電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断するようにした。
【0029】
従って、電極材に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界を検出したときに巻芯側にすでに近づいていた一端側未塗布領域の一端を巻芯の逆回転によって切断手段側に戻すことができ、この結果、電極切離手段を境界検出手段と切断手段とを極力近づけて小型化し、かつ配置スペースも小さくして巻芯に極力近づけて配置することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する
【0031】
図1において、25は全体として本発明による巻回電極体形成装置を示し、装置筐体26の筐体側壁26Aに負極材リール27、正極材リール28、第1のセパレータ材リール29及び第2のセパレータ材リール30が交換可能な状態に装着されている。
【0032】
そして負極材リール27には図13について上述した第1の負極材14が予め巻き取られており、当該負極材リール27から引き出された第1の負極材14は、負極材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該負極材リール27及び巻芯35間に配置された第1の負極材ガイドローラ36、負極材接合部37、負極材張力調整部38、第2の負極材ガイドローラ39、第3の負極材ガイドローラ40、負極材走行位置調整部41及び負極材供給部42を順に通る。
【0033】
ここで負極材張力調整部38は、図2に示すように、W字の各角部に位置する互いに平行な5本のローラ43乃至47を有し、このうちW字の上側の角部で直線的に並ぶ3本のローラ(以下、これを位置固定ローラと呼ぶ)43乃至45が筐体側壁26Aに回動自在に枢支されている。
【0034】
また筐体側壁26Aにおいて、位置固定ローラ43乃至45を除く残りの2本のローラ(以下、これを張力調整ローラと呼ぶ)46及び47の位置するW字の下側の角部に相当する箇所には、矢印Aに示すように位置固定ローラ43乃至45から離れる方向(以下、これを張力増加方向と呼ぶ)及びこれとは逆の位置固定ローラ43乃至45に近づく方向(以下、これを張力減少方向と呼ぶ)に移動可能なローラ移動板48が配置され、当該ローラ移動板48上に2本の張力調整ローラ46及び47が回動自在に枢支されている。
【0035】
さらにローラ移動板48は、装置筐体26内部に設けられたシリンダ(図示せず)に取り付けられると共に、所定の張力検出センサ(図示せず)も取り付けられている。
【0036】
そして負極材張力調整部42は、位置固定ローラ43乃至45及び張力調整ローラ46及び47に対して走行中の第1の負極材14が略W字状に掛け渡され、この状態でシリンダによりローラ移動板48と共に2本の張力調整ローラ46及び47を張力増加方向及び張力減少方向に移動させることにより当該走行中の第1の負極材14に対して弛んだり又は張りすぎたりしないように所定の張力を付加すると共に、その張力を常に維持するように調整している。
【0037】
負極材走行位置調整部41は、図3及び図4に示すように、平行な2本の位置固定ローラ55及び56が筐体側壁26Aに回動自在に枢支されている。
【0038】
また負極材走行位置調整部41は、筐体側壁26Aに固定されたモータ57を有し、モータ57の出力軸がコ字状のローラ保持部58の底板58Aに接続され、当該ローラ保持部58に互いに平行な2本の走行位置調整ローラ59及び60が回動自在に保持されている。
【0039】
さらに第1の負極材14の送出側に配置された一方の位置固定ローラ56及び走行位置調整ローラ60間には、走行中の第1の負極材14に対して幅方向の一端の走行位置を検出するための走行位置検出センサ61が配置されている。
【0040】
因みに走行位置検出センサ61は、光ビームを発射する複数の発光素子が並設された発光部61Aと、当該光ビームを受光する複数の受光素子が並設された受光部61Bとを有している。
【0041】
そして走行位置検出センサ61は、発光部61A及び受光部61Bの各発光素子と各受光素子とを順番に対向させ、かつ例えば互いの対向する中央部から同一方向側の一端までの間に、規定通りに走行している第1の負極材14の幅方向の一端部が介在するように配置されていることにより、当該第1の負極材14の走行位置の変化に応じて各発光素子から発射した光ビームの遮り方(すなわち、光ビームを受光する受光素子の数)を変化させ得るようになされている。
【0042】
この場合、負極材走行位置調整部41は、走行中の第1の負極材14を一方の位置固定ローラ55から2本の走行位置調整ローラ59及び60を介して他方の位置固定ローラ56に凹字状に掛け渡している。
【0043】
そして負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を2本の位置固定ローラ55及び56と平行にした状態からモータ57によりローラ保持部58と共に矢印Bに示すように走行位置調整ローラ59及び60の一端側を、第1の負極材14の取り込み側に配置された位置固定ローラ55の一端から離す方向(以下、これを走行位置外側移動方向と呼ぶ)及びこれとは逆の当該一端側をその位置固定ローラ55の一端に近づける方向(以下、これを走行位置内側移動方向と呼ぶ)に回転させ得るようになされている。
【0044】
これにより負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を2本の位置固定ローラ55及び56と平行にした状態では第1の負極材14の走行位置を替えずにそのまま維持する。
【0045】
また負極材走行位置調整部41は、2本の走行位置調整ローラ59及び60を走行位置外側移動方向に回転させたときにはその回転角度に応じて第1の負極材14を矢印Cに示すように筐体側壁26Aから離す方向に滑らせ、当該2本の走行位置調整ローラ59及び60を走行位置内側移動方向に回転させたときにはその回転角度に応じて第1の負極材14を矢印Dに示すように筐体側壁26Aに近づける方向に滑らせることにより、第1の負極材14の走行位置を調整し得るようになされている。
【0046】
負極材供給部42は、図5に示すように、筐体側壁26Aに配置されたガイドレール63に移動ブロック64が矢印Eに示すように巻芯35に近づく方向(以下、これを巻芯接近方向と呼ぶ)及びこれとは逆の巻心35から離れる方向(以下、これを巻芯離隔方向と呼ぶ)に移動自在に取り付けられ、当該移動ブロック64に、第1の負極材14をその厚み方向から挟持し、又はその挟持を解除する一対の挟持板65A及び65Bからなる挟持部65が取り付けられている。
【0047】
またガイドレール63の巻芯35側には、第1の負極材14の一面と対向させて活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13及び一端側未塗布領域12との境界を検出するための複数の発光素子及び複数の受光素子を2列に併設して有する活物質境界検出センサ66が配置されると共に、当該活物質境界検出センサ64よりも巻芯35側に、第1の負極材14をその厚み方向から上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する切断具67が配置されている。
【0048】
そして負極材供給部42は、巻芯35に第1の負極材14の負極4が巻回される間は、巻芯離隔方向側の所定の待機位置に待機させた移動ブロック64上で一対の挟持板65A及び65Bを離間させることによりその隙間に第1の負極材14を通し、当該第1の負極材14から巻芯35に巻回されている負極4を切断具67によって切り離すときには一対の挟持板65A及び65Bによって第1の負極材14を挟持することにより負極4の切り離しの際に第1の負極材14が負極材走行路から外れることを防止している。
【0049】
また負極材供給部42は、第1の負極材14から負極4を切り離すと、一対の挟持板65A及び65Bによって第1の負極材14を挟持したまま移動ブロック64を巻芯近接方向に移動させることにより、再び第1の負極材14を巻芯35に供給して巻回させ得るようになされている。
【0050】
一方、正極材リール28には図14について上述した第1の正極材17が予め巻き取られており、当該正極材リール28から引き出された第1の正極材17は正極材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該正極材リール28及び巻芯35間に配置された第1の正極材ガイドローラ70、正極材接合部71、第2の正極材ガイドローラ72、正極材張力調整部73、正極材走行位置調整部74、第3の正極材ガイドローラ75及び正極材供給部76を順に通る。
【0051】
ここで正極材張力調整部73は、図2について上述した負極材張力調整部38と同様に構成され、走行中の第1の正極材17に対して弛んだり又は張りすぎたりしないように所定の張力を付加すると共に、その張力を常に維持するように調整している。
【0052】
また正極材走行位置調整部74は、図3及び図4について上述した負極材走行位置調整部41と同様に構成され、第1の正極材17の走行位置を調整している。
【0053】
さらに正極材供給部76は、活物質境界検出センサ66の替わりに、第1の正極材17に対して巻回の際に上方向を向く他面と対向させて活物質塗布領域と一端側未塗布領域15及び他端側未塗布領域16との境界を検出する活物質境界検出センサ77が配置されていることを除いて図5について上述した負極材供給部42と同様に構成されている。
【0054】
これにより正極材供給部76は、第1の正極材17から巻芯35に巻回されている正極7を切り離す際に当該第1の正極材17を挟持部65によって挟持して正極材走行路から外れることを防止し得ると共に、その後、移動ブロック64を移動させて第1の正極材17を巻芯35に供給して巻回させ得るようになされている。
【0055】
また第1のセパレータ材リール29から引き出された第1のセパレータ材80は、第1のセパレータ材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該第1のセパレータ材リール29及び巻芯35間に配置された第1のセパレータ材張力調整部81及び第1のセパレータ材ガイドローラ82を順に通る。
【0056】
さらに第2のセパレータ材リール30から引き出された第2のセパレータ材83は、第2のセパレータ材走行路上を巻芯35まで送られることにより、当該第2のセパレータ材リール30及び巻芯35間に配置された第2のセパレータ材張力調整部84及び第2のセパレータ材ガイドローラ85を順に通る。
【0057】
そして第1のセパレータ材張力調整部82及び第2のセパレータ材張力調整部84は、図2について上述した負極材張力調整部38と同様に構成されており、走行中の第1のセパレータ80及び第2のセパレータ材83に所定の張力を付加すると共に、その張力を維持するように調整している。
【0058】
巻芯35は、断面楕円形の柱材に楕円の短軸を通り当該巻芯35の長手方向と平行なスリットが形成されて構成されており、筐体側壁26Aに正回転及び逆回転自在に枢支され、かつ当該筐体側壁26Aに対して外側に突出及び内部に引き込まれるようになされている。
【0059】
また巻芯35の近傍には、巻芯35が筐体側壁26Aの内側に引き込まれた際に第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を重ねた状態で挟持して当該巻芯35の配置箇所を横切るように搬送することにより、この後巻芯35が筐体側壁26Aの外側に突出した際に当該巻芯35のスリットに第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を挟持させるセパレータ搬送部(図示せず)が配置されている。
【0060】
さらに巻芯35の近傍には、第1及び第2のセパレータ材80及び83から巻芯35に巻回された第1及び第2のセパレータを切り離すセパレータ切断部(図示せず)が配置されている。
【0061】
これに加えて巻芯35の近傍には、当該巻芯35に巻回された負極4、正極7、第1及び第2のセパレータが第1の負極材14、第1の正極材17、第1及び第2のセパレータ材80及び83からそれぞれ切り離されたときに、巻芯35に巻回している負極4、正極7、第1及び第2のセパレータのうち最も外側に位置する第1のセパレータの巻回終了部分に巻止テープを貼着する巻止テープ貼着部が配置されている。
【0062】
そして巻芯35の近傍には電極体搬送部90が配置され、当該電極体搬送部90には、筐体側壁26Aに配置されたガイドレール91と、当該ガイドレール91に移動自在に保持された電極体保持アーム92とが設けられている。
【0063】
電極体搬送部90は、巻芯35に負極4、正極7、第1及び第2のセパレータが巻回されて巻回電極体が形成された際、当該巻回電極体を電極体保持アームで挟み込んで保持し、この状態で巻芯35が筐体側壁26Aの内側に引き込まれることによりその巻回電極体から巻芯35が引き抜かれると、当該電極体保持アーム92と共にこれに保持している巻回電極体をガイドレール91を介して移動させて後段の工程に搬送するための電極体搬送ベルト(図示せず)に載上し得るようになされている。
【0064】
また巻回電極体形成装置25は、1つ目の負極材リール27から第1の負極材14の最後尾部分を引き出すと、当該1つ目の負極材リール27が図13に上述した第2の負極材18を予め巻き取っている2つ目の負極材リール27に交換され、負極材接合部37において図15について上述した場合と同様に第1の負極材14と第2の負極材18とが接合される。
【0065】
さらに巻回電極体形成装置25は、1つ目の正極材リール28から第1の正極材17の最後尾部分を引き出すと、当該1つ目の正極材リール28が図14について上述した第2の正極材19を予め巻き取っている2つ目の正極材リール28に交換され、正極材接合部71において図16について上述した場合と同様に第1の正極材17と第2の正極材19とが接合される。
【0066】
これにより巻回電極体形成装置25は、第1の負極材14及び第1の正極材17に連続させて第2の負極材18及び第2の正極材19も巻芯35まで走行させ得るようになされている。
【0067】
実際上巻回電極体形成装置25は、図6に示すように、装置筐体26内部に当該巻回電極体形成装置25の各部を制御する制御部100が設けられている。
【0068】
制御部100は、巻回電極体の形成を開始すると、負極材張力調整部38の張力調整センサにより常時、張力調整ローラ46及び47にかかる第1及び第2の負極材14及び18の張力を検出し、当該検出した張力に応じて負極材張力調整部38に対してシリンダを駆動してローラ移動板48と共に張力調整ローラ46及び47を張力増加方向及び張力減少方向に移動させることにより、走行中の第1及び第2の負極材14及び18に対して予め選定された所定の張力を付加する。
【0069】
また制御部100は、正極材張力調整部73、第1のセパレータ材張力調整部81及び第2のセパレータ材張力調整部84についても負極材張力調整部38の場合と同様に制御することにより、常時、第1及び第2の正極材17及び19、第1のセパレータ材80及び第2のセパレータ材83に対して予め選定された所定の張力を付加する。
【0070】
この状態で制御部100は、巻芯35のスリットに第1及び第2のセパレータ材80及び83の先頭部分を挟持させた後、装置筐体26の内部に設けられた巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を巻回開始用の比較的低速な第1の回転速度で正回転させる。
【0071】
そして制御部100は、負極材供給部42及び正極材供給部76の挟持部65にそれぞれ第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を挟持させた状態で移動ブロック64を待機位置から巻芯接近方向に移動させる。
【0072】
これにより制御部100は、巻芯35に巻回し始めた第1及び第2のセパレータ材80及び83の間に第1及び第2の負極材14及び18を所定のタイミングで介在させると共に、当該第2のセパレータ材83上に第1及び第2の正極材17及び19を所定のタイミングで沿わせる。
【0073】
このようにして制御部100は、巻芯35に第1及び第2のセパレータ材80及び83と共に第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19も合わせて巻回し始めると、巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を第1の回転速度よりも高速な第2の回転速度で正回転させて引き続き当該第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19、第1及び第2のセパレータ材80及び83を高速に巻回する。
【0074】
そして制御部100は、負極4及び正極7の長さに応じて予め選定された所定回数だけ巻芯35を第2の回転速度で正回転させると、巻芯駆動モータ101を駆動して当該巻芯35の回転速度を第1の回転速度に減速することにより第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19、第1及び第2のセパレータ材80及び83の走行速度を遅くする。
【0075】
この状態で制御部100は、負極材供給部42の活物質境界検出センサ66により第1及び第2の負極材14及び18に対して活物質塗布領域3PAの境界を検出すると共に、正極材供給部76の活物質境界検出センサ77により第1及び第2の正極材17及び19に対して活物質塗布領域の境界を検出し、これら検出結果に応じて引き続き巻芯35を所定角度正回転させて当該第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を所定長さ巻芯35側に走行させた後、当該巻芯35の正回転を停止させる。
【0076】
このとき制御部100は、負極材供給部42及び正極材供給部76の挟持部65にそれぞれ第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19を待機位置で挟持させ、この状態で第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19をそれぞれ切断具67の上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する。
【0077】
そして制御部100は、再び巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を正回転させることにより、第1及び第2の負極材14及び18、第1及び第2の正極材17及び19から切り離した負極4及び正極7の巻回終了側を巻芯35に巻回すると共に、その際に第1及び第2のセパレータ材80及び83から第1及び第2のセパレータを切り離してその巻回終了側も合わせて巻芯35に巻回することにより巻回電極体を形成する。
【0078】
因みに制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18を巻芯35による巻回等に応じて走行させている間は、負極材走行位置調整部41の走行位置検出センサ61により走行中の第1及び第2の負極材14及び18の走行位置(すなわち、走行中の第1及び第2の負極材14及び18の幅方向の一端が通過する位置)を検出する。
【0079】
そして制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の走行位置の検出結果に応じて、負極材走行位置調整部41に対してモータ57を駆動してローラ保持部58を所定角度回転させることにより、走行中の第1及び第2の負極材14及び18の幅方向の一端が予め選定された所定位置を通過するように当該第1及び第2の負極材14及び18の走行位置を調整する。
【0080】
また制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18と共に走行している第1及び第2の正極材17及び19についても、正極材走行位置調整部74を負極材走行位置調整部41の場合と同様に制御することにより、走行中の第1及び第2の正極材17及び19の幅方向の一端が予め選定された所定位置を通過するように当該第1及び第2の正極材17及び19の走行位置を調整する。
【0081】
ここで制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を一端側から巻芯35に巻回すると、図7(A)に示すように、巻芯35に巻回中の負極4の一面において、負極材供給部42の活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAと他端側未塗布領域13との他端側境界KY10を検出する。
【0082】
そして制御部100は、図7(B)に示すように、活物質境界検出センサ66によって検出した他端側境界KY10を基準にして巻芯35に巻回中の負極4を引き続き所定長さ巻回することにより切断具67による負極材切断位置MK1に、他端側境界KY10に隣接する他端側未塗布領域13と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の負極4の他端となる)負極切離位置FS10を対向させる。
【0083】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1及び第2の負極材14及び18の負極切離位置FS10を挟み込むようにして切断し、かくして第1及び第2の負極材14及び18から巻芯35に巻回した負極4を分離する。
【0084】
また制御部100は、図7(C)に示すように、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回すると、当該負極材接合部分21と隣接して次に巻回を待ち受けている負極4(すなわち、負極材接合部分21に続く第2の負極材18の最初の負極4)の一面に対し、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAと一端側未塗布領域12との一端側境界KY11を検出する。
【0085】
そして制御部100は、図7(D)に示すように、活物質境界検出センサ66によって検出した一端側境界KY11を基準にして巻芯駆動モータ101を駆動することにより巻芯35を所定角度逆回転させると共に、当該巻芯35の逆回転に合わせて負極材張力調整部38により第2の負極材18に対する張力を調整することにより巻芯35から負極材張力調整部38までの間で当該第2の負極材18を弛ませることなく所定の張力を付加したままで負極材リール27側に所定長さ逆走させる。
【0086】
これにより制御部100は、切断具67による負極材切断位置MK1に、負極材接合部分21と、次に巻回を待ち受けている負極4の一端側未塗布領域12との境界となる(すなわち、負極材接合部分21に続く負極4の一端となる)負極切離位置(以下、これを特に接合部分切離位置と呼ぶ)FS11を対向させる。
【0087】
そして制御部100は、図7(E)に示すように、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第2の負極材18の接合部分切離位置FS11を挟み込むようにして切断し、かくして第2の負極材18から巻芯35に巻回した負極材接合部分21を分離する。
【0088】
このようにして制御部100は、負極材接合部分21を巻芯35に巻回した際に当該負極材接合部分21に続く負極4において他端側未塗布領域13の長さよりも長い一端側未塗布領域12の一端となる接合部分切離位置FS12が一端側境界KY11の検出時点にこれより巻芯35側に走行していても、当該一端側境界KY11の検出に応じて巻芯35を逆回転させることにより、他端側境界KY10を基準として負極切離位置FS10を切断するように活物質境界検出センサ66及び切断具67の位置を固定したままで、その接合部分切離位置FS12を適確に切断し得るようになされている。
【0089】
因みに制御部100は、第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させると、そのとき正極材張力調整部73により第2の正極材19に対する張力も合わせて調整することにより巻芯35から正極材張力調整部73までの間で当該第2の正極材19も弛ませることなく所定の張力を付加したままで正極材リール28側に所定長さ逆走させる。
【0090】
また制御部100は、巻芯35に第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻回する場合には、当該負極4の巻回開始時点から巻芯35を正回転させた角度に応じて当該負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を含む前後の所定探索領域で当該他端側境界KY10を探索して検出している。
【0091】
さらに制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18が接合されたときに負極材接合部37からその接合が通知されると共に、その時点から巻回電極体をいくつ形成した時点で巻芯35に負極材接合部分21が到達するかの情報を予め保持している。
【0092】
これにより制御部100は、第1及び第2の負極材14及び18の接合が通知された時点から巻回電極体を形成する毎にその形成数をカウントし、当該カウントした形成数に従って、第2の負極材18の最初の負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY11を探索することによりその一端側境界KY11を適確に検出している。
【0093】
また制御部100は、第2の負極材18の最初の負極4において一端側境界KY11を検出した後には、引き続き当該負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を含む所定探索領域で当該他端側境界KY10を探索して検出する。
【0094】
なおこの実施の形態の場合、制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19の正極7を巻芯35に巻回すると、図8(A)に示すように、巻芯35に巻回中の正極7に続く正極7の他面において、正極材供給部76の活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAと一端側未塗布領域15との一端側境界KY20を検出する。
【0095】
そして制御部100は、図8(B)に示すように、活物質境界検出センサ77によって検出した一端側境界KY20を基準にして巻芯35に巻回中の正極7を引き続き所定長さ巻回することにより切断具67による正極材切断位置MK2に、一端側境界KY20に隣接する一端側未塗布領域15と、巻芯35に巻回中の正極7の他端側未塗布領域16との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の正極7の他端となる)正極切離位置FS20を対向させる。
【0096】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1及び第2の正極材17及び19の正極切離位置FS20を挟み込むようにして切断し、かくして第1及び第2の正極材17及び19から巻芯35に巻回した正極7を分離する。
【0097】
ここで制御部100は、巻芯35に第1及び第2の正極材17及び19の正極7を巻回する場合には、当該正極7の巻回開始時点から巻芯35を正回転させた角度に応じて当該正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY20を探索して検出する。
【0098】
また制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19が接合されたときには正極材接合部71からその接合が通知されると共に、その時点から巻回電極体をいくつ形成した時点で巻芯35に正極材接合部分23が到達するかの情報を予め保持している。
【0099】
さらに制御部100は、図8(C)に示すように、第1及び第2の正極材17及び19の正極7を第1及び第2の負極材14及び18の負極4や第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に巻芯35に巻回するときには、巻芯35を第1の回転速度で正回転させて巻回開始部分を巻回した後に第2の回転速度に増速し、当該巻芯35に巻回終了部分近くまでを巻回したときにその第2の回転速度を第1の回転速度まで減速している。
【0100】
従って制御部100は、第1及び第2の正極材17及び19の接合が通知された時点から巻回電極体を形成する毎にカウントした形成数に従って、活物質境界検出センサ77により第1及び第2の正極材17及び19間の正極材接合部分23において、正極7に対して活物質塗布領域6PAの他端側境界KY20を検出する場合と同様に所定探索範囲で一端側境界KY20を探索する。
【0101】
これにより制御部100は、正極材接合部分23の一端側に隣接する(すなわち、正極材接合部分23の前側の)正極7と、他の正極7とに対して巻芯35の回転速度を同様の手順及びタイミングで増減させることができ、かくして巻芯35に巻回する正極7の違いによって巻芯駆動モータ101の制御が煩雑になることを防止している。
【0102】
そして制御部100は、正極材接合部分23に対して活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を探索した結果、当該正極材接合部分23には活物質塗布領域6PAが存在しないことにより一端側境界KY20に対して検出エラーが生じると、その時点で巻芯35に巻回中の正極7に続く正極材接合部分23が正極材供給部76に到達したことを認識する。
【0103】
そして制御部100は、正極材接合部分23に対する一端側境界KY20の検出を中止し、当該正極材接合部分23の一端側で巻芯35に巻回中の正極7の他面において、活物質境界検出サンセ77により活物質塗布領域6PAと他端側未塗布領域16との境界となる他端側境界KY21を検出するように検出対象を活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20から他端側境界KY21に切り替える。
【0104】
ところが、このとき巻芯35に巻回中の正極7の他端側境界KY21は、一端側境界KY20の探索に応じて活物質境界検出センサ77を通り過ぎて巻芯35側に走行している。
【0105】
従って制御部100は、図8(D)に示すように、巻芯駆動モータ101を駆動して巻芯35を所定角度逆回転させると共に、これに合わせて正極材張力調整部73により第1及び第2の正極材17及び19に対する張力を調整することにより巻芯35から正極材張力調整部73までの間で当該第1及び第2の正極材17及び19を所定の張力を付加したままで正極材リール28側に所定長さ逆走させる。
【0106】
これにより制御部100は、巻芯35に巻回している正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21を検出する。
【0107】
そして制御部100は、図8(E)に示すように、活物質境界検出センサ77によって検出した他端側境界KY21を基準にして巻芯35に巻回中の正極7を引き続き所定長さ巻回することにより、切断具67による正極材切断位置MK2に、当該巻芯35に巻回中の正極7の他端側未塗布領域16と、正極材接合部分23との境界となる(すなわち、巻芯35に巻回中の正極7の他端となる)正極切離位置FS21を対向させる。
【0108】
これにより制御部100は、切断具67の上刃67A及び下刃67Bにより第1の正極材17の正極切離位置FS21を挟み込むようにして切断し、かくして第1の正極材17及び19から最後尾部分の最後の正極7を分離する。
【0109】
因みに制御部100は、第1の正極材17から最後尾部分の最後の正極7を切り離す際に巻芯35を逆回転させると、そのとき負極材張力調整部38により第1及び第2の負極材14及び18に対する張力も合わせて調整することにより巻芯35から負極材張力調整部38までの間で当該第1及び第2の負極材14及び18を弛ませることなく所定の張力を付加したままで負極材リール27側に所定長さ逆走させる。
【0110】
また制御部100は、巻芯35に第1及び第2の正極材17及び19の正極材接合部分23を巻回する場合には、当該正極材接合部分23の巻回を開始した時点から巻芯35を正回転した角度に応じて、当該正極材接合部分23に続く正極7の他面において、活物質境界検出センサ77により活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20を含む前後の所定探索領域で当該一端側境界KY20を探索して検出する。
【0111】
またこの実施の形態の場合、巻芯35の近傍には、押付ローラが移動自在に配置され、当該巻芯35を逆回転させる際にその押付ローラを巻回中の負極4、正極7、第1及び第2のセパレータのうち最も外側に位置する第1のセパレータに押し付けることにより、その巻芯35の逆回転により、負極4、正極7、第1及び第2のセパレータの巻回が緩むことを防止し、かつ当該負極4、正極7、第1及び第2のセパレータを適確に逆走させる得るようになされている。
【0112】
以上の構成において、巻回電極体形成装置25は、第1及び第2の正極材17及び19の正極7並びに第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯35に巻回したときには、巻芯35に巻回中の負極4の一面において、活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの他端側境界KY10を検出し(図7(A))、当該検出した他端側境界KY10を基準にして巻芯35に巻回中の当該負極4を所定長さ巻回して切断具67により第1及び第2の負極材14及び18に対して負極4の他端となる負極切離位置FS10を切断する(図7(B))。
【0113】
また巻回電極体形成装置25は、第1及び第2の正極材17及び19間の正極材接合部分23並びに第1及び第2のセパレータ材80及び83の第1及び第2のセパレータと共に第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回したときには、当該負極材接合部分21に続く負極4の一面において活物質境界検出センサ66により活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を検出する(図7(C))。
【0114】
そして巻回電極体形成装置25は、一端側境界KY11を基準にして巻芯35を逆回転させることで、当該巻芯35に巻回中の負極材接合部分21をわずかに巻ほどいて(図7(D))、切断具67により第2の負極材18に対して巻回中の負極材接合部分21に続く負極4の一端となる接合部分切離位置FS11を切断する(図7(E))。
【0115】
従って巻回電極体形成装置25は、負極材接合部分21の切り離しの際に巻芯35を逆回転させることで、その直前に切断具67を過ぎて巻芯35側に走行していた接合部分切離位置FS11を当該切断具67側に戻して切断するため、活物質境界検出センサ66及び切断具67を第1及び第2の負極材14及び18からの負極4の切り離し用に最適化して当該一端側未塗布領域12の長さよりも格段的に短い間隔で配置することができる。
【0116】
この結果、巻回電極体形成装置25は、活物質境界検出センサ66及び切断具67の配置間隔を短くし得る分、負極材供給部42を小型化してその配置スペースも小さくすることができ、かくして負極材供給部42を巻芯35に極力近づけて配置することで、第1及び第2の負極材14及び18から切り離した負極4の巻回終了側が何ら張力を付加しなくても切断具67から巻芯35まで走行する間に走行位置が変化することを極力低減させることができる。
【0117】
以上の構成によれば、第1及び第2の負極材14及び18の負極4を巻芯35に巻回したときに活物質境界検出センサ66により当該負極4の活物質塗布領域の他端側境界KY10を検出して切断具67により当該第1及び第2の負極材14及び18からその負極4を切り離し、第1及び第2の負極材14及び18間の負極材接合部分21を巻芯35に巻回したときに活物質境界検出センサ66により、その負極材接合部分21に続く負極4の活物質塗布領域3PAの一端側境界KY11を検出して巻芯35を逆回転させることで切断具67により第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離すようにしたことにより、活物質境界検出センサ66及び切断具67を格段的に短い間隔で配置して負極材供給部42を小型化し得る分、当該負極材供給部42を巻芯35に極力近づけて配置することができ、かくして負極4の巻回終了側を正極7や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を実現することができる。
【0118】
また負極材張力調整部38により、第1及び第2の負極材14及び18に付加する張力を常時調整していることにより、第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させても、当該第2の負極材18が弛むことを防止することができ、かくして巻芯35の逆回転後に第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に負極材切断位置MK1に接合部分切離位置FS11を適確に位置決めして当該第2の負極材18を切断することができる。
【0119】
さらに第2の負極材18から負極材接合部分21を切り離す際に巻芯35を逆回転させても、引き続き巻芯35を正回転させる際に負極材走行位置調整部41により当該第2の負極材18の走行位置を調整することにより、負極材接合部分21の後に連なる負極4が正極、第1及び第2のセパレータに対して巻きずれした状態で巻芯35に巻回されることをほぼ確実に防止することができる。
【0120】
なお上述の実施の形態においては、第1及び第2の正極材17及び19に対して活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20に対する検出結果を基準として正極切離位置FS20を切断し、活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21に対する検出結果を基準として接合部分切離位置FS21を切断するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の正極材17及び19に対して第1及び第2の負極材14及び18と同様に活物質塗布領域6PAの他端側境界KY21に対する検出結果を基準として正極切離位置を切断し、活物質塗布領域6PAの一端側境界KY20に対する検出結果を基準として接合部分切離位置を切断するようにしても良い。
【0121】
そして第1及び第2の正極材17及び19についても図7(A)乃至(E)について上述した場合と同様に切断すれば、正極材供給部76を活物質境界検出センサ77及び切断具67を格段的に短い間隔で配置して小型化することができ、この結果、正極材供給部76を巻芯35に極力近づけて配置することができので、かくして正極7の巻回終了側についても負極4や第1及び第2のセパレータに対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成することができる。
【0122】
これに加えて負極材供給部42と共に正極材供給部76も合わせて小型化すれば、その分、巻回電極体形成装置25を小型化することもできる。
【0123】
また上述の実施の形態においては、巻芯35を逆回転させるときに負極材張力調整部38により第1及び第2の負極材14に対する張力を調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14がある程度の剛性を有していれば、巻芯35を逆回転させるときに負極材張力調整部38により当該第1及び第2の負極材14及び18に対する張力を調整しなくてもこれを弛ませずに逆走させることができる。
【0124】
さらに上述の実施の形態においては、本発明による巻回電極体形成装置を図1〜図16について上述したポリマ電解質二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置25に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、非水電解液二次電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置等のように、この他種々の電池用の巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置に広く適用することができる。
【0125】
さらに上述の実施の形態においては、短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材として、図1乃至図16について上述した第1及び第2の負極材14及び18を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14及び18に替えて第1及び第2の正極材17及び19を適用し、又は第1及び第2の負極材14及び18と共に第1及び第2の正極材17及び19を適用するようにしても良い。
【0126】
さらに上述の実施の形態においては、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材として、図1乃至図16について上述した微多孔性ポリプロピレンでなる第1及び第2のセパレータが多数連続するように形成された第1及び第2のセパレータ材80及び83を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の材質でなる絶縁体材を広く適用することができる。
【0127】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて当該電極の一端側から巻回する巻芯として、図1乃至図16について上述した断面楕円形の柱材に楕円の短軸を通り当該巻芯35の長手方向と平行なスリットが形成されて構成された巻芯35を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、断面円形や断面菱形等の棒材のように、この他種々の断面形状を有する棒状の巻芯を広く適用することができる。
【0128】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯を正回転及び逆回転させる巻芯回転手段として、図1乃至図16について上述した巻芯駆動モータ101を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯を正回転及び逆回転させることができれば、この他種々の巻芯回転手段を広く適用することができる。
【0129】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して電極材から巻芯に巻回した電極を切り離す電極切離手段として、図1乃至図16について上述した負極材供給部42を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、正極材供給部76や、活物質境界検出センサ66又は77と切断具67とのみを有する電極切離部等のように、この他種々の構成でなる電極切離手段を広く適用することができる。
【0130】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段として、図1乃至図16について上述した複数の発光素子及び複数の受光素子を2列に併設して有する活物質境界検出センサ66を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、電極材を撮像し、得られた撮像画像を画像処理して活物質塗布領域と一端側未塗布領域及び他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段等のように、この他種々の構成でなる境界検出手段を広く適用することができる。
【0131】
さらに上述の実施の形態においては、境界検出手段による境界の検出結果を基準にした電極材の電極切離位置を切断する切断手段として、図1乃至図16について上述した第1及び第2の負極材14及び18をその厚み方向から上刃67A及び下刃67Bによって挟み込んで切断する切断具67を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の負極材14及び18をその幅方向の一端から他端に渡って1枚刃によって切断する切断具等のように、この他種々の構成でなる切断手段を広く適用することができる。
【0132】
さらに上述の実施の形態においては、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させるように巻芯回転手段を制御した状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させるように巻芯回転手段を制御した後、電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断させるように切断手段を制御し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させるように巻芯回転手段を制御した状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させるように巻芯回転手段を制御した後、電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断させるように切断手段を制御する制御手段として、図1乃至図16について上述した制御部100を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、CPU(Central Processing Unit )やマイクロプロセッサ等のように、この他種々の制御手段を広く適用することができる。
【0133】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯が逆回転した際に、電極材に所定の張力を付加する張力付加手段として、図1乃至図16について上述した負極材張力調整部38を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯が逆回転した際に、電極材に所定の張力を付加することができれば、この他種々の構成でなる張力付加手段を広く適用することができる。
【0134】
さらに上述の実施の形態においては、巻芯が逆回転した後、再び電極材の電極を巻回するために正回転した際に、電極材の幅方向の一端が所定位置を通過するように当該電極材の走行位置を調整する走行位置調整手段として、図1乃至図16について上述した負極材走行位置調整部41を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、巻芯が逆回転した後、再び電極材の電極を巻回するために正回転した際に、電極材の幅方向の一端が所定位置を通過するように当該電極材の走行位置を調整することができれば、この他種々の構成でなる走行位置調整手段を広く適用することができる。
【0135】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、電極材の電極と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を引き続き正回転させた後、切断手段により電極材に対して電極の他端となる電極切離位置を切断し、電極材の後尾部分と他の電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と絶縁体材の絶縁体とを重ねて巻芯に巻回する際に当該巻芯を正回転させた状態で、境界検出手段により活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて巻芯を逆回転させた後、切断手段により電極材に対して接合部分に続く電極の一端となる電極切離位置を切断するようにしたことにより、電極材に対して活物質塗布領域と一端側未塗布領域との境界を検出したときに切断手段よりも巻芯側にすでに近づいていた一端側未塗布領域の一端を巻芯の逆回転によって切断手段側に戻す分、電極切離手段を境界検出手段と切断手段とを極力近づけて小型化し、巻芯に極力近づけて配置することができ、かくして電極の巻回終了側を絶縁体に対して巻きずれさせずに巻回して巻回電極体を形成し得る巻回電極体形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による巻回電極体形成装置の構成の一実施の形態を示す略線的外観図である。
【図2】負極材張力調整部の構成を示す略線図である。
【図3】負極材走行位置調整部の構成を示す略線的斜視図である。
【図4】負極材走行位置調整部の構成を示す略線的正面図である。
【図5】負極材供給部の構成を示す略線的斜視図である。
【図6】巻回電極体形成装置の回路構成を示すブロック図である。
【図7】第1及び第2の負極材からの負極及び負極材接合部分の切り離しの説明に供する略線的下面図である。
【図8】第1及び第2の正極材からの正極及び正極材接合部分の切り離しの説明に供する略線的上面図である。
【図9】ポリマ電解質二次電池の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図10】負極の構成を示す略線的上面図及び略線的側面図である。
【図11】正極の構成を示す略線的上面図及び略線的側面図である。
【図12】巻回電極体の構成を示す略線的斜視図である。
【図13】第1及び第2の負極材の構成を示す略線的側面図である。
【図14】第1及び第2の正極材の構成を示す略線的側面図である。
【図15】第1及び第2の負極材の接合の説明に供する略線的側面図である。
【図16】第1及び第2の正極材の接合の説明に供する略線的側面図である。
【符号の説明】
2……負極用集電体、3……負極用活物質、3PA……活物質塗布領域、4……負極、8……巻回電極体、12……一端側未塗布領域、13……他端側未塗布領域、14……第1の負極材、18……第2の負極材、21……負極材接合部分、25……巻回電極体形成装置、35……巻芯、38……負極材張力調整部、41……負極材走行位置調整部、42……負極材供給部、66……活物質境界検出センサ、67……切断具、80……第1のセパレータ材、83……第2のセパレータ材、100……制御部、101……巻芯駆動モータ、KY10……他端側境界、KY11一端側境界、FS10……負極切離位置、FS11……接合部分切離位置。
Claims (4)
- 短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材の当該電極と、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材の当該絶縁体とを重ねて巻回することにより巻回電極体を形成する巻回電極体形成装置において、
上記電極材の上記電極と上記絶縁体材の上記絶縁体とを重ねて当該電極の上記一端側から巻回する巻芯と、
上記巻芯を正回転及び逆回転させる巻芯回転手段と、
上記電極材の上記電極に対して活物質塗布領域と上記一端側未塗布領域及び上記他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、上記境界検出手段による上記境界の上記検出結果を基準にした上記電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して上記電極材から上記巻芯に巻回した上記電極を切り離す電極切離手段と、
上記電極材の上記電極と上記絶縁体材の上記絶縁体とを重ねて上記巻芯に巻回する際に当該巻芯を上記正回転させるように上記巻芯回転手段を制御した状態で、上記境界検出手段により上記活物質塗布領域と上記他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて上記巻芯を引き続き上記正回転させるように上記巻芯回転手段を制御した後、上記電極材に対して上記電極の上記他端となる上記電極切離位置を切断させるように上記切断手段を制御し、
上記電極材の後尾部分と他の上記電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と上記絶縁体材の上記絶縁体とを重ねて上記巻芯に巻回する際に当該巻芯を上記正回転させるように上記巻芯回転手段を制御した状態で、上記境界検出手段により上記活物質塗布領域と上記一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて上記巻芯を上記逆回転させるように上記巻芯回転手段を制御した後、上記電極材に対して上記接合部分に続く上記電極の上記一端となる上記電極切離位置を切断させるように上記切断手段を制御する制御手段と
を具えることを特徴とする巻回電極体形成装置。 - 上記巻芯が上記逆回転した際に、上記電極材に所定の張力を付加する張力付加手段
を具えることを特徴とする請求項1に記載の巻回電極体形成装置。 - 上記巻芯が上記逆回転した後、再び上記電極材の上記電極を巻回するために上記正回転した際に、上記電極材の幅方向の一端が所定位置を通過するように当該電極材の走行位置を調整する走行位置調整手段
を具えることを特徴とする請求項1に記載の巻回電極体形成装置。 - 短冊状の集電体の少なくとも一面の中央部に活物質が塗布され、当該集電体の長手方向の一端側の一端側未塗布領域が他端側の他端側未塗布領域よりも長い電極が多数連続するように形成された帯状の電極材の当該電極と、絶縁体が多数連続するように形成された帯状の絶縁体材の当該絶縁体とを重ねて巻回することにより巻回電極体を形成する巻回電極体形成方法において、
上記電極材の上記電極と上記絶縁体材の上記絶縁体とを重ねて当該電極の上記一端側から巻芯に巻回する際に当該巻芯を上記正回転させた状態で、上記電極材の上記電極に対して活物質塗布領域と上記一端側未塗布領域及び上記他端側未塗布領域との境界を検出する境界検出手段と、上記境界検出手段による上記境界の上記検出結果を基準にした上記電極材の電極切離位置を切断する切断手段とを有して上記電極材から上記巻芯に巻回した上記電極を切り離す電極切離手段の当該境界検出手段により上記活物質塗布領域と上記他端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて上記巻芯を引き続き上記正回転させた後、上記切断手段により上記電極材に対して上記電極の上記他端となる上記電極切離位置を切断し、
上記電極材の後尾部分と他の上記電極材の先頭部分とが接合されて形成された接合部分と上記絶縁体材の上記絶縁体とを重ねて上記巻芯に巻回する際に当該巻芯を上記正回転させた状態で、上記境界検出手段により上記活物質塗布領域と上記一端側未塗布領域との境界が検出されると、当該検出結果に応じて上記巻芯を上記逆回転させた後、上記切断手段により上記電極材に対して上記接合部分に続く上記電極の上記一端となる上記電極切離位置を切断するようにした
ことを特徴とする巻回電極体形成方法。
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JP2003068503A JP2004281127A (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 巻回電極体形成装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003068503A patent/JP2004281127A/ja active Pending
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